説明

接着促進剤としての(メタ)アクリルホスホン酸エステル

本発明は、a)少なくとも(メタ)アクリレートプレポリマーと、b)式(I)の接着促進モノマーとを含む、表面上の組成物を対象とし、式中、Q、R1、R2、R4、R5、m、およびnは、本明細書において定義される。さらに、本組成物は、表面、特に金属表面への接着を向上するために使用することができ、接着を促進する光開始剤等の追加の任意の選択成分を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面に形成された樹脂の接着を向上させる目的の様々なプレポリマー系における(メタ)アクリルホスホン酸エステルの使用に関する。
【0002】
難燃剤、防蝕剤、接着促進剤、およびスケール防止剤としてのリン含有材料の使用は、よく知られている。従来のリン含有添加剤は重合不可能で、流動および浸出、徐々に接着、コーティングまたは被膜特性が変化していく、といったいくつかの欠点に悩まされている。市販されているビニルホスホン酸およびエチルホスホン酸モノビニルエステルといったリン含有モノマーは、重合が低下する傾向を示し、低分子量のポリマーを提供する。
【0003】
リン酸またはメタクリレートエステル結合は水の存在下で切断されるので、(メタ)アクリル官能性を有する市販されているアルキルリン酸は、低い加水分解安定性を示す。これは貯蔵安定性を低減させ、塗布を制限する。
【0004】
(メタ)アクリルホスホン酸およびエステルは類似のリン酸およびエステルより加水分解安定性に優れることが知られている。これらのモノマーはまた難燃剤およびスケール防止剤として知られている。
【0005】
例えば、米国特許第3,030,347号および第2,934,555号はジアルキルホスホノアルキルアクリレートおよびメタクリレートコポリマーならびに調製方法を教示している。その化合物は、難燃性を付与するために革製品または繊維製品の仕上げに使用されている。
【0006】
米国特許第4,526,728号は、染色補助およびスケール防止剤用のホスホン酸モノマーについて述べている。
【0007】
米国特許出願公開第2008/194730号明細書は、ホスホン酸部分を含む自給式歯科用接着剤の組成物を開示している。この発明は、少なくとも8Mpaの結合強度でエナメルおよび/または象牙質への接着を主張している。
【0008】
米国特許第4,029,679号は、ホスホン酸モノマーを金属プライマとして開示している。
【0009】
米国特許第6,740,173号は、結合剤および金属反応添加剤による金属腐食を防止するための組成物におけるホスホン酸オリゴマーおよびホスホン酸モノマー(ホスホン化メタクリレート)の使用を開示している。
【0010】
Bressy−brondino,Cらが、Journal of Applied Polymer Science2002,83(11),2277−2287でポリ(フッ化ビニリデン)ならびにメタクリル酸メチルおよびジメチル2−メチルアクリロイルオキシエチルホスホン酸のコポリマーの混合物を鋼上のコーティングとして開示している。
【0011】
米国特許第6,436,475号は、少なくとも1つのホスホン酸またはホスホン酸基の有機化合物が金属表面上に塗布される、亜鉛、マグネシウムまたはアルミニウムの処理方法を開示している。
【0012】
米国特許第4,738,870号および第4,658,003号は、ヒドロキシホスフィニルアルキル(メタ)アクリレートを接着促進モノマーとして開示している。
【0013】
少なくとも1つの硬化剤および硬化樹脂をもつリン含有モノマーの単純な混合により樹脂ベースのコーティング剤、被膜剤および接着剤に容易に組込むことができる、加水分解に安定なリン含有モノマーを依然として必要としている。意外にも、さらに加水分解に安定なホスホン酸ベースの組成物はまた金属に優れた接着も示している。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、コーティング、被膜、または接着剤組成物を包含し、該コーティング、被膜、または接着剤組成物は、
a)少なくとも(メタ)アクリレートプレポリマーと、
b)式(I)の接着促進モノマーであって、
【0015】
【化1】

【0016】
Qは少なくとも、直鎖または分枝C1〜C10アルキル、直鎖C1〜C18アルキレン、C6〜C12アリーレン、あるいは直鎖または分枝アラルキレンのうちの1つもしくは複数からなる群から選択された二価結合ラジカルであり、
前記直鎖または分枝C1〜C10アルキル、C6〜C12アリーレン、直鎖または分枝アラルキレン、
結合基は、非置換であるか、または1つもしくは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC1〜C4アルコキシで置換されるか、
あるいは
Qは1つもしくは複数の−O−、−S−、−O(CO)−、−S(CO)−、−OC(O)O−、または−C(O)−により中断されたC2〜C12アルキレンであり、

mは1〜2であり、
nは1〜2であり、
1およびR2は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
4およびR5は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルである、接着促進モノマーと、
c)硬化剤と、
を含む。
【0017】
Qは、炭素原子を通して式(I)のリン原子に直接結合されなければならない。
【0018】
(メタ)アクリレートプレポリマーは、好ましくは(メタ)アクリレート官能性を含むエポキシ樹脂または脂肪族ウレタン、またはそのミクスチャである。例えばエポキシ樹脂は(メタ)アクリレート部分も含んでいる。
【0019】
例えばR4およびR5は独立に直鎖または分枝C1〜C4アルキル基または水素である。例えばR4またはR5は水素あるいは少なくともR4またはR5の1つが水素である。
【0020】
Qは好ましくはC3〜C18アルキレンである。
【0021】
例えば、プレポリマーが(メタ)アクリレート官能性を含む脂肪族ウレタンである場合、QはC3〜C18アルキレン、C3〜C12アルキレン、C3〜C10アルキレン、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C6アルキレンである。
【0022】
本発明はまた、要素a)、b)、およびc)から形成された硬化したコーティング、被膜または接着剤で少なくとも部分的に覆われた表面も含まれる。その少なくとも部分的に覆われた表面または基板が好ましくは象牙質エナメル質を含まない。
【0023】
表面は好ましくはアルミニウムまたは鋼といった金属が好ましい。表面はa)、b)およびc)を含むコーティング、被膜または接着剤からなるコーティグ層に速やかに近接する。
【0024】
さらに金属の表面は硬質でも可撓でもよい。可撓性表面に必要な塗布は、コイルコーティングでもよい。
【0025】
コイルコーティングは有機樹脂を平らな金属の表面に塗布する。例えば金属はアルミニウムまたは鋼である。その過程において、金属コイルは巻き戻され、汚れを落とされ、処理され、下塗りをされ、硬化され、上塗りで処理され、硬化し巻き戻される。金属ローラが顧客に届く場合、ローラは巻きつかず、最終製品にされる。例えば最終製品には、屋根またはビル正面の壁面、オフィス家具、ファイリングキャビネット、電化製品、あるいは車のボンネットまたはドアがある。格納および輸送用に圧延され、平坦にされ、切断され、成形され、固定されると、コイルコーティングに強いストレスがかかるため、コーティングには耐久性があることが欠かせない。耐久性はまた、湿気、太陽光、および大気中の様々な化学物質に曝露される屋外塗布になるかもしれない金属体の耐用年数全体にわたり欠かせない。透明または若干着色した樹脂である下塗層の優れた接着は、製造中および最終製品の使用可能な耐用年数全体にわたり金属上のコーティングの許容性能に対し重要である。
【0026】
式(I)で記載された接着促進モノマーは、コーティング、被膜および接着剤の接着を向上させるために使用される。式(I)で記載されているモノマーによる接着促進はいくつかの方法で実現できる。例えば、適当な表面を式(I)の接着促進モノマーで処理し、前記処理された表面に硬化性プレポリマーを塗布し、硬化してもよい。
【0027】
あるいは、式(I)の接着促進モノマーを、表面を処理し前記処理された表面に硬化性プレポリマーを塗布し、硬化する前に溶媒中に溶解してもよい。
【0028】
式(I)の接着促進モノマーはまた、組成物を形成するプレポリマーで結合され、そしてそれが表面に塗布し硬化してもよい。
【0029】
別の代替は、プレポリマーまたはオリゴマーを形成するために重合してもよい式(I)のモノマーであり、そしてそれが(メタ)アクリレートといったエチレン性不飽和物、接着促進剤および光開始剤を含む他のオリゴマーまたは樹脂に直接添加される。
【0030】
このように本発明はまたいくつかの方法も含む。
【0031】
コーティング、被膜、または接着剤の表面への接着を向上させる方法であり、
i)上記に定義される式(I)の接着促進モノマーで表面を処理すること、(メタ)アクリレートプレポリマーおよび硬化剤を含む組成物を前記処理された表面に塗布するステップ、
または
上記に定義される式(I)の接着促進モノマー、(メタ)アルリレートプレポリマー、および硬化剤を含む組成物を表面に塗布するステップ、
または
上記に定義される式(I)の前記接着促進モノマーを重合し、接着促進オリゴマーを形成するステップ、
前記オリゴマーを(メタ)アクリレートプレポリマーに追加するステップと
ならびに
ii)硬化するステップと
を含む、方法。
【0032】
硬化剤は好ましくは光開始剤である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義
本発明の目的の分子量とは、重量平均分子量(Mw)を意味する。
【0034】
本発明の目的の用語「モノマー」は重合可能なエチレン性不飽和化合物を意味する。
【0035】
本発明用の用語「モノマー単位」は重合後にモノマーがポリマー中に組込むことを意味する。
【0036】
特に指定されない限り、「パーセント」への参照は組成物の総重量の重量パーセントに基づく。
【0037】
本発明の目的の「プレポリマー」は、さらなる重合が可能な反応しやすい、低分子量の高分子を意味する。
【0038】
本発明の目的の「接着促進オリゴマー」は式(I)から形成されるオリゴマーを意味する。このオリゴマーは、他のモノマーを含んでもよいが、モノマーまたは式(I)のモノマーの混合物から形成されることが好ましい。
【0039】
例えば、用語「オリゴマー」は高分子であるが、二量体、三量体および四量体といったほんの少数のモノマー単位で構成されている。
【0040】
(メタ)アクリレートはメタクリレートおよびアクリレート誘導体を含む。
【0041】
式(I)の接着促進モノマー
【0042】
【化2】

【0043】
Qは少なくとも、直鎖または分枝C1〜C10アルキル、直鎖C1〜C18アルキレン、C6〜C12アリーレン、あるいは直鎖または分枝アラルキレンのうちの1つもしくは複数からからなる群から選択された二価結合ラジカルであり、
前記直鎖または分枝C1〜C10アルキル、C6〜C12アリーレン、直鎖または分枝アラルキレン、連結基は、非置換であるか、1つもしくは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC1〜C4アルコキシで置換されるか、
あるいは、
Qは、1つもしくは複数の−O−、−S−、−O(CO)−、−OC(O)O−、または−C(O)−により中断されたC2〜C12アルキレンであり、

mは1〜2であり、
nは1〜2であり、
1およびR2は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
4およびR5は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
例えば、C1〜C18アルキレンは直鎖およびC1〜C4、C1〜C6、C1〜C8、C1〜C10、C1〜C12、C1〜C14、C1〜C16である。
【0044】
例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレンおよびドデシレンが挙げられる。更なる例として、C1〜C8アルキレン、C1〜C6アルキレンまたはC2〜C6アルキレン、C1〜C4アルキレンまたはC2〜C4アルキレンが挙げられる。
【0045】
例えば、QはC3〜C18でもよい。具体的な例としては、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−および−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−が挙げられる。
【0046】
例えば、Qは直鎖または分枝C1〜C10アルキルでもよい。例えば−CH2CH(CH3)CH2−、(−CH2CH2)2C(CH2CH2−)2または−CH2CH2CH(CH2CH2−)2
【0047】
式(I)の例は下記のとおり、式中、連結基Qが分枝である。
【0048】
【化3】

【0049】
例えば、Qは二価、三価または四価でもよい。
nが1およびmが1の場合、式(I’)は
【0050】
【化4】

である。
【0051】
理論によって拘束されることを望むものではないが、少なくともC31個以上のアルキレン連結基は、ホスホン酸基を金属表面に付着させるようにさらに容易に使用することができるため、コーティング、被膜または接着剤の接着を向上すると考えられている。長いスペーサは、ポリマー骨格から距離を置くことによって「固着」基に可撓性をもたらし、金属と結合するために適切に位置付ける。より長いスペーサは、加水分解に対してP〜C連結の安定性が増す。
【0052】
例えば、C1〜C4アルコキシはメトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシであり、アルコキシ基におけるアルキルラジカルが3個以上の炭素原子および分枝されることが可能となる。
【0053】
例えば、1つまたは複数の−O−、−S−、−O(CO)−、−S(CO)−、−OC(O)O−、−C(O)−O−または−C(O)−基で中断されたC2〜C12アルキルは、−O−によって1回または数回中断されてもよい。例えば、非連続−O−により1〜5回、例えば1〜3回、あるいは1回または2回中断されてもよい。従って、例えば生じる構造単位は、−CH2−O(CH22O−CH2−、−CH2−O−CH2−、およびCH2CH2−O−CH2CH2−である。
【0054】
例えば、C6〜C12アリーレンはO−、m−またはp−フェニレン、1,4−ナフチレンまたは4,4’ジフェニレンである。アリーレンの他の例は、フェニレン、ナフタレン、ビフェニレン、ビフェニレンエーテルおよびアントラセニリンである。
【0055】
例えば、用語「アラルキレン基」は非置換または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の両方におけるベンジレンである。アラルキレンは、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシ、または2〜12個のオキシアルキレン単位およびアルキレン中の2〜6個のC原子を有するポリオキシアルキレンによって非置換または置換されていてもよい。
【0056】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。
【0057】
1〜C4は通常直鎖または分枝である。例えば、C1〜C4アルキルはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルでもよい。
【0058】
例えば、C1〜C4ハロアルキルは、アルキルラジカルにおいて1〜3あるいは1または2個のハロゲン置換基であるハロゲンによって、C1〜C4−アルキルモノ置換またはポリ置換される。例として、クロロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたは2−ブロモプロピルが挙げられる。
【0059】
1〜C4アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシまたはtert−ブトキシが挙げられる。
【0060】
式(I)の接着促進モノマーを、約0.1〜約20重量%、約0.5〜約10重量%、または約1重量%〜約10重量%の範囲の重量%量のコーティング被膜または接着剤の組成物に添加する。
【0061】
プレポリマー組成物を塗る前に式(I)の接着促進剤で表面を処理する場合、例えば接着促進剤は溶媒中に溶解し、表面に直接塗布してもよい。この場合、接着促進モノマーは、溶液の0.1〜50重量%の範囲で作り上げてもよい。
【0062】
さらに、接着促進モノマーで表面を処理すること、および追加の接着促進モノマーをプレポリマーに添加し、硬化することが可能である。
【0063】
オリゴマーを形成するために上記に記載の式(I)の接着促進モノマーを重合することも考えられ、それから(メタ)アクリレートプレポリマーと結合してもよい重合体添加剤として形成されたオリゴマーを使用する。
【0064】
式(I)の接着促進モノマーを予備重合することはいくつかの点で利点がある。第一に、接着促進重合添加剤は、硬化ポリマーマトリックスから滲出することが少ない。第二に、重合体添加剤は予備硬化および後硬化ポリマーマトリックスとさらに親和性がある。
【0065】
プレポリマー
一般に、全ての放射線硬化性オリゴマーはプレポリマーとして一致している。例えば、オリゴマーは少なくとも500、例えば約500〜約10,000、約700〜約10,000、約1,000〜約8,000、あるいは約1,000〜約7,000の分子量が適切である。例えば、ウレタンオリゴマーは少なくとも1個の非置換基を含んでいることが適切である。例えば、放射線硬化性オリゴマーは2、3、4、5または6個の末端官能基を有していてもよい。外被は1つの特定のプレポリマーまたはオリゴマーを含んでいるだけでなく、別のオリゴマーの混合物を含んでいてもよい。適切なオリゴマーの調製物は、当業者には知られており、例えば米国特許第6,136,880号の記載は参照することにより本明細書に組込まれる。
【0066】
プレポリマーの例には、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル化またはビニル−エーテルまたはエポキシ基含有ポリエステル、ポリウレタンおよびポリエーテルといったポリ不飽和化合物が挙げられる。
【0067】
また、1つまたは複数の遊離基重合性二重結合を有する化合物が適切である。このような化合物における遊離基重合性二重結合は、好ましくは(メタ)アクリロイル基の形である。ここおよび以下に、(メタ)アクリロイルおよび(メタ)アクリルは、それぞれアクリロイルおよび/またはメタアクリロイル、ならびにアクリルおよび/またはメタアクリルを意味する。(メタ)アクリロイル基の形である少なくとも2個の重合性二重結合が分子中に含まれることが好ましい。例えば本件の化合物は、(メタ)アクリロイル機能性オリゴマーおよび/またはポリ(メタ)アクリレートの高分子化合物である。本化合物は、遊離基重合性二重結合を、例えばポリ(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の反応による慣習的方法によって得られる(メタ)アクリロイル基の形で含んでいることが好ましい。これらのおよびさらなる調製方法が文献に記載されており、当業者には知られている。
【0068】
放射線硬化性樹脂の(メタ)アクリレートプレポリマー化合物は、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリル化、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、およびアクリル(メタ)アクリレートである。
【0069】
上記のプレポリマーの混合が考えられる。例えば、芳香族および脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートの混合、脂肪族化合物をもつエポキシ(メタ)アクリレートおよび/または芳香族ウレタン(メタ)アクリレートの混合が可能である。特定の混合は、特定の塗布に必要な最終の塗布および特性により決定される。
【0070】
非置換オリゴマーは、通常マレイン酸、フタル酸および1つまたは複数のジオールならびに約500〜3000の分子量を有する非置換ポリエステル樹脂でもよい。さらに、ビニルエーテルモノマーおよびオリゴマー、ならびにポリエステルを有するマレイン酸末端オリゴマー、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテルおよびエポキシド主鎖もまた使用することができる。米国特許第5,334,455号に記載の、ビニルエーテル基輸送オリゴマーおよびポリマーの結合が特に適切であり、参照することにより本明細書に組込まれるが、ビニルエーテルおよびマレイン酸で官能基化されたモノマーのコポリマーもまた考慮される。
【0071】
ウレタン(メタ)アクリル化オリゴマーは好ましいプレポリマーである。
【0072】
脂肪族ウレタンは、靭性、可撓性および優れた屋外耐久性が必要とされる非黄変塗布での使用に特に優れている。
【0073】
芳香族ウレタンアクリレートは、黄変耐性が必要ではない塗布において靭性および可撓性を提供する。
【0074】
本明細書で使用される用語「脂肪族ウレタンアクリレート」は、当技術分野で一般に理解されている意味を有することを目的としており、すなわちウレタンアクリレートは、脂肪族骨格により結合されるイソシアネート基中のジイソシアンなど、脂肪族ジイソシアネートまたはポリイソシアネートから調製される。例えば一実施形態では、脂肪族ウレタンアクリレートは、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリストリール、およびジペンタエリスリトールから選択される少なくとも1個のポリヒドロキシ化合物の残基を含む。また、1つまたは複数の六官能基ウレタンアクリレートおよびメタクリレートを使用することができ、用語「六官能基」は6個のアクリレートエステル基を有するオリゴマーを含むアクリレートを意味すると理解される。本発明における市販されている脂肪族ウレタンアクリレートの例としてはこれらに限定されないが以下のものが挙げられる:エベクリル244(1,6−へキサンジオールジアクリレートで10%希釈した脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル264(1,6−へキサンジオールジアクリレートで15%希釈した脂肪族ウレタントリアクリレート)、エベクリル265(25%トリプロピレングリコールジアクリレートで脂肪族ウレタントリアクリレート)、エベクリル270(10%トリプロピレングリコールジアクリレート未満で脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル284(1,6−へキサンジオールジアクリレートで10%希釈した脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル1290(脂肪族ウレタンヘキサアクリレート)、エベクレル4830(10%テトラエチレングリコールジアクリレートで脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクレル4833(10%N−ビニル−2−ピロリドンで脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル4866(30%トリプロピレングリコールジアクリレートで脂肪族ウレタントリアクリレート)、エベクリル8210(希釈なしで脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル8301(希釈なしで脂肪族ウレタンヘキサアクリレート)、エベクリル8402(希釈なしで脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル8405(20%1,6−へキサンジオールジアクリレートで脂肪族ウレタンテトラアクリレート)、エベクリル8411(20%イソボルニルアクリレートで脂肪族ウレタンジアクリレート)、エベクリル8800(10%エトキシエトキシエチルアクリレートで脂肪族ウレタンアクリレート)、エベクリル8800−20R(20%トリプロピレングリコールジアクリレートおよび8−エトキシエトキシエチルアクリレートで脂肪族ウレタンアクリレート)、エベクリル8804(希釈なしの脂肪族ウレタンジアクリレート)およびエベクリル8807(希釈なしで脂肪族ウレタンジアクリレート)がCytec Industries社より市販されている。SartomerCN−961E75(25%エトキシ化トリメチロールプロパントリアシレートで混合した脂肪族ウレタンジアクリレート)、CN−961H81(19%2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレートで混合した脂肪族ウレタンジアクリレート)、CN−963A80(20%トリプロピレングリコールジアクリレートで混合した脂肪族ウレタンジアクリレート)、CN−964(脂肪族ウレタンジアクリレート)、CN−966A80(20%トリプロピレングリコールジアクリレートで混合した脂肪族ウレタンジアクリレート)、CN−982A75(25%トリプロピレングリコールジアクリレートで混合した脂肪族ウレタンジアクリレート)、およびCN−983(脂肪族ウレタンジアクリレート)が、Sartomer社(Exton,PA)から市販されている。TAB FAIRAD8010、8179、8205、8210、8216、8264、M−E−15、UVU−316がTAB Chemicals社(Chicago,Illinois)から市販されており、Echo ResinsALU−303が、Echo Resins社(Versaille,Missouri)から市販されており、ジェノマー4652が、Rahn Radiation Curing社(Aurora,Illinois)から市販されている。これらの材料の組合せが本明細書で使用されてもよい。
【0075】
芳香族ウレタンは、芳香族骨格により結合するイソシアネート基中のジイソシアネートといった芳香族ジイソシアネートまたはポリイソシアネートから調製されるウレタンアクリレートを意味すると、一般に理解されている。
【0076】
本発明において使用できる市販されている芳香族ウレタンアクリレートの例としてはこれらに限定されないが以下のものが挙げられる。エベクリル220(芳香族ウレタンヘキサアクリレート)、エベクリル4827(芳香族ウレタンジアクリレート)、エベクリル4849(15%1,6−へキサンジオールジアクリレートで芳香族ウレタンジアクリレート)、およびエベクリル6602−20T(芳香族ウレタントリアクリレート)がCytec Industries社から市販されている。
【0077】
市販されているエポキシアクリレート、脂肪族および芳香族ウレタンアクリレートの組合せ、ポリエステルアクリレートならびにアクリルアクリレートの例は、Cytec Industries社から入手可能で2006年に出版されたRADCURE Energy Curable Resins,Product GuideーCoatings and Inksに見ることができ、参照により明細書に組込まれる。例としてはこれらに限定されないが、Cytec Industries社から市販されているエベクリル600(ビスフェノールAエポキシジアクリレート)、エベクリル605(ビスフェノールAエポキシジアクリレート)、エベクリル645(変性ビフェノールAエポキシジアクリレート)、エベクリル860(エポキシ化大豆油テトラアクリレート)、エベクリル3200(低粘度エポキシアクリレート)、エベクリル3411(脂肪酸変性エポキシジアクリレート)、エベクリル3600(アミン変性エポキジアクリレート)およびエベクリル3720(ビスフェノールAエポキシジアクリレート)が、Sartomer社から市販されているCN104(ビフェノールAエポキシジアクリレート)、CN108(芳香族エポキシアクリレート)、CN109(ビフェノールAエポキシアクリレート)、CN133(三官能性脂肪族エポキシアクリレート)、およびCN186(芳香族エポキシアクリレート)が挙げられる。
【0078】
例えば、プレポリマーは、コーティング、被膜または接着剤の総重量の約20重量%〜約98重量%、約30〜約90重量%、または約20〜約80重量%で作り上げる。
【0079】
希釈剤
本発明の目的用の希釈剤は、コーティング形成の粘度をコントロールする方法で使用できる放射線硬化性モノマーである。したがって、光開始重合が可能な少なくとも1個の官能基を持つ低粘度モノマーが使用されてもよい。例えば、加えられた希釈剤の量は粘度を調節するために、例えば通常は約10〜約90、または約10〜約80重量%の程度など、1,000〜10,000mPasの範囲で選択されてもよい。プレポリマーが容易に処理できる粘度であれば、希釈剤を加えなくてもよい。例えば、モノマーの希釈剤の官能基は、例えば(メタ)アクリレートのようなオリゴマー要素と同じである。
【0080】
通常の希釈剤としてはこれらに限定されないが、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、アクリル化ジペンタエリトリトール、プロポキシレート化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アルコキシレート化トリアクリレート、ジトリメチオールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ポリエーテルテトラアクリレートおよびプロポキシレート化グリセロールトリアクリレート、が挙げられる。
【0081】
他のエチレン性不飽和モノマー
プレポリマーは他のエチレン性不飽和なモノマーと結合してもよい。コーティング調製物のエチレン性不飽和化合物(b)は通常1または複数のオレフィン二重結合を含んでいる。オレフィン二重結合は、例えば参照により全体が組込まれる米国特許第7,084,183号に記載されている低分子量(モノマー)または高分子量(オリゴマー)でもよい。
【0082】
二重結合を有するモノマーの例として、メチル、エチル、ブチル、2−エチルへキシルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ならびにメチルおよびエチルメタクリレートといったアルキルおよびヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタアクリレートが挙げられる。さらなる例として、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルアセターテといったビニルエステル、イソブチルビニルエーテルといったビニルエーテル、スチレン、アルキル−およびハロ−スチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが挙げられる。
【0083】
複数の二重結合を有するモノマーの例として、エチレンクリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびペンタエリトリトールテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルコハク酸、フタル酸ジアリル、リン酸トリアル、トリアルイソシアヌレートおよびトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート、が挙げられる。
【0084】
任意の添加剤
コーティング被膜または接着組成物はまた、例えば、耐候性の向上、耐摩耗性を向上する組成物、外観を強化する添加剤、靭性および機械的特性を向上する、といった特定の特性を変更または強化するために必要に応じて様々な添加剤を含んでいてもよい。本発明のコーティング組成物に使用されてもよい添加剤の例としてはこれらに限定されないが、光開始剤、スリップ剤、水平化剤、湿潤剤、接着促進剤、抗吸収剤、例えば泡消失ポリマーおよびポリシロキサンといった消泡剤の混合物といった消泡剤、促進剤、色素分散助剤、ブロッキング防止剤、凝固防止剤、増磨剤、皮張り防止剤、帯電防止剤、剥離防止剤、結合剤、硬化剤、脱気装置、希釈剤、分散剤、乾燥器、乳化剤、充填剤、艶消し剤、フロー制御剤、光沢剤、硬化剤、滑剤、傷抵抗助剤、漂白剤、可塑剤、溶剤、安定剤、界面活性剤、粘度調節剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、および撥水剤、が挙げられる。例えば、コーティング組成物は、その中に分散した微粉化したSiO2、Al23、ZrO2、またはTiO2をさらに含んでもよい。これらの材料は、容易に塗布でき、硬化したコーティングの耐摩耗性を強化することができ、コーティングの粘着性を変更できる。
【0085】
硬化剤
接着促進モノマーは、コーティング、被膜または接着剤を形成する他のビニルモノマーおよびプレポリマーを用いた放射線、熱または酸化還元反応硬化といった従来の方法によって重合されてもよい。
【0086】
本発明の目的用の放射線は、電子ビーム起動と共に紫外線、可視および赤外線を含んでいる。
【0087】
硬化剤は通常、成分が紫外線、可視、赤外線または電子ビーム起動によって硬化される場合、光開始剤である。
【0088】
光開始剤
任意の既知の光開始剤が使用されてもよい。例えば、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドまたはビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドといったモノ−またはビスアシルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノンといったα−ヒドロキシケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホルニル)−1−プロパン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(4−メチルベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンまたは2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[3,4−ジメトキシフェニル]−1−ブタノンといったα−アミノケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(クロロメチル)−ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル2−ベンゾイルベンゾエート、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニル−ベンゾフェノンまたは3−メチル−4’−フェニル−ベンゾフェノン、といったベンゾフェノン、ケタール化合物、例えば、メチルフェニルグリオキシル酸エステル、5,5’−オキソ−ジ(エチレンオキシジカルボニルフェニル)または1,2−(ベンゾイルカルボキシ)エタンといった2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタノン、および単体量または二量体フェニルグリオシル酸エステル、が挙げられる。
【0089】
光開始剤の混合物が考えられる。特に、米国特許第7,169,826号に記載の、ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤およびモノアシルホスフィンオキシド光開始剤の混合物、またはα−ヒドロキシケトン開始剤およびビスアシルホスフィンオキシドの混合物の使用は、参照により本明細書に全体が組込まれる
【0090】
2007年10月17日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第60/999,361号に記載の光開始剤および参照によりその全体が本明細書に組込まれたものを特に対象とする。第60/999,361号に記載の光開始剤は、α−ヒドロキシケトン光開始剤であり、カルボン酸、ホスホン酸、またはトリアルコキシシランといった化学結合接着促進剤を有する。接着促進光開始剤がコーティング、被膜または接着剤中に組込まれる場合、コーティングは金属表面に強く接着し、金属用プライマとして有効である。
【0091】
意外なことだが、本発明者は、カルボン酸といった化学結合接着促進剤基をもつα−ヒドロキシケトン光開始剤と、大幅に向上した接着力をもつアルミニウムまたは鋼といった基板上に使用されてもよいエポキシベースのコーティング、被膜および接着剤組成物中に接着促進モノマー(式I)を結合することにより発見した。接着促進モノマーおよび接着促進光開始剤の両方に金属への接着が増加することが期待できるためこのことは驚くべきことであり、この2つが組合わせられた場合、金属への接着における相乗的な向上がみられる。このことはエポキシマトリックスにおけるアルミニウム基板上が特に顕著である。
【0092】
ほとんどの対象のα−ヒドロキシケトン光開始剤は、式IIまたはIIIのカルボン酸により置換される。
【0093】
【化5】

【0094】
式中、G2およびG3は独立に、C1〜C4アルキルであるか、または一緒になって、ペンタメチレンであり、
Dは−R1−COOHであり、
1は、−OHまたは−COOHでさらに置換されてもよい分枝または非分枝C1〜C6アルキルであり、
Rは、C1〜C6アルキレン、C1〜C6アルキレン−オキシ、あるいは1または2個の酸素原子で中断された、C4〜C6アルキレンであり、
Aは、−(O)s−C(=O)Gおよび−O−CH2−C(=O)Gから選択される群であり、
Gは、フェニルおよびナフチル、それぞれが1〜3−COOH、もしくは1または2−C(=O)−O−CH2−C(CH3)(CH2OH)−COOHからなる群から選択され、
sは0または1である。
【0095】
光開始剤の特性を強化するために、調製には、例えばアミンといった増感剤化合物を含んでいてもよい。
【0096】
本発明において用いられた光開始剤は、組成物の総重量に基づき、通常約0.1〜約10重量%の範囲であり、約1〜約5重量%が好ましい。
【0097】
放射線硬化
本発明のコーティング組成物の硬化または重合は熱的に達成できるので、放射線によってコーティング組成物を硬化するのに都合がよい。放射線エネルギーにより主に硬化されるが、熱により硬化される、または硬化が促進される可能性もある放射線硬化可能コーティングが当業者により理解されている。硬化は、電子線または紫外線よりも、ガンマ放射線、赤外線、マイクロ波、を含む遊離基を生成できる電離放射線の任意の源により引き起こされてもよい。
【0098】
例えば一実施形態では、コーティング組成物は、通常200〜400ミリ波長帯内で紫外線に曝露することにより硬化する。紫外線により重合が引き起こされる場合、コーティング組成物は、通常紫外線硬化可能組成物用の既知の例にしたがって通常光開始剤を含んでいるだろう。
【0099】
放射線での硬化は窒素下または大気の存在下で行われてもよい。
硬化はまた嫌気性環境下で行われてもよい。
【0100】
一般に、Hg中圧ランプまたは/およびフュージョンDランプは紫外線硬化を起こすために使用される。また閃光も適している。ランプの発光は使用する光開始剤または光開始剤の混合物と適合することが明らかである。
【0101】
ヒドロキノン、p−メトキシフェノールおよびキレートといった阻害剤は、輸送および格納中に早期重合を防ぐために液体嫌気性接着剤に組込まれる。
【0102】
コーティング、被膜または接着剤は、液体かまたは粉末といった固体として塗布される。
【0103】
例えば、液体組成物は、表面または基板により容易に塗布できるので好ましいかもしれない。
【0104】
本発明の組成物は、金属への向上した接着力を付与する(メタ)アクリレートプレポリマーと結合した式(I)の接着促進モノマーの溶媒性または水性系でもよい。
【0105】
本発明の目的の水性とは、組成物の相当量が水であるコーティング、被膜または接着剤を意味する。水は単独の溶媒および/または乳化剤でもよい。しかしながらこの組成物はまた、水に加えて有機溶媒を含んでいてもよい。
【0106】
組成物の水の割合は、組成物の望ましい固体の割合によって事実上決定する。望ましい組成物は水の約5〜約80重量%を含み、乳剤、分散液または溶液でもよい。
【0107】
コーティング、被膜または接着剤を、当技術分野で周知の方法を通して表面に塗布してもよい。
【0108】
例えば、コーティング材料は、例えば吹付け、浸し塗り、拡散または電着といった通例技術により基板に塗布できる。多くの場合、複数の層が塗布される。
【0109】
以下の実施例では、本発明の特定の実施形態を説明する。本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に従って、開示される実施形態に多数の変更を行い得ることを理解されたい。したがって、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものではない。むしろ、本発明の範囲は別記の特許請求の範囲および均等物によってのみ決定されるものとする。
【0110】
1Hおよび31P NMRスペクトルが大気温度で300MHzジェミニスペクトロメータ上に記録される。
【0111】
実施例1
3−アクリロイルオキシプロピルホスホン酸
【0112】
【化6】

【0113】
亜リン酸トリエチル(122.8g、0.74モル)および1,3−ジブロモプロパン(751.9g、3.72モル)を、還流冷却器および機械的撹拌棒を備えた丸底フラスコにおいて室温で混合する。混合物を160℃の油浴で30分間熱し、その後冷却し、真空蒸留により分画する。最初に回収した分画は、過剰1,3−ジブロモプロパンである。ジエチル3−ボロモプロピルホスホネートを109〜110℃、0.77mバールで蒸留する。
【0114】
ジエチル3−ブロモプロピルホスホネート(124.25g、0.48モル)、アクリル酸カリウム(54.0g、0.49モル)およびDMF(150ml)を、機械的撹拌棒、温度計および凝縮装置を備えた3つ口フラスコの中へ投入する。反応物質を80℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、ろ過する。粗製物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し水溶性NaHCO3で洗浄する。MgSO4で乾燥し、次いで溶媒を真空蒸発させて透明な無色の液体(110g、収率92%)であるジエチル3−アクリロイルオキシプロピルホスホネートを得た。
【0115】
1H NMR(CDCl3、δ ppm)1.32(t、6H,2C3−CH2)、1.76〜1.89(m、2H、CH2−C2−P)、1.92〜2.05(m、2H、C2−CH2−P)、4.04〜4.16(m、4H、2CH3−C2)、4.2(t、2H、CH2−O−C(O))、5.83(dd、1H,CH=)、6.11(dd、1H、CH=)、6.41(dd、1H、CH=)。31P NMR(CDCl3、δ ppm)29.49。
【0116】
室温で、ジエチル3−アクリロイルオキシプロピルホスホネート(31.12g、0.124モル)の溶液にCH2Cl2(85g)を滴下で添加し、トリメチルシルブロミド(40g、0.261モル)にCH2Cl2(9.2g)を滴下で添加する。混合物を4時間還流する。溶媒は、減圧下でロータリーエバポレータ上に蒸着し、透明な無色の液体(42、4g、GCにより純度95%)としてジ(トリメチルシリル)3−アクリロイルオキシプロピルホスホネートを得る。1H NMR(CDCl3、δ ppm)0.006(s、9H、CH3−Si)、1.4〜1.54(m、2H、CH2−P)、1.59〜1.72(m、2H、C2−CH2−)、3.91(t、2H,CH2−O)、5.55(dd、1H、CH=)、5.83(dd、1H,CH=)、6.12(dd、1H、CH=)。31P NMR(CDCl3、δ ppm)13.55。
【0117】
ジ(トリメチルシリル)3−アクリロイルオキシプロピルホスホネート(40g、0.118モル)をMeOH(130ml)に溶解する。溶液を室温で2時間撹拌する。溶媒をロータリーエバポレータ上に真空蒸留し、高粘性の無色油(22.7g、収率99%)として得、これは、格納して数日後凝固した。1H NMR(DMSO−d6、δppm)1.78〜2.00(m、4H、CH2−CH2−P)、4.20(t,2H2,CH−O)、4.91(s、2H、(HO)2−P)5.94(dd、1H、CH=)、6.16(dd、1H、CH=)、6.39(dd、1H、CH=)。31PNMR(DMSO−d6、δppm)31.71。
【0118】
実施例2
3−メタアクリロイルオキシプロピルホスホン酸
【0119】
【化7】

【0120】
ジメチル3−ブロモプロピルホスホネート(103.6g、0.4モル)、カリウムメタクリレート((52.2g、0.42モル)およびDMF(100ml)を機械的撹拌棒、温度計、および凝縮装置を備えた3つ口フラスコの中へ投入する。反応物質を80℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、ろ過する。粗製物を水中に注ぎ、ジメチルエーテルで抽出し、水溶性NaHCO3で洗浄する。MgSO4で乾燥し、次いで真空下で溶媒蒸発し、透明な無色の液体(96g、収率91%、0.2mバールでbp94〜96℃)として3−メタクリロイルオキシプロピルホスホネートを得た。1H NMR(CDCl3,δ ppm)1.32(t、6H、2C3−CH2)、1.75〜1.88(m、2H,CH2−C2−P)、1.91〜2.05(m、2H、C2−CH2−P)、1.93(s、3H、CH3)、4.03〜4.16(m、4H、2CH3−C2−O)、4.18(t、2H、CH2−O−C(O))、5.56(s、1H、CH=)、6.09(s、1H、CH=)。31P NMR(CDCl3、δ ppm)29.54。
【0121】
室温で、ジエチル3−メタクリロイルオキシプロピルホスホネート(28.2g、0.107モル)の溶液にCH2Cl2(60g)を滴下で添加し、トリメチルシリルブロミド(34.4g、0.225モル)の溶液にCH2Cl2(22g)を添加する。混合物を5時間還流する。溶媒は真空下で蒸発させ、透明な無色の液体(37.9g)として3−メタクリロイルオキシプロピルホスホネートを得る。1H NMR(CDCl3、δ ppm)0.01(s、9H、CH3−Si)、1.41〜1.55(m、2H、CH2−P)、1.59〜1.73(m、2H、C2−CH2−P)、1.66(d、3H、CH3)、3.90(t、2H、CH2−O)、5.28(s、1H、CH=)、5.82(s、1H、CH=)。31P NMR(CDCl3、δ ppm)13.6。
【0122】
ジ(トリメチルシリル)3−メタクリロイルオキシプロピルホスホネートの(34.0g、0.096モル)をメタノール(115ml)に溶解した。溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレータ上に真空蒸留し、高粘性の無色油(19.9g、収率99%)として3−メタクリロイルオキシプロピルホスホン酸を得た。1H NMR(DMSO−d6,δ ppm)1.52〜1.66(m、2H、CH2−P)、1.74〜1.93(m、2H、C2−CH2−P)、1.87(s、3H、CH3)、4.12(t、2H、CH2−O)、5.66(s、1H、CH=)、6.02(s、1H、CH=)。31P NMR(DMSO−d6、δ ppm)27.06。
【0123】
塗布実施例
光硬化性樹脂の調製:
脂肪族ウレタン樹脂エベクリル8804およびエポキシ樹脂エベクリル605(Cytec Industries社より販売)が、金属表面への光硬化性樹脂の接着に関して本発明の促進剤の影響を数値化するためにこの調査において利用されている。
【0124】
両方の樹脂を反応性希釈剤1,6−へキサンジオールジアクリレート(HDDA)で希釈し、80%樹脂の混合物から20%希釈し粘性を減少させる。
【0125】
表1に示された化学式は、後ドローダウンおよび紫外線硬化用の両方の樹脂で調製された。数値は重量に基づく各全体の比重を表している。この調査において利用された参照の接着促進剤は、城北化学工業から販売されている市販のモノマー、JPA−514、または2−ヒドロキシエチルリン酸メタクリレートである。このリン酸モノマーはまた、Rhodia社(シポマーPAM−100)、Kowa社、またはSartomer(CD9050)といった他の会社からも市販されている。本明細書で、参照モノマーを実施例1の接着促進モノマーと比較する。
【0126】
【表1】

【0127】
種々の成分を組み合わせた後、完全な均一性を徹底するために全ての調製物を終夜振り混ぜる。
周辺光および湿気への曝露を防ぐために注意がはらわれる。
【0128】
金属基板上への調製物のドローダウンおよび紫外線硬化。
【0129】
アルミニウムおよび冷延鋼板の2つの金属基板はこの調査で異なる金属表面上の接着促進能の違いを明らかにするために利用される。アルミニウム板(3003番、研磨サイズ03×04×025)および冷延鋼板(非研磨サイズ03×04×025)を硬化基板として使用するためにACT Laboratories社から購入する。確実に表面を洗浄するために、基板表面はメタノールですすぎ、柔らかいふき取り用の布で汚れを落とし、大気で乾かす。
【0130】
基板表面上への樹脂のドローダウンは、標的1ミルの湿潤厚さ用に、ガルコ自動縮小機械で、毎秒1.5インチの速度で、6インチのストロークの長さおよび10番バールで実行される。各調製物は、アルミニウムおよび冷延鋼板上の両方にドローダウンする。以下のドローダウン、フュージョン紫外線硬化ランプを使用した板は紫外線硬化される。各板を、毎分17フィートの速度で3回、9ミリ×6インチのHバルブ(Hg蒸気)下を通過させる。紫外線曝露後、クロスハッチ分析が行われる前に基板を終夜硬化させる。
【0131】
光硬化樹脂のクロスハッチテスト
基板を、2ミリのクロスハッチャーに適合するBYKガードナークロスカッターテスターキットで横切りにする。樹脂は垂直に刻み目を入れ、362ミリ×2ミリの筐体をもつ8×8のクロスハッチを形成する。刻み目を入れた後、スコッチテープ(3Mテープ番号10)を、一定の接着力を徹底させるためにヘラを利用してクロスハッチ格子上に押し付ける。素早く、引き動作を均一にし、テープを基板から素早く剥ぎ取る。接着は、樹脂がテープ(ISO&DIN2409)によって剥ぎ取られていない総クロスハッチ表面から割合として表される。そのため、高い割合はより良い接着を示している。表面硬化度は見た目で評価される。接着データおよび観察結果を表2に示してある。
【0132】
【表2】

【0133】
【表3】

【0134】
同じ樹脂タイプ用に、接着促進剤および光開始剤の選択によって不良から良、最良へと変化する可能性のある金属表面への接着を実験データが示している。使用された両方の接着促進剤、JPA−514および例1のホスホン酸アクリレートは、ラジカル重合により樹脂中に直接組込まれる。ペンダントリン含有官能基、JPA−514における過リン酸塩および例1におけるリン酸は、金属表面に接着する能力を有しており、そのため接着が増加する。ほとんどの場合、例1のホスホン酸アクリレートが用いられた場合、接着における顕著な増加の明白な傾向により促進剤が使用された場合、接着は向上する。
【0135】
番号1〜3、7〜9、13〜15および19〜21のエポキシベースの樹脂はアルミニウムには特に上手く接着しない。JPA−514が紫外線硬化性調製物に添加された場合、接着の改善は最小かまたは全く見られない。しかしながら、例1の新規の接着促進剤は、ほとんどの場合クロスハッチ金属面上に保持した最大22%樹脂までアルミニウム上の接着性を常に増加させている。冷延鋼板上のJPA−514は最大30%樹脂保持に接着性を増加させ、例1の新規のホスホン酸アクリレートは、あらゆる場合において70と100%の間の樹脂保持へと接着を著しく向上させる。
【0136】
番号4〜6、10〜12、16〜18および22〜24の脂肪族ウレタンベースの樹脂へのリン含有モノマーの添加は、硬化コーティングの接着の実行を大幅に向上させる。アルミニウム上のJAP−514は接着を50〜95%間の樹脂保持に増加し、その一方で例1の新規の接着促進剤はあらゆる場合において100%に近い接着を付与する。冷延鋼板上のリン酸およびホスホン酸モノマーの両方は最良の接着を付与する。
【0137】
接着向上効果が、金属表面と相互作用を行うことができるカルボン酸基と化学的に修飾された光開始剤P1を使用した際に観察された。効果は、アルミニウム上のクロスハッチコートの75%保持および冷延鋼板状の93%保持へとそれぞれ接着性が増加するウレタンベースの樹脂において特に顕著である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも(メタ)アクリレートプレポリマーと、
b)式(I)の接着促進モノマーまたはその混合物であって、
【化1】

Qは少なくとも、直鎖または分枝C1〜C10アルキル、直鎖C1〜C18アルキレン、C6〜C12アリーレン、あるいは直鎖または分枝アラルキレンのうちの1つもしくは複数からなる群から選択される、二価結合ラジカルであり、
前記直鎖または分枝C1〜C10アルキル、C6〜C12アリーレン、直鎖または分枝アラルキレン、
結合基は、非置換であるか、あるいは1つもしくは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC1〜C4アルコキシにより置換されるか、あるいは
Qは1つもしくは複数の−O−、−S−、−O(CO)−、−S(CO)−、−OC(O)O、または−C(O)−により中断されたC2〜C12アルキレンであり、
mは1〜2であり、
nは1〜2であり、
1およびR2は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
4およびR5は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルである、接着促進モノマーまたはその混合物と、
c)硬化剤と、
を含む、表面上のコーティング、被膜、または接着剤組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリレートプレポリマーが脂肪族または芳香族ウレタン(メタ)アクリレートまたはエポキシ(メタ)アクリレートである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリレートプレポリマーが脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
4およびR5が独立に水素である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記プレポリマーが脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
QがC3〜C18アルキレンである、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記硬化剤が光開始剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記硬化剤が光開始剤であり、かつ式(II)または(III)の化合物あるいはその混合物であり、
【化2】

式中、G2およびG3は独立に、C1〜C4アルキルであるか、または一緒になって、ペンタメチレンであり、
Dは−R1−COOHであり、
1は、−OHまたは−COOHでさらに置換されていてもよい分枝または非分枝C1〜C6アルキルであり、
RはC1〜C6アルキレン、C1〜C6アルキレン−オキシ、あるいは1または2個の酸素原子で中断されたC4〜C6アルキレンであり、
Aは−(O)s−C(=O)Gおよび−O−CH2−C(=O)Gから選択される群であり、
sは0または1であり、
Gは、C(=O)OH基により2位で、および基
【化3】

により4または5位で置換されたフェニルであり、
4は−(C=O)−であり、
7またはG8の1つは−Hであり、もう1つは−Hまたは−Zであり、
Zは、
【化4】

である、
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8に記載の組成物を含む、表面上の照射硬化性コーティング、被膜、または接着剤。
【請求項10】
前記表面が金属であり、前記金属がアルミニウムまたは鋼である、請求項9に記載の照射硬化性コーティング、被膜、または接着剤。
【請求項11】
前記金属が可撓性である、請求項10に記載の照射硬化性コーティング、被膜、または接着剤。
【請求項12】
i)式(I)の接着促進モノマーで表面を処理し、
【化5】

Qは少なくとも、直鎖または分枝C1〜C10アルキル、直鎖C1〜C18アルキレン、C6〜C12アリーレン、あるいは直鎖または分枝アラルキレンのうちの1つもしくは複数からなる群から選択された二価結合ラジカルであり、
前記直鎖または分枝C1〜C10アルキル、C6〜C12アリーレン、直鎖または分枝アラルキレン、
連結基は、非置換であるか、1つもしくは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC1〜C4アルコキシで置換されるか、
あるいは
Qは、1つもしくは複数の−O−、−S−、−O(CO)−、−S(CO)−、−OC(O)O−、または−C(O)−により中断されたC2〜C12アルキレンであり、
mは1〜2であり、
nは1〜2であり、
1およびR2は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
4およびR5は独立に水素あるいは直鎖または分枝C1〜C4アルキルであり、
(メタ)アクリレートプレポリマーおよび光開始剤を含む組成物を前記処理した表面に塗布するステップ、
または
上記に定義される式(I)の前記接着促進モノマー、(メタ)アクリレートプレポリマー、および光開始剤を含む組成物を表面に塗布するステップ、
または
上記に定義される式(I)の前記接着促進モノマーを重合し、接着促進オリゴマーを形成するステップ、
前記オリゴマーを(メタ)アクリレートプレポリマーおよび光開始剤に追加するステップと、
ならびに
ii)照射するステップと、
を含む、表面へのコーティング、被膜、または接着剤の接着を向上させる、方法。
【請求項13】
前記(メタ)アクリレートプレポリマーが脂肪族もしくは芳香族ウレタン(メタ)アクリレートまたはエポキシ樹脂である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記(メタ)アクリレートプレポリマーが脂肪族または芳香族ウレタン(メタ)アクリレートである、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記(メタ)アクリレートプレポリマーが脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートである、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
4およびR5が独立に水素である、請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
QがC3〜C18アルキレンである、請求項12〜16のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2012−506929(P2012−506929A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533678(P2011−533678)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063768
【国際公開番号】WO2010/049322
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】