説明

接着細胞数の計測方法および該方法を用いた薬剤効果試験方法

【課題】簡便で経済的な細胞数の計測方法、および、該計測方法を用いた薬剤効果の試験方法を提供する。
【解決手段】基材上で細胞を培養し、該基材に細胞を接着させる工程と、該基材上における培養後、培養開始と同時、または培養前に、薬剤と該細胞を接触させる工程と、培養後に、該基材上から培養液を除くことによって非接着細胞を除く工程と、該培養液を除いた基材を測定用液体中に浸漬し、その電気伝導率を測定する工程と、予め測定された該測定用液体中に存在する細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、計測して得られた接着細胞数に基づいて、該薬剤の毒性または細胞増殖促進効果を判定する工程と、を有することを特徴とする薬剤効果試験方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に接着した細胞数を計測する方法に関し、特に、該計測方法を用いて細胞に対する薬剤の効果を試験する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学物質の毒性を試験するために、動物個体に代わって細胞を用いる方法が行われている。この方法の中には、毒性成分の存在下において細胞の接着能が失われることに基づいて、接着細胞数を計測して毒性を試験する方法がある。
【0003】
従来の接着細胞数の計測は、接着している細胞をタンパク質分解酵素などを使用して剥がし、血球計算板を用いてカウントする方法がとられている(例えば、非特許文献1)。或いは、接着した細胞を蛍光染色した後、その吸光度を測定することによって接着細胞数を計測している(例えば、非特許文献2)。その他、細胞または細胞群が固定されている基板に対して光を照射し、得られた基板の透過光強度の変化に基づいて計測する方法、或いは細胞を蛍光標識し、励起光を照射して得られた蛍光の有無や強度の変化に基づいて計測する方法も開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、血球計算板による接着細胞数のカウントは、接着している細胞を剥がす必要があり操作が煩雑である。そのため、大量のサンプルを処理する際には不適当である。また、接着した細胞を蛍光染色し、その蛍光を測定することによって細胞を計測する方法は、蛍光色素や蛍光プレートリーダーが必要であるため費用がかかり、経済的ではない。
【0005】
他の方法として、電極を有した容器(ウエルプレート等)を準備し、細胞が電極に接着したときの電気抵抗の変化を測定することによっても、細胞の接着に関する測定を行うことが可能である。しかしこの方法では、細胞に直接電流が流れてしまうので、測定すること自体が細胞にとってストレスとなり、正しいデータを得ることが難しかった。また、電極を有した特殊な容器が必要なため、コスト高になっていた。
【特許文献1】特開平11−9297号公報
【非特許文献1】The Journal of Neuroscience, July 1, 1977, 17(13):4987-4993
【非特許文献2】http://iprotocol.mit.edu/protocol/292. htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便且つ経済的に有利な細胞数の計測方法を提供することを目的とする。さらに、この計測方法を用いた、薬剤の細胞に対する効果を試験する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、細胞が浸漬する測定用液体の電気伝導率を測定し、その変化によって細胞数を計測することとした。
【0008】
本発明に拠れば、細胞を接着させる処理を施した基材を測定用液体中に浸漬させ、該測定用液体の電気伝導率を測定する工程と、細胞が存在しない場合の該測定用液体の電気伝導率と比較して、得られた電気伝導率が高ければ、基材に細胞が接着していると判定する工程とを有することを特徴とする、接着細胞検出方法が提供される。
【0009】
また、細胞を接着させる処理を施した基材を測定用液体中に浸漬させ、該測定用液体の電気伝導率を測定する工程と、予め測定された該測定用液体における細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程とを有することを特徴とする、接着細胞数計測方法が提供される。
【0010】
さらに、基材上で細胞を培養し、該基材に細胞を接着させる工程と、培養後に、該基材上から培養液を除くことによって非接着細胞を除く工程と、該培養液を除いた基材を測定用液体中に浸漬し、その電気伝導率を測定する工程と、予め測定された該測定用液体における細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、計測して得られた接着細胞数に基づいて、該細胞の接着能を判定する工程と、
を有することを特徴とする細胞接着能試験方法が提供される。
【0011】
またさらに、基材上で細胞を培養し、該基材に細胞を接着させる工程と、該基材上における培養後、培養開始と同時、または培養前に、薬剤と該細胞を接触させる工程と、培養後に、該基材上から培養液を除くことによって非接着細胞を除く工程と、該培養液を除いた基材を測定用液体中に浸漬し、その電気伝導率を測定する工程と、予め測定された該測定用液体中に存在する細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、計測して得られた接着細胞数に基づいて、該薬剤の毒性または細胞増殖促進効果を判定する工程とを有することを特徴とする薬剤効果試験方法が提供される。ここで該基材は、内部表面に細胞接着性の表面を有する培養容器であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡便で経済的な細胞数の計測方法、および、該計測方法を用いた薬剤効果の試験方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る接着細胞数の計測方法は、基材に接着した細胞数を、その細胞が浸漬する測定用液体の電気伝導率によって計測する方法である。
【0014】
本発明において接着細胞とは、基材に接着している細胞を指す。周知のように、浮遊系以外のほとんどの細胞は接着性を有するが、そのような細胞は何れも被検査細胞として用いることができる。
【0015】
細胞を接着させる基材は、細胞が接着可能な表面を有し、また、電気伝導率の測定に影響しないものであれば何れの形状および材質でもよく、例えばプラスチックやガラスなどを材質とした平板スライド、ウエル、フローセル、マイクロアレイ、キャピラリー等の形状からなる反応用、または培養用の容器を用いてもよい。また、細胞が接着しやすくするために、細胞外基質(ECM)などのような細胞接着性の基剤をコーティングしてもよい。
【0016】
電気伝導率(μS/cm)とは、物質中の電流の流れやすさを表わす量である。電流は、測定用液体中では存在する電解質の量に比例して流れる。従って、測定用液体の電気伝導率を測定することは、測定用液体中の電解質の量を知る目安となる。一般の自然水では、電解質の量は溶解固形分にほぼ比例するため、測定用液体の電気伝導率はその溶解固形分を知る目安にもなる。測定用液体中に細胞が存在すると、細胞自体、および、細胞の呼吸代謝物や接着のための分泌物などにより、その測定用液体の電気伝導率が上昇する。従って、細胞が存在する測定用液体は、細胞が存在しない測定用液体と比較して高い電気伝導率を有する。
【0017】
本発明の実施態様の一つである接着細胞検出方法は、この原理に基づくものであり、基材に細胞が接着しているか否かを検出する方法である。まず、細胞が接着したと思われる基材(被検査体)を測定用液体に浸漬させ、その測定用液体の電気伝導率を測定する。これとは別個に、細胞が接着していない基材を同種の測定用液体に浸漬し、その電気伝導率を測定する。この両者を比較し、被検査体から得られた値が有意に高ければ、基材に細胞が接着していると判定する。
【0018】
測定に用いる測定用液体は、電気伝導率の測定に適したものであれば何れのものでもよい。しかしながら、揮発や劣化が少ないという観点から、水を主成分とした液体が好ましく、測定精度を良好にするという観点を加えると、バックグラウンドが低く抑えられるもの、即ち、電解質の含有量が少ない水溶液が更に好ましい。純水や超純水も好適に用いることができる。
【0019】
次に、本発明の実施態様の一つである接着細胞数計測方法について記載する。これは、上記の接着細胞検出方法を応用したものであり、接着した細胞の存在を検出するだけではなく、その細胞数を計測する方法である。ここで、細胞数とは、接着している細胞を仮に測定用液体に懸濁させたとした場合の細胞密度(個/ml)を意味する。
【0020】
本実施態様においては、電気伝導率を比較する対照値として、測定用液体における細胞数と電気伝導率の関係を用いる。この関係は、例えば検量線を用いて表してもよい。検量線を作成する方法は、まず、被検査細胞と同一の細胞を培養し、遠心分離などの方法により分離する。この細胞を、電気伝導率を測定するための測定用液体に再懸濁させ、細胞密度の異なる懸濁液を調整する。この各懸濁液の電気伝導率を測定することによって、細胞数と電気伝導率の相関を示す検量線を作成することができる。検量線は、各計測時に作成してもよいが、予め作成しておいてもよい。
【0021】
本発明の実施態様のひとつである接着細胞数計測方法は、上述の細胞検出方法と同様に被検査体から電気伝導率を測定し、検量線に基づいて測定用液体中に含まれる細胞数を決定することにより、接着細胞数を計測することができる。
【0022】
なお、このような接着細胞計測方法において用いられる細胞、基材、測定用液体などは、上記細胞検出方法と同様のものが使用可能である。
【0023】
次に、本発明の実施態様の一つである細胞接着能試験方法について記載する。これは上記の接着細胞数計測方法を応用したものであり、細胞の接着能の変化を検出するものである。
【0024】
細胞は、同種の細胞であっても環境によって性質が異なることもあり得る。例えば、同じ組織の細胞であっても、障害を有する組織か健常な組織かで、或いは被験体が薬剤を服用しているか否かで、細胞の性質に変化が生じることも考えられる。その性質の変化を検出する方法の一つとして、細胞の接着能を試験する方法が有効に用いられる。
【0025】
本発明に係る細胞接着能試験方法では、まず、基材上で細胞を培養し、基材に細胞を接着させる。これは、例えば基材を培養容器の底に置いて培養することによって、その上面に細胞を接着させることができる。しかしながら、細胞培養容器を基材として用い、培養容器に細胞を直接接着させる方法が簡便である。
【0026】
培養容器としては、何れの材質、形状、および容積のものでもよいが、例えばウェルプレートのような、細胞培養用のプレートを用いてもよい。但し、測定に影響を与えないよう、電気伝導率の低いものであるのが好ましい。このプレートやその他の培養容器は、上述したようにECMなどの細胞接着性基剤をコーティングしてもよい。
【0027】
以下に、培養容器としてECMでコーティングした24ウェルプレートを用い、これに細胞を直接接着させる実施例の説明をする。まず、ウェル中で被検査細胞を培養する。各ウェルは、複数の同一サンプルを同時に試験してもよいが、複数の異なるサンプルを同時に試験してもよい。
【0028】
ウェル中で培養することによって、接着能を有する細胞はウェルの表面に接着し、接着能を持たない細胞は培養液中に残存する。従って、培養後に培養液を除くことによって、非接着細胞をウェルから取り除くことができ、ウェル内には接着細胞のみが残される。このウェルに、上述したように電気伝導率の測定に適した測定用液体を加える。この際、測定用液体は、ウェル内に接着している細胞が全て浸漬するに十分な量を加える必要がある。つまりは、培養に用いた培養液の全量以上を加えなければならない。
【0029】
次いで、ウェル内の測定用液体の電気伝導率を測定する(図1)。測定した値から、上述の方法と同様に予め作成された細胞数と電気伝導率との関係、例えば検量線に基づいて、ウェル内に接着した細胞数を計測する。
【0030】
被検査細胞と比較する対照となる細胞を用いて同様の試験を行い、その細胞数を計測する。被検査細胞および対照細胞の両者の接着細胞数を比較し、接着細胞数が異なっていれば、被検査細胞が有する接着能に変化が生じていると判定することができる。
【0031】
次に、本発明の実施態様の一つである薬剤効果試験方法について記載する。これは上記の細胞接着能試験方法を応用したものであり、薬剤が細胞に及ぼす効果を試験する方法である。
【0032】
薬剤が細胞に及ぼす影響には種々のものがあるが、その一つに接着能の変化が挙げられる。例えば薬剤が毒性を有する場合、細胞の接着能は失われることがある。また、薬剤が細胞にとってプラスの効果を有する場合、接着能が増すことも考えられ、さらには細胞増殖を促進することもあり得る。この場合には、接着細胞数の増加によって、その影響を判定できる。このようなことから、細胞の接着能の変化を検出することにより、薬剤の効果を試験することができる。
【0033】
試験方法としては、上記の接着能試験と同様に、細胞を培養し、基材に接着させる。ここでは、上記方法と同様に24ウェルプレートを基材として用いた実施例を記載する。
【0034】
本試験方法は、被検査細胞と薬剤とを接触させる工程を有する。この接触のタイミングは次の3つに分けられる。1)細胞がウェルに接着した後、ウェル中に薬剤を投与し、引き続き培養する。2)培養開始と同時に薬剤を投与する。これには次の2つの実施方法がある。2a)細胞と薬剤を同時にウェルに投入する。2b)ウェルの表面に薬剤を予め塗布しておく。これは、例えば、ウェルプレートにコーティングする細胞接着性基剤に薬剤を混入しておいてもよい。3)ウェルで細胞を培養する前、すなわち、予め、別容器において細胞を薬剤の存在下で培養し、培養後の細胞をウェルに移す。
【0035】
以上の接触方法は、用いる細胞、薬剤などの諸条件によって適宜選択してよい。また、細胞の培養時間および、薬剤との接触時間なども、それぞれ適切な時間を選択してよい。
【0036】
以上のような方法で細胞を薬剤と接触させることにより、細胞の接着能に変化が生じることがあり得る。例えば元は接着していた細胞が接着能を失って剥がれたり、或いは接着できなかったりすることがあり、その場合は接着細胞数が減少する。反対に、接着能が増す、または接着細胞の増殖が促進され、細胞数が増加するなどの効果も考えられる。
【0037】
ウェルでの培養と薬剤との接触が終了した後、ウェル内の細胞数を測定する。そのために、まずはウェル内に存在する非接着細胞を取り除く必要がある。これは、ウェル内の培養液を取り除くことによって可能である。ウェルから培養液を除いた後、上記と同様に測定用液体を加え、その電気伝導率を測定する。
【0038】
本方法においては、前述の方法と同じく細胞数と電気伝導率の関係を予め求めておき、この関係に基づいて、得られた測定値からウェルに接着した細胞数を計測しても良い。しかしながら、比較対照として、薬剤を処理しない細胞の電気伝導率を同時に試験し、これと比較することによって、薬剤の効果を判定してもよい。
【0039】
さらに、処理する薬剤の濃度を段階的に変化させ、それぞれの条件で同様に試験することによって、薬剤の毒性などの定量を行うことができる。本実施例のように、ウェルプレートなどを用いることによって、各試験槽を微小サイズにすることができ、さらに、複数の条件による試験を同時に行うことができるため、薬剤の毒性定量試験や、上記検量線の作成などを同時に行うことができ、試験を簡便且つ短時間で行うことができる。
【0040】
本発明に係る試験方法において、試験に供する細胞の初期密度は、培養容器の容積、細胞の大きさなどの諸条件によって適宜設定することができる。また、細胞の培養時間も適宜選択することができるが、特に細胞の増殖を観察する場合は、当然ながら細胞の分裂周期より長く培養を行う必要がある。
【0041】
なお、本発明の実施態様における各構成は、各種の変形、変更が可能である。本実施例においては、細胞を接着させるプレートとして24ウェルプレートを用いたが、46、96ウェルなどのようなより小口径のプレート、より大口径のプレート、あるいは培養用フラスコなど、種々の材質、形状、寸法であってよい。また、測定に使用する電気伝導率計は、いずれの型のものでもよいが、測定精度を良好にするために、電気伝導率のわずかな違いも検出可能な高精度の測定器を用いることが好ましい。また、口径の小さな培養容器にも適用可能な形状の電極を有することが好ましい。
【0042】
ところで、悪性の癌細胞などは、転位する際にその接着能を変化させることによって移動を可能にしている。この変化は、転位前には強い接着能が弱まることで、細胞が基底膜から遊離して移動し、転位先で再び接着能が回復するというサイクルをとるものと考えられている。癌細胞に関しては未だ不明な点も多いが、その接着能の変化を調査することで、癌細胞の良性・悪性判断や、その性質の一端の解明に寄与することがあるかもしれず、この点において本発明に係る試験方法は有効であると考えられる。
【0043】
また、癌細胞は、正常細胞と異なり、基材上に二層以上の多層構造を形成する傾向があるので、電気伝導率の有意な値を得ることができるであろう。さらに、予め癌と分かっている細胞を対象として、測定用液体の電気伝導率を測定することにより、薬物投与後、または、手術後の経過観察をインビボで行える可能性もある。
【0044】
また、本発明では電気伝導率を測定したが、増殖が著しい細胞や、或いは分泌する電解質が著しく多い細胞などの場合、例えばpH、又は、電気伝導率によって色が変化する試薬を用いることで、装置を用いずに結果を可視化し、極めて簡便に試験することが可能である。
【0045】
本発明では、測定用液体の電気伝導率を測定するので、細胞に流れる電流は、細胞が電極に接着したときの電気抵抗の変化を測定する場合よりも、極少なく、細胞へのストレスを与えることが非常に少ない。従って、測定そのものに起因する誤差が小さくなるので正しいデータを得ることが可能である。また、電極を有した特殊な容器は不要となり、容器に任意の材質を用いたり、任意の材質をコーティングしたりすることが可能となるので、所望の状態、例えば、生体内に近い状態での測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施態様を示す概略図。
【符号の説明】
【0047】
1…24ウェルプレート、2…電極、3…電気伝導率計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞を接着させる処理を施した基材を測定用液体中に浸漬させ、該測定用液体の電気伝導率を測定する工程と、
細胞が存在しない場合の該測定用液体の電気伝導率と比較して、得られた電気伝導率が高ければ、基材に細胞が接着していると判定する工程と、
を有することを特徴とする、接着細胞検出方法。
【請求項2】
細胞を接着させる処理を施した基材を測定用液体中に浸漬させ、該測定用液体の電気伝導率を測定する工程と、
予め測定された該測定用液体における細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、
を有することを特徴とする、接着細胞数計測方法。
【請求項3】
基材上で細胞を培養し、該基材に細胞を接着させる工程と、
培養後に、該基材上から培養液を除くことによって非接着細胞を除く工程と、
該培養液を除いた基材を測定用液体中に浸漬し、その電気伝導率を測定する工程と、
予め測定された該測定用液体における細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、
計測して得られた接着細胞数に基づいて、該細胞の接着能を判定する工程と、
を有することを特徴とする細胞接着能試験方法。
【請求項4】
基材上で細胞を培養し、該基材に細胞を接着させる工程と、
該基材上における培養後、培養開始と同時、または培養前に、薬剤と該細胞を接触させる工程と、
培養後に、該基材上から培養液を除くことによって非接着細胞を除く工程と、
該培養液を除いた基材を測定用液体中に浸漬し、その電気伝導率を測定する工程と、
予め測定された該測定用液体中に存在する細胞数と電気伝導率との関係に基づき、得られた電気伝導率から接着細胞数を計測する工程と、
計測して得られた接着細胞数に基づいて、該薬剤の毒性または細胞増殖促進効果を判定する工程と、
を有することを特徴とする薬剤効果試験方法。
【請求項5】
前記基材は、内部表面に細胞接着性の表面を有する培養容器である、請求項4に記載の薬剤効果試験方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−187227(P2006−187227A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−733(P2005−733)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】