搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラム
【課題】 種々のRF(Radio Frequency)タグに書き込みを行う搬送ラインにおいて、リーダ/ライタを切り替えることで、設備費用を削減することおよびRFIDの種類を吸収しリーダ/ライタ装置の負荷を分散することで搬送ラインを効率的に利用する装置を提供すること。
【解決手段】 リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220が読み書きするタグ種類に対応するように切り替える機能、およびRFタグが貼り付けられている物品に関する情報(例えば物品の重量や物品の持ち主など)をRFタグに書き込む際に処理時間を計測し、各搬送ラインの順位値を設定し、その値を用いて振り分け先を決定する機能を保持している。これらの機能を利用することで搬送ラインを効率的に利用することが可能となる。
【解決手段】 リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220が読み書きするタグ種類に対応するように切り替える機能、およびRFタグが貼り付けられている物品に関する情報(例えば物品の重量や物品の持ち主など)をRFタグに書き込む際に処理時間を計測し、各搬送ラインの順位値を設定し、その値を用いて振り分け先を決定する機能を保持している。これらの機能を利用することで搬送ラインを効率的に利用することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア等の搬送ラインを流れる物品に取り付けられたRFタグにデータの書込み処理を行う搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムに関し、特に、多種多様なRFタグを読み書き可能なリーダ/ライタを用いる搬送ラインを効果的に利用する搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RF(Radio Frequency)タグと呼ばれる非接触ICチップを物品に貼り付け、物品の在庫管理、工程管理、流通管理に用いて業務の効率化が図られている。
また、空港においては、手荷物にRFタグを貼り付けることでトレーサビリティーを確立し、ロスト・バゲッジの防止や荷物の仕分け作業することで作業効率を高める航空手荷物管理方法、航空手荷物用RFタグ、及び航空手荷物管理システムに関する従来技術が、特許文献1に記載されている。
【0003】
その際、航空手荷物管理システムにおいては、手荷物につけられたRFタグに、当該空港手荷物が搭載されるべき飛行機やユーザ情報および手荷物の中身を透視検査した結果を書き込んでいる。ところが、例えば香港国際空港ではUHF帯、成田国際空港や英国航空では13.56MHz、米国においては2.45GHzやUHF帯のRFタグが用いられるなど各国・各空港で採用する周波数帯およびRFタグが異なっている。そのため、各空港で貼り付けられたRFタグを利用するためには、それぞれの空港に複数のリーダ/ライタ装置を配置する必要がある。また、1つの搬送ラインおよび1つの種類のRFタグに1つのリーダ/ライタのみを用いるとベルトコンベアの速度を、処理に最も時間のかかるRFタグに合わせる必要があり非常に低速になりシステム全体の処理効率が低下する問題点がある。また、RFタグにデータを書込む際には、識別子の読取り、データの書込み、ベリファイ処理を行う必要があるためである。また、ノイズなどの影響でこの3つの処理のうち1つでも失敗すると、同様の処理を繰り返し行わなければならず、処理が完了するまでの時間に一層の差がつくことがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−362730号公報(段落0013−0015、0026−0028)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の問題点は、各国・各空港で採用する周波数帯およびRFタグの種類が異なっているため、リーダ/ライタおよびベルトコンベアからなる搬送ラインをRFタグの種類の数だけ用意する必要がある点である。第2の問題点は、複数の搬送ラインおよび複数種類のリーダ/ライタを用意した場合、手荷物310に貼り付けられたRFタグの種類に偏りが合った場合は、負荷が集中するリーダ/ライタや荷物が存在しない搬送ラインが発生するなど非効率なシステムとなる点である。
そこで、本発明の目的は、物品に貼り付けられたRFタグの種類に応じて、複数種類のRFタグを読み書き可能なリーダ/ライタの動作を動的に切り替えることで、1つの搬送ラインが複数のRFタグに対応可能とし、また、RFタグを付けた物品の流れる状況に応じて使用する搬送ラインを切り替えて負荷を分散することで搬送ラインを効率的に利用することを可能とする搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の搬送システムは、RFタグの種類情報を取得する手段と、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替える手段と、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む手段とを有する。
【0007】
本発明の第2の搬送システムは、複数種類のRFタグに書き込み処理可能な1以上のリーダ/ライタ手段と、前記RFタグの種類情報を取得する手段と、前記種類情報に基づいて前記リーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示する手段と、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する手段とを有する。
【0008】
本発明の第3の搬送システムは、前記第1、または、第2の搬送システムであって、前記RFタグへの書き込み時間を測定する手段を有する。
【0009】
本発明の第4の搬送システムは、前記第3の搬送システムであって、前記RFタグの前記種類情報毎に前記測定した前記書き込み時間の平均値を算出する手段を有する。
【0010】
本発明の第5の搬送システムは、前記第2、第3、または、第4の搬送システムであって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段と、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする手段とを有する。
【0011】
本発明の第6の搬送システムは、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送システムであって、搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける手段を有する。
【0012】
本発明の第7の搬送システムは、前記第6の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の搬送システムは、前記第6、または、第7の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0014】
本発明の第9の搬送システムは、前記第6、第7、または、第8の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0015】
本発明の第10の搬送システムは、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送システムであって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段を有し、前記RFタグが添付された物品を振り分ける手段は、故障中の前記リーダ/ライタ手段のみの前記搬送ラインへは前記RFタグが添付された物品を振り分けないことことを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の搬送方法は、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込むことを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の搬送方法は、制御手段が、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信し、前記リーダ/ライタ手段が、前記指示された対応するRFタグ種類への切り替えを実行し、前記書き込みデータを前記RFタグに書き込むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の搬送方法は、前記第1、または、第2の搬送方法であって、制御手段が、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の搬送方法は、前記第3の搬送方法であって、制御手段が、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の搬送方法は、前記第2、第3、または、第4の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の搬送方法は、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送方法であって、搬送ラインが複数に分岐しており、制御手段が、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする。
【0022】
本発明の第7の搬送方法は、前記第6の搬送方法であって、制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0023】
本発明の第8の搬送方法は、前記第6、または、第7の搬送方法であって、制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0024】
本発明の第9の搬送方法は、前記第6、第7、または、第8の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0025】
本発明の第10の搬送方法は、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする。
【0026】
本発明の第1の搬送制御装置は、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行うことを特徴とする。
【0027】
本発明の第2の搬送制御装置は、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信することを特徴とする。
【0028】
本発明の第3の搬送制御装置は、前記第1、または、第2の搬送制御装置であって、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする。
【0029】
本発明の第4の搬送制御装置は、前記第3の搬送制御装置であって、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする。
【0030】
本発明の第5の搬送制御装置は、前記第2、第3、または、第4の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする。
【0031】
本発明の第6の搬送制御装置は、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送制御装置であって、搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする。
【0032】
本発明の第7の搬送制御装置は、前記第6の搬送制御装置であって、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0033】
本発明の第8の搬送制御装置は、前記第6、または、第7の搬送制御装置であって、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0034】
本発明の第9の搬送制御装置は、前記第6、第7、または、第8の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0035】
本発明の第10の搬送制御装置は、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする。
【0036】
本発明の第1のプログラムは、制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行う処理を行わせることを特徴とする。
【0037】
本発明の第2のプログラムは、制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する処理を行わせることを特徴とする。
【0038】
本発明の第3のプログラムは、前記第1、または、第2のプログラムであって、制御装置に、前記RFタグへの書き込み時間を測定する処理を行わせることを特徴とする。
【0039】
本発明の第4のプログラムは、前記第3のプログラムであって、制御装置に、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出する処理を行わせることを特徴とする。
【0040】
本発明の第5のプログラムは、前記第2、第3、または、第4のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする処理を行わせることを特徴とする。
【0041】
本発明の第6のプログラムは、前記第1、第2、第3、第4、または、第5のプログラムであって、搬送ラインが複数に分岐しており、制御装置に、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける処理を行わせることを特徴とする。
【0042】
本発明の第7のプログラムは、前記第6のプログラムであって、制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0043】
本発明の第8のプログラムは、前記第6、または、第7のプログラムであって、制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0044】
本発明の第9のプログラムは、前記第6、第7、または、第8のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0045】
本発明の第10のプログラムは、前記第6、第7、第8、または、第9のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けない処理を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、物品に貼り付けられた様々な種類のRFタグの読み書きの処理を実行する搬送ラインを効率的に利用することができるという効果を有している。その理由は、リーダ/ライタが読み書きできるRFタグの種類を動的に変更可能とし、物品に貼り付けられたRFタグの種類毎にリーダ/ライタの動作を切り替えるようにしたためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、航空手荷物の搬送システムにおいて、航空手荷物に貼り付けられたRFタグに航空手荷物の透視検査結果を搬送ライン上で書き込むシステムの形態を説明する。本実施の形態では、RFタグに書き込むデータは透視検査結果であるが、持ち主の名前、住所や手荷物の重量などを書き込んでもよい。荷物に貼り付けられたRFタグは各国、各空港で貼り付けられたRFタグであるため、様々な種類のRFタグが存在する。本実施の形態では、これらのRFタグのタグ種類を基に書込み処理させる搬送ラインを効果的に選択し、RFタグが貼り付けられている手荷物を振り分ける。
【0048】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、分散制御装置100と、リーダ/ライタA210と、リーダ/ライタB220と、ライン分岐200とから構成される。
【0049】
分散制御装置100は、搬送ライン制御部110と、スケジューラ120と、記憶部130と、リーダ/ライタ制御部A141と、リーダ/ライタ制御部B142とから構成される。
【0050】
図4は、本実施の形態の物理的な設置イメージを示す図である。本実施の形態では搬送ラインが2つに分かれている。RFタグ320が貼り付けられた手荷物310が搬送ラインC280から流れてくると、ライン分岐200にて、リーダ/ライタA210が設置された搬送ラインA281あるいはリーダ/ライタB220が設置された搬送ラインB282に振り分けられる。
【0051】
搬送ライン制御部110は、手荷物310を搬送ラインA281と搬送ラインB282のいずれへ振り分けるかを示す前記振り分け先搬送ライン名の通知をスケジューラ120から受け取る。搬送ライン制御部110は前記前記振り分け先搬送ライン名に基づき、ライン分岐200を制御する。
【0052】
スケジューラ120は、図5に示すタグデータ400と図6に示す順位決定ポリシー410とを参照して、各手荷物310の前記前記振り分け先搬送ライン名を決定する。図6に示す順位決定ポリシー410には、様々な指標を用いることが可能である。例えば、動的振り分けとしては負荷の利用、静的振り分けとしてはラウンドロビンが挙げられる。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、前記タグ種類ごとのリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の書き込み時間を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、また、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の対応する前記タグ種類を切り替えるのに要する時間を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、また、スケジューラ120で保持する搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振られたRFタグ320の書き込み処理待ち数を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、さらに、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の故障情報を利用する。本実施の形態においては、以上の情報から前記タグ種類ごとに搬送ラインA281および搬送ラインB282を順位付けした図6に示す順位決定ポリシー410を作成し、その値を利用する。スケジューラ120は決定した前記前記振り分け先搬送ライン名を搬送ライン制御部110へ通知する。
【0053】
スケジューラ120は、リーダ/ライタ制御部A141とリーダ/ライタ制御部B142からRFタグ320にデータを書き込む際に要した書き込み時間を取得する。スケジューラ120は、取得した前記書き込み時間を図8に示す書き込み時間履歴430に格納する。
【0054】
スケジューラ120は、リーダ/ライタ制御部A141とリーダ/ライタ制御部B142からリーダライタAとリーダライタBの故障情報を取得する。スケジューラ120は、取得した前記故障情報を図6に示す順位決定ポリシー410に反映する。
【0055】
記憶部130には、図5に示すタグデータ400と、図6に示す順位決定ポリシー410と、図7に示す処理待ちキュー420と、図8に示す書き込み時間履歴430と、図9に示す平均処理時間440と、図10に示す制御用パラメータ450とが格納される。
【0056】
リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400を参照して、各RFタグ320の前記タグ種類および識別子を取得する。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、取得した前記タグ種類および前記識別子に基づいて、それぞれリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220に対応する前記タグ種類の変更を指示する。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400を参照して、各RFタグ320の書き込みデータを取得する。そして、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、それぞれリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220に対して、前記書き込みデータを送付し、RFタグ320へのデータ書き込みを指示する。
【0057】
リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142の指示に基づき、対応する前記タグ種類を変更する。リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142からRFタグ320の前記書き込みデータを取得する。そして、リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142の指示に基づき、前記書き込みデータをRFタグ320へ書き込む。
【0058】
ライン分岐200は、搬送ライン制御部110の指示に基づき、搬送ラインC280から流れてきた手荷物310を搬送ラインA281と搬送ラインB282のいずれかへ振り分ける。
【0059】
図5は、記憶部130に格納されたタグデータ400の構造を示す図であり、手荷物310の到着順に格納され、各手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類と、前記識別子と、前記書き込みデータとを含む。前記タグ種類は、RFID(Radio Frequency Identification)において、リーダ/ライタがRFタグ320をアクセスするためのインタフェース規格を特定するものである。前記識別子は、RFタグ320毎の固有の前記識別子である。前記書き込みデータはRFタグ320に書き込むデータであり、本実施の形態においては手荷物310の透視検査結果である。図5に示すタグデータ400は、あらかじめ、オペレータによる入力手段(図示しない)や他の連携した装置手段(図示しない)によって格納されている。
【0060】
図6は、記憶部130に格納された順位決定ポリシー410の構造を示す図であり、搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて各前記タグ種類の順位値を格納している。すなわち、図6は、前記タグ種類毎に、搬送ラインA281および搬送ラインB282のいずれに振り分けるかの優先順位を記載した表である。スケジューラ120は、前記順位値として、振り分け可能な搬送ラインA281および搬送ラインB282には『1』以上の値を設定する。スケジューラ120は、前記順位値として、システムの開始状態および環境の変化を考慮するために初期状態に戻した場合は『0』の値を設定する。スケジューラ120は、前記順位値として、書き込み処理待ちの手荷物310が滞留して、待ち時間があらかじめ定められた規定値を超える状態となった場合、もしくは、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142がそれぞれリーダ/ライタA210、リーダ/ライタB220の故障を検知した場合には、対応する搬送ラインA281および搬送ラインB282に『−1』の値を設定する。前記順位値は、書き込みに掛かる前記タグ種類ごとのリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の処理時間と、リーダ/ライタの対応する前記タグ種類への切り替え時間と、故障情報と、搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振られたRFタグ320の前記書き込み処理待ち数を利用して、書き込み時間がシステム全体で最短となるように前記順位値を決定する。
【0061】
図7は、記憶部130に格納された処理待ちキュー420の構造を示す図であり、振り分け先の搬送ラインA281および搬送ラインB282の処理の順番を管理するためのものである。処理待ちキュー420には、搬送ラインA281および搬送ラインB282それぞれについて書き込み処理待ち手荷物310に貼り付けられた各RFタグ320の前記タグ種類と前記識別子が格納される。
【0062】
図8は、記憶部130に格納された書き込み時間履歴430の構造を示す図であり、前記タグ種類毎に搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて書き込み時間の実績が格納される。
【0063】
図9は、記憶部130に格納された平均処理時間440の構造を示す図であり、前記タグ種類毎に搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて書き込み処理の時間の平均が格納される。
【0064】
図10は、記憶部130に格納された、制御用パラメータ450の構造を示す図である。リーダ/ライタの対応前記タグ種類切り替え時間は、リーダ/ライタが読み書きできる前記タグ種類をある前記タグ種類から他の前記タグ種類へ切り替える場合に要する時間である。重み値αおよび重み値βは、図6に示す順位決定ポリシー410の前記順位値の算出時に使用する前記順位値『1』および『2』における振り分けの優先度による負荷の重みを示す数値であり、重み値α>重み値βで有り、経験則的にあらかじめ決められる。上限値および下限値は、図6に示す順位決定ポリシー410の前記順位値の算出時に使用する前記書き込み処理待ち数の上限値及び下限値がそれぞれ格納される。平均処理時間差は、前記順位値の算出時において、図9に示す平均処理時間440の差が本値より大きければ、有意であると判断する時間である。順位値初期化時間は、前記順位値を一旦『0』に戻し、さらに前記順位値を再算出するまでの間隔を示す時間である。平均値算出データ数は、図9に示す平均処理時間440を求めるために必要な書き込み時間のデータ数である。図10に示す制御パラメータ450の内容は、あらかじめ、オペレータによる入力手段(図示しない)や他の連携した装置手段(図示しない)によって格納されている。
【0065】
次に、本発明の第1の実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0066】
図11は、本発明の第1の実施の形態における、RFタグ320を貼り付けた手荷物310を、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定するスケジューラ120の処理と、それに応じて動作する搬送ライン制御部110の処理の一例を示したフローチャートである。
【0067】
スケジューラ120は、図5に示すタグデータ400から、次にライン分岐200で搬送ラインA281または搬送ラインB282に振り分けられる手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類と前記識別子を取得し(ステップS500)、図6に示す順位決定ポリシー410を参照して、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定し(ステップS510)、図7に示す処理待ちキュー420に追加する(ステップS520)。そして、スケジューラ120は、搬送ライン制御部110に前記振り分け先搬送ライン名を通知する(S530)。
【0068】
搬送ライン制御部110は、スケジューラ120から通知された前記振り分け先搬送ライン名に基づき、手荷物310を指定された搬送ラインA281および搬送ラインB282に流すようにライン分岐200を制御する(S580)。
【0069】
図12は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照して、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定するステップS510の詳細な処理の一例を示したフローチャートである。
【0070】
スケジューラ120は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照し、前記タグ種類に対応する前記順位値を確認する(ステップS511)。
【0071】
前記順位値が『0』に設定されている場合(ステップS512)は、スケジューラ120は前記振り分け先搬送ライン名を、処理完了予測時間の小さい方の搬送ラインA281または搬送ラインB282に決定する。搬送ラインA281の前記処理完了予測時間は、図7に示す搬送ラインA281の処理待ちキュー420に格納されている全てのRFタグ320について、図9に示す前記タグ種類に対応する平均処理時間440を加算したものと、前記タグ種類が変化している場合には対応する前記タグ種類の図10に示す切り替え時間を加算したものと、新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の図9に示す前記タグ種類に対応する平均処理時間440と、新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類が図7に示す処理待ちキュー420の最後の前記タグ種類と異なる場合は新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類の図10に示す切り替え時間とを、全て加算した時間である。また、搬送ラインB282の前記処理完了予測時間は、搬送ラインA281の前記処理完了予測時間と同様の方法で求める(ステップS513)。
【0072】
例として、図7に示す処理待ちキュー420の状態に、図5に示すタグデータ400の識別子『T920』のRFタグ320を追加する場合を具体的に算出してみる。
搬送ラインA281の前記処理完了予測時間は、(700+700+320+320+700)+(110+120)+320+110=3400となる。搬送ラインB282の前記処理完了予測時間は、(180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180)+180=2700となる
前記順位値が『0』に設定されていない場合(ステップS512)、スケジューラ120は、前記順位値が最小である搬送ラインを検索する(ただし『−1』を除く)(ステップS514)。前記順位値が最も小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282が存在する場合(ステップS515)、スケジューラ120は、前記振り分け先搬送ライン名を最も順位値の小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282に決定する(ステップS516)。前記順位値の最も小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282が存在しない場合(すなわち、搬送ラインA281および搬送ラインB282が『−1』の場合)は、スケジューラ120は、前記書き込み処理待ち数が一定値を超えたもしくは故障の可能性があるため、前記順位値が変化するまで待機する(ステップS517)。
【0073】
次に、前記順位値を設定するスケジューラ120の処理の流れを図13〜16を用いて説明する。
【0074】
図13は、書き込み処理時間を用いて前記順位値を決定する処理の一例を示したフローチャートである。
【0075】
システム起動時に、スケジューラ120は、全ての前記順位値を0に設定する(ステップS601)。
【0076】
いずれかの前記タグ種類の搬送ラインA281および搬送ラインB282について、図8に示す書き込み時間履歴430のデータ数が、図10に示す制御パラメータ450の平均値算出データ数を超えた場合は(ステップS702)、スケジューラ120は、前記タグ種類の書き込み処理時間の平均を搬送ラインA281および搬送ラインB282毎に算出し、図9に示す平均処理時間440に記録する(ステップS603)。
【0077】
算出した搬送ラインA281および搬送ラインB282毎の図9に示す平均処理時間440の差が、図10に示す制御パラメータ450の平均処理時間差を超えている場合(ステップS604)、スケジューラ120は、図6に示す順位決定ポリシー410に平均時間の小さい搬送ラインA281および搬送ラインB282から『1』、『2』の順で前記順位値を設定する(ステップS605)。
【0078】
算出した搬送ラインA281および搬送ラインB282毎の図9に示す平均処理時間440の差が、図10に示す制御パラメータ450の平均処理時間差以内である場合(ステップS604)は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照し、「重み値α×前記順位値に『1』が設定されている前記タグ種類数+重み値β×前記順位値に『2』が設定されている前記タグ種類数(以後、本式にて算出する値を全前記順位値と記す)」を搬送ラインA281および搬送ラインB282ごとに算出する(ステップS606)。
【0079】
全前記順位値を搬送ラインA281および搬送ラインB282について比較して同じ大きさでなければ(ステップS607)、その数が小さい搬送ラインA281および搬送ラインB282から『1』、『2』の順で前記順位値を設定する(ステップS608)。同じ大きさであれば(ステップS607)、前記順位値は『0』のまま、処理を終了する。RFタグ320のデータ数が、図10に示す制御パラメータ450の平均値算出データ数以内であった場合は(ステップS742)、前記順位値は『0』のまま、処理を終了する。
【0080】
本処理は、図10に示す制御パラメータ450の順位値初期化時間ごとに起動される順位値を『0』に初期化する処理に続いて、起動される。
【0081】
図14は、前記書き込み処理待ち数に応じて、前記順位値を変更する処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
スケジューラ120は、図7に示す処理待ちキュー420に蓄積されている前記書き込み処理待ち数を監視しており(ステップS721)、前記書き込み処理待ち数があらかじめ定められた上限値を超えると(ステップS722)、前記順位値を記憶し(ステップS723)、その処理待ちキュー420に対応する搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振らないようにするため、その搬送ラインA281および搬送ラインB282の全ての前記タグ種類の前記順位値を『−1』に設定する(ステップS724)。
【0083】
図15は、『−1』に設定された前記順位値を、元の値に戻す(『1』以上の値を設定する)処理の一例を示すフローチャートである。スケジューラ120は、前記順位値が『−1』に設定されている搬送ラインA281および搬送ラインB282の図7に示す処理待ちキュー420の前記書き込み処理待ち数を監視し(ステップS631)、前記書き込み処理待ち数があらかじめ定められた下限値(ただし上限値>下限値)を下回った場合は(ステップS632)、記憶していた元の値に変更する(ステップS633)。
【0084】
図16は、図10に示す制御パラメータ450の順位値初期化時間が経過すると前記順位値を『0』に初期化する処理の一例を示したフローチャートである。
【0085】
ある前記タグ種類において前記順位値を設定した後、一定時間が経過し(ステップS641)、前記タグ種類において全ての搬送ラインA281および搬送ラインB282の前記順位値に『−1』が設定されていない場合(ステップS642)、スケジューラ120は前記タグ種類の前記順位値を『0』に設定する(ステップS643)。
【0086】
図17は、RFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120と、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142と、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図7に示す処理待ちキュー420の先頭の前記タグ種類と前記識別子を取得し(ステップS711)、前記タグ種類のRFタグ320に書き込みできるように、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の動作を切り替える(ステップS712)。
【0088】
次に、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400から前記識別子に対応した前記書き込みデータを取得し(ステップ613)、書き込み時間の計測を開始(ステップS714)し、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220を制御し、書き込み操作を実行させる(ステップS715)。
リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220は、RFタグ320にデータを書き込み(ステップS721)、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142に書き込み終了の通知をする(ステップS722)。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、リーダ/ライタから書き込み終了の通知を受信すると、前記書き込み時間の計測を終了し(ステップS716)、処理に掛かった時間をスケジューラ120に通知する(ステップS717)。スケジューラ120は、通知された前記書き込み時間を図8に示す書き込み時間履歴430に記録する(ステップS702)。スケジューラ120は、図7に示す処理待ちキュー420から処理の完了した前記タグ種類と前記識別子を削除して処理待ちキュー420を更新する(ステップS703)。
【0089】
本実施の形態においては、1台で複数種類のRFタグ320と通信可能なリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220を示したが、図2に示すように各前記タグ種類ごとにそれぞれに対応したリーダ/ライタE211、リーダ/ライタF212、リーダ/ライタG213を搬送ラインA281に、リーダ/ライタH221、リーダ/ライタJ222、リーダ/ライタK223を搬送ラインB282にそれぞれ配置し、切り替えて使用してもよい。
【0090】
本発明の第1の実施の形態によれば、搬送ラインA281および搬送ラインB282に対して、手荷物310に貼り付けられた前記タグ種類ごとの書き込み時間、リーダ/ライタの対応前記タグ種類切り替え時間、前記書き込み処理待ち数、リーダ/ライタの故障状態に応じて、搬送ラインA281および搬送ラインB282に手荷物310を動的に振り分けるようにしたことにより、日々刻々と変化するノイズ環境に対応可能となり、システム全体の稼働率を向上させることができるという効果を有している。
【0091】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0092】
図3は、本発明の第2の実施の形態における搬送システムのブロック図である。本発明の第2の実施の形態においては、リーダ/ライタとリーダ/ライタ制御部に機能を追加しており、分散制御装置100にモジュールファイル格納部150を備えている点で第1の実施の形態と異なる。以下では、第1の実施の形態と異なるリーダ/ライタとリーダ/ライタ制御部の機能、および第1の実施の形態には存在しないモジュールファイル格納部150について説明する。
【0093】
リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147の機能は、スケジューラ120から取得した前記タグ種類および前記識別子に基づいて、モジュールファイル格納部150から前記タグ種類に適合するモジュールファイルを取得し、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240上のモジュールファイルを置き換えることで、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240で読み書きできる前記タグ種類を変更する点が第1の実施の形態と異なっている。
【0094】
リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240は、それぞれリーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147によって置き換えられたモジュールファイルで動作し、前記タグ種類のRFタグ320の読み書きを行う点が第1の実施の形態と異なっている。
【0095】
モジュールファイル格納部150は、本システムで利用する前記タグ種類に対応するモジュールファイルを格納する。モジュールファイルは、リーダ/ライタの動作を決定する実行ファイルである。例えば、ISO15693のRFタグ320に対応するモジュールファイルは、ISO15693で定義されているコマンドを全てサポートしている。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0097】
第2の実施の形態による搬送システムの基本的な処理は、図11および図12から図17に記載の第1の実施の形態による処理の通りであるが、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147が、図7に示す処理待ちキュー420の先頭の前記タグ種類と前記識別子を取得した(ステップS711)後、RFタグ320へ書き込むデータを記憶部130から取得する(ステップS713)前までの処理である図17のS712の処理に当たる部分が異なっている。
【0098】
以下、異なっている部分のリーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147とリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240の処理の一例を示すフローチャートを図18を参照して説明する。
【0099】
リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147は、前記タグ種類に対応するモジュールファイルがリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240に既に存在しているかどうか確認し、なかった場合(ステップS741)、モジュールファイル格納部150から前記タグ種類に対応するモジュールファイルを取得し(ステップS742)、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240に転送する(ステップS743)。リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240は、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147から受け取ったモジュールファイルを、以前のモジュールファイルと置き換える(ステップS751)。
【0100】
以上説明した本実施の形態では、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147が動的にリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240にモジュールファイルを転送するようにしたので、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240が読み書きできる前記タグ種類を変更させるため、ソフトウェア無線技術を適用したリーダ/ライタ装置が利用できるという効果を有している。
【0101】
また、以上説明した実施の形態では、搬送ラインが2本の場合を説明したが、1本にも3本以上にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の活用例として、空港、工場もしくは物流のような多種類のRFIDを扱い、その搬送システムにおいて、RFタグ320にデータを書き込む場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1および第2の実施の形態の実際の使用場面の一例を示した説明図である。
【図5】本発明の第1および第2の実施の形態におけるタグデータ400の構造を示す図である。
【図6】本発明の第1および第2の実施の形態における順位決定ポリシー410の構造を示す図である。
【図7】本発明の第1および第2の実施の形態における処理待ちキュー420の構造を示す図である。
【図8】本発明の第1および第2の実施の形態における書き込み時間履歴430の構造を示す図である。
【図9】本発明の第1および第2の実施の形態における平均処理時間440の構造を示す図である。
【図10】本発明の第1および第2の実施の形態における制御パラメータ450の構造を示す図である。
【図11】本発明の第1および第2の実施の形態における搬送ライン制御部110およびスケジューラ120の処理の一例を示したフローチャートである。
【図12】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120にて搬送ラインを決定する処理の一例を示したフローチャートである。
【図13】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120にて前記順位値を設定する処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を更新する処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を元に戻す処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を初期化する処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】本発明の第1および第2の実施の形態におけるRFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120とリーダ/ライタ制御部と、リーダ/ライタの処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるRFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120とリーダ/ライタ制御部と、リーダ/ライタの処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
100 分散制御装置
110 搬送ライン制御部
120 スケジューラ
130 記憶部
141 リーダ/ライタ制御部A
142 リーダ/ライタ制御部B
146 リーダ/ライタ制御部C
147 リーダ/ライタ制御部D
150 モジュールファイル格納部
200 ライン分岐
210 リーダ/ライタA
211 リーダ/ライタE
212 リーダ/ライタF
213 リーダ/ライタG
220 リーダ/ライタB
221 リーダ/ライタH
222 リーダ/ライタJ
223 リーダ/ライタK
230 リーダ/ライタC
240 リーダ/ライタD
280 搬送ラインC
281 搬送ラインA
282 搬送ラインB
310 手荷物
320 RFタグ
400 タグデータ
410 順位決定ポリシー
420 処理待ちキュー
430 書き込み時間履歴
440 平均処理時間
450 制御パラメータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア等の搬送ラインを流れる物品に取り付けられたRFタグにデータの書込み処理を行う搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムに関し、特に、多種多様なRFタグを読み書き可能なリーダ/ライタを用いる搬送ラインを効果的に利用する搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RF(Radio Frequency)タグと呼ばれる非接触ICチップを物品に貼り付け、物品の在庫管理、工程管理、流通管理に用いて業務の効率化が図られている。
また、空港においては、手荷物にRFタグを貼り付けることでトレーサビリティーを確立し、ロスト・バゲッジの防止や荷物の仕分け作業することで作業効率を高める航空手荷物管理方法、航空手荷物用RFタグ、及び航空手荷物管理システムに関する従来技術が、特許文献1に記載されている。
【0003】
その際、航空手荷物管理システムにおいては、手荷物につけられたRFタグに、当該空港手荷物が搭載されるべき飛行機やユーザ情報および手荷物の中身を透視検査した結果を書き込んでいる。ところが、例えば香港国際空港ではUHF帯、成田国際空港や英国航空では13.56MHz、米国においては2.45GHzやUHF帯のRFタグが用いられるなど各国・各空港で採用する周波数帯およびRFタグが異なっている。そのため、各空港で貼り付けられたRFタグを利用するためには、それぞれの空港に複数のリーダ/ライタ装置を配置する必要がある。また、1つの搬送ラインおよび1つの種類のRFタグに1つのリーダ/ライタのみを用いるとベルトコンベアの速度を、処理に最も時間のかかるRFタグに合わせる必要があり非常に低速になりシステム全体の処理効率が低下する問題点がある。また、RFタグにデータを書込む際には、識別子の読取り、データの書込み、ベリファイ処理を行う必要があるためである。また、ノイズなどの影響でこの3つの処理のうち1つでも失敗すると、同様の処理を繰り返し行わなければならず、処理が完了するまでの時間に一層の差がつくことがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−362730号公報(段落0013−0015、0026−0028)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の問題点は、各国・各空港で採用する周波数帯およびRFタグの種類が異なっているため、リーダ/ライタおよびベルトコンベアからなる搬送ラインをRFタグの種類の数だけ用意する必要がある点である。第2の問題点は、複数の搬送ラインおよび複数種類のリーダ/ライタを用意した場合、手荷物310に貼り付けられたRFタグの種類に偏りが合った場合は、負荷が集中するリーダ/ライタや荷物が存在しない搬送ラインが発生するなど非効率なシステムとなる点である。
そこで、本発明の目的は、物品に貼り付けられたRFタグの種類に応じて、複数種類のRFタグを読み書き可能なリーダ/ライタの動作を動的に切り替えることで、1つの搬送ラインが複数のRFタグに対応可能とし、また、RFタグを付けた物品の流れる状況に応じて使用する搬送ラインを切り替えて負荷を分散することで搬送ラインを効率的に利用することを可能とする搬送システム、搬送方法、搬送制御装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の搬送システムは、RFタグの種類情報を取得する手段と、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替える手段と、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む手段とを有する。
【0007】
本発明の第2の搬送システムは、複数種類のRFタグに書き込み処理可能な1以上のリーダ/ライタ手段と、前記RFタグの種類情報を取得する手段と、前記種類情報に基づいて前記リーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示する手段と、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する手段とを有する。
【0008】
本発明の第3の搬送システムは、前記第1、または、第2の搬送システムであって、前記RFタグへの書き込み時間を測定する手段を有する。
【0009】
本発明の第4の搬送システムは、前記第3の搬送システムであって、前記RFタグの前記種類情報毎に前記測定した前記書き込み時間の平均値を算出する手段を有する。
【0010】
本発明の第5の搬送システムは、前記第2、第3、または、第4の搬送システムであって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段と、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする手段とを有する。
【0011】
本発明の第6の搬送システムは、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送システムであって、搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける手段を有する。
【0012】
本発明の第7の搬送システムは、前記第6の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の搬送システムは、前記第6、または、第7の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0014】
本発明の第9の搬送システムは、前記第6、第7、または、第8の搬送システムであって、前記振り分ける手段は、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0015】
本発明の第10の搬送システムは、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送システムであって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段を有し、前記RFタグが添付された物品を振り分ける手段は、故障中の前記リーダ/ライタ手段のみの前記搬送ラインへは前記RFタグが添付された物品を振り分けないことことを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の搬送方法は、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込むことを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の搬送方法は、制御手段が、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信し、前記リーダ/ライタ手段が、前記指示された対応するRFタグ種類への切り替えを実行し、前記書き込みデータを前記RFタグに書き込むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の搬送方法は、前記第1、または、第2の搬送方法であって、制御手段が、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の搬送方法は、前記第3の搬送方法であって、制御手段が、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の搬送方法は、前記第2、第3、または、第4の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の搬送方法は、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送方法であって、搬送ラインが複数に分岐しており、制御手段が、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする。
【0022】
本発明の第7の搬送方法は、前記第6の搬送方法であって、制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0023】
本発明の第8の搬送方法は、前記第6、または、第7の搬送方法であって、制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0024】
本発明の第9の搬送方法は、前記第6、第7、または、第8の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0025】
本発明の第10の搬送方法は、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送方法であって、制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする。
【0026】
本発明の第1の搬送制御装置は、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行うことを特徴とする。
【0027】
本発明の第2の搬送制御装置は、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信することを特徴とする。
【0028】
本発明の第3の搬送制御装置は、前記第1、または、第2の搬送制御装置であって、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする。
【0029】
本発明の第4の搬送制御装置は、前記第3の搬送制御装置であって、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする。
【0030】
本発明の第5の搬送制御装置は、前記第2、第3、または、第4の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする。
【0031】
本発明の第6の搬送制御装置は、前記第1、第2、第3、第4、または、第5の搬送制御装置であって、搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする。
【0032】
本発明の第7の搬送制御装置は、前記第6の搬送制御装置であって、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0033】
本発明の第8の搬送制御装置は、前記第6、または、第7の搬送制御装置であって、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0034】
本発明の第9の搬送制御装置は、前記第6、第7、または、第8の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする。
【0035】
本発明の第10の搬送制御装置は、前記第6、第7、第8、または、第9の搬送制御装置であって、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする。
【0036】
本発明の第1のプログラムは、制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行う処理を行わせることを特徴とする。
【0037】
本発明の第2のプログラムは、制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する処理を行わせることを特徴とする。
【0038】
本発明の第3のプログラムは、前記第1、または、第2のプログラムであって、制御装置に、前記RFタグへの書き込み時間を測定する処理を行わせることを特徴とする。
【0039】
本発明の第4のプログラムは、前記第3のプログラムであって、制御装置に、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出する処理を行わせることを特徴とする。
【0040】
本発明の第5のプログラムは、前記第2、第3、または、第4のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする処理を行わせることを特徴とする。
【0041】
本発明の第6のプログラムは、前記第1、第2、第3、第4、または、第5のプログラムであって、搬送ラインが複数に分岐しており、制御装置に、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける処理を行わせることを特徴とする。
【0042】
本発明の第7のプログラムは、前記第6のプログラムであって、制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0043】
本発明の第8のプログラムは、前記第6、または、第7のプログラムであって、制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0044】
本発明の第9のプログラムは、前記第6、第7、または、第8のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする。
【0045】
本発明の第10のプログラムは、前記第6、第7、第8、または、第9のプログラムであって、制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けない処理を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、物品に貼り付けられた様々な種類のRFタグの読み書きの処理を実行する搬送ラインを効率的に利用することができるという効果を有している。その理由は、リーダ/ライタが読み書きできるRFタグの種類を動的に変更可能とし、物品に貼り付けられたRFタグの種類毎にリーダ/ライタの動作を切り替えるようにしたためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、航空手荷物の搬送システムにおいて、航空手荷物に貼り付けられたRFタグに航空手荷物の透視検査結果を搬送ライン上で書き込むシステムの形態を説明する。本実施の形態では、RFタグに書き込むデータは透視検査結果であるが、持ち主の名前、住所や手荷物の重量などを書き込んでもよい。荷物に貼り付けられたRFタグは各国、各空港で貼り付けられたRFタグであるため、様々な種類のRFタグが存在する。本実施の形態では、これらのRFタグのタグ種類を基に書込み処理させる搬送ラインを効果的に選択し、RFタグが貼り付けられている手荷物を振り分ける。
【0048】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、分散制御装置100と、リーダ/ライタA210と、リーダ/ライタB220と、ライン分岐200とから構成される。
【0049】
分散制御装置100は、搬送ライン制御部110と、スケジューラ120と、記憶部130と、リーダ/ライタ制御部A141と、リーダ/ライタ制御部B142とから構成される。
【0050】
図4は、本実施の形態の物理的な設置イメージを示す図である。本実施の形態では搬送ラインが2つに分かれている。RFタグ320が貼り付けられた手荷物310が搬送ラインC280から流れてくると、ライン分岐200にて、リーダ/ライタA210が設置された搬送ラインA281あるいはリーダ/ライタB220が設置された搬送ラインB282に振り分けられる。
【0051】
搬送ライン制御部110は、手荷物310を搬送ラインA281と搬送ラインB282のいずれへ振り分けるかを示す前記振り分け先搬送ライン名の通知をスケジューラ120から受け取る。搬送ライン制御部110は前記前記振り分け先搬送ライン名に基づき、ライン分岐200を制御する。
【0052】
スケジューラ120は、図5に示すタグデータ400と図6に示す順位決定ポリシー410とを参照して、各手荷物310の前記前記振り分け先搬送ライン名を決定する。図6に示す順位決定ポリシー410には、様々な指標を用いることが可能である。例えば、動的振り分けとしては負荷の利用、静的振り分けとしてはラウンドロビンが挙げられる。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、前記タグ種類ごとのリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の書き込み時間を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、また、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の対応する前記タグ種類を切り替えるのに要する時間を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、また、スケジューラ120で保持する搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振られたRFタグ320の書き込み処理待ち数を利用する。本実施の形態における図6に示す順位決定ポリシー410の指標は、さらに、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の故障情報を利用する。本実施の形態においては、以上の情報から前記タグ種類ごとに搬送ラインA281および搬送ラインB282を順位付けした図6に示す順位決定ポリシー410を作成し、その値を利用する。スケジューラ120は決定した前記前記振り分け先搬送ライン名を搬送ライン制御部110へ通知する。
【0053】
スケジューラ120は、リーダ/ライタ制御部A141とリーダ/ライタ制御部B142からRFタグ320にデータを書き込む際に要した書き込み時間を取得する。スケジューラ120は、取得した前記書き込み時間を図8に示す書き込み時間履歴430に格納する。
【0054】
スケジューラ120は、リーダ/ライタ制御部A141とリーダ/ライタ制御部B142からリーダライタAとリーダライタBの故障情報を取得する。スケジューラ120は、取得した前記故障情報を図6に示す順位決定ポリシー410に反映する。
【0055】
記憶部130には、図5に示すタグデータ400と、図6に示す順位決定ポリシー410と、図7に示す処理待ちキュー420と、図8に示す書き込み時間履歴430と、図9に示す平均処理時間440と、図10に示す制御用パラメータ450とが格納される。
【0056】
リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400を参照して、各RFタグ320の前記タグ種類および識別子を取得する。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、取得した前記タグ種類および前記識別子に基づいて、それぞれリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220に対応する前記タグ種類の変更を指示する。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400を参照して、各RFタグ320の書き込みデータを取得する。そして、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、それぞれリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220に対して、前記書き込みデータを送付し、RFタグ320へのデータ書き込みを指示する。
【0057】
リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142の指示に基づき、対応する前記タグ種類を変更する。リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142からRFタグ320の前記書き込みデータを取得する。そして、リーダ/ライタA210とリーダ/ライタB220は、それぞれリーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142の指示に基づき、前記書き込みデータをRFタグ320へ書き込む。
【0058】
ライン分岐200は、搬送ライン制御部110の指示に基づき、搬送ラインC280から流れてきた手荷物310を搬送ラインA281と搬送ラインB282のいずれかへ振り分ける。
【0059】
図5は、記憶部130に格納されたタグデータ400の構造を示す図であり、手荷物310の到着順に格納され、各手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類と、前記識別子と、前記書き込みデータとを含む。前記タグ種類は、RFID(Radio Frequency Identification)において、リーダ/ライタがRFタグ320をアクセスするためのインタフェース規格を特定するものである。前記識別子は、RFタグ320毎の固有の前記識別子である。前記書き込みデータはRFタグ320に書き込むデータであり、本実施の形態においては手荷物310の透視検査結果である。図5に示すタグデータ400は、あらかじめ、オペレータによる入力手段(図示しない)や他の連携した装置手段(図示しない)によって格納されている。
【0060】
図6は、記憶部130に格納された順位決定ポリシー410の構造を示す図であり、搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて各前記タグ種類の順位値を格納している。すなわち、図6は、前記タグ種類毎に、搬送ラインA281および搬送ラインB282のいずれに振り分けるかの優先順位を記載した表である。スケジューラ120は、前記順位値として、振り分け可能な搬送ラインA281および搬送ラインB282には『1』以上の値を設定する。スケジューラ120は、前記順位値として、システムの開始状態および環境の変化を考慮するために初期状態に戻した場合は『0』の値を設定する。スケジューラ120は、前記順位値として、書き込み処理待ちの手荷物310が滞留して、待ち時間があらかじめ定められた規定値を超える状態となった場合、もしくは、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142がそれぞれリーダ/ライタA210、リーダ/ライタB220の故障を検知した場合には、対応する搬送ラインA281および搬送ラインB282に『−1』の値を設定する。前記順位値は、書き込みに掛かる前記タグ種類ごとのリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の処理時間と、リーダ/ライタの対応する前記タグ種類への切り替え時間と、故障情報と、搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振られたRFタグ320の前記書き込み処理待ち数を利用して、書き込み時間がシステム全体で最短となるように前記順位値を決定する。
【0061】
図7は、記憶部130に格納された処理待ちキュー420の構造を示す図であり、振り分け先の搬送ラインA281および搬送ラインB282の処理の順番を管理するためのものである。処理待ちキュー420には、搬送ラインA281および搬送ラインB282それぞれについて書き込み処理待ち手荷物310に貼り付けられた各RFタグ320の前記タグ種類と前記識別子が格納される。
【0062】
図8は、記憶部130に格納された書き込み時間履歴430の構造を示す図であり、前記タグ種類毎に搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて書き込み時間の実績が格納される。
【0063】
図9は、記憶部130に格納された平均処理時間440の構造を示す図であり、前記タグ種類毎に搬送ラインA281及び搬送ラインB282それぞれについて書き込み処理の時間の平均が格納される。
【0064】
図10は、記憶部130に格納された、制御用パラメータ450の構造を示す図である。リーダ/ライタの対応前記タグ種類切り替え時間は、リーダ/ライタが読み書きできる前記タグ種類をある前記タグ種類から他の前記タグ種類へ切り替える場合に要する時間である。重み値αおよび重み値βは、図6に示す順位決定ポリシー410の前記順位値の算出時に使用する前記順位値『1』および『2』における振り分けの優先度による負荷の重みを示す数値であり、重み値α>重み値βで有り、経験則的にあらかじめ決められる。上限値および下限値は、図6に示す順位決定ポリシー410の前記順位値の算出時に使用する前記書き込み処理待ち数の上限値及び下限値がそれぞれ格納される。平均処理時間差は、前記順位値の算出時において、図9に示す平均処理時間440の差が本値より大きければ、有意であると判断する時間である。順位値初期化時間は、前記順位値を一旦『0』に戻し、さらに前記順位値を再算出するまでの間隔を示す時間である。平均値算出データ数は、図9に示す平均処理時間440を求めるために必要な書き込み時間のデータ数である。図10に示す制御パラメータ450の内容は、あらかじめ、オペレータによる入力手段(図示しない)や他の連携した装置手段(図示しない)によって格納されている。
【0065】
次に、本発明の第1の実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0066】
図11は、本発明の第1の実施の形態における、RFタグ320を貼り付けた手荷物310を、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定するスケジューラ120の処理と、それに応じて動作する搬送ライン制御部110の処理の一例を示したフローチャートである。
【0067】
スケジューラ120は、図5に示すタグデータ400から、次にライン分岐200で搬送ラインA281または搬送ラインB282に振り分けられる手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類と前記識別子を取得し(ステップS500)、図6に示す順位決定ポリシー410を参照して、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定し(ステップS510)、図7に示す処理待ちキュー420に追加する(ステップS520)。そして、スケジューラ120は、搬送ライン制御部110に前記振り分け先搬送ライン名を通知する(S530)。
【0068】
搬送ライン制御部110は、スケジューラ120から通知された前記振り分け先搬送ライン名に基づき、手荷物310を指定された搬送ラインA281および搬送ラインB282に流すようにライン分岐200を制御する(S580)。
【0069】
図12は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照して、搬送ラインA281または搬送ラインB282のどちらに振り分けるかを決定するステップS510の詳細な処理の一例を示したフローチャートである。
【0070】
スケジューラ120は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照し、前記タグ種類に対応する前記順位値を確認する(ステップS511)。
【0071】
前記順位値が『0』に設定されている場合(ステップS512)は、スケジューラ120は前記振り分け先搬送ライン名を、処理完了予測時間の小さい方の搬送ラインA281または搬送ラインB282に決定する。搬送ラインA281の前記処理完了予測時間は、図7に示す搬送ラインA281の処理待ちキュー420に格納されている全てのRFタグ320について、図9に示す前記タグ種類に対応する平均処理時間440を加算したものと、前記タグ種類が変化している場合には対応する前記タグ種類の図10に示す切り替え時間を加算したものと、新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の図9に示す前記タグ種類に対応する平均処理時間440と、新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類が図7に示す処理待ちキュー420の最後の前記タグ種類と異なる場合は新たに振り分けようとしている手荷物310に貼り付けられたRFタグ320の前記タグ種類の図10に示す切り替え時間とを、全て加算した時間である。また、搬送ラインB282の前記処理完了予測時間は、搬送ラインA281の前記処理完了予測時間と同様の方法で求める(ステップS513)。
【0072】
例として、図7に示す処理待ちキュー420の状態に、図5に示すタグデータ400の識別子『T920』のRFタグ320を追加する場合を具体的に算出してみる。
搬送ラインA281の前記処理完了予測時間は、(700+700+320+320+700)+(110+120)+320+110=3400となる。搬送ラインB282の前記処理完了予測時間は、(180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180+180)+180=2700となる
前記順位値が『0』に設定されていない場合(ステップS512)、スケジューラ120は、前記順位値が最小である搬送ラインを検索する(ただし『−1』を除く)(ステップS514)。前記順位値が最も小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282が存在する場合(ステップS515)、スケジューラ120は、前記振り分け先搬送ライン名を最も順位値の小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282に決定する(ステップS516)。前記順位値の最も小さい搬送ラインA281または搬送ラインB282が存在しない場合(すなわち、搬送ラインA281および搬送ラインB282が『−1』の場合)は、スケジューラ120は、前記書き込み処理待ち数が一定値を超えたもしくは故障の可能性があるため、前記順位値が変化するまで待機する(ステップS517)。
【0073】
次に、前記順位値を設定するスケジューラ120の処理の流れを図13〜16を用いて説明する。
【0074】
図13は、書き込み処理時間を用いて前記順位値を決定する処理の一例を示したフローチャートである。
【0075】
システム起動時に、スケジューラ120は、全ての前記順位値を0に設定する(ステップS601)。
【0076】
いずれかの前記タグ種類の搬送ラインA281および搬送ラインB282について、図8に示す書き込み時間履歴430のデータ数が、図10に示す制御パラメータ450の平均値算出データ数を超えた場合は(ステップS702)、スケジューラ120は、前記タグ種類の書き込み処理時間の平均を搬送ラインA281および搬送ラインB282毎に算出し、図9に示す平均処理時間440に記録する(ステップS603)。
【0077】
算出した搬送ラインA281および搬送ラインB282毎の図9に示す平均処理時間440の差が、図10に示す制御パラメータ450の平均処理時間差を超えている場合(ステップS604)、スケジューラ120は、図6に示す順位決定ポリシー410に平均時間の小さい搬送ラインA281および搬送ラインB282から『1』、『2』の順で前記順位値を設定する(ステップS605)。
【0078】
算出した搬送ラインA281および搬送ラインB282毎の図9に示す平均処理時間440の差が、図10に示す制御パラメータ450の平均処理時間差以内である場合(ステップS604)は、図6に示す順位決定ポリシー410を参照し、「重み値α×前記順位値に『1』が設定されている前記タグ種類数+重み値β×前記順位値に『2』が設定されている前記タグ種類数(以後、本式にて算出する値を全前記順位値と記す)」を搬送ラインA281および搬送ラインB282ごとに算出する(ステップS606)。
【0079】
全前記順位値を搬送ラインA281および搬送ラインB282について比較して同じ大きさでなければ(ステップS607)、その数が小さい搬送ラインA281および搬送ラインB282から『1』、『2』の順で前記順位値を設定する(ステップS608)。同じ大きさであれば(ステップS607)、前記順位値は『0』のまま、処理を終了する。RFタグ320のデータ数が、図10に示す制御パラメータ450の平均値算出データ数以内であった場合は(ステップS742)、前記順位値は『0』のまま、処理を終了する。
【0080】
本処理は、図10に示す制御パラメータ450の順位値初期化時間ごとに起動される順位値を『0』に初期化する処理に続いて、起動される。
【0081】
図14は、前記書き込み処理待ち数に応じて、前記順位値を変更する処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
スケジューラ120は、図7に示す処理待ちキュー420に蓄積されている前記書き込み処理待ち数を監視しており(ステップS721)、前記書き込み処理待ち数があらかじめ定められた上限値を超えると(ステップS722)、前記順位値を記憶し(ステップS723)、その処理待ちキュー420に対応する搬送ラインA281および搬送ラインB282に割り振らないようにするため、その搬送ラインA281および搬送ラインB282の全ての前記タグ種類の前記順位値を『−1』に設定する(ステップS724)。
【0083】
図15は、『−1』に設定された前記順位値を、元の値に戻す(『1』以上の値を設定する)処理の一例を示すフローチャートである。スケジューラ120は、前記順位値が『−1』に設定されている搬送ラインA281および搬送ラインB282の図7に示す処理待ちキュー420の前記書き込み処理待ち数を監視し(ステップS631)、前記書き込み処理待ち数があらかじめ定められた下限値(ただし上限値>下限値)を下回った場合は(ステップS632)、記憶していた元の値に変更する(ステップS633)。
【0084】
図16は、図10に示す制御パラメータ450の順位値初期化時間が経過すると前記順位値を『0』に初期化する処理の一例を示したフローチャートである。
【0085】
ある前記タグ種類において前記順位値を設定した後、一定時間が経過し(ステップS641)、前記タグ種類において全ての搬送ラインA281および搬送ラインB282の前記順位値に『−1』が設定されていない場合(ステップS642)、スケジューラ120は前記タグ種類の前記順位値を『0』に設定する(ステップS643)。
【0086】
図17は、RFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120と、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142と、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図7に示す処理待ちキュー420の先頭の前記タグ種類と前記識別子を取得し(ステップS711)、前記タグ種類のRFタグ320に書き込みできるように、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220の動作を切り替える(ステップS712)。
【0088】
次に、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、図5に示すタグデータ400から前記識別子に対応した前記書き込みデータを取得し(ステップ613)、書き込み時間の計測を開始(ステップS714)し、リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220を制御し、書き込み操作を実行させる(ステップS715)。
リーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220は、RFタグ320にデータを書き込み(ステップS721)、リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142に書き込み終了の通知をする(ステップS722)。リーダ/ライタ制御部A141およびリーダ/ライタ制御部B142は、リーダ/ライタから書き込み終了の通知を受信すると、前記書き込み時間の計測を終了し(ステップS716)、処理に掛かった時間をスケジューラ120に通知する(ステップS717)。スケジューラ120は、通知された前記書き込み時間を図8に示す書き込み時間履歴430に記録する(ステップS702)。スケジューラ120は、図7に示す処理待ちキュー420から処理の完了した前記タグ種類と前記識別子を削除して処理待ちキュー420を更新する(ステップS703)。
【0089】
本実施の形態においては、1台で複数種類のRFタグ320と通信可能なリーダ/ライタA210およびリーダ/ライタB220を示したが、図2に示すように各前記タグ種類ごとにそれぞれに対応したリーダ/ライタE211、リーダ/ライタF212、リーダ/ライタG213を搬送ラインA281に、リーダ/ライタH221、リーダ/ライタJ222、リーダ/ライタK223を搬送ラインB282にそれぞれ配置し、切り替えて使用してもよい。
【0090】
本発明の第1の実施の形態によれば、搬送ラインA281および搬送ラインB282に対して、手荷物310に貼り付けられた前記タグ種類ごとの書き込み時間、リーダ/ライタの対応前記タグ種類切り替え時間、前記書き込み処理待ち数、リーダ/ライタの故障状態に応じて、搬送ラインA281および搬送ラインB282に手荷物310を動的に振り分けるようにしたことにより、日々刻々と変化するノイズ環境に対応可能となり、システム全体の稼働率を向上させることができるという効果を有している。
【0091】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0092】
図3は、本発明の第2の実施の形態における搬送システムのブロック図である。本発明の第2の実施の形態においては、リーダ/ライタとリーダ/ライタ制御部に機能を追加しており、分散制御装置100にモジュールファイル格納部150を備えている点で第1の実施の形態と異なる。以下では、第1の実施の形態と異なるリーダ/ライタとリーダ/ライタ制御部の機能、および第1の実施の形態には存在しないモジュールファイル格納部150について説明する。
【0093】
リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147の機能は、スケジューラ120から取得した前記タグ種類および前記識別子に基づいて、モジュールファイル格納部150から前記タグ種類に適合するモジュールファイルを取得し、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240上のモジュールファイルを置き換えることで、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240で読み書きできる前記タグ種類を変更する点が第1の実施の形態と異なっている。
【0094】
リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240は、それぞれリーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147によって置き換えられたモジュールファイルで動作し、前記タグ種類のRFタグ320の読み書きを行う点が第1の実施の形態と異なっている。
【0095】
モジュールファイル格納部150は、本システムで利用する前記タグ種類に対応するモジュールファイルを格納する。モジュールファイルは、リーダ/ライタの動作を決定する実行ファイルである。例えば、ISO15693のRFタグ320に対応するモジュールファイルは、ISO15693で定義されているコマンドを全てサポートしている。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0097】
第2の実施の形態による搬送システムの基本的な処理は、図11および図12から図17に記載の第1の実施の形態による処理の通りであるが、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147が、図7に示す処理待ちキュー420の先頭の前記タグ種類と前記識別子を取得した(ステップS711)後、RFタグ320へ書き込むデータを記憶部130から取得する(ステップS713)前までの処理である図17のS712の処理に当たる部分が異なっている。
【0098】
以下、異なっている部分のリーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147とリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240の処理の一例を示すフローチャートを図18を参照して説明する。
【0099】
リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147は、前記タグ種類に対応するモジュールファイルがリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240に既に存在しているかどうか確認し、なかった場合(ステップS741)、モジュールファイル格納部150から前記タグ種類に対応するモジュールファイルを取得し(ステップS742)、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240に転送する(ステップS743)。リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240は、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147から受け取ったモジュールファイルを、以前のモジュールファイルと置き換える(ステップS751)。
【0100】
以上説明した本実施の形態では、リーダ/ライタ制御部C146およびリーダ/ライタ制御部D147が動的にリーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240にモジュールファイルを転送するようにしたので、リーダ/ライタC230およびリーダ/ライタD240が読み書きできる前記タグ種類を変更させるため、ソフトウェア無線技術を適用したリーダ/ライタ装置が利用できるという効果を有している。
【0101】
また、以上説明した実施の形態では、搬送ラインが2本の場合を説明したが、1本にも3本以上にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の活用例として、空港、工場もしくは物流のような多種類のRFIDを扱い、その搬送システムにおいて、RFタグ320にデータを書き込む場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1および第2の実施の形態の実際の使用場面の一例を示した説明図である。
【図5】本発明の第1および第2の実施の形態におけるタグデータ400の構造を示す図である。
【図6】本発明の第1および第2の実施の形態における順位決定ポリシー410の構造を示す図である。
【図7】本発明の第1および第2の実施の形態における処理待ちキュー420の構造を示す図である。
【図8】本発明の第1および第2の実施の形態における書き込み時間履歴430の構造を示す図である。
【図9】本発明の第1および第2の実施の形態における平均処理時間440の構造を示す図である。
【図10】本発明の第1および第2の実施の形態における制御パラメータ450の構造を示す図である。
【図11】本発明の第1および第2の実施の形態における搬送ライン制御部110およびスケジューラ120の処理の一例を示したフローチャートである。
【図12】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120にて搬送ラインを決定する処理の一例を示したフローチャートである。
【図13】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120にて前記順位値を設定する処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を更新する処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を元に戻す処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】本発明の第1および第2の実施の形態におけるスケジューラ120の前記順位値を初期化する処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】本発明の第1および第2の実施の形態におけるRFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120とリーダ/ライタ制御部と、リーダ/ライタの処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるRFタグ320にデータを書き込む際のスケジューラ120とリーダ/ライタ制御部と、リーダ/ライタの処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
100 分散制御装置
110 搬送ライン制御部
120 スケジューラ
130 記憶部
141 リーダ/ライタ制御部A
142 リーダ/ライタ制御部B
146 リーダ/ライタ制御部C
147 リーダ/ライタ制御部D
150 モジュールファイル格納部
200 ライン分岐
210 リーダ/ライタA
211 リーダ/ライタE
212 リーダ/ライタF
213 リーダ/ライタG
220 リーダ/ライタB
221 リーダ/ライタH
222 リーダ/ライタJ
223 リーダ/ライタK
230 リーダ/ライタC
240 リーダ/ライタD
280 搬送ラインC
281 搬送ラインA
282 搬送ラインB
310 手荷物
320 RFタグ
400 タグデータ
410 順位決定ポリシー
420 処理待ちキュー
430 書き込み時間履歴
440 平均処理時間
450 制御パラメータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF(Radio Frequency)タグの種類情報を取得する手段と、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替える手段と、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む手段とを有することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
複数種類のRFタグに書き込み処理可能な1以上のリーダ/ライタ手段と、前記RFタグの種類情報を取得する手段と、前記種類情報に基づいて前記リーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示する手段と、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する手段とを有することを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
前記RFタグへの書き込み時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1、または、2記載の搬送システム。
【請求項4】
前記RFタグの前記種類情報毎に前記測定した前記書き込み時間の平均値を算出する手段を有することを特徴とする請求項3記載の搬送システム。
【請求項5】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段と、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする手段とを有することを特徴とする請求項2、3、または、4記載の搬送システム。
【請求項6】
搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける手段を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、または、5記載の搬送システム。
【請求項7】
前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6記載の搬送システム。
【請求項8】
前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6、または、7記載の搬送システム。
【請求項9】
前記振り分ける手段は、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6、7、または、8記載の搬送システム。
【請求項10】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段を有し、前記RFタグが添付された物品を振り分ける手段は、故障中の前記リーダ/ライタ手段のみの前記搬送ラインへは前記RFタグが添付された物品を振り分けないことを特徴とする請求項6、7、8、または、9記載の搬送システム。
【請求項11】
RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込むことを特徴とする搬送方法。
【請求項12】
制御手段が、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信し、前記リーダ/ライタ手段が、前記指示された対応するRFタグ種類への切り替えを実行し、前記書き込みデータを前記RFタグに書き込むことを特徴とする搬送方法。
【請求項13】
制御手段が、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする請求項11、または、12記載の搬送方法。
【請求項14】
制御手段が、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする請求項13記載の搬送方法。
【請求項15】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする請求項12、13、または、14記載の搬送方法。
【請求項16】
搬送ラインが複数に分岐しており、制御手段が、分岐している複数の前記搬送ラインに前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする請求項11、12、13、14、または、15記載の搬送方法。
【請求項17】
制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16記載の搬送方法。
【請求項18】
制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16、または、17記載の搬送方法。
【請求項19】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16、17、または、18記載の搬送方法。
【請求項20】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする請求項16、17、18、または、19記載の搬送方法。
【請求項21】
RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行うことを特徴とする搬送制御装置。
【請求項22】
RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信することを特徴とする搬送制御装置。
【請求項23】
前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする請求項21、または、22記載の搬送制御装置。
【請求項24】
前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする請求項23記載の搬送制御装置。
【請求項25】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする請求項22、23、または、24記載の搬送制御装置。
【請求項26】
搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする請求項21、22、23、24、または、25記載の搬送制御装置。
【請求項27】
複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26記載の搬送制御装置。
【請求項28】
複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26、または、27記載の搬送制御装置。
【請求項29】
前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26、27、または、28記載の搬送制御装置。
【請求項30】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする請求項26、27、28、または、29記載の搬送制御装置。
【請求項31】
制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行う処理を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項32】
制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する処理を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項33】
制御装置に、前記RFタグへの書き込み時間を測定する処理を行わせることを特徴とする請求項31、または、32記載のプログラム。
【請求項34】
制御装置に、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出する処理を行わせることを特徴とする請求項33記載のプログラム。
【請求項35】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする処理を行わせることを特徴とする請求項32、33、または、34記載のプログラム。
【請求項36】
搬送ラインが複数に分岐しており、制御装置に、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける処理を行わせることを特徴とする請求項31、32、33、34、または、35記載のプログラム。
【請求項37】
制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36記載のプログラム。
【請求項38】
制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36、または、37記載のプログラム。
【請求項39】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36、37、または、38記載のプログラム。
【請求項40】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けない処理を行わせることを特徴とする請求項36、37、38、または、39記載のプログラム。
【請求項1】
RF(Radio Frequency)タグの種類情報を取得する手段と、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替える手段と、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む手段とを有することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
複数種類のRFタグに書き込み処理可能な1以上のリーダ/ライタ手段と、前記RFタグの種類情報を取得する手段と、前記種類情報に基づいて前記リーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示する手段と、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する手段とを有することを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
前記RFタグへの書き込み時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1、または、2記載の搬送システム。
【請求項4】
前記RFタグの前記種類情報毎に前記測定した前記書き込み時間の平均値を算出する手段を有することを特徴とする請求項3記載の搬送システム。
【請求項5】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段と、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする手段とを有することを特徴とする請求項2、3、または、4記載の搬送システム。
【請求項6】
搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける手段を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、または、5記載の搬送システム。
【請求項7】
前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6記載の搬送システム。
【請求項8】
前記振り分ける手段は、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6、または、7記載の搬送システム。
【請求項9】
前記振り分ける手段は、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項6、7、または、8記載の搬送システム。
【請求項10】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識する手段を有し、前記RFタグが添付された物品を振り分ける手段は、故障中の前記リーダ/ライタ手段のみの前記搬送ラインへは前記RFタグが添付された物品を振り分けないことを特徴とする請求項6、7、8、または、9記載の搬送システム。
【請求項11】
RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込むことを特徴とする搬送方法。
【請求項12】
制御手段が、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信し、前記リーダ/ライタ手段が、前記指示された対応するRFタグ種類への切り替えを実行し、前記書き込みデータを前記RFタグに書き込むことを特徴とする搬送方法。
【請求項13】
制御手段が、前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする請求項11、または、12記載の搬送方法。
【請求項14】
制御手段が、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする請求項13記載の搬送方法。
【請求項15】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする請求項12、13、または、14記載の搬送方法。
【請求項16】
搬送ラインが複数に分岐しており、制御手段が、分岐している複数の前記搬送ラインに前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする請求項11、12、13、14、または、15記載の搬送方法。
【請求項17】
制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16記載の搬送方法。
【請求項18】
制御手段が、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16、または、17記載の搬送方法。
【請求項19】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項16、17、または、18記載の搬送方法。
【請求項20】
制御手段が、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする請求項16、17、18、または、19記載の搬送方法。
【請求項21】
RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行うことを特徴とする搬送制御装置。
【請求項22】
RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信することを特徴とする搬送制御装置。
【請求項23】
前記RFタグへの書き込み時間を測定することを特徴とする請求項21、または、22記載の搬送制御装置。
【請求項24】
前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出することを特徴とする請求項23記載の搬送制御装置。
【請求項25】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにすることを特徴とする請求項22、23、または、24記載の搬送制御装置。
【請求項26】
搬送ラインが複数に分岐しており、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分けることを特徴とする請求項21、22、23、24、または、25記載の搬送制御装置。
【請求項27】
複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26記載の搬送制御装置。
【請求項28】
複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26、または、27記載の搬送制御装置。
【請求項29】
前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定することを特徴とする請求項26、27、または、28記載の搬送制御装置。
【請求項30】
前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けないことを特徴とする請求項26、27、28、または、29記載の搬送制御装置。
【請求項31】
制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記RFタグへの書き込み方法を前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替え、前記RFタグへの書き込みデータを取得して、前記切り替えた書き込み方法で前記RFタグへ書き込む指示を行う処理を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項32】
制御装置に、RFタグの種類情報を取得し、前記種類情報に基づいてリーダ/ライタ手段に対して対応するRFタグ種類の切り替えを指示し、前記RFタグの識別子と書き込みデータを取得して、前記リーダ/ライタ手段に送信する処理を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項33】
制御装置に、前記RFタグへの書き込み時間を測定する処理を行わせることを特徴とする請求項31、または、32記載のプログラム。
【請求項34】
制御装置に、前記RFタグの前記種類情報毎に前記書き込み時間の平均値を算出する処理を行わせることを特徴とする請求項33記載のプログラム。
【請求項35】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、故障した前記リーダ/ライタ手段へは前記RFタグの書き込み処理を割り当てないようにする処理を行わせることを特徴とする請求項32、33、または、34記載のプログラム。
【請求項36】
搬送ラインが複数に分岐しており、制御装置に、分岐している複数の前記搬送ラインに、前記RFタグの種類に応じて前記RFタグを振り分ける処理を行わせることを特徴とする請求項31、32、33、34、または、35記載のプログラム。
【請求項37】
制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの数量に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36記載のプログラム。
【請求項38】
制御装置に、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの、前記種類情報毎の前記書き込み時間の平均値から予測される待ち時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36、または、37記載のプログラム。
【請求項39】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の書き込み方法を、複数の前記搬送ラインそれぞれで書き込み処理を待っている前記RFタグの前記種類情報に基づいた書き込み方法へ切り替えるのに必要な時間に基づいて、振り分ける前記搬送ラインを決定する処理を行わせることを特徴とする請求項36、37、または、38記載のプログラム。
【請求項40】
制御装置に、前記リーダ/ライタ手段の故障を認識し、前記搬送ラインの前記リーダ/ライタ手段が故障中のもののみの前記搬送ラインへは、前記RFタグを振り分けない処理を行わせることを特徴とする請求項36、37、38、または、39記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−81283(P2008−81283A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264437(P2006−264437)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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