説明

換気扇

【課題】スピンナーの締め付けの程度を目視で把握しやすくすることで、より確実な羽根の取り付け・固定ができる換気扇を得ること。
【解決手段】換気扇は、ネジが切られたネジ切り部17aが先端に形成されたシャフト17を有して、枠状のフレームの内側に設けられるファンモータ2と、シャフトに挿入される貫通穴3aが正面視における中心部分に形成され、貫通穴に挿入されたシャフトのネジ切り部を前面側に突出させる羽根3と、羽根の前面側に突出したネジ切り部に螺合されるナット部5aを有して羽根をシャフトに固定するスピンナー5と、を備え、スピンナーは、シャフトの先端をスピンナーの前面側から視認可能とする略透明な窓部4をナット部の反対側に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扇に関し、特に羽根の取付部分の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンモータのシャフトに羽根を取り付けるとともに、羽根を回転させることで空気を流動させて換気を行う換気扇が知られている(例えば特許文献1を参照)。ファンモータのシャフトに羽根を取り付ける構成として、羽根の中心に形成された貫通穴にファンモータのシャフトを挿入させるものがある。
【0003】
この構成では、貫通穴を貫通して羽根の前面から突出したシャフトの先端にスピンナーと呼ばれる固定部材が取り付けられる。シャフトの先端にはネジが切られており、スピンナーをシャフトの先端に螺合させることで、羽根がシャフトに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−250114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、施工時や清掃時など、羽根を外して、再度羽根を取付けるときに、スピンナーをどこまで締め付けてよいか分かりにくいという問題があった。そのため、スピンナーの締め付けが不足して羽根の取り付けが緩くなってしまう場合があり、羽根振れや羽根落下が発生する場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スピンナーの締め付けの程度を目視で把握しやすくすることで、より確実な羽根の取り付け・固定ができる換気扇を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ネジが切られたネジ切り部が先端に形成されたシャフトを有して、枠状のフレームの内側に設けられるファンモータと、シャフトに挿入される貫通穴が正面視における中心部分に形成され、貫通穴に挿入されたシャフトのネジ切り部を前面側に突出させる羽根と、羽根の前面側に突出したネジ切り部に螺合されるナット部を有して羽根をシャフトに固定するスピンナーと、を備え、スピンナーは、シャフトの先端をスピンナーの前面側から視認可能とする略透明な窓部をナット部の反対側に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シャフトの先端を前面側から視認できる略透明な窓部がスピンナーに設けられるので、スピンナーの締め付けの程度を目視で把握しやすくなり、より確実な羽根の取り付け・固定ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる換気扇の取付状態における分解斜視図である。
【図2】図2は、換気扇の取付状態における断面図である。
【図3】図3は、羽根の取付構造を示す分解側面構成図である。
【図4】図4は、羽根の取付構造を示す側面図である。
【図5】図5は、図4に示す羽根の取付構造の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態にかかる換気扇を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる換気扇の取付状態における分解斜視図である。図2は、換気扇の取付状態における断面図である。図3は、羽根の取付構造を示す分解側面構成図である。図4は、羽根の取付構造を示す側面図である。図5は、図4に示す羽根の取付構造の正面図である。なお、図3、図4では、スピンナー5および羽根3を断面で示している。
【0012】
図1,図2に示すように、換気扇50は、フレーム1、ファンモータ2、羽根3、スピンナー5、オリフィス9を備える。換気扇50は、建物の壁面(壁部14)などに取り付けられて、室内の換気を行う。
【0013】
フレーム1は、枠状の形状を呈する。フレーム1の室外側(空気の流出側)には、室外側開口を開閉する複数のシャッター6が設けられる。シャッター6は、シャッター連結板7を介して、換気扇50の動作をオンオフするスイッチ8と連動するように設けられる。
【0014】
ファンモータ2は、フレーム1の内側に設けられる。ファンモータ2には、換気扇50の動作時に回転する回転軸(シャフト17)が設けられる。ファンモータ2のシャフト17の先端部には、ネジが切られたネジ切り部17aが形成されている。
【0015】
羽根3は、ファンモータ2のシャフト17に着脱自在に取り付け・固定される。図3に示すように、羽根3には正面視における中心部分に前後に貫通する貫通穴3aが形成されている。羽根3に形成された貫通穴3aにシャフト17を挿入し、羽根3の前面側から突出したシャフト17にスピンナー5を螺合することで、羽根3はシャフト17に対して着脱自在に取り付け・固定される。
【0016】
スピンナー5には背面視における中心部分に穴が形成されている。この穴の内側面にはネジが切られており、シャフト17のネジ切り部17aに螺合されるナット部5aとして機能する。ナット部5aは、例えばインサート成形によって形成される。また、この穴は、スピンナー5の前面側まで貫通している。
【0017】
図4に示すように、羽根3の貫通穴3aには、ファンモータ2のシャフト17が挿入される。羽根3の貫通穴3aにシャフト17が挿入されると、シャフト17の先端、すなわちネジ切り部17aが羽根3の前面側から突出する。そして、羽根3の前面側から突出したネジ切り部17aに、スピンナー5のナット部5aを螺合させて、羽根3の取り付け・固定がなされる。
【0018】
スピンナー5のナット部5aを螺合させることで、スピンナー5に形成された平面部(押え部)5cが、羽根3のボス部(被押え部)3bに当接して、羽根3がシャフト17に固定される。
【0019】
すなわち、スピンナー5をシャフト17に螺合させる際に、スピンナー5の平面部5cと羽根3のボス部3bが当接する位置までスピンナー5を締め付けることで、ファンモータ2のシャフト17に羽根3を完全に固定することができる。
【0020】
ネジ切り部17aおよびナット部5aには、羽根3の回転方向と逆回転方向にスピンナー5を締め付けることで羽根3を固定できるようにネジが切ってある。これにより、羽根3の回転によりスピンナー5が緩んで羽根3にガタツキや脱落が発生するのを抑えることができる。
【0021】
スピンナー5の直径を、羽根3の中心部の直径と略同じ大きさとすることで、手でつかみやすい形状となっている。また、スピンナー5は、スピンナー5の中心に設けられたナット部5aに対して、シャフト17が挿入される側の反対側(前面側)から、接着または圧入して取り付けられる窓部4を備える。
【0022】
窓部4は、略透明な部材で構成されており、窓部4を通して反対側を視認可能となっている。そのため、窓部4を取り付けてもナット部5aの内部を、スピンナー5の前面側から視認可能となっている。
【0023】
ここで、スピンナー5に設けた透明な窓部4の凸部4aとシャフト17の先端が接触するとき、スピンナー5の平面部5cと羽根3のボス部3bが接触する位置関係となるように、シャフト17の長さおよび凸部4aの大きさが調整されている。
【0024】
図4、図5に示すように、スピンナー5に設けた透明な窓部4から凸部4aとシャフト17の先端とを目視で確認しながら、凸部4aとシャフト17の先端とが接触するまでスピンナー5を締め付ければ、より確実に羽根3をシャフト17に取り付け・固定することができる。
【0025】
また、羽根3をシャフトに取り付け・固定した後も、窓部4から凸部4aとシャフト17の先端とを目視で確認することができるので、スピンナー5に発生した緩みを目視で容易に把握することができる。そのため、羽根3のガタツキや脱落を未然に防ぎやすくなる。
【0026】
また、スピンナー5の直径を羽根3の中心部の直径と同じ大きさとすることで、羽根3を取り付け・固定したときに、スピンナー5と羽根3の中心部とが一体の形状となり、風の流れが妨げられるのを抑制することができる。
【0027】
図5に示すように、羽根3に取り付けられたスピンナー5の中心に設けられた透明な材質で形成された窓部4から、凸部4aとシャフト17の先端が接触していることを目視することで、羽根3がシャフト17に確実に取り付けられていることを確認することができる。
【0028】
オリフィス9は、フレーム1の室内側(空気の流入側)に対して着脱自在に設けられる。オリフィス9は、フレーム1と羽根3との隙間を塞いで、室内の空気を羽根3に導く風洞として機能する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかる換気扇は、羽根を備える換気扇に有用であり、特に、シャフトに挿入した羽根をスピンナーで固定する換気扇に適している。
【符号の説明】
【0030】
1 フレーム
2 ファンモータ
3 羽根
3a 貫通穴
3b ボス部(被押え部)
4 窓部
4a 凸部
5 スピンナー
5a ナット部
5c 平面部(押え部)
6 シャッター
7 シャッター連結板
8 スイッチ
9 オリフィス
14 壁部
17 シャフト
17a ネジ切り部
50 換気扇

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジが切られたネジ切り部が先端に形成されたシャフトを有して、枠状のフレームの内側に設けられるファンモータと、
前記シャフトに挿入される貫通穴が正面視における中心部分に形成され、前記貫通穴に挿入されたシャフトの前記ネジ切り部を前面側に突出させる羽根と、
前記羽根の前面側に突出した前記ネジ切り部に螺合されるナット部を有して前記羽根を前記シャフトに固定するスピンナーと、を備え、
前記スピンナーは、前記シャフトの先端を前記スピンナーの前面側から視認可能とする略透明な窓部を前記ナット部の反対側に有することを特徴とする換気扇。
【請求項2】
前記スピンナーには、前記ナット部を前記ネジ切り部に螺合させることで前記羽根を押さえる押え部が形成され、
前記羽根には、前記ナット部を前記ネジ切り部に螺合させることで前記押え部に当接する被押え部が形成され、
前記シャフトの先端と前記窓部とが接触した際に、前記押え部と前記被押え部とが当接することを特徴とする請求項1に記載の換気扇。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242071(P2012−242071A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116265(P2011−116265)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】