説明

排出装置

【課題】流体をチャンバおよび/または導管から排出するときに用いる、排出栓を排出チューブから取り外すのに適した栓取外しキットを提供する。
【解決手段】一実施形態では、栓取外しシールド44を備えるシステムが提供される。栓取外しシールド44はさらに、流体体積を保持する栓38を囲むように構成されたチューブ68と、栓38に対してチューブ68を保持するように構成されたマウント52と、を備える。チューブ68は、栓取外しツール46を栓38の近くまで送るように構成されたポート74を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する主題は、排出ツールに関し、より具体的には、流体をチャンバおよび/または導管から排出するときに用いるツールに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の流体システムにおいて、種々の流体を貯蔵および送出するために用いる導管および/またはチャンバが含まれている。たとえば、ガス化システムには、熱伝達を行なうのに有用な複数のパイプ、たとえばシンガス冷却器に含まれるパイプが備わっている場合がある。流体は、保守、寒冷気候条件、または種々の他の理由により、取り出しおよび/または交換する必要がある場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,499,557号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、流体は加圧されている場合があるため、流体の排出は複雑であるとともに、必要な時間が長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当初に請求される発明と範囲において対応するある実施形態を以下にまとめる。これらの実施形態は、請求される発明の範囲を限定することは意図されておらず、むしろこれらの実施形態は、本発明の可能な形態の簡単な概要を与えることのみが意図されている。実際には、本発明は、以下に述べる実施形態と同様の場合もあるし異なる場合もある種々の形態を包含する場合がある。
【0006】
第1の実施形態では、システムは栓取外しシールドを備えている。栓取外しシールドはさらに、流体体積を保持する栓を囲むように構成されたチューブと、栓に対してチューブを保持するように構成されたマウントとを備えている。チューブは、栓の近くまで栓取外しツールを送るように構成されたポートを備えている。
【0007】
第2の実施形態では、システムは栓取外しキットを備えている。栓取外しキットはさらに、流体体積を保持する栓を取り外すように構成された栓取外しツールを備えている。栓取外しキットは、さらに加えて、栓取外しシールドを備えている。栓取外しシールドは、栓に対して栓取外しシールドを保持するように構成されたマウントを備えている。栓取外しシールドは、栓取外しツールのオペレータを、栓取外しツールを用いて栓を取り外した後に、流体排流からシールドするように構成されている。
【0008】
第3の実施形態では、システムは取付具取外しキットを備えている。取付具取外しキットはさらに、取付具取外しシールドを備えている。取付具取外しシールドは、流体ベースのシステムに結合されたネジ式取付具を囲むように構成されたチューブを備えているる。チューブはチューブ・ポートを備えている。取付具取外しツールはまた、チューブ内のツール・ポートを通って延びるシャフト、チューブの外部に配置された取っ手、およびチューブの内部に配置されたヘッドを備えている。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および優位性は、以下の詳細な説明を添付図面を参照して読むことでより良好に理解される。なお図面の全体に渡って同様の文字は同様の部品を表わしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ガス化装置に結合されたシンガス冷却器を有するガス化システムの実施形態を例示する概略的な断面側面図である。
【図2】線分2−2に沿って見た図1のシンガス冷却器の実施形態を例示する概略的な断面底面図である。
【図3】図1のシンガス冷却器用の排出栓取外しキットの実施形態を例示する概略的な断面側面図である。
【図4】排出チューブに取り付けられた図3の排出栓取外しキットの実施形態を例示する概略的な断面側面図である。
【図5】図4の線分5−5に沿って見た視界窓の実施形態を例示する側面図である。
【図6】図4の線分6−6に沿って見たツール・ポートの実施形態を例示する側面図である。
【図7】図4の線分7−7に沿って見たフランジの実施形態を例示する平面図である。
【図8】図4の線分7−7に沿って見たフランジの別の実施形態を例示する平面図である。
【図9】排出栓取外しキットの実施形態を例示する概略的な断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の1または複数の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態についての説明を簡潔に行なうために、本明細書では実際の実施のすべての特徴については説明しない場合がある。当然のことながら、任意のこのような実際の実施を起こす際には、任意のエンジニアリングまたはデザイン・プロジェクトの場合と同様に、開発者の具体的な目標(たとえばシステム関連およびビジネス関連の制約に適合すること)を実現するために、実施に固有の多くの決定を行なわなければならない。具体的な目標は実施ごとに違う場合がある。また当然のことながら、このような開発努力は、複雑で時間のかかる場合があるが、それでも、本開示の利益を受ける当業者にとってはデザイン、作製、および製造の日常的な取り組みであろう。
【0012】
本発明の種々の実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、要素の1つまたは複数が存在することを意味することが意図されている。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包含的であることが意図されており、列記した要素以外のさらなる要素が存在する場合があることを意味している。
【0013】
種々の流体システムにおいて、流体チャンバおよび/または流体導管が含まれている。これらは、時おり、排流を必要とする場合がある。たとえば、種々の熱交換器、ボイラー、燃焼システム、および反応器は、流体チャンバならびに/または高温および/もしくは高圧流体を運ぶ導管を備えている場合がある。特に、ガス化システムは冷媒システムを備えている。これは、シンガスの製造に付随する熱を取り除くものである。ガス化システムは、炭素質燃料(たとえば石炭)をシンガスなどの燃料に転化させる場合がある。ガス化装置は、複数のプラテン(たとえば、チャンバ)および流体導管(たとえば、パイプ)を有する放射シンガス冷却器(RSC)を備えている場合がある。プラテンを、複数の流体導管と共に、熱交換器として用いて、高温のシンガス経路から熱を吸収し、流体を液相から気相(たとえば、蒸気)に転化させる場合がある。回収熱を用いてガス化プラントの熱効率を向上させることを、たとえば、蒸気タービンを駆動することによって行なう場合がある。場合によっては、プラテンは、長手方向の長さが約5〜15メートル、10〜20メートル、10〜30メートルの場合があり、幅が約0.5〜5メートル、1〜10メートルの広さの場合があり、奥行きが約5〜10センチメートル、5〜40センチメートルの場合がある。プラテンを、熱交換動作において有用な流体たとえば液体(たとえば、水)で満たす場合がある。したがって、大きな流体柱が各プラテンの内部に収容される場合がある。
【0014】
ある特定の状況では、たとえばガス化装置の保守作業中では、プラテンの内部の流体柱を排出することが望ましい場合がある。それに応じて、プラテンは、水柱を吸出するのに有用な排出栓を有する排出メカニズム(たとえば排出導管または排出チューブ)を備えている場合がある。たとえば、排出栓を取り外す場合があり、水柱が、重力の助けのもとで排出チューブを通して吸出できるようになっている場合がある。しかし、水柱のサイズにより、水は排出栓を高圧(たとえば、約2〜5バール、4〜10バール、2〜15バール)で出る場合がある。したがって、本実施形態には、流体(たとえば、より高い圧力での流体)の排出において有用なツールおよび技術が含まれている。さらに、本実施形態を用いて、有害物質(たとえば、可燃性流体、酸、酸化剤など)を含んでいる場合がある流体を吸出または排出しても良い。さらに加えて、本明細書で開示される実施形態は、高温流体(たとえば、約50℃以上)の吸出に適している。また、本実施形態によって、アクセスが難しい箇所(たとえば配管または流体導管の下の箇所)から流体を排流することが可能になる。
【0015】
ある実施形態では、栓または取付具取外しツールと栓または取付具取外しシールドとを含む排出栓または取付具取外しキットが、提供される。栓または取付具取外しツールには、排流栓またはネジ式取付具を取り外すのに適したナット取外しツール(たとえばラチェットまたはソケット・レンチ、プライヤなど)が含まれていても良い。栓取外しシールドは、栓を囲むことおよび栓から排出する流体を捕らえることに有用なチューブを備えていても良い。実際には、栓取外しシールドによって、オペレータを流体に対する暴露からシールドしながら、排出流体の向きを変えても良い。ホースを、栓取外しシールドのチューブに結合して、排出流体の向きを変えて好適な貯蔵箇所または排流導管(たとえば、下水管システム)内に入れても良い。栓取外しシールドはさらに、栓取外しシールドを所定の位置に取り付けるかまたは他の方法で固定するのに適したマウントを備えていても良い。ある実施形態では、マウントには、金属、織物、プラスチック、またはそれらの任意の組み合わせから作られたフレキシブル・マウント、たとえば鎖、ケーブル、またはストラップが含まれていても良い。フレキシブル・マウントを、パイプまたはチューブ(たとえばRSCの排出チューブ)の周囲に配置することによって、マウントを排出チューブに固定しても良い。他の実施形態では、マウントには、非フレキシブル・マウント、たとえば硬いUクランプ、湾曲ロッド、平方ロッド、または他の同様の、栓取外しシールドを排出チューブに固定するのに適した装置が含まれていても良い。このようにして、栓取外しシールドを、種々の箇所に(本来はアクセスするのが難しい場合がある箇所にさえ)確実に取り付けられる場合がある。
【0016】
栓取外しシールドのチューブはさらに、栓取外しツールをチューブ内に入れることを可能にするのに適した開口部またはスロットを備えていても良い。開口部を、排出流体の漏れを最小限にするかまたはなくすのに有用なグロメット(たとえば、少なくとも1つの開口部またはスリットを伴う弾性シール)によって好都合にシールドしても良い。ある実施形態では、栓取外しシールドのチューブを、排出栓を見ることができる透明または半透明の材料から製造しても良い。これは、栓取外しを位置付けること、および栓取外しツールを用いることによって排出栓を取り外すことにおいて有用である。他の実施形態では、栓取外しシールドのチューブは、チューブ内を見ることができる1または複数の透明または半透明の視界窓を備えていても良い。これは、排出栓を取り外すのに有用である。別の実施形態では、栓取外しシールドのチューブを、不透明または非半透明材料から製造しても良い。
【0017】
オペレータは、栓取外しシールドの取り付けを、栓取外しシールドのチューブがたとえば排出栓の下に配置されるように、行なっても良い。オペレータは次に、栓取外しツールを栓取外しシールドのチューブ内に挿入し、排出栓とはめ合わせ、排出栓を取り外しても良い。その結果、排出流体は、栓取外しシールドのチューブを通って流れても良く、ホースによって向きを変えられて格納容器または排流導管内に入っても良い。実際、オペレータは流体に触れる必要がなく、そのため、流体たとえば有害物(すなわち、危険物)流体および高温流体を、より安全でより効率的に排流することができる。さらに、栓取外しシールド(マウント、チューブ、および取り付けられたホースを含む)によって、より高い圧力(たとえば、15バール以上の圧力)の流れを排流することができる。
【0018】
図1は、ガス化システム10の実施形態の概略的な断面側面図である。ガス化システム10は、ガス化装置12およびシンガス冷却器14、たとえば放射シンガス冷却器(RSC)を備えている。ガス化システム10は、ガス化プラントおよび/または発電プラント、たとえばガス化複合発電(IGCC)プラントに備わっていても良い。ガス化システム10は、炭素質燃料(たとえば、石炭、バイオマスなど)を部分酸化させても良く、燃料を合成ガス(すなわち、シンガス)に転化させても良い。たとえば、ガス化装置12は、燃料を、使用燃料のタイプに応じて高圧(たとえば、約40バール〜90バール)および高温(たとえば、約1200℃〜1500℃)の制御された量の任意の減速材および限界酸素15に、供しても良い。結果として生じる部分酸化反応によって、燃料が、シンガス(たとえば、一酸化炭素および水素の組み合わせ)に転化される場合がある。
【0019】
ガス化システム10は、熱交換動作において有用な図示したRSC14を備えていても良い。前述したように、ガス化装置12の動作温度は、約1200℃〜1500℃であっても良い。したがって、RSC14は、シンガスを他のプロセス(たとえば、水性ガス・シフト反応)へ送る前のシンガスの冷却において有用な場合がある。また、RSC14は、スラグをシンガスから分離するときにも有用な場合がある。RSC14はまた、容器16を備えていても良い。容器16は、RSC14に対するエンクロージャとしての機能を果たしても良い。容器16はまた、冷却配管18およびプラテン20を収容していても良い。冷却配管18には、複数の導管として、軸方向軸24に対しては容器16と並行して延び、半径方向軸22に対しては離間に並んで配置される導管が含まれていても良い。冷媒(たとえば、水または別の液体)が、配管18および/またはプラテン20を通って流れても良い。その結果、配管18および/またはプラテン20は、RSC14内の熱交換器として働いても良く、熱をたとえばシンガスおよびスラグから取り除くための冷媒を循環しても良い。ガス化装置10内で発生したシンガスは概ね、配管18に平行に下方に流れる。これを矢印26で示す。動作時には、燃料源28からの燃料を、酸素15と混合し、ガス化装置12によって部分酸化させて、シンガスを発生させても良い。
【0020】
発生したシンガスは、RSC14の配管18および/またはプラテン20と、冷媒が配管18および/またはプラテン20を通って流れる状態ではまり合っても良く、その結果、シンガスがRSC14を通って移動するときにシンガスが冷却される。この冷却プロセスによる結果の1つは、配管18内に蒸気が発生する場合があることであり、これを次にRSC14から送出して、たとえば、蒸気タービンによってさらに利用することに備えても良い。RSC14はまた、スラグをRSC14から外へ送ることに役立つ場合がある導管30を備えていても良い。たとえば、スラグが導管30から出たら、スラグは概ね下向き方向32に流れ、スラグを冷却する水を収容するRSC底部円錐34を介して、RSC14から出ても良い。このようにして、RSC14は、シンガスを冷却することおよびスラグをシンガスから分離することに役立つ場合がある。保守作業の間、RSC14を排出することが有用な場合がある。それに応じて、プラテン20および配管18は、1または複数の排出チューブおよび排出栓を備えていても良い。これについては、図2を参照して以下で説明する。
【0021】
図2は、図1に示すプラテン20および配管18を排出するのに有用なRSC14の複数の排出チューブ36および排出栓38の実施形態の断面底面図である。排出チューブ36は、プラテン20および配管18に流体的に接続していても良く、RSC14の容器16を取り囲んでいても良い。したがって、排出栓38を取り外すことによって、プラテン20および配管18の内部の流体を、たとえば重力によって排出することができる場合がある。一実施形態では、排出栓38は、排出孔40を確実に遮るかまたは塞ぐのに適したネジ付きの排出栓38であっても良い。そして、排出栓38を取り外すことによって、プラテン20およびチューブ18の内部に収容されていた流体柱が排出孔40を通って外へ排出されても良い。しかし、水柱のサイズにより、水は排出孔40を高圧(たとえば、約2〜15バール)で出る場合がある。それに応じて、高圧水柱、有害流体、および/または高温流体の排流を可能にする場合がある栓取外しまたは取付具取外しキットが提供される。これについては、図3を参照して以下に詳細に説明する。
【0022】
図3は、排出栓または取付具取外しキット42および排出チューブ36の実施形態を例示する概略的な断面側面図である。例示した実施形態では、栓取外しキット42は、栓または取付具取外しシールド44と、栓または取付具取外しツール46とを備えている。栓取外しツール46は、ラチェットまたはソケット・レンチ48と、ソケット50(たとえば、磁気ソケット50)とを備えている。ラチェット・レンチ48はさらに、ソケット50をラチェット・レンチ48に結合させるために用いても良いヘッド51を備えている。栓取外しシールド44はまた、栓取外しシールド44を、排出栓38(たとえば、六角ボルト排出栓38)を有する排出チューブ36上に取り付けるのに適したマウント52を備えていても良い。ある実施形態では、マウント52は、フレキシブル・マウント52、たとえば金属、プラスチック、または織物のストラップ(たとえば、ロープ、鎖、ワイヤ、ケーブル、金属テープ、ベルクロ(商標)ストラップ、プラスチック・タイなど)である。それに応じて、例示したように、マウント52をチューブ36の壁56の周りに、より容易に位置付けられる場合がある。他の実施形態では、マウント52は、硬いマウント、たとえばUクランプ、湾曲ロッド、平方ロッド、または他の同様の、栓取外しシールド44を排出チューブ36に取り付けるのに適した装置である。当然のことながら、複数のマウント52を用いても良い。たとえば、2、3、4、5、6個のマウント52である。
【0023】
図示した実施形態では、フレキシブル・マウント52を、排出チューブ36の壁56の周囲を囲むように位置付けても良い。マウント52を次に、栓取外しシールド44のフランジ60内の開口部58を通して挿入しても良く、留め具62を用いることによって栓取外しシールド44に固定しても良い。留め具62には、長手方向にマウント52上まで「スライド」しても良い停止または固定スリーブ、ケーブル圧着などが含まれていても良い。そして留め具62を、マウント52上の所定の位置に圧着するかまたは他の方法で固定しても良い。いったんマウント52に取り付けられると、留め具62は、栓取外しシールド44を排出チューブ36に確実に固定する場合がある。実際には、留め具62が栓取外しシールド44を確実に所定の位置に保持することによって、高圧流体の流れが栓取外しシールド44を通って排出することが可能になり、一方で、栓取外しシールド44は排出孔40に対してほぼ同じ位置に留まる場合がある。他の実施形態では、マウント52を、開口部58を通して挿入するのではなく、バールに固定しても良い。これについては、図8により詳細に記述する。
【0024】
栓取外しシールド44はさらに、シールド・チューブ68の内面66の円周上に配置されたO−リング64を、シールド・チューブ68の開口部67のほぼ付近に備えている。O−リング64は、排出チューブ36の溝付き突出物70(たとえば、環状の突出物)の外壁にシール状態で接触しても良い。図示した実施形態では、排出栓38を、任意の流体が溝付き突出物70を通って排出されることを妨げるかまたは他の方法で阻むと例示している。実際には、排出栓38を排出チューブ36に確実に固定するために、排出栓38のネジ部分72を、排出チューブ36の溝付き突出物70のはめ合いネジに確実に固定しても良い。他の実施形態では、溝付き突出物70を、排出チューブ36から外部に突出させるのではなくて、排出チューブ36の内部に配置しても良い。また、他の実施形態では複数のO−リング64を用いても良いことに注意されたい。
【0025】
栓取外しシールド・チューブ68は、栓取外しツール46の挿入を可能にするのに適したポート74を備えていても良い。栓取外しツール46に含まれるソケット50を、ポート74を通してかまたはチューブ68内の開口部76を通して挿入しても良い。ソケット50を、排出栓38のツール・ヘッド(たとえば、六角頭78)とはまり合うような好適なサイズにして、排出栓38を取り外すことができるようにしても良い。実際には、ソケット58を用いて、排出栓38を排出チューブ36から回して取り外すかまたは他の方法で外しても良い。
【0026】
また排出栓38および栓取外しツール46を視認できるようにするのに適した視界窓80を設けても良い。それに応じて、オペレータは、ソケット50およびソケット・レンチ48をより容易に挿入し、排出栓38の六角頭78とはまり合うようにソケット50およびソケット・レンチ48を操る場合がある。図示した実施形態では、メッシュ82が栓取外しキット42に含まれていても良く、またメッシュ82を用いて排出栓38を捕らえるかまたは他の方法で捕まえることを、たとえばソケット50が非磁性であるという状況においてかまたは磁気ソケット50が排出栓38を落とすという望ましくない状況において、行なっても良い。
【0027】
ホース84をシールド・チューブ68に取り付けても良い。一実施形態では、ホース84は、シールド・チューブ68の周囲に配置された雄ネジ88と接続するのに適した内側ネジ山86を備えている。その代わりにまたはそれに加えて、ホース・クランプ(たとえば、図4に示すウォーム駆動ホース・クランプ)を用いることによって、ホース84をさらにシールド・チューブ68に固定しても良い。いったんホース84がシールド・チューブ68に固定されたら、ラチェット・レンチ48を用いて排出栓38を取り外しても良い。ある実施形態では、ラチェット・レンチ48は、動力レンチ、たとえば電力、空気圧力、または油圧力を用いるレンチであっても良い。別の実施形態では、ラチェット・レンチ48を手動で駆動しても良い。たとえば、オペレータは、ラチェット・レンチ48のシャフト90上に配置された取っ手89を用いて、排出栓38を離すかまたは他の方法で取り外すのに好適な手動力を加えても良い。こうして、栓取外しツール46(および磁気的に取り付けられた排出栓38)を取り外してもよく、流体を排出開口部40を通してシールド・チューブ68を通して排出しても良い。排出流体を次に、ホース84によって、たとえば貯蔵タンクまたは排流導管内に送っても良い。
【0028】
図4は、排出チューブ38に固定された栓取外しシールド42の実施形態を例示する断面側面図である。示した図4には、図3に見られる要素が含まれているため、これらの要素を同様の参照番号を用いて示す。図示した実施形態はまた、排出栓38に固定された栓取外しツール46を例示している。前述したように、一実施形態では、マウント52をフランジ60の開口部58を通して挿入しても良い。そしてマウント52を、留め具62(たとえば固定スリーブまたはケーブル圧着)を用いることによって栓取外しシールド44に確実に固定しても良い。またホース84は、雌ネジ86および雄ネジ88を用いることによって、ならびにウォーム駆動ホース・クランプ92を用いることによって、シールド・チューブ68に確実に固定されると示している。ウォーム駆動ホース・クランプ92は、ネジ山パターンが切り込まれているかまたは押圧されているバンド94を備えていても良い。バンド94の一端には、拘束または内蔵ネジ96が含まれていても良い。したがって、拘束ネジ96を回転させることによって、たとえばシールド・チューブ68の周りにバンド94を確実に締め付けることができる場合がある。他の実施形態では、他のホース・クランプ(たとえばワイヤ・クランプ、耳クランプ、バネ・クランプなど)を、ウォーム駆動ホース・クランプ92に対して付加的または代替的に用いても良いことに注意されたい。
【0029】
例示したように、視界窓80をオペレータが用いて、排出栓38および栓取外しツール46が目に見えるようにしても良い。実際には、オペレータが、栓取外しツール46をポート74を通して挿入し、視覚フィードバックを受け取って栓取外しツール46を排出栓38により迅速に結合させる場合がある。そしてオペレータは、たとえばハンドル89を用いることによってレンチ48を駆動した後に、排出栓38を取り外しても良い。栓取外しシールド44を排出チューブ36に確実に固定することによって、また栓取外し動作の視覚フィードバックを実現することによって、本明細書で開示されるシステムにより、流体をより効率的でより安全に排流することができる。
【0030】
図5は、線分5−5内に見た図4のシールド・チューブ68に含まれる視界窓80の実施形態の側面図である。実際には、本明細書で説明したシステムによって、オペレータは、ある特定の作業(たとえば、ソケット50を排出栓38に結合する)のフィードバック(たとえば視覚フィードバック)をより容易に受け取ることができる場合がある。視界窓80は、透明または半透明のシールドを実現するのに適した透明または半透明の基板98(たとえば、強化ガラス、プラスチック、アクリル、鉱物ガラス、合成サファイアなど)を備えていても良い。図示した実施形態では、ソケット50は、排出栓38の六角形部分78とはまり合うように方向100に移動すると例示されている。視界窓80によって、オペレータは、図3および4に示すソケット・レンチ48を作動させる前に、排出栓38上にソケット50を所望に配置することを視覚的に確かめることができる。いったん所望の配置が視覚的に確かめられたら、オペレータは、ソケット・レンチ48を駆動して排出栓38を取り外しても良い。他の実施形態では、もっと多くの視界窓80がシールド・チューブ68に備わっていても良いことに注意されたい。さらに別の実施形態では、視界窓80の代わりに、透明または半透明のシールド・チューブ68を用いても良い。すなわち、チューブ68を、チューブ68の内部に置かれた中身を視覚的に調べるのに適した透明または半透明の材料から製造しても良い。さらに別の実施形態では、チューブ68を、チューブ68の内部を視認することを完全に遮る場合がある材料(たとえば、ステンレス鋼、チタン)から製造しても良い。
【0031】
図6は、線分6−6に沿って見た図4のレンチ48のポート74およびシャフト90の実施形態を例示する側面図である。例示した実施形態では、レンチ48をチューブ68の内部に位置付けて、図3〜5に示す排出栓38にはめ合わせる。ポート74は、基板102内にスロット100を備えてレンチ48の挿入を可能にしながら、ポート74を通って流れる任意の流体からオペレータを実質的にシールドする場合がある。すなわち、スロット100によって、ポート74内の基板102を通って出る任意の漏れが最小限になるかまたはなくなることが、例示したようにシャフト90がスロット100から突出しているときであっても、起きる場合がある。たとえば、スロット100を基板102のほぼ中央に配置しても良い。ある実施形態では、基板102は、ゴム基板、ネオプレン基板、シリコーン基板、またはプラスチック基板であっても良い。したがって、基板または壁102は、シャフト90がスロット100を通って突出する場合であっても、スロット100を実質的にシールする閉位置の方へ基板102を付勢することができる弾力性、弾性、または柔軟性を備えていても良い。スロット100を、図示したように、基板102のほぼ中央に位置付けて、レンチ48および/またはソケット50を挿入することがより容易にできるようにしても良い。いったんレンチ48が挿入されたら、基板102を内側に付勢してレンチ48のシャフト90を囲むことによって、漏れを最小限にするかまたはなくすようにしても良い。実際には、本明細書で説明した基板102の実施形態によって、流体をより密封した状態で効率的に排出することができる。別の実施形態では、グロメットまたはアイレット(たとえば、環状シール)を、スロット100を有する基板102の代わりに用いても良い。たとえば、グロメットまたはアイレットは、ゴム、ネオプレン、シリコーン、および/またはプラスチックから製造しても良く、またレンチ48および/またはソケット50の挿入を可能にするのに適したサイズの中央開口部を備えていても良い。このようにして、栓取外しツール46を用いて、漏れを最小限にするかまたはなくしながら、排出栓38を迅速かつ安全に取り外しても良い。
【0032】
図7は、線分7−7に沿って見た図4の栓取外しシールド44のフランジ60上に位置付けられた開口部58および67の実施形態を例示する底面図である。図3および4を参照して前述したように、開口部58を用いて、図3および4に示すマウント52を挿入しても良い。マウントは、たとえば金属、プラスチック、または織物のストラップ、たとえば、ロープ、鎖、ワイヤ、ケーブル、金属テープ、ベルクロ・ストラップ、プラスチック・タイ、Uクランプ、湾曲ロッド、または平方ロッドであって、栓取外しシールド44を排出チューブ36に固定するのに適しているものである。開口部67を用いて流体を排出しても良い。マウント52を、図3および4に示す排出チューブ36の周囲に配置し、開口部58を通して挿入し、そして、たとえば停止スリーブまたは圧着62を用いてフランジ60に固定しても良い。
【0033】
別の実施形態(たとえば図8に示す実施形態)では、マウント52を、たとえば複数のロッド104を用いることによって固定しても良い。実際には、図8には、マウント52を固定するのに適した複数のロッド104を有するフランジ60の実施形態の底面図を例示している。例示した実施形態では、ロッド104をフランジ60に、たとえばロッド104をフランジ60に溶接することによって固定しても良い。マウント52をロッド104に、たとえば、マウント52をロッド104に結合することによって固定しても良い。マウント52をロッド104に結合することによって、栓取外しシールド44を、図3および4に示す排出チューブ36に確実に速く取り付けことができる場合がある。同様に、マウント52をロッド104から分離することによって、栓取外しシールド44のより単純でより速い取り外し方法が可能になる場合がある。
【0034】
図9に、T接合チューブ108を組み込んだ排出栓取外しシールド106を備える排出栓キット105の実施形態の断面側面図を例示する。実際には、栓取外しシールド(たとえば、図3および4に示すシールド44、およびシールド106)に、種々の排出用途において作用するようにデザインされた種々のチューブ実施形態を与えても良い。図示した実施形態では、T接合チューブ108は、排出栓38が磁気ソケット50から離れた場合に排出栓38を捕らえるのに有用なチャンバ110を備えていても良い。シールド・チューブ108の実施形態にはまた、排出チューブ36から排出する流体を送るのに適した湾曲部分112が含まれている。前述したように、マウント52を、排出チューブ36の外面56上の周囲に配置しても良い。そしてマウント52を、栓取外しシールド106のフランジ60上の開口部58を通して挿入しても良い。そして留め具62(たとえば密閉スリーブまたは圧着)を用いて、栓取外しシールド106を排出チューブ36に確実に固定しても良い。すなわち、栓取外しシールド106を排出チューブ36に確実に取り付けて結合することで、シール64が排出チューブ36の溝付き突出物70にシール状態で接触する結果、排流漏れが最小限になるかまたはなくなるようにしても良い。
【0035】
図示した実施形態では、栓取外しツール46は、ソケット50を有する延長部分114を備えていても良い。延長部分114およびソケット50を、シールド・チューブ108の内部に事前に位置付けるかまたは事前に配置しても良い。延長部分114およびソケット50をシールド・チューブ108の内部に事前に配置することによって、ソケット50を排出栓38の六角頭78により速くはめ合わせることができる場合がある。それに応じて、チャンバ110を通って流れる流体をシールするかまたは遮ることに適した環状シール116を、栓取外しツール46の延長部分114の周囲に配置しても良い。実際には、環状シール116を用いることによって、チャンバ110の底面を通って生じる漏れが実質的に遮られるかまたはなくなる場合がある。そして栓取外しツール46を駆動して、排出栓38を取り外しても良い。たとえば、オペレータは、レンチ48を駆動して、排出栓38を排出チューブ36から回して取り外すかまたは他の方法で離しても良い。その結果、排出栓38を取り外すことによって、チューブ部分112を通して流体排流を行なうことができる場合がある。前述したように、チューブ部分112を、図3および4に示すホース84に流体的に接続しても良い。それに応じて、排出流体を、ホース84を通して、たとえば、好適な格納容器または廃棄導管内に送っても良い。
【0036】
本発明の技術的効果には、排出栓を排出チューブから取り外すのに適した栓取外しキットが含まれる。排出チューブには、高圧を有する水の柱が含まれていても良い。栓取外しキットには、栓取外しシールドおよび栓取外しツールが含まれていても良い。栓取外しシールドを、排出チューブ上に取り付けても良い。これには、アクセスがより難しい場合がある箇所への取り付けが含まれる。そして栓取外しツールを、栓取外しシールド内に挿入しても良く、排出栓を外すために用いても良い。栓取外しシールドによって、流体排出漏れが最小限になるかまたはなくなる場合がある。したがって、有害物質を含んでいる場合がある高圧流体が安全に排出される場合がある。
【0037】
この書面の説明では、実施例を用いて、本発明を、ベスト・モードも含めて開示するとともに、どんな当業者も本発明を実施できるように、たとえば任意の装置またはシステムを作りおよび用いること、ならびに取り入れた任意の方法を実行することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって規定されており、当業者に想起される他の例を含んでいても良い。このような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉使いと違わない構造要素を有する場合、または請求項の文字通りの言葉使いとの違いが非実質的である均等な構造要素を含む場合には、請求項の範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栓取外しシールド(44)を備えるシステムであって、
前記栓取外しシールド(44)は、
流体体積を保持する栓(38)を囲むように構成されたチューブ(68)と、
前記栓(38)に対して前記チューブ(68)を保持するように構成されたマウント(52)と、を備え、
前記チューブ(68)は、栓取外しツール(46)を前記栓(38)の近くまで送るように構成されたポート(74)を備える、システム。
【請求項2】
前記栓取外しシールド(44)と前記栓取外しツール(46)とを有する栓取外しキット(42)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記栓取外しツール(46)は、ソケット(50)とラチェット・レンチ(48)とを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ポート(74)は、ツール開口部を有する基板(102)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ツール開口部は、前記栓取外しツール(46)のシャフト(90)の周りを少なくとも実質的にシールするように構成されたスロット(100)を備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポート(74)には、前記栓取外しツール(46)のシャフト(90)の周りをシールするように構成されたグロメットが含まれる請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記チューブ(68)は視界窓(80)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記チューブ(68)には透明または半透明のチューブが含まれる請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記チューブ(68)に結合されたフレキシブル・ホース(84)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記マウント(52)には少なくとも1つのフレキシブル・ストラップが含まれる請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記栓(38)を有する熱交換器を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記栓を有する、シンガス冷却器(14)、ガス化装置システム(12)、またはそれらの組み合わせを備える請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−241904(P2012−241904A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−112924(P2012−112924)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】