説明

排水管支持器

【課題】 本発明は、施工する排水管の設置高さや口径寸法の違いに即応することができるとともに特に可撓性排水管の支持固定を確実に行う支持器を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、基板1に立設した支柱4の中央部に長孔5を設けるとともにその左右両側部に多段に角孔6を設け、前記支柱の前面部を上下位動する支台7の背板8の下端中央部に設けた通孔と前記支柱の長孔との間に螺子10を取付け、前記背板の左右両側部には掛止片を設けて前記支柱の任意の角孔に係合し、前記支台の両端部間に架設した支軸14に弾機15を介して垂直部16及び上面部17から成る抑圧板13を枢支し、前記支台の上面部に凸起部12を形成して成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭、マンション、ビルなどにおいて施工する排水管の支持器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、合成樹脂製の排水管が普及しているところ、口径寸法が異なる排水管を支持するための支持具を適所に配置して分岐システムを構築することが行われているが、排水管の各部を支持固定するための支持具の高さが一定であったり、口径が一定であったりするため、排水管の各寸法に合わせた支持具を多種類用意しておかねばならなかった。
【0003】
そこで、このような排水管に対応する従来技術としては次のようなものが見られるが、本発明の目的とするところとは直接関係がないものである。
【0004】
【特許文献1】特開2003−20706号公報
【特許文献2】特開2003−156178号公報
【特許文献3】特開2003−227156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のとおり、施工する排水管の設置高さや口径寸法の違いに即応することができるとともに可撓性の排水管の支持固定についても最適な支持器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板に立設した支柱の中央部に長孔を設けるとともにその左右両側部に多段に角孔を設け、前記支柱の前面部を上下位動する支台の背板の下端中央部に設けた通孔と前記支柱の長孔との間に螺子を取付け、前記背板の左右両側部に掛止片を設けて前記支柱の任意の角孔に係合し、前記支台の両端部間に架設した支軸に弾機を介して垂直部及び上面部から成る抑圧板を枢支して成るもので、前記支台の上面中央部に単数又は複数の凸起部を形成しておくとよい。
【発明の効果】
【0007】
第1に、排水管の設置のための高さや口径寸法の違いに臨機応変に合うように排水管の支持固定の作業をすることができ、作業効率を向上させることができる。
【0008】
第2に、可撓性の排水管であっても、支台上の凸起部を排水管の凹溝に確実に係合させて支持固定することができるから、安定性のよい施工作業を行うことができる。
【0009】
第3に、全体的に排水管の支持を含む設置作業を常に迅速かつ簡単に行うことができるから、工事コストも安価となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
いま床下に配置施工される排水管のために本支持具を使用するには、まず基板を所定場所に固定した後、その支柱上に配置する支台の高さを適当位置に固定するために、支台の背板を上方又は下方にスライドしてその左右の掛止片を支柱の角孔の任意位置を選んで係合する。
【0011】
しかる後に、螺子を予め挿通している支台の背板中央の通孔と支柱の長孔との間で螺着し、支台を支柱上に固定する。
【0012】
そこで、排水管を支台上に載置するが、この時、抑圧板の垂直部を後方に弾機に抗して開動すると支台の上方部が開くから、ここに排水管を載置した後、抑止板の垂直部から手を離せば、弾機によって抑止板は再び内方向に倒伏し、支柱面に接している排水管はその垂直部及び上面部に抑圧されて固定されるようになる。
【0013】
この排水管が可撓性の場合には、支台の上面中央部に凸起部を形成した支台を用意して使用するから、排水管の凹溝が支台上の凸起部に係合して安定するようになる。
【0014】
排水管が従来の塩ビ製のものの場合でも、支台の上面部の左右両側部に形成した凸起部に抑止されて固定するようになる。
【実施例1】
【0015】
1は基板で、この基板には大小の固定用通孔2,3を設け、この通孔は螺子孔2,2と接着孔3,3・・とから成る。
【0016】
4は前記基板1の適所に立設する支柱で、この支柱の中央部には長孔5を設ける。
【0017】
6,6は前記長孔5の左右両側部に多数段に設けた角孔で、この角孔には前記支柱4を上下に位動する後記支台7の背板8の背面部に設けた掛止片9,9が係合するように成る。
【0018】
7は前記支柱4の前面部に上下位動する支台で、この支台の背板8の上部の左右両側部に設けた掛止片9,9が前記支柱4の左右両側部に設けた角孔6,6に係合し支台7の高さ位置を固定する。
【0019】
10は前記支台7の背板8の下端中央部に設けた通孔11と前記支柱4の長孔5との間に取付く螺子で、任意高さにおいて螺着する。
【0020】
12は前記支台7の上面中央部に突設した凸起部で、この凸起部の高さと巾は可撓性排水管aの凹溝が係合するほどの寸法に成る。(図5(a))
【0021】
前記凸起部12は、前記支台上面部の左右両側部に設けてもよい。(図5(b))
【0022】
13は前記支台7の左右両側部7',7'の端部間に架設した支軸14に弾機15,15を介装して枢支した抑圧板で、この抑圧板は垂直部16と上面部17から成り、前記弾機15によって弾発作用をするように成る。
【0023】
18,18は前記抑圧板13の垂直部の左右両側部を形成した手掛部で、この両手掛部を把持して抑圧板13を開口作動する。
【0024】
19,19は前記支台7の左右両端部7',7'の端部内方に形成したストッパー部で、このストッパー部は前記抑圧板13を開口作動したときの限界となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】全体の正斜視図
【図2】管取付時の正斜視図
【図3】全体の背斜視図
【図4】管取付時の全体の側面図
【図5】(a)は要部の一例の正断面図、(b)は要部の他例の正断面図
【符号の説明】
【0026】
1 基板
4 支柱
5 長孔
6,6・・ 角孔
7 支台
8 背板
9,9 掛止片
10 螺子
11 通孔
12 凸起部
13 抑圧板
14 支軸
15 弾機
16 垂直部
17 上面部
18,18 手掛部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に立設した支柱の中央部に長孔を設けるとともにその左右両側部に多段に角孔を設け、前記支柱の前面部を上下位動する支台の背板の下端中央部に設けた通孔と前記支柱の長孔との間に螺子を取付け、前記背板の左右両側部に掛止片を設けて前記支柱の任意の角孔に係合し、前記支台の左右両側部端部間に架設した支軸に弾機を介して垂直部及び上面部から成る抑圧板を枢支して成ることを特徴とする排水管支持器。
【請求項2】
基板に立設した支柱の中央部に長孔を設けるとともにその左右両側部に多段に角孔を設け、前記支柱の前面部を上下位動する支台の背板の下端中央部に設けた通孔と前記支柱の長孔との間に螺子を取付け、前記背板の左右両側部には掛止片を設けて前記支柱の任意の角孔に係合し、前記支台の両端部間に架設した支軸に弾機を介して垂直部及び上面部から成る抑圧板を枢支し、前記支台の上面部に凸起部を形成して成ることを特徴とする排水管支持器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−125546(P2006−125546A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315702(P2004−315702)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(593110144)宇佐美工業株式会社 (6)
【出願人】(597105429)株式会社 日本テクノ (7)
【Fターム(参考)】