説明

排ガス処理装置及び排ガス処理方法

【課題】 排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る排ガス処理装置を提供することにある。
【解決手段】 有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水が互いに接触する接触容器が備えられてなり、前記接触容器内に前記排ガスが供給されて前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水が供給されて前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質が前記洗浄水に溶解されるように構成されている排ガス処理装置であって、
前記排ガスが、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有し、
前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなることを特徴とする排ガス処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関し、具体的には、有害物質含有排ガスから有害物質を除去する排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有害物質(例えば、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、硫黄酸化物(SOX )等)が含有された排ガスから有害物質を除去する排ガス処理装置としては、有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水(例えば、有機性廃水を生物処理して得られる生物処理水等)が互いに接触する接触容器を備えてなる排ガス処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この排ガス処理装置は、前記接触容器内に前記排ガスが供給されて前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水が供給されて前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質が前記洗浄水に溶解されるように構成されている。
この排ガス処理装置は、このように構成されていることにより、前記排ガスから有害物質を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−142791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この排ガス処理装置としては、前記洗浄水の流路を細分化して前記洗浄水と前記排ガスとの接触面積を増加させる充填物(例えば、リング状の充填物、紐状の充填物、板状の充填物、粒状の充填物、多孔質の充填物等)が充填された充填ユニットを前記接触容器内に備えてなる装置が例示される。
斯かる排ガス処理装置は、前記洗浄水と前記排ガスとが該充填ユニットに供給されて該充填ユニット内の流路を流通するように構成されてなる。このように構成されていることにより、この排ガス処理装置は、前記排ガスと前記洗浄水との接触効率が高まり、前記排ガスから有害物質をより一層除去することができる。また、斯かる排ガス処理装置は、必要に応じて、該充填ユニットに供給される排ガスを冷却水で冷却するように構成されてなる。
【0006】
しかしながら、斯かる排ガス処理装置は、前記排ガスと前記洗浄水との接触によって生じたスケールが前記充填ユニットに蓄積し、該充填ユニット内の流路が前記スケールにより詰まり、前記排ガス及び前記洗浄水が前記充填ユニット内の流路を流通し難くなり、前記排ガスから有害物質を除去し難くなるという問題がある。
【0007】
また、前記洗浄水がノズルから前記接触容器内に供給されるように排ガス処理装置が構成されている場合には、該ノズルの流路の洗浄水と排ガスが接触し、該ノズルにもスケールが蓄積し、該ノズル内の流路が該スケールにより詰まり、前記洗浄水が接触容器内に供給され難くなり、前記排ガスから有害物質を除去し難くなるという問題がある。
さらに、前記接触容器内を流通して使用され且つ該接触容器外に排出された使用済み洗浄水が、返送配管を介して再び前記接触容器内に供給されて接触容器内を流通するように排ガス処理装置が構成されている場合には、前記返送配管内の流路がスケールにより詰まり、前記使用済み洗浄水が前記接触容器内に供給され難くなり、前記排ガスから有害物質を除去し難くなるという問題がある。
ノズル内の流路や返送配管内の流路等がスケールにより詰まって、前記排ガスから有害物質を除去し難くなるという問題は、前記充填ユニットが備えられていない排ガス処理装置にも生じ得る。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが鋭意研究したところ、排ガスが硫黄酸化物(SOX )を含有する場合には、前記排ガス処理装置により該排ガスから有害物質を除去しようとすると、該硫黄酸化物(SOX )と、前記洗浄水に通常含まれるカルシウム(Ca)とが反応して、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )が生成されることを見出し、更に、前記排ガスに接触した洗浄水の流路に亜硫酸カルシウム(CaSO3 )がスケールの原因物質として半水和物の形態で付着することを見出した。
一方で、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )は、酸化剤で酸化されることにより、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )よりも溶解度が高い硫酸カルシウム(CaSO4 )となる事実が知られている。
そして、本発明者らは、上述の点を見出したことと、上記事実とにより、本発明を想到するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水が互いに接触する接触容器が備えられてなり、前記接触容器内に前記排ガスが供給されて前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水が供給されて前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質が前記洗浄水に溶解されるように構成されている排ガス処理装置であって、
前記排ガスが、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有し、
前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなることを特徴とする排ガス処理装置にある。
【0011】
斯かる排ガス処理装置によれば、前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなることにより、スケールの原因物質である亜硫酸カルシウム(CaSO3 )が、前記酸化剤によって、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )よりも溶解度が高い硫酸カルシウム(CaSO4 )となり、前記流路にスケールを生じ難くすることができ、また、前記流路のスケールを減少させることができる。
従って、斯かる排ガス処理装置によれば、前記流路の詰まりを抑制して、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る。
【0012】
また、本発明に係る排ガス処理装置は、好ましくは、前記接触容器内に、前記接触容器内の流路を細分化して前記洗浄水と前記排ガスとの接触面積を増加させる充填物が充填された充填ユニットが備えられ、前記洗浄水と前記排ガスとが該充填ユニットに供給されて該充填ユニット内の流路を流通するように構成されてなり、前記接触容器内における前記充填ユニットに供給されるガスの圧力から、前記接触容器内における該充填ユニットから排出されるガスの圧力を引いた差圧を測定する差圧測定装置が備えられ、該差圧測定装置による測定値が基準値以上である場合又は該測定値が基準値を超える場合に、前記充填ユニット内の流路に前記酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなる。
【0013】
斯かる排ガス処理装置によれば、前記充填ユニットが備えられ、前記洗浄水と前記排ガスとが該充填ユニットに供給されて該充填ユニット内の流路を流通するように構成されてなることから、前記排ガスと前記洗浄水との接触効率が高まり、前記排ガスから有害物質をより一層除去することができる。
また、斯かる排ガス処理装置によれば、前記測定値が基準値以上である場合又は該測定値が基準値を超える場合、すなわち、前記充填ユニットの流路にスケールが所定量以上生じた場合又は前記充填ユニットの流路にスケールが所定量を超えて生じた場合に、前記充填ユニット内の流路に前記酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなることから、前記充填ユニットの流路にスケールをより一層生じ難くすることができ、また、前記充填ユニットの流路のスケールをより一層減少させることができるという利点がある。従って、斯かる排ガス処理装置によれば、前記流路の詰まりを抑制して、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る。
【0014】
さらに、本発明に係る排ガス処理装置は、好ましくは、前記酸化剤含有水溶液が前記接触容器内の流路に導入されて使用され且つ前記接触容器外に排出された使用済み酸化剤含有水溶液が、再び前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなり、
前記使用済み酸化剤含有水溶液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定装置が備えられてなり、
該酸化還元電位測定装置による測定値が基準値以下若しくは基準値未満である場合に、前記使用済み酸化剤含有水溶液に酸化剤が供給され、更に、前記酸化剤が供給された使用済み酸化剤含有水溶液が、前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなる。
【0015】
斯かる排ガス処理装置によれば、前記使用済み酸化剤含有水溶液が、再び前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなることにより、前記使用済み酸化剤含有水溶液に含まれる酸化剤を有効利用することができるという利点がある。
また、斯かる排ガス処理装置によれば、前記酸化還元電位測定装置が備えられ、該酸化還元電位測定装置による測定値が基準値以下若しくは基準値未満である場合に、前記使用済み酸化剤含有水溶液に酸化剤が供給され、更に、前記酸化剤が供給された使用済み酸化剤含有水溶液が、前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなることにより、所定以上の酸化力を有する酸化剤含有水溶液が前記接触容器内の流路に導入されることとなり、前記接触容器内の流路にスケールをより一層生じ難くすることができ、また、前記接触容器内の流路のスケールをより一層減少させることができるという利点もある。
従って、斯かる排ガス処理装置によれば、前記流路の詰まりを抑制して、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る。
【0016】
また、本発明に係る排ガス処理装置は、好ましくは、前記流路に導入される酸化剤含有水溶液のpHが10未満となるように構成されている。
【0017】
亜硫酸カルシウム(CaSO3 )のみならず、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )以外のスケールの原因物質である硫酸カルシウム(CaSO4 )、及び炭酸カルシウム(CaCO3 )は、pHが低くなるほど溶解度が高まることから、斯かる排ガス処理装置によれば、前記流路にスケールをより一層生じ難くすることができ、また、前記流路のスケールをより一層減少させることができるという利点がある。
従って、斯かる排ガス処理装置によれば、前記流路の詰まりを抑制して、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る。
【0018】
また、本発明は、有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水が互いに接触する接触容器が備えられてなる排ガス処理装置を用い、前記接触容器内に前記排ガスを供給して前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水を供給して前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質を前記洗浄水に溶解させる排ガス処理方法であって、
前記排ガスが、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有し、
前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入する工程を備えてなることを特徴とする排ガス処理方法にある。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、排ガスからの有害物質の除去効率の低下を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に係る排ガス処理装置の概略図。
【図2】一実施形態に係る排ガス処理装置の概略図。
【図3】試料(1)〜(4)の蛍光X線チャート。
【図4】試料(1)の蛍光X線チャート。
【図5】試料(2)の外表面部分の蛍光X線チャート。
【図6】試料(2)の内側部分の蛍光X線チャート。
【図7】試料(3)の蛍光X線チャート。
【図8】試料(4)の外表面部分の蛍光X線チャート。
【図9】試料(4)の中間部分の蛍光X線チャート。
【図10】試料(4)の内側部分の蛍光X線チャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。具体的には、有害物質含有排ガス(単に、「排ガス」ともいう。)として、下水汚泥などの有機性汚泥が焼却されて発生した汚泥焼却排ガスを浄化処理し、且つ、該排ガスを洗浄する洗浄水として生物処理水を用いた態様の装置及び方法を例に説明する。
【0022】
なお、下水汚泥などの有機性汚泥には硫黄分が含まれていることから、該汚泥焼却排ガスは、有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有する。
また、前記生物処理水は、有機性廃水(有機物を含有する廃水で、例えば、下水、屎尿、食品工場廃水、化学工場廃水など)を生物処理して得られる処理水を意味する。前記生物処理は、細菌、原生動物、後生動物等の生物種によって水に含まれる有機物を分解する処理である。前記生物処理としては、具体的には、活性汚泥を用いた曝気処理等を挙げることができる。尚、前記生物処理水には、有機性廃水や生物に由来するカルシウムが含まれている。
【0023】
まず、本実施形態の排ガス処理装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態の排ガス処理装置1は、有害物質含有排ガスA及び該排ガスAを洗浄する洗浄水Bが互いに接触する接触容器2と、該接触容器2内に前記排ガスAを供給する排ガス供給部3と、前記接触容器2内に前記洗浄水Bを供給する洗浄水供給部4とを備えてなる。
【0024】
前記接触容器2は、筒状に形成され、中空内部にて、前記排ガスA、及び前記洗浄水Bが接触するように構成されてなる。
【0025】
前記排ガス供給部3は、前記排ガスAを前記接触容器2に移送する排ガス移送経路31を備えてなる。
【0026】
前記洗浄水供給部4は、該排ガス供給部3から前記接触容器2内に前記排ガスAが供給される位置よりも上方側から、前記接触容器2内に前記洗浄水Bを供給するように構成さえてなる。
また、前記洗浄水供給部4は、前記接触容器2内の水平方向に対して前記洗浄水Bが分散するように、前記接触容器2内に前記洗浄水Bを供給する洗浄水散水部41と、前記洗浄水Bが貯留された洗浄水貯留槽(図示せず)から前記洗浄水散水部41に前記洗浄水Bを移送する洗浄水移送経路42とを備えてなる。
前記洗浄水散水部41としては、例えば、散水ノズルを備えたものが例示される。
【0027】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内に前記排ガスAが供給されて前記排ガスAが前記接触容器2内を流通しつつ、前記接触容器2内に前記洗浄水Bが供給されて前記洗浄水Bが前記接触容器2内を流通することにより、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが互いに接触して、前記排ガスAの有害物質が前記洗浄水Bに溶解されるように構成されている。
具体的には、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガス供給部3から前記接触容器2内に前記排ガスAが供給されて前記排ガスAが前記接触容器2内を下側から上側に向けて流通しつつ、前記洗浄水供給部4から前記接触容器2内に前記洗浄水Bが供給されて前記洗浄水Bが前記接触容器2内を流下することにより、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが互いに接触するように構成されてなる。本実施形態の排ガス処理装置1では、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが互いに接触することにより、前記排ガスAの有害物質が前記洗浄水Bに溶解されて、前記排ガスAより有害物質が減少した処理ガスCと、前記有害物質が溶解された流通水Dとが得られる。
【0028】
前記接触容器2は、前記流通水Dを収容する流通水収容部21を備えてなる。前記流通水収容部21は、前記排ガス供給部3から前記接触容器2に前記排ガスAが供給される箇所よりも下方側に設けられている。
【0029】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記処理ガスCを前記接触容器2から大気へ放出する処理ガス移送経路5aと、前記流通水収容部21から、前記流通水Dを貯留する流通水貯留槽(図示せず)に前記流通水Dを移送する流通水移送経路5bとを備えてなる。
前記流通水貯留槽(図示せず)に移送された流通水Dは、下水処理施設に移送され下水処理施設で浄化処理される。
【0030】
本実施形態の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内を前記排ガスAが流通するように前記排ガスAを送るブロア11を備えてなる。本実施形態の排ガス処理装置1は、該ブロア11により、前記接触容器2内を下側から上側に向けて前記排ガスAが流通するように構成されている。
一方で、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水供給部4から前記接触容器2内に前記洗浄水Bが供給されると、前記洗浄水Bが、自重により前記接触容器2内を流下するように構成されてなる。
【0031】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水Bの流路を細分化して前記洗浄水Bと前記排ガスAとの接触面積を増加させる充填物が充填された充填ユニット6を前記接触容器2内に備えてなる。
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水Bと前記排ガスAとが該充填ユニット6に供給されて該充填ユニット6内の流路を流通するように構成されてなる。
【0032】
前記充填物としては、本発明の効果を損ねない範囲内であれば、排ガス処理装置で用いられる従来公知の充填物を用いることができ、例えば、リング状の充填物、紐状の充填物、板状の充填物、粒状の充填物、多孔質の充填物等が例示される。
前記充填物の材質としては、プラスチック、ステンレス、セラミック等が例示される。
【0033】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記充填ユニット6が、前記排ガス供給部3から前記接触容器2に前記排ガスAが供給される位置よりも上方側で、且つ前記洗浄水供給部4から前記接触容器2に前記洗浄水Bが供給される位置よりも下方側に配されてなる。
【0034】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが前記充填ユニット6内で互いに接触して、前記排ガスAから前記有害物質が除去されるように構成されている。
【0035】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガスAに接触した洗浄水Bが流通する流路に、酸化剤含有水溶液Eを導入するように構成されてなる。さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガスAに接触した洗浄水Bが流通する流路に酸化剤含有水溶液Eを供給する酸化剤含有水溶液供給部7を備えてなる。該酸化剤含有水溶液供給部7は、前記充填ユニット6の上方側から前記充填ユニット6に酸化剤含有水溶液Eを供給するように構成されてなる。
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記酸化剤含有水溶液供給部7から前記充填ユニット6に前記酸化剤含有水溶液Eが供給されて前記酸化剤含有水溶液Eが前記充填ユニット6内を流下するように構成されてなる。
前記酸化剤含有水溶液Eは、亜硫酸カルシウム(CaSO3 )を硫酸カルシウム(CaSO4 )にする酸化剤含有水溶液であれば特に限定されないが、前記酸化剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、過マンガン酸カリウム(KMnO4 )、過酸化水素(H2 2 )、硝酸(HNO3 )、硫酸(H2 SO4 )等が挙げられる。
【0036】
前記酸化剤含有水溶液供給部7は、前記接触容器2内の水平方向に対して前記酸化剤含有水溶液Eが分散するように、前記接触容器2内に前記酸化剤含有水溶液Eを供給する酸化剤含有水溶液散水部71と、前記酸化剤含有水溶液Eが貯留された前記酸化剤含有水溶液貯留槽(図示せず)から前記酸化剤含有水溶液散水部71に前記酸化剤含有水溶液Eを移送する酸化剤含有水溶液移送経路72とを備えてなる。
前記酸化剤含有水溶液散水部71としては、例えば、散水ノズルを備えたものが例示される。
本実施形態の排ガス処理装置1では、前記洗浄水散水部41が、前記酸化剤含有水溶液散水部71としても機能している。
【0037】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが前記接触容器2にて接触しつつ、前記酸化剤含有水溶液Eが前記接触容器2に供給されるように構成されていてもよい。一方で、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが前記接触容器2で互いに接触しない状態で、前記酸化剤含有水溶液Eが前記接触容器2に供給されるように構成されてもよい。
【0038】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内における前記充填ユニット6に供給されるガスの圧力と、前記接触容器2内における該充填ユニット6から排出されるガスの圧力とを測定し、前者の圧力から後者の圧力を引いた差圧を求める差圧測定装置8を備えてなる。なお、前記差圧は、前記排ガスAが前記充填ユニット6を流通している時に測定された差圧を意味する。
本実施形態の排ガス処理装置1は、前記差圧測定装置8による測定値が基準値以上である場合又は該測定値が基準値を超える場合に、前記充填ユニット6内の流路に前記酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなる。具体的には、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記差圧測定装置8による測定値が基準値以上である場合又は該測定値が基準値を超える場合に、前記酸化剤含有水溶液供給部7から前記充填ユニット6に前記酸化剤含有水溶液Eが供給されて前記酸化剤含有水溶液Eが前記充填ユニット6の流路内を流下するように構成されている。
前記差圧の基準値は、排ガスAの流量、浄化水の水量、充填物の種類等にもよるが、1.0〜1.5kPaが好ましい。
本実施形態の排ガス処理装置1では、前記酸化剤含有水溶液Eが前記接触容器2内の流路に導入されて使用された使用済み酸化剤含有水溶液が、前記流通水Dとして前記流通水収容部21に収容される。
【0039】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記流通水Dのうち前記使用済み酸化剤含有水溶液を、前記接触容器2外に排出されるように構成されてなる。また、本実施形態の排ガス処理装置1は、該接触容器2外に排出された使用済み酸化剤含有水溶液を再び前記接触容器2内の流路に供給する使用済み酸化剤含有水溶液供給部9を備えてなる。また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記使用済み酸化剤含有水溶液供給部9から前記充填ユニット6に前記使用済み酸化剤含有水溶液が供給されて、前記使用済み酸化剤含有水溶液が前記接触容器2の流路内、具体的には前記充填ユニット6の流路内を流下するように構成されてなる。
【0040】
前記使用済み酸化剤含有水溶液供給部9は、前記接触容器2内の水平方向に対して前記使用済み酸化剤含有水溶液が分散するように、前記接触容器2内に前記使用済み酸化剤含有水溶液を供給する使用済み酸化剤含有水溶液散水部91と、前記流通水収容部21から前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91に前記使用済み酸化剤含有水溶液を移送する使用済み酸化剤含有水溶液移送経路92とを備えてなる。
前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91としては、例えば、散水ノズルを備えるものが例示される。
本実施形態の排ガス処理装置1では、前記洗浄水散水部41が、前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91としても機能している。
【0041】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記使用済み酸化剤含有水溶液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定装置10を備えてなる。該酸化還元電位測定装置10は、前記使用済み酸化剤含有水溶液供給部9内の使用済み酸化剤含有水溶液の酸化還元電位を測定するように構成されてなる。
【0042】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記酸化還元電位測定装置10による測定値が基準値以下若しくは基準値未満である場合に、前記使用済み酸化剤含有水溶液に酸化剤が供給されるように構成されてなる。また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記酸化剤が供給された使用済み酸化剤含有水溶液が、使用済み酸化剤含有水溶液供給部9から前記充填ユニット6に供給されて前記充填ユニット6内を流下するように構成されてなる。
なお、前記使用済み酸化剤含有水溶液に供給される酸化剤は、該使用済み酸化剤含有水溶液よりも酸化力が高い水溶液の形態で前記使用済み酸化剤含有水溶液に供給されてもよい。
前記酸化還元電位の基準値は、+1.0V以上が好ましく、+1.6V以上がより好ましい。
【0043】
前記充填ユニット6に供給される酸化剤含有水溶液EのpHは、10未満が好ましく、6.0〜9.0がより好ましい。
亜硫酸カルシウム(CaSO3 )だけでなく、スケールの原因物質である硫酸カルシウム(CaSO4 )、及び炭酸カルシウム(CaCO3 )は、pHが低くなるほど溶解度が高まる。従って、前記pHが10未満であることにより、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記充填ユニット6にスケールをより一層生じ難くすることができ、また、前記充填ユニット6のスケールをより一層減少させることができるという利点を有する。
また、前記pHが6.0以上であることにより、本実施形態の排ガス処理装置1は、脱硫性能が向上するという利点を有する。
【0044】
次に、本実施形態の排排ガス処理方法について説明する。
本実施形態の排ガス処理方法では、本実施形態の排ガス処理装置1を用いる。
本実施形態の排ガス処理方法は、前記接触容器2内に前記排ガスAを供給して前記排ガスAが前記接触容器2内を流通しつつ、前記接触容器2内に前記洗浄水Bを供給して前記洗浄水Bが前記接触容器2内を流通することにより、前記排ガスA及び前記洗浄水Bが互いに接触して、前記排ガスの有害物質を前記洗浄水に溶解させる洗浄水工程を備えてなる。
また、本実施形態の排ガス処理方法は、前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入する酸化剤工程を備えてなる。該酸化剤工程では、前記酸化剤含有水溶液供給部7から前記充填ユニット6に酸化剤含有水溶液を供給して前記酸化剤含有水溶液が前記充填ユニット6内を流下する。
【0045】
尚、本実施形態の排ガス処理装置及び排ガス処理方法は、上記構成を有するものであったが、本発明の排ガス処理装置及び排ガス処理方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
【0046】
即ち、本実施形態の排ガス処理装置1は、排ガスAとして、下水汚泥等の有機性汚泥が焼却されて発生した汚泥焼却排ガスを浄化処理する装置であるが、本発明の排ガス処理装置1は、前記排ガスAとして、前記汚泥焼却排ガスに限らず、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を有する排ガスを浄化処理する装置である。
前記排ガスAは、例えば、硫黄酸化物(SOX )の濃度が500ppmv〜2000ppmvである。また、前記排ガスAは、前記有害物質として、硫黄酸化物以外に、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、窒素酸化物(NOX )等を含有してもよい。
前記排ガスAとしては、例えば、廃棄物焼却施設で廃棄物(家庭ゴミ、汚泥等)の燃焼により発生した排ガス、火力発電所で石油や石炭等が燃焼されることにより発生した排ガス等が例示される。
【0047】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水Bが前記生物処理水であるが、本発明の排ガス処理装置は、前記洗浄水Bが、前記排ガスAに含まれる有害物質のうち少なくとも硫黄酸化物(SOX )を捕集する水であれば特に限定されない。
前記洗浄水Bとしては、前記生物処理水以外に、工業用水、井戸水、上水等が挙げられる。
該洗浄水Bは、カルシウム(Ca)を含有している。該洗浄水Bにおけるカルシウム(Ca)の濃度は、通常、20mg/L〜120mg/Lである。尚、該洗浄水Bにおける硬度は、50〜300mg/Lである。
【0048】
また、本発明の排ガス処理装置1は、図2に示すように、上下方向にそれぞれ離間するように配された複数の前記充填ユニット6を備えてもよい。
また、斯かる排ガス処理装置1は、最上方側の前記充填ユニット6よりも上側に配された前記散水部41、71、91を備え、更に、前記充填ユニット6どうしの間に配された前記散水部41、71、91を備えてもよい。
さらに、斯かる排ガス処理装置1は、図2に示すように、各充填ユニット6により生じる差圧をそれぞれ測定する差圧測定装置8が複数備えられてもよい。また、斯かる排ガス処理装置1は、図示しないが、複数の充填ユニット6により生じる差圧を測定する差圧測定装置が設けられてもよい。
【0049】
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水散水部41と、前記酸化剤含有水溶液散水部71と、前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91とが同じものであるが、本発明の排ガス処理装置1は、前記洗浄水散水部41と、前記酸化剤含有水溶液散水部71と、前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91とが別々に設けられてもよい。また、本発明の排ガス処理装置1は、前記酸化剤含有水溶液散水部71が前記使用済み酸化剤含有水溶液散水部91として機能してもよい。
【0050】
また、本発明の排ガス処理装置1では、前記洗浄水Bとして、前記酸化剤含有水溶液Eを用いてもよい。この排ガス処理装置1では、前記充填ユニット6に供給される洗浄水BのpHは、10未満が好ましく、6.0〜9.0がより好ましい。
【0051】
さらに、本発明の排ガス処理装置1は、前記充填ユニット6を備えない態様であってもよい。
【0052】
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内を下側から上側に向けて前記排ガスAが流通するように構成されてなるが、本発明の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内を上側から下側に向けて前記排ガスAが流通するように構成されてもよく、また、前記接触容器2内を水平方向に前記排ガスAが流通するように構成されてもよい。
さらに、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記洗浄水Bが自重により前記接触容器2内を流下するように構成されてなるが、本発明の排ガス処理装置1は、前記接触容器2内を水平方向に前記洗浄水Bが流通するように構成されてもよい。
また、本実施形態の排ガス処理装置1は、前記酸化剤含有水溶液Eが自重により前記接触容器2の流路内を流下するように構成されてなるが、本発明の排ガス処理装置1は、前記接触容器2の流路内を水平方向に前記酸化剤含有水溶液Eが流通するように構成されてもよい。
【実施例】
【0053】
次に、試験例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
【0054】
<試験例>
本試験例では、接触容器と、該接触容器内に配された充填ユニットとが備えられてなり、洗浄水と排ガスとが該充填ユニットに供給されて該充填ユニット内の流路を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質が前記洗浄水に溶解されるように構成されている排ガス処理装置を用いた。該排ガス処理装置は、前記充填ユニット内の流路を流通して使用され且つ前記接触容器外に排出された使用済み洗浄水(循環水)を、再度前記充填ユニットにポンプを介して供給する循環水供給配管が備えられていた。前記循環水供給配管には、循環水の流量を測定する流量計が設けられていた。前記循環水は、前記循環水供給配管の先端に配されたノズルを介して前記充填ユニットに供給した。
また、該排ガスとしては、下水汚泥が焼却されて発生した汚泥焼却排ガス(硫黄酸化物の濃度:約2000ppmv)を用い、前記洗浄水としては、下水を生物処理して得られた生物処理水(カルシウムの濃度:25〜35mg/L)を用いた。
前記排ガス処理装置を用いて、前記排ガスから有害物質の除去を72日間実施したところ、前記ポンプの循環水吐出部、前記流量計、前記ノズル、及び前記充填ユニットにスケールが確認された。
前記ポンプの循環水吐出部に生じたスケール(試料(1))、前記流量計に生じたスケール(試料(2))、前記充填ノズルに生じたスケール(試料(3))、前記充填ユニットに生じたスケール(試料(4))それぞれに含まれる化学物質をX線回折により定性・半定量した。なお、また、試料(2)は、外表面部分と、流量計に接した内側部分とに分けて分析に供した。試料(4)は、外表面部分と、充填ユニットに接した内側部分と、該外表面部分及び内側部分との間の中間部分とに分けて分析に供した。分析条件は以下に示し、結果は、図3〜10及び表1に示す。
【0055】
<分析条件>
装置:理学電機株式会社製 全自動蛍光X線分析装置 RIX−3000
管球:Rh(ロジウム)管球
管電圧−電流:50kV−50mA
測定項目:原子番号5のB(ホウ素)から原子番号92のU(ウラン)までを対象(ただし、希ガス元素を除く)
分析:定性・半定量分析
測定した試料の範囲:試料(1)及び(3) 25mmφ
試料(2)及び(4) 20mmφ
試料の調製:試料(1)及び(3) 試料を105℃下で1日間乾燥した後、メノウ乳鉢で粉砕した。そして、加圧成型器を用いて、該粉砕した試料からブリケットを作製し、該ブリケットを分析に供した。
試料(2) 試料を105℃下で1日間乾燥した後、該試料の外表面部分及び内側部分を分析に供した。
試料(4) 試料を105℃下で1日間乾燥した後、中間部分を露出させ、該試料の外表面部分、内側部分及び中間部分を分析に供した。
【0056】
【表1】

【0057】
図4〜10に示すように、スケールの主成分は、亜硫酸カルシウム半水和物(CaSO3 ・0.5H2 O)であった。
なお、試料(2)の外表面部分は白っぽい色をし、試料(2)の内側部分は褐色であり、試料(4)の外表面部分は白っぽい色をし、試料(4)の中間部分は褐色であり、試料(4)の内側部分は黄色っぽい色をしていた。
【符号の説明】
【0058】
1:排ガス処理装置、2:接触容器、3:排ガス供給部、4:洗浄水供給部、5a:処理ガス移送経路、5b:流通水移送経路、6:充填ユニット、7:酸化剤含有水溶液供給部、8:差圧測定装置、9:使用済み酸化剤含有水溶液供給部、10:酸化還元電位測定装置、11:ブロア、21:流通水収容部、31:排ガス移送経路、41:洗浄水散水部、42:洗浄水移送経路、71:酸化剤含有水溶液散水部、72:酸化剤含有水溶液供給経路、91:使用済み酸化剤含有水溶液散水部、92:使用済み酸化剤含有水溶液供給経路、A:有害物質含有排ガス、B:洗浄水、C:処理ガス、D:流通水、E:酸化剤含有水溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水が互いに接触する接触容器が備えられてなり、前記接触容器内に前記排ガスが供給されて前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水が供給されて前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質が前記洗浄水に溶解されるように構成されている排ガス処理装置であって、
前記排ガスは、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有し、
前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
前記接触容器内には、前記接触容器内の流路を細分化して前記洗浄水と前記排ガスとの接触面積を増加させる充填物が充填された充填ユニットが備えられ、前記洗浄水と前記排ガスとが該充填ユニットに供給されて該充填ユニット内の流路を流通するように構成され、更に、前記接触容器内における前記充填ユニットに供給されるガスの圧力から、前記接触容器内における該充填ユニットから排出されるガスの圧力を引いた差圧を測定する差圧測定装置が備えられ、該差圧測定装置による測定値が基準値以上である場合又は該測定値が基準値を超える場合に、前記充填ユニット内の流路に前記酸化剤含有水溶液を導入するように構成されてなる請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記酸化剤含有水溶液が前記接触容器内の流路に導入されて使用され且つ前記接触容器外に排出された使用済み酸化剤含有水溶液が、再び前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなり、
前記使用済み酸化剤含有水溶液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定装置が備えられてなり、
該酸化還元電位測定装置による測定値が基準値以下若しくは基準値未満である場合に、前記使用済み酸化剤含有水溶液に酸化剤が供給され、更に、前記酸化剤が供給された使用済み酸化剤含有水溶液が、前記接触容器内の流路に導入されるように構成されてなる請求項1又は2記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記流路に導入される酸化剤含有水溶液のpHが10未満となるように構成されている請求項1〜3の何れかに記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
有害物質含有排ガス及び該排ガスを洗浄する洗浄水が互いに接触する接触容器が備えられてなる排ガス処理装置を用い、前記接触容器内に前記排ガスを供給して前記排ガスが前記接触容器内を流通しつつ、前記接触容器内に前記洗浄水を供給して前記洗浄水が前記接触容器内を流通することにより、前記排ガス及び前記洗浄水が互いに接触して、前記排ガスの有害物質を前記洗浄水に溶解させる排ガス処理方法であって、
前記排ガスは、前記有害物質として少なくとも硫黄酸化物を含有し、
前記排ガスに接触した洗浄水が流通する流路に、酸化剤含有水溶液を導入する工程を備えてなることを特徴とする排ガス処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−254392(P2012−254392A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127299(P2011−127299)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】