説明

接合部のシール構造

【課題】 第1部材および第2部材を液状シール剤を挟んで一対のボルトで締結する場合に、液状シール剤を保護してシール性を確保する。
【解決手段】 冷却水継手13の第1接合面aとシリンダブロック11の第2接合面dとを液状シール剤15を挟んで接合し、第1接合面aのボルト孔13eおよび第2接合面dのボルト孔11cを2本のボルト14で締結する。第1接合面aに一対のボルト孔13eの周縁を隆起させた一対の第1隆起部bを形成したので、第1、第2接合面a,b間に挟まれる液状シール剤15の膜厚を確保してシール性を高めることができる。一対の第1隆起部bを結ぶ線D1の両側に第1隆起部bと略同じ高さの一対の第2隆起部cを形成したので、冷却水継手13が線D1まわりに傾こうとしても、一対の第2隆起部cがシリンダブロック11の第2接合面dに当接して冷却水継手13の傾きを防止するので、液状シール剤15が変形して切れたり剥がれたりするのを防止してシール性を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを液状シール剤を挟んで接合し、前記第1接合面の二つの第1締結部および前記第2接合面の二つの第2締結部を2つの締結部材で相互に一体に締結する接合部のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダブロックの割り面およびオイルパンの割り面を液状シール剤を挟んで複数本のボルトで締結する際に、オイルパンの割り面にボルトが貫通するボルト孔を囲む隆起部を突設し、前記隆起部をシリンダブロックの割り面に当接させることで、前記隆起部を除く両部材の割り面に挟まれる液状シール剤の膜厚を確保してシール性を高めるものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3632810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の発明を、第1部材および第2部材を液状シール剤を挟んで一対のボルトで締結する場合に適用すると、隆起部を形成したことでシール剤の膜厚が厚くなるため、締結部材で締結された一対の隆起部を結ぶ仮想線からのオフセット量が大きい部分では、外力によって第1部材および第2部材が大きく相対移動し、液状シール剤に圧縮歪みや引っ張り歪みが生じることで、液状シール剤が接合面から剥がれてシール性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、第1部材および第2部材を液状シール剤を挟んで一対のボルトで締結する場合に、液状シール剤を保護してシール性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを液状シール剤を挟んで接合し、前記第1接合面の複数の第1締結部および前記第2接合面の複数の第2締結部を複数の締結部材で相互に一体に締結する接合部のシール構造において、前記第1接合面に、前記複数の第1締結部の周縁を該第1接合面から隆起させた複数の第1隆起部と、前記複数の第1隆起部と略同じ高さに隆起する少なくとも一つの第2隆起部とを形成したことを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記複数の第1隆起部は前記第1接合面の周上に配置され、前記第2隆起部は前記周上またはその近傍に配置されることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0008】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記複数の第1隆起部のうち、両者の距離が最も遠い位置に配置される二つの第1隆起部を結ぶ直線に直交する方向で、前記直線からの距離が最も遠くなる位置の前記第1接合面の周上またはその近傍に前記第2隆起部が配置されることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0009】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記第1接合面は略円形であり、前記第1隆起部の数および前記第2隆起部はそれぞれ二つであり、前記二つの第1隆起部は前記第1接合面の一つの直径線上に配置され、前記二つの第2隆起部は前記一つの直径線と直交する他の直径線上に配置されることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0010】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記二つの第2隆起部は、前記第1接合面の円周よりも径方向外側に配置されることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0011】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記第1部材は回転体形状の本体部を備え、前記二つの第2隆起部と前記本体部の外表面とを補強リブで接続したことを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0012】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記二つの第2隆起部は、前記第1接合面の円周よりも径方向内側に配置されることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0013】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項7の構成に加えて、前記第1部材は回転体形状の本体部を備え、前記二つの第2隆起部と前記本体部の内表面とを補強リブで接続したことを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0014】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、前記第2部材は内燃機関のシリンダブロックあるいはシリンダヘッドであり、前記第1部材は冷却水パイプを接続する冷却水継手であることを特徴とする接合部のシール構造が提案される。
【0015】
尚、実施の形態のシリンダブロック11は本発明の第2部材に対応し、実施の形態の冷却水継手13は本発明の第1部材に対応し、実施の形態のボルト孔11c,13eは本発明の締結部に対応し、実施の形態のボルト14は本発明の締結部材に対応する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の構成によれば、第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを液状シール剤を挟んで接合し、第1接合面の複数の第1締結部および第2接合面の複数の第2締結部を複数の締結部材で相互に一体に締結することで、第1、第2部材の第1、第2接合面がシールされる。第1接合面に複数の第1締結部の周縁を隆起させた複数の第1隆起部を形成したので、第1、第2接合面間に挟まれる液状シール剤の膜厚を確保してシール性を高めることができる。第1接合面に第1隆起部と略同じ高さの少なくとも一つの第2隆起部を形成したので、外力によって第1部材が傾こうとしても、第2隆起部が第2部材の第2接合面に当接して第1部材の傾きを防止するので、液状シール剤が変形して切れたり剥がれたりするのを防止してシール性を確保することができる。
【0017】
また請求項2の構成によれば、複数の第1隆起部を第1接合面の周上に配置し、第2隆起部を前記周上またはその近傍に配置したので、第2隆起部によって第1部材の傾きを効果的に防止することができる。
【0018】
また請求項3の構成によれば、複数の第1隆起部のうち、両者の距離が最も遠い位置に配置される二つの第1隆起部を結ぶ直線に直交する方向で、前記直線からの距離が最も遠くなる位置の第1接合面の周上またはその近傍に第2隆起部を配置したので、前記直線からの第2隆起部のオフセット量を確保して第1部材の傾きを効果的に防止することができる。
【0019】
また請求項4の構成によれば、二つの第1隆起部を略円形の第1接合面の一つの直径線上に配置し、前記一つの直径線と直交する他の直径線上に二つの第2隆起部を配置したので、前記一つの直径線からの二つの第2隆起部のオフセット量を最大限に確保して第1部材の傾きを効果的に防止することができる。
【0020】
また請求項5の構成によれば、二つの第2隆起部を第1接合面の円周よりも径方向外側に配置したので、第1接合面の面積が第2隆起部によって減少するのを防止してシール性を確保することができるだけでなく、前記一つの直径線からの二つの第2隆起部のオフセット量を更に増加させることができる。
【0021】
また請求項6の構成によれば、回転体形状である第1部材の本体部の外表面と二つの第2隆起部とを補強リブで接続したので、補強リブによって第2隆起部の剛性を高めることで第1部材の傾きを一層確実に防止することができる。
【0022】
また請求項7の構成によれば、二つの第2隆起部を第1接合面の円周よりも径方向内側に配置したので、第1接合面の面積が第2隆起部によって減少するのを防止してシール性を確保することができる。
【0023】
また請求項8の構成によれば、回転体形状である第1部材の本体部の内表面と二つの第2隆起部とを補強リブで接続したので、補強リブによって第2隆起部の剛性を高めることで第1部材の傾きを一層確実に防止することができるだけでなく、本体部の外表面に補強リブが突出するのを防止して第1部材を小型化することができる。
【0024】
また請求項9の構成によれば、第2部材は内燃機関のシリンダブロックあるいはシリンダヘッドであり、第1部材は冷却水パイプを接続する冷却水継手であるので、シリンダブロックあるいはシリンダヘッドに対して供給あるいは排出される冷却水の漏れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】シリンダブロックに結合された冷却水継手の縦断面図。(第1の実施の形態)
【図2】図1の2−2線断面図。(第1の実施の形態)
【図3】シリンダブロックおよび冷却水継手の斜視図。(第1の実施の形態)
【図4】シリンダブロックおよび冷却水継手の斜視図。(第2の実施の形態)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1〜図3に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0027】
内燃機関のシリンダブロック11に形成されたウオータジャケット11aと冷却水パイプ12とが、合成樹脂で一体成形された冷却水継手13によって接続される。冷却水継手13は、半球状の本体部13aと、本体部13aの中心から軸方向外側に突出する筒状の連結部13bと、本体部13aの開口端に沿って形成された円形のフランジ部13cと、フランジ部13cの円周方向に180°離間した位置から径方向外側に突出する一対の突出部13d,13dと、突出部13d,13dに形成されたボルト孔13e,13eと、一対の突出部13d,13dに挟まれた位置でフランジ部13cから本体部13aの外周面の母線に沿って延びる一対の補強リブ13f,13fとを備える。
【0028】
一方、シリンダブロック11の外表面には、冷却水継手13のフランジ部13cが当接する座面11bが僅かに突出しており、この座面11bの内側にウオータジャケット11aが開口する。冷却水継手13のボルト孔13e,13eを貫通する2本のボルト14,14を、シリンダブロック11の座面11bに開口する2個のボルト孔11c,11cに螺合することで、冷却水継手13がシリンダブロック11に結合される。冷却水パイプ12は冷却水継手13の連結部13bの外周に嵌合して連結される。このとき、シリンダブロック11の座面11bと冷却水継手13のフランジ部13cとの間に液状シール剤15が挟まれる。液状シール剤15は液体の状態で塗布され、それが硬化することで弾性を有するガスケットとして機能する。
【0029】
冷却水継手13のフランジ部13cがシリンダブロック11の座面11bに対向する面、つまり液状シール剤15が塗布される面は、略円形の第1接合面aとされる。一対の突出部13d,13dから連続する一対の環状の第1隆起部b,bが、ボルト孔13e,13eの周囲を取り囲むよう形成されるとともに、補強リブ13f,13fから連続する一対の矩形状の第2隆起部c,cが形成される。第1隆起部b,bおよび第2隆起部c,cは平坦な第1接合面aから同一高さに突出する。一方、シリンダブロック11の座面11bには、冷却水継手13の第1接合面aが接合される第2接合面dが形成される。
【0030】
一対の第1隆起部b,bと一対の第2隆起部c,cとは、90°間隔で交互に配置される。つまり、一対の第1隆起部b,bは円形の第1接合面aの一つの直径線D1上に配置され、一対の第2隆起部c,cは前記直径線D1と直交する他の直径線D2上に配置される(図3参照)。その結果、第2隆起部c,cが第1接合面aの径方向外側に外れて形成されていることと相まって、一対の第1隆起部b,bを通る直径線D1から一対の第2隆起部c,cまで距離が最大限に確保される。
【0031】
次に、上記構成を備えた本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
【0032】
冷却水継手13のフランジ部13cの第1接合面aと、シリンダブロック11の座面11bの第2接合面dとを液状シール剤15を介して接合し、冷却水継手13の一対の突出部13d,13dのボルト孔13e,13eを貫通する一対のボルト14,14をシリンダブロック11の座面11bのボルト孔11c,11cに螺合することで、冷却水継手13がシリンダブロック11に締結され、冷却水パイプ12およびシリンダブロック11のウオータジャケット11aが冷却水継手13を介して接続される。
【0033】
このとき、冷却水継手13が第1隆起部b,bを持たないと仮定すると、ボルト14,14の締結荷重で冷却水継手13の突出部13d,13の近傍の第1接合面aがシリンダブロック11の第2接合面dに押し付けられてしまい、その部分の未硬化の液状シール剤15の膜厚が薄くなってシール性が低下する可能性がある。
【0034】
しかしながら本実施の形態によれば、ボルト14,14の締結力が加わる突出部13d,13が第1隆起部b,bを備えるため、ボルト14,14の締結力によって第1隆起部b,bが多少圧縮されたとしても、第1隆起部b,bと第1接合面aとの間に段差が形成され、この段差によって第1接合面aに乗る液状シール剤15の膜厚を確保してシール性の低下を防止することができる。
【0035】
また2本のボルト14,14で冷却水継手13をシリンダブロック11に締結したとき、冷却水継手13は第1接合面aの一つの直径線D1上にある一対の第1隆起部b,bにおいて第2接合面dに固定され、第1接合面aと第2接合面dとの間に液状シール剤15が介在する隙間が形成されるため、前記直径線D1を支点として冷却水継手13が図3の矢印A−A方向にぐらつき、第1接合面aと第2接合面dとの間の隙間の大きさが不安定になる可能性がある。
【0036】
しかしながら本実施の形態によれば、前記直径線D1から離れた位置に形成された二つの第2隆起部c,cが第1接合面aから隆起しているため、それらの第2隆起部c,cがシリンダブロック11の第2接合面dに当接して冷却水継手13のぐらつきを防止することができる。これにより、液状シール剤15が変形して切れたり第1接合面aや第2接合面dから剥がれたりするのを防止してシール性を確保することができる。
【0037】
ところで、冷却水継手13のぐらつきを確実に防止するには、第2隆起部c,cの位置を直径線D1からできるだけ遠く離すことが望ましいが、第2隆起部c,cを直径線D1に直交する直径線D2上に配置し、かつ第2隆起部c,cを円形の第1接合面aの径方向外側に配置したことで、第2隆起部c,cを直径線D1からできるだけ遠く離して冷却水継手13の姿勢を安定させることができる。
【0038】
また第2隆起部c,cは補強リブ13f,13fを介して冷却水継手13の本体部13aの外周面に接続されているため、第2隆起部c,cを本体部13aに強固に一体化して剛性を高め、第2隆起部c,cからシリンダブロック11の第2接合面dに充分な反力を伝達できるようにすることで、冷却水継手13の姿勢を更に安定させることができる。
【0039】
また第1隆起部b,bおよび第2隆起部c,cを設けたことで円形の第1接合面aが途切れると、その部分で液状シール剤15の膜厚が薄くなってシール性が低下する可能性があるが、本実施の形態によれば、第1隆起部b,bおよび第2隆起部c,cが第1接合面aから径方向外側に外れて設けられているため、第1接合面aの面積を充分に確保するとともに、第1接合面aを途切れのない円形形状に維持してシール性を確保することができる。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、内燃機関の振動や冷却水の流通によって冷却水継手13に荷重が加わっても、冷却水継手13の第1接合面aおよびシリンダブロック11の第2接合面dの間に介在する液状シール剤15の機能を確保し、冷却水の漏れの発生を未然に防止することができる。
【0041】
次に、図4に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0042】
上述した第1の実施の形態では、冷却水継手13の第2隆起部c,cが円形の第1接合面aの径方向外側に形成されていたが、第2の実施の形態では、第2隆起部c,cが第1接合面aの径方向内側に形成されており、それに伴って、第1の実施の形態では本体部133aの外表面に形成されていた補強リブ13f,13fが、第2の実施の形態では本体部13aの内表面に形成されている。第2の実施の形態のその他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0043】
この第2の実施の形態によれば、第2隆起部c,cおよび補強リブ13f,13fが冷却水継手13の本体部13aの内部に配置されるため、本体部13aをできるだけ小型化した他部材との緩衝を回避することができ、これにより冷却水継手13のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0044】
この第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができるが、第2隆起部c,cが第1接合面aの径方向内側に配置されている分だけ、第2隆起部c,cが第1接合面aの径方向外側に配置されている第1の実施の形態に比べて、冷却水継手13の直径線D1まわりのぐらつきを抑制する効果は低くなる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0046】
例えば、本発明の第1部材は実施の形態の冷却水継手13に限定されず、本発明の第2部材は実施の形態のシリンダブロック11に限定されるものではない。第1部材が冷却水継手13であるとき、第2の部材はシリンダブロック11ではなくシリンダヘッドであっても良い。
【0047】
またシリンダブロック11の座面11bは必ずしも必要ではなく、シリンダブロック11に座面11bを介さずに直接第2接合面dを形成しても良い。
【0048】
また二つの部材を液状シール剤15を介して結合する際に、二つの部材のそれぞれに本発明のシール構造を適用することができる。
【0049】
また本発明の締結部材は実施の形態のボルト14,14に限定されず、第1、第2部材を所定の締結力で締結可能なものであれば良い。
【0050】
また本発明の締結部材の数は二つに限定されず、複数であれば良い。
【0051】
また実施の形態では第2隆起部c,cの数が二つであるが、第2隆起部cは少なくとも一つあれば良い。
【0052】
また第1接合面aおよび第2接合面dの形状は円形である必要はなく、多角形等の閉じた形状であれば良い。
【0053】
また実施の形態では第2隆起部c,cが第1接合面aの径方向外側あるいは径方向内側に外れて形成されているが、それらを第1接合面a上に配置しても良い。
【0054】
また第2隆起部c,cの高さは第1隆起部b,bの高さに正確に一致している必要はなく、ボルト14,14の締結力で第1隆起部b,bが僅かに潰れるのを考慮して、第2隆起部c,cの高さを第1隆起部b,bの高さよりも僅かに低くしても良い。
【符号の説明】
【0055】
11 シリンダブロック(第2部材)
11c ボルト孔(締結部)
12 冷却水パイプ
13 冷却水継手(第1部材)
13a 本体部
13e ボルト孔(締結部)
13f 補強リブ
14 ボルト(締結部材)
15 液状シール剤
a 第1接合面
b 第1隆起部
c 第2隆起部
d 第2接合面
D1 一つの直径線
D2 他の直径線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材(13)の第1接合面(a)と第2部材(11)の第2接合面(d)とを液状シール剤(15)を挟んで接合し、前記第1接合面(a)の複数の第1締結部(13e)および前記第2接合面(d)の複数の第2締結部(11c)を複数の締結部材(14)で相互に一体に締結する接合部のシール構造において、
前記第1接合面(a)に、前記複数の第1締結部(13e)の周縁を該第1接合面(a)から隆起させた複数の第1隆起部(b)と、前記複数の第1隆起部(b)と略同じ高さに隆起する少なくとも一つの第2隆起部(c)とを形成したことを特徴とする接合部のシール構造。
【請求項2】
前記複数の第1隆起部(b)は前記第1接合面(a)の周上に配置され、前記第2隆起部(c)は前記周上またはその近傍に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の接合部のシール構造。
【請求項3】
前記複数の第1隆起部(b)のうち、両者の距離が最も遠い位置に配置される二つの第1隆起部(b)を結ぶ直線に直交する方向で、前記直線からの距離が最も遠くなる位置の前記第1接合面(a)の周上またはその近傍に前記第2隆起部(c)が配置されることを特徴とする、請求項2に記載の接合部のシール構造。
【請求項4】
前記第1接合面(a)は略円形であり、前記第1隆起部(b)の数および前記第2隆起部(c)はそれぞれ二つであり、前記二つの第1隆起部(b)は前記第1接合面(a)の一つの直径線(D1)上に配置され、前記二つの第2隆起部(c)は前記一つの直径線(D1)と直交する他の直径線(D2)上に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の接合部のシール構造。
【請求項5】
前記二つの第2隆起部(c)は、前記第1接合面(a)の円周よりも径方向外側に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の接合部のシール構造。
【請求項6】
前記第1部材(13)は回転体形状の本体部(13a)を備え、前記二つの第2隆起部(c)と前記本体部(13a)の外表面とを補強リブ(13f)で接続したことを特徴とする、請求項5に記載の接合部のシール構造。
【請求項7】
前記二つの第2隆起部(c)は、前記第1接合面(a)の円周よりも径方向内側に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の接合部のシール構造。
【請求項8】
前記第1部材(13)は回転体形状の本体部(13a)を備え、前記二つの第2隆起部(c)と前記本体部(13a)の内表面とを補強リブ(13f)で接続したことを特徴とする、請求項7に記載の接合部のシール構造。
【請求項9】
前記第2部材は内燃機関のシリンダブロック(11)あるいはシリンダヘッドであり、前記第1部材(13)は冷却水パイプ(12)を接続する冷却水継手(13)であることを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の接合部のシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−113339(P2013−113339A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258063(P2011−258063)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】