説明

排ガス浄化装置及びその制御方法

【課題】 プラズマを用いて効率的に排ガスを浄化する排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関からの排ガスを浄化する排ガス浄化装置10であって、内燃機関(ENG)の排気管11に設けたNOx浄化触媒1と、気体をプラズマ化してNOx浄化触媒の排ガス流れ上流側で排気管に供給するプラズマ発生装置2と、再循環排ガス13及び空気12の一方を切り替えて、プラズマ化される気体としてプラズマ発生装置2に供給する、供給ガス切り替え装置3と、プラズマ発生装置2でプラズマ化される気体14又はプラズマ発生装置で発生させたプラズマ15に還元剤を添加するインジェクター4とを有する、排ガス浄化装置とする。またこの排ガス浄化装置の制御方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスの浄化のための排ガス浄化装置及びその制御方法、特に内燃機関からの排ガスの浄化のための排ガス浄化装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、ゴミ焼却プラント等からの排ガスは一般に、主に触媒によって浄化された後で、大気中に放出されている。しかしながら排ガスに関する規制は年々厳しくなっており、触媒による浄化だけでは要求値を満たすことが難しくなっている。また、触媒による浄化では比較的高い排ガス温度を必要とし、従って排ガス浄化の初期には必ずしも排ガスの浄化効率が高くないことがあった。
【0003】
この触媒による排ガス浄化の問題点を解消するために、放電によって発生するプラズマを利用した様々な浄化システムが提案されている。特に自動車の排ガス浄化の分野では、放電を排ガス浄化触媒と組み合わせて使用して、NOx、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素成分)及びPM(パティキュレート)を浄化することが知られている。
【0004】
例えば特許文献1では、排気管内において触媒の上流側の放電装置で放電を発生させ、この放電装置の更に上流側で還元剤としての炭化水素を噴射することを提案している。これによれば、炭化水素の存在によって、放電装置におけるNOからNO2への酸化を促進できるとしている。またこの特許文献1では、触媒上流で還元剤を噴射し、触媒上で放電プラズマを発生させることも提案している。これによれば、更に触媒表面での反応が促進され、浄化活性を上げることができるとしている。
【0005】
またボイラ、加熱炉等からの排ガスを浄化するための放電プラズマの使用に関して、特許文献2では、水蒸気を放電プラズマ発生装置に供給し、そして得られた水蒸気プラズマガスを排ガス中に供給することによって、排ガス中の有害成分を酸化し、無害化することを提案している。ここでは水蒸気をプラズマ発生装置に供給することによって、O、OH、H、H2O、O3などの活性な化学種が得られることが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−159309
【特許文献2】特開平6−343820
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、排ガスの浄化のために、プラズマ、特にプラズマと触媒とを組み合わせて使用することが提案されている。しかしながら、排ガスの浄化に関する要求は年々高くなっており、更なる排ガス浄化装置が必要とされている。
【0008】
従って本発明では新規な排ガス浄化装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の排ガス浄化装置及びその制御方法は下記のようなものである。
【0010】
(1)排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
排ガスを流通させる排気管に設けたNOx浄化触媒と、
気体をプラズマ化して、上記NOx浄化触媒の排ガス流れ上流側で上記排気管に供給する、プラズマ発生装置と、
再循環排ガス及び空気の一方を切り替えて、プラズマ化される上記気体として上記プラズマ発生装置に供給する、供給ガス切り替え装置と、
上記プラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された上記気体に還元剤を添加する、インジェクターと、
を有する、排ガス浄化装置。
【0011】
(2)上記プラズマ発生装置がプラズマトーチであり、且つ上記インジェクターが、このプラズマトーチでプラズマ化された上記気体に還元剤を添加する、上記(1)項に記載の排ガス浄化装置。
【0012】
(3)上記プラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された上記気体に水分を添加する水分添加装置を更に有する、上記(1)又は(2)項に記載の排ガス浄化装置。
【0013】
(4)上記プラズマ発生装置でプラズマ化された気体を上記排気管に供給する箇所よりも排ガス流れ下流側に配置されているパティキュレートフィルターを更に有する、上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【0014】
(5)予め設定した還元処理条件が満たされているときには、上記供給ガス切り替え装置によって再循環排ガスを上記プラズマ発生装置に供給し、上記インジェクターからの還元剤の添加を伴って、上記再循環排ガスを上記プラズマ発生装置においてプラズマ化し、且つ
予め設定した酸化処理条件が満たされているときには、上記供給ガス切り替え装置によって空気を上記プラズマ発生装置に供給し、上記インジェクターからの還元剤の添加を伴わずに、上記空気を上記プラズマ発生装置においてプラズマ化する、
上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の排ガス浄化装置の制御方法。
【0015】
(6)排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
排ガスを流通させる排気管に設けたNOx浄化触媒と、
再循環排ガスをプラズマ化して、上記NOx浄化触媒の排ガス流れ上流側で上記排気管に供給する、第1のプラズマ発生装置と、
上記第1のプラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された再循環排ガスに還元剤を添加する、インジェクターと、
空気をプラズマ化して、上記排気管に供給する、第2のプラズマ発生装置と、
を有する、排ガス浄化装置。
【0016】
(7)上記第1のプラズマ発生装置がプラズマトーチであり、且つ上記インジェクターが、このプラズマトーチでプラズマ化された再循環排ガスに還元剤を添加する、上記(6)項に記載の排ガス浄化装置。
【0017】
(8)上記第2のプラズマ発生装置がプラズマトーチである、上記(6)又は(7)項に記載の排ガス浄化装置。
【0018】
(9)上記第1及び第2のプラズマ発生装置の少なくとも一方でプラズマ化される又はプラズマ化された気体に水分を添加する水分添加装置を更に有する、上記(6)〜(8)項のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【0019】
(10)上記第2のプラズマ発生装置でプラズマ化された空気を上記排気管に供給する箇所よりも排ガス流れ下流側に配置されているパティキュレートフィルターを更に有する、上記(6)〜(9)項のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【0020】
(11)予め設定した還元処理条件が満たされているときには、上記インジェクターからの還元剤の添加を伴って、上記再循環排ガスを上記第1のプラズマ発生装置においてプラズマ化し、且つ特に上記第2のプラズマ発生装置を停止させ、また
予め設定した酸化処理条件が満たされているときには、供給される上記空気を上記第2のプラズマ発生装置においてプラズマ化し、且つ特に上記第1のプラズマ発生装置を停止させる、
上記(6)〜(10)項のいずれかに記載の排ガス浄化装置の制御方法。
【0021】
本発明の上記(1)又は(6)項に記載の排ガス浄化装置によれば、再循環排ガス及び空気を選択的にプラズマ化することができる。また随意に、プラズマ化される又はプラズマ化された気体に還元剤を添加し、この還元剤をラジカル化、クラッキングして反応性の高い低分子量成分に転化させること、及び/又は気化させることができる。
【0022】
本発明の上記(2)、(7)又は(8)項に記載の排ガス浄化装置によれば、プラズマトーチを用いてプラズマを発生させることによって、プラズマ化される空間を比較的狭くすること、すなわち比較的少ない消費エネルギーで大きいプラズマ密度を得ることができる。
【0023】
尚、本明細書の記載において「プラズマトーチ」は、気体をプラズマ化して噴出させるプラズマ発生装置、特に気体をプラズマ化してその先端部から噴出させるプラズマ発生装置を意味する。
【0024】
本発明の上記(3)又は(9)項に記載の排ガス浄化装置によれば、プラズマ化される又はプラズマ化された再循環排ガス及び空気のいずれか一方又は両方に水を添加して、OHラジカル、Oラジカル等を発生させることができる。
【0025】
この水分添加装置は、水蒸気として水分を添加する装置であっても、水を噴射して添加する水添加インジェクターであってもよい。また水分添加装置が水添加インジェクターである場合、還元剤を添加するインジェクターとは別個のインジェクターであってもよいが、還元剤を噴射するインジェクターが同時に水分を添加する水分添加装置としても機能することもできる。
【0026】
本発明の上記(4)又は(10)項に記載の排ガス浄化装置によれば、排気管に配置されたパティキュレートフィルターによって、排ガス、特にディーゼルエンジンからの排ガス中のパティキュレート(PM又は粒子状物質)を捕集することができる。
【0027】
本発明の上記(5)又は(11)項に記載の制御方法によれば、還元処理条件が満たされているときに還元剤の添加を伴って再循環排ガスをプラズマ化することによって、還元剤を効率的に、ラジカル化、クラッキングして反応性の高い低分子量成分に転化させること、及び/又は気化させることができる。これは、再循環排ガスは比較的酸素含有率が低く、従って酸素との反応によって失われる還元剤が比較的少ないこと、再循環排ガスによって還元剤が希釈されるので、還元剤からのすすの発生が抑制されることによる。
【0028】
ここで、「還元処理条件」は、排ガス流れ中に活性な還元ガスを供給することが好ましい条件として決定できる。従って例えば、得られる活性な還元剤によってNOx浄化触媒でのNOxの還元、特にNOx吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOxの還元を促進するように、還元処理条件を決定することができる。具体的には、特に所定の時間間隔で還元処理を行うように還元処理条件を決定することができる。
【0029】
尚、還元剤だけでなく、水分の添加を伴って再循環排ガスをプラズマ化する場合、水分のプラズマ化によって得られるOH(ヒドロキシ)ラジカル、O(酸素)ラジカル等は、還元剤のクラッキング、軽質化を促進し、またプラズマによって切断された還元剤の分子鎖の末端に結合して、不飽和炭化水素の生成を防ぎ、すすの生成を抑制する。
【0030】
また本発明の上記(5)又は(11)項に記載の制御方法によれば、酸化処理条件が満たされているときに還元剤の添加を伴わずに空気をプラズマ化することによって、酸化活性の強い酸素ラジカル、オゾン等を効率的に発生させることができる。これは、再循環排ガスと比較して、空気は酸素含有率が高いことによる。
【0031】
ここで、「酸化処理条件」は、排ガス流れ中に活性な酸化ガスを供給することが好ましい条件として決定できる。従って例えば、内燃機関の始動時のように排ガス温度が比較的低いときに排ガス流れ中に活性な酸化ガスを供給して、低温時の排ガス中のHC(いわゆるコールドHC)の酸化を促進するように、酸化処理条件を決定することができる。
【0032】
また排ガス浄化装置がパティキュレートフィルター、特にいわゆるディーゼルパティキュレートフィルターを更に有する場合、このフィルターに所定量のパティキュレートが捕集されているときに排ガス流れ中に活性な酸化ガスを供給して、パティキュレートフィルターに捕集されたパティキュレートの酸化除去を促進するように、酸化処理条件を決定することができる。パティキュレートフィルターでのパティキュレート捕集量は、パティキュレートフィルターの通気抵抗、前回の酸化処理からの経過時間等から知ることができる。
【0033】
尚、水分の添加を伴って空気をプラズマ化する場合、酸化活性の強い酸素ラジカル、オゾン、OHラジカル等の発生を更に促進することができる。これは、水分子がプラズマ中で容易にOHラジカルを発生させ、このラジカルが種々の反応の起点となることによる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下では本発明を図に示した実施形態に基づいて具体的に説明するが、これらの図は本発明の概略を示す図であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0035】
<本発明の排ガス浄化装置−1>
図1は、本発明の排ガス浄化装置の1つの態様を概念的に示している。
【0036】
本発明の排ガス浄化装置10は、図1に示すように、内燃機関(ENG)の排気管11に設けたNOx浄化触媒1と、気体(矢印14)をプラズマ化して、NOx浄化触媒1の排ガス流れ上流側で排気管に供給するプラズマ発生装置2と、再循環排ガス(矢印13)及び空気(矢印12)の一方を切り替えてプラズマ発生装置2に供給する供給ガス切り替え装置3と、プラズマ発生装置2に供給される気体(矢印14)又はプラズマ発生装置2で発生させたプラズマ15に還元剤(矢印16)を添加するインジェクター4とを有する。ここで、プラズマ発生装置2は、電源5によって電力を供給されている。また空気(矢印12)はポンプ6によって、供給ガス切り替え装置3を介してプラズマ発生装置2に供給されている。内燃機関(ENG)からの排気は、NOx浄化触媒1を通って矢印17で示すように排出されている。
【0037】
図1で示す排ガス浄化装置10の使用においては、所望に応じて再循環排ガス(矢印13)又は空気(矢印12)をプラズマ化し、また随意に還元剤(矢印16)をプラズマ発生装置2に供給される気体(矢印14)又はプラズマ発生装置2で発生させたプラズマ15に添加することができる。
【0038】
すなわち、予め設定した還元処理条件が満たされているときには、インジェクター4からの還元剤の添加を伴って、再循環排ガスをプラズマ発生装置2においてプラズマ化して、還元剤を、ラジカル化、クラッキングして反応性の高い低分子量成分に転化させ、及び/又は気化させ、また予め設定した酸化処理条件が満たされているときには、インジェクター4からの還元剤の添加を伴わずに、空気をプラズマ発生装置2においてプラズマ化して、酸化活性の強い酸素ラジカル、オゾン等を効率的に発生させることができる。
【0039】
上記のような還元処理条件及び酸化処理条件の判断、並びにそれに基づく空気と再循環排ガスとの切り替え、還元剤の添加等の制御は、ECU(エンジンコントロールユニット)のように他の用途にも使用される電子機器によっても、専用の電子制御装置等によっても行うことができる。
【0040】
<本発明の排ガス浄化装置−2>
図2は、本発明の排ガス浄化装置の他の態様を概念的に示している。
【0041】
図1に示す本発明の排ガス浄化装置10では、1つのプラズマ発生装置2に対して空気と再循環排ガスとを切り替えて供給しているのに対して、この図2に示す本発明の排ガス浄化装置20では、再循環排ガスと空気のそれぞれのためのプラズマ発生装置2a及び2bを使用している。この変更に伴って、図2に示す本発明の排ガス浄化装置20では、供給ガス切り替え装置3ではなく制御弁3a及び3bを使用しており、またそれぞれのプラズマ発生装置2a及び2bに対して電源5a及び5bから電力を供給している。
【0042】
図2で示す排ガス浄化装置20の使用においては、予め設定された還元処理条件が満たされているときに、還元剤の添加を伴って再循環排ガスをプラズマ化し、また予め設定された酸化処理条件が満たされているときには、還元剤の添加を伴わずに空気をプラズマ化することができる。
【0043】
還元及び酸化処理条件の詳細、制御装置等については、図1の本発明の排ガス浄化装置10に関する説明を参照することができる。
【0044】
以下では、本発明の排ガス浄化装置を構成する各部について詳細に説明する。
【0045】
<NOx浄化触媒>
本発明の排ガス浄化装置で使用できるNOx浄化触媒1は、排ガス中のNOxを還元してN2にする反応を促進する任意の触媒でよく、これは例えばNOx吸蔵還元触媒、NOx選択還元触媒又は三元触媒と呼ばれるものでよい。
【0046】
NOx吸蔵還元触媒は、空燃比がリーン状態のときにNOxを吸蔵し、一定間隔でリッチスパイクを行ったときに(排ガス中に還元剤又は燃料を吹き込んだときに)、吸蔵したNOxをN2に還元する触媒である。これは例えば、アルミナのような多孔質酸化物担体に、Pt、Rh、Pd、Ir若しくはRuのような貴金属と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選択されるNOx吸蔵剤とを担持させたものとして使用することができる。
【0047】
NOx選択還元触媒は、酸素過剰の雰囲気で、排ガス中のNOxを選択的に還元又は分解する触媒であり、リーン空燃比で使用する内燃機関から排出される排ガス中のNOxを浄化するために使用されるものである。これは例えば、ゼオライトにCu等の遷移金属をイオン交換して担持したもの、又はゼオライト若しくはアルミナに貴金属を担持したものとして使用することができる。
【0048】
三元触媒は、理論空燃比付近で燃焼させた排ガス中のCO、HC、NOxを、CO2、H2O及びN2にする触媒であり、例えばPtとRhの混合物、又はPtとPdとRhの混合物をアルミナに担持させたものとして使用することができる。
【0049】
これらの触媒は当該技術分野で知られる任意の適当な量で、ウォッシュコート等の任意の手段によって、セラミックハニカム担体のような担体に担持させて用いることができる。
【0050】
<供給ガス切り替え装置及び制御弁>
本発明の排ガス浄化装置で使用できる供給ガス切り替え装置3は、制御装置によって制御されて、再循環排ガスと空気とを切り替えて供給できる切替弁のような任意の装置である。また、制御弁3a及び3bは、流通する再循環排ガス又は空気の供給を制御できる任意の弁でよい。
【0051】
<インジェクター>
本発明の排ガス浄化装置で使用できるインジェクター4は、還元剤を噴射して添加できる任意の装置であり、例えば直噴燃焼エンジンのためのインジェクターとして知られる構造を有することができる。
【0052】
例えばこのインジェクターは図3に示すようなものである。この図3のインジェクター4は、内部に中空空間33を有するほぼ円筒状のノズル32と、このノズル32の中空空間33内で摺動(移動)するほぼ円柱形のニードル弁34とを具備している。このノズル32とニードル弁34とはこれらの軸線Aが同軸になるように配置されている。またこのノズル32には中空空間33に通じる供給通路35が設けられている。供給通路35は燃料供給源(図示せず)に接続され、この供給通路35を介して中空空間33内に高圧の燃料が供給される。供給された燃料は、ニードル弁34とノズル32の内壁面との間の環状流路36を介してノズル32の先端部分38へと流れ、ノズル32の先端部分38の噴射孔39から噴射される。ここでは、ニードル弁34を中空空間33内で摺動させ、ニードル弁34の先端をノズル先端部分38の内壁面と接触させることによって、噴射孔39の入口を開閉し、噴射口39からの燃料の噴射を制御する。
【0053】
このインジェクターによって添加される還元剤は、任意に選択することができるが、例えばガソリン、軽油等の炭化水素、又はエーテル、アルコール等であってよい。すなわち、本発明の排ガス浄化装置を内燃機関からの排ガスの浄化に使用する場合、内燃機関の動力エネルギーを発生させるためのガソリン等の燃料を本発明のための還元剤として使用することも、この燃料とは別の還元剤を使用することもできる。
【0054】
<プラズマ発生装置>
本発明の排ガス浄化装置で使用できるプラズマ発生装置2、2a、2bは、供給される気体をプラズマ化して、排気管に供給することができる任意の構造を有することができ、特に放電によってプラズマを発生させる放電プラズマ発生装置、マイクロ波によってプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ発生装置、誘導結合によってプラズマを発生させる誘導結合プラズマ発生装置であってよい。例えばこのプラズマ発生装置は、特許文献1及び2において開示されているような放電プラズマ発生装置であってよい。
【0055】
本発明の排ガス浄化装置で使用できるプラズマ発生装置は、図4で示すように装置内にプラズマ空間を形成するものであってよい。ここで図4(a)及び(b)はそれぞれ、プラズマ発生装置の斜視図及び断面図である。
【0056】
この図4で示されるプラズマ発生装置40は、筒状の外周電極42と、この筒状外周電極42の中心軸上の中心電極44とを有し、これらの筒状外周電極42と中心電極44との間に、プラズマ化される気体を流通させる流路43が形成されている。このプラズマ発生装置40の使用においては、矢印45及び46で示すようにして流路43にプラズマ化される気体を流通させ、電源5によって筒状外周電極42と中心電極44との間に電圧を印加して、流路43に放電を発生させる。
【0057】
ここでこの中心電極44は、この中心電極44と筒状外周電極42との間の流路43に放電を発生させることができる任意の材料で製造できる。その材料としては、導電性の材料や半導体等の材料を使用することができるが、金属材料が好ましい。この金属材料として、具体的には銅、タングステン、ステンレス、鉄、白金、アルミニウム等が使用でき、特にステンレスがコスト及び耐久性の点から好ましい。この中心電極44は、金属性ワイヤであることが一般的であるが、中空の棒状体であってもよい。
【0058】
また筒状外周電極42は、中心電極44に関して示したのと同様な材料で製造することができる。この外周電極42は、これらの金属材料を金属メッシュ又は金属箔として流路43を画定する絶縁性の筒状体の周囲に巻き付けて作ることができ、また導電性ペーストを、流路43を画定する筒状体の周囲に適用して作ることができる。
【0059】
電源5は、パルス状又は定常の直流又は交流電圧を発生させるものでよい。中心電極44と筒状外周電極42との間の印加電圧及びパルス周期としては、プラズマを発生させるのに一般的な値を使用できる。直流電圧、交流電圧、周期的な波形の電圧等を両電極間に印加することができるが、特に直流パルス電圧が、コロナ放電を良好に起こさせることができるために好ましく、例えばパルス電圧50kV及びパルス周期2,000Hzを使用できる。直流パルス電圧を用いる場合に、印加電圧、パルス幅、パルス周期は、両電極間にコロナ放電を起こすことができる範囲で任意に選択できる。印加電圧の電圧等については、装置の設計や経済性等からの一定の制約を受ける可能性があるが、高電圧且つ短パルス周期の電圧であることがコロナ放電を良好に発生させる点から望ましい。直流電圧を中心電極44と筒状外周電極42との間に印加する場合には、中心電極44をカソードとすることも、アノードとすることもできる。また、いずれかの電極を接地することもできる。
【0060】
本発明で使用するプラズマ発生装置は、図5で示すようなものであってもよい。ここで図5(a)及び(b)はそれぞれ斜視図及び断面図である。
【0061】
この図5で示されるプラズマ発生装置50は、上流側及び下流側のメッシュ状電極52及び54を有し、プラズマ化される気体がこれらのメッシュ状電極52及び54を通って流れるように流路53が形成されている。このプラズマ発生装置50の使用においては、矢印55及び56で示すようにして流路53に排ガスを流通させ、電源5によってメッシュ状電極52及び54の間に電圧を印加して、流路53に放電を発生させる。尚、メッシュ状電極52及び54を形成する材料並びに電源5は、図4のプラズマ発生装置40に関して示したのと同様である。
【0062】
<プラズマ発生装置−プラズマトーチ>
本発明の排ガス浄化装置で使用できるプラズマ発生装置2、2a、2bは、気体をプラズマ化して噴出させるプラズマトーチであってもよい。この場合、プラズマトーチに供給される気体に還元剤を添加して、この気体と還元剤との混合物をプラズマ化すること、又はプラズマトーチから噴出されるプラズマに還元剤を添加することができる。
【0063】
プラズマトーチから噴出されるプラズマに還元剤を添加する場合、図6で示すように、インジェクター4の燃料噴射ノズル32の先端部分38に位置する噴射口39から、プラズマ領域、特に噴射口39近傍のプラズマ領域60に還元剤を噴射することができる。プラズマトーチによってインジェクターの噴射口39近傍の領域にプラズマ領域60を発生させる場合、この噴射口39近傍のプラズマ領域60は、インジェクターによって還元剤を噴射される排気管のような空間の全体ではなく一部であり、例えば噴射口39から5cm以内、特に2cm以内、より特に1cm以内の領域とすることができる。
【0064】
ここでは、プラズマトーチと還元剤を噴射するインジェクターとが分離されているようにすることができる。この場合、プラズマが供給される領域とインジェクターとを離して、プラズマによるインジェクターの劣化を防ぐことができる。
【0065】
また、インジェクターの噴射ノズルがプラズマトーチ内に配置されており、プラズマトーチの内壁とインジェクターの噴射ノズルとの間に、プラズマ化される気体が流通するようにすることもできる。この場合には、プラズマとインジェクターから噴射される還元剤との接触を改良することができる。
【0066】
インジェクターの噴射ノズルをプラズマトーチ内に配置する場合には、インジェクターの噴射ノズルを放電電極として使用し、インジェクターの噴射ノズルと対になる電極との間に電圧を印加して放電を発生させて、インジェクターの噴射口近傍で放電プラズマを発生させることができる。またインジェクターの噴射ノズルをプラズマトーチ内に配置する場合には、インジェクターの噴射口の周囲に誘導コイルを配置し、噴射口の周囲の誘導コイルに高周波電源から高周波電流を供給して、噴射口近傍で磁場を発生させ、渦電流を発生させて、噴射口近傍で結合誘導プラズマを発生させることができる。
【0067】
本発明で使用できるプラズマトーチは任意の機構を有することができるが、例えば図7〜12に示すような機構を考慮することができる。
【0068】
<プラズマ発生装置−プラズマトーチ−放電プラズマトーチ>
図7に示すプラズマトーチ70aは、放電プラズマを利用するものである。この図7に示す放電プラズマトーチ70aでは、プラズマ化される気体を流通させる導電性の円筒状導管72の中心軸上に放電電極76が配置されており、これらの導管72と放電電極76との間に絶縁材74が配置されている。また、導管72と放電電極76とは、それぞれが対電極となるようにして、それぞれ接地及び電源5に接続されている。導管72と放電電極76とは、いずれをカソードとすることも、またアノードとすることもできる。また導管72と放電電極76とは、いずれを接地することもできる。
【0069】
これらのプラズマトーチ70a、70bの使用においては、電源5によって導管72と放電電極76との間に放電を発生させ、それによってプラズマトーチ内の流路を通して供給される気体73をプラズマ化する。還元剤は、インジェクター4からこのプラズマ領域60に噴射する。
【0070】
尚、この図7においては、導管を一方の電極として使用しているが、放電電極76と対になる別個の電極を用いることも当然に可能である。
【0071】
また図8に示す放電プラズマトーチ70bでのように、還元剤を噴射するインジェクター4の噴射ノズルをプラズマトーチ内に配置し、プラズマトーチの円筒状導管72の内壁とインジェクター4の噴射ノズルとの間に、プラズマ化される気体73が流通するようにすることもできる。ここでは、このインジェクター4の噴射ノズルを一方の電極として使用することもできる。
【0072】
また更に、プラズマが発生する領域に更に水を供給する場合、図9に示すように、水を噴射する追加のインジェクター4’を使用することができる。またこの場合、還元剤を噴射するインジェクター4の代わりに、図10に示すように同軸の2つの流路を有し、還元剤と水とを共に噴射できるノズル部分38’を使用することもできる。
【0073】
放電を用いるプラズマトーチ70a、70bにおいて電極として使用する部分は、電極間に電圧を印加して放電電極として使用できる材料で製造することができる。そのような材料として、導電性材料や半導体性材料を用いることができるが、金属材料、例えば銅、タングステン、ステンレス、鉄、アルミニウム等が好ましい。しかしながら特にアーク放電では電極が高温になるので、タングステンのような高融点材料を使用することが好ましい。また、バリア放電を使用するために、これらの導電性又は半導体性材料上に絶縁性材料を配置することもできる。
【0074】
ここで発生させる放電プラズマは、電極間の放電によって生じる高エネルギーの電子を気体分子に衝突させ、それによって気体分子をプラスイオンとマイナスイオンとにすることによって発生させるプラズマをいう。この放電プラズマを発生させるためには、任意の放電形態を使用できるが、アーク放電、又はコロナ放電、例えばバリア放電を利用できる。
【0075】
アーク放電を用いてプラズマトーチでプラズマを発生させる場合、電源5は、例えば1〜50Vの電圧及び5〜500Aの電流を供給することができる。このアーク放電ではカソードから放出される電子によって放電が持続される。アーク放電を生じさせるための電流としては、直流のみでなく交流を用いることもできる。
【0076】
アーク放電は、放電電流や放電電圧を増加することにより出力の増大が容易であり、安定な放電を長時間持続することできる点で有利である。またアーク放電は、アーク放電を発生させる装置及び技術が簡単であり、設備費が比較的廉価である点で有利である。
【0077】
またコロナ放電を用いてプラズマトーチでプラズマを発生させる場合、電源5は、パルス状の直流又は交流電圧を供給するものでよい。電極間の印加電圧としては、一般的には1kV〜100kV、例えば5kV〜20kVの電圧を使用することができる。また印加電圧のパルス周期は、0.1μs〜10ms、特に0.1〜10μsにすることができる。
【0078】
尚、電極上に絶縁性材料を配置してバリア放電を行うことは、プラズマの安定性、電極の耐久性などに関して好ましい。
【0079】
<プラズマ発生装置−プラズマトーチ−結合誘導プラズマトーチ>
図11に示すプラズマトーチ110は、結合誘導プラズマを利用するものである。この図11に示す結合誘導プラズマトーチ110では、プラズマ化される気体を流通させる導管112の先端部分が電磁波を透過させる材料、例えば石英のような絶縁性材料で作られており、この先端部分の周囲に、誘導電場を発生するための誘導コイル114が配置されている。誘導コイル114の一端には、マッチングボックス119を介して高周波電源5’が接続されており、他端は接地されている。
【0080】
このプラズマトーチ110の使用においては、マッチングボックス119によってインピーダンスを調整して高周波電源5’から誘導コイル114に高周波電流を流し、導管112の先端部分の内側において磁場を発生させ、渦電流を発生させ、それによって導管112内及びその付近で誘導的にプラズマ60を発生させる。ここで使用する高周波電流としては、例えば2〜50MHz、特に3〜40MHzの周波数を用いることができる。
【0081】
この結合誘導プラズマは、電極(金属部分)を高温のプラズマに直接に露出させないことができるので、耐久性に関して好ましい。
【0082】
結合誘導プラズマを使用するプラズマトーチ110では、放電プラズマを使用するプラズマトーチ70a、70bに関して説明したとの同様に、還元剤を噴射するインジェクター4の噴射ノズルをプラズマトーチ内に配置すること、及びプラズマが発生する領域に更に水を供給することができる。
【0083】
<プラズマ発生装置−プラズマトーチ−マイクロ波プラズマトーチ>
図12に示すプラズマトーチは、マイクロ波プラズマを発生させるものである。この図12に示すプラズマトーチでは、プラズマ化するガス73を流通させる導管内に、マイクロ波126の照射を受けてその周囲でのプラズマ60の励起を促進するプラズマ励起体125、例えば導電性セラミック、特にSiC焼結体のような導電性セラミック焼結体が配置されている。
【0084】
このプラズマトーチの使用においては、マグネトロンのようなマイクロ波発生装置で発生させたマイクロ波、例えば周波数2.54GHz程度のマイクロ波を、導波管を経由させてアンテナからプラズマ化するガスに対して照射し、電場強度を強めてプラズマを発生させる。
【0085】
特に大気圧又はそれよりも高い気体圧力においてマイクロ波プラズマを発生させる場合、プラズマ励起体125を使用し、このプラズマ励起体にマイクロ波を照射することによって、このプラズマ励起体の周囲でプラズマを発生させることが有利である。
【0086】
マイクロ波プラズマを使用することは、電極(金属部分)を高温のプラズマに直接に露出させないことができるので、耐久性に関して好ましい。
【0087】
マイクロ波プラズマを使用するプラズマトーチ120では、放電プラズマを使用するプラズマトーチ70a、70bに関して説明したとの同様に、還元剤を噴射するインジェクター4の噴射ノズルをプラズマトーチ内に配置すること、及びプラズマが発生する領域に更に水を供給することができる。
【0088】
<プラズマ>
一般に知られているようにプラズマとは、自由運動する正と負の電荷をもつ2種以上の荷電粒子が共存する物質状態を意味する。従ってプラズマ状態では、存在する物質は高いポテンシャルエネルギーを有し、還元剤をプラズマ状態にし、ラジカル化、クラッキングを行って、反応性の高い低分子量成分に転化することができる。また還元剤が液滴状態で供給された場合にも瞬時に気化し、ラジカル化、クラッキングして、反応性の高い低分子量成分に転化することができる。
【0089】
<プラズマ−プラズマによる還元剤のクラッキング>
還元剤を少なくとも部分的にプラズマ化することによって瞬時に還元剤の気化、ラジカル化、クラッキングを行えること自体は、プラズマの非常に高いエネルギー状態を考慮すれば充分に当業者に明らかである。しかしながら以下では、炭化水素(C1328)のプラズマ化によってクラッキング等が行われることを実験によって確認した。
【0090】
ここでは図13で示すような実験装置を用いた。実験においては、燃料供給部からの燃料(C1328)とN2供給部からのキャリアガスとしてのN2とを混合し、ノズルを経由させてチャンバーに供給した。またノズル内での放電によって放電プラズマを発生させた。実験においては、この放電プラズマがノズルの先端から噴出されていることが観察された。N2供給部からのN2はチャンバーに直接的にも供給した。またチャンバーからの排ガスの一部にガスクロマトグラフ分析を行った。
【0091】
ここでこの実験で使用してプラズマを発生させたノズルは、図14に示すようなものであった。この図14で示されるノズルは、中空円筒状電極142とその中心線上に配置された棒状電極144とからなり、これらの電極間にはガス流れ流路146が形成されている。矢印148はこのガス流れ流路146を流通するガス流れを示している。またこのノズルは、中空円筒状電極142とその中心線上に配置された棒状電極144との間に、電源143によって電圧を印加し、それによって中空円筒状電極142の先端部142aと棒状電極144の先端部144aとの間で放電を行えるようにされている。尚、ここでは円筒状電側の内側にガラス管を配置して、バリア放電が起こるようにされている。
【0092】
この実験によれば、放電によってプラズマを発生させているときのみ、C1〜C3の成分がガスクロマトグラフ分析で測定された。これはプラズマが比較的大きい分子(C1328)をクラッキングして、比較的小さい分子(C1〜C3)を作れることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の排ガス浄化装置の1つの態様を表す概念図である。
【図2】本発明の排ガス浄化装置の他の態様を表す概念図である。
【図3】本発明で使用できるインジェクターの拡大断面図である。
【図4】本発明で使用できるプラズマ発生装置の概略斜視図及び断面図である。
【図5】本発明で使用できる他のプラズマ発生装置の概略斜視図及び断面図である。
【図6】プラズマトーチによる還元剤のプラズマ化の概念を示す断面図である。
【図7】本発明で使用できる放電プラズマトーチ及びインジェクターの1つの態様を示す概略断面図である。
【図8】本発明で使用できる放電プラズマトーチ及びインジェクターの他の態様を示す概略断面図である。
【図9】本発明で使用できる放電プラズマトーチ及びインジェクターの更に他の態様を示す概略断面図である。
【図10】本発明で使用できる還元剤と水分の添加のためのインジェクターの概略断面図である。
【図11】結合誘導プラズマトーチ及びインジェクターの1つの態様を示す概略断面図である。
【図12】マイクロ波プラズマトーチ及びインジェクターの1つの態様を示す概略断面図である。
【図13】プラズマによる炭化水素分子のクラッキングを行う実験を示す概略図である。
【図14】図13で示す実験において使用したノズルを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0094】
ENG 内燃機関
1 NOx浄化触媒
2、2a、2b プラズマ発生装置
3 供給ガス切り替え装置
3a、3b 制御弁
4 インジェクター
5、5a、5b、5’ 電源
6 ポンプ
10 本発明の排ガス浄化装置
11 排気管
12 空気の流れ方向を示す矢印
13 再循環排ガスの流れ方向を示す矢印
14 プラズマ発生装置に供給される気体の流れ方向を示す矢印
15 プラズマ発生装置2で発生させたプラズマの流れ方向を示す矢印
16 還元剤の流れ方向を示す矢印
20 本発明の排気浄化装置
70a、70b 放電プラズマトーチ
110 結合誘導プラズマトーチ
120 マイクロ波プラズマトーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
排ガスを流通させる排気管に設けたNOx浄化触媒と、
気体をプラズマ化して、前記NOx浄化触媒の排ガス流れ上流側で前記排気管に供給する、プラズマ発生装置と、
再循環排ガス及び空気の一方を切り替えて、プラズマ化される前記気体として前記プラズマ発生装置に供給する、供給ガス切り替え装置と、
前記プラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された前記気体に還元剤を添加する、インジェクターと、
を有する、排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記プラズマ発生装置がプラズマトーチであり、且つ前記インジェクターが、このプラズマトーチでプラズマ化された前記気体に還元剤を添加する、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記プラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された前記気体に水分を添加する水分添加装置を更に有する、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
前記プラズマ発生装置でプラズマ化された気体を前記排気管に供給する箇所よりも排ガス流れ下流側に配置されているパティキュレートフィルターを更に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項5】
予め設定した還元処理条件が満たされているときには、前記供給ガス切り替え装置によって再循環排ガスを前記プラズマ発生装置に供給し、前記インジェクターからの還元剤の添加を伴って、前記再循環排ガスを前記プラズマ発生装置においてプラズマ化し、且つ
予め設定した酸化処理条件が満たされているときには、前記供給ガス切り替え装置によって空気を前記プラズマ発生装置に供給し、前記インジェクターからの還元剤の添加を伴わずに、前記空気を前記プラズマ発生装置においてプラズマ化する、
請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化装置の制御方法。
【請求項6】
排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
排ガスを流通させる排気管に設けたNOx浄化触媒と、
再循環排ガスをプラズマ化して、前記NOx浄化触媒の排ガス流れ上流側で前記排気管に供給する、第1のプラズマ発生装置と、
前記第1のプラズマ発生装置でプラズマ化される又はプラズマ化された再循環排ガスに還元剤を添加する、インジェクターと、
空気をプラズマ化して、前記排気管に供給する、第2のプラズマ発生装置と、
を有する、排ガス浄化装置。
【請求項7】
前記第1のプラズマ発生装置がプラズマトーチであり、且つ前記インジェクターが、このプラズマトーチでプラズマ化された再循環排ガスに還元剤を添加する、請求項6に記載の排ガス浄化装置。
【請求項8】
前記第2のプラズマ発生装置がプラズマトーチである、請求項6又は7に記載の排ガス浄化装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のプラズマ発生装置の少なくとも一方でプラズマ化される又はプラズマ化された気体に水分を添加する水分添加装置を更に有する、請求項6〜8のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項10】
前記第2のプラズマ発生装置でプラズマ化された空気を前記排気管に供給する箇所よりも排ガス流れ下流側に配置されているパティキュレートフィルターを更に有する、請求項6〜9のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項11】
予め設定した還元処理条件が満たされているときには、前記インジェクターからの還元剤の添加を伴って、前記再循環排ガスを前記第1のプラズマ発生装置においてプラズマ化し、また
予め設定した酸化処理条件が満たされているときには、前記空気を前記第2のプラズマ発生装置においてプラズマ化する、
請求項6〜10のいずれかに記載の排ガス浄化装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−150211(P2006−150211A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343519(P2004−343519)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】