説明

接着剤材料用ポリエステル樹脂、およびそれを用いた接着剤の製造方法

【課題】適度な結晶性と良好な有機溶剤への溶解性を有し、耐熱性と接着性に優れ、揮発性有機化合物の発生の少ない接着剤を提供する。
【解決手段】芳香族ポリエステルセグメント(A)、および芳香族ポリエステルセグメント(B)からなるポリエステルブロック共重合体であって、
(a);芳香族ポリエステルセグメント(A)が20モル%以上のテレフタル酸であるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールであるジオール単位からなり、
(b);芳香族ポリエステルセグメント(B)が20モル%以上のイソフタル酸、20モル%以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールからなるジオール単位からなり、
JIS−K7121に従い測定されるガラス転移温度が−10℃未満であり、かつ、下記一般式(I)を満足することを特徴とする接着剤材料用ポリエステル樹脂。
【数1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適度な結晶性と良好な有機溶剤への溶解性を両立し、耐熱性と接着性に優れ、かつ使用後は揮発性有機化合物の発生の少ない接着剤に関し、樹脂成型体、樹脂フィルム、布、金属等への接着に有用な接着剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂は、その優れた機械的強度、熱安定性、疎水性、耐薬品性を活かし、繊維、フィルム、成形材料等として各種分野で広く利用されている。
【0003】
また、その構成成分であるジカルボン酸及びグリコールの種類を変更することにより種々の特徴を有する共重合ポリエステル樹脂を得ることが可能であり、接着剤、コーティング剤、インキバインダー、塗料等に広く使用されている。このような共重合ポリエステル樹脂は一般的にポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル樹脂等のプラスチック類、あるいはアルミニウム、銅等の金属箔に優れた密着性を有している。
【0004】
これらの特性を利用して、2枚のポリエステルフィルムの中間に線状の金属導体を被覆した構造のフラットケーブルなどの接着剤用途でも、共重合ポリエステル樹脂が好適に使用されている。そして、このようなフラットケーブルは近年の高密度化されたAV機器やコンピュータ機器の配線あるいは自動車用の配線材として広く利用されるようになり、その需要は急速に伸びている。
【0005】
近年、液晶ディスプレイ等の薄型化が進むなど、電子部品が高温化に曝される機会が増えたため、従来の接着剤では高温化で樹脂が流れて湿気が入りこんで、マイグレーションが進み絶縁破壊を起こすという不具合があった。そのような背景で、樹脂接着剤に対し、従来より高い耐熱性が要求されることが多くなってきた。
【0006】
そこで例えば、ポリエステル系ホットメルト接着剤が提案される(文献1参照)。ホットメルト接着剤は、高融点で結晶性が高いため、融点まで熱がかからないと樹脂が軟化しないため、溶剤型接着剤の非晶性樹脂に比べ、高い耐熱性を付与することができる。しかし、一般的な有機溶剤には不溶であるため、専用のホットメルトアプリケーターを導入する必要があり溶剤系に比べ経済性の低下は避けられず、また、レベリング性を維持するための技術的課題も多く、やや汎用性に欠けるという問題があった。
【0007】
一方、溶剤系ポリエステル系接着剤では、有機溶剤に一般的にはトルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッソ、セロソルブ、セロソルブアセテートなど揮発性有機溶剤が使用されるが、特にトルエンをはじめとする高沸点の有機溶剤は残留しやすく、近年人体への影響が問題視されている。一般に高沸点の有機溶剤は溶解力が高く、沸点の低いものほど溶解力が低下する傾向がある。
【0008】
結晶性を有する樹脂は溶解性が悪い傾向があるため、溶解力の高い溶剤、すなわち、揮発性残留溶剤の残留濃度が高い溶剤を使用する必要があった。ここで、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼンのように沸点が低く溶解力の高い溶剤もあるが、これらは人体や環境への影響が懸念され、接着剤用の有機溶剤としては一般的でない。
【0009】
従来の非晶性樹脂は溶解性がよくメチルエチルケトンなどの低沸点有機溶剤に溶解するものが多いが、耐熱性が不足するという問題があり、結晶性の樹脂は耐熱性は高いが、前述の通り少なくとも低沸点の汎用有機溶剤に溶解しにくいという問題があった。
【0010】
たとえば、直線形状のモノマーのみを使用した結晶性溶剤可溶のポリエステル樹脂が提案されている(文献2参照)。しかし、溶剤可溶といっても、トルエンやシクロヘキサノンなどの溶解力の高い高沸点の有機溶剤を使用しないと高濃度に溶解しにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003-105302号公報
【特許文献2】特開2003-327676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、適度な結晶性と良好な有機溶剤への溶解性を両立し、耐熱性と接着性に優れ、かつ使用後は揮発性有機化合物の発生の少ない接着剤に関し、樹脂成型体、樹脂フィルム、布、金属等への接着に有用な接着剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は上記問題を解決するために種々検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
【0014】
(1)芳香族ポリエステルセグメント(A)、および芳香族ポリエステルセグメント(B)からなるポリエステルブロック共重合体であって、
(a);芳香族ポリエステルセグメント(A)が20モル%以上のテレフタル酸であるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールであるジオール単位からなり、
(b);芳香族ポリエステルセグメント(B)が20モル%以上のイソフタル酸、20モル%以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールからなるジオール単位からなり、
JIS−K7121に従い測定されるガラス転移温度が−10℃未満であり、かつ、下記一般式(I)を満足することを特徴とする接着剤材料用ポリエステル樹脂。
【0015】
【数1】

ここで、150℃まで昇温し、融解したポリエステル樹脂を25℃まで急冷固化させたのち、25℃で保持し、再び結晶化するまでの25℃保持時間[h]をTr、また、Tr時間保持した後の結晶融解熱量[J/g]をQとする。ただし、Q≦10、0.016≦Tr≦10である。
(2)あらかじめ、芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体を製造した後、前記芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体に対し、芳香族ポリエステルセグメント(B)を構成するモノマー成分を混合し、釜内温度180℃以上で3時間以上攪拌し、芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体と、芳香族ポリエステルセグメント(B)を構成するモノマー成分を重縮合することを特徴とする(1)または(2)の接着剤材料用ポリエステル樹脂の製造方法。
(3)(1)の接着剤材料用ポリエステル樹脂を、沸点100℃以下の脂肪族有機溶剤に溶解させることを特徴とするポリエステル系接着剤の製造方法。
(4)沸点100℃以下の脂肪族有機溶剤がメチルエチルケトンである(3)のポリエステル系接着剤の製造方法。
(5)(3)または(4)のポリエステル系接着剤の製造方法より得られるポリエステル系接着剤。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの成型体、金属板、PETフィルム又はPETシート、又は布に対して優れた接着性を有し、かつ、適度な結晶性により耐熱性が良好であり、かつ優れた有機溶剤溶解性を有するため揮発性有機溶剤として残留しにくい低沸点の脂肪族有機溶剤へ溶解することが可能な接着剤用ポリエステル樹脂、及びその接着剤である。従って、本発明のポリエステル系接着剤は、耐熱性と揮発性有機溶剤の残留が問題視される電気、電子分野、機械分野、建築分野、自動車分野、テキスタイル分野などに好適に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明の接着材料用ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステルセグメント(A)、および芳香族ポリエステルセグメント(B)からなるポリエステルブロック共重合体であって、
(a);芳香族ポリエステルセグメント(A)が20モル%以上のテレフタル酸であるジカルボン酸単位、および80モル%以上のブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールであるジオール単位からなり、
(b);芳香族ポリエステルセグメント(B)が20モル%以上のイソフタル酸、20モル%以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールからなる。
【0019】
芳香族ポリエステルセグメント(A)は20モル%以上のテレフタル酸であるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールであるジオール単位からなる。
【0020】
テレフタル酸は20モル%以上が必要であるが、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、95モル%以上が最も好ましい。また、ブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールは50モル%以上が必要であるが、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が最も好ましい。
【0021】
ジカルボン酸単位として、テレフタル酸の配合が20モル%未満の場合は、
耐熱性やPETへの接着性が低下し、ジオール成分として、ブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールの配合が50モル%未満の場合は、結晶性が低下し、接着材料用ポリエステル樹脂とした場合の耐熱性やPETへの接着性が低下する。
【0022】
芳香族ポリエステルセグメント(A)のジオール成分としては、ブタンジオールおよび/またはヘキサンジオール以外に、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ダイマージオール、水添ダイマージオールを用いることができる。中でも、ガラス転移点を下げつつ耐熱性を維持できる観点から、ポリテトラメチレングリコール、水添ダイマージオール、ポリエチレングリコールを用いることが好ましく、その場合の配合は、0.1〜50モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
【0023】
また、芳香族ポリエステルセグメント(A)の酸成分としては、テレフタル酸以外に、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、ヘキサヒドロテレフタル酸を用いることができる。中でも、耐熱性維持の観点から、セバシン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましく、その場合の配合は、0.1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。
【0024】
芳香族ポリエステルセグメント(B)は20モル%以上のイソフタル酸、20モル%以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールからなるジオール単位からなる。イソフタル酸は20モル%以上が必要であるが、このましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。直鎖脂肪族ジカルボン酸は20モル%以上が必要であるが、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。また、ブタンジオールは50モル%以上が必要であるが、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%、もっとも好ましくは80モル%以上である。
【0025】
ジカルボン酸単位として、イソフタル酸が20モル%未満の場合はメチルエチルケトンなどの低沸点の有機溶剤への溶解性が低下し好ましくない。直鎖脂肪族ジカルボン酸が20モル%未満の場合は、接着性が低下し好ましくない。また、直鎖脂肪族ジカルボン酸として用いることが可能なジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸の中から選ぶことができる。中でも、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸が好ましく用いることができる。
【0026】
ジオール単位として、ブタンジオールが50モル%未満の場合は、耐熱性が低下し好ましくない。
【0027】
芳香族ポリエステルセグメント(B)のジオールとしては、ブタンジオール以外に、ヘキサンジオール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ダイマージオール、水添ダイマージオールを用いることができる。中でも、接着性と溶解性維持の観点から、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いることが好ましい。
【0028】
芳香族ポリエステルセグメント(B)のジカルボン酸としては、イソフタル酸以外に、フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムイソフタル酸、ヘキサヒドロキシテレフタル酸なども用いることもできるが、中でも、耐熱性とPETへの接着性の補助の観点から、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましく、その場合の配合は、0.1〜50モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
【0029】
芳香族ポリエステルセグメント(A)と芳香族ポリエステルセグメント(B)からなる本発明のポリエステルブロック共重合体は、平均的には、主として酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、直鎖脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸からなり、ジオール成分としては、主としてブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールなどのジオールからなりたつ重縮合物である。
【0030】
その重縮合物の骨格中のテレフタル酸残基は、樹脂の耐熱性とPETとの接着性を維持するために含有していることが必要であるが、その割合としては全酸成分100モル%に対し20〜80モル%が好ましく、20〜60モル%がより好ましく、20〜50モル%が最も好ましい。
【0031】
樹脂骨格中のイソフタル酸残基は樹脂の溶解性を高めるために必要であり、その割合としては酸成分に対し1〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜40モル%が最も好ましい。
【0032】
また、本発明の樹脂の骨格中に直鎖脂肪族ジカルボン酸残基が含有していることが樹脂の結晶性と接着性を高める上で必要である。その割合としては酸成分に対し1〜80モル%が好ましく、3〜70モル%がより好ましく、5〜60モル%がさらに好ましく、10〜50モル%が最も好ましい。
【0033】
ジオール成分としては、結晶化による耐熱性付与を図るためにブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールなどが含有していることが好ましい。その割合としては50〜100モル%であり、60〜100モル%が好ましく、70〜90モル%がより好ましい。50モル%以下では、樹脂の溶解性は高まるものの樹脂の結晶性または軟化点が低下し、ひいては接着剤の耐熱性が低下するため好ましくない。
【0034】
本発明の樹脂としては、上記に挙げた成分以外に下記の成分を残基として含有していてもよい。
【0035】
酸成分を構成する他のカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ジカルボキシビフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ヒドロキシ-イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、1,3,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、シュウ酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらは、無水物をモノマー原料として用いても差し支えない。
【0036】
また、ヒドロキシカルボン酸類として、例えばテトラヒドロフタル酸、乳酸、オキシラン、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、4-(β-ヒドロキシ)エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、及び、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトン等が挙げられる。
【0037】
その他のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ジヒドロキシブタン、1,3-ジヒドロキシブタン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2’-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-オキサペンタン-1,5-ジオール、2,2'-(1,2-エタンジイルビス(オキシ))-ビスエタノール、ビス(2-ヒドロキシプロピル)エーテル、2-(2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ)-1-プロパノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、4,4’-ビフェノールのエチレンオキサイド付加体またはプロピレンオキサイド付加体、1,3-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリ(オキシエチン-1,2-ジイル)、ポリ(オキシブタン-1,4-ジイル)、ポリ(オキシプロパン-1,3-ジイル)、グリセロール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコース、マニトール、ソルビトール等が挙げられる。
【0038】
また、樹脂の弾力性を付与するためポリエーテルが共重合ポリエステルにブロック共重合されていてもよい。ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0039】
これらは必ずしも1種類で用いる必要はなく、樹脂に対し付与したい特性に応じて複数種以上混合して用いて差し支えない。
【0040】
また、ポリエステル樹脂には、モノカルボン酸、モノアルコールが共重合されていてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4-ヒドロキシフェニルステアリン酸等、モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2-フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明の樹脂には必要に応じて、リン酸、リン酸エステル等の熱安定剤、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物のような酸化防止剤、タルクやシリカ等の滑剤、酸化チタン等の顔料、充填剤、帯電防止剤、発泡剤等の従来公知の添加剤を含有させても差し支えない。
【0042】
また、発明の共重合ポリエステル樹脂の軟化点は40℃〜110℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましく、60℃〜90℃がさらに好ましい。軟化点40℃未満では耐熱性が不足し、110℃を超えると接着剤のヒートシール性(接着性)、溶剤溶解性が低下するため好ましくない。
【0043】
本発明における軟化点とは、熱機械分析装置(TMA)を用い、樹脂を2mm前後の厚みに切断し、直径3mmΦのプローブを樹脂にのせ、窒素雰囲気下で177mNの力をかけて-50℃から2℃/minの昇温速度で昇温させた場合の変曲点について接線を引いた交点の温度を示す。
【0044】
さらに本発明のポリエステルブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は-10℃以下である必要があり、-15℃/min以下が好ましく、-20℃/min以下がよりしく、-25℃以下がさらに好ましく、-30℃以下が最も好ましい。Tgが-10℃を超えると、樹脂の粘着性が低下し、接着強力が低下するため好ましくない。
【0045】
また、本発明の樹脂を示差走査熱量測定装置の炉中で、150℃まで昇温させ、完全融解したポリエステル樹脂組成物を25℃まで急冷固化させたのち、25℃で保持し、再び結晶化するまでの25℃保持時間Tr[h]が、0.016[h](=1[min])以上、10[h]以下であり、その後、-50℃まで降温したのち、-50℃から200℃まで10℃/minの昇温速度でスキャンさせた場合の融解発熱の熱量をQ(単位:J/g)とした場合、Q/Trは1以下である必要があり、0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。Q/Trが1を超えると、結晶性が高すぎて接着性が低下し好ましくない。
【0046】
本願発明のポリエステル樹脂は、微結晶性を有し、0.016≦Tr≦10の範囲で、Q≦10である。本願発明において、結晶性とは、Tr=1000において、Q>0であり、非晶性とはTr=1000においてQ=0であることをいう。また、微結晶性とは、結晶性の一部をなし、Tr=1000において、0<Q≦20であることをいい、本願発明のポリエステル樹脂は、微結晶性を有することを必要とする。
【0047】
なお、本願発明において、結晶性の有無、結晶性の強弱については、Qの出現によって判断を行う。本願のQは、Q=0、すなわち、150℃まで昇温させ、完全融解したポリエステル樹脂組成物を25℃まで急冷固化させたのち、25℃で保持時間を、0.016≦Tr≦10とした場合に、Qの出現のパターンとしては、以下のようなものが挙げられる。
1) 0.016≦Tr<0.16の範囲でQ1が出現する。
2) 0.16≦Tr<1の範囲でQ2が出現する。
3) 1≦Tr≦10の範囲でQ3が出現する。
【0048】
一般的にQの大きさは、Q1<Q2<Q3(ただし、Q≦10)であり、本願発明においては、次式(I)のような関係を有することが必要である。
Q/Tr≦1 (I)
【0049】
なお、Q1<Q2<Q3とは、本願発明のポリエステル樹脂を一旦非晶状態にした後、Tgよりも高い温度、すなわち25℃で保持した場合の結晶性の程度、結晶化するまでの時間を示しているのであり、時間の経過とともに、結晶性の程度が高まることを示している。本願発明のポリエステル樹脂を用いたポリエステル系接着剤は、時間の経過に対する結晶性の程度の変化、すなわち、(I)式で示される結晶化速度Q/Trが1以下であることが、接着剤材料用ポリエステル樹脂として優れた接着性能を有すると判断した。
【0050】
接着剤材料用ポリエステル樹脂としては、被着体/被着体間に接着剤材料用ポリエステル樹脂を塗布した後、短時間で結晶化することは、結晶収縮を引き起こし内部応力が溜まり、その結果、界面剥離を起こしやすく接着性を低下せしめる結果となることがある。また、樹脂の粘着性能が低下し、また、オープンタイムも短くなる傾向があるため、被着体に対し十分なヒートシール性(接着性)が得られない結果となる。いずれにしても、ヒートシール後の接着性が低下することになる。
【0051】
一方で、非晶性の場合は接着性は良好となるが、Tg以上で樹脂は動き出し、軟化しはじめ、所望とする耐熱性は得られない。
【0052】
そこで、本願発明のポリエステル樹脂は、接着に適したオープンタイム、粘着性による接着性と適度な微結晶性を有することによる耐熱性の両立を図るために、結晶性の程度、結晶化するまでの時間の規定を行った。すなわち、150℃まで昇温させ、完全融解したポリエステル樹脂組成物を25℃まで急冷固化させたのち、25℃で保持し、再び結晶化するまでの25℃保持時間Tr[h]が、0.016≦Tr≦10の範囲で、Q≦10であり、Q/Tr≦1の関係を有することが必要である。
【0053】
このような特性を有することで、被着体に対して十分にヒートシールすることができ、また、ヒートシール後に適度な速度で微結晶化が進行することで、被着部に内部歪が生じることなく経時による接着強度低下を引き起こすことがなく、適度な微結晶性によって、耐熱性を向上することができる。
【0054】
本発明の共重合ポリエステル樹脂の分子量は、数平均分子量で好ましくは7000〜100000で、より好ましくは10000〜70000であり、最も好ましくは20000〜50000である。分子量が7000より低くなると、凝集力が低くなり、分子量が100000より高くなると溶剤溶解性が低下するため好ましくない。
【0055】
必要な原料を反応缶に投入した後、180℃以上でエステル化反応を4h以上行う必要があり、190℃以上、5h以上が好ましく、200℃以上、5h以上が最も好ましい。180℃未満の場合、また4h未満では、テレフタル酸残基とイソフタル酸、直鎖脂肪族ジカルボン酸がランダムに共重合されずブロック性が残る場合があり、結晶性が高くなり接着性や溶解性が低下するため好ましくない。
【0056】
エステル化反応を行った後、公知の方法により重縮合させることにより製造することができ、例えば、130Pa以下の減圧下に220〜280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めて共重合ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0057】
本発明では、重合触媒として、エステル化反応および重縮合反応の際には、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物を用いて重合をおこなうことができる。その際の触媒使用量は、酸成分1モルに対し、0.1×10-4〜20×10-4モル用いるのが好ましい。
【0058】
また、前述の重縮合反応を終了後、多塩基酸成分や多価グリコール成分等を所定量添加し、不活性雰囲気下で、解重合反応を行うことができる。
【0059】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、沸点100℃以下の非エーテル系かつ非ハロゲン系の脂肪族有機溶剤に溶解させることができる。沸点100℃以下の非エーテル系かつ非ハロゲン系の脂肪族有機溶剤としては、メチルエチルケトン、エチルアルコール、メチルアルコール、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、2-ブタノール、2−メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、アセトン、セロソルブ、メチルセロソルブ等が挙げられる。これらの有機溶剤の混合物でもかまわない。中でも、メチルエチルケトン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2-ブタノール、2−メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、アセトン、酢酸エチルが好ましく、さらにメチルエチルケトンが好ましい。
【0060】
樹脂濃度は全体の10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。
【0061】
溶液粘度はB型粘度計で25℃で測定した場合、5000mPa・s以下が好ましく、4000mPa・s以下がより好ましく、3000mPa・s以下がさらに好ましく、2000mPa・s以下が最も好ましい。5000mPa・sを超えた場合、加温した状態で使用する必要が生じ、取り扱い時に不具合を生じる場合がある。
【実施例】
【0062】
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0063】
(1)共重合ポリエステル組成
NMR測定装置(日本電子社製JNM-LA400型)を用いて、1H-NMR測定を行い、それぞれの共重合成分のピーク強度から組成を求めた。共重合ポリエステルの組成を測定するための測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
【0064】
(2)共重合ポリエステルの数平均分子量
紫外可視分光光度計(島津製作所製SPD−6AV型)および送液ユニット(島津製作所製LC−10ADvp型)を用いて、GPC分析(検出波長:254nm、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により求めた。
【0065】
(3)共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)
共重合ポリエステル10mgをサンプルとし、示差走査熱量計[DSC](パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC型)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定を行った。2ndスキャンの昇温曲線中のガラス転移温度(補外ガラス転移開始温度)をTgとした。
【0066】
(4)共重合ポリエステル樹脂の融解熱量(Q)
共重合ポリエステル10mgをサンプルとし、示差走査熱量計[DSC](パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC型)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定を行った。2ndスキャンにおいての吸熱ピークの融解熱量をQとした。測定は、常温より昇温を開始し、150℃で3分保持した後、25℃まで急冷し、25℃で最大10時間保持した際の、2ndスキャンの吸熱ピーク面積を融解熱量Qとして求めた。単位はJ/gである。
【0067】
(5)共重合ポリエステル樹脂の軟化点(Ts)
共重合ポリエステルを巾2mm、長さ30mmに切り出し、熱機械分析装置(TAインスツルメンツ社製TMA2940型)のプローブに挟み込み、窒素雰囲気下で177mNの力をかけて-50℃から2℃/minの昇温速度で昇温させ測定を行った。現れた変曲点について接線を引いた交点の温度を軟化点Tsとして求めた。
【0068】
(6)溶解性
樹脂9gにメチルエチルケトンを投入して全体を30gとし、55℃で暖めつつ攪拌溶解させた後、B型粘度計のセルに液を移し、雰囲気温度を25℃の中でセルをB型粘度計にセットし、ローターを回転させ、20〜40分後の1mPa・s/分以下の変動に落ち着いた時点での溶液粘度を読み取った。5000mPa・s以下を合格とした。
【0069】
(7)接着性
樹脂が20wt%濃度になるようにメチルエチルケトンに溶解させ、その溶解液を100μmのPETシートの非コロナ面にバーコーターを用いて塗布したのち、100℃で2分間熱処理し、厚さ約30μmの接着剤が付着したラミネート用シートを作製した。このラミネート用シートを折り曲げ、ラミネーター(フジプラ社製ラミパッカーLPD330型)を用いて、150℃でコート面同士をラミネートした。得られたラミネートシートを25cm巾にし、室温で24h以上放置した後、5Nの力でT字剥離試験を行い、剥離すれば不合格、剥離しなければ合格とした。
【0070】
参考例1(Co-PBTの作成)
重合釜に、重合後の組成がテレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオール80モル%、ポリトリメチレングリコール20モル%になるように、テレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール80モル%、ポリトリメチレングリコール1000(分子量1000)を仕込み、常法によりエステル交換反応、ついで重縮合反応を行い、数平均分子量が20000のポリトリメチレングリコールが20モル%共重合されたポリブチレンテレフタレート(P−1)を得た。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
参考例2(PHTの作成)
重合釜に、テレフタル酸100モル%、1,6−ヘキサンジオール100モル%になるように、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジオールを仕込み、常法によりエステル化反応、ついで重縮合反応を行い、数平均分子量が8000のポリヘキサメチレンテレフタレート(P−2)を得た。その結果を表1に示す。
【0073】
参考例3(PBTの作成)
重合釜に、テレフタル酸100モル%、1,4−ブタンジオール100モル%になるようにテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを仕込み、常法によりエステル交換反応を行い、数平均分子量が1800のポリブチレンテレフタレート(P−3)を得た。その結果を表1に示す。
【0074】
実施例1
セグメント(B)の組成比が酸成分として、テレフタル酸23.5モル%、イソフタル酸40モル%、セバシン酸24モル%、アルコール成分として、ブタンジオール87.5モル%となるようにエステル化反応缶に投入し、さらに参考例1で得た(P−1)を12.5モル%をエステル化反応缶に投入し、アンカー翼の攪拌機で100rpmの回転数で攪拌しながら、0.25MPaの制圧下で250℃で5時間エステル化を行った後、重縮合缶へ移送して、重合触媒としてテトラブチルチタネートを、0.04モル%添加して240℃で重縮合反応を行い、所定の粘度で攪拌を止めて、共重合ポリエステル樹脂を払い出した。
【0075】
用いたテレフタル酸は、総量で36モル%、ブタンジールは、総量97.5モル%であった。得られた共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量は25000、軟化点は85℃、ガラス転移点は-25℃、Q/Trは0.8であった。NMRで分析したところ、共重合ポリエステル樹脂の樹脂組成は表1に示すとおりであり、また、仕込みモノマーと(P−1)は、ブロック共重合体を生成しており、メチルエチルケトンに溶解後、PETシートに塗布し、接着性の評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0076】
【表2】

【0077】
実施例2〜5
使用モノマー、仕込みモル比を変更し、実施例1と同様の操作を行って、共重合ポリエステルを得た。得られたポリエステルの樹脂組成と特性を表2に示す。
【0078】
比較例1〜5
使用モノマー、仕込みモル比を変更し、実施例1と同様の操作を行って、共重合ポリエステルを得た。得られたポリエステルの樹脂組成と特性を表3に示す。
【0079】
【表3】

【0080】
実施例1〜5は、本発明の規定に従って接着剤材料用ポリエステル樹脂を作ったため、溶解性、接着性に優れた接着剤が得られた。
【0081】
比較例1は、イソフタル酸を分子鎖中に導入しなかったため、溶解性が不合格となった。
【0082】
比較例2は、直鎖脂肪族ジカルボン酸を分子鎖中に導入しなかったため、結晶性が低下し軟化点が低下した。
【0083】
比較例3は、エステル化温度、時間共に不足したため、樹脂結晶性が高くなり、接着性試験において、界面剥離を起こし接着性は不合格となった。テレフタル酸残基含有原料であるTPA/BD/PTMG=100/80/20(モル%)の組成からなる樹脂が十分に解重合されなかったため結晶性が高くなったと推定する。
【0084】
比較例4は、ガラス転移温度が高く、接着性が低下した。
【0085】
比較例5は、炭素数4以上の直鎖脂肪族グリコールの共重合割合が少なく、軟化点が低下した。



































【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ポリエステルセグメント(A)、および芳香族ポリエステルセグメント(B)からなるポリエステルブロック共重合体であって、
(a);芳香族ポリエステルセグメント(A)が20モル%以上のテレフタル酸であるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールであるジオール単位からなり、
(b);芳香族ポリエステルセグメント(B)が20モル%以上のイソフタル酸、20モル%以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸からなるジカルボン酸単位、および50モル%以上のブタンジオールからなるジオール単位からなり、
JIS−K7121に従い測定されるガラス転移温度が−10℃未満であり、かつ、下記一般式(I)を満足することを特徴とする接着剤材料用ポリエステル樹脂。
【数1】

ここで、150℃まで昇温し、融解したポリエステル樹脂を25℃まで急冷固化させたのち、25℃で保持し、再び結晶化するまでの25℃保持時間[h]をTr、また、Tr時間保持した後の結晶融解熱量[J/g]をQとする。ただし、Q≦10、0.016≦Tr≦10である。
【請求項2】
あらかじめ、芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体を製造した後、前記芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体に対し、芳香族ポリエステルセグメント(B)を構成するモノマー成分を混合し、釜内温度180℃以上で3時間以上攪拌し、芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成成分とする重合体と、芳香族ポリエステルセグメント(B)を構成するモノマー成分を重縮合することを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤材料用ポリエステル樹脂の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の接着剤材料用ポリエステル樹脂を、沸点100℃以下の脂肪族有機溶剤に溶解させることを特徴とするポリエステル系接着剤の製造方法。
【請求項4】
沸点100℃以下の脂肪族有機溶剤がメチルエチルケトンである請求項3に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載のポリエステル系接着剤の製造方法より得られるポリエステル系接着剤。



【公開番号】特開2010−159331(P2010−159331A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1625(P2009−1625)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】