説明

掘削装置及びそれを用いた掘削方法

【課題】 大径の根固め球根部でも掘削負荷の小さな状態で拡大掘削作業を行うことができるものでありながら、掘削ヘッド全体の小型化、軽量化と拡大翼の切換え操作の簡素化、確実化を図る。
【解決手段】 掘削軸と、該掘削軸の先端に設置されたオーガ4と、該オーガ4又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼8とを備え、設定位置に拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、拡大翼8の所定動作で制限手段Cを解除する解除手段Fとを設け、掘削軸の回転によって解除手段Fが発動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既製杭の埋込み工法の一種であるプレボーリング工法や中掘り工法において、根固め球根部を形成するための拡大掘削を行う拡大翼を備えた掘削装置及びそれを用いた掘削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の掘削装置は、一種類の拡大翼を閉縮位置と拡開位置の二位置に切換える構成であるため、大径の根固め球根部を形成しようとすると掘削負荷が過剰になり、掘削が不可能となる事態が発生する可能性がある。
【0003】
このような問題点を解決するために、特許文献1の掘削装置では、スパイラルオーガの先端部に連結される掘削ヘッド本体の掘削軸に、回転半径方向に沿う水平軸が突設され、該水平軸には、掘削ヘッド本体の正転時に土圧により拡径揺動し、掘削ヘッド本体の逆転時に土圧により縮径揺動するように構成された拡大掘削用刃物を備えた拡大翼が、掘削軸の軸芯方向にも少し開き作動可能に遊嵌されているとともに、前記拡大翼の掘削ヘッド本体と対応する面には係合突起が突設され、前記掘削ヘッド本体には、拡大翼が最も縮径揺動した閉縮位置で前記係合突起に係合する第1係合部と、拡大翼が中間掘削径にまで拡径揺動した中間開拡位置で前記係合突起に係合する第2係合部と、拡大翼が最大掘削径にまで拡径揺動した最大開拡位置で前記係合突起に係合する第3係合部が設けられている。
【0004】
前記係合突起と第1係合部との係合は、掘削ヘッド本体の正転に伴う拡大翼の拡径揺動時における開き作動により解除し、前記係合突起と第2係合部との係合及び前記係合突起と第3係合部との係合は、回転停止状態での掘削ヘッド本体の下降操作に伴う拡大翼の開き作動により解除するように構成されている。
【0005】
更に、特許文献2の掘削装置では、スパイラルオーガの掘削軸の先端部に連結されるオーガのロッドに、掘削軸の回転軸芯に沿う軸受用貫通孔を備えた鍔部が突設され、この鍔部の下方位置においてロッドの軸芯方向にスライド移動自在に外嵌されたスライド筒部には、前記軸受用貫通孔にスライド移動自在に挿通される支持軸が固着されているとともに、前記鍔部とスライド筒部との間には、スパイラルオーガの正転時に土圧により支持軸周りで拡径揺動し、スパイラルオーガの逆転時に土圧により支持軸周りで縮径揺動するように構成された拡大掘削用刃物を備えた拡大翼が配設されている。
【0006】
前記鍔部の下面には、スパイラルオーガの下降操作に伴ってスライド筒部が鍔部側に近接した時に拡大翼の上面の被係合部が係合して、拡大翼を中間掘削径にまで拡径揺動した中間開拡位置で保持する半開係合部が形成され、前記スライド筒部の上面には、スパイラルオーガの若干の上昇操作に伴ってスライド筒部が鍔部から離間した時に拡大翼の下面の被係合部が係合して、拡大翼を最大掘削径にまで拡径揺動した最大掘削位置で保持する全開係合部が形成されている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−338020号公報
【特許文献2】特許番号第2724548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前者の掘削装置では、閉縮位置にある拡大翼を中間掘削径の中間開拡位置に拡径揺動させるとき、掘削ヘッド本体の正転に伴う拡大翼の拡径揺動時における開き作動により係合突起と第1係合部との係合を解除し、中間開拡位置にある拡大翼を最大掘削径の最大開拡位置に拡径揺動させるときには、回転停止状態での掘削ヘッド本体の下降操作に伴う拡大翼の開き作動により、係合突起と第2係合部との係合を解除した後、この状態で再び掘削ヘッド本体を正転させる必要があるため、拡大翼を二位置に順次拡大揺動させるための操作が煩雑化し、操作手順を誤って先に掘削ヘッド本体を押し下げ操作した場合には、閉縮位置にあった拡大翼が最大開拡位置にまで一気に拡径揺動する恐れがある。
【0009】
また、後者の掘削装置では、閉縮位置にある拡大翼を中間掘削径の中間開拡位置に拡径揺動させる時には、鍔部の下面に形成した半開係合部と拡大翼の上面の被係合部とが係合
するまで、掘削ヘッド本体を正転させ、中間開拡位置にある拡大翼を最大掘削径の最大開拡位置に拡径揺動させる時には、回転停止状態でスパイラルオーガを若干上昇操作し、スライド筒部を鍔部から離間させた状態で再びスパイラルオーガを正転させて、拡大翼の下面の被係合部とスライド筒部の上面に形成された全開係合部とを係合させる必要があるため、この場合も、拡大翼を二位置に順次拡大揺動させるための操作が煩雑化するばかりでなく、操作手順を誤って先に掘削ヘッド本体を押し下げ操作した場合には、閉縮位置にあった拡大翼が最大開拡位置にまで一気に拡径揺動する恐れがある。
【0010】
また、従来の何れの掘削装置でも、中間開拡位置にある拡大翼をそのまま最大開拡位置に拡径揺動させるため、拡大翼の中間開拡位置から最大開拡位置への揺動経路内に土砂等の異物が入り込んでいる場合では、この異物を拡径揺動する拡大翼で押圧することになり、拡大翼の拡径揺動が不確実になる可能性がある。
【0011】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、大径の根固め球根部でも掘削負荷の小さな状態で拡大掘削作業を行うことができるものでありながら、掘削ヘッド全体の小型化、軽量化と拡大翼の切換え操作の簡素化、確実化を図ることのできる掘削装置及び掘削方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴構成は、掘削軸と、該掘削軸の先端に設置されたオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
設定位置に前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、前記掘削軸の回転によって前記解除手段が発動する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、オーガ又は掘削軸に設置された拡大翼の開度を制限手段にて制限することにより、拡大翼を掘削径の異なる複数位置で段階的に位置保持することができるとともに、この制限手段を解除する解除手段を構成するにあたっても、拡大翼の所定動作を利用して制限手段を解除するが故に、例えば、オーガ又は掘削軸の正逆回転時における土圧によって往復揺動する作動レバーに連動して制限解除する場合に比して、部品点数と組付け作業工数の削減を図ることができる。
しかも、前記掘削軸の回転によって解除手段を発動させるが故に、掘削軸の回転と上下動を組み合わせる従来の掘削装置に比して操作の単純化を図ることができ、誤動作の発生を防止することができる。
【0014】
従って、大径の根固め球根部でも掘削負荷の小さな状態で拡大掘削作業を行うことができるものでありながら、掘削ヘッド全体の小型化、軽量化と拡大翼の切換え操作の簡素化、確実化を図ることができる。
【0015】
本発明の第2の特徴構成は、掘削軸と、該掘削軸の先端に設置されたオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
設定位置に前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、拡径した前記拡大翼が一旦縮径することによって前記解除手段が発動する点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、オーガ又は掘削軸に設置された拡大翼の開度を制限手段にて制限することにより、拡大翼を掘削径の異なる複数位置で段階的に位置保持することができるとともに、この制限手段を解除する解除手段を構成するにあたっても、拡大翼の所定動作を利用して制限手段を解除するが故に、例えば、オーガ又は掘削軸の正逆回転時における土圧によって往復揺動する作動レバーに連動して制限解除する場合に比して、部品点数と組付け作業工数の削減を図ることができる。
【0017】
更に、前記拡大翼が一旦縮径することによって解除手段を発動させるが故に、例えば、拡大翼の中間開拡位置から最大開拡位置への移動経路内に土砂等の異物が入り込んでいる場合でも、拡大翼の縮径移動に伴う一時的な間隔の拡大によって浸入異物の脱落を誘発し易く、しかも、一旦縮径移動することによって拡大翼の作動ストロークが大きくなり、浸入異物を効果的に排除することができる。また、操作も拡大翼の拡径・縮径だけに留意すれば解除手段を発動することができる故に、操作の単純化が図られ、誤動作の発生も防止することができる。
【0018】
従って、大径の根固め球根部でも掘削負荷の小さな状態で拡大掘削作業を行うことができるものでありながら、掘削ヘッド全体の小型化、軽量化と拡大翼の切換え操作の簡素化、確実化を図ることができるとともに、拡大翼の移動経路内への異物の浸入に起因する作動不良を抑制することができる。
【0019】
本発明の第3の特徴構成は、前記拡大翼と連動する媒介子が前記制限手段を解除する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、拡大翼と連動する媒介子の移動を制御することにより、拡大翼の開度を制限する制限手段の解除を拡大掘削作業に応じた適切なタイミングで確実に解除することができる。
【0021】
本発明の第4の特徴構成は、前記制限手段を所定位置に保持する保持手段を設け、前記解除手段が前記保持手段を解除するとともに、前記制限手段を掘削装置から離脱させる点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、拡大翼を掘削径の異なる複数位置で段階的に位置保持するための制限手段を解除するにあたって、この制限手段を所定位置に保持する保持手段を解除するだけで、制限手段が離脱してなくなるという確実な方法で解除することができるから、拡大翼の開度制限解除を拡大掘削作業条件に応じた適切なタイミングで確実、容易に行うことができる。
【0023】
本発明の第5の特徴構成は、掘削軸と、該掘削軸の先端に設置され掘削軸の正回転が削り方向であるオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに掘削軸の正回転によって掘削するように拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
前記拡大翼が縦方向に拡径作動可能に設けられているとともに、前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、前記掘削軸の逆回転によって前記拡大翼が移動することにより前記解除手段が発動する点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、オーガ又は掘削軸に設置された縦方向に拡径作動可能な拡大翼の開度を制限手段にて制限することにより、拡大翼を掘削径の異なる複数位置で段階的に位置保持することができるとともに、この制限手段を解除する解除手段を構成するにあたっても、掘削軸の逆回転に伴う拡大翼の移動を利用して解除手段を発動させるから、拡大翼の拡径・縮径は、掘削軸の上下移動によって、また、解除手段の作動は逆回転によって、というように目的に応じて操作が一義的に決まり、単純化できる。
また、例えば、オーガ又は掘削軸の正逆回転時における土圧によって往復揺動する作動レバーに連動して制限解除する場合に比して、部品点数と組付け作業工数の削減を図ることができるばかりでなく、拡大翼の正回転で拡大掘削することになるので、オーガで揚送される掘削土が落下することがない。
【0025】
従って、大径の根固め球根部でも掘削負荷の小さな状態でかつ掘削土の落下を回避しながら拡大掘削作業を能率良く行うことができるとともに、掘削ヘッド全体の小型化、軽量化と拡大翼の切換え操作の簡素化、確実化を図ることができる。
【0026】
本発明の第6の特徴構成は、上述の第1特徴構成又は第2特徴構成もしくは第5特徴構成を主体として、他の特徴構成を適宜組み合わせてなる掘削装置を用いて、根固め球根部を形成する掘削方法である。
【0027】
上記特徴構成によれば、拡大掘削作業条件に応じて所定掘削径の根固め球根部を能率良く確実に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
図1〜図9は、既製杭の埋込み工法の一種であるプレボーリング工法において、根固め球根部を形成するための拡大掘削を行う掘削装置及びそれを用いた掘削方法を示し、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に脱着可能に固定連結される掘削ヘッド本体Bは、筒軸状の掘削軸3の外周面に、スクリューオーガAの二条のスクリュー羽根2と一連となるスクリューオーガを構成する二条のスクリュー羽根4を連設するとともに、このスクリュー羽根4の下端部には、直径方向に所定ピッチを置いて複数の掘削刃物(掘削ビット)5を取付け、更に、掘削軸3の上側部には、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に形成された連結孔1aに対して一体回転状態で嵌合連結される断面非円形状(当該実施形態では断面六角形)の連結軸部6を形成して構成されている。
前記スクリュー羽根4の下端部に取付けられた掘削刃物5は掘削軸3の正回転が削り方向となる。
【0029】
前記掘削ヘッド本体Bのスクリュー羽根4の外周側の周方向二箇所で、掘削刃物5の取付け位置よりも少し基端側(上方側)に偏倚した部位の各々には、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xと平行な第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、該制限手段Cを設定制限位置に保持する保持手段Eを拡大翼8の所定動作で解除するとともに前記制限手段Cを制限解除位置に強制移動させる解除手段Fを設け、前記掘削軸3の正回転に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動することによって前記解除手段Fが発動する構成になっている。
【0030】
前記スクリュー羽根4の各翼取付け部7は、図1〜図4に示すように、スクリュー羽根4の翼取付け箇所に上下方向視において直角に固着された両壁板7A,7Bと、両壁板7A,7Bの上下中間位置に水平又は略水平に固着された取付け板7Cから構成されているとともに、前記取付け板7Cには、拡大翼8の基端部8Bを枢支ボルト10・ナット11にて揺動自在に枢着するための取付け孔7aが形成され、更に、スクリュー羽根4の翼取付け箇所に連なる部位には、拡大翼8をスクリュー羽根4の回転軌跡内に入り込む閉縮位置に縮径揺動させるための格納凹部12が形成されている。
【0031】
前記枢支ボルト10の下端部には、拡大翼8と連動して前記制限手段Cを解除するための媒介子9の抜け出しを阻止する抜止め部材15がボルト16にて締め付け固定されているとともに、枢支ボルト10の上側部の雄ネジに螺合されたナット11と拡大翼8の基端部8Bの上面との間には間隔調節用筒部材17が介在されている。
【0032】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時(図2、図3、図7の矢印(ロ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの逆転時(図5、図9の矢印(イ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0033】
前記翼取付け部7の両壁板7A,7Bのうち、掘削ヘッド本体Bの回転方向又は接線方向に略沿う第1壁板7Aには、図3に示すように、格納凹部12内に縮径揺動する拡大翼8の一側面8aと揺動方向から当接して該拡大翼8を閉縮位置に保持する第1ストッパー面13が形成されているとともに、掘削ヘッド本体Bの径方向に略沿う第2壁板7Bには、拡径揺動する拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接して該拡大翼8を径方向外方への突出代が最大となる最大開拡位置に保持する第2ストッパー面14が形成されている。
【0034】
前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0035】
次に、前記制限手段Cについて説明する。
図2〜図4、図8に示すように、前記拡大翼8の基端部8Bの下面には、枢支ボルト10に対して一定範囲内で摺動自在に外嵌された媒介子9の鍔部9Aが下方から入り込み可能な連係凹部20(図8参照)が形成され、この連係凹部20内に入り込んだ媒介子9の一側辺に形成された当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に揺動方向から当接している初期設定状態において、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間において設定された中間開拡位置にまで拡大揺動したとき、媒介子9の他側辺に形成された開度規制面22に対して揺動方向から当接することにより、拡大翼8の開度を中間拡大掘削径D2に制限する被規制面23が形成されている。
【0036】
そして、前記拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に当接し、かつ、媒介子9の当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接している状態では、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間に設定された中間開拡位置に位置保持されているため、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている。
【0037】
次に、前記保持手段Eについて説明する。
図3、図4、図8、図9に示すように、前記媒介子9の鍔部9Aと拡大翼8の連係凹部20内の底面との相対向面間に、連係凹部20の深さよりも大きな寸法で媒介子9の上下移動を許す移動空間を形成するとともに、前記翼取付け部7の第2壁板7Bには、該第2壁板7Bの第2ストッパー面14に当接した初期設定状態にある媒介子9の鍔部9Aの下面に当接して、該媒介子9の鍔部9Aを拡大翼8の連係凹部20内に入り込んだ制限位置に保持する保持片24が一体形成されている。
【0038】
前記拡大翼8が中間開拡位置から閉縮位置に縮径揺動するときに連動して、初期設定状態にある媒介子9が第1揺動軸芯X1周りで設定角度だけ揺動したとき、媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱して下方への移動が自由となる、換言すれば、保持片24による媒介子9の設定制限位置での保持作用が解除されるように構成されている。
【0039】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図3、図4、図6に示すように、前記拡大翼8における媒介子9の鍔部9Aと重合する部位には、第1揺動軸芯X1と平行なロック装着孔26が上下方向に貫通形成されているとともに、前記媒介子9の鍔部9Aには、媒介子9が初期設定状態にあるとともに拡大翼8が閉縮位置にあるときに前記ロック装着孔26と上下方向で連通する半球状の係止凹部28と、媒介子9が初期設定状態にあるとともに拡大翼8が中間開拡位置にあるときに前記ロック装着孔26と上下方向で連通する係止孔27が形成されている。
【0040】
前記拡大翼8のロック装着孔26内には、媒介子9の係止凹部28及び係止孔27に対して選択的に嵌入可能な嵌入子の一例であるロックピン29と、このロックピン29を嵌入側(下方側)に移動付勢する第1コイルバネ30が挿入されているとともに、前記ロック装着孔26の内周面の上端側に形成された雌ネジ部には、第1コイルバネ30の弾性付勢力を調整するバネ力調整ボルト31がロックナット32を介して螺合固定されている。
【0041】
初期状態においては、掘削ヘッド本体Bは正転駆動されており、前記ロックピン29の半球状の先端部が係止凹部28に係合している状態で媒介子9と拡大翼8はゆるやかに結合された状態となっている。前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置にあり、拡大翼8が閉縮位置に位置保持され、媒介子9の当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接した状態にある(図4参照)。
【0042】
しかし、掘削ヘッド本体Bが正転駆動から逆転駆動に切り替えられると、この掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧(土砂抵抗)が、係止凹部28に対するロックピン29の係合維持力を凌駕するため、第1コイルバネ30の弾性付勢力に抗してロックピン29の半球状先端部と半球状の係止凹部28との係合が解除され、ロックピン29の半球状先端部が媒介子9の鍔部9Aの上面を摺接しながら、閉縮位置にあった拡大翼8が中間開拡位置に達するまで拡径揺動する(図5参照)。
【0043】
また、前記媒介子9のボス部9Bには、枢支ボルト10周りにおいて拡大翼8の連係凹部20に向かって開口する装着凹部33が形成され、この装着凹部33の底面と拡大翼8の連係凹部20内の底面との相対向面間には、媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱したとき、拡大翼8の被規制面23と当接可能な開度規制位置にある媒介子9を連係凹部20から抜け出した規制解除位置に弾性力で移動付勢する弾性体の一例である第2コイルバネ34が装着されている。
【0044】
尚、図2中の符号35は、掘削ヘッド本体Bの掘削軸3に形成されたセメントミルクの噴射口であり、この噴射口35から噴射されるセメントミルクにより根固め球根部が形成される。
【0045】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
図1、図3、図4に示すように、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8に装着されているロックピン29の半球状先端部を媒介子9の鍔部9Aに形成されている係止凹部28に係合させ、拡大翼8をそれの一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置に維持すると同時に、媒介子9をそれの当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接した初期設定状態に維持する。
【0046】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを逆転駆動させる。
【0047】
正転時において、前記拡大翼8は、図4に示すように閉縮位置に位置保持され、ロックピン29の半球状先端部と係止凹部28との係合によって拡大翼8と媒介子9は緩やかに結合しているが、掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧(土砂抵抗)が、係止凹部28に対するロックピン29の係合維持力を凌駕するため(図5参照)、第1コイルバネ30の弾性付勢力に抗してロックピン29の半球状先端部と半球状の係止凹部28との係合が解除され、ロックピン29の半球状先端部が媒介子9の鍔部9Aの上面を摺接移動しながら、閉縮位置にあった拡大翼8が第1揺動軸芯X1周りで中間開拡位置に達するまで拡径揺動する。
【0048】
前記拡大翼8が中間開拡位置にまで到達したとき、図5、図6に示すように、拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に揺動方向から当接すると同時に、拡大翼8のロック装着孔26と媒介子9の鍔部9Aに形成されている係止孔27とが上下方向で合致するため、鍔部9Aの上面を摺接移動してきたロックピン29が係止孔27内に係合し、拡大翼8と媒介子9とが第1揺動軸芯X1周りで一体揺動可能に連動される。
【0049】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動(図5の矢印(イ)方向)しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0050】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図7に示すように、掘削ヘッド本体Bが正転駆動(矢印(ロ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動し、その揺動に連動して媒介子9も第1揺動軸芯X1周りで一体揺動する。
この一体揺動によって媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱したとき、図8に示すように、拡大翼8の被規制面23と当接可能な開度規制位置にあった媒介子9が第2コイルバネ34の弾性付勢力で下方に瞬時に押し出され、媒介子9の鍔部9Aが連係凹部20から抜け出した規制解除位置に保持される。
しかし、この制限手段Cによる開度制限が解除されても、拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に維持される。
【0051】
次に、図9に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動(矢印(イ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧により拡径揺動されるが、このとき、媒介子9の鍔部9Aが連係凹部20から抜け出した規制解除位置に保持されているため、拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に当接することはなく、拡大翼8の被規制面23が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接する最大開拡位置にまで拡径揺動される。
【0052】
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。
【0053】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させ、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に縮径揺動させたのち、掘削ヘッド本体Bを地上まで引き上げる。
【0054】
(1)上述の第1実施形態の掘削装置を中掘り工法で実施してもよい。
(2)上述の第1実施形態の掘削装置では、拡大翼8をスクリュー羽根4の下部に取付けているが、スクリュー羽根4の上部又は掘削軸3に取付けてもよい。
(3)上述の第1実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【0055】
〔第2実施形態〕
図10〜図19は掘削装置の別実施形態を示し、前記掘削ヘッド本体Bのスクリュー羽根4の外周側の周方向二箇所で、掘削刃物5の取付け位置よりも少し基端側(上方側)に偏倚した部位の各々には、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xと平行な第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、拡大翼8の所定動作で前記制限手段Cを解除する解除手段Fを設け、前記掘削軸3の正回転に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動することによって前記解除手段Fが発動する構成になっている。
【0056】
前記スクリュー羽根4の各翼取付け部7は、図10、図11に示すように、スクリュー羽根4の翼取付け箇所に上下方向視において直角に固着された両壁板7A,7Bと、両壁板7A,7Bの上下中間位置に水平又は略水平に固着された取付け板7Cから構成されているとともに、前記取付け板7Cには、拡大翼8の基端部8Bを枢支ボルト10・ナット11にて揺動自在に枢着するための取付け孔7aが形成され、更に、スクリュー羽根4の翼取付け箇所に連なる部位には、拡大翼8をスクリュー羽根4の回転軌跡内に入り込む閉縮位置に縮径揺動させるための格納凹部12が形成されている。
【0057】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時(図10、図16の矢印(ロ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの逆転時(図14、図18の矢印(イ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0058】
前記翼取付け部7の両壁板7A,7Bのうち、掘削ヘッド本体Bの回転方向又は接線方向に略沿う第1壁板7Aには、図10、図11に示すように、格納凹部12内に縮径揺動する拡大翼8の一側面8aと揺動方向から当接して該拡大翼8を閉縮位置に保持する第1ストッパー面13が形成されているとともに、掘削ヘッド本体Bの径方向に略沿う第2壁板7Bには、拡径揺動する拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接して該拡大翼8を径方向外方への突出代が最大となる最大開拡位置に保持する第2ストッパー面14が形成されている。
【0059】
前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0060】
次に、前記制限手段Cについて説明する。
図10〜図13に示すように、前記翼取付け部7の第2壁板7Bに形成された第1壁板7Aと平行な貫通孔39には、取付け筒軸40がキー41を介して回り止め状態で貫通固定され、この取付け筒軸40には、拡大翼8の揺動経路側に突出する支持軸42が筒軸芯Z周りで相対回転自在に貫通支持されているとともに、前記支持軸42の揺動経路側軸部に一体形成されている鍔部42Aと係止ピン42Bとの間には、拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接可能な開度規制面43aと第2壁板7Bの第2ストッパー面14に形成された規制凹部44と当接可能な当り面43bを備えた筒状の開度制限部材43が取付け筒軸40に対して相対回転自在に外嵌保持されている。
【0061】
そして、前記拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間の設定中間開拡位置にまで拡大揺動したとき、拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の開度規制面43aに当接し、かつ、開度制限部材43の当り面43bが第2壁板7Bの規制凹部44に当接することにより、拡大翼8が設定中間開拡位置に位置保持されるため、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている。
【0062】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図12、図13に示すように、前記第2壁板7Bの規制凹部44とこれに筒軸芯方向で相対向する開度制限部材43内の仕切り壁部43Aの一側面との間には、該仕切り壁部43Aの他側面と支持軸42の係止ピン42Bとが係合する方向に開度制限部材43を突出付勢するコイルバネ45を介装するとともに、前記開度制限部材43の仕切り壁部43Aには、支持軸42の係止ピン42Bが筒軸芯Z方向で相対的に通過移動可能な制限解除通路46が切欠き形成されている。
【0063】
更に、図12、図15に示すように、前記取付け筒軸40の端面に対して筒軸芯Z方向から当接する支持軸42の端面には、閉縮位置から中間開拡位置に拡径揺動する拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の開度規制面43aに当接して、開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力に抗して押し込まれたとき、取付け筒軸40の端面に形成されたV字波形状のカム面47との摺接に連れて、支持軸42の係止ピン42Bと開度制限部材43の仕切り壁部43Aとが係合する設定係合位置から係止ピン42Bと制限解除通路46とが相対向する制限解除位置にまで支持軸42を設定角度だけ回転させるV字波形状のカムフォロアー面48が形成されている。
【0064】
そして、図15に示すように、閉縮位置から中間開拡位置に拡径揺動する拡大翼8との当接により、開度制限部材43の当り面43bが第2壁板7Bの規制凹部44に当接する状態にまで該開度制限部材がコイルバネ45の付勢力に抗して押し込まれた状態では、開度制限部材43の仕切り壁部43Aに形成されている制限解除通路46と支持軸42の係止ピン42Bとが筒軸芯Z方向で合致しているため、図16、図17に示すように、中間開拡位置にある拡大翼8が閉縮位置側に一旦縮径揺動した際、開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力で支持軸42から飛び出して制限が解除される。
【0065】
前記第2壁板7Bの貫通孔39の内周面に形成されるキー溝49は、図12に示すように、取付け筒軸40に装着されたキー41の筒軸芯方向での相対抜け出し移動を許容する端部開放形に形成されているとともに、前記第2壁板7Bの表裏両面に当接する状態で取付け筒軸40の環状装着溝に装着される抜止めリング50うち、拡大翼8の揺動経路側に位置する一方の抜止めリング50は、閉縮位置から最大開拡位置に拡径揺動する拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の存在しない支持軸42の揺動経路側端面に衝突したとき、取付け筒軸40の環状装着溝40aから変形離脱するように構成されている(図19参照)。
【0066】
更に、前記第2壁板7Bの規制凹部44の深さL1は、支持軸42における鍔部42Aの第2壁板7B側の一側面から揺動経路側端面までの長さL2と同一又は大に構成され、閉縮位置から最大開拡位置に拡径揺動する拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の存在しない支持軸42の揺動経路側端面に衝突したときの衝撃力で一方の抜止めリング50が取付け筒軸40の環状装着溝40aから変形離脱したとき、支持軸42の鍔部42Aが第2壁板7Bの規制凹部44に当接する状態にまで、換言すれば、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接する状態にまで支持軸42及び取付け筒軸40を押し込み移動可能に構成されている。
【0067】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
図10に示すように、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8をそれの一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置に維持する。
【0068】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを逆転駆動させる。
【0069】
このとき、前記拡大翼8は、図14に示すように、掘削ヘッド本体Bの逆転時(矢印(イ)方向)に受ける土圧(土砂抵抗)によって第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動し、該拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の開度規制面43aに当接して、開度制限部材43の当り面43bが第2壁板7Bの規制凹部44に当接する状態にまで該開度制限部材がコイルバネ45の付勢力に抗して押し込まれ、拡大翼8が設定中間開拡位置に位置保持される。
【0070】
また、前記開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力に抗して押し込まれたとき、図12、図15に示すように、取付け筒軸40のV字波形状のカム面47と支持軸42のV字波形状のカムフォロアー面48との摺接に連れて支持軸42が設定角度だけ回転され、支持軸42の係止ピン42Bが開度制限部材43の仕切り壁部43Aに係合する設定係合位置から制限解除通路46に相対向する制限解除位置にまで回動される。
【0071】
そのため、前記開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力で支持軸42から飛び出し得る状態にあるが、開度制限部材43の開度規制面43aには大きな土圧を受けている拡大翼8が当接しているため、開度制限部材43が支持軸42から飛び出すことはない。
【0072】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動(図14の矢印(イ)方向)しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0073】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図16に示すように、掘削ヘッド本体Bが正転駆動(矢印(ロ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動し、その揺動途中において、図16、図17に示すように、開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力で支持軸42から飛び出して離脱し、制限が解除される。
しかし、この制限手段Cによる開度制限が解除されても、拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に維持される。
【0074】
次に、図18、図19に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動(矢印(イ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧により拡径揺動されるが、このとき、開度制限部材43がコイルバネ45の付勢力で支持軸42から飛び出しているため、閉縮位置から最大開拡位置に拡径揺動する拡大翼8の他側面8bが開度制限部材43の存在しない支持軸42の揺動経路側端面に衝突する。
【0075】
このときの衝撃力で一方の抜止めリング50が取付け筒軸40の環状装着溝40aから変形離脱し、支持軸42の鍔部42Aが第2壁板7Bの規制凹部44に当接する状態にまで、換言すれば、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接する最大開拡位置にまで支持軸42及び取付け筒軸40が押し込み移動される。
【0076】
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。
【0077】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させ、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に縮径揺動させたのち、掘削ヘッド本体Bを地上まで引き上げる。
【0078】
(1)上述の第2実施形態の掘削装置を中掘り工法で実施してもよい。
(2)上述の第2実施形態の掘削装置では、拡大翼8をスクリュー羽根4の下部に取付けているが、スクリュー羽根4の上部又は掘削軸3に取付けてもよい。
(3)上述の第2実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【0079】
〔第3実施形態〕
図20〜図27は掘削装置の別実施形態を示し、前記掘削ヘッド本体Bのスクリュー羽根4の周方向二箇所に形成された翼取付け部7の各々には、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xと平行な第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、拡大翼8の所定動作で前記制限手段Cを解除する解除手段Fを設け、前記掘削軸3の正回転に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動することによって前記解除手段Fが発動するように構成されている。
【0080】
前記スクリュー羽根4の各翼取付け部7は、図20、図21に示すように、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯に対して直交する平面に沿った平板状に形成され、この翼取付け部7の各々には、拡大翼8の基端部8Bを枢支ボルト10・ナット11にて揺動自在に枢着するための第1取付け孔7aと、拡大翼8をスクリュー羽根4の回転軌跡内に入り込む閉縮位置に縮径揺動させるための格納凹部12が形成されているとともに、前記拡大翼8と翼取付け部7との間に位置する枢支ボルト10の中間部分には、拡大翼8と連動して前記制限手段Cを解除するための媒介子55が第1揺動軸芯X1周りで揺動自在に枢着されている。
【0081】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時(図20、図24の矢印(ロ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの逆転時(図22、図26の矢印(イ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0082】
前記翼取付け部7には、図20、図26に示すように、格納凹部12内に縮径揺動する拡大翼8の一側面8aと揺動方向から当接して該拡大翼8を閉縮位置に保持する第1ストッパー面13と、拡径揺動する拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接して該拡大翼8を径方向外方への突出代が最大となる最大開拡位置に保持する第2ストッパー面14が形成されている。
【0083】
前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0084】
次に、前記制限手段Cについて説明する。
図20、図21に示すように、前記翼取付け部7には、拡大翼8の基端側揺動経路の中間位置に臨む部位において第1揺動軸芯X1と平行に貫通する第1貫通孔56と、媒介子55の先端揺動経路の一端に臨む部位において第1揺動軸芯X1と平行に貫通する第2貫通孔57が形成され、この両貫通孔56,57を通して上下方向の一定範囲内で移動自在に装着された略Uの字状の開度制限部材58の一端側には、第1貫通孔56を通して拡大翼8及び媒介子55の揺動経路に突出することにより、閉縮位置と最大開拡位置との間の設定中間開拡位置にまで拡大揺動した拡大翼8の基部側面8cと当接するストッパー軸部58Aが形成されている。
【0085】
前記開度制限部材58は、ストッパー軸部58Aが拡大翼8の揺動経路途中に突出する開度制限位置と拡大翼8の揺動経路外の下方側に引退した制限解除位置とに亘って移動自在に構成されているとともに、前記ストッパー軸部58Aが開度制限位置に突出しているとき、開度制限部材58の他端側の操作軸部58Bは、媒介子55の揺動経路外の下方側となる第2貫通孔57内に位置するように構成されている。
【0086】
また、前記翼取付け部7の第1貫通孔56内で、開度制限部材58のストッパー軸部58Aに嵌着されたバネ受け部材59と第1貫通孔56の下側開口を閉止する状態で螺合されたキャップ60との間には、開度制限部材58を開度制限位置に突出付勢するコイルバネ61が装着されている。
【0087】
そして、図22、図23に示すように、前記拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間において設定された中間開拡位置にまで拡大揺動したとき、拡大翼8の基部側面8cが開度制限部材58のストッパー軸部58Aに当接することにより、拡大翼8が中間開拡位置に位置保持されるため、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている。
【0088】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図20〜図23に示すように、前記拡大翼8の基端部において、開度制限部材58のストッパー軸部58Aに当接した位置を初期設定位置とする媒介子55と重合位置する部位には、媒介子55に形成された半球状の係止凹部63と上下方向で連通する第1装着孔64が形成され、この第1装着孔64には、拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動したときに媒介子55の係止凹部63に係合して、掘削ヘッド本体Bの正転駆動に連れて拡大翼8が中間拡径位置から閉縮位置に縮径揺動するとき、初期設定位置にある媒介子55を第1揺動軸芯X1周りで制限解除操作位置にまで一体的に揺動させる係止ピン65と、この係止ピン65を嵌入付勢する第1コイルバネ66が挿入されているとともに、前記第1装着孔64の挿入用開口には脱着自在な第1閉止栓67が装着されている。
【0089】
前記媒介子55の先端部には、図24、図25に示すように、これが制限解除操作位置に揺動したときに翼取付け部7の第2貫通孔57と上下方向で連通する第2装着孔69が形成され、この第2装着孔69内には、翼取付け部7の第2貫通孔57内に嵌入して開度制限部材58の操作軸部58Bの端面を押圧することにより、開度制限位置にある開度制限部材58をコイルバネ61の付勢力に抗して制限解除位置にまで押し下げ可能な制限解除ピン70と、この制限解除ピン70を開度制限部材58の突出付勢力よりも大なる弾性付勢力で嵌入付勢する制限解除用の第2コイルバネ71が挿入されているとともに、前記第2装着孔69の挿入用開口には脱着自在な第2閉止栓72が装着されている。
【0090】
前記媒介子55側の制限解除ピン70が翼取付け部7の第2貫通孔57に嵌入した状態では、閉縮位置にある拡大翼8側の係止ピン65が媒介子55側の係止凹部63に係合しているが、掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動された際に拡大翼8が受ける土圧による拡径揺動力が、前記係止ピン65と係止凹部63との係合保持力よりも凌駕しているため、この係止ピン65と係止凹部63との係合が自動的に解除される。
【0091】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
図20に示すように、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8をそれの一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置に維持するとともに、前記媒介子55を開度制限部材58のストッパー軸部58Aに当接した初期設定位置に設定する。
【0092】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを逆転駆動させる。
【0093】
このとき、前記拡大翼8は、図22に示すように、掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧(土砂抵抗)によって第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動し、該拡大翼8の基部側面8cが開度制限部材58のストッパー軸部58Aに当接して、拡大翼8が中間開拡位置に位置保持されると同時に、拡大翼8側の係止ピン65が媒介子55側の係止凹部63に係合して、拡大翼8と媒介子55とが第1揺動軸芯X1周りで一体揺動可能に係合連結される。
【0094】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動(図22の矢印(イ)方向)しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0095】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図24に示すように、掘削ヘッド本体Bが正転駆動(矢印(ロ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動するとともに、この拡大翼8に係合連結されている媒介子55も、第1揺動軸芯X1周りで制限解除操作位置にまで揺動される。
【0096】
前記媒介子55が制限解除操作位置に到達すると、図25に示すように、該媒介子55の第2装着孔69と翼取付け部7の第2貫通孔57とが上下方向で合致し、第2装着孔69内の制限解除ピン70がコイルバネ61の付勢力で翼取付け部7の第2貫通孔57内に嵌入して開度制限部材58の操作軸部58Bの端面を押圧することにより、開度制限位置にあった開度制限部材58がコイルバネ61の付勢力に抗して制限解除位置にまで押し下げられる。
このとき、前記第2装着孔69内の制限解除ピン70が翼取付け部7の第2貫通孔57内に嵌入しているため、媒介子55が第1揺動軸芯X1周りで揺動することはない。
【0097】
また、閉縮位置に縮径揺動した拡大翼8側の係止ピン65が媒介子55側の係止凹部63に係合し、かつ、掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧によって拡大翼8に縮径側の外力が作用しているため、拡大翼8は閉縮位置に確実に維持される。
【0098】
次に、図26、図27に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動(矢印(イ)方向)されると、拡大翼8側の係止ピン65と媒介子55側の係止凹部63とが係合していても、掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動された際に拡大翼8が受ける土圧による拡径揺動力が、前記係止ピン65と係止凹部63との係合保持力を凌駕しているため、この係止ピン65と係止凹部63との係合が自動的に解除され、しかも、開度制限部材58のストッパー軸部58Aが媒介子55の揺動経路外の下方側となる第1貫通孔56内に引退しているため、拡大翼8はそれの他側面8bが翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接する最大開拡位置にまで拡径揺動される。
【0099】
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。
【0100】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させ、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に縮径揺動させたのち、掘削ヘッド本体Bを地上まで引き上げる。
【0101】
(1)上述の第3実施形態の掘削装置を中掘り工法で実施してもよい。
(2)上述の第3実施形態の掘削装置では、拡大翼8をスクリュー羽根4の下部に取付けているが、スクリュー羽根4の上部又は掘削軸3に取付けてもよい。
(3)上述の第3実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【0102】
〔第4実施形態〕
上述各実施形態では、前記掘削ヘッド本体Bに、拡大掘削用刃部8Aを備えた拡大翼8を、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xと平行な揺動軸芯X1周りで拡径揺動自在に枢着してある掘削装置について説明したが、図28〜図34に示すように、この拡大翼8を、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xに対して直交する第1水平揺動軸芯Y1周りで拡径揺動自在に枢着して実施してもよい。
【0103】
即ち、この第4実施形態の掘削装置では、図28、図29に示すように、前記掘削ヘッド本体Bの掘削ロッド3の周方向二箇所に形成した翼取付け部7の各々に、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xに対して直交する第1水平揺動軸芯Y1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、該制限手段Cを設定制限位置に保持する保持手段Eを拡大翼8の所定動作で解除するとともに前記制限手段Cを制限解除位置に強制移動させる解除手段Fを設け、前記掘削軸3の下降に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動することによって前記解除手段Fが発動する構成になっている。
【0104】
前記掘削ヘッド本体Bの各翼取付け部7は、図28、図29に示すように、掘削軸3の翼取付け箇所に正面視において直角に固着された両壁板7A,7Bと、両壁板7A,7Bの中間位置に略垂直に固着された取付け板7Cから構成されているとともに、前記取付け板7Cには、拡大翼8の基端部8Bを枢支ボルト10・ナット11にて揺動自在に枢着するための取付け孔7aが形成され、更に、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの回転軌跡内に入り込む閉縮位置に縮径揺動させるための格納凹部12が形成されている。
【0105】
前記枢支ボルト10の一端部には、拡大翼8と連動して前記制限手段Cを解除するための媒介子9の抜け出しを阻止する抜止め部材15がボルト16にて締め付け固定されているとともに、枢支ボルト10の他端部の雄ネジに螺合されたナット11と拡大翼8の基端部8Bとの間には間隔調節用筒部材17が介在されている。
【0106】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの下降時(図32の矢印(ハ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの上昇時(図30、図34の矢印(ニ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0107】
前記翼取付け部7の両壁板7A,7Bのうち、上下方向に略沿う第1壁板7Aには、図28、図34に示すように、格納凹部12内に縮径揺動する拡大翼8の一側面8aと揺動方向から当接して該拡大翼8を閉縮位置に保持する第1ストッパー面13が形成されているとともに、水平方向に略沿う第2壁板7Bには、拡径揺動する拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接して該拡大翼8を径方向外方への突出代が最大となる最大開拡位置に保持する第2ストッパー面14が形成されている。
【0108】
前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0109】
次に、前記制限手段Cについて説明する。
図28〜図33に示すように、前記拡大翼8の基端部8Bには、枢支ボルト10の一側面に対して一定範囲内で摺動自在に外嵌された媒介子9の鍔部9Aが横方向から入り込み可能な連係凹部20が形成され、この連係凹部20内に入り込んだ媒介子9の一側辺に形成された当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に揺動方向から当接している初期設定状態において、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間において設定された中間開拡位置にまで拡大揺動したとき、媒介子9の他側辺に形成された開度規制面22に対して揺動方向から当接することにより、拡大翼8の開度を中間拡大掘削径D2に制限する被規制面23が形成されている。
【0110】
そして、前記拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に当接し、かつ、媒介子9の当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接している状態では、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間に設定された中間開拡位置に位置保持されているため、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている。
【0111】
次に、前記保持手段Eについて説明する。
図28〜図33に示すように、前記媒介子9の鍔部9Aと拡大翼8の連係凹部20内の底面との相対向面間に、連係凹部20の深さよりも大きな寸法で媒介子9の水平移動を許す移動空間Sを形成する(図33参照)とともに、前記翼取付け部7の第2壁板7Bには、該第2壁板7Bの第2ストッパー面14に当接した初期設定状態にある媒介子9の鍔部9Aの一側面に当接して、該媒介子9の鍔部9Aを拡大翼8の連係凹部20内に入り込んだ制限位置に保持する保持片24が一体形成されている(図29、図31参照)。
【0112】
前記拡大翼8が中間開拡位置から閉縮位置に縮径揺動するときに連動して、初期設定状態にある媒介子9が第1水平揺動軸芯Y1周りで設定角度だけ揺動したとき、媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱して横外方への移動が自由となる、換言すれば、保持片24による媒介子9の設定制限位置での保持作用が解除されるように構成されている。
【0113】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図28〜図31に示すように、前記拡大翼8における媒介子9の鍔部9Aと重合する部位には、第1水平揺動軸芯Y1と平行なロック装着孔26が水平方向に貫通形成され、前記媒介子9の鍔部9Aには、媒介子9が初期設定状態にあるとともに拡大翼8が閉縮位置にあるときに前記ロック装着孔26と水平方向で連通する半球状の係止凹部28と、媒介子9が初期設定状態にあるとともに拡大翼8が中間開拡位置にあるときに前記ロック装着孔26と水平方向で連通する係止孔27が形成されている。
【0114】
前記拡大翼8のロック装着孔26内には、媒介子9の係止孔27及び係止凹部28に対して選択的に嵌入可能な嵌入子の一例であるロックピン29と、このロックピン29を嵌入側に移動付勢する第1コイルバネ30が挿入されているとともに、前記ロック装着孔26の内周面の一端側に形成された雌ネジ部には、第1コイルバネ30の弾性付勢力を調整するバネ力調整ボルト31がロックナット32を介して螺合固定されている。
【0115】
初期状態においては、掘削ヘッド本体Bは下降駆動されており、前記ロックピン29の半球状の先端部が係止凹部28に係合している状態(図29参照)では、前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置にあり(図28参照)、媒介子9の当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接した状態にあり、拡大翼8が閉縮位置に位置保持される。
【0116】
しかし、掘削ヘッド本体Bが下降駆動から上昇駆動に切り替えられると、この掘削ヘッド本体Bの上昇時に受ける土圧(土砂抵抗)が、係止凹部28に対するロックピン29の係合維持力を凌駕するため、第1コイルバネ30の弾性付勢力に抗してロックピン29の半球状先端部と半球状の係止凹部28との係合が解除され、ロックピン29の半球状先端部が媒介子9の鍔部9Aの上面を摺接しながら、閉縮位置にあった拡大翼8が中間開拡位置に達するまで拡径揺動する(図30参照)。
【0117】
また、前記媒介子9のボス部9Bには、枢支ボルト10周りにおいて拡大翼8の連係凹部20に向かって開口する装着凹部33が形成され、この装着凹部33の底面と拡大翼8の連係凹部20内の底面との相対向面間には、媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱したとき、拡大翼8の被規制面23と当接可能な開度規制位置にある媒介子9を連係凹部20から抜け出した規制解除位置に弾性力で移動付勢する第2コイルバネ34が装着されている。
【0118】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
本実施形態では中堀り工法に利用される。スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8に装着されているロックピン29の半球状先端部を媒介子9の鍔部9Aに形成されている係止凹部28に係合させ、拡大翼8をそれの一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置に維持すると同時に、媒介子9をそれの当り面21が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接した初期設定状態に維持する。図28に示すように、この状態で掘削ヘッド本体Bを中空杭36の中空部36aを通して該中空杭36から突出させる。
【0119】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(図29矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを上昇駆動させる。
【0120】
スクリューオーガAが下降しているときは、前記拡大翼8は、図28、図29に示すように閉縮位置に位置保持され、ロックピン29の半球状先端部と係止凹部28との係合によって拡大翼8と媒介子9は緩やかに結合し、掘削ヘッド本体Bの上昇時に受ける土圧(土砂抵抗)が、係止凹部28に対するロックピン29の係合維持力を凌駕するため(図30参照)、第1コイルバネ30の弾性付勢力に抗してロックピン29の半球状先端部と半球状の係止凹部28との係合が解除され、ロックピン29の半球状先端部が媒介子9の鍔部9Aの側面を摺接移動しながら、閉縮位置にあった拡大翼8が第1水平揺動軸芯Y1周りで中間開拡位置に達するまで拡径揺動する。
【0121】
前記拡大翼8が中間開拡位置にまで到達したとき、図31に示すように、拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に揺動方向から当接すると同時に、拡大翼8のロック装着孔26と媒介子9の鍔部9Aに形成されている係止孔27とが水平方向で合致するため、鍔部9Aの側面を摺接移動してきたロックピン29が係止孔27内に係合し、拡大翼8と媒介子9とが第1水平揺動軸芯Y1周りで一体揺動可能に連動される。
【0122】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを正転駆動(図29の矢印(ロ)方向)させながら下降駆動させることにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0123】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図32に示すように、掘削ヘッド本体Bが下降駆動(矢印(ハ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの下降時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動し、その揺動に連動して媒介子9も第1水平揺動軸芯Y1周りで一体揺動する。
この一体揺動によって媒介子9の鍔部9Aが第2壁板7Bの保持片24から離脱したとき、図33に示すように、拡大翼8の被規制面23と当接可能な開度規制位置にあった媒介子9が第2コイルバネ34の弾性付勢力で横外方に瞬時に押し出され、媒介子9の鍔部9Aが連係凹部20から抜け出した規制解除位置に保持される。
しかし、この制限手段Cによる開度制限が解除されても、拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの下降時に受ける土圧により閉縮位置に維持される。
【0124】
次に、図34に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度上昇駆動(矢印(ニ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの上昇時に受ける土圧により拡径揺動されるが、このとき、媒介子9の鍔部9Aが連係凹部20から抜け出した規制解除位置に保持されているため、拡大翼8の被規制面23が媒介子9の開度規制面22に当接することはなく、拡大翼8の被規制面23が翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接する最大開拡位置にまで拡径揺動される。
【0125】
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させながら上昇駆動させることにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。しかも、拡大翼8の開拡を上下動で行い、掘削は正回転のみで行う。他の実施形態のように、逆転時にスクリュー羽根2に詰まった土砂が下がってこず、拡大掘削を確実に行うことができる。
【0126】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを下降させ、拡大翼8を閉縮させた後、中空杭36を下降させて拡大翼を覆い、それらの開拡を防止して中空杭36から引き抜く。
【0127】
(1)上述の第4実施形態の掘削装置では、拡大翼8を掘削軸3に取付けているが、スクリュー羽根4に取付けてもよい。
(2)上述の第4実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【0128】
〔第5実施形態〕
図35〜図41は、前記掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xに対して直交する第1水平揺動軸芯Y1周りで拡大翼8を拡径揺動自在に構成してある掘削装置の別実施形態を示す。
この第5実施形態の掘削装置では、図35〜図37に示すように、前記掘削ヘッド本体Bの掘削ロッド3の周方向二箇所に形成した翼取付け部7の各々に、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xに対して直交する第1水平揺動軸芯Y1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、前記拡大翼8の所定動作で前記制限手段Cを解除する解除手段Fとを設け、前記掘削軸3の下降に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動した状態での掘削軸3の逆回転に伴う拡大翼8の水平移動で前記解除手段Fが発動する構成になっている。
【0129】
前記掘削ヘッド本体Bの各翼取付け部7は、図35〜図37に示すように、掘削軸3の翼取付け箇所に正面視において直角に固着された両壁板7A,7Bと、両壁板7A,7Bの中間位置に略垂直に固着された取付け板7Cから構成されているとともに、前記取付け板7Cには、拡大翼8の基端部8Bを枢支ボルト10・ナット11にて揺動自在に枢着するための取付け孔7aが形成され、更に、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの回転軌跡内に入り込む閉縮位置に縮径揺動させるための格納凹部12が形成されている。
【0130】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの下降時(図38の矢印(ハ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの上昇時(図36、図40の矢印(ニ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0131】
前記翼取付け部7の両壁板7A,7Bのうち、上下方向に略沿う第1壁板7Aには、図35に示すように、格納凹部12内に縮径揺動する拡大翼8の一側面8aと揺動方向から当接して該拡大翼8を閉縮位置に保持する第1ストッパー面13が形成されているとともに、水平方向に略沿う第2壁板7Bには、図40に示すように、拡径揺動する拡大翼8の他側面8bと揺動方向から当接して該拡大翼8を径方向外方への突出代が最大となる最大開拡位置に保持する第2ストッパー面14が形成されている。
【0132】
前記拡大翼8の一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の他側面8bが第2ストッパー面14に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0133】
次に、前記制限手段Cについて説明する。
図36、図37に示すように、前記拡大翼8の基端部8Bに、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間において設定された中間開拡位置にまで拡大揺動したとき、前記翼取付け部7の第2壁板7Bに窪み形成された係合凹部75に対して揺動方向から当接することにより、拡大翼8の開度を中間拡大掘削径D2に制限する開度制限突起76が形成されているとともに、前記係合凹部75の第1水平揺動軸芯Y1方向での幅は開度制限突起76の板厚よりも若干大なる寸法に構成して、開度制限突起76の先端部が係合凹部75内に係合した状態では、掘削軸3の正回転又は逆回転に伴って拡大翼8に作用する土圧に抗して該拡大翼8を所定位置に係合保持するように構成されている。
【0134】
そして、前記拡大翼8の開度制限突起76が翼取付け部7の係合凹部75に係合している状態では、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間に設定された中間開拡位置に位置保持されているため、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている(図36、図40参照)。
【0135】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図37、図39、図41に示すように、前記拡大翼8の基端部8Bと翼取付け部7の取付け板7Cとの間には、掘削軸3の逆回転に伴って拡大翼8に第1水平揺動軸芯Y1方向の土圧を受けたとき、拡大翼8の開度制限突起76が翼取付け部7の第2壁板7Bに対して第1水平揺動軸芯Y1方向に外れた開度制限解除位置までの水平移動を許容する移動許容空間77が形成されている。
【0136】
そのため、図38に示すように、前記掘削軸3の下降に伴って中間開拡位置にあった拡大翼8を一旦縮径揺動させることによって、拡大翼8の開度制限突起76と翼取付け部7の係合凹部75との係合が解除され、この状態で掘削軸3を逆転駆動する(図39の(イ)方向)と、図39に示すように、その逆回転に伴う開度制限突起76の開度制限解除位置への水平移動により、開度制限突起76が第2壁板7Bと当接できない制限解除状態となり、図40に示すように、掘削軸3の上昇に伴って拡大翼8が第2壁板7Bの第2ストッパー面14と当接する最大開拡位置にまで拡径揺動する。
【0137】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
本実施形態では中堀り工法に利用される。スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8をそれの一側面8aが第1ストッパー面13に当接した閉縮位置に維持すると同時に、拡大翼8の開度制限突起76が翼取付け部7の係合凹部75に対応する位置に設定する。この状態で掘削ヘッド本体Bを中空杭36の中空部36aを通して該中空杭36から突出させる(図35参照)。
【0138】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを上昇駆動させる。
【0139】
このとき、前記拡大翼8は、図36に示すように、掘削ヘッド本体Bの上昇時に受ける土圧(土砂抵抗)によって第1水平揺動軸芯Y1周りで拡径揺動し、この拡大翼8が中間開拡位置に到達したとき、拡大翼8の開度制限突起76が翼取付け部7の係合凹部75に係合する。
【0140】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを正転駆動(図37の矢印(ロ)方向)させながら上昇降駆動させることにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0141】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図38に示すように、掘削ヘッド本体Bが下降駆動(矢印(ハ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの下降時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動する。
この状態で掘削軸3を逆転駆動させると、図39に示すように、この逆回転(矢印(イ)方向)に伴う土圧によって拡大翼8に第1水平揺動軸芯Y1方向への移動力が付与されるため、拡大翼8の開度制限突起76が翼取付け部7の第2壁板7Bから外れた開度制限解除位置まで水平移動する。
しかし、この制限手段Cによる開度制限が解除されても、拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの下降時に受ける土圧により閉縮位置に維持される。
【0142】
次に、図40に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度上昇駆動(矢印(ニ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの上昇時に受ける土圧により拡径揺動されるが、このとき、拡大翼8の開度制限突起76が開度制限解除位置に保持されているため、拡大翼8の他側面8bが翼取付け部7の第2ストッパー面14に当接する最大開拡位置にまで拡径揺動される。
【0143】
この後、正回転(図41矢印(ロ)方向)して掘削する。正回転により土圧がかかるが、前記拡大翼8は、開度制限突起76が第2壁板7Bに当接して水平方向への移動は生じない。
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させながら上昇駆動させることにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
【0144】
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。しかも、拡大翼8の開拡を上下動で行い、掘削は正回転のみで行う。他の実施形態のように、逆転時にスクリュー羽根2に詰まった土砂が下がってこず、拡大掘削を確実に行うことができる。
【0145】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを下降させ、拡大翼8を閉縮させた後、中空杭36を下降させて拡大翼を覆い、それらの開拡を防止して中空杭36から引き抜く。
【0146】
(1)上述の第5実施形態の掘削装置では、拡大翼8を掘削軸3に取付けているが、スクリュー羽根4に取付けてもよい。
(2)上述の第5実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【0147】
〔第6実施形態〕
図42〜図52は掘削装置の別実施形態を示し、前記掘削ヘッド本体Bのスクリュー羽根4の周方向二箇所に形成された翼取付け部7の各々には、先端側に拡大掘削用刃物(拡大掘削ビット)8Aを備えた拡大翼8が、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯Xと平行な第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動自在に枢着されているとともに、前記拡大翼8の筒状基端部8B側の密封された空間83内には、拡大翼8の開度を制限する制限手段Cと、拡大翼8の所定動作で前記制限手段Cを解除する解除手段Fが設けられ、前記掘削軸3の正回転に伴って拡大翼8が一旦縮径揺動することによって前記解除手段Fが発動するように構成されている。
【0148】
前記スクリュー羽根4の翼取付け部7の各々は、図42〜図44に示すように、掘削ヘッド本体Bの回転軸芯に対して直交する平面に沿った平板状に形成され、前記翼取付け部7の第1揺動軸芯X1上に固着された枢支軸80には、拡大翼8の筒状基端部8Bが拡径揺動自在に外嵌装着されているとともに、前記枢支軸80の上端部には、拡大翼8の上方への抜け出し移動を阻止する蓋部材81が密封状態でボルト82にて締め付け固定されている。
前記拡大翼8と蓋部材81、拡大翼8と翼取付け部7とはシール97によって防水・防砂処理されている。
【0149】
前記拡大翼8の筒状基端部8Bの内周面と枢支軸80の外周面との間に形成される環状の密封空間83内には、拡大翼8と連動して前記制限手段Cを解除するための円筒状の媒介子85が介在され、この媒介子85の内周面の下半部に形成された雄ネジ部86が、前記枢支軸80に形成されている雌ネジ部84に回転自在に螺合されている。
【0150】
前記拡大翼8は、掘削ヘッド本体Bの正転時(図48の矢印(ロ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により閉縮位置に縮径揺動し、掘削ヘッド本体Bの逆転時(図45、図51の矢印(イ)方向参照)に受ける土圧(土砂抵抗)により開拡位置に拡径揺動するように構成されている。
【0151】
前記拡大翼8の筒状基端部8Bの内周面には、図43、図44に示すように、枢支軸80の外周面の周方向一箇所に突出形成された第1係止突起87が径方向内方側から係入する最大回動範囲規制溝88が形成されていて、この最大回動範囲規制溝88の周方向一端の第1ストッパー面89に枢支軸80の第1係止突起87が当接している状態(図43参照)では、前記拡大翼8がスクリュー羽根4の回転軌跡内に入り込む閉縮位置に保持され、また、最大回動範囲規制溝88の周方向他端面の第2ストッパー面90に枢支軸80の第1係止突起87が当接している状態(図52参照)では、拡大翼8が径方向外方に最も突出した最大開拡位置に保持されるように構成されている。
【0152】
前記拡大翼8の筒状基端部8b内の第1ストッパー面89が枢支軸80の第1係止突起87に当接した閉縮位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1と同一又はそれよりも小なる最小外径に構成されているとともに、拡大翼8の筒状基端部8b内の第2ストッパー面90が枢支軸80の第1係止突起87に当接した最大開拡位置では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5による掘削径D1よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されている。
【0153】
次に、前記規制手段Cについて説明する。
図43、図44に示すように、前記拡大翼8の筒状基端部8Bの内周面には、媒介子85の外周面の周方向一箇所に突出形成された第2係止突起91が径方向内方側から係入する開度制限溝92が形成され、この開度制限溝92の周方向一端の第3ストッパー面93に媒介子85の第2係止突起91が当接している状態では、前記拡大翼8が閉縮位置にあり、また、開度制限溝92の周方向他端面の第4ストッパー面94に媒介子85の第2係止突起91が当接している状態では、拡大翼8が閉縮位置と最大開拡位置との間において設定された中間開拡位置に保持されるように構成されている。
【0154】
前記開度制限溝92の第4ストッパー面94と媒介子85の第2係止突起91との当接によって、拡大翼8の開度が中間開拡位置に制限された状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大で、最大拡大掘削径D3よりも小となる中間拡大掘削径D2に構成されている。
【0155】
また、前記媒介子85の内周面には、拡大翼8の中間開拡位置への拡径揺動によって開度制限溝92の第4ストッパー面94が媒介子85の第2係止突起91に周方向から当接したとき、枢支軸80の外周面の周方向一箇所に突出形成された第3係止突起95と周方向から当接して、拡大翼8に作用する土圧に抗して媒介子85を初期設定位置に保持する係止段部96が形成されている。
【0156】
次に、前記解除手段Fについて説明する。
図43、図44に示すように、前記拡大翼8の筒状基端部8Bに、拡大翼8の中間開拡位置への拡径揺動によって開度制限溝92の第4ストッパー面94が媒介子85の第2係止突起91に周方向から当接したとき、媒介子85に形成されている上方開放の係止凹部99と径方向から連通する装着孔100が貫通形成され、この装着孔100内には、拡大翼8が中間開拡位置に到達したときに媒介子85の係止凹部99に径方向外方から係合して、掘削ヘッド本体Bの正転駆動に連れて拡大翼8が中間拡径位置から閉縮位置に縮径揺動するとき、初期設定位置にある媒介子85を第1揺動軸芯X1周りで制限解除操作位置にまで一体的に回動させる係止ピン101と、この係止ピン101を嵌入付勢するコイルバネ102が挿入されているとともに、前記装着孔100の挿入用開口には脱着自在な閉止栓103が装着されている。
前記係止凹部99の正転方向の上手側の媒介子85の上端面とのエッジ99aは角がとられているとともに、前記媒介子85の外周面には、該媒介子85が初期設定状態にあるとともに拡大翼8が閉縮位置にあるときに前記係止ピン101の半球状の先端部が係合する半球状の係合凹部105が形成されている。
前記係止ピン101の先端部が媒介子85の係合凹部105に係合している状態では、媒介子85と拡大翼8がゆるやかに結合された状態となっていて、拡大翼8が閉縮位置に位置保持されている。
【0157】
また、前記媒介子85の雌ネジ部86と枢支軸80の雄ネジ部84は、図49、図50に示すように、初期設定位置にある媒介子85を第1揺動軸芯X1周りで制限解除操作位置にまで一体的に回動されたとき、媒介子85の第2係止突起91を第1ストッパー面89及び第4ストッパー面94を備えた突起部104の回動経路よりも下方に退避させた開度制限解除位置にまで螺進させることのできるネジピッチに構成されているとともに、前記係止凹部99も、係止ピン101から確実、スムーズに離脱することのできる上方開放のU字形に形成されている。
【0158】
次に、上述の如く構成された掘削装置を用いた掘削方法について説明する。
図42〜図44に示すように、スクリューオーガAのスクリューロッド1の下端部に掘削ヘッド本体Bを固定連結するとともに、この掘削ヘッド本体Bの拡大翼8を閉縮位置に操作して、最大回動範囲規制溝88の第1ストッパー面89を枢支軸80の第1係止突起87に当接させ、かつ、媒介子85の第2係止突起91を開度制限溝92の第3ストッパー面93に当接させた初期設定位置に維持する。
また、前記係止ピン101の先端部は媒介子85の係合凹部105に係合し、拡大翼8と媒介子85はゆるやかに結合されている。
【0159】
この状態でスクリューオーガAを正転駆動(図48矢印(ロ)方向)させて、掘削ヘッド本体Bの掘削刃物5により地盤を掘削し、所定の深度に到達して掘削穴の下端を拡大掘りするときには、スクリューオーガAを逆転駆動させる。
【0160】
このとき、図45〜図47に示すように、掘削ヘッド本体Bの逆転時に受ける土圧(土砂抵抗)が係止ピン101と媒介子9の係合凹部105との係合維持力を凌駕するため、前記拡大翼8は第1揺動軸芯X1周りで拡径揺動して、前記開度制限溝92の第4ストッパー面94が媒介子85の第2係止突起91に当接し、拡大翼8の開度が中間開拡位置に制限されると同時に、前記拡大翼8の筒状基端部8Bにおける装着孔100に装着されていた係止ピン101が媒介子85の係止凹部99に径方向外方から係合し、拡大翼8の筒状基端部8Bと媒介子85とが第1揺動軸芯X1周りで一体回動可能に係合連結される。
前記拡大翼8は第4ストッパー面94が媒介子85の第2係止突起91に当接し、媒介子85の係止段部96が、枢支軸80の第3係止突起95に当接しているので、拡大翼8は中間開拡位置に保持される。
【0161】
そして、前記拡大翼8が中間開拡位置に拡径揺動した状態では、該拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1よりも大となる中間拡大掘削径D2に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動(図45の矢印(イ)方向)しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部の形成箇所が中間拡大掘削径D2で拡大掘削される。
前記中間拡大掘削径D2は、掘削ヘッド本体Bの掘削径D1と比較して、極端に大きな径ではないため、掘削ヘッド本体Bは土圧により大きな負荷を受けることなく掘削することができる。
【0162】
次に、前記拡大翼8の中間拡大掘削径D2による拡大掘削工程が終了して、図48〜図50に示すように、掘削ヘッド本体Bが正転駆動(矢印(ロ)方向)されると、拡大翼8が掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に一旦縮径揺動するとともに、この拡大翼8に係合連結されている媒介子55も、第1揺動軸芯X1周りで制限解除操作位置にまで揺動される。
【0163】
前記媒介子55が制限解除操作位置に到達すると、前記媒介子85の雄ネジ部86と枢支軸80の雌ネジ部84とのネジピッチにより、媒介子85の第2係止突起91が第1ストッパー面89及び第4ストッパー面94を備えた突起部104の回動経路よりも下方に退避させた開度制限解除位置にまで螺進されるとともに、この下降側への螺進に連れて前記媒介子85の係止凹部99も、係止ピン101から下方に確実、スムーズに離脱することができる。
この状態では掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧によって拡大翼8に縮径側の外力が作用しているため、拡大翼8は閉縮位置に確実に維持される。
【0164】
次に、図51、図52に示すように、前記掘削ヘッド本体Bが再度逆転駆動(矢印(イ)方向)されると、媒介子85の第2係止突起91が第4ストッパー面94と当接しない開度制限解除位置にまで下降しており、係止凹部99の正転方向上手側の媒介子85の上端とのエッジ99aの角がとれているので、係止ピン101が媒介子85を引っ掛けないため、拡大翼8はそれの第2ストッパー面90が枢支軸80の第1係止突起87に当接する最大開拡位置にまで拡径揺動される。
【0165】
前記拡大翼8が最大開拡位置に拡径揺動した状態では、拡大翼8の拡大掘削用刃部8Aの先端回転軌跡が、中間拡大掘削径D2よりも大となる最大拡大掘削径D3に構成されているため、掘削ヘッド本体Bを逆転駆動しながら上昇又は下降することにより、地盤の根固め球根部形成箇所が最大拡大掘削径D3で拡大掘削される。
前記最大拡大掘削径D3は中間拡大掘削径D2と比較して極端に大きな径ではないので、大きな負荷を受けることなく拡大掘削が完了される。
しかも、前記媒介子85、枢支軸80、開度制限溝92、最大回動範囲規制溝88がシール97で密封され、土砂や水が浸入しないので、土砂の噛み込みがなく確実な動作が行え、また、土砂による摩耗、浸水による腐蝕が防止でき、耐久性が向上する効果がある。
【0166】
前記拡大翼8の最大拡大掘削径D3による拡大掘削工程が終了すると、掘削ヘッド本体Bを正転駆動させ、拡大翼8を掘削ヘッド本体Bの正転時に受ける土圧により閉縮位置に縮径揺動させたのち、掘削ヘッド本体Bを地上まで引き上げる。
【0167】
(1)上述の第6実施形態の掘削装置を中掘り工法で実施してもよい。
(2)上述の第6実施形態の掘削装置では、拡大翼8をスクリュー羽根4の下部に取付けているが、スクリュー羽根4の上部又は掘削軸3に取付けてもよい。
(3)上述の第6実施形態の掘削装置では、拡大翼8を二段階に拡径揺動させたが、三段階以上に拡径揺動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の第1実施形態を示すスクリューオーガ及び掘削ヘッド本体の正面図
【図2】掘削ヘッド本体の底面図
【図3】拡大翼が閉縮位置にあるときの拡大翼取付け部の平面図
【図4】拡大翼が閉縮位置にあるときの拡大翼取付け部の拡大縦断面図
【図5】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図6】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の拡大縦断面図
【図7】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図8】保持手段が解除されたときの拡大翼取付け部の拡大縦断面図
【図9】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図10】本発明の第2実施形態を示す拡大翼取付け部の一部破断平面図
【図11】拡大翼が閉縮位置にあるときの拡大翼取付け部の正面図
【図12】拡大翼取付け部の要部の拡大断面図
【図13】図12のXIII−XIII線矢視図
【図14】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断平面図
【図15】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の要部の拡大断面図
【図16】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断平面図
【図17】開度制限部材が飛び出したときの要部の拡大断面図
【図18】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断平面図
【図19】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の要部の拡大断面図
【図20】本発明の第3実施形態を示す拡大翼取付け部の平面図
【図21】拡大翼が閉縮位置にあるときの拡大翼取付け部の一部破断正面図
【図22】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図23】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断正面図
【図24】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図25】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断正面図
【図26】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図27】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の一部破断正面図
【図28】本発明の第4実施形態を示す拡大翼取付け部の断面正面図
【図29】拡大翼取付け部の断面側面図
【図30】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図31】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の断面側面図
【図32】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図33】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の断面側面図
【図34】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図35】本発明の第5実施形態を示す拡大翼取付け部の断面正面図
【図36】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図37】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の要部の断面側面図
【図38】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図39】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の要部の断面側面図
【図40】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の断面正面図
【図41】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の要部の断面側面図
【図42】本発明の第6実施形態を示す拡大翼取付け部の平面図
【図43】拡大翼取付け部の水平断面図
【図44】拡大翼取付け部の縦断面図
【図45】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図46】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の水平断面図
【図47】拡大翼が中間開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の縦断面図
【図48】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図49】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の水平断面図
【図50】拡大翼が閉縮位置に縮径揺動したときの拡大翼取付け部の縦断面図
【図51】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の平面図
【図52】拡大翼が最大開拡位置に拡径揺動したときの拡大翼取付け部の水平断面図
【符号の説明】
【0169】
C 制限手段
E 保持手段
F 解除手段
3 掘削軸
4 オーガ(スクリュー羽根)
8 拡大翼
8A 拡大掘削用刃物
9 媒介子
34 弾性体(第2コイルバネ)
55 媒介子
85 媒介子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削軸と、該掘削軸の先端に設置されたオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
設定位置に前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、前記掘削軸の回転によって前記解除手段が発動することを特徴とする掘削装置。
【請求項2】
掘削軸と、該掘削軸の先端に設置されたオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
設定位置に前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、拡径した前記拡大翼が一旦縮径することによって前記解除手段が発動することを特徴とする掘削装置。
【請求項3】
前記拡大翼と連動する媒介子が前記制限手段を解除することを特徴とする請求項1又は2記載の掘削装置。
【請求項4】
前記制限手段を所定位置に保持する保持手段を設け、前記解除手段が前記保持手段を解除するとともに、前記制限手段を掘削装置から離脱させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の掘削装置。
【請求項5】
掘削軸と、該掘削軸の先端に設置され掘削軸の正回転が削り方向であるオーガと、該オーガ又は掘削軸に設置されて拡径可能となっているとともに掘削軸の正回転によって掘削するように拡大掘削用刃物が取り付けられている拡大翼とを備える掘削装置において、
前記拡大翼が縦方向に拡径作動可能に設けられているとともに、前記拡大翼の開度を制限する制限手段と、前記拡大翼の所定動作で前記制限手段を解除する解除手段とを設け、前記掘削軸の逆回転によって前記拡大翼が移動することにより前記解除手段が発動することを特徴とする掘削装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の掘削装置を用いた掘削方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【公開番号】特開2006−316584(P2006−316584A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142878(P2005−142878)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(000002129)住友商事株式会社 (42)
【出願人】(000183082)住商鉄鋼販売株式会社 (6)
【Fターム(参考)】