揮発性物質を排出するための装置
本発明は、香料の分野、より正確には、活性組成物を周囲空間へ排出するための装置、及び該装置に関連する消費者物品に関する。装置は、周囲へ拡散される活性液体を保持する容器と、ウィック部材及び放出/拡散部材から成るウィック部材/拡散部材とを含むアセンブリを有しており、放出/拡散部材は、装置が活性化されたときに周囲空間に直接に曝される蒸発面を有しており、アセンブリは、ケーシング内に収容されているか又は支持フレームによって支持されており、装置は、さらに、アセンブリを揺動させ、これにより望まれる場合にはいつでも活性揮発性物質を強制的に蒸発させるための、ケーシング又は支持フレームに固定された回動手段を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香水の分野に関し、より正確には、活性の揮発性物質を周囲へ、特に包囲された雰囲気内へ排出するための装置に関する。本発明の装置は、活性の液体、すなわち特定の揮発性を備える液体を含有し、かつ雰囲気中へ散布したい物質を含有するための容器と、揮発性液体に浸されてこの揮発性液体が浸透することができる部分から成る少なくとも1つのウィック/発散構造と、放出部とを有しており、この放出部は、周囲空間に曝された蒸発面と、選択的に前記蒸発面の単位当たりの比吸収及び重量とを有する、エアリフレッシュナ装置である。ウィック/発散構造の少なくとも部分は、この部分を枢軸を中心に揺動させることができる手段に結合することが意図されており、これにより、このような手段が存在しない場合に観察されるであろう蒸発に対して、放出部の蒸発面からの揮発性物質の高められた蒸発を強制する。
【0002】
従来技術及び解決すべき課題
活性の揮発性液体を周囲空間に排出するための装置は、長期間知られている。このような装置の1つの形式は、いわゆるウィック式装置であり、全てのウィック形式装置は、容器と、エアリフレッシュナから拡散されるための揮発性液体に突入させられたウィックと、発散体若しくは発散面とを有しており、この発散体若しくは発散面から活性液体が蒸発する。
【0003】
ウィック形式の多くのエアリフレッシュナ装置が従来技術に説明されている。多くのこのような装置は、強制されない蒸発のみによって働くが、蒸発強制手段、例えば換気を増大させかつこれによって放出面からの揮発性物質の蒸発を強制する外部ファン又はその他の機械的な手段、又は多孔質のウィック/放出部材エレメントの蒸発面の電気的加熱を提供する手段を提供することによって、強制されない蒸発を増大させることがしばしば望ましい。
【0004】
発散面の強制換気は、過去には、電池又は電動式の別個の部材、特にファンの使用を必要としていた。このような装置の典型的な最近の例は、特に、国際公開第2005/030277号及び米国特許出願公開第2006/0043619号明細書に記載されている。これらのうち最初のものにおいて、実質的に平坦でかつファンによって提供される強制換気の方向に対して概して平行な向きを有する蒸発面に作用する電動ファンが設けられた装置が記載されているのに対し、米国特許第2006/0043619号明細書は、より慣用のファン操作式エアリフレッシュナを示している。
【0005】
ファン操作式装置の多くの他の例を従来技術に見つけることができるが、これらの例は全て、ウィック/放出構造から独立した別個の回転部分を必要とし、このことは、強制されない蒸発に依存するものに対して装置のコストを増大させる。本発明は、雰囲気中へ排出される揮発性物質の高められた蒸発を依然として提供しながら、このような別個の可動部材を排除することを目的とする。
【0006】
本発明の装置は、揮発性物質のための蒸発面を、装置のハウジング又は支持構造に取り付けられた枢軸を中心として直接揺動させる手段を有しており、これにより、前記面の換気を高めるための別個のファンの使用を省略する。
【0007】
我々が知る限り、従来技術は、ウィック形式のエアリフレッシュナにおける蒸発面の換気を高めるという課題に対するこのような解決手段を開示又は提案していない。Dennis E. Greenに発行された米国特許第6103201号明細書は、芳香保持材料から形成されておりかつ室内換気システムに接続されるように適応されたロータの使用を開示しているが、このようなロータは、揮発性材料における蒸発面の一定の補給を許容するために揮発性物質を含有する容器に接続することはできない。この補給は、通常の及び/又は強制された蒸発期間の間、時間が経過するにつれて線形でかつ維持された解放のために必要である。
【0008】
本発明は、装置の寿命に亘って活性組成物の一定かつ線形の量を効率的に排出するエアリフレッシュナを提供し、これにより、大量の界面活性剤の使用を省略することによって全ての公知の装置を改良することを目的とし、本発明は、揮発性物質の高められた蒸発能力を有するその他の移動作動式エアリフレッシュナと比較して、より少ない数の部材が製造されかつ組み立てられることを必要とする。さらに、請求項に記載の装置は、手動活性化又は電動活性化、特に太陽電池パネル、に適応されているという利点をも有し、従って、エネルギ持続性の要求を満たす装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】手動による起動のための装置の様々な部材を示す、本発明による装置の1つの実施の形態の立面図を断面で示しており、枢軸は容器とウィック/発散構造との間に配置されている。
【図2】容器及びウィック/発散構造の揺動と、発散部材の柔軟な構造の曲げによって(図2a)又はウィック構造を中心とする発散部材の回転によって(図2b)生ぜしめられる空気流とを示している。
【図3】図1の装置の変化実施例の立面図を断面で示しており、装置のケーシング又はハウジング部材Aは、成形された部材Lのレバー部分のより良好なアクセス及び作動を許容するために様々な異なる形状を有しており、活性物質を含有するボトルへの移動又は直接のアクセスを生じ、活性物質の変位を許容する。
【図4】プリント回路板と、プリント回路板に電流が流れたときにウィック/放出構造の移動を引き起こすことができるソレノイド/磁石の組合せとを有する、太陽電池パネル作動式装置の立面図を部分的に断面で示している。
【図5】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図6】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図7】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図8】ケーシング又はハウジングの代わりに支持フレームが設けられた、本発明の太陽電池パネル作動式装置の立面図を部分的に断面で示している。
【図9】枢軸がウィック/放出構造の上方に固定されておりかつ回動手段が装置のハウジングの上部に取り付けられており、ハウジングに、ハウジングの面のうちの1つにおいて、容器への外部からのアクセスを許容するためのギャップが設けられており、容器を手動で揺動させることができるようになっている、手動作動式装置の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図10】ハウジングが、開放した支持フレームによって置き換えられている、図9の装置のような装置の立面図である。
【図11】図4から図8までのものと同様の本発明による電動式装置の立面図を部分的に断面で示しているが、回動手段は、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の部分の代わりに、装置のハウジング又は支持フレームの上側部分に取り付けられている。
【図12】図4から図8までのものと同様の本発明による電動式装置の立面図を部分的に断面で示しているが、回動手段は、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の部分の代わりに、装置のハウジング又は支持フレームの上側部分に取り付けられている。
【図13】複数のウィック/発散部材を有する本発明による装置の立面図である。
【図14】図2a)の揺動の動きを示す図である。
【図15】図2b)による揺動の動きを示す図である。
【0010】
発明の説明
本発明の目的は、場合によっては光源が設けられている、周囲空間、部屋、食器棚又はその他の包囲された空間に活性の揮発性液体を放散することができるウィック形式のエアリフレッシュナを提供することであり、この装置は、平衡状態にある時には実質的に線形の性能を有しており、つまり、活性揮発性物質の強制されない又は強制された蒸発のそれぞれの期間の間、ほぼ一定の量で揮発性物質を放散させる。
【0011】
これは、前記揮発性物質が染み込んだ蒸発面の強制された換気のための手段が設けられた、周囲雰囲気中へ活性の揮発性物質を排出するための装置によって達成され、この装置は、ハウジング又は支持フレームと、以下のものから成るアセンブリとを有している:
a)選択的にキャップによって被覆される開口が設けられた上側部分を有する、活性の揮発性物質を含有する容器;
b)装置の起動時に前記活性の揮発性物質を染み込ませることができかつ装置の周囲への揮発性物質の蒸発を許容することができる材料から形成された、前記蒸発面を有する少なくとも1つの発散部材;
c)前記活性の揮発性物質を染み込ませることができる多孔質材料部分から形成された又はこのような多孔質材料部分を支持する少なくとも1つのウィック部材であって、このウィック部材は、揮発性物質が染み込むことができかつ発散部材と接触するような位置において、容器の上側部分の開口を介して装置に収容されるように適応されているウィック部材;
装置の起動時に、発散部材及びウィック部材は、ウィック部材を活性の揮発性物質と接触させかつ発散部材に揮発性物質を染み込ませるような位置において装置に収容され、蒸発面の強制換気のための手段は、ハウジング又は支持フレームに固定された枢軸を有しており、アセンブリは、発散部材の前記蒸発面の強制換気を生ぜしめるために所定の時間にわたって枢軸を中心に揺動を生じる形式で枢軸に配置されており、アセンブリの揺動は、1つ又は2つ以上のアセンブリ構成部材の、手動による移動、機械的な移動又は電子式作動による移動によって引き起こされる。
【0012】
「活性の揮発性液体、物質又は材料」又は「揮発性液体、物質又は材料」は全て、ここでは交換可能に用いられ、この場合、少なくとも部分的に揮発性である、すなわち大気圧及び一般に15〜35℃の通常の室温において蒸発することができる液体を意味し、この液体は、本発明による装置の周囲に利点を与えることができる。
【0013】
「発散」、「放出」及び「拡散」は全て、液体が一般に周囲へ蒸発するウィック発散器構造の部材、部品又は片に当てはまり、ここでは、拡散される揮発性物質を含有する容器の開口から前記容器の外部へ延びた、エアリフレッシュナを包囲する空気に曝された、エアリフレッシュナ装置又はそのウィック/放出構造の部分を表すために、交換可能に用いられる。ウィック/放出構造アセンブリのこの構成部材は、以下に定義される蒸発面若しくは蒸発領域を有しており、この領域の定義と両立可能なあらゆる形状を成すことができる。構成部材は、1つ又は複数のエレメントから形成されてよい。
【0014】
「ウィック」又は「ウィック部材」は、ここでは本質的に、装置が起動させられると、容器に含有された液体に突入させられる、装置のウィック/放出構造の部分であると理解される。しかしながら、装置のある実施の形態によれば、ウィックは、容器の外部に向かって延びていてもよく、発散部材に揮発性物質を適切に染み込ませるために発散部材を固定して発散部材と支持構造との間の接触を改良するための支持構造を提供してよい。
【0015】
さらに、発明の択一的な及び有利な実施の形態によれば、ウィック及び放出部材は、ウィック/放出構造を形成する同じ1つの片又は部材の部分であってよく、前記片の一方の端部、通常は下端部は、装置の起動後に装置が作動している時には活性物質に突入させられており、前記1つの片又は部材の他方の端部、概して上端部は、エアリフレッシュナ装置の周囲と接触しかつ活性物質を拡散させるために、活性物質を含有する容器の開口から延びている。
【0016】
ウィック/放出構造のこの単一片実施形態は特に有利である。なぜならば、これは、エアリフレッシュナにおける複数のこのような単一片の使用を許容し、これにより、エアリフレッシュナの拡散能力を高め、望まれるならば、全体を交換することなく拡散面の部分の交換を許容するからである。
【0017】
好適には、ウィック部分、及びウィック/放出アセンブリ全体は、放出部と同じ材料から形成されている。
【0018】
発明の装置の特定の実施の形態によれば、起動時に装置の周囲への活性揮発性物質の拡散を許容するための手段を有するハウジング又はケーシングがさらに設けられている。このハウジング又はケーシングは、ハウジング又はケーシングの設計及び寸法が発散部材の又はアセンブリ全体の、枢軸又は軸受を中心とする自由な揺動と、手動作動、機械的作動、又は電子式作動を許容する位置における、容器及びウィック/放出構造によって形成されたアセンブリのハウジング又はケーシングへの収容とを許容するならば、あらゆる形状であってよい。
【0019】
ハウジング又はケーシングは、アセンブリのための開放した支持フレームによって置き換えられてよく、このフレームに枢軸が固定されている。この他の実施の形態は、放出部材を周囲空気に完全に曝すことを可能にし、いつ液体が交換される必要があるかを観察するために容器の視認性をも提供してよい。
【0020】
もちろん、容器の同様の視認性及び周囲への蒸発面の暴露を許容するために十分な寸法のギャップ又は開口がハウジングに設けられていてもよい。
【0021】
本発明による回動手段は、円筒状のピンから成ることができ、例えば容器のキャップに収容することができるか、又は回動手段全体を、装置のケーシング又は支持フレームに収容することができる。回動手段は、同様の形式で配置されたシャフトから成ることもできる。本質的なパラメータは、枢軸が、枢軸を中心とする揺動を許容する形式で、容器、ウィック及び/又は放出部材アセンブリの1つのエレメントと係合させられることである。
【0022】
アセンブリ又はアセンブリの一部の揺動は、手動式、機械式、又は電池/電動式であることができ、有利には太陽電池電動機構を介して行われる。発明の後者の実施の形態は、明白なエネルギ供給利点を有しており、電気エネルギが容易に利用可能ではない場所においてもその使用を許容する。
【0023】
択一的に、巻上げ又はばね形式の機構が、機械的な手段によって揺動の動力を与えるために使用されてよい。電池又は電源によって動力を駆動することも適切である。
【0024】
発明の有利な実施の形態によれば、活性揮発性物質は、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、昆虫忌避剤組成物、及びこれらの混合物のグループの中から選択されている。しかしながら、その他の揮発性物質又は部分的に揮発性の物質は、ウィック部材、若しくは発散部材を形成する材料、すなわち多孔質材料に染み込みかつこの多孔質材料から拡散するように適応されているならば、発明の装置から雰囲気中へ拡散されてよいことが明らかである。
【0025】
容器チャンバは、活性揮発性液体組成物、又は以下で呼ばれるように、好適には非水系の、「活性組成物」を貯蔵する機能を有する容器又はボトルである。装置の起動の前に、容器は、液体活性物質の初期量を含んでおり、起動後、あらゆる時点で、ウィック/発散部材構造にまだ吸収されておらずかつ拡散されていない液体活性物質の残りを含んでいる。
【0026】
発明は、ウィック部材が、ハウジング内に配置された案内又は支持構造内に収容されており、場合によっては放出/蒸発部材をも支持するシャフトタイプ構造内に収容されているような、特定の実施の形態にも関する。このウィック部材案内又は支持構造は、好適には、ハウジング又はフレーム内に鉛直に配置されており、強制蒸発が望まれる場合には、枢軸の一方の側から他方の側への揺動に関与することができてよい。
【0027】
容器には、通常、容器の起動前に該容器からの活性組成物の蒸発を阻止するための手段が設けられている。好適な実施の形態によれば、容器の開口は、箔から形成されかつ装置の起動前には開口に密閉して取り付けられる蓋又はバリヤを支持している。箔は、起動時に除去されるようになっており、場合によってはウィック部材又はウィック案内部材によって穿孔されるようになっている。次いで、このバリヤは、装置の起動前に揮発性組成物の蒸発を阻止する機能を有し、活性揮発性物質を拡散させるために装置が使用されるときに除去又は穿孔される。
【0028】
容器は、キャップアセンブリを支持していてもよい。キャップは、有利には枢軸を支持していてよく、この枢軸を中心としてアセンブリは2つの位置の間を揺動する。
【0029】
有利な実施の態様によれば、発散若しくは放出部材は、ウィック部材を収容するために適応された中空のキャビティが設けられた、支持構造、すなわちシャフトに配置される。択一的に、ウィック部材自体は、容器の上方に鉛直に延びた部分を有する長い円筒状のロッドから形成されており、発散部材のための支持手段が設けられている。後者が実現される形式の詳細は、後で説明される例に示されるが、本出願人によって所有される国際公開第2006/061803号にも開示されており、本発明による揺動と両立可能な、ここに記載された形式において機能するように適応された、この文献に記載されたウィック/発散部材相対配置の全ての態様は、参照したことにより本明細書に含まれ、本願請求項に記載の装置においてこれらを組み込むことは当業者にとって些細なことである。
【0030】
前述のように、放出及びウィック部材、又はそれらの単一片アセンブリは、装置のハウジングに収容されてよい。これらは、ハウジングの構造内に収容された場合、好適には同軸に配置される(このような軸線は鉛直に配置されている必要はない)。通常、放出部材のための支持構造は、両者が単一片を形成しない場合、ウィックの一部である。
【0031】
装置ハウジング又はケーシングが設けられている場合はいつでも、ハウジング内に収容されたアセンブリの自由揺動を許容するように適応されているならば、その形状はしかしながらあらゆるものであることができる。装置ハウジング又はケーシングは、国際公開第2006/061803号に記載のように、1つ又は2つのエレメントから形成されてよく、2つのエレメントの相対配置は、活性物質吸収/蒸発アセンブリの揺動能力を妨害しないようになっている。
【0032】
もちろん、ハウジングが設けられていない本発明による装置を有することも可能である。発散及びウィック部材は概して、装置の起動時に容器内に含有された活性揮発性物質と接触させられるだけであるので、使用前にはその蒸発を停止させるためにハウジングは必要とされず、ハウジングは、本発明の実施の形態のうちの少なくともいくつかにおいて、省略することができる。枢軸及びウィック/発散部材アセンブリを支持するための開放したフレームは、極めて便利で有利な選択肢であってよい。
【0033】
前述のように、ウィック/発散部材構造は、一片から形成されるか、又は強制蒸発が望まされる場合に、揺動によって生ぜしめられる空気の増大した流れに発散部が選択的に曝されるように配置された少なくとも2つの別個の片から形成されてよい。
【0034】
従って、これらの2つのエレメントを設計することができかつ場合によってはハウジング又はフレームに収容することができる多くの形式が存在する。好適な実施の形態において、例えば本出願人に認められた米国特許第7441755号明細書に開示されているような上部構造を形成するために、少なくとも発散部材がここに記載のように移動することができるならば、ウィック又はウィック案内構造には、その表面に刻まれた、発散部材の1つ又は複数のエレメントを密に収容するように適応された形式で成形された、溝又は凹所が設けられていてよい。
【0035】
本発明によれば、発散部材は、例えば、変形、又はウィック又は案内シャフト構造の鉛直軸線を中心とする回転を許容する形式で、ウィック又は案内シャフト構造に配置されていてよく、その結果、アセンブリが揺動させられた時に、増大した空気流が蒸発面に作用する。
【0036】
1つのこのような実施の形態において、拡散面は、様々なフィンの形状であってよく、これらのフィンは、容器の開口を被覆するように意図された蓋の上面に刻まれた溝内へのフィンの密な収容を許容するために、フィンの下側部分の形状と相補的な形状の溝内に取り付けられる。フィンアセンブリ全体は、従って、星形構造を形成することができる。フィンは択一的に、同様の効果を達するためにシャフト又はウィック軸構造に鉛直に刻まれた溝に固定することができる。
【0037】
しかしながら、発散部材の形状は、発散部材の蒸発面からの揮発性物質の高められた蒸発を生ぜしめることができる揺動と両立可能であるならば、あらゆるものであることができる。
【0038】
同様に、エアリフレッシュナのウィック部材は、液体が染み込むことができるように発散部材と係合する可能性と両立可能なあらゆる形状であることができる。以下に示される実施の形態のほとんどにおいては、ウィックは、場合によっては中空の、ロッド状構造を形成した、細い円筒であり、この円筒に、発散部材を、次いで、加速された蒸発が望まれる場合に、容器に突入されたウィック部分に対して移動させることができる形式で取り付けることができる。発散部材の形状は平坦であってもよい。
【0039】
装置の非手動式に起動される実施の形態によれば、装置は、容器及びウィック/放出構造を有するアセンブリに結合された磁石を吸着又は反発することができるソレノイド又はコイルにおいて誘発される電流を介して好適には作動させられる本質的なエレメントとしての動力手段を有している。ソレノイドは、外部から動力を与えられる電池をも含んでよい、装置のハウジング又はフレームに設けられたプリント回路板の一部であってよい。
【0040】
太陽電池動力供給手段が望まれる場合、本発明のエアリフレッシュナ装置には、特に以下で説明される例のうちの幾つかに示されるように、日光又は電池に接続された人工光源からエネルギを蓄えることができる太陽電池又は太陽電池パネルが取り付けられている。
【0041】
動力供給手段が機械的である場合、揺動を生ぜしめるために、典型的には、巻上げ式の時計式機構を使用することができる。従って、揺動は、機構の巻付けを介して、使用者によって直接に開始される。
【0042】
本発明は、パッケージングされた装置も含んでおり、この場合、概して活性揮発性物質を含有する容器は上述のように密閉され、装置の他の部分とは別個にパッケージングされている。発明のこのような実施の形態は、再充填可能であるという利点を有しており、前に使用されていた容器が空になると、活性揮発性物質の供給は、新たに充填された容器によって、又は容器とウィック/放出構造とのアセンブリによって代替されることができる。さらに、装置を異なる片において、異なる時点に獲得し、使用時に組み立てることもできる。
【0043】
例えば、活性揮発性物質を保持する容器又はコンテナは、発散部材のパッケージング又は別個のウィック/発散部材の1つ又は複数のパッケージングとは別個のパッケージングに提供されている。
【0044】
容器は、典型的には、貯蔵中は密閉され、ケープをかけられている。ウィック/発散部材は、これらが単一片のものではないとしても、使用者がこれらを組み立て、次いで、装置が起動された時にウィックの吸収面が活性物質に突入させられるような形式で容器開口に、このように設けられた構造を収容するように、成形されている。例えば、容器には、開口を密閉する箔が設けられていてよく、ウィック部材には、揮発性物質へのウィックの浸漬を許容するために箔を穿孔することができる尖端が設けられている。箔の密閉バリヤの穿孔は、使用者によって行われるか、又は一般的に知られた形式でのハウジングの移動によって強制されてよい。
【0045】
装置が起動位置になると、例えば手動又は電動で動かされるレバーを介して枢軸を中心とする移動を起動することは、所望の揺動を提供し、これにより、使用者は、所望のように、強制されない又は強制された蒸発を使用することができる。
【0046】
発散及びウィック部材は、同じ片又は構造の部分でなくてよく、従って、使用前に容器の液体に完全に突入したウィックを有し、かつ装置の起動時に発散部材をウィックと強制的に接触させ、これにより、蒸発面から次第に拡散させられる活性液体で染み込ませることが可能である。
【0047】
概して、装置の本質的な部分は、揮発性組成物を含有する容器と、装置の起動前に揮発性組成物の蒸発を阻止するためのバリヤと、装置が起動させられると組成物を染み込ませてこの組成物を周囲へ拡散させることができる1つ又は複数の吸収/拡散部材とによって形成されており、発散部材のための支持構造は、回動手段によって規定された枢軸を中心とする揺動を許容する形式で成形されたエレメント、場合によってウィック又はウィックの一部を含む。回動手段は、ウィック/発散部材構造のための案内手段、すなわち容器のキャップに一体化されるか、又は以下に例示するように、装置のハウジング又はフレームに別個に固定されてよい。
【0048】
場合によってはアセンブリを形成する、ウィック及び拡散部材、及び容器、拡散される活性揮発性液体の特徴。
【0049】
本発明による装置は、上述の米国特許第7441755号明細書に記載された装置と同様の形式のウィック/放出構造を有する。
【0050】
本発明によれば、ウィック/放出構造の重要な特徴は:
i)放出部又は放出部材は、ウィック及び放出部によって吸収される液体の量(質量又は体積)に対して大きな表面積を有さなければならない
ii)容器に含有された液体は、濃縮された活性揮発性物質、好適には芳香剤であり、従って、従来公知の水性組成物と比較して比較的少ない量で使用することができる
iii)揮発性液体は、活性化の後すぐに放出部の全表面にわたって吸収される
iv)ウィック及び放出部は、ウィック及び放出部に吸収される液体の最大の量(すなわち、液体が放出部の全表面にわたって吸収された時)が、装置における揮発性液体の初期量(装置の活性化の前)の約20質量%未満である。
【0051】
容器に含有された液体は、典型的に、濃縮された揮発性組成物、好適には香水である。香水の蒸発特性を制御及び調節するために、溶剤(水以外)が利用可能である。使用される適切な香水原材料の選択により蒸発を調節することにより、溶剤を全く用いることなく香水を配合することも可能である。
【0052】
活性液体物質における溶剤の量は、75%w/w未満、好適には15%〜60%w/w、最も好適には25%〜50%w/wである。
【0053】
装置に最初に含有される液体組成物の量は、5g〜30g、より好適には7g〜21g、最も好適には10g〜18gである。
【0054】
液体は、装置の活性化の後すぐに放出部の全表面にわたって吸収される。放出部に吸収される液体の質量は、放出部の表面から蒸発した揮発性液体を補充するために、残っている揮発性液体が不十分になる時点までほぼ一定のままであるべきである。吸収は、活性化から24時間以内、好適には12時間以内、より好適には4時間以内、最も好適には2時間以内に完了すべきである。
【0055】
ウィック/放出部材アセンブリによって吸収される活性揮発性液体の質量は、エアリフレッシュナ装置の寿命の間、多かれ少なかれ一定のままである。なぜならば、放出部から蒸発した質量は、装置に残っている液体量が、放出部の表面を飽和させるためにもはや十分でなくなるまで、ウィックを介した蒸発面の補充によって補償されるからである。
【0056】
本発明によれば、ウィック・放出部アセンブリによって吸収される液体の最大量は、装置の起動前に、最初に装置に含有される液体の合計量の20質量%未満、好適には5〜15質量%、最も好適には、最初に容器に含有されている総質量の8〜13質量%である。
【0057】
従って、装置の好適な実施の形態は以下の特徴を有する:
・活性化の前は、7g〜13gの香水の質量が容器内に含まれている
・合計液体質量の25〜50質量%の溶剤用量が活性組成物に含まれている
・活性化の前は、10g〜18gの液体組成物の質量が容器に含まれている
・ウィック及び放出部に吸収される液体量=装置における液体の初期質量の8〜13質量%であり、装置に残っている液体量が、ウィック/放出部材アセンブリによって吸収される初期量よりも少なくなるまでは、ほぼ一定である。
【0058】
上記より、液体の質量は、0.8g〜2.34gになる。
【0059】
放出部は、50cm2〜400cm2、好適には75cm2〜300cm2、最も好適には100cm2〜200cm2の表面積を有することを特徴とすることができる。
【0060】
本発明による好適な範囲である100cm2〜200cm2の放出部の表面積の場合、ウィック/放出部によって吸収される液体の質量に対する表面積の比は、20cm2/g〜200cm2/g、好適には30cm2/g〜150cm2/g、最も好適には40cm2/g〜100cm2/gである。
【0061】
放出部材を形成することができる好適な材料は、セルロース誘導体、例えば、紙、成形されたセラミック、焼結プラスチック若しくは多孔質プラスチック、又は焼結プラスチック及び焼結金属等の混合された焼結材料である。放出部材又は放出部のための混合された材料を使用する場合、2つの材料が、エアリフレッシュナ機能に影響するパラメータ(孔容積、孔寸法、吸収能力、厚さ、表面積、体積)に関して同じ性質を有することが重要である。
【0062】
好適な紙は、Filter Paper No.1, 3, 4, 113として、Whatman International Ltd.(英国)から市販されているような、3μm〜30μmの粒子捕捉寸法を有する、ろ紙として使用されるものである。その他の好適な紙は、Orlandi Inc.(米国)から市販されているような、香水試験紙及び香水サンプリングのための吸取紙として使用されるものを含む。
【0063】
焼結プラスチック若しくは多孔質プラスチックの場合、好適にはこのような材料は、5μm〜200μmの孔寸法を有しており、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン又はポリプロピレンに基づく。このような材料の例は、例えばVyon(R)T(販売元:Porvair Technology Ltd.、英国)の商品名で市販されている。
【0064】
吸収/拡散構造の発散面又は放出部材部分として使用される好適な拡散材料は、以下の特徴を有する:
【表1】
【0065】
上述のように、放出部材は、互いに接触した1つ又は2つ以上の放出体を含んでよく、概して1〜6つの放出体が使用される。
【0066】
ウィック部材は、容器に含有された活性組成物の一部を吸収し、放出部材へ搬送するためのものであり、前記放出部材から活性組成物が本発明の装置の周囲空間へ蒸発することができる。装置の吸収/拡散構造のこの部分は、活性揮発性液体が容器から放出部へ供給される量が十分であるように構成されており、拡散される液体による飽和を保証するために装置に残っている液体量が不十分になるまで、放出部の拡散/蒸発面が、拡散される液体で常に飽和させられるように容器から十分な液体を吸収することができる中空の円筒である。
【0067】
ウィック部又はウィックは、有機材料及び無機材料から形成されていてよい。適切な無機材料の例は、適切なバインダ、例えば石膏又はベントナイトと組み合わせた、多孔質磁器材料、成形されたセラミックス、ガラス繊維、又はアスベストを含む。単独で、又は例えば木粉、炭素粉末、又は活性炭と組み合わせて、粉末鉱物材料、例えば、粘土、タルク、珪藻土、アルミナ、シリカ又は同様のものから、適切な接着剤を用いて、ウィックを製造することも可能である。有機材料は、フェルト、綿、パルプ、織られた又は織られていない綿繊維、合成繊維、セルロース誘導体、例えば紙、及び織られた及び織られていない焼結された又は多孔質のプラスチック、及び場合によってプラスターで被覆された木材を含んでいる。本発明のこれらの実施の形態に関連するその他の詳細及び特定の例は、米国特許出願公開2005/0140032号明細書として公開された前記米国特許第7441755明細書において特に見つけることができる。この米国特許明細書の内容は引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0068】
より好適な実施の形態は、多孔質天然紙材料、すなわちプレスされた紙から形成されたウィックを含む。
【0069】
上記のことから、吸収/拡散部材又は片のウィック及び放出部が同じ材料から形成されていて、活性物質に突入させられた部分を介して活性物質を吸収して活性物質蒸気を、容器の開口を越えて延びておりかつエアリフレッシュナ周囲と接触している放出部を介して拡散させる単一片を形成していることが、明らかである。本発明のこの特定の実施の形態は、以下に例示されるように、上記で引用された表面積、及び吸収された液体質量に対する表面積の比に従うために、場合によっては、充填された又は中空の円筒の形式で、様々な形状、特にロッド、だ円形又は平坦なリード若しくはスティックの形状の複数のウィック/放出片を使用することを可能にする。
【0070】
平坦な形状ではない放出部材若しくは放出部の場合、その蒸発面は、概して公知の形式で、円筒又はその他の三次元形状の表面に当てはまる通常の公式によって計算され、上記定義に従う。この放出部の表面積及び体積寸法は、装置が活性化され、周囲への蒸気の拡散を開始した場合、容器に最初に含有されている液体の全体積の約20%未満が、拡散面を揮発性液体で完全飽和させるために十分であるようになっている。この形式において、拡散面から蒸発した量だけが、その後、吸収/放出部材アセンブリのウィック部を介して定期的に補充され、拡散面は、装置の寿命を通じて液体で飽和した状態に保たれる。活性揮発性物質の蒸発は、従って、蒸発面特性によって完全に制御される。これは、従来公知のウィック式装置と比較して、はるかにより少ない体積の濃縮された活性揮発性物質を使用すること可能にし、濃縮された香水等の、濃縮された(すなわち実質的に水を含まない)疎水性液体を使用する場合でも、装置を経済的に存続可能にする。
【0071】
本発明のより好適な実施の形態によれば、容器に含有された液体の初期合計量の20質量%未満、好適には5質量%〜15質量%の量、最も好適には8質量%〜13質量%の量が、装置の起動時にウィック及び放出面によって吸収され、この放出面を最初に完全に飽和させ、これにより、吸収された液体が表面から周囲へ蒸発した時に、吸収された液体の交換を促進する。放出部が100cm2〜200cm2の範囲の表面積を有しており、ウィック及び放出部アセンブリによって吸収される液体質量に対する放出部表面積の比が40cm2/g〜100cm2/gの範囲であるようなウィック及び放出部材アセンブリは、前記効果を提供するように完全に適応された、本発明の実施の形態である。
【0072】
容器、及び場合によってそのためのキャップが、活性組成物の蒸気と適合性でかつこの活性組成物の蒸気に対して完全に不透過性である材料から形成されている。好適には、容器チャンバは、透明又は半透明な材料から形成されており、これにより、消費者は、容器チャンバ内に存在する活性組成物のレベルを視覚的に監視することができ、これにより、消費されたので本発明による装置が交換されなければならない時を知ることができる。典型的な容器は、5g〜30g、より好適には7g〜21g、最も好適には10g〜18gの液体を含んでいる。
【0073】
容器チャンバ及び容器チャンバ蓋又はギャップのための適切な材料は、ガラス、射出成形又は熱成形された材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリレート等のポリマから得られるようなものを含む。
【0074】
容器及びキャップは、単一のボディの一部、典型的には成形片であることができ、これは、アセンブリを枢軸を中心にして手動で揺動させるための手段をも有していてよく、枢軸も場合によっては同じ成形片に設けられている。
【0075】
拡散される液体組成物の好適な材料及び特性
本発明の好適な実施の形態によれば、容器に含有される組成物は、非水系である。
【0076】
「非水系の活性の揮発性液体組成物」とは、ここでは、実質的に水を含まないか又は僅かな量の水のみを含む活性の揮発性液体組成物を意味し、例えば、例として、揮発性液体組成物の総質量の多くとも10%、より好適には5%未満の水を含む組成物をいう。
【0077】
有効な活性組成物は、好適には、界面活性剤も含まない。
【0078】
活性組成物は、少なくとも1つの活性成分を含んでいる。前記成分は、装置が起動させられる包囲空間若しくは閉鎖空間に利点を与え、活性揮発性材料を形成することができ、前記活性の揮発性材料に対して有利であることができる選択的な成分が添加されていてよい。言い換えれば、活性組成物は、少なくとも1つの成分と、選択的に、溶剤、シックナ、酸化防止剤、染料、苦味剤、及び紫外線抑制剤から成るグループから選択された1つ又は2つ以上の成分とを含有する活性揮発性材料を含む。
【0079】
活性揮発性材料として、好適には香水を使用することができる。その他の適切な活性揮発性材料は、消臭剤又は殺菌剤、又は昆虫忌避剤、又は揮発性活性材料が拡散させられる空気の質に対して認知可能でかつ望ましい利点を提供することができるあらゆるその他の活性材料であることができる。
【0080】
香水として、香水において現在使用されている、すなわち芳香作用を行うことができる、つまり周囲空気の臭気を変更する又は芳香を付与する、あらゆる成分又は成分の混合物を使用することができる。つまり、例えば身体悪臭、タバコ臭、キッチン又は浴室の悪臭等の様々な悪臭を低減若しくは抑制することができる悪臭中和組成物も、ここでは、「香水」、「フレグランス」又は「芳香組成物」の定義に含まれると理解される。しばしば、このような芳香組成物は、天然由来又は合成由来の多かれ少なかれ複雑な混合物である。前記成分の性質及びタイプは、ここでは、あらゆる場合に網羅的ではないより詳細な説明を正当化せず、当業者は、一般的な知識に基づいて、及び使用目的又は用途及び所望の官能的効果に従って、成分を選択することができる。一般的な意味で、これらの芳香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素又は硫黄複素環式化合物、及び天然由来又は合成由来の精油等の様々な化学クラスに属する。多くのこれらの成分は、あらゆる場合、S. Arctander著, "Perfume and Flavor Chemiclas", 1969年, Montclair, New Jersey, USA、又はそのより近年の版、又は同様の性質のその他の作品、及び香水分野における豊富な特許文献等の、参照テキストに列挙されている。多くは、芳香を提供し、これにより周囲空気に快適なにおいを付与することに加え、周囲空気を浄化及び無菌化しかつ/又は周囲空気のあらゆる悪臭(すなわち不快なにおい)を除去するのを助けるように、悪臭中和及び/又は殺菌作用を有することが知られている。
【0081】
ラベンダー、セダー、レモン等の天然油、その他の精油及び抽出物は、本発明の有利な実施の形態のために特に好適である。
【0082】
本発明の装置によって提供することができる芳香効果の特別な言及が上記になされているが、同じ原理は、消臭又は殺菌蒸気の拡散のための同様の装置にも当てはまり、香水が、消臭組成物、抗菌剤、殺菌剤、昆虫忌避剤、昆虫誘引剤によって置き換えられ、又はいわゆる防虫装置にも当てはまる。「殺菌蒸気」とは、ここでは、観察者を包囲する空気の許容の程度を高めることができる物質の蒸気だけでなく、ある種の昆虫、例えばイエバエ又は蚊又はその他のものに対する誘引効果又は忌避効果を提供することができる、殺菌作用又は静菌作用を有することができる物質をも意味する。このような作用物質の混合物を使用することもできることは言うまでもない。
【0083】
活性組成物における活性揮発性材料の合計量は、活性組成物の重量の25質量%〜100質量%、好適には40質量%〜85質量%、最も好適には50質量%〜75質量%であってよい。
【0084】
上記のように、活性組成物は、例えば溶剤、シックナ、抗酸化剤、染料、苦味剤及び紫外線抑制剤として作用する幾つかの選択的な成分を含んでもよい。
【0085】
有効な紫外線抑制剤成分の制限しない例として、Uvinul(R)(発売元:BASF AG)の商品名で市販されているような、ベンゾフェノン、ジフェニルアクリレート又はシンナメートを挙げることができる。
【0086】
活性組成物に存在する紫外線抑制剤の合計量は、0.0%〜0.5%、好適には0.01%〜0.4%であってよく、パーセンテージは活性組成物の合計質量に対するものである。
【0087】
1つ又は2つ以上の溶剤の存在は、単相又は二相液体を有しかつ/又は周囲空気への活性材料の蒸発速度を調節するために有効であってよい。前記溶剤は、イソパラフィン、パラフィン、炭化水素、すなわちグリコール、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、エステル又はケトンに属してよい。
【0088】
適切な市販の溶剤の例は、商品名Isopar(R) H, J, K, L, M, P, V(イソパラフィン;発売元:Exxon Chemical)、Norpar(R) 12 又は15(パラフィン;発売元:Exxon Chemical)、Exxol(R) D155/170, D40, D180/200, D60, D70, D80, D100, D110又はD120(非芳香化された炭化水素;発売元:Exxon Chemical)、Dowanol(R) PM, DPM, TPM, PnB, DPnB, TPnB, PnP又はDPnP(グリコールエーテル;発売元:Dow Chemical Company)、Eastman(R) RP, EB, EEH, DM, DE, DP又はDB(グリコールエーテルエステル;発売元;Dow Chemical Company)又はEastman(R) EBアセテート、Eastman(R) DE アセテート、Eastman(R) DB アセテート、Eastman(R) EEP(全てグリコールエーテルエステル;全ての発売元:Eastman Chemical Company)、又は、溶剤MMBとしても知られかつ様々な供給者から市販されている、3−メトキシ−3メチル−1−ブタノールで知られている。
【0089】
本発明にとって有効な溶剤のその他の例は、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセタート、イソプロピルミリステート、ジエチルフタラート、アクリル酸2−エチルヘキシル、メチルn−アミルケトン又はジイソブチルケトンである。
【0090】
好適な溶剤は、Dowanol(R) DPM, DPnB, PGDA又はDPnP、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含む。
【0091】
活性組成物に存在する溶剤の合計量は、0.0質量%〜75質量%、好適には15質量%〜60質量%、最も好適には25質量%〜50質量%であってよく、パーセンテージは活性組成物の質量に対するものである。好適な芳香組成物は、少なくとも40質量%の香水と、60質量%以下のあらゆるこのような溶剤とを含む。
【0092】
好適には、活性組成物の合計重量の少なくとも60%は、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から成り、前記蒸気圧は、20℃で、760mmHgで測定された。活性組成物の組成における前記要求は、比較的一定の組成物が装置の寿命にわたって維持され、前記活性組成物は製品の寿命の間比較的一定の速度で蒸発する。
【0093】
もっとも好適には、活性組成物の合計質量の少なくとも80%は、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から成る。
【0094】
有効な抗酸化剤成分の制限しない例として、立体的ヒンダードアミン、すなわち、商品名Uvinul(R)(発売元:BASF AG)又はTinuvin(R)(発売元:Ciba Speciality Chemicals)で知られるような2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジンの誘導体、及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)のようなアルキル化ヒドロキシアレンを挙げることができる。
【0095】
活性組成物に存在する抗酸化剤の合計量は、0.0%〜10%、好適には1%〜4%であってよく、パーセンテージは活性組成物の質量に関する。
【0096】
染料は、活性組成物の他の選択的な成分である。適切な染料は、油溶性であり、英国染料染色学会(The Society of Dyers and Colourist)によって出版されているカラーインデックスに見つけることができる。適切な染料の制限しない例は、アントラキノン、メチン、アゾ、トリアリルメタン、トリフェニルメタン、アジン、アミノケトン、スピロオキサジン、チオキサンテン、フタロシアニン、ペリレン、ベンゾピラン、又はペリノン族の誘導体である。
【0097】
市販されているこのような染料の例は、商品名Sandoplast(R) Violet RSB、Violet FBL、Green GSB、Blue 2B 又はSavinyl(R) Blue RS(全てアントラキノン誘導体;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(R) Blue DB(アントラキノン;発売元:Morton International Ltd.)、Sandoplast(R) Yellow 3G(メチン;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Savinyl(R) Scarlet RLS(アゾ金属錯体;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(R) Yellow SEG(モノアゾ;発売元;Morton International Ltd.)、Fat Orange(R) R(モノアゾ;発売元:Hoechst AG)、Fat Red(R) 5B(ジアゾ;発売元:Hoechst AG)、Neozapon(R) Blue 807(フタロシアニン;発売元:BASF AG)、Fluorol(R) Green Goden(ペリレン;発売元:BASF AG)、として知られている。
【0098】
活性組成物に存在する染料の合計量は、0.0%〜0.5%、好適には0.005%〜0.05%であり、パーセンテージは活性組成物の質量に関する。
【0099】
苦味剤の存在は、製品をメッキ不可能にするために望ましく、特に子供によって活性組成物が摂取されにくくする。制限しない例として、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、又は商品名BitrexTM(発売元:Mac Farlan Smith Ltd.)としても知られる安息香酸デナトニウム等のデナトニウム塩を挙げることができる。
【0100】
苦味剤は、0.0%〜5%の合計量で活性組成物に含有されてよく、パーセンテージは活性組成物の合計質量に関する。BitrexTMの場合、量は、0.0%〜0.1%、好適には10〜500ppmであることができるのに対し、上述のその他の苦味剤は、通常、存在する場合は、0.5〜5質量%の量で使用される。
【0101】
本発明の装置は、好適には、日光に対して開放した、部屋及び食器棚、又は例えば自動車のようなその他の閉鎖された環境のためのエアリフレッシュナ又は消臭装置の形式で使用される。装置は、動物汚れリフレッシャ、リネン芳香物品等であってよい。装置は、装置の活性化の前に使用者によって組み立てられるように準備されたキットの形式で提供されてよい。
【0102】
以下の例は、さらに、本発明の実施の形態を例示しており、さらに、従来技術に対する本発明の装置の利点を示している。
【0103】
発明の好適な実施の形態
例において、以下の文字は、本発明による装置の様々な部分又は部材を表すために使用される:
(A)ケーシング又はハウジング、又は支持フレーム
(B)揮発性物質を含有する容器又はボトル
(C)コイル又はソレノイド
(D)揮発性液体物質
(F)放出又は発散部材(フラッグの形式)
(G)アクセスギャップ又は孔
(H)ハウジング孔又は通気口
(I)インターフェース片
(L)枢軸及びレバー片を支持する成形された(プラスチック)構成部材
(M)磁石
(P)枢軸
(PCB)プリント回路板
(R)保持クリップ
(S)太陽電池
(W)ウィック
(Z)脚部。
【0104】
共通の部分として、全ての構成に対して、装置は、以下の部分から形成されておりかつ以下の形式で組み立てられる。容器又はボトル(B)には、香水又は配合物、つまり拡散される揮発性液体(D)が充填される。揮発性液体は、別個の気密のプラスチックパウチにおいて提供され、使用者によって組立て時にボトルに挿入されてもよい。装置の搬送のために、ボトルが揮発性液体を含んでいるならば箔バリヤシール(E)(図示せず)がボトルの上部に気密に取り付けられる。ボトルは、成形されたプラスチック構成部材(L)にクリップ留めされるか又はねじ込まれる。プラスチック構成部材(L)は、ボトルキャップと、キャップから延びたレバーと、枢軸との特徴を組み合わせている。択一的に、この成形されたプラスチック構成部材(L)は、別個にパッケージングされ、使用者による装置の組み立て時に使用者によって容器の上側部分にクリップ留めするか又はねじ込むことができる。多孔質構成部材(F)、つまり場合によっては平坦に成形されかつ着色された打ち抜かれた紙又は焼結プラスチックから形成された発散部材は、例えばウィックの表面に刻まれた適切に形成された鉛直方向の溝に挿入することによって、長い剛性のウィック(W)の上部に巻き付けられるか又は結合されている。剛性のウィック(W)は、シール(E)を穿孔しないようにキャップ構成部材(L)の上部に部分的に挿入されているか、又は別個にパッケージングされ、装置を起動させる時に使用者によって組み付けられる。次いで、アセンブリ全体を、このアセンブリを枢着点を中心にして自由に揺動させるような形状を有するケーシングに収容することができる。消費者は、シール(E)を貫いてボトルの底部までウィックを押し込むことによって装置を起動させてよい。
【0105】
以下に説明される図面を参照すると、本発明によれば、枢軸(P)は、容器のキャップに収容されておりかつケーシングに固定されていてよく、容器と、ウィックと、発散部材とのアセンブリは、例えば手動で作動させられるか又は太陽電池によって動力を供給された場合に、回動軸受を中心に揺動することができる。
【0106】
別の実施の形態においては、枢軸(P)は、例えばケーシングに固定された位置において、容器と、ウィックと、発散部材とのアセンブリ全体よりも上方に配置されており、アセンブリ全体は、枢軸を中心にして2つの位置の間を揺動する。
【0107】
両方の全体的な配置において、容器(B)の質量は、ウィック(W)及び発散部材(F)を移動させるための振り子として作用し、これにより、香水の拡散速度を高めるために、発散部材の拡散面に沿って空気を移動させる。
【0108】
両方の全体的な配置における揺動は、手動で行うことができ、その場合、ボトル(B)と、構成部材(L)の選択的なレバー部分とは、回動軸受における摩擦と、空気抗力と、ボトル内における香水の移動とにより動作が減衰させられるまで装置を運動させるために、押される必要がある。
【0109】
択一的に、装置は有利には太陽電池又は電池によって動力が供給されてよい。従って、発散部材及びアセンブリ全体の運動を引き起こすために、ソレノイド又はコイル(Cc又はCr)及び磁石(M)が提供されている。ソレノイド及び磁石は、キャパシタ又は電池を含んでよいプリント回路板(PCB)によって制御され、太陽電池(S)によって動力を供給される。
【0110】
磁石及びコイル、太陽電池パネル及びケーシングを配置するための多数の形式が存在し、以下に説明される図面に示された択一例につながる。
【0111】
図1を参照すると、手動作動式装置は、空気を通過させるための孔又は通気口(H)が設けられたケーシング(A1)によって完全に包囲されている。これらの孔(H)は、ケーシングのあらゆる場所に、あらゆる量及び形状で設けることができる。ウィック(W)は、枢軸(P)点から上下に延び、容器(B)の内部の底部の近くに達している。ウィックの延長部でありかつウィックの上側部分とともに容器(B)の外部へ延出しているシート材料から成るフラッグ(F)は、発散部材を形成しており、香水はこの構成部材の表面から蒸発する。レバーは、枢軸及びボトル用キャップをも含んだ成形片(L)の一部である。択一的に、レバーは、相互作用性を示すために、模様付きの面又は刻みを有してよい。
【0112】
ウィックは容器に対して移動しないので、良好なシールを維持することができる。ケーシングは、安定性を提供するために十分に離れた脚部(Z)を有していてよい。
【0113】
ウィックが揺動しているとき、フラッグは、ウィックの軸線に対して曲がるか(図2a及び図14参照)又は回転することができる(図2b及び図15参照)。これは、ケーシング内で空気を一方向に移動させるファンとして作用する。両方の場合に、ウィックからフラッグへの香水の良好な移動が生じるべきである。
【0114】
図14又は図15は、2つの場合のウィック/発散構造の様々な段階を示しており、ウィック/発散構造が、枢軸を中心とするエアリフレッシュナの揺動を引き起こす空気の流れをどのように生じさせるかを示している。
【0115】
図3aから図3dは、図1と同様の装置を示しているが、ケーシングは様々な異なる形状を有しており、これにより、アセンブリの移動を作動させるために部材(L)のレバー部分へのより容易なアクセスを許容する。図3a)の実施の形態において、ケーシングは中央において、より湾曲した形状を有しており、これはレバーをより容易に作動させることを可能にする。図3b)において、ケーシング(A3)は装置の下側部分のみを包囲しており、ウィックと発散部材とによって形成された移動する上側部分が見えるようにしている。図3c)においては、ウィックの上部に、香水(D)で濡らされる発散表面のいかなる部分にも直接触ることなく装置を揺動させるために、択一例として、ハンドル部(I)を有している。図3d)において、アセンブリは、揮発性液体(D)を含有する容器(B)と、ウィック及び発散部材配列と、枢軸を含むキャップとが、この枢軸を介して、ケーシングではなくフレーム(A4)に直接に取り付けられている。動作を開始させるためには、枢軸(P)軸受を中心として、フレームの間からボトル(B)を直接押すことができる。
【0116】
図4は、太陽電池(S)が光に曝されるような位置においてケーシングに収容された太陽電池(S)を有する装置の電動式の態様を示している。太陽電池は、ソレノイド又はコイル(Cc)に電流を供給するプリント回路板(PCB)に接続されている。磁石(M)は、ボトルに、つまりボトルを保持するためにボトルを取り囲むように折り曲げられたレバー及び枢軸成形体の付加的な部分(R)に、揺動を引き起こすためにコイルに流れる電流によって生ぜしめられた電磁界によって磁石が引き付けられるか又は反発されるように、電流が流れた時にコイル(Cc)と係合させるような位置において、配置されている。折り曲げられた部材(R)は、プラスチックヒンジを備えて実現されることができる。
【0117】
電流はパルス信号によって発生させられてよく、プリント回路板(PCB)には、振り子の位置を検出しかつその位置に応じて電流を変化させることができる構成部材が設けられていてよい。
【0118】
例示された構成において、コイル(C)及びプリント回路板(PCB)は、ケーシングアセンブリの一部であり、磁石(M)は揺動するサブアセンブリの一部であるが、言うまでもなく、磁石を静止状態にケーシングに収容して取り付けることができ、その場合、コイルは揺動するサブアセンブリに配置される。
【0119】
図5は、図4と同様の太陽電池式装置を示しているが、コイル(Cr)は、ハウジング又はケーシングの底面農地側に固定された平坦なラジアルソレノイドであり、磁石(M)は、容器を取り囲むように折り曲げられた保持片(R)内に保持されている。
【0120】
図6は、同様の態様電池式装置の別の構成を示しており、円筒状コイル(Cc)は、容器(B)の近くではなく、成形片(L)のレバー部分の近くに取り付けられており、磁石(M)はレバーに取り付けられている。
【0121】
図7は、本発明による電動式装置の別の実施の形態を示しており、平坦なラジアルコイル(Cr)はレバーの近くにおいてケーシングに取り付けられており、磁石(M)は、通電時にソレノイドに引き付けられる位置においてレバーに配置されている。
【0122】
上記から明らかなように、コイル、磁石及びプリント回路板の配列の多くの態様を用いることができる。当業者は、ケーシングにおけるエアリフレッシュナ構成部材の形状及び配置に関連してその態様を選択することができる。同様に、プリント回路板に電力を供給する太陽電池の位置も任意に変更することができ、ケーシングに、又はウィック、容器、及び発散部材のエアリフレッシュナアセンブリの構成部材に固定することができる。唯一の本質的な条件は、太陽電池が光に曝されるように配置されることである。
【0123】
例えば図8には、太陽電池の2つの他の択一的な位置が示されており、図8a)は、太陽電池又は太陽電池パネル(S)が、光に対面するように、製品の前側又は後側に配置されている装置の構成を示しているのに対し、図8b)においては、太陽電池パネル(S)は、光に対面するための製品のフレームの側に配置されている。
【0124】
図9は、手動式装置の他の態様が示されており、枢軸(P)は、ケーシング(A5又はA7)の上部に固定されており、ウィック(W)又はウィックの支持軸が枢軸の周囲に引っ掛けられている。ボトル(B)はウィック(W)の下方に懸吊されている。図9a)において、ケーシング(A5)の面のうちの1つに、ギャップ又は孔(G)が設けられており、容器(B)を揺動させるために外部からアクセスを提供し、残っている香水の量を見ることができる。ケーシングは、安定性を提供するように十分に離れて配置された脚部(Z)を有していてよい。図9b)に示すように、開口(G)は、ケーシング(A7)の底部に設けられてもよい。容器及び吸収/拡散アセンブリに対する枢軸の固定及び位置のこの態様は、図10に示すように、開放フレーム態様にも適用可能であり、この場合、ケーシングの代わりに開放フレーム(A6)が設けられており、開放フレームは大きなアクセス可能な開口(G)を提供するので、装置が完全に見えるようになっており、枢軸軸受を中心とする揺動を開始させるためのアクセスを提供する。
【0125】
枢軸が容器及び拡散部材アセンブリの上方の位置に固定されている本発明による電動式装置において、コイル(C)及び磁石(M)を様々な形式で配置することが可能である。図11a)及びb)に示すように、磁石(M)は、この磁石を、揺動中のある時点で円筒状又は平坦なコイル(C)に進入させるような形式で容器に固定されており、動作を引き起こすために、コイルに流れる電流によって生ぜしめられた電磁界によって引き付けられるか又は反発される。
【0126】
図12は、コイル(C)が、ケーシングの前側又は後側の内面に固定された平坦なラジアルソレノイドであり、磁石(M)が容器のキャップに組み込まれている、本発明の実施の形態を示している。
【0127】
図13は、活性物質を含有する受容体の上部開口を通過して複数のウィック/発散部材(W)が設けられていることを除き、同じ全体的特徴を備えた発明の別の実施の形態を示している。部材は葦(reed)のような形状であり、全ての葦を受容する図示の大きな1つの開口ではなく、受容体のキャップにおける様々なより小さな開口を通過して配置することもできる。これは、エアリフレッシュナの美的態様を変更することを許容する。なぜならば、葦は、異なる色でありかつ鉛直に間隔を置かれていてよいか、図示のように円錐状の束であってよいからである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、香水の分野に関し、より正確には、活性の揮発性物質を周囲へ、特に包囲された雰囲気内へ排出するための装置に関する。本発明の装置は、活性の液体、すなわち特定の揮発性を備える液体を含有し、かつ雰囲気中へ散布したい物質を含有するための容器と、揮発性液体に浸されてこの揮発性液体が浸透することができる部分から成る少なくとも1つのウィック/発散構造と、放出部とを有しており、この放出部は、周囲空間に曝された蒸発面と、選択的に前記蒸発面の単位当たりの比吸収及び重量とを有する、エアリフレッシュナ装置である。ウィック/発散構造の少なくとも部分は、この部分を枢軸を中心に揺動させることができる手段に結合することが意図されており、これにより、このような手段が存在しない場合に観察されるであろう蒸発に対して、放出部の蒸発面からの揮発性物質の高められた蒸発を強制する。
【0002】
従来技術及び解決すべき課題
活性の揮発性液体を周囲空間に排出するための装置は、長期間知られている。このような装置の1つの形式は、いわゆるウィック式装置であり、全てのウィック形式装置は、容器と、エアリフレッシュナから拡散されるための揮発性液体に突入させられたウィックと、発散体若しくは発散面とを有しており、この発散体若しくは発散面から活性液体が蒸発する。
【0003】
ウィック形式の多くのエアリフレッシュナ装置が従来技術に説明されている。多くのこのような装置は、強制されない蒸発のみによって働くが、蒸発強制手段、例えば換気を増大させかつこれによって放出面からの揮発性物質の蒸発を強制する外部ファン又はその他の機械的な手段、又は多孔質のウィック/放出部材エレメントの蒸発面の電気的加熱を提供する手段を提供することによって、強制されない蒸発を増大させることがしばしば望ましい。
【0004】
発散面の強制換気は、過去には、電池又は電動式の別個の部材、特にファンの使用を必要としていた。このような装置の典型的な最近の例は、特に、国際公開第2005/030277号及び米国特許出願公開第2006/0043619号明細書に記載されている。これらのうち最初のものにおいて、実質的に平坦でかつファンによって提供される強制換気の方向に対して概して平行な向きを有する蒸発面に作用する電動ファンが設けられた装置が記載されているのに対し、米国特許第2006/0043619号明細書は、より慣用のファン操作式エアリフレッシュナを示している。
【0005】
ファン操作式装置の多くの他の例を従来技術に見つけることができるが、これらの例は全て、ウィック/放出構造から独立した別個の回転部分を必要とし、このことは、強制されない蒸発に依存するものに対して装置のコストを増大させる。本発明は、雰囲気中へ排出される揮発性物質の高められた蒸発を依然として提供しながら、このような別個の可動部材を排除することを目的とする。
【0006】
本発明の装置は、揮発性物質のための蒸発面を、装置のハウジング又は支持構造に取り付けられた枢軸を中心として直接揺動させる手段を有しており、これにより、前記面の換気を高めるための別個のファンの使用を省略する。
【0007】
我々が知る限り、従来技術は、ウィック形式のエアリフレッシュナにおける蒸発面の換気を高めるという課題に対するこのような解決手段を開示又は提案していない。Dennis E. Greenに発行された米国特許第6103201号明細書は、芳香保持材料から形成されておりかつ室内換気システムに接続されるように適応されたロータの使用を開示しているが、このようなロータは、揮発性材料における蒸発面の一定の補給を許容するために揮発性物質を含有する容器に接続することはできない。この補給は、通常の及び/又は強制された蒸発期間の間、時間が経過するにつれて線形でかつ維持された解放のために必要である。
【0008】
本発明は、装置の寿命に亘って活性組成物の一定かつ線形の量を効率的に排出するエアリフレッシュナを提供し、これにより、大量の界面活性剤の使用を省略することによって全ての公知の装置を改良することを目的とし、本発明は、揮発性物質の高められた蒸発能力を有するその他の移動作動式エアリフレッシュナと比較して、より少ない数の部材が製造されかつ組み立てられることを必要とする。さらに、請求項に記載の装置は、手動活性化又は電動活性化、特に太陽電池パネル、に適応されているという利点をも有し、従って、エネルギ持続性の要求を満たす装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】手動による起動のための装置の様々な部材を示す、本発明による装置の1つの実施の形態の立面図を断面で示しており、枢軸は容器とウィック/発散構造との間に配置されている。
【図2】容器及びウィック/発散構造の揺動と、発散部材の柔軟な構造の曲げによって(図2a)又はウィック構造を中心とする発散部材の回転によって(図2b)生ぜしめられる空気流とを示している。
【図3】図1の装置の変化実施例の立面図を断面で示しており、装置のケーシング又はハウジング部材Aは、成形された部材Lのレバー部分のより良好なアクセス及び作動を許容するために様々な異なる形状を有しており、活性物質を含有するボトルへの移動又は直接のアクセスを生じ、活性物質の変位を許容する。
【図4】プリント回路板と、プリント回路板に電流が流れたときにウィック/放出構造の移動を引き起こすことができるソレノイド/磁石の組合せとを有する、太陽電池パネル作動式装置の立面図を部分的に断面で示している。
【図5】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図6】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図7】太陽電池パネル作動式装置のその他の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図8】ケーシング又はハウジングの代わりに支持フレームが設けられた、本発明の太陽電池パネル作動式装置の立面図を部分的に断面で示している。
【図9】枢軸がウィック/放出構造の上方に固定されておりかつ回動手段が装置のハウジングの上部に取り付けられており、ハウジングに、ハウジングの面のうちの1つにおいて、容器への外部からのアクセスを許容するためのギャップが設けられており、容器を手動で揺動させることができるようになっている、手動作動式装置の態様の立面図を部分的に断面で示している。
【図10】ハウジングが、開放した支持フレームによって置き換えられている、図9の装置のような装置の立面図である。
【図11】図4から図8までのものと同様の本発明による電動式装置の立面図を部分的に断面で示しているが、回動手段は、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の部分の代わりに、装置のハウジング又は支持フレームの上側部分に取り付けられている。
【図12】図4から図8までのものと同様の本発明による電動式装置の立面図を部分的に断面で示しているが、回動手段は、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の部分の代わりに、装置のハウジング又は支持フレームの上側部分に取り付けられている。
【図13】複数のウィック/発散部材を有する本発明による装置の立面図である。
【図14】図2a)の揺動の動きを示す図である。
【図15】図2b)による揺動の動きを示す図である。
【0010】
発明の説明
本発明の目的は、場合によっては光源が設けられている、周囲空間、部屋、食器棚又はその他の包囲された空間に活性の揮発性液体を放散することができるウィック形式のエアリフレッシュナを提供することであり、この装置は、平衡状態にある時には実質的に線形の性能を有しており、つまり、活性揮発性物質の強制されない又は強制された蒸発のそれぞれの期間の間、ほぼ一定の量で揮発性物質を放散させる。
【0011】
これは、前記揮発性物質が染み込んだ蒸発面の強制された換気のための手段が設けられた、周囲雰囲気中へ活性の揮発性物質を排出するための装置によって達成され、この装置は、ハウジング又は支持フレームと、以下のものから成るアセンブリとを有している:
a)選択的にキャップによって被覆される開口が設けられた上側部分を有する、活性の揮発性物質を含有する容器;
b)装置の起動時に前記活性の揮発性物質を染み込ませることができかつ装置の周囲への揮発性物質の蒸発を許容することができる材料から形成された、前記蒸発面を有する少なくとも1つの発散部材;
c)前記活性の揮発性物質を染み込ませることができる多孔質材料部分から形成された又はこのような多孔質材料部分を支持する少なくとも1つのウィック部材であって、このウィック部材は、揮発性物質が染み込むことができかつ発散部材と接触するような位置において、容器の上側部分の開口を介して装置に収容されるように適応されているウィック部材;
装置の起動時に、発散部材及びウィック部材は、ウィック部材を活性の揮発性物質と接触させかつ発散部材に揮発性物質を染み込ませるような位置において装置に収容され、蒸発面の強制換気のための手段は、ハウジング又は支持フレームに固定された枢軸を有しており、アセンブリは、発散部材の前記蒸発面の強制換気を生ぜしめるために所定の時間にわたって枢軸を中心に揺動を生じる形式で枢軸に配置されており、アセンブリの揺動は、1つ又は2つ以上のアセンブリ構成部材の、手動による移動、機械的な移動又は電子式作動による移動によって引き起こされる。
【0012】
「活性の揮発性液体、物質又は材料」又は「揮発性液体、物質又は材料」は全て、ここでは交換可能に用いられ、この場合、少なくとも部分的に揮発性である、すなわち大気圧及び一般に15〜35℃の通常の室温において蒸発することができる液体を意味し、この液体は、本発明による装置の周囲に利点を与えることができる。
【0013】
「発散」、「放出」及び「拡散」は全て、液体が一般に周囲へ蒸発するウィック発散器構造の部材、部品又は片に当てはまり、ここでは、拡散される揮発性物質を含有する容器の開口から前記容器の外部へ延びた、エアリフレッシュナを包囲する空気に曝された、エアリフレッシュナ装置又はそのウィック/放出構造の部分を表すために、交換可能に用いられる。ウィック/放出構造アセンブリのこの構成部材は、以下に定義される蒸発面若しくは蒸発領域を有しており、この領域の定義と両立可能なあらゆる形状を成すことができる。構成部材は、1つ又は複数のエレメントから形成されてよい。
【0014】
「ウィック」又は「ウィック部材」は、ここでは本質的に、装置が起動させられると、容器に含有された液体に突入させられる、装置のウィック/放出構造の部分であると理解される。しかしながら、装置のある実施の形態によれば、ウィックは、容器の外部に向かって延びていてもよく、発散部材に揮発性物質を適切に染み込ませるために発散部材を固定して発散部材と支持構造との間の接触を改良するための支持構造を提供してよい。
【0015】
さらに、発明の択一的な及び有利な実施の形態によれば、ウィック及び放出部材は、ウィック/放出構造を形成する同じ1つの片又は部材の部分であってよく、前記片の一方の端部、通常は下端部は、装置の起動後に装置が作動している時には活性物質に突入させられており、前記1つの片又は部材の他方の端部、概して上端部は、エアリフレッシュナ装置の周囲と接触しかつ活性物質を拡散させるために、活性物質を含有する容器の開口から延びている。
【0016】
ウィック/放出構造のこの単一片実施形態は特に有利である。なぜならば、これは、エアリフレッシュナにおける複数のこのような単一片の使用を許容し、これにより、エアリフレッシュナの拡散能力を高め、望まれるならば、全体を交換することなく拡散面の部分の交換を許容するからである。
【0017】
好適には、ウィック部分、及びウィック/放出アセンブリ全体は、放出部と同じ材料から形成されている。
【0018】
発明の装置の特定の実施の形態によれば、起動時に装置の周囲への活性揮発性物質の拡散を許容するための手段を有するハウジング又はケーシングがさらに設けられている。このハウジング又はケーシングは、ハウジング又はケーシングの設計及び寸法が発散部材の又はアセンブリ全体の、枢軸又は軸受を中心とする自由な揺動と、手動作動、機械的作動、又は電子式作動を許容する位置における、容器及びウィック/放出構造によって形成されたアセンブリのハウジング又はケーシングへの収容とを許容するならば、あらゆる形状であってよい。
【0019】
ハウジング又はケーシングは、アセンブリのための開放した支持フレームによって置き換えられてよく、このフレームに枢軸が固定されている。この他の実施の形態は、放出部材を周囲空気に完全に曝すことを可能にし、いつ液体が交換される必要があるかを観察するために容器の視認性をも提供してよい。
【0020】
もちろん、容器の同様の視認性及び周囲への蒸発面の暴露を許容するために十分な寸法のギャップ又は開口がハウジングに設けられていてもよい。
【0021】
本発明による回動手段は、円筒状のピンから成ることができ、例えば容器のキャップに収容することができるか、又は回動手段全体を、装置のケーシング又は支持フレームに収容することができる。回動手段は、同様の形式で配置されたシャフトから成ることもできる。本質的なパラメータは、枢軸が、枢軸を中心とする揺動を許容する形式で、容器、ウィック及び/又は放出部材アセンブリの1つのエレメントと係合させられることである。
【0022】
アセンブリ又はアセンブリの一部の揺動は、手動式、機械式、又は電池/電動式であることができ、有利には太陽電池電動機構を介して行われる。発明の後者の実施の形態は、明白なエネルギ供給利点を有しており、電気エネルギが容易に利用可能ではない場所においてもその使用を許容する。
【0023】
択一的に、巻上げ又はばね形式の機構が、機械的な手段によって揺動の動力を与えるために使用されてよい。電池又は電源によって動力を駆動することも適切である。
【0024】
発明の有利な実施の形態によれば、活性揮発性物質は、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、昆虫忌避剤組成物、及びこれらの混合物のグループの中から選択されている。しかしながら、その他の揮発性物質又は部分的に揮発性の物質は、ウィック部材、若しくは発散部材を形成する材料、すなわち多孔質材料に染み込みかつこの多孔質材料から拡散するように適応されているならば、発明の装置から雰囲気中へ拡散されてよいことが明らかである。
【0025】
容器チャンバは、活性揮発性液体組成物、又は以下で呼ばれるように、好適には非水系の、「活性組成物」を貯蔵する機能を有する容器又はボトルである。装置の起動の前に、容器は、液体活性物質の初期量を含んでおり、起動後、あらゆる時点で、ウィック/発散部材構造にまだ吸収されておらずかつ拡散されていない液体活性物質の残りを含んでいる。
【0026】
発明は、ウィック部材が、ハウジング内に配置された案内又は支持構造内に収容されており、場合によっては放出/蒸発部材をも支持するシャフトタイプ構造内に収容されているような、特定の実施の形態にも関する。このウィック部材案内又は支持構造は、好適には、ハウジング又はフレーム内に鉛直に配置されており、強制蒸発が望まれる場合には、枢軸の一方の側から他方の側への揺動に関与することができてよい。
【0027】
容器には、通常、容器の起動前に該容器からの活性組成物の蒸発を阻止するための手段が設けられている。好適な実施の形態によれば、容器の開口は、箔から形成されかつ装置の起動前には開口に密閉して取り付けられる蓋又はバリヤを支持している。箔は、起動時に除去されるようになっており、場合によってはウィック部材又はウィック案内部材によって穿孔されるようになっている。次いで、このバリヤは、装置の起動前に揮発性組成物の蒸発を阻止する機能を有し、活性揮発性物質を拡散させるために装置が使用されるときに除去又は穿孔される。
【0028】
容器は、キャップアセンブリを支持していてもよい。キャップは、有利には枢軸を支持していてよく、この枢軸を中心としてアセンブリは2つの位置の間を揺動する。
【0029】
有利な実施の態様によれば、発散若しくは放出部材は、ウィック部材を収容するために適応された中空のキャビティが設けられた、支持構造、すなわちシャフトに配置される。択一的に、ウィック部材自体は、容器の上方に鉛直に延びた部分を有する長い円筒状のロッドから形成されており、発散部材のための支持手段が設けられている。後者が実現される形式の詳細は、後で説明される例に示されるが、本出願人によって所有される国際公開第2006/061803号にも開示されており、本発明による揺動と両立可能な、ここに記載された形式において機能するように適応された、この文献に記載されたウィック/発散部材相対配置の全ての態様は、参照したことにより本明細書に含まれ、本願請求項に記載の装置においてこれらを組み込むことは当業者にとって些細なことである。
【0030】
前述のように、放出及びウィック部材、又はそれらの単一片アセンブリは、装置のハウジングに収容されてよい。これらは、ハウジングの構造内に収容された場合、好適には同軸に配置される(このような軸線は鉛直に配置されている必要はない)。通常、放出部材のための支持構造は、両者が単一片を形成しない場合、ウィックの一部である。
【0031】
装置ハウジング又はケーシングが設けられている場合はいつでも、ハウジング内に収容されたアセンブリの自由揺動を許容するように適応されているならば、その形状はしかしながらあらゆるものであることができる。装置ハウジング又はケーシングは、国際公開第2006/061803号に記載のように、1つ又は2つのエレメントから形成されてよく、2つのエレメントの相対配置は、活性物質吸収/蒸発アセンブリの揺動能力を妨害しないようになっている。
【0032】
もちろん、ハウジングが設けられていない本発明による装置を有することも可能である。発散及びウィック部材は概して、装置の起動時に容器内に含有された活性揮発性物質と接触させられるだけであるので、使用前にはその蒸発を停止させるためにハウジングは必要とされず、ハウジングは、本発明の実施の形態のうちの少なくともいくつかにおいて、省略することができる。枢軸及びウィック/発散部材アセンブリを支持するための開放したフレームは、極めて便利で有利な選択肢であってよい。
【0033】
前述のように、ウィック/発散部材構造は、一片から形成されるか、又は強制蒸発が望まされる場合に、揺動によって生ぜしめられる空気の増大した流れに発散部が選択的に曝されるように配置された少なくとも2つの別個の片から形成されてよい。
【0034】
従って、これらの2つのエレメントを設計することができかつ場合によってはハウジング又はフレームに収容することができる多くの形式が存在する。好適な実施の形態において、例えば本出願人に認められた米国特許第7441755号明細書に開示されているような上部構造を形成するために、少なくとも発散部材がここに記載のように移動することができるならば、ウィック又はウィック案内構造には、その表面に刻まれた、発散部材の1つ又は複数のエレメントを密に収容するように適応された形式で成形された、溝又は凹所が設けられていてよい。
【0035】
本発明によれば、発散部材は、例えば、変形、又はウィック又は案内シャフト構造の鉛直軸線を中心とする回転を許容する形式で、ウィック又は案内シャフト構造に配置されていてよく、その結果、アセンブリが揺動させられた時に、増大した空気流が蒸発面に作用する。
【0036】
1つのこのような実施の形態において、拡散面は、様々なフィンの形状であってよく、これらのフィンは、容器の開口を被覆するように意図された蓋の上面に刻まれた溝内へのフィンの密な収容を許容するために、フィンの下側部分の形状と相補的な形状の溝内に取り付けられる。フィンアセンブリ全体は、従って、星形構造を形成することができる。フィンは択一的に、同様の効果を達するためにシャフト又はウィック軸構造に鉛直に刻まれた溝に固定することができる。
【0037】
しかしながら、発散部材の形状は、発散部材の蒸発面からの揮発性物質の高められた蒸発を生ぜしめることができる揺動と両立可能であるならば、あらゆるものであることができる。
【0038】
同様に、エアリフレッシュナのウィック部材は、液体が染み込むことができるように発散部材と係合する可能性と両立可能なあらゆる形状であることができる。以下に示される実施の形態のほとんどにおいては、ウィックは、場合によっては中空の、ロッド状構造を形成した、細い円筒であり、この円筒に、発散部材を、次いで、加速された蒸発が望まれる場合に、容器に突入されたウィック部分に対して移動させることができる形式で取り付けることができる。発散部材の形状は平坦であってもよい。
【0039】
装置の非手動式に起動される実施の形態によれば、装置は、容器及びウィック/放出構造を有するアセンブリに結合された磁石を吸着又は反発することができるソレノイド又はコイルにおいて誘発される電流を介して好適には作動させられる本質的なエレメントとしての動力手段を有している。ソレノイドは、外部から動力を与えられる電池をも含んでよい、装置のハウジング又はフレームに設けられたプリント回路板の一部であってよい。
【0040】
太陽電池動力供給手段が望まれる場合、本発明のエアリフレッシュナ装置には、特に以下で説明される例のうちの幾つかに示されるように、日光又は電池に接続された人工光源からエネルギを蓄えることができる太陽電池又は太陽電池パネルが取り付けられている。
【0041】
動力供給手段が機械的である場合、揺動を生ぜしめるために、典型的には、巻上げ式の時計式機構を使用することができる。従って、揺動は、機構の巻付けを介して、使用者によって直接に開始される。
【0042】
本発明は、パッケージングされた装置も含んでおり、この場合、概して活性揮発性物質を含有する容器は上述のように密閉され、装置の他の部分とは別個にパッケージングされている。発明のこのような実施の形態は、再充填可能であるという利点を有しており、前に使用されていた容器が空になると、活性揮発性物質の供給は、新たに充填された容器によって、又は容器とウィック/放出構造とのアセンブリによって代替されることができる。さらに、装置を異なる片において、異なる時点に獲得し、使用時に組み立てることもできる。
【0043】
例えば、活性揮発性物質を保持する容器又はコンテナは、発散部材のパッケージング又は別個のウィック/発散部材の1つ又は複数のパッケージングとは別個のパッケージングに提供されている。
【0044】
容器は、典型的には、貯蔵中は密閉され、ケープをかけられている。ウィック/発散部材は、これらが単一片のものではないとしても、使用者がこれらを組み立て、次いで、装置が起動された時にウィックの吸収面が活性物質に突入させられるような形式で容器開口に、このように設けられた構造を収容するように、成形されている。例えば、容器には、開口を密閉する箔が設けられていてよく、ウィック部材には、揮発性物質へのウィックの浸漬を許容するために箔を穿孔することができる尖端が設けられている。箔の密閉バリヤの穿孔は、使用者によって行われるか、又は一般的に知られた形式でのハウジングの移動によって強制されてよい。
【0045】
装置が起動位置になると、例えば手動又は電動で動かされるレバーを介して枢軸を中心とする移動を起動することは、所望の揺動を提供し、これにより、使用者は、所望のように、強制されない又は強制された蒸発を使用することができる。
【0046】
発散及びウィック部材は、同じ片又は構造の部分でなくてよく、従って、使用前に容器の液体に完全に突入したウィックを有し、かつ装置の起動時に発散部材をウィックと強制的に接触させ、これにより、蒸発面から次第に拡散させられる活性液体で染み込ませることが可能である。
【0047】
概して、装置の本質的な部分は、揮発性組成物を含有する容器と、装置の起動前に揮発性組成物の蒸発を阻止するためのバリヤと、装置が起動させられると組成物を染み込ませてこの組成物を周囲へ拡散させることができる1つ又は複数の吸収/拡散部材とによって形成されており、発散部材のための支持構造は、回動手段によって規定された枢軸を中心とする揺動を許容する形式で成形されたエレメント、場合によってウィック又はウィックの一部を含む。回動手段は、ウィック/発散部材構造のための案内手段、すなわち容器のキャップに一体化されるか、又は以下に例示するように、装置のハウジング又はフレームに別個に固定されてよい。
【0048】
場合によってはアセンブリを形成する、ウィック及び拡散部材、及び容器、拡散される活性揮発性液体の特徴。
【0049】
本発明による装置は、上述の米国特許第7441755号明細書に記載された装置と同様の形式のウィック/放出構造を有する。
【0050】
本発明によれば、ウィック/放出構造の重要な特徴は:
i)放出部又は放出部材は、ウィック及び放出部によって吸収される液体の量(質量又は体積)に対して大きな表面積を有さなければならない
ii)容器に含有された液体は、濃縮された活性揮発性物質、好適には芳香剤であり、従って、従来公知の水性組成物と比較して比較的少ない量で使用することができる
iii)揮発性液体は、活性化の後すぐに放出部の全表面にわたって吸収される
iv)ウィック及び放出部は、ウィック及び放出部に吸収される液体の最大の量(すなわち、液体が放出部の全表面にわたって吸収された時)が、装置における揮発性液体の初期量(装置の活性化の前)の約20質量%未満である。
【0051】
容器に含有された液体は、典型的に、濃縮された揮発性組成物、好適には香水である。香水の蒸発特性を制御及び調節するために、溶剤(水以外)が利用可能である。使用される適切な香水原材料の選択により蒸発を調節することにより、溶剤を全く用いることなく香水を配合することも可能である。
【0052】
活性液体物質における溶剤の量は、75%w/w未満、好適には15%〜60%w/w、最も好適には25%〜50%w/wである。
【0053】
装置に最初に含有される液体組成物の量は、5g〜30g、より好適には7g〜21g、最も好適には10g〜18gである。
【0054】
液体は、装置の活性化の後すぐに放出部の全表面にわたって吸収される。放出部に吸収される液体の質量は、放出部の表面から蒸発した揮発性液体を補充するために、残っている揮発性液体が不十分になる時点までほぼ一定のままであるべきである。吸収は、活性化から24時間以内、好適には12時間以内、より好適には4時間以内、最も好適には2時間以内に完了すべきである。
【0055】
ウィック/放出部材アセンブリによって吸収される活性揮発性液体の質量は、エアリフレッシュナ装置の寿命の間、多かれ少なかれ一定のままである。なぜならば、放出部から蒸発した質量は、装置に残っている液体量が、放出部の表面を飽和させるためにもはや十分でなくなるまで、ウィックを介した蒸発面の補充によって補償されるからである。
【0056】
本発明によれば、ウィック・放出部アセンブリによって吸収される液体の最大量は、装置の起動前に、最初に装置に含有される液体の合計量の20質量%未満、好適には5〜15質量%、最も好適には、最初に容器に含有されている総質量の8〜13質量%である。
【0057】
従って、装置の好適な実施の形態は以下の特徴を有する:
・活性化の前は、7g〜13gの香水の質量が容器内に含まれている
・合計液体質量の25〜50質量%の溶剤用量が活性組成物に含まれている
・活性化の前は、10g〜18gの液体組成物の質量が容器に含まれている
・ウィック及び放出部に吸収される液体量=装置における液体の初期質量の8〜13質量%であり、装置に残っている液体量が、ウィック/放出部材アセンブリによって吸収される初期量よりも少なくなるまでは、ほぼ一定である。
【0058】
上記より、液体の質量は、0.8g〜2.34gになる。
【0059】
放出部は、50cm2〜400cm2、好適には75cm2〜300cm2、最も好適には100cm2〜200cm2の表面積を有することを特徴とすることができる。
【0060】
本発明による好適な範囲である100cm2〜200cm2の放出部の表面積の場合、ウィック/放出部によって吸収される液体の質量に対する表面積の比は、20cm2/g〜200cm2/g、好適には30cm2/g〜150cm2/g、最も好適には40cm2/g〜100cm2/gである。
【0061】
放出部材を形成することができる好適な材料は、セルロース誘導体、例えば、紙、成形されたセラミック、焼結プラスチック若しくは多孔質プラスチック、又は焼結プラスチック及び焼結金属等の混合された焼結材料である。放出部材又は放出部のための混合された材料を使用する場合、2つの材料が、エアリフレッシュナ機能に影響するパラメータ(孔容積、孔寸法、吸収能力、厚さ、表面積、体積)に関して同じ性質を有することが重要である。
【0062】
好適な紙は、Filter Paper No.1, 3, 4, 113として、Whatman International Ltd.(英国)から市販されているような、3μm〜30μmの粒子捕捉寸法を有する、ろ紙として使用されるものである。その他の好適な紙は、Orlandi Inc.(米国)から市販されているような、香水試験紙及び香水サンプリングのための吸取紙として使用されるものを含む。
【0063】
焼結プラスチック若しくは多孔質プラスチックの場合、好適にはこのような材料は、5μm〜200μmの孔寸法を有しており、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン又はポリプロピレンに基づく。このような材料の例は、例えばVyon(R)T(販売元:Porvair Technology Ltd.、英国)の商品名で市販されている。
【0064】
吸収/拡散構造の発散面又は放出部材部分として使用される好適な拡散材料は、以下の特徴を有する:
【表1】
【0065】
上述のように、放出部材は、互いに接触した1つ又は2つ以上の放出体を含んでよく、概して1〜6つの放出体が使用される。
【0066】
ウィック部材は、容器に含有された活性組成物の一部を吸収し、放出部材へ搬送するためのものであり、前記放出部材から活性組成物が本発明の装置の周囲空間へ蒸発することができる。装置の吸収/拡散構造のこの部分は、活性揮発性液体が容器から放出部へ供給される量が十分であるように構成されており、拡散される液体による飽和を保証するために装置に残っている液体量が不十分になるまで、放出部の拡散/蒸発面が、拡散される液体で常に飽和させられるように容器から十分な液体を吸収することができる中空の円筒である。
【0067】
ウィック部又はウィックは、有機材料及び無機材料から形成されていてよい。適切な無機材料の例は、適切なバインダ、例えば石膏又はベントナイトと組み合わせた、多孔質磁器材料、成形されたセラミックス、ガラス繊維、又はアスベストを含む。単独で、又は例えば木粉、炭素粉末、又は活性炭と組み合わせて、粉末鉱物材料、例えば、粘土、タルク、珪藻土、アルミナ、シリカ又は同様のものから、適切な接着剤を用いて、ウィックを製造することも可能である。有機材料は、フェルト、綿、パルプ、織られた又は織られていない綿繊維、合成繊維、セルロース誘導体、例えば紙、及び織られた及び織られていない焼結された又は多孔質のプラスチック、及び場合によってプラスターで被覆された木材を含んでいる。本発明のこれらの実施の形態に関連するその他の詳細及び特定の例は、米国特許出願公開2005/0140032号明細書として公開された前記米国特許第7441755明細書において特に見つけることができる。この米国特許明細書の内容は引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0068】
より好適な実施の形態は、多孔質天然紙材料、すなわちプレスされた紙から形成されたウィックを含む。
【0069】
上記のことから、吸収/拡散部材又は片のウィック及び放出部が同じ材料から形成されていて、活性物質に突入させられた部分を介して活性物質を吸収して活性物質蒸気を、容器の開口を越えて延びておりかつエアリフレッシュナ周囲と接触している放出部を介して拡散させる単一片を形成していることが、明らかである。本発明のこの特定の実施の形態は、以下に例示されるように、上記で引用された表面積、及び吸収された液体質量に対する表面積の比に従うために、場合によっては、充填された又は中空の円筒の形式で、様々な形状、特にロッド、だ円形又は平坦なリード若しくはスティックの形状の複数のウィック/放出片を使用することを可能にする。
【0070】
平坦な形状ではない放出部材若しくは放出部の場合、その蒸発面は、概して公知の形式で、円筒又はその他の三次元形状の表面に当てはまる通常の公式によって計算され、上記定義に従う。この放出部の表面積及び体積寸法は、装置が活性化され、周囲への蒸気の拡散を開始した場合、容器に最初に含有されている液体の全体積の約20%未満が、拡散面を揮発性液体で完全飽和させるために十分であるようになっている。この形式において、拡散面から蒸発した量だけが、その後、吸収/放出部材アセンブリのウィック部を介して定期的に補充され、拡散面は、装置の寿命を通じて液体で飽和した状態に保たれる。活性揮発性物質の蒸発は、従って、蒸発面特性によって完全に制御される。これは、従来公知のウィック式装置と比較して、はるかにより少ない体積の濃縮された活性揮発性物質を使用すること可能にし、濃縮された香水等の、濃縮された(すなわち実質的に水を含まない)疎水性液体を使用する場合でも、装置を経済的に存続可能にする。
【0071】
本発明のより好適な実施の形態によれば、容器に含有された液体の初期合計量の20質量%未満、好適には5質量%〜15質量%の量、最も好適には8質量%〜13質量%の量が、装置の起動時にウィック及び放出面によって吸収され、この放出面を最初に完全に飽和させ、これにより、吸収された液体が表面から周囲へ蒸発した時に、吸収された液体の交換を促進する。放出部が100cm2〜200cm2の範囲の表面積を有しており、ウィック及び放出部アセンブリによって吸収される液体質量に対する放出部表面積の比が40cm2/g〜100cm2/gの範囲であるようなウィック及び放出部材アセンブリは、前記効果を提供するように完全に適応された、本発明の実施の形態である。
【0072】
容器、及び場合によってそのためのキャップが、活性組成物の蒸気と適合性でかつこの活性組成物の蒸気に対して完全に不透過性である材料から形成されている。好適には、容器チャンバは、透明又は半透明な材料から形成されており、これにより、消費者は、容器チャンバ内に存在する活性組成物のレベルを視覚的に監視することができ、これにより、消費されたので本発明による装置が交換されなければならない時を知ることができる。典型的な容器は、5g〜30g、より好適には7g〜21g、最も好適には10g〜18gの液体を含んでいる。
【0073】
容器チャンバ及び容器チャンバ蓋又はギャップのための適切な材料は、ガラス、射出成形又は熱成形された材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリレート等のポリマから得られるようなものを含む。
【0074】
容器及びキャップは、単一のボディの一部、典型的には成形片であることができ、これは、アセンブリを枢軸を中心にして手動で揺動させるための手段をも有していてよく、枢軸も場合によっては同じ成形片に設けられている。
【0075】
拡散される液体組成物の好適な材料及び特性
本発明の好適な実施の形態によれば、容器に含有される組成物は、非水系である。
【0076】
「非水系の活性の揮発性液体組成物」とは、ここでは、実質的に水を含まないか又は僅かな量の水のみを含む活性の揮発性液体組成物を意味し、例えば、例として、揮発性液体組成物の総質量の多くとも10%、より好適には5%未満の水を含む組成物をいう。
【0077】
有効な活性組成物は、好適には、界面活性剤も含まない。
【0078】
活性組成物は、少なくとも1つの活性成分を含んでいる。前記成分は、装置が起動させられる包囲空間若しくは閉鎖空間に利点を与え、活性揮発性材料を形成することができ、前記活性の揮発性材料に対して有利であることができる選択的な成分が添加されていてよい。言い換えれば、活性組成物は、少なくとも1つの成分と、選択的に、溶剤、シックナ、酸化防止剤、染料、苦味剤、及び紫外線抑制剤から成るグループから選択された1つ又は2つ以上の成分とを含有する活性揮発性材料を含む。
【0079】
活性揮発性材料として、好適には香水を使用することができる。その他の適切な活性揮発性材料は、消臭剤又は殺菌剤、又は昆虫忌避剤、又は揮発性活性材料が拡散させられる空気の質に対して認知可能でかつ望ましい利点を提供することができるあらゆるその他の活性材料であることができる。
【0080】
香水として、香水において現在使用されている、すなわち芳香作用を行うことができる、つまり周囲空気の臭気を変更する又は芳香を付与する、あらゆる成分又は成分の混合物を使用することができる。つまり、例えば身体悪臭、タバコ臭、キッチン又は浴室の悪臭等の様々な悪臭を低減若しくは抑制することができる悪臭中和組成物も、ここでは、「香水」、「フレグランス」又は「芳香組成物」の定義に含まれると理解される。しばしば、このような芳香組成物は、天然由来又は合成由来の多かれ少なかれ複雑な混合物である。前記成分の性質及びタイプは、ここでは、あらゆる場合に網羅的ではないより詳細な説明を正当化せず、当業者は、一般的な知識に基づいて、及び使用目的又は用途及び所望の官能的効果に従って、成分を選択することができる。一般的な意味で、これらの芳香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素又は硫黄複素環式化合物、及び天然由来又は合成由来の精油等の様々な化学クラスに属する。多くのこれらの成分は、あらゆる場合、S. Arctander著, "Perfume and Flavor Chemiclas", 1969年, Montclair, New Jersey, USA、又はそのより近年の版、又は同様の性質のその他の作品、及び香水分野における豊富な特許文献等の、参照テキストに列挙されている。多くは、芳香を提供し、これにより周囲空気に快適なにおいを付与することに加え、周囲空気を浄化及び無菌化しかつ/又は周囲空気のあらゆる悪臭(すなわち不快なにおい)を除去するのを助けるように、悪臭中和及び/又は殺菌作用を有することが知られている。
【0081】
ラベンダー、セダー、レモン等の天然油、その他の精油及び抽出物は、本発明の有利な実施の形態のために特に好適である。
【0082】
本発明の装置によって提供することができる芳香効果の特別な言及が上記になされているが、同じ原理は、消臭又は殺菌蒸気の拡散のための同様の装置にも当てはまり、香水が、消臭組成物、抗菌剤、殺菌剤、昆虫忌避剤、昆虫誘引剤によって置き換えられ、又はいわゆる防虫装置にも当てはまる。「殺菌蒸気」とは、ここでは、観察者を包囲する空気の許容の程度を高めることができる物質の蒸気だけでなく、ある種の昆虫、例えばイエバエ又は蚊又はその他のものに対する誘引効果又は忌避効果を提供することができる、殺菌作用又は静菌作用を有することができる物質をも意味する。このような作用物質の混合物を使用することもできることは言うまでもない。
【0083】
活性組成物における活性揮発性材料の合計量は、活性組成物の重量の25質量%〜100質量%、好適には40質量%〜85質量%、最も好適には50質量%〜75質量%であってよい。
【0084】
上記のように、活性組成物は、例えば溶剤、シックナ、抗酸化剤、染料、苦味剤及び紫外線抑制剤として作用する幾つかの選択的な成分を含んでもよい。
【0085】
有効な紫外線抑制剤成分の制限しない例として、Uvinul(R)(発売元:BASF AG)の商品名で市販されているような、ベンゾフェノン、ジフェニルアクリレート又はシンナメートを挙げることができる。
【0086】
活性組成物に存在する紫外線抑制剤の合計量は、0.0%〜0.5%、好適には0.01%〜0.4%であってよく、パーセンテージは活性組成物の合計質量に対するものである。
【0087】
1つ又は2つ以上の溶剤の存在は、単相又は二相液体を有しかつ/又は周囲空気への活性材料の蒸発速度を調節するために有効であってよい。前記溶剤は、イソパラフィン、パラフィン、炭化水素、すなわちグリコール、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、エステル又はケトンに属してよい。
【0088】
適切な市販の溶剤の例は、商品名Isopar(R) H, J, K, L, M, P, V(イソパラフィン;発売元:Exxon Chemical)、Norpar(R) 12 又は15(パラフィン;発売元:Exxon Chemical)、Exxol(R) D155/170, D40, D180/200, D60, D70, D80, D100, D110又はD120(非芳香化された炭化水素;発売元:Exxon Chemical)、Dowanol(R) PM, DPM, TPM, PnB, DPnB, TPnB, PnP又はDPnP(グリコールエーテル;発売元:Dow Chemical Company)、Eastman(R) RP, EB, EEH, DM, DE, DP又はDB(グリコールエーテルエステル;発売元;Dow Chemical Company)又はEastman(R) EBアセテート、Eastman(R) DE アセテート、Eastman(R) DB アセテート、Eastman(R) EEP(全てグリコールエーテルエステル;全ての発売元:Eastman Chemical Company)、又は、溶剤MMBとしても知られかつ様々な供給者から市販されている、3−メトキシ−3メチル−1−ブタノールで知られている。
【0089】
本発明にとって有効な溶剤のその他の例は、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセタート、イソプロピルミリステート、ジエチルフタラート、アクリル酸2−エチルヘキシル、メチルn−アミルケトン又はジイソブチルケトンである。
【0090】
好適な溶剤は、Dowanol(R) DPM, DPnB, PGDA又はDPnP、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含む。
【0091】
活性組成物に存在する溶剤の合計量は、0.0質量%〜75質量%、好適には15質量%〜60質量%、最も好適には25質量%〜50質量%であってよく、パーセンテージは活性組成物の質量に対するものである。好適な芳香組成物は、少なくとも40質量%の香水と、60質量%以下のあらゆるこのような溶剤とを含む。
【0092】
好適には、活性組成物の合計重量の少なくとも60%は、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から成り、前記蒸気圧は、20℃で、760mmHgで測定された。活性組成物の組成における前記要求は、比較的一定の組成物が装置の寿命にわたって維持され、前記活性組成物は製品の寿命の間比較的一定の速度で蒸発する。
【0093】
もっとも好適には、活性組成物の合計質量の少なくとも80%は、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から成る。
【0094】
有効な抗酸化剤成分の制限しない例として、立体的ヒンダードアミン、すなわち、商品名Uvinul(R)(発売元:BASF AG)又はTinuvin(R)(発売元:Ciba Speciality Chemicals)で知られるような2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジンの誘導体、及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)のようなアルキル化ヒドロキシアレンを挙げることができる。
【0095】
活性組成物に存在する抗酸化剤の合計量は、0.0%〜10%、好適には1%〜4%であってよく、パーセンテージは活性組成物の質量に関する。
【0096】
染料は、活性組成物の他の選択的な成分である。適切な染料は、油溶性であり、英国染料染色学会(The Society of Dyers and Colourist)によって出版されているカラーインデックスに見つけることができる。適切な染料の制限しない例は、アントラキノン、メチン、アゾ、トリアリルメタン、トリフェニルメタン、アジン、アミノケトン、スピロオキサジン、チオキサンテン、フタロシアニン、ペリレン、ベンゾピラン、又はペリノン族の誘導体である。
【0097】
市販されているこのような染料の例は、商品名Sandoplast(R) Violet RSB、Violet FBL、Green GSB、Blue 2B 又はSavinyl(R) Blue RS(全てアントラキノン誘導体;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(R) Blue DB(アントラキノン;発売元:Morton International Ltd.)、Sandoplast(R) Yellow 3G(メチン;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Savinyl(R) Scarlet RLS(アゾ金属錯体;発売元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(R) Yellow SEG(モノアゾ;発売元;Morton International Ltd.)、Fat Orange(R) R(モノアゾ;発売元:Hoechst AG)、Fat Red(R) 5B(ジアゾ;発売元:Hoechst AG)、Neozapon(R) Blue 807(フタロシアニン;発売元:BASF AG)、Fluorol(R) Green Goden(ペリレン;発売元:BASF AG)、として知られている。
【0098】
活性組成物に存在する染料の合計量は、0.0%〜0.5%、好適には0.005%〜0.05%であり、パーセンテージは活性組成物の質量に関する。
【0099】
苦味剤の存在は、製品をメッキ不可能にするために望ましく、特に子供によって活性組成物が摂取されにくくする。制限しない例として、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、又は商品名BitrexTM(発売元:Mac Farlan Smith Ltd.)としても知られる安息香酸デナトニウム等のデナトニウム塩を挙げることができる。
【0100】
苦味剤は、0.0%〜5%の合計量で活性組成物に含有されてよく、パーセンテージは活性組成物の合計質量に関する。BitrexTMの場合、量は、0.0%〜0.1%、好適には10〜500ppmであることができるのに対し、上述のその他の苦味剤は、通常、存在する場合は、0.5〜5質量%の量で使用される。
【0101】
本発明の装置は、好適には、日光に対して開放した、部屋及び食器棚、又は例えば自動車のようなその他の閉鎖された環境のためのエアリフレッシュナ又は消臭装置の形式で使用される。装置は、動物汚れリフレッシャ、リネン芳香物品等であってよい。装置は、装置の活性化の前に使用者によって組み立てられるように準備されたキットの形式で提供されてよい。
【0102】
以下の例は、さらに、本発明の実施の形態を例示しており、さらに、従来技術に対する本発明の装置の利点を示している。
【0103】
発明の好適な実施の形態
例において、以下の文字は、本発明による装置の様々な部分又は部材を表すために使用される:
(A)ケーシング又はハウジング、又は支持フレーム
(B)揮発性物質を含有する容器又はボトル
(C)コイル又はソレノイド
(D)揮発性液体物質
(F)放出又は発散部材(フラッグの形式)
(G)アクセスギャップ又は孔
(H)ハウジング孔又は通気口
(I)インターフェース片
(L)枢軸及びレバー片を支持する成形された(プラスチック)構成部材
(M)磁石
(P)枢軸
(PCB)プリント回路板
(R)保持クリップ
(S)太陽電池
(W)ウィック
(Z)脚部。
【0104】
共通の部分として、全ての構成に対して、装置は、以下の部分から形成されておりかつ以下の形式で組み立てられる。容器又はボトル(B)には、香水又は配合物、つまり拡散される揮発性液体(D)が充填される。揮発性液体は、別個の気密のプラスチックパウチにおいて提供され、使用者によって組立て時にボトルに挿入されてもよい。装置の搬送のために、ボトルが揮発性液体を含んでいるならば箔バリヤシール(E)(図示せず)がボトルの上部に気密に取り付けられる。ボトルは、成形されたプラスチック構成部材(L)にクリップ留めされるか又はねじ込まれる。プラスチック構成部材(L)は、ボトルキャップと、キャップから延びたレバーと、枢軸との特徴を組み合わせている。択一的に、この成形されたプラスチック構成部材(L)は、別個にパッケージングされ、使用者による装置の組み立て時に使用者によって容器の上側部分にクリップ留めするか又はねじ込むことができる。多孔質構成部材(F)、つまり場合によっては平坦に成形されかつ着色された打ち抜かれた紙又は焼結プラスチックから形成された発散部材は、例えばウィックの表面に刻まれた適切に形成された鉛直方向の溝に挿入することによって、長い剛性のウィック(W)の上部に巻き付けられるか又は結合されている。剛性のウィック(W)は、シール(E)を穿孔しないようにキャップ構成部材(L)の上部に部分的に挿入されているか、又は別個にパッケージングされ、装置を起動させる時に使用者によって組み付けられる。次いで、アセンブリ全体を、このアセンブリを枢着点を中心にして自由に揺動させるような形状を有するケーシングに収容することができる。消費者は、シール(E)を貫いてボトルの底部までウィックを押し込むことによって装置を起動させてよい。
【0105】
以下に説明される図面を参照すると、本発明によれば、枢軸(P)は、容器のキャップに収容されておりかつケーシングに固定されていてよく、容器と、ウィックと、発散部材とのアセンブリは、例えば手動で作動させられるか又は太陽電池によって動力を供給された場合に、回動軸受を中心に揺動することができる。
【0106】
別の実施の形態においては、枢軸(P)は、例えばケーシングに固定された位置において、容器と、ウィックと、発散部材とのアセンブリ全体よりも上方に配置されており、アセンブリ全体は、枢軸を中心にして2つの位置の間を揺動する。
【0107】
両方の全体的な配置において、容器(B)の質量は、ウィック(W)及び発散部材(F)を移動させるための振り子として作用し、これにより、香水の拡散速度を高めるために、発散部材の拡散面に沿って空気を移動させる。
【0108】
両方の全体的な配置における揺動は、手動で行うことができ、その場合、ボトル(B)と、構成部材(L)の選択的なレバー部分とは、回動軸受における摩擦と、空気抗力と、ボトル内における香水の移動とにより動作が減衰させられるまで装置を運動させるために、押される必要がある。
【0109】
択一的に、装置は有利には太陽電池又は電池によって動力が供給されてよい。従って、発散部材及びアセンブリ全体の運動を引き起こすために、ソレノイド又はコイル(Cc又はCr)及び磁石(M)が提供されている。ソレノイド及び磁石は、キャパシタ又は電池を含んでよいプリント回路板(PCB)によって制御され、太陽電池(S)によって動力を供給される。
【0110】
磁石及びコイル、太陽電池パネル及びケーシングを配置するための多数の形式が存在し、以下に説明される図面に示された択一例につながる。
【0111】
図1を参照すると、手動作動式装置は、空気を通過させるための孔又は通気口(H)が設けられたケーシング(A1)によって完全に包囲されている。これらの孔(H)は、ケーシングのあらゆる場所に、あらゆる量及び形状で設けることができる。ウィック(W)は、枢軸(P)点から上下に延び、容器(B)の内部の底部の近くに達している。ウィックの延長部でありかつウィックの上側部分とともに容器(B)の外部へ延出しているシート材料から成るフラッグ(F)は、発散部材を形成しており、香水はこの構成部材の表面から蒸発する。レバーは、枢軸及びボトル用キャップをも含んだ成形片(L)の一部である。択一的に、レバーは、相互作用性を示すために、模様付きの面又は刻みを有してよい。
【0112】
ウィックは容器に対して移動しないので、良好なシールを維持することができる。ケーシングは、安定性を提供するために十分に離れた脚部(Z)を有していてよい。
【0113】
ウィックが揺動しているとき、フラッグは、ウィックの軸線に対して曲がるか(図2a及び図14参照)又は回転することができる(図2b及び図15参照)。これは、ケーシング内で空気を一方向に移動させるファンとして作用する。両方の場合に、ウィックからフラッグへの香水の良好な移動が生じるべきである。
【0114】
図14又は図15は、2つの場合のウィック/発散構造の様々な段階を示しており、ウィック/発散構造が、枢軸を中心とするエアリフレッシュナの揺動を引き起こす空気の流れをどのように生じさせるかを示している。
【0115】
図3aから図3dは、図1と同様の装置を示しているが、ケーシングは様々な異なる形状を有しており、これにより、アセンブリの移動を作動させるために部材(L)のレバー部分へのより容易なアクセスを許容する。図3a)の実施の形態において、ケーシングは中央において、より湾曲した形状を有しており、これはレバーをより容易に作動させることを可能にする。図3b)において、ケーシング(A3)は装置の下側部分のみを包囲しており、ウィックと発散部材とによって形成された移動する上側部分が見えるようにしている。図3c)においては、ウィックの上部に、香水(D)で濡らされる発散表面のいかなる部分にも直接触ることなく装置を揺動させるために、択一例として、ハンドル部(I)を有している。図3d)において、アセンブリは、揮発性液体(D)を含有する容器(B)と、ウィック及び発散部材配列と、枢軸を含むキャップとが、この枢軸を介して、ケーシングではなくフレーム(A4)に直接に取り付けられている。動作を開始させるためには、枢軸(P)軸受を中心として、フレームの間からボトル(B)を直接押すことができる。
【0116】
図4は、太陽電池(S)が光に曝されるような位置においてケーシングに収容された太陽電池(S)を有する装置の電動式の態様を示している。太陽電池は、ソレノイド又はコイル(Cc)に電流を供給するプリント回路板(PCB)に接続されている。磁石(M)は、ボトルに、つまりボトルを保持するためにボトルを取り囲むように折り曲げられたレバー及び枢軸成形体の付加的な部分(R)に、揺動を引き起こすためにコイルに流れる電流によって生ぜしめられた電磁界によって磁石が引き付けられるか又は反発されるように、電流が流れた時にコイル(Cc)と係合させるような位置において、配置されている。折り曲げられた部材(R)は、プラスチックヒンジを備えて実現されることができる。
【0117】
電流はパルス信号によって発生させられてよく、プリント回路板(PCB)には、振り子の位置を検出しかつその位置に応じて電流を変化させることができる構成部材が設けられていてよい。
【0118】
例示された構成において、コイル(C)及びプリント回路板(PCB)は、ケーシングアセンブリの一部であり、磁石(M)は揺動するサブアセンブリの一部であるが、言うまでもなく、磁石を静止状態にケーシングに収容して取り付けることができ、その場合、コイルは揺動するサブアセンブリに配置される。
【0119】
図5は、図4と同様の太陽電池式装置を示しているが、コイル(Cr)は、ハウジング又はケーシングの底面農地側に固定された平坦なラジアルソレノイドであり、磁石(M)は、容器を取り囲むように折り曲げられた保持片(R)内に保持されている。
【0120】
図6は、同様の態様電池式装置の別の構成を示しており、円筒状コイル(Cc)は、容器(B)の近くではなく、成形片(L)のレバー部分の近くに取り付けられており、磁石(M)はレバーに取り付けられている。
【0121】
図7は、本発明による電動式装置の別の実施の形態を示しており、平坦なラジアルコイル(Cr)はレバーの近くにおいてケーシングに取り付けられており、磁石(M)は、通電時にソレノイドに引き付けられる位置においてレバーに配置されている。
【0122】
上記から明らかなように、コイル、磁石及びプリント回路板の配列の多くの態様を用いることができる。当業者は、ケーシングにおけるエアリフレッシュナ構成部材の形状及び配置に関連してその態様を選択することができる。同様に、プリント回路板に電力を供給する太陽電池の位置も任意に変更することができ、ケーシングに、又はウィック、容器、及び発散部材のエアリフレッシュナアセンブリの構成部材に固定することができる。唯一の本質的な条件は、太陽電池が光に曝されるように配置されることである。
【0123】
例えば図8には、太陽電池の2つの他の択一的な位置が示されており、図8a)は、太陽電池又は太陽電池パネル(S)が、光に対面するように、製品の前側又は後側に配置されている装置の構成を示しているのに対し、図8b)においては、太陽電池パネル(S)は、光に対面するための製品のフレームの側に配置されている。
【0124】
図9は、手動式装置の他の態様が示されており、枢軸(P)は、ケーシング(A5又はA7)の上部に固定されており、ウィック(W)又はウィックの支持軸が枢軸の周囲に引っ掛けられている。ボトル(B)はウィック(W)の下方に懸吊されている。図9a)において、ケーシング(A5)の面のうちの1つに、ギャップ又は孔(G)が設けられており、容器(B)を揺動させるために外部からアクセスを提供し、残っている香水の量を見ることができる。ケーシングは、安定性を提供するように十分に離れて配置された脚部(Z)を有していてよい。図9b)に示すように、開口(G)は、ケーシング(A7)の底部に設けられてもよい。容器及び吸収/拡散アセンブリに対する枢軸の固定及び位置のこの態様は、図10に示すように、開放フレーム態様にも適用可能であり、この場合、ケーシングの代わりに開放フレーム(A6)が設けられており、開放フレームは大きなアクセス可能な開口(G)を提供するので、装置が完全に見えるようになっており、枢軸軸受を中心とする揺動を開始させるためのアクセスを提供する。
【0125】
枢軸が容器及び拡散部材アセンブリの上方の位置に固定されている本発明による電動式装置において、コイル(C)及び磁石(M)を様々な形式で配置することが可能である。図11a)及びb)に示すように、磁石(M)は、この磁石を、揺動中のある時点で円筒状又は平坦なコイル(C)に進入させるような形式で容器に固定されており、動作を引き起こすために、コイルに流れる電流によって生ぜしめられた電磁界によって引き付けられるか又は反発される。
【0126】
図12は、コイル(C)が、ケーシングの前側又は後側の内面に固定された平坦なラジアルソレノイドであり、磁石(M)が容器のキャップに組み込まれている、本発明の実施の形態を示している。
【0127】
図13は、活性物質を含有する受容体の上部開口を通過して複数のウィック/発散部材(W)が設けられていることを除き、同じ全体的特徴を備えた発明の別の実施の形態を示している。部材は葦(reed)のような形状であり、全ての葦を受容する図示の大きな1つの開口ではなく、受容体のキャップにおける様々なより小さな開口を通過して配置することもできる。これは、エアリフレッシュナの美的態様を変更することを許容する。なぜならば、葦は、異なる色でありかつ鉛直に間隔を置かれていてよいか、図示のように円錐状の束であってよいからである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性液体揮発性物質を周囲雰囲気へ排出するための装置において、前記揮発性物質が染み込まされる蒸発面の強制換気のための手段が設けられており、ハウジング又は支持フレームが設けられており、容器と、少なくとも1つの発散部材と、少なくとも1つのウィック部材とのアセンブリが設けられており、
a)前記容器が、活性揮発性物質を含有しており、かつ選択的にキャップで被覆される開口を備えた上側部分を有しており、
b)前記少なくとも1つの発散部材が、前記蒸発面を有しており、かつ装置が起動させられると前記活性揮発性物質を染み込ませることができかつ装置の周囲への活性揮発性物質の蒸発を許容する材料から形成されており、
c)前記少なくとも1つのウィック部材が、前記活性揮発性物質を染み込ませることができる多孔質材料部分から形成されているか又は該多孔質材料部分を有しており、前記ウィック部材が、揮発性物質が染み込まされるようにしかつ発散部材と接触する位置に、容器の上側部分の開口を通って装置内に収容されており、
装置が起動させられると、発散部材及びウィック部材が、ウィック部材を活性揮発性物質と接触させかつ発散部材に活性揮発性物質を染み込ませる位置において、装置内に収容され、前記蒸発面の強制換気のための装置が、ハウジング又は支持フレームに固定された枢軸を含んでおり、前記アセンブリは、発散部材の前記蒸発面の強制換気を生じさせるために、所定の期間にわたって枢軸を中心とする前記アセンブリの揺動を許容するような形式で枢軸上に配置されており、前記アセンブリの揺動は、1つ又は2つ以上のアセンブリ構成部材の手動、機械式移動、又は電子式に動力が供給される移動によって引き起こされることを特徴とする、活性液体揮発性物質を周囲雰囲気へ排出するための装置。
【請求項2】
装置が活性化された後すぐに前記発散部材の表面全体に揮発性物質が染み込まされ、ウィック及び発散部材に吸収される揮発性物質の最大量は、装置における揮発性物質の初期量の約20質量%未満である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ウィック及び発散部材に吸収される揮発性物質の最大量は、装置に含有されている液体の初期合計重量の5質量%〜15質量%、最も好適には8質量%〜13質量%である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記ウィック部材及び発散部材が、ウィック/発散構造を形成する単一片の部分である、請求項1から3までのいずれか1項移載の装置。
【請求項5】
複数のウィック/発散部材が設けられている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング又は支持フレームが、装置が起動させられると装置の周囲への活性揮発性物質拡散を許容するための孔又は通気口を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記アセンブリの揺動を手動で起動するために、ハウジング又はフレームの外部からアクセス可能起動手段が設けられている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記起動手段が、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の一部であるレバーから成る、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記枢軸が、容器のキャップとしても働く前記成形された構成部材に収容されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジング又は支持フレームが、太陽電池パネルと、磁石と協働させる形式で配置されたソレノイドに電流を発生させることができるプリント回路板に前記太陽電池パネルを接続させる手段とを有している、請求項1記載の装置。
【請求項11】
活性揮発性物質が、香水、消臭物質、殺虫剤物質、昆虫忌避剤又は昆虫誘引剤、抗菌剤又は静菌剤を含む液体である、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
活性揮発性物質が、非水系芳香組成物であり、該非水系芳香組成物の合計重量の少なくとも60%が、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から形成されている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
発散部材の発散面若しくは蒸発面が、50cm2〜400cm2、より好適には75cm2〜100cm2、最も好適には100cm2〜200cm2である、請求項1又は11記載の装置。
【請求項14】
発散部材が、100cm2〜200cm2の表面積を有しており、ウィック/発散アセンブリによって吸収される液体の質量に対する表面積の比が、20cm2/g〜200cm2/g、好適には30cm2/g〜150cm2/g、最も好適には40cm2〜100cm2/gである、請求項13記載の装置。
【請求項15】
発散部材が、100cm2〜200cm2の表面積を有しており、ウィック/発散アセンブリによって吸収される液体の質量に対する表面積の比が、40cm2/g〜100cm2/gである、請求項14記載の装置。
【請求項16】
発散部材が、0.18〜0.45mmの厚さを有するワットマンろ紙、又は1.50mmの厚さを有しかつ商標名Vyon(R)Tで市販されている焼結プラスチックから形成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
部屋、食器棚又は自動車のフレッシュナ又は消臭剤、クローゼットフレッシュナ、虫除け、殺虫剤又は昆虫記非装置、又はこれらの組合せの形式の、場合によって組み立てられない形式でパッケージングされている、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
【請求項1】
活性液体揮発性物質を周囲雰囲気へ排出するための装置において、前記揮発性物質が染み込まされる蒸発面の強制換気のための手段が設けられており、ハウジング又は支持フレームが設けられており、容器と、少なくとも1つの発散部材と、少なくとも1つのウィック部材とのアセンブリが設けられており、
a)前記容器が、活性揮発性物質を含有しており、かつ選択的にキャップで被覆される開口を備えた上側部分を有しており、
b)前記少なくとも1つの発散部材が、前記蒸発面を有しており、かつ装置が起動させられると前記活性揮発性物質を染み込ませることができかつ装置の周囲への活性揮発性物質の蒸発を許容する材料から形成されており、
c)前記少なくとも1つのウィック部材が、前記活性揮発性物質を染み込ませることができる多孔質材料部分から形成されているか又は該多孔質材料部分を有しており、前記ウィック部材が、揮発性物質が染み込まされるようにしかつ発散部材と接触する位置に、容器の上側部分の開口を通って装置内に収容されており、
装置が起動させられると、発散部材及びウィック部材が、ウィック部材を活性揮発性物質と接触させかつ発散部材に活性揮発性物質を染み込ませる位置において、装置内に収容され、前記蒸発面の強制換気のための装置が、ハウジング又は支持フレームに固定された枢軸を含んでおり、前記アセンブリは、発散部材の前記蒸発面の強制換気を生じさせるために、所定の期間にわたって枢軸を中心とする前記アセンブリの揺動を許容するような形式で枢軸上に配置されており、前記アセンブリの揺動は、1つ又は2つ以上のアセンブリ構成部材の手動、機械式移動、又は電子式に動力が供給される移動によって引き起こされることを特徴とする、活性液体揮発性物質を周囲雰囲気へ排出するための装置。
【請求項2】
装置が活性化された後すぐに前記発散部材の表面全体に揮発性物質が染み込まされ、ウィック及び発散部材に吸収される揮発性物質の最大量は、装置における揮発性物質の初期量の約20質量%未満である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ウィック及び発散部材に吸収される揮発性物質の最大量は、装置に含有されている液体の初期合計重量の5質量%〜15質量%、最も好適には8質量%〜13質量%である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記ウィック部材及び発散部材が、ウィック/発散構造を形成する単一片の部分である、請求項1から3までのいずれか1項移載の装置。
【請求項5】
複数のウィック/発散部材が設けられている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング又は支持フレームが、装置が起動させられると装置の周囲への活性揮発性物質拡散を許容するための孔又は通気口を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記アセンブリの揺動を手動で起動するために、ハウジング又はフレームの外部からアクセス可能起動手段が設けられている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記起動手段が、容器のキャップとしても働く成形された構成部材の一部であるレバーから成る、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記枢軸が、容器のキャップとしても働く前記成形された構成部材に収容されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジング又は支持フレームが、太陽電池パネルと、磁石と協働させる形式で配置されたソレノイドに電流を発生させることができるプリント回路板に前記太陽電池パネルを接続させる手段とを有している、請求項1記載の装置。
【請求項11】
活性揮発性物質が、香水、消臭物質、殺虫剤物質、昆虫忌避剤又は昆虫誘引剤、抗菌剤又は静菌剤を含む液体である、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
活性揮発性物質が、非水系芳香組成物であり、該非水系芳香組成物の合計重量の少なくとも60%が、4Pa〜270Paの蒸気圧を有する成分から形成されている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
発散部材の発散面若しくは蒸発面が、50cm2〜400cm2、より好適には75cm2〜100cm2、最も好適には100cm2〜200cm2である、請求項1又は11記載の装置。
【請求項14】
発散部材が、100cm2〜200cm2の表面積を有しており、ウィック/発散アセンブリによって吸収される液体の質量に対する表面積の比が、20cm2/g〜200cm2/g、好適には30cm2/g〜150cm2/g、最も好適には40cm2〜100cm2/gである、請求項13記載の装置。
【請求項15】
発散部材が、100cm2〜200cm2の表面積を有しており、ウィック/発散アセンブリによって吸収される液体の質量に対する表面積の比が、40cm2/g〜100cm2/gである、請求項14記載の装置。
【請求項16】
発散部材が、0.18〜0.45mmの厚さを有するワットマンろ紙、又は1.50mmの厚さを有しかつ商標名Vyon(R)Tで市販されている焼結プラスチックから形成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
部屋、食器棚又は自動車のフレッシュナ又は消臭剤、クローゼットフレッシュナ、虫除け、殺虫剤又は昆虫記非装置、又はこれらの組合せの形式の、場合によって組み立てられない形式でパッケージングされている、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3a)】
【図3b)】
【図3c)】
【図3d)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10】
【図11a)】
【図11b)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3a)】
【図3b)】
【図3c)】
【図3d)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10】
【図11a)】
【図11b)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−511990(P2012−511990A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541686(P2011−541686)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055743
【国際公開番号】WO2010/070576
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055743
【国際公開番号】WO2010/070576
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】
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