説明

接着性樹脂組成物および接着性フィルム

【課題】 本発明は、押出しラミネートによるフィルム化においてロールリリース性やブロッキング性の問題がなく、ガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などの難接着性材料に対する接着性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)1〜98重量%、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)(ただし、共重合体(A)である場合を除く)1〜98重量%、および粘着付与樹脂(C)1〜30重量%からなることを特徴とする接着性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出しラミネートによるフィルム化においてロールリリース性やブロッキング性の問題がなく、ガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などに対する接着性に優れる樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などに対する接着性に優れる樹脂組成物としてはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体やエチレン−不飽和エステル共重合体ケン化物、エチレン−α・オレフィンに不飽和カルボン酸あるいはその誘導体をグラフトした変性物、エチレン−不飽和エステル共重合体に不飽和カルボン酸あるいはその誘導体をグラフトした変性物などの極性基を有するエチレン系重合体、エポキシ基を含有するエチレン系共重合体などが用いられることが多かった。しかし、これら上記樹脂組成物では十分な接着強度が得られにくいという問題を有している。
【0003】
また、酸価が高い粘着付与樹脂をエチレン−不飽和エステル共重合体のようなエチレン系共重合体に配合した樹脂組成物もガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などに対する接着性を有するがその接着強度が十分とは言い難い。
【0004】
近年、多様な性能を付与したフィルムがあり、それら様々なフィルムに塗工でき、実用上問題のないラミネート強度を得ることができる接着性樹脂が求められている。特に、アルミニウムなどの金属、アルミナなどの金属酸化物、シリカなど無機酸化物を蒸着した面に直接ラミネートでき、その接着性樹脂が積層してあるフィルムがガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などに対する接着性を有したものは非常に有用である。
【0005】
特許文献1には、エポキシ基含有エチレン共重合体50〜99.5重量%、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレンビニルエステル共重合体から選ばれた少なくとも1種0.5〜50重量%からなる樹脂組成物が提案されている。しかし、粘着付与樹脂が混合されておらず、上記組成物では本発明が目的とする十分な接着強度は得られない。
【0006】
特許文献2には、ポリエステル樹脂層とエポキシ基含有オレフィン系重合体層もしくは該エポキシ基含有オレフィン系重合体を含有するオレフィン系重合体組成物との少なくとも2層からなる多層構造体において、該エポキシ基含有オレフィン系重合体がオレフィンと不飽和グリシジル基含有単量体との共重合体またはオレフィンと不飽和グリシジル基含有単量体およびエチレン系不飽和単量体との共重合体である多層構造体が提案されている。しかし、粘着付与樹脂が混合されておらず、上記組成物では本発明が目的とする十分な接着強度は得られない。
【0007】
特許文献3には、エポキシ基を含有するエチレン系共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系共重合体あるいはさらに上記エチレン系共重合体以外のエチレン系共重合体からなる接着性樹脂組成物が提案されている。しかし、粘着付与樹脂が混合されておらず、上記組成物では本発明が目的とする十分な接着強度は得られない。
【0008】
特許文献4には、エポキシ基、ジカルボン酸基およびカルボン酸基から選ばれた1種または2種以上の官能基を含有するエチレン系共重合体(A)と(メタ)アクリル酸エステル系重合体(B)あるいはさらに上記エチレン系共重合体(A)以外のエチレン系重合体(C)からなる接着性樹脂組成物が提案されている。しかし、粘着付与樹脂が混合されておらず、上記組成物では本発明が目的とする十分な接着強度は得られない。
【0009】
【特許文献1】特開平3−142236号公報
【特許文献2】特開昭61−25837号公報
【特許文献3】特開昭57−153064号公報
【特許文献4】特開平1−41667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、押出しラミネートによるフィルム化においてロールリリース性やブロッキング性の問題がなく、ガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などの難接着性材料に対する接着性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)1〜98重量%、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)(ただし、共重合体(A)である場合を除く)1〜98重量%、および粘着付与樹脂(C)1〜30重量%からなることを特徴とする接着性樹脂組成物に関する。
【0012】
更に本発明は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート由来の部分を共重合体(A)全体の3重量%以上20重量%以下含むことを特徴とする上記接着性樹脂組成物に関する。
【0013】
更に本発明は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)が、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−不飽和エステル共重合体(A’)であって、不飽和エステル由来の部分を共重合体(A)全体の0.1重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする上記接着性樹脂組成物に関する。
【0014】
更に本発明は、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする上記接着性樹脂組成物に関する。
【0015】
更に本発明は、粘着付与樹脂(C)が、石油系粘着付与樹脂であることを特徴とする上記接着性樹脂組成物に関する。
【0016】
更に本発明は、JIS K 7210に準拠して測定されるメルトフローレイトが、3〜100g/10分である上記接着性樹脂組成物に関する。
【0017】
更に本発明は、基材上に、上記接着性樹脂組成物を積層してなる接着性フィルムに関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、押出しラミネートにおけるフィルム化においてロールリリース性やブロッキング性の問題がなく、ガラスや塩化ビニル、ポリエステル系材料などに対する良好な接着性を有する樹脂組成物を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明における樹脂組成物は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)(ただし、共重合体(A)である場合を除く)、粘着付与樹脂(C)を含んでなる接着性樹脂組成物である。
【0020】
本発明におけるエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)は、エチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、および、必要に応じて、さらに不飽和エステルを共重合したものである。
共重合体(A’)の不飽和エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。不飽和エステルは、2種以上用いても良い。
【0021】
本発明におけるエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A’)は上記いずれの種類の不飽和エステル単量体を含有していてもよいが、酢酸ビニルやアクリル酸メチルなどが好適である。さらに、酢酸ビニルが好適である。
通常入手可能なエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)のメルトフローレイトは3g/10分以上100g/10分以下である。好ましくは3g/10分以上30g/10分以下、より好ましくは3g/10分以上10g/10分以下である。メルトフローレイトはJIS K 7210に準拠して測定される、190℃、2160g荷重での10分間の流出量(g/10分)である。
共重合体(A)中のグリシジル(メタ)アクリレート由来の部分は、共重合体(A)全体に対して3重量%以上20重量%以下である。好ましくは5重量%以上15重量%以下、より好ましくは6重量%以上12重量%以下である。グリシジル(メタ)アクリレート由来の部分が3重量%未満では接着性が不足することがある。20重量%より多い場合では押出しラミネートにおいてロールリリース性が不良となり、フィルム化したものはブロッキング性に劣っていることがある。
【0022】
共重合体(A’)中の不飽和エステル由来の部分は、共重合体(A’)全体に対して0.1重量%以上30重量%以下、好ましくは0.1重量%以上15重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上5重量%以下である。
【0023】
接着性樹脂組成物全体に占める、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体共重合体(A)の配合量は1重量%以上98重量%以下である。好ましくは5重量%以上50重量%以下である。より好ましくは10重量%以上30重量%以下である。配合量が1重量%以下では接着性が不十分となり、98重量%以上では接着性への効果がない。
【0024】
本発明におけるエチレン−不飽和エステル共重合体(B)は、エチレン、および、不飽和エステルを共重合したものである。
共重合体(B)の不飽和エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。不飽和エステルは、2種以上用いても良い。ただし、グリシジル(メタ)アクリレートを除く。
【0025】
本発明におけるエチレン−不飽和エステル共重合体(B)は上記いずれの種類の不飽和エステル単量体を含有していてもよいが、酢酸ビニルやメタクリル酸メチルが好適である。さらに、酢酸ビニルが好適である。通常入手可能なエチレン−不飽和エステル共重合体(B)のメルトフローレイトは3g/10分以上100g/10分以下である。好ましくは3g/10分以上30g/10分以下、より好ましくは3g/10分以上10g/10分以下である。メルトフローレイトはJIS K 7210に準拠して測定される、190℃、2160g荷重での10分間の流出量(g/10分)である。
共重合体(B)中の不飽和エステル由来の部分は、共重合体(B)全体に対して3重量%以上20重量%以下である。好ましくは3重量%以上15重量%以下、より好ましくは3重量%以上10重量%以下である。3重量%未満では接着性が不足することがある。20重量%より多い場合では押出しラミネートにおいてロールリリース性が不良となり、フィルム化したものはブロッキング性に劣っていることがある。
【0026】
接着性樹脂組成物全体に占める、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)の配合量は1重量%以上98重量%以下である。好ましくは50重量%以上95重量%以下である。より好ましくは70重量%以上90重量%以下である。配合量が1重量%以下では接着性が不十分となり、98重量%以上では接着性への効果がない。
【0027】
本発明における粘着付与樹脂(C)としては、ロジン、ロジン誘導体(水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル(アルコール、グリセリン、ペンタエリストールなどのエステル化ロジンなど))、テルペン(α―ピネン、β―ピネン)樹脂、テルペンフェノール樹脂、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合系(C5/C9系)石油樹脂、水素添加石油樹脂(脂環族系石油樹脂)、DCPD系石油樹脂(脂環族系石油樹脂)、ピュアーモノマー系石油樹脂(スチレン系、置換スチレン系石油樹脂)、クマロン・インデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂等があげられ、単独でもしくは2種類以上を組み合わせて用いられる。この中でも脂環族系石油樹脂が好適に用いられる。粘着付与樹脂(C)の配合量は1重量%以上30重量%以下である。好ましくは、3重量%以上20重量%以下であり、より好ましくは5重量%以上10重量%以下である。
【0028】
本発明において使用される粘着付与樹脂(C)の軟化点は60℃以上150℃以下である。好ましくは80℃以上135℃以下であり、更に好ましくは90℃以上120℃以下である。60℃未満では単層あるいは多層フィルムにした場合にブロッキングが起こりやすく、150℃より高いと接着強度が得難くなってしまう。
【0029】
本発明における接着性樹脂組成物のメルトフローレイトは、3g/10分以上100g/10分以下である。好ましくは5g/10分以上50g/10分以下、より好ましくは5g/10分以上30g/10分以下である。メルトフローレイトが3g/10分以下あるいは100g/10分以上であると押出しラミネートによるフィルム化が困難なものになりやすい。
【0030】
本発明における接着性フィルムをガラス、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等と貼り合せた後に熱処理を行なうと接着強度がより高くなる。その熱処理条件としては、雰囲気温度130℃以上、保持時間20秒以上である。好ましくは雰囲気温度130℃以上250℃以下、保持時間20秒以上600秒以下である。より好ましくは雰囲気温度150℃以上230℃以下、保持時間30秒以上300秒以下である。最も好ましくは雰囲気温度160℃以上200℃以下、保持時間30秒以上180秒以下がよい。雰囲気温度130℃以下、保持時間20秒以下では25N/15mm以上の接着強度が得難い。雰囲気温度250℃以上、保持時間600秒以上では材料や接着性フィルムが劣化しやすい。雰囲気温度によって保持時間は適宜調整した方がよい。
【0031】
他の添加剤として、必要により各種のものが使用可能である。例えば着色剤やブロッキング防止剤、酸化防止剤などである。着色剤としては酸化チタンなどが挙げられる。ブロッキング防止剤としてはシリコーン、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、ステアリン酸アミドやベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミドなどが挙げられる。酸化防止剤としては、高分子量ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体、高分子量ヒンダード・フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、2、2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、4、4−メチレン−ビス−(2、6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2、6−ジ−第三−ブチルフェノール−p−クレゾール、2、5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2、2、4−トリメチル−1、2−ジヒドロキノン、2、2、4−トリメチル−1、2−ジヒドロキノン、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、4、4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール。
【0032】
この接着性樹脂を押出しラミネートする場合、金属、金属酸化物、無機酸化物に直接ラミネートすることが望ましいが、さらにラミネート強度を向上させるためにアンカーコート剤を使用してもよい。ただし、近年の環境への配慮からアンカーコート剤は有機溶剤系以外のものを使用したほうがよい。また、オゾン処理やコロナ放電処理、フレーメ処理などによりラミネート強度を向上させることも可能である。
【実施例】
【0033】
以下に本発明を具体的に示す。%は、特に断らない限り、重量%である。
<接着性樹脂組成物の作成方法>
表1に示した、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(以下、グリシジル(メタ)アクリレート基をGMAと略記する場合がある)、エチレン−不飽和エステル共重合体、粘着付与樹脂および各種添加剤をヘンシェルミキサーで5分間プリブレンドした。ホッパーにプリブレンド物を投入し、スクリューフィーダを用いて押出機に供給し樹脂組成物を作成した。
押出機;アイ・ケー・ジー社製同方向回転二軸押出機PMT32−40.5
バレル温度:160℃(供給口100℃)
スクリュー回転速度:200rpm
供給速度:20kg/hr
【0034】
<積層フィルムの作成方法>
押出しラミネーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(12μm)/低密度ポリエチレン(20μm)の基材フィルムに厚さ30μmで樹脂組成物を積層し積層フィルムを作成した。積層フィルム化可:○、積層フィルム化不可:×とした。以下に加工条件を示した。
押出しラミネーター:ムサシノキカイ製400M/MテストEXTラミネーター
ダイ直下樹脂温度:200〜240℃(樹脂組成物のMFR等により適宜調整した)
加工速度:30m/分
Tダイ幅:400mm
冷却ロール表面温度:20℃
【0035】
<エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)>
GMA−1:ボンドファースト2C(住友化学工業社製、GMA含有量6%、MFR3g/10分)
GMA−2:ボンドファーストE(住友化学工業社製、GMA含有量12%、MFR3g/10分)
GMA−3:ボンドファースト7B(住友化学工業社製、GMA含有量12%、酢酸ビニル含有量5%、MFR7g/10分)
GMA−4:ボンドファースト7L(住友化学工業社製、GMA含有量3%、アクリル酸メチル含有量27%、MFR7g/10分)
GMA−5:ボンドファーストCG5004(住友化学工業製、GMA含有量19%、MFR250g/10分)
<エチレン−不飽和エステル共重合体(B)>
E−1:ウルトラセン541(東ソー社製、酢酸ビニル含有量10%、MFR9g/10分)
E−2:ウルトラセン625(東ソー社製、酢酸ビニル含有量15%、MFR14g/10分)
E−3:アクリフトWD301(住友化学工業社製、MMA含量10%、MFR7g/10分)
<粘着付与樹脂(C)>
TF−1:アルコンP−125(荒川化学工業社製、軟化点125±5℃)
TF−2:リカタック4851(理化ファインテク社製、軟化点100±5℃)
<添加剤>
酸化防止剤:IRGANOX 1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
ブロッキング防止剤:インクロスリップC(クローダ社製)
【0036】
<初期接着強度の測定方法>
積層フィルムを15mm幅に断裁したものとガラス板、塩化ビニル板、ポリエチレンテレフタレート板、アルミ板それぞれとを140℃×0.3MPa×2秒でヒートシールし、24時間放置後、引張強度試験機で180度角剥離、引張速度200mm/分、23℃−65%RH雰囲気下で接着強度を測定した。25N/15mm以上:◎、15〜20N/15mm:○、10〜15N/15mm:△、10N/15mm以下:×とした。
引張強度試験機:オリエンテック社製テンシロンRTA−100型
【0037】
<熱処理後の接着強度の測定方法>
積層フィルムを15mm幅に断裁したものとガラス板、塩化ビニル板、ポリエチレンテレフタレート板、アルミ板それぞれとを140℃×0.3MPa×2秒でヒートシールし、180℃雰囲気のオーブン中で180秒保持し、24時間放置後、引張強度試験機で180度角剥離、引張速度200mm/分、23℃−65%RH雰囲気下で接着強度を測定した。25N/15mm以上:◎、15〜20N/15mm:○、10〜15N/15mm:△、10N/15mm以下:×とした。
引張強度試験機:オリエンテック社製テンシロンRTA−100型
【0038】
表1および表2より明らかなように、重合体(A)と重合体(B)が共存し、さらに、粘着付与樹脂(C)が存在している場合に、すべての物性が良好であった。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)1〜98重量%、エチレン−不飽和エステル共重合体(B)(ただし、共重合体(A)である場合を除く)1〜98重量%、および粘着付与樹脂(C)1〜30重量%からなることを特徴とする接着性樹脂組成物。
【請求項2】
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート由来の部分を共重合体(A)全体の3重量%以上20重量%以下含むことを特徴とする請求項1記載の接着性組成物。
【請求項3】
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(A)が、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−不飽和エステル共重合体(A’)であって、不飽和エステル由来の部分を共重合体(A)全体の0.1重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする請求項1または2記載の接着性樹脂組成物。
【請求項4】
エチレン−不飽和エステル共重合体(B)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の接着性樹脂組成物。
【請求項5】
粘着付与樹脂(C)が、石油系粘着付与樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の接着性樹脂組成物。
【請求項6】
JIS K 7210に準拠して測定されるメルトフローレイトが、3〜100g/10分である請求項1〜5いずれか記載の接着性樹脂組成物。
【請求項7】
基材上に、請求項1〜6いずれか記載の接着性樹脂組成物を積層してなる接着性フィルム。

【公開番号】特開2010−84114(P2010−84114A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276127(P2008−276127)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(591004881)東洋アドレ株式会社 (51)
【Fターム(参考)】