説明

揮散液の揮散用容器

【課題】使用前の容器本体の密閉状態から使用可能状態への操作が従来品と比較して極めて簡単に行え、また、開封後に容器本体内外を連通する外気導入路を確実,容易に形成することができ、開封後の使い勝手も極めてよい揮散用容器を提案する。
【解決手段】上端を開口したケース本体A内に収納し、内部に吸液芯Dを垂下固定した容器本体Bと、容器本体Bに嵌着し、頂部に押圧破断可能な易切断部41a を備えたキャップEと、ケース本体Aに対して所定角度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成したケース蓋体Fと、該蓋体の固定部54に刺通固定された揮散板Gとを備え、ケース蓋体Fを浅い嵌合位置から所定角度水平回動状態で深い嵌合位置に嵌合させた際に吸液芯Dと揮散板Gとを連通させ、易切断部41a の切断貫通部位を通り容器本体B内外を連通する外気導入路を開通する如く構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芳香剤等の揮散液を収納し、揮散させる揮散液の揮散用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体内に収納した揮散液を、容器体内に垂下した吸液芯で吸い上げ、吸い上げた液を吸液芯上端に設けた揮散板に導入し、そこから芳香拡散孔を介して外部へ揮散させる如く構成した揮散液の揮散用容器が種々提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記した揮散液の揮散用容器は、例えば芳香剤を収納した容器本体に中栓で支持した吸液芯を支持し、揮散板を支持したカバー体を容器本体に嵌着して吸液芯の上端に揮散板を接触させて使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−225884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこの種の容器では、収納物が揮散液であるため、使用前には容器本体内は密閉状態にしておかなくてはならず、吸液芯を装着した容器本体にキャップを装着しておいて容器本体内を密閉状態にしておくのが一般的であり、その際、例えば揮散板を固定したカバー体をキャップを締めた上から装着しておいたり、或いは、揮散板、カバー体を別々に分解状態で保管しておいて、使用時に組み立てて使用する形態が一般的である。
【0006】
前者の場合には、使用時にカバー体を外した後、容器本体のキャップを外し、しかる後外した揮散板付きのカバー体を再び装着して使用状態となる。また、後者の場合にはカバー体に揮散板を組み付け、容器本体からキャップを外した後その組み付け体を嵌着して使用状態とする。
【0007】
本発明は、使用前の容器本体の密閉状態から使用可能状態への操作が従来品と比較して極めて簡単に行える揮散液の揮散用容器を提案するものである。また、開封後に容器本体内外を連通する外気導入路を確実,容易に形成することができ、開封後の使い勝手も極めてよい揮散用容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、上端を開口したケース本体Aと、ケース本体A内に収納するとともに、内部に揮散液を収納し、且つ、吸液芯Dを垂下固定した容器本体Bと、容器本体Bの上端開口を気密,液密に閉塞して嵌着するとともに、頂部に押圧破断可能な易切断部41a を備えたキャップEと、ケース本体Aに対して所定角度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成するとともに、下端に針状の通液路用連結部55を有する固定部54を内部に垂設したケース蓋体Fと、固定部54に刺通固定された揮散板Gとを備え、ケース蓋体Fを浅い嵌合位置から所定角度水平回動状態で深い嵌合位置に嵌合させた際、易切断部41a を切断貫通した通液路用連結部55が吸液芯Dの上端部に突き刺さり、通液路用連結部55から揮散板Gに連通する通液路を介して吸液芯Dと揮散板Gとを連通させ、易切断部41a の切断貫通部位を通り容器本体B内外を連通する外気導入路を開通する如く構成した。
【0009】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記外気導入路として、固定部54の下部から、固定部54下端に垂設した針状の通気路用連結部57下端に連通する通気路を備える。
【0010】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段又は第2の手段のいずれかの手段に於いて、ケース蓋体Fの周壁50内面に突設した突条52をケース本体Aの周壁11上面に当接した状態でケース蓋体Fの浅い嵌合位置を現出し、ケース本体Aの周壁11所定位置に設けた嵌合用の切欠溝14に所定角度水平回動位置のケース蓋体Fの突条52を嵌合させた状態でケース蓋体Fの深い嵌合位置を現出する如く構成した。
【0011】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかの手段に於いて、ケース本体Aの周壁11の少なくとも上端部嵌合部位が矩形筒状をなすとともに、ケース蓋体Fの周壁50の少なくとも下端部嵌合部位が矩形筒状をなし、ケース本体Aに対して180度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成した。
【0012】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかの手段において、ケース蓋体F内にフランジ状突部61付きの一対の支持板60を垂設し、各フランジ状突部61により固定部54が刺通固定した揮散板Gの下縁を係止した。
【0013】
第6の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかの手段に於いて、キャップEに嵌着固定するとともに、キャップE上方に起立させた支持筒部73を備え、固定部54が刺通固定した揮散板Gの下面を支持筒部73上に載置する支持部材Hを設けた。
【発明の効果】
【0014】
本発明では使用に当たり、取り外したケース蓋体Fを所定角度の水平回動位置で再び嵌合するという極めて簡単な操作で容器の開封が行えて使用可能状態となり、使い勝手が良く、また、開封前にはキャップEにより充分なる気密,液密性を図ることができる。
【0015】
上記外気導入路として、固定部54の下部から、固定部54下端に垂設した針状の通気路用連結部57下端に連通する通気路を備える場合には、通液路用連結部55により破断貫通した通液路用連結部55周囲の易切断部41a 部分の他に、通気路用連結部57周囲の破断した易切断部41a 及び上記通気路が加わるため、液の減少に伴う容器本体Bの負圧化に対して、容器本体B内への外気の導入をより円滑に行える利点がある。
【0016】
ケース蓋体Fの周壁50内面に突設した突条52をケース本体Aの周壁11上面に当接した状態でケース蓋体Fの浅い嵌合位置を現出し、ケース本体Aの周壁11所定位置に設けた嵌合用の切欠溝14に所定角度水平回動位置のケース蓋体Fの突条52を嵌合させた状態でケース蓋体Fの深い嵌合位置を現出する如く構成した場合には、切欠溝14により突条52の確実な係止が可能であり、また、突条52や切欠溝14を外部から見えない様に内部に隠すことができるため外観上好ましい等の利点がある。
【0017】
ケース本体Aの周壁11の少なくとも上端部嵌合部位が矩形筒状をなすとともに、ケース蓋体Fの周壁50の少なくとも下端部嵌合部位が矩形筒状をなし、ケース本体Aに対して180度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成した場合には、ケース蓋体Fの浅い嵌合位置から深い嵌合位置への嵌め変えが間違いなくスムースに行える利点があり、突条52と切欠溝14との係合を行う場合には特に位置併せの目印等がなくても簡単に嵌め変えを行える。
【0018】
ケース蓋体F内にフランジ状突部61付きの一対の支持板60を垂設し、各フランジ状突部61により固定部54が刺通固定した揮散板Gの下縁を係止した場合には、固定部54に刺通固定した揮散板Gが開封前に所定位置より下方に移行してしまう等の不都合を防止できる。
【0019】
キャップEに嵌着固定するとともに、キャップE上方に起立させた支持筒部73を備え、固定部54が刺通固定した揮散板Gの下面を支持筒部73上に載置する支持部材Hを設けた場合には、同様に、固定部54に刺通固定した揮散板Gが開封前に所定位置より下方に移行してしまう等の不都合を防止でき、また、確実に揮散板Gの下面位置を特定できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】揮散用容器の縦断面図である。(実施例1)
【図2】開封後の揮散用容器の縦断面図である。(実施例1)
【図3】図1のXーX線に沿う断面図である。(実施例1)
【図4】揮散用容器の縦断面図である。(実施例2)
【図5】図4のY−Y線に沿う断面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は揮散液の揮散用容器1の一例を示す。揮散用容器1は、ケース本体Aと、容器本体Bと、中栓Cと、吸液芯Dと、キャップEと、ケース蓋体Fと、揮散板Gとを備えている。
【0023】
ケース本体Aは、長方形状の底壁10周縁より周壁11を起立した上端開口の有底矩形筒状をなし、周壁11の上端部外周は上向き段部12を介して小径部11a に形成しており、小径部11a 外周の上下方向中間部に係止突条13を周設している。また、図3で明らかな如く、周壁11上端部の所定位置には、ケース蓋体Fの嵌合深さを調整するための嵌合用の切欠溝14を穿設している。嵌合用の切欠溝14は、周壁11の前辺に5ヶ所、後辺の前辺位置とそれぞれずれた位置に4個所、左辺に2個所、右辺の左辺位置とそれぞれずれた位置に3個所穿設しており、後述するケース蓋体Fの各突条と関連させている。
【0024】
容器本体Bは、ケース本体A内に収納されて使用されるもので、筒状の胴部20の上端に肩部21を介して口頸部22を起立して構成しており、口頸部22の外周下部にはフランジ23を突設し、フランジ23の上方には螺条を周設している。容器本体B内には芳香剤等の揮散液を収納する。
【0025】
中栓Cは、吸液芯Dの支持を主目的として設けられている。中栓Cは、周縁部を口頸部22上面に密接した頂板部30の中央部分を凹ませて、中央部に吸液芯Dの上端部を突出させるための収納凹部31を凹設し、収納凹部31の中央に上端を突出した嵌合筒32を下方へ垂設している。また、頂板部30の周縁部より垂設したシール筒部33を口頸部22内周に気密、液密に嵌合させている。更に、収納凹部31を形成する部分の頂板部30には通気孔34を穿設している。
【0026】
吸液芯Dは、吸液性のある従来のこの種揮散用容器に使用される吸液芯Dのうち特に、後述する固定部の連結部により穿孔が容易な形態のフェルト、合成繊維束、天然繊維束、発泡合成樹脂等により形成されたもので、上端を収納凹部31内に突出した状態で嵌合筒32により支持され、下端を容器本体B内下部に垂下している。
【0027】
キャップEは、口頸部22外周に螺合させた周壁40の上端より頂壁41を延設した下端開口の有頂筒状をなし、頂壁41の中央部を薄肉の易切断部41a として形成している。また、易切断部41a の周囲から上方へ案内筒部42を立設し、更に、頂壁41の下面にはシール用突条43を垂設し、該シール用突条43を中栓Cの収納凹部31内周面に圧接嵌合させて気密,液密にシールしている。尚、本例では易切断部41a を頂壁41と一体に形成しているが、頂壁41の中央に窓孔を穿設し、その窓孔を塞ぐ別体の易切断部(シート材やフィルムなど)を固着することで形成することも可能である。
【0028】
ケース蓋体Fは、周壁50上端縁より頂壁51を延設した下端開口の有頂筒状をなし、周壁50の内面には、上記ケース本体Aの各切欠溝14と対応する複数の突条52を突設しており、各突条52の下面がケース本体Aの周壁11上面に当接してそれ以上下降しない様に構成している。この際周壁50の内周下部に突周設した係合突条53がケース本体Aの係止突条13に乗り越え係合し、上方への抜け出しを防止する。突条52はケース蓋体Fを図1の状態から180 °水平回動させた位置で、それぞれケース本体Aの切欠溝14内に嵌合する位置に設けており、従って、図1の状態では、図3に示す如く、後辺に5個所、前辺に4個所、左辺に3個所、右辺に2個所設けている。
【0029】
また、ケース蓋体Fは、頂壁51の中央部より板状の固定部54を垂設し、固定部54の下面から下方へ、下端が円錐形状をなす円柱状の通液路用連結部55を垂下している。また、固定部54の前後面に於いて、その上下中間部より下方へ、通液路用連結部55の下端に開口する通気路用縦溝56を縦設しており、これらの通気路用縦溝56により吸液芯Dと揮散板Gとを連通する通液路を形成している。また、通液路用連結部55の側方にも下端が円錐形状をなす円柱状の通気路用連結部57を垂設しており、固定部54の前後面に於いて、その下部より下方へ、通気路用連結部57の下端に開口する通気路用縦溝58を縦設しており、これら通気路用縦溝58により通気路を形成している。尚、本例では、通液路或いは通気路を形成するために上記通液路用縦溝56や通気路用縦溝58を設けているが、これらに変えて固定部54に一端をそれぞれ開口し、他端を各連結部にそれぞれ開口する貫通孔による通液路や通気路を形成することも可能である。また、本例では通液路用連結部55及び通気路用連結部57を備えた固定部54をケース蓋体Fに一体に形成しているが、これらを別体に形成してケース蓋体Fに適宜嵌着或いは固着手段により一体化させても良い。その場合には固定部54等のより適正な材質を選択できる利点がある。
【0030】
ケース蓋体Fの上面には一対の揮散窓59を穿設しており、各揮散窓59の外側縁部よりそれぞれ、支持板60を垂設している。各支持板60の下端より内方へフランジ状突部61を突設している。
【0031】
揮散板Gは合成樹脂発泡体、揮散紙、フェルト等の従来のこの種容器に於ける揮散板として使用するものが使用でき、固定部54を刺通可能な材質で構成されている。図1の二点鎖線で示す如く、中央を固定部54により貫通固定されて各支持板60間に装着されている。
【0032】
上記の如く構成した揮散用容器1を使用する場合について説明する。図1の状態では、各突条52の下面がケース本体Aの周壁11上面に当接してそれ以上の下方への移行ができないようになっており、その際、容器本体B内は、中栓CやキャップEにより液密、気密にシールされている。また、通液路用連結部55及び通気路用連結部57は易切断部41a の上方位置にある。この際、揮散板Gは固定部54に刺通して支持板60のフランジ状突部61上に装着されている。
【0033】
この状態からケース蓋体Fを取り外し、180°水平回動させて再びケース本体Aに嵌合させると、各突条52が各切欠溝14の位置となるため、図2に示す如く、各突条52の下端部が対応する各切欠溝14内に嵌入するため、ケース蓋体Fを図1の状態より深くケース本体Aに押し込むことができ、その際、通液路用連結部55及び通気路用連結部57が易切断部41a を切断するとともに、通液路用連結部55が吸液芯Dの上面から刺入し、図2に示す如く、吸液芯Dと揮散板Gとが、各通液路用縦溝56で構成される通液路を介して連通する。この状態で、容器本体B内の揮散液は、吸液芯Dを介して吸上げられ、通液路を介して揮散板Gに吸い上げられ含浸される。この際通液路の通液路用縦溝56内は毛細管現象による液の上昇が起こる。揮散板Gに含浸された揮散液は揮散窓59から外部へ揮散される。
【0034】
揮散液が上記の如く揮散されて液が減少した容器本体A内には外気導入路を介して外気が導入される。外気導入路は、主として通気路用縦溝58で構成される上記通気路で構成され、その他に通液路用連結部55外周の易切断部41a を破断した破断部分と、通気路用連結部57外周の易切断部41a を破断した破断部分とで構成される。
【0035】
図4及び図5は他の例を示し、図1の例に於いて、揮散板Gの装着状態が相違する例を示す。
【0036】
本例では、キャップEを装着した口頸部外周に支持部材Hを嵌着固定している。支持部材Hは、キャップ周壁40外周に嵌合させた周壁部70を備え、周壁部70の内周下部に突設した係合突条部71をフランジ23下面に乗り越え係合させて上方への抜け出しを防止している。また、周壁部70の上端より内方へ延設したフランジ部72をキャップ頂壁41の周縁部上面に係合させ、周壁部70の上面からは支持筒部73を起立し、支持筒部73の上端より四方外方に連結板74を延設し、各連結板74の周縁部に、四角筒状の係止枠75を起立している。係止枠75の四隅上端には係止蓋板76をそれぞれ延設している。そして、固定部54に刺通固定した揮散板Gを係止枠75内の各連結板74に載置している。
【0037】
この場合には、例えば支持部材H上に揮散板Gを載置した状態で、上方からケース蓋体Fを、その浅い嵌合状態に嵌合させることで固定部54を揮散板Gに刺通して図4の状態のとし、この状態からケース蓋体Fを外すと揮散板Gは支持部材H上に残り、次いでケース蓋体Fの180度水平回動状態で再び嵌合すれば、固定部54が再び揮散板Gを貫通し、各通液路用連結部55及び通気路用連結部57が易切断部41a を破断し、その後図1の例の場合と同様の作用をなす。その他の構成,作用は図1の例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。尚、揮散板Gが固定部54から一端はずれる場合について説明したが、ケース蓋体Fを外す際に一緒にはずれる如く構成しても良い。また、図示例では、揮散窓を省略しているが、ケース蓋体Fの頂壁51及び/又は周壁50に穿設すれば良く、その数も1個所でも複数個所でも良く適宜選択すれば良い。さらに、案内筒部42の上端部に1つ又は複数の切欠溝を形成することなどにより、空気の置換効率を高めることも可能である。
【0038】
尚、上記各部材は特に記載していない場合には合成樹脂等により形成するとよいが、当然これに限られない。また、上記各例に於いて、ケース蓋体Fを180度水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成しているが、これに限られず、回動角度は適宜選択できる。但し、その場合にはそれに対応したケース本体A及びケース蓋体Fの形状を採用する。例えば、ケース本体Aの少なくとも上端部嵌合部位に正多角形筒状や円筒形状を採用し、ケース蓋体の少なくとも下端部嵌合部位に対応する筒状形態を採用する。
【符号の説明】
【0039】
1…揮散液の揮散用容器
A…ケース本体
10…底壁,11…周壁,11a …小径部,12…上向き段部,13…係止突条,
14…嵌合用の切欠部
B…容器本体
20…胴部,21…肩部,22…口頸部,23 …フランジ
C…中栓
30…頂板部,31…収納凹部,32…嵌合筒,33…シール筒部,34…通気孔
D…吸液芯
E…キャップ
40…周壁,41…頂壁,41a …易切断部,42…案内筒部,43…シール用突条
F…ケース本体
50…周壁,51…頂壁,52…突条,53…係合突条,54…固定部,55…通液路用連結部, 56…通液路用縦筒,57…通気路用連結部,58…通気路用縦溝,59…揮散窓,
60…支持板,61…フランジ状突部
G…揮散板
H…支持部材
70…周壁部,71…係合突条部,72…フランジ部,73…支持筒部,74…連結板,
75…係止枠,76…係止蓋板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端を開口したケース本体Aと、ケース本体A内に収納するとともに、内部に揮散液を収納し、且つ、吸液芯Dを垂下固定した容器本体Bと、容器本体Bの上端開口を気密,液密に閉塞して嵌着するとともに、頂部に押圧破断可能な易切断部41a を備えたキャップEと、ケース本体Aに対して所定角度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成するとともに、下端に針状の通液路用連結部55を有する固定部54を内部に垂設したケース蓋体Fと、固定部54に刺通固定された揮散板Gとを備え、ケース蓋体Fを浅い嵌合位置から所定角度水平回動状態で深い嵌合位置に嵌合させた際、易切断部41a を切断貫通した通液路用連結部55が吸液芯Dの上端部に突き刺さり、通液路用連結部55から揮散板Gに連通する通液路を介して吸液芯Dと揮散板Gとを連通させ、易切断部41a の切断貫通部位を通り容器本体B内外を連通する外気導入路を開通する如く構成したことを特徴とする揮散液の揮散用容器。
【請求項2】
上記外気導入路として、固定部54の下部から、固定部54下端に垂設した針状の通気路用連結部57下端に連通する通気路を備える請求項1記載の揮散液の揮散用容器。
【請求項3】
ケース蓋体Fの周壁50内面に突設した突条52をケース本体Aの周壁11上面に当接した状態でケース蓋体Fの浅い嵌合位置を現出し、ケース本体Aの周壁11所定位置に設けた嵌合用の切欠溝14に所定角度水平回動位置のケース蓋体Fの突条52を嵌合させた状態でケース蓋体Fの深い嵌合位置を現出する如く構成した請求項1又は請求項2のいずれかに記載の揮散液の揮散用容器。
【請求項4】
ケース本体Aの周壁11の少なくとも上端部嵌合部位が矩形筒状をなすとともに、ケース蓋体Fの周壁50の少なくとも下端部嵌合部位が矩形筒状をなし、ケース本体Aに対して180度の水平回動位置で深さの相違する嵌合が可能に構成した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の揮散液の揮散用容器。
【請求項5】
ケース蓋体F内にフランジ状突部61付きの一対の支持板60を垂設し、各フランジ状突部61により固定部54が刺通固定した揮散板Gの下縁を係止した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の揮散液の揮散用容器。
【請求項6】
キャップEに嵌着固定するとともに、キャップE上方に起立させた支持筒部73を備え、固定部54が刺通固定した揮散板Gの下面を支持筒部73上に載置する支持部材Hを設けた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の揮散液の揮散用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−11746(P2011−11746A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154575(P2009−154575)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】