説明

接続可能なエンドエフェクタ

【課題】細長本体および選択的に接続可能なエンドエフェクタを有する縫合糸を提供すること。
【解決手段】縫合糸が、本明細書中に記載される。この縫合糸は、第一の接続構造体を有する遠位端を備える細長本体;およびこの第一の接続構造体に選択的に接続可能である別のエンドエフェクタを備える。特定の実施形態において、このエンドエフェクタは、このエンドエフェクタから突出する延長部を備え、この延長部は、この第一の接続構造体に選択的に接続可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エンドエフェクタを備える縫合糸を記載し、そしてより特定すると、別のエンドエフェクタに接続可能である接続構造体を有する縫合糸を記載する。
【背景技術】
【0002】
医療用縫合糸は、種々の材料から形成され得、そして無限の用途において使用するために構成され得る。この縫合糸の近位端は、組織に貫入するために、尖った先端を有し得るか、または針を備え得る。使用者は、頻繁に、この縫合糸が組織に通して引かれる際にこの縫合糸がこの組織との係合を維持するように、この縫合糸の遠位端で結び目を結び得る。あるいは、この縫合糸の遠位端は、この縫合糸が組織に通して引かれる際にこの縫合糸がこの組織との係合を維持するための、アンカーまたはエンドエフェクタを備え得る。換言すれば、このエンドエフェクタおよびこの縫合糸は、1つのユニタリ構造体として使用者に提供される。特定の状況において、使用者が異なるサイズまたは形状のエンドエフェクタを選択することが好ましくあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
第一の接続構造体を有する遠位部分を備える細長本体;および
該第一の接続構造体に選択的に接続可能である別のエンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
(項目2)
前記エンドエフェクタが、該エンドエフェクタから突出する延長部を備え、該延長部は、前記第一の接続構造体に選択的に接続可能である、上記項目に記載の縫合糸。
(項目3)
前記延長部が前記エンドエフェクタの近位部分に配置されている、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目4)
前記延長部がタブまたは突出物を備え、そして前記第一の接続構造体が、該タブまたは突出物を受容するような形状にされたスロットを備える、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目5)
前記延長部を前記細長本体に挿入する際に、前記タブまたは前記突出物が前記スロット内に噛み合う、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目6)
前記タブまたは突出物と前記前記スロットとの噛み合いの際に、前記エンドエフェクタの取り外しが防止される、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目7)
前記エンドエフェクタが、組織を通して引かれることを防止するような形状にされている、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目8)
前記エンドエフェクタが、前記細長本体の外径より大きい外径を有する、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目9)
前記エンドエフェクタが、ループおよび結び目からなる群より選択される、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目10)
前記エンドエフェクタが前記第一の接続構造体と嵌合するように協働する、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目11)
前記第一の接続構造体が前記エンドエフェクタを受容するような形状にされている、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目12)
前記第一の接続構造体が前記エンドエフェクタに解放可能に接続される、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目13)
前記細長本体の近位部分に配置された針をさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目14)
前記縫合糸の外側表面に配置された突出物をさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目15)
前記エンドエフェクタが第二の接続構造体を備える、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目16)
前記第一の接続構造体または前記第二の接続構造体が、ボール接続部、ソケット接続部、ねじ山付き接続部、およびフレア接続部からなる群より選択される、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目17)
前記第一の接続構造体と前記第二の接続構造体とがスナップばめ接続部を形成する、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
(項目18)
前記第一の接続構造体が空洞を備える、上記項目のいずれか一項に記載の縫合糸。
【0004】
(摘要)
細長本体および選択的に接続可能なエンドエフェクタを有する縫合糸が提供される。この細長本体は、第一の接続構造体を備え、この第一の接続構造体は、このエンドエフェクタをこの細長本体に接続する。
【0005】
(要旨)
縫合糸が、本明細書中に記載される。この縫合糸は、第一の接続構造体を有する遠位端を備える細長本体;およびこの第一の接続構造体に選択的に接続可能である別のエンドエフェクタを備える。
【0006】
特定の実施形態において、このエンドエフェクタは、このエンドエフェクタから突出する延長部を備え、この延長部は、この第一の接続構造体に選択的に接続可能である。
【0007】
この延長部は、タブまたは突出物をさらに備え得、そしてこの第一の接続構造体は、これらのタブまたは突出物を受容するような形状にされたスロットを備える。これらのタブまたは突出物は、この細長本体へのこの延長部の挿入の際に、これらのスロット内に噛み合い得、このエンドエフェクタの取り外しを防止し得る。
【0008】
このエンドエフェクタは、組織を通して引かれることを防止するような形状にされ、そしてある実施形態において、このエンドエフェクタは、この細長本体の外径より大きい外径を有する。このエンドエフェクタは、ループまたは結び目を備え得る。いくつかの実施形態において、このエンドエフェクタは、第二の接続構造体を備え得る。
【0009】
第一の接続構造体または第二の接続構造体は、ボール接続部、ソケット接続部、ねじ山付き接続部、およびフレア接続部からなる群より選択され得る。第一の接続構造体または第二の接続構造体は、スナップばめ接続部を形成し得る。
【0010】
本開示の縫合糸は、エンドエフェクタを受容するような形状にされた第一の接続構造体を備える。例えば、第一の接続構造体は、空洞を備え得る。いくつかの実施形態において、このエンドエフェクタは、この第一の接続構造体と嵌合して協働する。この第一の接続構造体はまた、このエンドエフェクタに取り外し可能に接続され得る。
【0011】
さらに、本明細書中に記載される縫合糸は、この細長本体の近位部分に配置された針を備え得る。他の実施形態において、縫合糸は、その外側表面に配置された突出物を備え得る。
【0012】
さらに、縫合糸の製造者は、縫合糸自体とは別体であるエンドエフェクタを製造することが有利であり得る。このことは、一緒に接続され得る縫合糸とエンドエフェクタとのより多くの組み合わせを可能にする。
【0013】
一般に、種々のエンドエフェクタが縫合糸と交換可能に接続されることを可能にするための接続構造体を備える縫合糸を提供することが有利である。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特徴は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解される。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、細長本体および選択的に接続可能なエンドエフェクタを有する縫合糸が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態に従う結ばれたエンドエフェクタの側面図である。
【図2】図2は、本開示の別の実施形態に従うループ状エンドエフェクタの側面図である。
【図3】図3A〜図3Mは、本開示の他の実施形態に従う種々のエンドエフェクタを図示する。
【図4】図4A〜図4Cは、本開示に従う縫合糸の1つの実施形態の斜視図である。
【図5】図5は、本開示に従う縫合糸の別の実施形態の斜視図である。
【図6】図6A〜図6Iは、本開示に従う種々の接続構造体を図示する。
【図7】図7A〜図7Cは、本開示に従う縫合糸の別の実施形態の、それぞれ斜視図、上面図および側面図である。
【図8】図8は、本開示に従う第二の接続構造体の別の実施形態である。
【図9】図9は、本開示に従う縫合糸の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、第一の接続構造体を有する細長本体、およびこの第一の接続構造体に選択的に接続可能である別のエンドエフェクタを備える、縫合糸を記載する。いくつかの実施形態において、この別のエンドエフェクタは、第二の接続構造体を備え得る。
【0018】
用語「縫合糸」とは、本明細書中で使用される場合、創傷治癒中に組織を近接させるために使用され得る医療デバイスとして、広義に定義される。本明細書中に記載される縫合糸は、接続可能なエンドエフェクタと、細長本体の一端に配置された針との両方を備え得る。本開示の縫合糸は、吸収性材料と非吸収性材料との両方を含む材料を与えられ得る。本明細書中で使用される場合、用語「吸収性」は、生分解性材料と生体再吸収性材料との両方を包含する。生分解性とは、材料が、身体条件下で分解するかまたは構造一体性を失うこと(例えば、酵素分解、加水分解)、あるいは身体内の生理学的条件下で(物理的にかもしくは化学的に)分解する(例えば、溶解)し、その結果、その分解生成物が身体によって排出可能または吸収可能になることを意味する。
【0019】
適切な吸収性材料としては、脂肪族ポリエステル;ポリアミド;ポリアミン;ポリアルキレンオキサレート;ポリ(酸無水物);ポリアミドエステル;コポリ(エーテル−エステル);ポリ(カーボネート)(チロシン由来のカーボネートが挙げられる);ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチレート));ポリイミドカーボネート;ポリ(イミノカーボネート)(例えば、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)など);ポリオルトエステル;ポリオキサエステル(アミン基を含むものが挙げられる);ポリホスファゼン;ポリ(フマル酸プロピレン);ポリウレタン;ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニサル、ポリアスピリン、およびタンパク質製剤);生物学的に修飾された(例えば、タンパク質、ペプチド)生体吸収性ポリマーからなる群より選択されるポリマー;ならびにこれらのコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、ブレンド、および組み合わせからなる群より選択される材料が挙げられる。
【0020】
より具体的には、本発明の目的で、脂肪族ポリエステルとしては、ラクチド(乳酸、D−ラクチド、L−ラクチドおよびメソラクチドが挙げられる);グリコリド(グリコール酸が挙げられる);ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体;δ−バレロラクトン;β−ブチロラクトン;γ−ブチロラクトン;ε−デカラクトン;ヒドロキシブチレート;ヒドロキシバレレート;1,4−ジオキセパン−2−オン(その二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンを含む);1,5−ジオキセパン−2−オン;6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン;2,5−ジケトモルホリン;ピバロラクトン;α,α−ジエチルプロピオラクトン;エチレンカーボネート;エチレンオキサレート;3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー;ならびにそのポリマーブレンドおよびコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、この縫合糸は、脂肪族ポリエステルを含有し得る。
【0021】
他の適切な生分解性ポリマーとしては、ポリ(アミノ酸)(コラーゲン(I、IIおよびIII)、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、およびアルブミンなどのタンパク質が挙げられる);ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド(RGD);多糖類(例えば、ヒアルロン酸(HA)、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、およびセルロース);グリコサミノグリカン;ガット;ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲンは、本明細書中で使用される場合、天然コラーゲン(例えば、動物由来のコラーゲン、ゼラチン化コラーゲン)、または合成コラーゲン(例えば、ヒト組換えコラーゲンもしくは細菌組換えコラーゲン)を包含する。
【0022】
本開示において使用され得る適切な非吸収性材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンが挙げられる)およびポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびこれらのブレンドが挙げられる));ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;超高分子量ポリエチレン;ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンとのコポリマー;フッ素化ポリオレフィン(例えば、ポリフルオロエチレン、ポリフルオロプロピレン、フルオロPEG、およびポリテトラフルオロエチレン);ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、およびポリカプロラクタム);ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート);ポリエーテル;ポリブタエステル;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;アクリルポリマー;メタクリル類;ハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル);ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル);ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン);ポリクロロフルオロエチレン;ポリアクリロニトリル;ポリアリールエーテルケトン;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン);ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル);ビニルモノマー同士のコポリマーおよびビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー);アクリロニトリル−スチレンコポリマー;ABS樹脂;エチレン−酢酸ビニルコポリマー;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリホスファジン;ポリイミド;エポキシ樹脂;アラミド;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;スパンデックス;シリコーン;ならびにこれらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられる。
【0023】
特定の実施形態において、吸収性材料と非吸収性材料との両方が、縫合糸において使用され得る。例えば、非吸収性の細長本体が、吸収性のエンドエフェクタを与えられ得る。あるいは、吸収性の細長本体が、非吸収性のエンドエフェクタを与えられ得る。
【0024】
本開示の縫合糸は、モノフィラメント縫合糸とマルチフィラメント縫合糸との両方を含むことが留意されるべきである。さらに、本開示の縫合糸は、その一端に取り付けられた針を備え得る。適切な針としては、当業者の知識の範囲内である針が挙げられる。
【0025】
本開示に従う縫合糸を形成する方法は、当業者の知識の範囲内である技術(例えば、押出し、成形および/または溶媒キャスティング)を包含する。いくつかの実施形態において、縫合糸は、1つより多くのフィラメントから作製された糸を備え得、この縫合糸は、同じ材料または異なる材料の複数のフィラメントを含み得る。縫合糸が複数のフィラメントから作製される場合、縫合糸は、任意の公知の技術(例えば、編組、製織または編成)を使用して作製され得る。縫合糸はまた、不織縫合糸を製造するために合わせられ得る。縫合糸は、縫合糸形成プロセスの一部として糸を形成するために、延伸され得るか、配向され得るか、捲縮され得るか、撚糸され得るか、混繊され得るか、または空気で絡ませられ得る。1つの実施形態において、マルチフィラメント縫合糸は、編組により製造され得る。編組は、当業者の知識の範囲内である任意の方法によりなされ得る。
【0026】
さらに、本明細書中に記載される縫合糸は、任意の適切な断面形状(例えば、楕円形、正方形、星型、八角形、長方形、多角形および平坦な形状)のものであり得る。
【0027】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される縫合糸は、編組縫合糸を含み得る。適切な編組縫合糸としては、米国特許出願公開第2009/0210006号および同第2009/0248070号に記載されるものが挙げられ、これらは両方、Tyco Healthcare Group LP(North Haven,CT)に譲渡されており、これらの全内容は、本明細書中に参考として援用される。一般に、棘付き縫合糸は棘を備え、これらの棘は、この医療デバイス本体(縫合糸)の長さの第一の部分において、この医療デバイスの第一の端部が組織を通って一方向に動くことを可能にし、一方で、逆方向に動くことに抵抗するように、配置され得る。
【0028】
これらの棘は、任意の適切なパターン(例えば、螺旋パターン、スパイラルパターン、直線パターン、または無作為に間隔を空けたパターン)で配置され得る。このパターンは、対称であっても非対称であってもよい。棘の数、構成、間隔および表面積は、この縫合糸が使用される組織、ならびにこの縫合糸を形成するために利用される材料の組成および幾何学的形状に依存して、変わり得る。さらに、棘の割合は、比較的一定なままであり得、一方で、棘の全体的な長さおよび棘の間隔は、接続される組織によって決定され得る。例えば、この縫合糸が皮膚または腱の創傷の縁部を接続するために使用される場合、これらの棘は、比較的短く、より硬く作製されて、このかなり堅固な組織に入ることを容易にし得る。あるいは、この縫合糸が脂肪組織(これは、比較的柔軟である)において使用されることを意図される場合、これらの棘は、より長く、より間隔を空けて作製されて、この縫合糸が軟部組織を把持する能力を増大させ得る。
【0029】
棘の表面積もまた変わり得る。例えば、丸へし状先端の棘が、特定の外科手術用途のために設計された様々なサイズで作製され得る。脂肪組織および比較的柔軟な組織を接合するためには、より大きい棘が望まれ得、一方で、より小さい棘は、コラーゲンの密度が高い組織に対してより適切であり得る。いくつかの実施形態において、同じ構造体内での大きい棘と小さい棘との組み合わせが、例えば、この縫合糸が異なる層構造の組織修復において使用される場合に有利であり得る。特定の実施形態において、棘付き縫合糸は、大きい棘と小さい棘との両方を有し得る。
【0030】
先に記載したように、本開示の縫合糸は、別々に接続可能なエンドエフェクタを備える。エンドエフェクタは、抵抗を提供して、この縫合糸が組織を通して引かれることを防止することを補助する。しばしば、このエンドエフェクタは、外科医が縫合線の一端において結び目を結ぶことの代わりに使用され得る。エンドエフェクタは、(細長本体と比較して)断面直径がより大きくあり得、その結果、縫合糸の引き抜きが防止される。他の実施形態において、エンドエフェクタは、縫合糸の引き抜きを困難にする(mitigate)ようなサイズおよび形状にされる。適切なエンドエフェクタの例としては、結ばれたエンドエフェクタ(例えば、米国特許出願公開第2010/0094337号(2009年10月1日出願、その全内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるもの)が挙げられ、そして本明細書中以下で記載される。
【0031】
図1は、組織または他の材料を通しての縫合糸12の完全な受け入れを防止するように構成された、エンドエフェクタ10の1つの実施形態を図示する。エンドエフェクタ10は、縫合糸12の遠位端12bに形成された、実質的にT字型の結び目を形成する。エンドエフェクタ10は、縫合糸12の長手方向軸「X」に対して垂直に延びる軸「Y」を規定する。エンドエフェクタ10は、第一の延長部20および第二の延長部30を備え、これらの延長部は、縫合糸12から垂直に、軸「Y」に沿って逆方向に延びて、T字型を形成する。第一の延長部20および第二の延長部30の各々は、それぞれ、複数の巻き(throw)22a〜b、および32a〜bから形成され、これによって、起伏した部材を形成する。本明細書中で使用される場合、巻きとは、起伏、波様、または波状の外観を生じる、2つの突出物の少なくとも360°の巻き付けまたは編み込みとして定義される。図示されるように、第一の延長部20および第二の延長部30は、2つずつの巻き22a〜bおよび32a〜bを備える。しかし、第一の延長部20および第二の延長部30は、それぞれ任意の数の巻き22および32を備え得ることが想定される。第一の延長部20の巻きの数は、第二の延長部30の巻きの数と等しい必要はないことがさらに想定される。縫合糸12の近位端12aは、1つ以上の針(図示せず)を備え得、そして/または1つ以上の棘を備え得る。
【0032】
図2は、別の例示的なエンドエフェクタを図示し、このエンドエフェクタは、第一の重なりセクションおよび第二の重なりセクションを備え、この第一の重なりセクションは、長手方向軸に対してテーパ状の表面を備える。以下により詳細に記載される、このループ状エンドエフェクタはまた、米国特許出願公開第2010/0063540号(2009年8月29日出願、その全内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0033】
図2に戻って参照すると、ループ状縫合糸100は、その遠位端100bに形成されたループ120を備える。ループ状縫合糸100の近位端100aは、1つ以上の縫合針(図示せず)を備え得る。ループ120は、実質的に涙滴の形状を形成し、そして任意のサイズであり得る。1つの実施形態において、ループ120は、ループ状縫合糸100の近位端100aを受容するようなサイズにされる。モノフィラメント糸110の第一のセクション130は、糸110の第二のセクション140の上に重なって、ループ120を形成する。第一のセクション130と第二のセクション140との隣接する表面は、接合されたセグメントまたは接合部150を形成する。
【0034】
1つの実施形態において、糸110の第一のセクション130および第二のセクション140は、米国仮出願番号61/099,594(2008年9月24日出願、その全内容は、本明細書中に参考として援用される)に開示されるように、一緒に溶接される。この様式で、糸110の第一のセクション130および第二のセクション140は、互いに融合して溶接セグメント150を形成するまで、局所的に加熱される。種々の型のエネルギー(無線周波数(RF)、超音波、レーザー、電気アーク放電、および熱が挙げられる)が、第一のセクション130および第二のセクション140を局所的に加熱して、接合セグメント150を形成するために使用され得る。あるいは、糸110の第一のセクション130および第二のセクション140は、膠、エポキシ、溶媒、または他の接着剤を使用して接合され得る。
【0035】
本開示に従う細長本体に接続可能であり得る他の適切なエンドエフェクタとしては、図3A〜図3Mに図示されるものが挙げられる。本開示に従うエンドエフェクタは本明細書中に記載されるものに限定されず、他の別のエンドエフェクタが本開示に従って利用され得ることが理解されるべきである。
【0036】
先に記載したように、本明細書中に記載されるエンドエフェクタは、別の構造体として提供され、これが次いで、細長本体に接続可能である。いくつかの実施形態において、この細長本体は、このエンドエフェクタに選択的に接続可能である、第一の接続構造体を備える。本開示に従う接続構造体は、本明細書中以下で議論され、そしてボール接続部、ソケット接続部、スナップばめ接続部、ねじ山付き接続部、およびフレア接続部を備え得る。
【0037】
本開示に従う縫合糸の1つの例が、図4A〜図4Cに図示されている。縫合糸200は、細長本体210、および別々に接続可能なエンドエフェクタ220を備える。この細長本体の近位端は、針230を備え、そして細長本体210の遠位部分は、第一の接続構造体240を備える。本明細書中に示されるように、第一の接続構造体240は、少なくとも2つのポケット242を備える空洞244を備える。第一の接続構造体240は、エンドエフェクタ220と嵌合して協働する。
【0038】
より具体的には、エンドエフェクタ220は、遠位部分222および近位部分224を備える。エンドエフェクタ220の遠位部分222は、球根の形状であり、縫合糸の引き抜きを困難にする。さらに、このエンドエフェクタの遠位部分は、細長本体の外径より大きい外径を有する。近位部分224は、延長部225および少なくとも2つのタブ227を備える。延長部225は、細長本体210の遠位部分内に受容されるような形状にされる。より具体的には、タブ227は、ポケット242内に受容されるような形状にされる(図4C)。いくつかの実施形態において、ポケット242およびタブ227は、不可逆的接続を形成する。一旦、接続されると、ポケット242およびタブ227の構成は、エンドエフェクタ220が細長本体210から外されるかまたは接続解除されることを防止する。
【0039】
図5は、本開示に従う、棘付き細長本体310および別々に接続可能なエンドエフェクタ320を有する縫合糸300の別の例を図示する。この細長本体の近位端は、針の取り付けのために構成され得る。使用のための種々の針は、当業者の知識の範囲内である。細長本体310の遠位部分は、第一の接続構造体340を備える。図4Aと同様に、第一の接続構造体340は、空洞344を備え、この空洞は、延長部325の挿入を可能にする。さらに、第一の接続構造体340はまた、細長本体310aの外側表面からこの細長本体の空洞344まで延びるスロット346を備える。スロット346は、エンドエフェクタ320の表面からの突出部327の受容のためのサイズおよび形状にされる。
【0040】
より具体的には、エンドエフェクタ320は、遠位部分および近位部分を備える。エンドエフェクタ320の遠位部分は、矢印の形状322であり、縫合糸の引き抜きを困難にする。この近位部分は、延長部325、およびその表面に形成された少なくとも1つの突出部327を備える。延長部325は、細長本体310の遠位部分に受容されるような形状にされる。より具体的には、突出部327は、(細長本体の遠位部分の)スロット346に受容されるような形状にされる。いくつかの実施形態において、スロット346および突出部327は、スナップばめまたは摩擦ばめを形成する。一旦、接続されると、スロット346と突出部327とのスナップばめの特徴は、エンドエフェクタ320が、細長本体310から外されるかまたは接続解除されることを防止する。
【0041】
これらの突出部は、種々の形状(図6A〜図6Hに図示されるものが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。これらの突出部は、エンドエフェクタの少なくとも1つの表面(例えば、図6A〜図6Eに図示されるもの)から延び得る。同様に、突出部または一連の突出部6A〜図6Hは、エンドエフェクタの表面から延び得る。例えば、図6Aは、縫合糸の第一の表面から延びるように図示されており、一方で、図6F〜図6Iは、エンドエフェクタの第一の表面および第二の表面から延びる突出部を図示する。
【0042】
図7A〜図7Cは、本開示に従う縫合糸の代替の実施形態を図示する。より具体的には、縫合糸400は、細長本体410および別々に接続可能なエンドエフェクタ420を備える。この細長本体の近位端は、針(図示せず)を備え得、そして細長本体410の遠位部分は、第一の接続構造体440を備える。第一の接続構造体440は、穴または穿孔442を備え、この穴または穿孔は、第二の接続構造体を受容するような形状およびサイズにされる。
【0043】
より具体的には、エンドエフェクタ420は、遠位部分422および近位部分424を備える。第二の接続構造体は、2つの可撓性アーム426を備え、これらの可撓性アームは、わずかに間隔を空けており、アーム426が穴442と連絡するように移動するようになっている(図7B)。アーム426は各々、球根状部分426aを備え、この球根状部分は、穴に達するまで第一の接続構造体を横切ってスライドする。一旦、球根状部分426aが穴442に達すると、球根状部分426aは、穴442内にスライドする。一旦、このエンドエフェクタとこの細長本体とが接続されると、これらのアームはそれらのもとの、撓んでいない位置まで戻る(図7C)。
【0044】
第一の接続構造体440はまた、異なる第二の接続構造体(例えば、図8に図示されるもの)と一緒に使用され得る。図8に示される第二の接続構造体500は、2つのアーム526、528をそれぞれ備える。第一のアーム526は、球根状部分526aで終わる。第二のアーム528は、凹んだ構成528aで終わり、この凹んだ構成は、球根状部分526aを受容するような形状およびサイズにされる。第二の接続構造体500は、第二の接続構造体426(図7A〜図7C)と類似の様式で機能する。いくつかの実施形態において、これらのアームは、可撓性であり、わずかに間隔を空けていて、これらのアームが第一の接続構造体の穴(図示せず)と連絡するように移動するようになっている。一旦、2つのアーム526、528がこの穴に達すると、第一のアーム526がこの穴に受容され、そして第二のアーム528に接続される。より具体的には、球根状部分526aは、凹んだ構成528aに受容される。2つのアーム526および528は、一緒に接続されるために、小さい手での力を必要とし得る。示されるように、第一のアーム526および第二のアーム528は、スナップばめ接続部を作製する。ある実施形態において、スナップばめ接続部は、可逆的であり得る。
【0045】
第一の接続構造体および第二の接続構造体の代替の実施形態が、図9に図示されている。縫合糸600は、細長本体610および別々に接続可能なエンドエフェクタ620を備える。この細長本体の近位端は、針630を備え、そして細長本体610の遠位部分は、第一の接続構造体640を備える。本明細書中に示されるように、第一の接続構造体640は、内部同心ねじ切り部分642を有する。同心ねじ切り部分642は、細長本体610の遠位部分内の空洞644を囲む。空洞644は、細長本体610への第二の接続構造体622の挿入を可能にする。
【0046】
他の実施形態と同様に、エンドエフェクタ620は、縫合糸の引き抜きを困難にするような形状にされた遠位部分(図示せず)を備える。このエンドエフェクタの近位部分は、ねじ切りされた延長部622を備える第二の接続構造体622を備える。ねじ切りされた延長部622は、第一の接続構造体640に、そしてより特定すると、空洞644に受容されるような形状にされる。ねじ切りされた延長部622は、第一の接続構造体のねじ切りされた部分642に対応する、右ねじまたは左ねじを備え得る。延長部622は、第一の接続構造体640内に螺合されて、可逆的である螺合接続を作製する。しかし、他の実施形態において、この螺合接続は不可逆的であるように構成され得る。
【0047】
本明細書中に記載されるエンドエフェクタは、製造中、または手術室にある際にさえも、細長本体に接続され得る。例えば、これらのエンドエフェクタを製造中に細長本体に接続することによって、数種の組み合わせの縫合糸が作製され得、そして包装され得る。別の代替例は、外科医に、手術室内で患者または手順のために特定のエンドエフェクタを選択させることである。例えば、数種の細長本体および数種の別のエンドエフェクタを有する縫合糸キットが提供され得る。外科医は、提供される接続構造体を利用して、別のエンドエフェクタと細長本体とを一緒に接続することによって、縫合糸を作製し得る。
【0048】
縫合糸はさらに、改善された性能/取り扱い特性のためのコーティングを備え得、適切なコーティングは、当業者の知識の範囲内である。
【0049】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される縫合糸は、少なくとも1種の治療剤を含有し得る。用語「治療剤」とは、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして有利な効果、治療効果、薬理効果、および/または予防効果を提供する、任意の物質または物質混合物を包含する。この剤は、薬理学的効果を提供する薬物であり得る。
【0050】
用語「薬物」とは、治療効果を与え得る任意の剤(例えば、接着防止剤、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬(例えば、局所および全身)、鎮痙薬(antiepileptics)、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬(antispasmodics)、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、血小板活性化薬物、凝固因子、および酵素が挙げられる。剤の組み合わせが使用され得ることもまた意図される。
【0051】
薬物として含有され得る他の治療活性剤としては、避妊薬;副交感神経様作用剤;精神療法剤;トランキライザ;うっ血除去薬;鎮静催眠薬;スルホンアミド;交感神経様作用剤;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;抗パーキンソン剤(例えば、L−ドパ);鎮痙薬(anti−spasmodics);抗コリン作用性剤(例えば、オキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;心臓血管薬剤(例えば、冠状血管拡張薬およびニトログリセリン);アルカロイド;鎮痛薬;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルヒネなど);非麻酔薬(例えば、サリチレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなど);オピオイドレセプターアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗がん剤;鎮痙薬(anti−convulsants);制吐薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);プロスタグランジンおよび細胞傷害性薬剤;化学療法剤;エストロゲン;抗菌剤;抗生物質;抗真菌剤;抗ウイルス剤;抗凝固薬;鎮痙薬(anticoagulants);抗うつ薬;ならびに免疫学的薬剤が挙げられる。
【0052】
本明細書中に記載される縫合糸に含有され得る適切な剤の他の例としては、例えば、ウイルスおよび細胞;ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、ならびにそのアナログ、ムテイン、ならびに活性フラグメント;免疫グロブリン;抗体;サイトカイン(例えば、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン);血液凝固因子;造血因子;インターロイキン(例えば、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6);インターフェロン(例えば、β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN);エリスロポイエチン;ヌクレアーゼ;腫瘍壊死因子;コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF);インスリン;抗腫瘍剤および腫瘍抑制因子;血液タンパク質(例えば、フィブリン、トロンビン、フィブリノゲン、合成トロンビン、合成フィブリン、合成フィブリノゲン);性腺刺激ホルモン(例えば、FSH、LH、CGなど);ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン);ワクチン(例えば、腫瘍性抗原、細菌性抗原およびウイルス性抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;増殖因子または成長因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);骨形成タンパク質;TGF−β;タンパク質インヒビター;タンパク質アンタゴニスト;タンパク質アゴニスト;核酸(例えば、アンチセンス分子、DNA、RNAおよびRNAi);オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ならびにリボザイムが挙げられる。
【0053】
本開示において使用され得る水溶性薬物のいくつかの特定の非限定的な例としては、リドカイン、ブピバカイン、テトラカイン、プロカイン、ジブカイン、シロリムス(sirolimus)、タキソール、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレン、チアミラールナトリウム、チオペンタールナトリウム、ケタミン、フルラゼパム、アモバルビタールナトリウム、フェノバルビタール、ブロムワレリル尿素、抱水クロラール、フェニトイン、エトトイン、トリメタジオン、プリミドン、エトスクシミド、カルバマゼピン、バルプロエート、アセトアミノフェン、フェナセチン、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、アミノピリン、アンチピリン、スルピリン、メピリゾール(mepirizole)、チアラミド、ペリキサゾール(perixazole)、ジクロフェナク、アンフェナク(anfenac)、ブプレノルフィン、ブトルファノール、エプタゾシン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、dl−イソプレナリン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、チオリダジン、フルフェナジン、チオチキセン、フルペンチキソール、フロロピパミド、モペロン、カルピプラミン、クロカプラミン、イミプラミン、デシプラミン、マプロチリン、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、メプロバメート、ヒドロキシジン、サフラジン(saflazine)、アミノ安息香酸エチル、カルバミン酸クロルフェネシン、メトカルバモール、アセチルコリン、ネオスチグミン、アトロピン、スコポラミン、パパベリン、ビペリデン、トリヘキシフェニジル、アマンタジン、ピロヘプチン、プロフェナミン、レボドパ、マザチコール、ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、アミノフィリン、コリン、テオフィリン、カフェイン、安息香酸ナトリウム、イソプロテレノール、ドパミン、ドブタミン、プロプラノロール、アルプレノロール、ブプラノロール、チモロール、メトプロロール、プロカインアミド、キニジン、アジマリン、ベラパミル、アプリンジン、ヒドロクロロチアジド、アセタゾラミド、イソソルビド、エタクリン酸、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル、アラセプリル、ヒドララジン、ヘキサメトニウム、クロニジン、ブニトロロール、グアネチジン、ベタニジン、フェニレフリン、メトキサミン、ジルチアゼム、ニコランジル、ニカメタート、ニコチンアルコールタートレート、トラゾリン、ニカルジピン、イフェンプロジル、ピペリジノカルバメート、シネパジド、チアプリド(thiapride)、ジモルホラミン、レバロルファン、ナロキソン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ノルチステロン、クロミフェン、テトラサイクリン、サリチル酸メチル、イソチペンジル、クロタミトン、サリチル酸、ナイスタチン、エコナゾール、クロコナゾール(cloconazole)、ビタミンB、シコチアミン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ニコチン酸、葉酸、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、パントテノール(pantothenol)、パンテチン、ビオチン、アスコルビン酸、トラネキサム酸、エタンシレート、プロタミン、コルヒチン、アロプリノール、トラザミド、グリミジン、グリブゾール、メトホルミン(metoformin)、ブホルミン、オロチン酸、アザチオプリン、ラクツロース、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、チオ−TEPA、ニムスチン、チオイノシン、フルオロウラシル、テガフール、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アクラルビシン、プロカルバジン、シスプラチン、メトトレキサート、ベンジルペニシリン、アモキシシリン、ペニシリン、オキシシリン(oxycillin)、メチシリン、カルベニシリン、アンピシリン、セファレキシン、セファゾリン、エリスロマイシン、キタサマイシン、クロラムフェニコール、チアンフェニコール、ミノサイクリン、リンコマイシン、クリンダマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、フラジオマイシン、ゲンタマイシン、スペクチノマイシン、ネオマイシン、バノマイシン(vanomycin)、テトラサイクリン、シプロフロキサシン、スルファニル酸(sulfanilic acid)、シクロセリン、スルフィソミジン、イソニアジド、エタンブトール、アシクロビル、ガンシクロビル(gancyclovir)、ビダバリン(vidabarine)、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシン、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、コカイン、ペチジン、フェンタニール、上記薬物のポリマー形態およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0054】
治療剤は、種々の形態で縫合糸と合わせられ得る。例えば、治療剤は、コーティングの形態で縫合糸と合わせられ得る。縫合糸をコーティングするために適切な方法は、当業者の知識の範囲内であり、そしてスプレーコーティング、浸漬コーティング、押出し、共押出し、およびオーバーモールディングなどが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、治療剤は、縫合糸コーティングを作製する極性溶媒および非極性溶媒と合わせられ得る。
【0055】
治療剤はまた、縫合糸の表面から離れて重合し得るか、または縫合糸を作製するために使用されるポリマー樹脂内に配合され得る。他の実施形態において、ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニサル、ポリアスピリン、およびタンパク質製剤)が、本開示の縫合糸を作製するために利用され得る。
【0056】
本開示の例示的な実施形態が添付の図面を参照しながら本明細書中に記載されたが、本開示は、これらの特定の実施形態に限定されないこと、ならびに他の変更および改変が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、本開示において当業者によりなされ得ることが、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
200 縫合糸
210 細長本体
220 エンドエフェクタ
222 遠位部分
224 近位部分
225 延長部
227 タブ
230 針
240 第一の接続構造体
242 ポケット
244 空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の接続構造体を有する遠位部分を備える細長本体;および
該第一の接続構造体に選択的に接続可能である別のエンドエフェクタ、
を備える、縫合糸。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、該エンドエフェクタから突出する延長部を備え、該延長部は、前記第一の接続構造体に選択的に接続可能である、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項3】
前記延長部が前記エンドエフェクタの近位部分に配置されている、請求項2に記載の縫合糸。
【請求項4】
前記延長部がタブまたは突出物を備え、そして前記第一の接続構造体が、該タブまたは突出物を受容するような形状にされたスロットを備える、請求項2に記載の縫合糸。
【請求項5】
前記延長部を前記細長本体に挿入する際に、前記タブまたは前記突出物が前記スロット内に噛み合う、請求項4に記載の縫合糸。
【請求項6】
前記タブまたは突出物と前記前記スロットとの噛み合いの際に、前記エンドエフェクタの取り外しが防止される、請求項4に記載の縫合糸。
【請求項7】
前記エンドエフェクタが、組織を通して引かれることを防止するような形状にされている、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが、前記細長本体の外径より大きい外径を有する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項9】
前記エンドエフェクタが、ループおよび結び目からなる群より選択される、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項10】
前記エンドエフェクタが前記第一の接続構造体と嵌合するように協働する、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項11】
前記第一の接続構造体が前記エンドエフェクタを受容するような形状にされている、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項12】
前記第一の接続構造体が前記エンドエフェクタに解放可能に接続される、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項13】
前記細長本体の近位部分に配置された針をさらに備える、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項14】
前記縫合糸の外側表面に配置された突出物をさらに備える、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項15】
前記エンドエフェクタが第二の接続構造体を備える、請求項1に記載の縫合糸。
【請求項16】
前記第一の接続構造体または前記第二の接続構造体が、ボール接続部、ソケット接続部、ねじ山付き接続部、およびフレア接続部からなる群より選択される、請求項15に記載の縫合糸。
【請求項17】
前記第一の接続構造体と前記第二の接続構造体とがスナップばめ接続部を形成する、請求項15に記載の縫合糸。
【請求項18】
前記第一の接続構造体が空洞を備える、請求項1に記載の縫合糸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−75860(P2012−75860A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167472(P2011−167472)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】