説明

接点ドーム連結シート

【課題】複数の接点ドームの間でバラツキが生じ複数の接点ドームのうち荷重特性や抵抗値等が規格値から一つでも外れていると接点ドーム連結シート全体が不良となる不都合を回避すること。
【解決手段】回路基板Pに設けた固定接点9に対して導電接触可能な可動接点18を有する複数の接点ドーム部12と、この複数の接点ドーム部12を連結するシート状のベース部13とでなる接点ドーム連結シート11であって、接点ドーム部12が、前記可動接点18を下端に有し上端が押圧操作を受ける押圧部17と、回路基板P上に載置するとともに前記ベース部13と固着する基台部15と、基台部15から上方に延びて押圧部17と連結するスカート16部と、を備えるゴム状弾性体であり、ベース部13が樹脂フィルムであり、基台部15の底面15bから離れた基台部51内にベース部13との固着部を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等の入力操作を行うキースイッチの一構成部品としての接点ドーム連結シートに関し、特に複数の接点ドームをフィルムで一体化した接点ドーム連結シートに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の入力操作用スイッチ装置として、可動接点を有する接点ドームを回路基板上に置き、接点ドームがキートップなどの押圧部材で押し込まれると、可動接点が回路基板上に設けた固定接点と接触しスイッチ機能を発揮する技術が知られている。ここで、多数のスイッチが存在する場合は、複数の接点ドームがシートに連結された接点ドーム連結シートとすることができ、接点ドームとシートはシリコーンゴム等の同一材料を用いて金型で一体成形されている。こうした技術の一例が、例えば特開平08−276435号公報(特許文献1)の段落[0014]に記載されている。
【0003】
しかしながら、接点ドームとシートとを一体成形すると、材料の充填方法や材料の流れ具合により個々の接点ドームを一様に形成することが困難で、複数の接点ドームの間でバラツキが生じることがある。そうすると、押圧する際の荷重特性が接点ドームごとに異なるおそれがある。仮に、複数の接点ドームのうち、荷重特性や抵抗値等が規格値から一つでも外れていると接点ドーム連結シート全体が不良となることから金型による一体成形は歩留まりが良くないという課題を有していた。
【0004】
この課題を解決するため、複数の接点ドームを一体成形せず、個々に接点ドームを製造しておき、シートに接点ドームを接着する方法を試みた。接点ドームを個別に製造すれば、シートとの貼り合わせ前に個々の接点ドームの検査を行なうことができ、規格値から外れた接点ドームがあればその接点ドームのみを廃棄すれば良く接点ドーム連結シート全体の不良を回避できるというメリットがある。また、シートには接点ドームとは別材質の樹脂フィルムを用いることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−276435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シートに個々の接点ドームを接着していくと、図8で示すようにシート3と接点ドーム2a,2bとを接着する接着層4a,4bの厚みが接着箇所ごとに相違する場合が生じ、この接点ドーム連結シート1を回路基板P上に載置すると、可動接点8から固定接点9までの高さT1,T2が接点ドーム2a,2bによって異なるという不都合が生ずるおそれがある。
【0007】
また、接点ドームごとに不良が発生するといった課題とは別に、接点ドーム連結シートは回路基板を覆う部材であるため、回路基板への浸水を防ぐ防水効果やゴミの浸入を防ぐ密閉効果を持たせることへの要求もあったが、押圧操作時には接点ドームと回路基板とで形成される空間に溜まったエアを外部に排出する必要があり、こうしたエア溝を接点ドームに設ける必要から、接点ドーム連結シートに防水や密閉といった気密性を持たせることまでは困難であった。
【0008】
そこで、こうした課題を解決するために本発明はなされたものであり、接点ドームごとの荷重特性のバラツキが無く歩留まりの良い接点ドーム連結シートを提供することを目的とする。
また、表裏両面間の気密性を高めることができる接点ドーム連結シートを提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明は、回路基板に設けた固定接点に対して導電接触可能な可動接点を有する複数の接点ドーム部と、この複数の接点ドーム部を連結するシート状のベース部とでなる接点ドーム連結シートであって、接点ドーム部が、前記可動接点を下端に有し上端が押圧操作を受ける押圧部と、回路基板上に載置するとともに前記ベース部と固着する基台部と、基台部から上方に延びて押圧部と連結するスカート部と、を備えるゴム状弾性体であり、ベース部が樹脂フィルムであり、基台部の底面から離れた基台部内にベース部との固着部を設けた接点ドーム連結シートを提供する。
【0010】
回路基板に設けた固定接点に対して導電接触可能な可動接点を有する複数の接点ドーム部と、この複数の接点ドーム部を連結するシート状のベース部とでなる接点ドーム連結シートであるため、この接点ドーム連結シートに設けた可動接点を回路基板等に設けた固定接点と接触させることでスイッチをONすることができる。即ち、固定接点と接触する可動接点の面積を広く設けることができるので、固定接点との間で点接触ではなく面接触させることができ、また、可動接点以外に導電部を設ける必要がない。そのため、回路基板側の固定接点を積層形成する必要がなく固定接点の形成が容易である。
接点ドーム部が、前記可動接点を下端に有し上端が押圧操作を受ける押圧部と、回路基板上に載置するとともに前記ベース部と固着する基台部と、基台部から上方に延びて押圧部と連結するスカート部と、を備えるゴム状弾性体としたため、金属皿バネとは異なり、長い押圧ストロークで軽くONすることができるクリック感を得ることができる。また、絶縁体で接点部が覆われるため、気密性が得やすく、また他の電子部品との導電接触を回避しやすい。
そして、ベース部が樹脂フィルムであるため、ベース部の厚みを薄くしても丈夫であり、また取扱い性に優れている。
【0011】
そしてまた、基台部の底面から離れた基台部内にベース部との固着部を設けたため、基台部とベース部とを固着する接着剤の塗布ムラがあり、その厚みにバラツキがあるような場合でも、固定接点との間隔を所定の長さにすることが容易で、接点ドーム部ごとの荷重特性のバラツキを無くすことができる。また、接点ドーム部単体で押圧荷重の検査をおこなうことが可能であるため、検査で良品となった接点ドーム部のみを使用する事ができるため、接点ドーム連結シートとしての歩留まりを向上させることができる。
基台部の底面から離れた基台部内にベース部との固着部を設けたため、ベース部の底面から下の基台部内にエアの流出孔となるエア溝を設けることができ、ベース部の裏面の気密性を高めることが容易である。
さらに、接点ドーム部ごとに別途製造するため、仕様の異なる接点ドーム部の取付け、接点ドーム部の配置変更に容易に対応することができ、設計変更や製造が容易である。
【0012】
接点ドーム部と回路基板によって生じる閉空間に対して押圧部への押圧操作時にエアが出入りするエア溝を設けることができ、より具体的には、エア溝を基台部の底面に設けることができる。
接点ドーム部と回路基板によって生じる閉空間に対して押圧部への押圧操作時にエアが出入りするエア溝を基台部の底面に設けたため、エア溝の形成部位をベース部との固着部とは別部位とすることができ、エア溝に接着剤が入り込むことを防ぐことが可能である。そのため、所望の操作荷重やクリック感が得られる接点ドーム連結シートとすることができる。これに対して、基台部の底面にベース部と固着する固着部を設ける場合には、基台部の底面にエア溝があると、基台部とベース部とを固着する接着剤がエア溝内に入り込むおそれがある。
【0013】
接点ドーム部と樹脂フィルムとの固着部を基台部の上面に設けることができる。基台部とベース部との固着部を基台部の上面に設けたため、接点ドーム部と樹脂フィルムとを接着する接着層の厚みが可動接点から固定接点までの間隔に影響を与えない。そのため、接着剤の塗布厚に関わらず可動接点から固定接点までの間隔を所望の長さとすることができる。したがって、所望の荷重特性を有する接点ドーム部を容易に得ることができる。
【0014】
接点ドーム部と樹脂フィルムとの固着部を基台部の底面と上面との間の中間部に設けることができる。基台部とベース部との固着部を基台部の底面と上面との間の中間部に設けたため、接点ドーム部と樹脂フィルムとを接着する接着剤の塗布厚に関わらず可動接点から固定接点までの間隔を所望の長さとすることができる。そのため、所望の荷重特性を有する接点ドーム部を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の接点ドーム連結シートによれば、接点ドーム部ごとの荷重特性のバラツキが無く歩留まりが良い。
また、本発明の接点ドーム連結シートによれば、接点ドーム連結シートの裏面側を防水、防塵することができ、表面側に対する気密性に優れた入力操作用スイッチ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の接点ドーム連結シートの平面図である。
【図2】図1のSA−SA線断面図である。
【図3】図1のSB−SB線断面図である。
【図4】図3の一の接点ドーム部の底面図である。
【図5】第1実施形態の接点ドーム連結シートを回路基板上に載置した状態を示す模式図である。
【図6】第2実施形態の接点ドーム連結シートを回路基板上に載置した状態を示す模式図である。
【図7】ベース部の端にリブ部を設けた状態を示す模式図である。
【図8】比較例の接点ドーム連結シートを回路基板上に載置した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
接点ドーム連結シートについて図面に基づき詳細に説明する。各説明において同一の構成、作用効果等については重複説明を省略する。
【0018】
第1実施形態(図1〜図5)
接点ドーム連結シート11は、図1や図2で示すように、裏面に可動接点を有し全体的にはドーム状に形成され「接点ドーム」となる接点ドーム部12と、こうした接点ドーム部12を繋ぐ「シート」として形成されるベース部13とを有し、接点ドーム部12とベース部13とは接着層14で固着されている。そして、図5で示すように、固定接点9の設けられた回路基板P上に載置して用いられる。
【0019】
接点ドーム部12の構成を詳述すると、回路基板Pに載置されるとともに前記ベース部13と固着する基台部15と、基台部15から上方に傾斜して延びるスカート部16と、スカート部16の上端にあってスカート部16によって支持される押圧部17とを有し、上端から押圧操作を受ける押圧部17の下端には可動接点18が形成されている。
また、押圧部17への押圧操作時に、接点ドーム部12と回路基板Pによって生じる閉空間S(図5参照)内からその外部へエアが排出され、屈曲したスカート部16が復元すると閉空間S内にエアが流入できるように、基台部15の底面15bには、閉空間Sの内外を連通するエア溝15aが図3や図4で示すように設けられている。
そして、ベース部13との接着箇所となる固着部は、基台部15の上面15cに設けられている。
基台部15の底面15bから可動接点18の底面までの距離を1mm〜2mm、基台部15底面15bの外径を6mm〜10mm、基台部15底面15bの内径を2.5mm〜8mm、基台部15の厚みを0.5mm〜1.0mm、押圧部の外径を2mm〜6mmとするのは好ましい態様である。
【0020】
接点ドーム部12は、スカート部16の弾性変形と形状復帰を可能とさせることから、弾性変形が可能なゴム状弾性体でなり、熱硬化性ゴム、熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。例えば、熱硬化性ゴムでは、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられ、熱可塑性エラストマーでは、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。ゴム弾性による形状復帰をするために圧縮永久歪みの小さい熱硬化性ゴムが好ましく、温度依存性が小さいシリコーンゴムは好ましい材質の一つである。ゴム弾性を得るための材料の硬度は、30〜70(JIS−K6253(ISO7619−1に対応)、タイプAデュロメータによる測定値)であることが好ましい。
【0021】
可動接点18は、導電性高分子、導電性金属、導電性金属酸化物、カーボン系導電物を含有する樹脂で印刷形成することができる。例えば、導電性高分子としては、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系などが挙げられる。導電性金属としては、金、銀、白金、ニッケルなどが挙げられる。導電性金属酸化物としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系、酸化亜鉛、スズ酸化膜などが挙げられる。カーボン系導電物としては、粒径が5〜300nmのカーボンブラックが挙げられる。またこれら導電性金属酸化物を含有する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
可動接点18はまた、金属板などを有する導電チップを別途製造し、押圧部17に固着して可動接点18とすることもできる。
【0022】
ベース部13は、接点ドーム連結シート11のシート形状を表出させる部材であり、一定の厚さの平板状に形成されている。
ベース部13には、樹脂フィルムを用いることができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂などの樹脂フィルムが挙げられる。ウレタン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などが好ましい。
ベース部13の厚さとしては、薄型化の要請から150μm以下が好ましく、30μm〜50μm程度がより好ましい。
【0023】
接点ドーム部12とベース部13とを固着する接着層14となる接着剤には、接点ドーム部12を構成するゴム状弾性体とベース部を構成する樹脂フィルムとを接着可能な接着剤を選択することができ、ホットメルト型接着剤、UV接着剤、熱硬化型接着剤、瞬間接着剤などの各種接着剤の他、両面テープなどを用いることができる。
【0024】
次に、接点ドーム連結シート11の製造方法の一例を示す。まず、接点ドーム部12とベース部13をゴム状弾性体と樹脂フィルムからそれぞれ形成する。
接点ドーム部12は、複数の接点ドーム部12を象る金型に原料となるミラブル型シリコーンゴムを注入し、硬化させる。成形された接点ドーム部12の押圧部17の下端には可動接点18を印刷して形成する。こうして得られた接点ドーム部12は必要によりさらに加熱した後、個々の接点ドーム部12の形状に切断する。
一方、ベース部13は、原料となる樹脂フィルムを所定の大きさに裁断するとともに接点ドーム部12を固着する部分に穴(開口)13aをあけて形成する。そして、接点ドーム部12に設けた基台部15の上面15cを、所定の接着剤でベース部13の開口縁に固着する。
【0025】
この接点ドーム連結シート11によれば、接点ドーム部12とベース部13とを固着する接着層14の塗布量や位置にバラツキがあっても、回路基板Pに接点ドーム連結シート11を載置した際の可動接点18から固定接点9までの間隔にバラツキは発生せず、複数の接点ドーム部12間の押圧ストロークが一定しクリック感も均一な接点ドーム連結シート11を得ることができる。
【0026】
また、基台部の底面にベース部を固着する場合には、接点ドーム部とベース部とを固着する接着剤が、ベース部の底面に設けたエア溝をも塞いでしまうおそれがあるのに対し、基台部15の上面15cに接着剤が塗布されるため、エア溝15aに接着剤が付着することがない。従って、エア溝に接着剤が入り込んでしまい、エア溝の大きさにバラツキが生じることにより、押圧操作時の触感が複数の接点ドーム部の間で相違し、また所望の荷重特性が出ないといった不都合が生じない。
【0027】
さらに、基台部の底面にベース部を固着する場合には、接着層が所望の接着箇所よりはみ出してしまうおそれがあるため、図8の領域Rで示すように、ベース部3の開口3aの穴径が基台部5の内側5eの径よりも小さく設計する必要がある。しかしながら、押圧部7を傾けて押すことがあるシーソーキーとして利用すると、可動接点8の端がベース部3の開口3a端に当たってしまうという干渉の問題が生じ、接点どうしの導通に悪影響を及ぼす可能性がある。
ところが、ベース部13を基台部15の上面15cに固着した接点ドーム連結シート11では、図5で示す閉空間S内にベース部13が配置されないため、押圧部7を傾けて押したとしても可動接点8の端がベース部13の開口3a端に当たってしまうという干渉の問題は生じない。可動接点18の径とベース部13の開口13a径を固定することができ、設計負担の増大といった問題が生じない。
【0028】
エア溝15aをベース部13の裏面側に設けることができ、ベース部の裏面側の気密性を高めることができる。
【0029】
基台部15の厚さ分だけ、回路基板Pとベース部13との間に隙間が生じるため、ベース部13と干渉させずに回路基板Pの上にLEDを設置することができる場合がある。よって、ベース部13にLEDと干渉する場合に設ける開口が不要となる。また、LEDの上にベース部13が存在するため、遮光・導光・拡散機能をベース部13に設けることが可能になる。
【0030】
基台部の下面に接着層を設けると、この接着層が剥がれた場合には接点ドーム部がベース部から容易に外れてしまうという不都合があるが、接点ドーム連結シート11では、基台部15の上面15cに接着層14を設けたため、この接着層14が剥がれても、ベース部3の開口3aの穴径は基台部5の外径より小さいため、基台部15がベース部13に引っ掛かり、ベース部13から接点ドーム部12が容易に外れることがない。
【0031】
第2実施形態(図6)
本実施形態の接点ドーム連結シート21は、図6で示すように、樹脂フィルムでなるベース部13と基台部15との固着部が基台部15の中間部15dに設けられている構成が第1実施形態の接点ドーム連結シート11と相違している。
基台部15の中間部15dは、基台部15の上面15cと底面15bとの間とすることができる。ベース部13と基台部15との固着は、接着剤による接着や加熱圧着などの種々の接着方法を利用することができる。また、基台部15の上面15Cと底面15bでベース部13を挟み込む事ができるので、接着剤を用いて固着しなくても良い。
こうした接点ドーム連結シート21においても、接点ドーム連結シート11と同様の作用効果を奏することができる。
【0032】
実施形態の変更
上記実施形態において示した構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であり、上記実施形態で示した例に限定されるものではない。
例えば、接点ドーム部12は2つに限定されず、3つ以上であっても良い。また、その大きさ、形状も同じである必要はなく、相違しても良い。即ち、上記実施形態では個々の接点ドーム部12を均質にすることを前提に説明しているが、接点ドーム部12ごとに別仕様とすることを排除する趣旨ではなく、接着剤の塗布ムラに基づく接着層14厚みの影響を受けずに可動接点18と固定接点9との間隔Tを所望の間隔とすることができるという特徴を有する。
また、エア溝15aは、2つに限らず、必要に応じて1つまたは2つ以上設けることもできる。また、基台部15の底面15a以外の部位であっても、ベース部13の底面より下方にエア溝15aを設ければ、接点ドーム連結シートを気密に構成することができる。
【0033】
さらに、ベース部13の端部には、回路基板Pに載置する基台部15と同様の部位を設けることができる。また接点ドーム連結シート11,12の底面側を表面側から気密にするために、図7で示すように、接点ドーム連結シート11,12に筐体や回路基板Pに対して当接するリブ部20を設けることもできる。
【符号の説明】
【0034】
1,11,21 接点ドーム連結シート
2a,2b,12 接点ドーム部(接点ドーム)
3,13 ベース部(シート)
3a,13a 開口
4a,4b,14 接着層
5,15 基台部
15a エア溝
15b 底面
15c 上面
15d 中間部
15e 内側
6,16 スカート部
7,17 押圧部
8,18 可動接点
9 固定接点
20 リブ部
P 回路基板
S 閉空間
R 領域
T1,T2 高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に設けた固定接点に対して導電接触可能な可動接点を有する複数の接点ドーム部と、この複数の接点ドーム部を連結するシート状のベース部とでなる接点ドーム連結シートであって、
接点ドーム部が、前記可動接点を下端に有し上端が押圧操作を受ける押圧部と、回路基板上に載置するとともに前記ベース部と固着する基台部と、基台部から上方に延びて押圧部と連結するスカート部と、を備えるゴム状弾性体であり、ベース部が樹脂フィルムであり、基台部の底面から離れた基台部内にベース部との固着部を設けた接点ドーム連結シート。
【請求項2】
接点ドーム部と回路基板によって生じる閉空間に対して押圧部への押圧操作時にエアが出入りするエア溝を基台部の底面に設けた請求項1記載の接点ドーム連結シート。
【請求項3】
前記固着部を基台部の上面に設けた請求項1または請求項2記載の接点ドーム連結シート。
【請求項4】
前記固着部を基台部の底面と上面との間の中間部に設けた請求項1または請求項2記載の接点ドーム連結シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−234728(P2012−234728A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103018(P2011−103018)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】