採尿用容器
【課題】カバー筒と採尿筒との固定を簡易に且つ確実に行えるようにする。
【解決手段】一端が閉塞され、他端が開口端に形成された細長い筒状の収容筒2を備えている。一端が閉塞端に形成され、他端が収容筒2の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口33が形成された細長い筒状の採尿筒3を備えている。一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、採尿筒3の挿入及び抜き取りが自在に成るように採尿筒3より僅かに大径に形成され、採尿口33を閉塞するためのカバー筒4を備えている。採尿筒3の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子51及びカバー筒4の閉塞端部の内周面に形成されて雄螺子51に嵌り込む雌螺子52を有し、雄螺子51と雌螺子52とによってカバー筒4が採尿筒3を閉鎖した状態にカバー筒4と採尿筒3とを結合する。
【解決手段】一端が閉塞され、他端が開口端に形成された細長い筒状の収容筒2を備えている。一端が閉塞端に形成され、他端が収容筒2の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口33が形成された細長い筒状の採尿筒3を備えている。一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、採尿筒3の挿入及び抜き取りが自在に成るように採尿筒3より僅かに大径に形成され、採尿口33を閉塞するためのカバー筒4を備えている。採尿筒3の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子51及びカバー筒4の閉塞端部の内周面に形成されて雄螺子51に嵌り込む雌螺子52を有し、雄螺子51と雌螺子52とによってカバー筒4が採尿筒3を閉鎖した状態にカバー筒4と採尿筒3とを結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や検査センター等で実施されている尿検査のために使用される採尿用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や検査センターなどにおいては、数多くの尿検査が実施されている。
【0003】
この尿検査に使用される採尿用容器には、従来、特許文献1に開示されているように、尿を収容する収容筒と、該収容筒の開口端に取り付けられ、側面に採尿口が形成されて採尿する採尿筒と、該採尿筒の挿入自在なに成るように上記採尿口を覆うカバー筒とより構成されているものがある。
【0004】
上記採尿用容器は、収容筒に採尿筒を取り付けた組み立て状態とする。そして、被検査者は、採尿筒を下方に向けて収容筒を把持する。該被検査者は、採尿口に尿を掛けることにより、該尿が計量部に溜まり、尿の採取が終了する。
【0005】
続いて、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒が覆われる。その後、例えば、上記採尿用容器の上下を逆にし、収容筒を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。
【特許文献1】特開2003−215121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した採尿用容器は、採尿筒をカバー筒に挿入した際、カバー筒の開口端部が採尿筒の開口端部の外周部に嵌り込むように構成されていた。このカバー筒と採尿筒との嵌り込みにより、該カバー筒と採尿筒との固定を行うと共に、カバー筒と採尿筒との間のシールを行うように構成されていた。
【0007】
しかしながら、上記カバー筒と採尿筒との固定及びシールが確実に行われるようにすると、上記カバー筒と採尿筒との嵌り込みが固くなり過ぎるという問題があった。この結果、上記カバー筒と採尿筒との嵌り込みが不完全なまま容器立て等に挿入する場合が生じ、尿が採尿筒から漏れるなどの問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、カバー筒と採尿筒との固定を簡易に且つ確実に行えるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カバー筒と採尿筒とを螺子固定するようにしたものである。
【0010】
第1の発明は、一端が閉塞され、他端が開口端に形成されて尿を収容するための細長い筒状の収容筒を備えている。そして、一端が閉塞端に形成され、他端が上記収容筒の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口が形成されて採尿するための細長い筒状の採尿筒を備えている。更に、一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、上記採尿筒の挿入及び抜き取りが自在に成るように該採尿筒より僅かに大径に形成され、上記採尿口を覆うためのカバー筒を備えている。加えて、上記採尿筒の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子及び上記カバー筒の閉塞端部の内周面に形成されて上記雄螺子に嵌り込む雌螺子を有し、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒と採尿筒とを結合するための結合手段を備えている。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記採尿筒は、一端が閉塞され且つ他端が開口された円筒状の本体部と、該本体部の開口端に形成され且つ外径が上記本体部より大きい大径部とを備えている。一方、上記採尿筒の大径部と本体部との間の段差面と上記カバー筒の開口端面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする端面シール手段が設けられている。その上、上記採尿筒の本体部の開口端部の外周面の一部に形成された摺り合わせ面と、上記カバー筒の開口端部の内周面の一部に形成された摺り合わせ面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒とカバー筒との両摺り合わせ面が密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする側面シール手段が設けられている。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記採尿筒の開口端部の外周面に、螺子状の螺旋突起が形成されている。
【0013】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れかにおいて、上記採尿筒の外周面と、上記カバー筒の内周面との間に、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が形成されている。
【0014】
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れかにおいて、上記採尿筒の採尿口から閉塞端までが、所定の採尿量を収容して計量するための計量部に形成されている。
【0015】
すなわち、本発明では、先ず、採尿時において、採尿筒に収容筒の開口端部を取り付け、採尿状態に組み立てる。この組み立てた状態において、被検査者は、採尿筒を下方に向けて収容筒を把持する。そして、該被検査者は、採尿口に尿を掛けることにより、該尿が採尿口より採尿筒に流入し、尿の採取が終了する。
【0016】
この尿の採取が終了すると、採尿用容器を検査室等に搬送する。その際の搬送状態は、2つの形態がある。
【0017】
1つの形態は、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒が覆われる。その際、上記カバー筒に採尿筒を挿入した後、該カバー筒に対して採尿筒を回すと、雄螺子が雌螺子に嵌り込み、上記カバー筒と採尿筒とが結合される。
【0018】
続いて、上記採尿用容器の上下を逆にし、収容筒を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。その後、検査室等において、収容筒を採尿筒及びカバー筒より外し、上記尿が収容された収容筒のみを検査装置にセットする。
【0019】
一方、上記搬送状態の他の形態は、収容筒にキャップを取り付けて搬送する形態である。その際においても、採尿が終了すると、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入した後、該カバー筒に対して採尿筒を回すと、雄螺子が雌螺子に嵌り込み、上記カバー筒と採尿筒とが結合される。
【0020】
その後、上記採尿用容器を上下を逆にすると、採尿が収容筒に流れ、該尿が収容筒に収納される。この状態において、カバー筒及び収容筒を収容筒より取り外す。そして、上記尿が収容された収容筒のみとし、この収容筒の開口端にキャップを取り付けて密封し、容器立て等に立てて検査室等に搬送される。この検査室等では、キャップを収容筒より外し、該収容筒を検査装置にセットする。
【0021】
また、第2の発明では、雄螺子と雌螺子とによってカバー筒と採尿筒とを固定した際、採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着してシールされると共に、採尿筒の摺り合わせ面と上記カバー筒の摺り合わせ面とが密着してシールされる。
【0022】
また、第3の発明では、上記採尿筒に螺旋突起が形成されているので、尿の採取が終了した際、被検査者が螺旋突起を見て採尿筒をカバー筒に対して必ず回すことになる。
【0023】
また、第4の発明では、尿を採取する前では雄螺子が雌螺子に嵌り込んでいない状態でカバー筒が採尿筒に仮止めされる。
【0024】
また、第5の発明では、採尿時において、尿が採尿口より計量部に溜まり、尿検査に必要な量が確実に採取され、余剰の尿が採取されることがない。
【発明の効果】
【0025】
したがって、本発明によれば、採尿筒の雄螺子とカバー筒の雌螺子とによって該カバー筒と採尿筒とを固定するようにしたために、尿の採取後のカバー筒と採尿筒との結合を容易に且つ確実に行うことができる。
【0026】
また、第2の発明によれば、端面シール手段と側面シール手段とによって採尿筒とカバー筒との間をシールするので、採取した尿の漏れを確実に防止することができる。
【0027】
また、第3の発明によれば、上記採尿筒に螺旋突起を形成しているので、尿の採取が終了した際、被検査者が採尿筒をカバー筒に対して回そうとする気持ちが生じやすくなる。この結果、被検査者が採尿筒をカバー筒に対して必ず回すことになり、カバー筒と採尿筒との固定を確実に行うことができる。
【0028】
また、第4の発明によれば、カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が設けられているので、尿を採取する前では雄螺子が雌螺子に嵌り込んでいない状態でカバー筒が採尿筒に仮止めすることができることから、尿の採取を容易に且つ迅速に行うことができる。
【0029】
また、第5の発明によれば、採尿筒に計量部を設けているので、検査に必要な量の尿採取を確実に行うことができる。この結果、検査室等において、余剰の尿の処理を行うことないので、検査を衛生的に且つ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、採尿用容器1は、病院等で行われる尿検査の際に尿を採取するための容器である。
【0032】
上記採尿用容器1は、採取した尿を収容する収容筒2と、採尿を行うと共に計量を行う採尿筒3と、上記採尿筒3に着脱自在に取り付けられるカバー筒4とより構成されている。
【0033】
該収容筒2は、図3及び図4に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該収容筒2は、合成樹脂などの透明材料より形成されている。尚、上記収容筒2の材料は、透明材料に限られず、有色半透明材料など各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0034】
上記収容筒2は、図4の左側のほぼ半部の本体部21と、図4の右側のほぼ半部の先細部22とよりなり、尿検査装置にセット可能な外径及び長さのスピッツに構成されている。
【0035】
上記収容筒2の本体部21は、先細部22に向かって僅かに細くなるテーパ状に形成され、開口端部の外周面には、採尿筒3を固定するための固定螺子23が形成されている。上記収容筒2の先細部22は、本体部21に連続し、閉塞端に向かって細くなるテーパ状に形成されている。上記収容筒2の先細部22は、本体部21のテーパ角度より大きく形成されている。
【0036】
上記収容筒2の先細部22の先端部には、第1の標線2aと第2の標線2aと形成されている。上記第1の標線2a及び第2の標線2aは、採取した尿を遠心分離して上澄を捨て、尿沈渣試験用のサンプル(15μl;マイクロリットル)を採取するための残尿量を表示するものであって、それぞれ0.1ml(ミリリットル)及び0.2ml(ミリリットル)の収納量を表示するように設定されている。
【0037】
上記収容筒2には、採尿量を示す採尿目盛り2bが付されている。該採尿目盛り2bは、収容筒2の長手方向に付され、採尿量が識別できるように構成されている。
【0038】
尚、上記採尿用容器1は、収容筒2のキャップ25を備えている。該キャップ25は、断面逆U字状に形成され、上記収容筒2の固定螺子23にネジ込まれ、収容筒2を完全閉鎖するように形成されている。
【0039】
上記採尿筒3は、図5及び図6に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該採尿筒3は、合成樹脂などの半透明材料より形成されている。尚、上記採尿筒3の材料は、半透明材料に限られず、無着色合成樹脂など各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0040】
上記採尿筒3は、本体部3aと開口端に形成された大径部3bとを備えている。上記本体部3aは、図5の左側のほぼ半部の計量部31と、図5の右側のほぼ半部の採尿部32とより形成されている。上記計量部31は、一端が閉塞され、尿検査に必要な尿を計量するように構成されている。例えば、上記採尿筒3の計量部31は、10ml(ミリリットル)の収容容積に構成され、この容量の場合、上記計量部31は、例えば、内径が13.8mmの円筒体に形成され、長さが69.00mmに形成されている。尚、この計量部31の収容容積は、15ml(ミリリットル)や20ml(ミリリットル)であってもよく、要するに、上記計量部31の収容容積は、検査等の要望に対応して10ml(ミリリットル)以上であってもよく、逆に10ml(ミリリットル)未満であってもよい。
【0041】
また、上記本体部3aの閉塞端部、つまり、計量部31の閉塞端部は、該本体部3aよりも小径の小径部3cに形成されている。
【0042】
上記採尿筒3の採尿部32は、一端が計量部31に連続し、他端が開口された円筒体に形成されている。そして、上記採尿部32は、採尿口33と補助口34とが形成されている。該採尿口33は、尿の採取時に該尿が注入される開口であって、採尿筒3の外周面から内周面に貫通して形成されている。上記採尿口33は、採尿筒3の円周方向の過半部を切り欠いて形成され、例えば、軸方向長さが28.00mmに形成されている。
【0043】
上記採尿口33における計量部31の側の一端は、採尿筒3の径方向に一致する直交面33aに形成され、他端は、開口端に向かって傾斜する傾斜面33bに形成されている。そして、上記採尿口33の直交面33aから採尿筒3の閉塞端までが上記計量部31に形成されている。
【0044】
上記補助口34は、採尿口33と反対側の採尿筒3の外周面から内周面に貫通して形成されている。上記補助口34は、2つ軸方向に直列に形成されている。尚、上記補助口34の個数は、1つであってよく、逆に3つ以上であってもよい。また、上記補助口34を形成した理由は、採尿時の空気抜き作用を行うようにして採尿の容易化を図るようにすると共に、成形時の変形を防止するようにするためである。
【0045】
上記大径部3bは、採尿部32の開口端部に連続して形成され、該採尿部32の外径より大径に形成され、上記収容筒2の開口端部が挿入自在に形成されている。
【0046】
上記大径部3bの内周面には、収容筒2の固定螺子23にネジ込まれる固定螺子35が形成されている。そして、上記収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とによって収容筒2と採尿筒3とが取り付け及び取り外し自在に構成されている。上記収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とは、例えば、収容筒2と採尿筒3とを相対的に3回転又は2回転若しくは1回転で取り付け及び取り外しが行われるように構成されている。
【0047】
上記大径部3bにおける採尿部32側の端面は、本体部3aとの間の段差面3dに形成され、該段差面3dは、採尿筒3の径方向に一致する直交面に形成されている。また、上記大径部3bにおける採尿部32側の外周端部には、覆い部36が一体形成されている。該覆い部36は、カバー筒4の端部が挿入可能な内径に形成され、該カバー筒4の端部を覆うように形成されている。
【0048】
上記カバー筒4は、図7に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該カバー筒4は、合成樹脂などの着色材料より形成されている。尚、上記カバー筒4の材料は、着色材料に限られず、各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0049】
上記カバー筒4は、採尿筒3の挿入及び抜き取りが自在になるように該採尿筒3より僅かに大径に形成されている。
【0050】
上記カバー筒4は、採尿口33を閉鎖して採尿筒3の本体部3aの全体が挿入される長さに形成されている。該上記カバー筒4は、一端が閉塞され且つ他端が開口されて採尿口33を閉鎖する本体部41と、該本体部41の開口端部に形成された大径部42とより構成されている。上記大径部42は、採尿筒3の覆い部36の内側に挿入されるように形成されている。また、上記本体部41の閉塞端部は、該本体部41よりも小径の小径部43に形成されている。
【0051】
上記採尿筒3とカバー筒4との間には、本発明の特徴とする結合手段5と螺旋突起11と端面シール手段12と側面シール手段13と仮止め手段6とが設けられている。
【0052】
上記結合手段5は、採尿筒3とカバー筒4とを結合するものであり、採尿筒3の小径部3cの外周面に形成された雄螺子51と、カバー筒4の小径部43の内周面に形成された雌螺子52とより構成されている。上記結合手段5は、採尿筒3をカバー筒4に挿入してカバー筒4が採尿口33を閉鎖した状態において採尿筒3をカバー筒4に対して回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込みカバー筒4が採尿筒3に結合されるように構成されている。
【0053】
上記螺旋突起11は、採尿筒3における本体部3cの外周面の一部であって開口端と採尿口33との間に形成されている。上記螺旋突起11は、採尿筒3をカバー筒4に挿入した際、単にカバー筒4を介して被検査者が看視し得るように構成されている。つまり、一般的に、人が螺子のある部材を見ると当該部材を回そうとする心理が作用することから、上記螺旋突起11を設けることにより、被検査者がカバー筒4を回すことになり、上記結合手段5によりカバー筒4が採尿筒3に確実に固定される。
【0054】
上記端面シール手段12は、カバー筒4の開口端と採尿筒3との間をシールするものであり、カバー筒4の開口端面4aと採尿筒3の段差面3dとによって構成されている。つまり、上記端面シール手段12は、図8に示すように、採尿筒3にカバー筒4をネジ込んだ際、カバー筒4における大径部42の開口端面4aが採尿筒3における大径部3bの段差面3dに密着するように構成されている。
【0055】
上記側面シール手段13は、カバー筒4の開口端部と採尿筒3の開口端部との間を側面でシールするものであり、カバー筒4に形成された摺り合わせ面4bと、採尿筒3に形成された摺り合わせ面3eとによって構成されている。上記カバー筒4の摺り合わせ面4bは、カバー筒4における本体部41の内周面の一部であって開口端の周縁に形成されている。上記採尿筒3の摺り合わせ面3eは、採尿筒3における本体部3aの外周面の一部であって開口端と螺旋突起11との間に形成されている。そして、上記カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとは、図8に示すように、カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、互いに密着するように構成されている。
【0056】
上記仮止め手段6は、図9及び図10に示すように、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かるようにしたものであり、採尿筒3をカバー筒4に挿入した状態に該カバー筒4を採尿筒3に仮止めするためのものである。上記仮止め手段6は、カバー筒4の環状突起61と、採尿筒3の環状突起62とにより構成されている。該カバー筒4の環状突起61は、本体部41の長手方向のほぼ中央部に位置し、本体部41の内周面に形成されている。上記採尿筒3の環状突起62は、本体部3aにおける採尿口33と閉塞端部との間に位置し、本体部3aの外周面に形成されている。上記カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の環状突起62とは、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込む前の状態まで採尿筒3をカバー筒4に挿入した際、カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の環状突起62を乗り越え、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かるように構成されている。
【0057】
一方、上記採尿筒3における採尿部32の外周面には、当接突起1aが形成されている。該当接突起1aは、結合手段5の雄螺子51を雌螺子52に嵌め込み、この嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発するように構成されている。
【0058】
また、上記採尿筒3の閉塞端面とカバー筒4の閉塞端面には、当接片1b,1cが形成されている。つまり、上記採尿筒3の底面の外側には、当接片1bが形成され、上記カバー筒4の底面の内側には、当接片1cが形成されている。上記当接片1b,1cは、薄く且つ細長い突出片で形成され、半径方向に形成されている。そして、上記当接片1b,1cは、結合手段5の雄螺子51を雌螺子52に嵌め込み、この嵌め込みが完了する直前に互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発するように構成されている。したがって、上記当接突起1aとカバー筒4の環状突起61との完了音と上記当接片1b,1cの完了音とによって二重の終了音が発生する。
【0059】
〈採尿用容器1の使用方法〉
次に、上述した採尿用容器1の使用方法について説明する。
【0060】
先ず、採尿する前の未使用の状態においては、採尿筒3の取付部35に収容筒2の開口端部が挿入され、採尿筒3の固定螺子35と収容筒2の固定螺子23とネジ合わせて該採尿筒3と収容筒2とが取り付けられている。更に、上記採尿筒3は、カバー筒4に挿入され、カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の環状突起62を乗り越え、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かった仮止め状態に設定されている。その際、図9に示すように、結合手段5の雄螺子51が雌螺子52に嵌り込む前の状態にカバー筒4が採尿筒3に仮止めされている。この状態で包装袋に収納されている。
【0061】
次に、採尿時において、被検査者は、包装袋より採尿用容器1を取出し、カバー筒4を採尿筒3より抜き取る。そして、収容筒2に採尿筒3が取り付けられた状態とし、被検査者は、採尿筒3を下方に向けて収容筒2を把持する。そして、該被検査者は、採尿口33に尿を掛けることにより、該尿が採尿口33より採尿筒3に流入し、計量部31に溜まり、尿の採取が終了する。この採尿時において、所定量(例えば、10ml)の尿が計量部31に注入されると、採尿口33より採尿筒3の外に漏れるので、尿検査に必要な量が確実に採取され、余剰の尿が採取されることがない。
【0062】
この尿の採取が終了すると、採尿用容器1を検査室等に搬送する。その際の搬送状態は、2つの形態がある。
【0063】
1つの形態は、図2に示すように、上記採尿筒3を下方に向けたままカバー筒4に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒3が覆われる。その際、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、採尿口33がカバー筒4によって閉鎖される。続いて、上記カバー筒4に対して採尿筒3を回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込み、上記カバー筒4と採尿筒3とが結合して固定される。特に、上記採尿筒3に螺旋突起11が設けられ、被検査者はこの螺旋突起11を見てカバー筒4に対して採尿筒3を確実に回すことになる。
【0064】
その上、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の当接突起1aを乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。
【0065】
また、上記カバー筒4と採尿筒3とを結合すると、図8に示すように、カバー筒4の開口端面4aが採尿筒3の大径部3bの段差面3dに当接して密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。更に、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとが密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。したがって、採尿の漏れが防止される。
【0066】
続いて、上記採尿用容器1の上下を逆にし、収容筒2を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。その際、上記採尿筒3を上下を逆にすると、採尿が収容筒2に流れ、該尿が収容筒2に収納される。
【0067】
その後、検査室等において、上記採尿筒3の覆い部36を把持し、該採尿筒3を収容筒2に対して回転すると、固定螺子23,35が外れる。この固定螺子23,35が外れた状態において、収容筒2が採尿筒3及びカバー筒4より外れる。そして、上記尿が収容された収容筒2のみを検査装置にセットする。
【0068】
一方、上記搬送状態の他の形態は、図3に示すように、収容筒2にキャップ25を取り付けて搬送する形態である。その際においても、採尿が終了すると、上記採尿筒3を下方に向けたままカバー筒4に挿入する。このカバー筒4に採尿筒3を挿入すると、採尿口33がカバー筒4によって閉鎖される。続いて、上記カバー筒4に対して採尿筒3を回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込み、上記カバー筒4と採尿筒3とが結合して固定される。
【0069】
その上、上述したように、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の当接突起1aを乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。
【0070】
また、その際、図8に示すように、カバー筒4の開口端面4aが採尿筒3の大径部3bの段差面3dに当接して密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。更に、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとが密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。
【0071】
その後、上記採尿用容器1を上下を逆にすると、計量部31の採尿が収容筒2に流れ、該尿が収容筒2に収納される。この状態において、採尿筒3と収容筒2の固定螺子35,23を外し、採尿筒3及びカバー筒4を同時に収容筒2より取り外す。この結果、上記尿が収容された収容筒2のみとなり、この収容筒2の開口端にキャップ25をネジ込んで密封し、容器立て等に立てて検査室等に搬送される。この検査室等では、キャップ25を収容筒2より外し、該収容筒2を検査装置にセットすることになる。
【0072】
〈実施形態1の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、採尿筒3の雄螺子51とカバー筒4の雌螺子52とによって該カバー筒4と採尿筒3とを結合するようにしたために、尿の採取後のカバー筒4と採尿筒3との固定を容易に且つ確実に行うことができる。
【0073】
また、上記端面シール手段12と側面シール手段13とによって採尿筒3とカバー筒4との間をシールするので、採取した尿の漏れを確実に防止することができる。
【0074】
また、上記採尿筒3に螺旋突起11を形成しているので、尿の採取が終了した際、被検査者が採尿筒3をカバー筒4に対して回そうとする気持ちが生じやすくなる。この結果、被検査者が採尿筒3をカバー筒4に対して確実に回すことになり、カバー筒4と採尿筒3との固定を確実に行うことができる。
【0075】
また、上記カバー筒4を採尿筒3に仮止めする仮止め手段6が設けられているので、尿を採取する前では雄螺子51が雌螺子52に嵌り込んでいない状態でカバー筒4が採尿筒3に仮止めすることができることから、尿の採取を容易に且つ迅速に行うことができる。
【0076】
また、上記採尿筒3に計量部31を設けているので、検査に必要な量の尿採取を確実に行うことができる。この結果、検査室等において、余剰の尿の処理を行うことないので、検査を衛生的に且つ迅速に行うことができる。
【0077】
特に、上記採尿筒3に計量部31を形成しているので、雄螺子51の形成が容易となり、結合手段5を容易に構成することができる。
【0078】
また、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の当接突起1aとが完了音を発すると同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが完了音を発するので、閉め忘れが確実に防止される。
【0079】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0080】
上記実施形態においては、収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とを形成している。この収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とは、凹部と凸部との組合せであってもよい。本発明は、要するに上記収容筒2と採尿筒3とが尿が漏れることなく取り付け及び取り外しが行われるように構成されておればよい。
【0081】
また、上記実施形態では、カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の当接突起1aとが完了音を発すると共に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが完了音を発するようにしたが、本発明ではいずれか一方のみが完了音を発するようにしてもよいことは勿論である。
【0082】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明は、病院などにおける尿検査に使用される採尿用容器について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示し、カバー筒を外した採尿用容器の正面図である。
【図2】図2は、カバー筒を取り付けた採尿用容器の縦断面図である。
【図3】図3は、キャップを取り付けた収容筒の縦断面図である。
【図4】図4は、収容筒の縦断面図である。
【図5】図5は、採尿筒の側面図である。
【図6】図6は、採尿筒の縦断面図である。
【図7】図7は、カバー筒の縦断面図である。
【図8】図8は、収容筒と採尿筒とカバー筒と開口部の縦断面図である。
【図9】図9は、採尿前の採尿用容器の縦断面図である。
【図10】図10は、図9のA部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 採尿用容器
11 螺旋突起
12 端面シール手段
3d 段差面
4b 開口端面
13 側面シール手段
3e,4b 摺り合わせ面
2 収容筒
3 採尿筒
31 計量部
32 採尿部
33 採尿口
4 カバー筒
5 結合手段
51 雄螺子
52 雌螺子
6 仮止め手段
61、62 環状突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や検査センター等で実施されている尿検査のために使用される採尿用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や検査センターなどにおいては、数多くの尿検査が実施されている。
【0003】
この尿検査に使用される採尿用容器には、従来、特許文献1に開示されているように、尿を収容する収容筒と、該収容筒の開口端に取り付けられ、側面に採尿口が形成されて採尿する採尿筒と、該採尿筒の挿入自在なに成るように上記採尿口を覆うカバー筒とより構成されているものがある。
【0004】
上記採尿用容器は、収容筒に採尿筒を取り付けた組み立て状態とする。そして、被検査者は、採尿筒を下方に向けて収容筒を把持する。該被検査者は、採尿口に尿を掛けることにより、該尿が計量部に溜まり、尿の採取が終了する。
【0005】
続いて、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒が覆われる。その後、例えば、上記採尿用容器の上下を逆にし、収容筒を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。
【特許文献1】特開2003−215121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した採尿用容器は、採尿筒をカバー筒に挿入した際、カバー筒の開口端部が採尿筒の開口端部の外周部に嵌り込むように構成されていた。このカバー筒と採尿筒との嵌り込みにより、該カバー筒と採尿筒との固定を行うと共に、カバー筒と採尿筒との間のシールを行うように構成されていた。
【0007】
しかしながら、上記カバー筒と採尿筒との固定及びシールが確実に行われるようにすると、上記カバー筒と採尿筒との嵌り込みが固くなり過ぎるという問題があった。この結果、上記カバー筒と採尿筒との嵌り込みが不完全なまま容器立て等に挿入する場合が生じ、尿が採尿筒から漏れるなどの問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、カバー筒と採尿筒との固定を簡易に且つ確実に行えるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、カバー筒と採尿筒とを螺子固定するようにしたものである。
【0010】
第1の発明は、一端が閉塞され、他端が開口端に形成されて尿を収容するための細長い筒状の収容筒を備えている。そして、一端が閉塞端に形成され、他端が上記収容筒の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口が形成されて採尿するための細長い筒状の採尿筒を備えている。更に、一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、上記採尿筒の挿入及び抜き取りが自在に成るように該採尿筒より僅かに大径に形成され、上記採尿口を覆うためのカバー筒を備えている。加えて、上記採尿筒の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子及び上記カバー筒の閉塞端部の内周面に形成されて上記雄螺子に嵌り込む雌螺子を有し、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒と採尿筒とを結合するための結合手段を備えている。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記採尿筒は、一端が閉塞され且つ他端が開口された円筒状の本体部と、該本体部の開口端に形成され且つ外径が上記本体部より大きい大径部とを備えている。一方、上記採尿筒の大径部と本体部との間の段差面と上記カバー筒の開口端面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする端面シール手段が設けられている。その上、上記採尿筒の本体部の開口端部の外周面の一部に形成された摺り合わせ面と、上記カバー筒の開口端部の内周面の一部に形成された摺り合わせ面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒とカバー筒との両摺り合わせ面が密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする側面シール手段が設けられている。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記採尿筒の開口端部の外周面に、螺子状の螺旋突起が形成されている。
【0013】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れかにおいて、上記採尿筒の外周面と、上記カバー筒の内周面との間に、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が形成されている。
【0014】
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れかにおいて、上記採尿筒の採尿口から閉塞端までが、所定の採尿量を収容して計量するための計量部に形成されている。
【0015】
すなわち、本発明では、先ず、採尿時において、採尿筒に収容筒の開口端部を取り付け、採尿状態に組み立てる。この組み立てた状態において、被検査者は、採尿筒を下方に向けて収容筒を把持する。そして、該被検査者は、採尿口に尿を掛けることにより、該尿が採尿口より採尿筒に流入し、尿の採取が終了する。
【0016】
この尿の採取が終了すると、採尿用容器を検査室等に搬送する。その際の搬送状態は、2つの形態がある。
【0017】
1つの形態は、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒が覆われる。その際、上記カバー筒に採尿筒を挿入した後、該カバー筒に対して採尿筒を回すと、雄螺子が雌螺子に嵌り込み、上記カバー筒と採尿筒とが結合される。
【0018】
続いて、上記採尿用容器の上下を逆にし、収容筒を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。その後、検査室等において、収容筒を採尿筒及びカバー筒より外し、上記尿が収容された収容筒のみを検査装置にセットする。
【0019】
一方、上記搬送状態の他の形態は、収容筒にキャップを取り付けて搬送する形態である。その際においても、採尿が終了すると、上記採尿筒を下方に向けたままカバー筒に挿入した後、該カバー筒に対して採尿筒を回すと、雄螺子が雌螺子に嵌り込み、上記カバー筒と採尿筒とが結合される。
【0020】
その後、上記採尿用容器を上下を逆にすると、採尿が収容筒に流れ、該尿が収容筒に収納される。この状態において、カバー筒及び収容筒を収容筒より取り外す。そして、上記尿が収容された収容筒のみとし、この収容筒の開口端にキャップを取り付けて密封し、容器立て等に立てて検査室等に搬送される。この検査室等では、キャップを収容筒より外し、該収容筒を検査装置にセットする。
【0021】
また、第2の発明では、雄螺子と雌螺子とによってカバー筒と採尿筒とを固定した際、採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着してシールされると共に、採尿筒の摺り合わせ面と上記カバー筒の摺り合わせ面とが密着してシールされる。
【0022】
また、第3の発明では、上記採尿筒に螺旋突起が形成されているので、尿の採取が終了した際、被検査者が螺旋突起を見て採尿筒をカバー筒に対して必ず回すことになる。
【0023】
また、第4の発明では、尿を採取する前では雄螺子が雌螺子に嵌り込んでいない状態でカバー筒が採尿筒に仮止めされる。
【0024】
また、第5の発明では、採尿時において、尿が採尿口より計量部に溜まり、尿検査に必要な量が確実に採取され、余剰の尿が採取されることがない。
【発明の効果】
【0025】
したがって、本発明によれば、採尿筒の雄螺子とカバー筒の雌螺子とによって該カバー筒と採尿筒とを固定するようにしたために、尿の採取後のカバー筒と採尿筒との結合を容易に且つ確実に行うことができる。
【0026】
また、第2の発明によれば、端面シール手段と側面シール手段とによって採尿筒とカバー筒との間をシールするので、採取した尿の漏れを確実に防止することができる。
【0027】
また、第3の発明によれば、上記採尿筒に螺旋突起を形成しているので、尿の採取が終了した際、被検査者が採尿筒をカバー筒に対して回そうとする気持ちが生じやすくなる。この結果、被検査者が採尿筒をカバー筒に対して必ず回すことになり、カバー筒と採尿筒との固定を確実に行うことができる。
【0028】
また、第4の発明によれば、カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が設けられているので、尿を採取する前では雄螺子が雌螺子に嵌り込んでいない状態でカバー筒が採尿筒に仮止めすることができることから、尿の採取を容易に且つ迅速に行うことができる。
【0029】
また、第5の発明によれば、採尿筒に計量部を設けているので、検査に必要な量の尿採取を確実に行うことができる。この結果、検査室等において、余剰の尿の処理を行うことないので、検査を衛生的に且つ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、採尿用容器1は、病院等で行われる尿検査の際に尿を採取するための容器である。
【0032】
上記採尿用容器1は、採取した尿を収容する収容筒2と、採尿を行うと共に計量を行う採尿筒3と、上記採尿筒3に着脱自在に取り付けられるカバー筒4とより構成されている。
【0033】
該収容筒2は、図3及び図4に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該収容筒2は、合成樹脂などの透明材料より形成されている。尚、上記収容筒2の材料は、透明材料に限られず、有色半透明材料など各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0034】
上記収容筒2は、図4の左側のほぼ半部の本体部21と、図4の右側のほぼ半部の先細部22とよりなり、尿検査装置にセット可能な外径及び長さのスピッツに構成されている。
【0035】
上記収容筒2の本体部21は、先細部22に向かって僅かに細くなるテーパ状に形成され、開口端部の外周面には、採尿筒3を固定するための固定螺子23が形成されている。上記収容筒2の先細部22は、本体部21に連続し、閉塞端に向かって細くなるテーパ状に形成されている。上記収容筒2の先細部22は、本体部21のテーパ角度より大きく形成されている。
【0036】
上記収容筒2の先細部22の先端部には、第1の標線2aと第2の標線2aと形成されている。上記第1の標線2a及び第2の標線2aは、採取した尿を遠心分離して上澄を捨て、尿沈渣試験用のサンプル(15μl;マイクロリットル)を採取するための残尿量を表示するものであって、それぞれ0.1ml(ミリリットル)及び0.2ml(ミリリットル)の収納量を表示するように設定されている。
【0037】
上記収容筒2には、採尿量を示す採尿目盛り2bが付されている。該採尿目盛り2bは、収容筒2の長手方向に付され、採尿量が識別できるように構成されている。
【0038】
尚、上記採尿用容器1は、収容筒2のキャップ25を備えている。該キャップ25は、断面逆U字状に形成され、上記収容筒2の固定螺子23にネジ込まれ、収容筒2を完全閉鎖するように形成されている。
【0039】
上記採尿筒3は、図5及び図6に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該採尿筒3は、合成樹脂などの半透明材料より形成されている。尚、上記採尿筒3の材料は、半透明材料に限られず、無着色合成樹脂など各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0040】
上記採尿筒3は、本体部3aと開口端に形成された大径部3bとを備えている。上記本体部3aは、図5の左側のほぼ半部の計量部31と、図5の右側のほぼ半部の採尿部32とより形成されている。上記計量部31は、一端が閉塞され、尿検査に必要な尿を計量するように構成されている。例えば、上記採尿筒3の計量部31は、10ml(ミリリットル)の収容容積に構成され、この容量の場合、上記計量部31は、例えば、内径が13.8mmの円筒体に形成され、長さが69.00mmに形成されている。尚、この計量部31の収容容積は、15ml(ミリリットル)や20ml(ミリリットル)であってもよく、要するに、上記計量部31の収容容積は、検査等の要望に対応して10ml(ミリリットル)以上であってもよく、逆に10ml(ミリリットル)未満であってもよい。
【0041】
また、上記本体部3aの閉塞端部、つまり、計量部31の閉塞端部は、該本体部3aよりも小径の小径部3cに形成されている。
【0042】
上記採尿筒3の採尿部32は、一端が計量部31に連続し、他端が開口された円筒体に形成されている。そして、上記採尿部32は、採尿口33と補助口34とが形成されている。該採尿口33は、尿の採取時に該尿が注入される開口であって、採尿筒3の外周面から内周面に貫通して形成されている。上記採尿口33は、採尿筒3の円周方向の過半部を切り欠いて形成され、例えば、軸方向長さが28.00mmに形成されている。
【0043】
上記採尿口33における計量部31の側の一端は、採尿筒3の径方向に一致する直交面33aに形成され、他端は、開口端に向かって傾斜する傾斜面33bに形成されている。そして、上記採尿口33の直交面33aから採尿筒3の閉塞端までが上記計量部31に形成されている。
【0044】
上記補助口34は、採尿口33と反対側の採尿筒3の外周面から内周面に貫通して形成されている。上記補助口34は、2つ軸方向に直列に形成されている。尚、上記補助口34の個数は、1つであってよく、逆に3つ以上であってもよい。また、上記補助口34を形成した理由は、採尿時の空気抜き作用を行うようにして採尿の容易化を図るようにすると共に、成形時の変形を防止するようにするためである。
【0045】
上記大径部3bは、採尿部32の開口端部に連続して形成され、該採尿部32の外径より大径に形成され、上記収容筒2の開口端部が挿入自在に形成されている。
【0046】
上記大径部3bの内周面には、収容筒2の固定螺子23にネジ込まれる固定螺子35が形成されている。そして、上記収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とによって収容筒2と採尿筒3とが取り付け及び取り外し自在に構成されている。上記収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とは、例えば、収容筒2と採尿筒3とを相対的に3回転又は2回転若しくは1回転で取り付け及び取り外しが行われるように構成されている。
【0047】
上記大径部3bにおける採尿部32側の端面は、本体部3aとの間の段差面3dに形成され、該段差面3dは、採尿筒3の径方向に一致する直交面に形成されている。また、上記大径部3bにおける採尿部32側の外周端部には、覆い部36が一体形成されている。該覆い部36は、カバー筒4の端部が挿入可能な内径に形成され、該カバー筒4の端部を覆うように形成されている。
【0048】
上記カバー筒4は、図7に示すように、一端が閉塞され、他端が開口された細長い円筒体に形成されている。該カバー筒4は、合成樹脂などの着色材料より形成されている。尚、上記カバー筒4の材料は、着色材料に限られず、各種の材料であってもよいことは勿論である。
【0049】
上記カバー筒4は、採尿筒3の挿入及び抜き取りが自在になるように該採尿筒3より僅かに大径に形成されている。
【0050】
上記カバー筒4は、採尿口33を閉鎖して採尿筒3の本体部3aの全体が挿入される長さに形成されている。該上記カバー筒4は、一端が閉塞され且つ他端が開口されて採尿口33を閉鎖する本体部41と、該本体部41の開口端部に形成された大径部42とより構成されている。上記大径部42は、採尿筒3の覆い部36の内側に挿入されるように形成されている。また、上記本体部41の閉塞端部は、該本体部41よりも小径の小径部43に形成されている。
【0051】
上記採尿筒3とカバー筒4との間には、本発明の特徴とする結合手段5と螺旋突起11と端面シール手段12と側面シール手段13と仮止め手段6とが設けられている。
【0052】
上記結合手段5は、採尿筒3とカバー筒4とを結合するものであり、採尿筒3の小径部3cの外周面に形成された雄螺子51と、カバー筒4の小径部43の内周面に形成された雌螺子52とより構成されている。上記結合手段5は、採尿筒3をカバー筒4に挿入してカバー筒4が採尿口33を閉鎖した状態において採尿筒3をカバー筒4に対して回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込みカバー筒4が採尿筒3に結合されるように構成されている。
【0053】
上記螺旋突起11は、採尿筒3における本体部3cの外周面の一部であって開口端と採尿口33との間に形成されている。上記螺旋突起11は、採尿筒3をカバー筒4に挿入した際、単にカバー筒4を介して被検査者が看視し得るように構成されている。つまり、一般的に、人が螺子のある部材を見ると当該部材を回そうとする心理が作用することから、上記螺旋突起11を設けることにより、被検査者がカバー筒4を回すことになり、上記結合手段5によりカバー筒4が採尿筒3に確実に固定される。
【0054】
上記端面シール手段12は、カバー筒4の開口端と採尿筒3との間をシールするものであり、カバー筒4の開口端面4aと採尿筒3の段差面3dとによって構成されている。つまり、上記端面シール手段12は、図8に示すように、採尿筒3にカバー筒4をネジ込んだ際、カバー筒4における大径部42の開口端面4aが採尿筒3における大径部3bの段差面3dに密着するように構成されている。
【0055】
上記側面シール手段13は、カバー筒4の開口端部と採尿筒3の開口端部との間を側面でシールするものであり、カバー筒4に形成された摺り合わせ面4bと、採尿筒3に形成された摺り合わせ面3eとによって構成されている。上記カバー筒4の摺り合わせ面4bは、カバー筒4における本体部41の内周面の一部であって開口端の周縁に形成されている。上記採尿筒3の摺り合わせ面3eは、採尿筒3における本体部3aの外周面の一部であって開口端と螺旋突起11との間に形成されている。そして、上記カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとは、図8に示すように、カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、互いに密着するように構成されている。
【0056】
上記仮止め手段6は、図9及び図10に示すように、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かるようにしたものであり、採尿筒3をカバー筒4に挿入した状態に該カバー筒4を採尿筒3に仮止めするためのものである。上記仮止め手段6は、カバー筒4の環状突起61と、採尿筒3の環状突起62とにより構成されている。該カバー筒4の環状突起61は、本体部41の長手方向のほぼ中央部に位置し、本体部41の内周面に形成されている。上記採尿筒3の環状突起62は、本体部3aにおける採尿口33と閉塞端部との間に位置し、本体部3aの外周面に形成されている。上記カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の環状突起62とは、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込む前の状態まで採尿筒3をカバー筒4に挿入した際、カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の環状突起62を乗り越え、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かるように構成されている。
【0057】
一方、上記採尿筒3における採尿部32の外周面には、当接突起1aが形成されている。該当接突起1aは、結合手段5の雄螺子51を雌螺子52に嵌め込み、この嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発するように構成されている。
【0058】
また、上記採尿筒3の閉塞端面とカバー筒4の閉塞端面には、当接片1b,1cが形成されている。つまり、上記採尿筒3の底面の外側には、当接片1bが形成され、上記カバー筒4の底面の内側には、当接片1cが形成されている。上記当接片1b,1cは、薄く且つ細長い突出片で形成され、半径方向に形成されている。そして、上記当接片1b,1cは、結合手段5の雄螺子51を雌螺子52に嵌め込み、この嵌め込みが完了する直前に互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発するように構成されている。したがって、上記当接突起1aとカバー筒4の環状突起61との完了音と上記当接片1b,1cの完了音とによって二重の終了音が発生する。
【0059】
〈採尿用容器1の使用方法〉
次に、上述した採尿用容器1の使用方法について説明する。
【0060】
先ず、採尿する前の未使用の状態においては、採尿筒3の取付部35に収容筒2の開口端部が挿入され、採尿筒3の固定螺子35と収容筒2の固定螺子23とネジ合わせて該採尿筒3と収容筒2とが取り付けられている。更に、上記採尿筒3は、カバー筒4に挿入され、カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の環状突起62を乗り越え、カバー筒4が採尿筒3に引っ掛かった仮止め状態に設定されている。その際、図9に示すように、結合手段5の雄螺子51が雌螺子52に嵌り込む前の状態にカバー筒4が採尿筒3に仮止めされている。この状態で包装袋に収納されている。
【0061】
次に、採尿時において、被検査者は、包装袋より採尿用容器1を取出し、カバー筒4を採尿筒3より抜き取る。そして、収容筒2に採尿筒3が取り付けられた状態とし、被検査者は、採尿筒3を下方に向けて収容筒2を把持する。そして、該被検査者は、採尿口33に尿を掛けることにより、該尿が採尿口33より採尿筒3に流入し、計量部31に溜まり、尿の採取が終了する。この採尿時において、所定量(例えば、10ml)の尿が計量部31に注入されると、採尿口33より採尿筒3の外に漏れるので、尿検査に必要な量が確実に採取され、余剰の尿が採取されることがない。
【0062】
この尿の採取が終了すると、採尿用容器1を検査室等に搬送する。その際の搬送状態は、2つの形態がある。
【0063】
1つの形態は、図2に示すように、上記採尿筒3を下方に向けたままカバー筒4に挿入する。この結果、汚れ部分である採尿筒3が覆われる。その際、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、採尿口33がカバー筒4によって閉鎖される。続いて、上記カバー筒4に対して採尿筒3を回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込み、上記カバー筒4と採尿筒3とが結合して固定される。特に、上記採尿筒3に螺旋突起11が設けられ、被検査者はこの螺旋突起11を見てカバー筒4に対して採尿筒3を確実に回すことになる。
【0064】
その上、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の当接突起1aを乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。
【0065】
また、上記カバー筒4と採尿筒3とを結合すると、図8に示すように、カバー筒4の開口端面4aが採尿筒3の大径部3bの段差面3dに当接して密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。更に、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとが密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。したがって、採尿の漏れが防止される。
【0066】
続いて、上記採尿用容器1の上下を逆にし、収容筒2を下側に向けて容器立て等に挿入して検査室等に搬送される。その際、上記採尿筒3を上下を逆にすると、採尿が収容筒2に流れ、該尿が収容筒2に収納される。
【0067】
その後、検査室等において、上記採尿筒3の覆い部36を把持し、該採尿筒3を収容筒2に対して回転すると、固定螺子23,35が外れる。この固定螺子23,35が外れた状態において、収容筒2が採尿筒3及びカバー筒4より外れる。そして、上記尿が収容された収容筒2のみを検査装置にセットする。
【0068】
一方、上記搬送状態の他の形態は、図3に示すように、収容筒2にキャップ25を取り付けて搬送する形態である。その際においても、採尿が終了すると、上記採尿筒3を下方に向けたままカバー筒4に挿入する。このカバー筒4に採尿筒3を挿入すると、採尿口33がカバー筒4によって閉鎖される。続いて、上記カバー筒4に対して採尿筒3を回すと、雄螺子51が雌螺子52に嵌り込み、上記カバー筒4と採尿筒3とが結合して固定される。
【0069】
その上、上述したように、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61が採尿筒3の当接突起1aを乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが互いに乗り越え、「カチン」などの嵌め込みの完了音を発する。
【0070】
また、その際、図8に示すように、カバー筒4の開口端面4aが採尿筒3の大径部3bの段差面3dに当接して密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。更に、上記カバー筒4に採尿筒3を挿入すると、カバー筒4の摺り合わせ面4bと採尿筒3の摺り合わせ面3eとが密着し、カバー筒4と採尿筒3との間がシールされる。
【0071】
その後、上記採尿用容器1を上下を逆にすると、計量部31の採尿が収容筒2に流れ、該尿が収容筒2に収納される。この状態において、採尿筒3と収容筒2の固定螺子35,23を外し、採尿筒3及びカバー筒4を同時に収容筒2より取り外す。この結果、上記尿が収容された収容筒2のみとなり、この収容筒2の開口端にキャップ25をネジ込んで密封し、容器立て等に立てて検査室等に搬送される。この検査室等では、キャップ25を収容筒2より外し、該収容筒2を検査装置にセットすることになる。
【0072】
〈実施形態1の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、採尿筒3の雄螺子51とカバー筒4の雌螺子52とによって該カバー筒4と採尿筒3とを結合するようにしたために、尿の採取後のカバー筒4と採尿筒3との固定を容易に且つ確実に行うことができる。
【0073】
また、上記端面シール手段12と側面シール手段13とによって採尿筒3とカバー筒4との間をシールするので、採取した尿の漏れを確実に防止することができる。
【0074】
また、上記採尿筒3に螺旋突起11を形成しているので、尿の採取が終了した際、被検査者が採尿筒3をカバー筒4に対して回そうとする気持ちが生じやすくなる。この結果、被検査者が採尿筒3をカバー筒4に対して確実に回すことになり、カバー筒4と採尿筒3との固定を確実に行うことができる。
【0075】
また、上記カバー筒4を採尿筒3に仮止めする仮止め手段6が設けられているので、尿を採取する前では雄螺子51が雌螺子52に嵌り込んでいない状態でカバー筒4が採尿筒3に仮止めすることができることから、尿の採取を容易に且つ迅速に行うことができる。
【0076】
また、上記採尿筒3に計量部31を設けているので、検査に必要な量の尿採取を確実に行うことができる。この結果、検査室等において、余剰の尿の処理を行うことないので、検査を衛生的に且つ迅速に行うことができる。
【0077】
特に、上記採尿筒3に計量部31を形成しているので、雄螺子51の形成が容易となり、結合手段5を容易に構成することができる。
【0078】
また、上記結合手段5の雄螺子51と雌螺子52との嵌め込みが完了する直前に上記カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の当接突起1aとが完了音を発すると同時に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが完了音を発するので、閉め忘れが確実に防止される。
【0079】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0080】
上記実施形態においては、収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とを形成している。この収容筒2の固定螺子23と採尿筒3の固定螺子35とは、凹部と凸部との組合せであってもよい。本発明は、要するに上記収容筒2と採尿筒3とが尿が漏れることなく取り付け及び取り外しが行われるように構成されておればよい。
【0081】
また、上記実施形態では、カバー筒4の環状突起61と採尿筒3の当接突起1aとが完了音を発すると共に、上記採尿筒3とカバー筒4との当接片1b,1cが完了音を発するようにしたが、本発明ではいずれか一方のみが完了音を発するようにしてもよいことは勿論である。
【0082】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明は、病院などにおける尿検査に使用される採尿用容器について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示し、カバー筒を外した採尿用容器の正面図である。
【図2】図2は、カバー筒を取り付けた採尿用容器の縦断面図である。
【図3】図3は、キャップを取り付けた収容筒の縦断面図である。
【図4】図4は、収容筒の縦断面図である。
【図5】図5は、採尿筒の側面図である。
【図6】図6は、採尿筒の縦断面図である。
【図7】図7は、カバー筒の縦断面図である。
【図8】図8は、収容筒と採尿筒とカバー筒と開口部の縦断面図である。
【図9】図9は、採尿前の採尿用容器の縦断面図である。
【図10】図10は、図9のA部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 採尿用容器
11 螺旋突起
12 端面シール手段
3d 段差面
4b 開口端面
13 側面シール手段
3e,4b 摺り合わせ面
2 収容筒
3 採尿筒
31 計量部
32 採尿部
33 採尿口
4 カバー筒
5 結合手段
51 雄螺子
52 雌螺子
6 仮止め手段
61、62 環状突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞され、他端が開口端に形成されて尿を収容するための細長い筒状の収容筒と、
一端が閉塞端に形成され、他端が上記収容筒の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口が形成されて採尿するための細長い筒状の採尿筒と、
一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、上記採尿筒の挿入及び抜き取りが自在に成るように該採尿筒より僅かに大径に形成され、上記採尿口を覆うためのカバー筒と、
上記採尿筒の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子及び上記カバー筒の閉塞端部の内周面に形成されて上記雄螺子に嵌り込む雌螺子を有し、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒と採尿筒とを結合するための結合手段とを備えている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項2】
請求項1において、
上記採尿筒は、一端が閉塞され且つ他端が開口された円筒状の本体部と、該本体部の開口端に形成され且つ外径が上記本体部より大きい大径部とを備える一方、
上記採尿筒の大径部と本体部との間の段差面と上記カバー筒の開口端面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする端面シール手段が設けられ、
上記採尿筒の本体部の開口端部の外周面の一部に形成された摺り合わせ面と、上記カバー筒の開口端部の内周面の一部に形成された摺り合わせ面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒とカバー筒との両摺り合わせ面が密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする側面シール手段が設けられている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項3】
請求項1において、
上記採尿筒の開口端部の外周面には、螺子状の螺旋突起が形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項4】
請求項1において、
上記採尿筒の外周面と、上記カバー筒の内周面との間には、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項5】
請求項1において、
上記採尿筒の採尿口から閉塞端までは、所定の採尿量を収容して計量するための計量部に形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項1】
一端が閉塞され、他端が開口端に形成されて尿を収容するための細長い筒状の収容筒と、
一端が閉塞端に形成され、他端が上記収容筒の開口端部の取り付け及び取り外しが自在な開口端に形成されると共に、側面に採尿口が形成されて採尿するための細長い筒状の採尿筒と、
一端が閉塞され、他端が開口された細長い筒状に形成されると共に、上記採尿筒の挿入及び抜き取りが自在に成るように該採尿筒より僅かに大径に形成され、上記採尿口を覆うためのカバー筒と、
上記採尿筒の閉塞端部の外周面に形成された雄螺子及び上記カバー筒の閉塞端部の内周面に形成されて上記雄螺子に嵌り込む雌螺子を有し、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒と採尿筒とを結合するための結合手段とを備えている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項2】
請求項1において、
上記採尿筒は、一端が閉塞され且つ他端が開口された円筒状の本体部と、該本体部の開口端に形成され且つ外径が上記本体部より大きい大径部とを備える一方、
上記採尿筒の大径部と本体部との間の段差面と上記カバー筒の開口端面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒の段差面とカバー筒の開口端面とが密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする端面シール手段が設けられ、
上記採尿筒の本体部の開口端部の外周面の一部に形成された摺り合わせ面と、上記カバー筒の開口端部の内周面の一部に形成された摺り合わせ面とによって構成され、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態で上記採尿筒とカバー筒との両摺り合わせ面が密着して該採尿筒とカバー筒との間をシールする側面シール手段が設けられている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項3】
請求項1において、
上記採尿筒の開口端部の外周面には、螺子状の螺旋突起が形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項4】
請求項1において、
上記採尿筒の外周面と、上記カバー筒の内周面との間には、上記採尿筒をカバー筒に挿入した状態に該カバー筒を採尿筒に仮止めする仮止め手段が形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【請求項5】
請求項1において、
上記採尿筒の採尿口から閉塞端までは、所定の採尿量を収容して計量するための計量部に形成されている
ことを特徴とする採尿用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−47537(P2009−47537A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213577(P2007−213577)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(502023170)株式会社アトレータ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(502023170)株式会社アトレータ (3)
【Fターム(参考)】
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