搬送台車
【課題】省スペースで収納、保管でき、かつ作業時の安全性を確保できる搬送台車を提供すること。
【解決手段】前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプと第二水平パイプとを備え、前記一対の側枠体の一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備え、他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続するようにした。
【解決手段】前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプと第二水平パイプとを備え、前記一対の側枠体の一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備え、他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ等の搬送物を載置して搬送するための搬送台車に関するものであり、より詳しくは、多数の搬送台車を省スペースで収納、保管可能な搬送台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテナ等の搬送物を載置して搬送するための搬送台車として、平面視でZ字形状(あるいは逆Z形状)、ないしN字形状(あるいは逆N字形状)のフレームを採用して、所謂ネスティング方式により複数の搬送台車を省スペースで収納、保管できるようにしたものが多数ある(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【0003】
すなわち、例えば下記特許文献1には、「上端部に位置し平面又は底面Z字状に形成された上部Z型フレームと、その上部Z型フレームと同形状に形成された下部Z型フレームと、それら上下のZ型フレーム間を上下方向に連結する連結部と、前記上部Z型フレームの上方に配置される載置板と、前記下部Z型フレームの下面に配設される移動用車輪とを備えた運搬用台車であって、前記上部Z型フレームの一側縁又は両側縁に沿って前記載置板を回動可能に蝶着し、同載置板を上部Z型フレームの上方に水平面に沿うように配置するとともに連結部に沿って吊下させることができるように構成したことを特徴とする運搬用台車」が開示されている。
この特許文献4に開示されている搬送用カートによれば、確かにネスティング方式で多数の台車を収納できるので、省スペースでの収納、保管が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平05−080328号公報
【特許文献2】特開平09−109895号公報
【特許文献3】特開2004−130866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の搬送台車においては、人が、当該搬送用カートに載置したコンテナ等を持ち上げる際に(特にコンテナに入れた荷物が重い場合に)、一方の足を搬送用カートの方へ踏み込むと、Z字状(あるいはN字状)の斜め部材に足をぶつけてしまうという恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を克服するためになされたものであって、ネスティング方式で収納、保管でき、しかも作業時の安全性を確保できるようにした搬送台車を提供することを目的とする。また、ネスティング方式のみならず、上下方向に積み重ねるスタッキング方式により収納、保管が可能な搬送台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る搬送台車は、複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続する複数のジョイントとにより形成された搬送台車本体と、該搬送台車本体の下部に設けられたキャスター部と、前記搬送台車本体の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能とした受け部とを備えた搬送台車であって、前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプおよび第二水平パイプとを備え、前記一対の側枠体のいずれか一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備えるとともに、他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、前記第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、前記第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続するようにしたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記「中央同士」とは、真に中央の位置のみではなく、およそ中央付近であればよい。また、上記パイプ部材は、金属製パイプ、あるいは合成樹脂製パイプであってもよく、また合成樹脂材料により被覆した鋼管を用いるようにしてもよい。さらに、上記ジョイントは、金属製、あるいは合成樹脂製であってもよく、適宜選択して用いることができる。
【0009】
本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の上端部に別の搬送台車を載置可能とした受け部を備えているので、ネスティング方式のみならず、複数の搬送台車を上下方向に積み重ねる所謂スタッキング方式により収納、保管することもできる。したがって、前記ネスティング方式およびスタッキング方式を組み合わせることにより、省スペースで多数の搬送台車を収納、保管することが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の前方半分においては、左右一対の側枠体の間に何ら部材が存在しないため、人が、当該搬送台車に載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【0011】
さらに、本発明に係る搬送台車においては、側枠体の縦支柱パイプと縦パイプとの間には横桟パイプが差し渡され、第一水平パイプの少なくとも一端は、前記横桟パイプを介して縦支柱パイプに接続されているようにしてもよい。このようにすれば、搬送台車本体の強度が増し、水平方向に捩れてしまう恐れが少なくなる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の上端部に別の搬送台車を載置可能とした受け部を備えているので、ネスティング方式のみならず、複数の搬送台車を上下方向に積み重ねる所謂スタッキング方式により収納、保管することもできる。したがって、前記ネスティング方式およびスタッキング方式を組み合わせることにより、省スペースで多数の搬送台車を収納、保管することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の前方半分においては、左右一対の側枠体の間に何ら部材が存在しないため、人が、当該搬送台車に載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す概略図でである。
【図2】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す右側面図である。
【図5】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す左側面図である。
【図6】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す背面図である。
【図7】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す底面図である。
【図8】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納する様子を示す平面図である。
【図9】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納する様子を示す平面図である。
【図10】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納した様子を示す平面図である。
【図11】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車を上下に積み重ねた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す概略図であり、図2〜図7は、その詳細を示した図である。この実施形態における搬送台車1は、複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続するジョイントとにより構成された搬送台車本体2と、当該搬送台車本体の底部の4隅に設けられたキャスター部3と、搬送台車本体2の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能なようにジョイントと一体に形成した受け部4とからなるものである。
【0017】
尚、この実施形態においては、パイプ部材は全て合成樹脂被覆した鋼管を用いているが、金属製のパイプ、合成樹脂製のパイプなどを適宜選択して用いることができる。また、ジョイント部材は、プラスチック成型品をもちいているが、このジョイント部材についても金属製のものなど、適宜材料を選択して用いることが可能である。
【0018】
搬送台車本体2は、左右に平行に配した一対の側枠体21、22と、当該一対の側枠体21、22同士を接続する第一水平パイプ270及び第二水平パイプ280とを備えている。
【0019】
図1における矢印X方向視で、左側の側枠体21は、上下に平行に配された2本の横パイプ211、213の略中央同士をジョイント611、613を介して縦支柱パイプ221により接続している。また、前記2本の横パイプ211、213の前方端同士を、ジョイント621、623を介して縦パイプ231により接続している。
【0020】
さらに、縦支柱パイプ221と縦パイプ231の上下方向中央よりやや下寄りの部分同士を横桟パイプ241により接続している。このとき、横桟パイプ241は、ジョイント641、643を介して縦支柱パイプ221、縦パイプ231に接続され、横パイプ211および213と略平行に配されている。さらに、側枠体21の後方側には、ジョイント651、653、および633によりパイプ部材251、253が、それぞれ縦支柱パイプ221と横パイプ213に接続され、略矩形状の枠体を形成している。
【0021】
同様に、右側の側枠体22は、上下に平行に配された2本の横パイプ212、214の略中央同士をジョイント612、614を介して縦支柱パイプ222により接続している。また、前記2本の横パイプ212、214の後方端同士を、ジョイント632、634を介して縦パイプ232により接続している。さらに、縦支柱パイプ222と縦パイプ232の上下方向中央よりやや下寄りの部分同士を横桟パイプ242により接続している。
【0022】
このとき、横桟パイプ242は、ジョイント642、644を介して縦支柱パイプ222、縦パイプ232に接続され、横パイプ212および214と略平行に配されている。さらに、側枠体22の前方側には、ジョイント652、654、および624によりパイプ部材252、254が、それぞれ縦支柱パイプ222と横パイプ214に接続され、略矩形状の枠体を形成している。
【0023】
また、側枠体21と側枠体22とは、第一水平パイプ270と第二水平パイプ280とにより接続されている。すなわち、この実施形態においては、第一水平パイプ270は、その一端がジョイント645を介して横桟241に接続され、他端がジョイント642を介して縦支柱パイプ222に接続されている。このとき、左側側枠体21の縦支柱パイプは、横パイプ211、213の中間部よりやや後方同士を接続するように配置されている。
【0024】
これにより、第一水平パイプ270は、左右側枠体21、22の各前後方向の略中間部同士を接続するようにしており、また横桟パイプ241および242に対して垂直に(すなわち、側枠21および22に対して垂直に)接続されるようになされている。
【0025】
尚、第一水平パイプ270の一端が横桟パイプ241を介して縦支柱パイプ221に接続されており、これによって、搬送台車本体2の水平方向への捩れ力に対する強度を向上させている。また、第一水平パイプの他端はL字型ジョイント642を介して縦支柱パイプ222および横桟パイプ242に接続され、第一水平パイプ270と横桟パイプ242が直角をなすように接続されており、これによって、第一水平パイプ270と横桟パイプ242とのなす角度が直角に保持され、搬送台車本体2の水平方向への捩れ力に対する強度を向上させている。
【0026】
また、この実施形態においては、第二水平パイプ280は、その一端がジョイント661、パイプ部材261、およびジョイント631を介して横パイプ211に接続され、他端は、ジョイント662を介して縦支柱パイプ222に接続されている。
【0027】
以上のような構成を備えることにより、搬送台車1に、例えば図8〜9において示す矢印PおよびQの方向へ別の搬送台車1を接近させ、図10に示すようなネスティング方式で収納、保管することが可能となる。
【0028】
尚、このとき、ジョイント661とジョイント653の間、およびジョイント622とジョイント654との間は縦パイプで接続されておらず、空隙となっている。それゆえ、一つの搬送台車1に別の搬送台車1を上記のとおり接近させるとき、第一水平パイプ270同士、および第二水平パイプ280同士を近接させるのに障害となるものが無いので、ネスティング方式により省スペースでの収納が可能となるものである。
【0029】
また、この搬送台車1においては、搬送台車本体2の前方半分においては、左右一対の側枠体21、22の間に何ら部材が存在しないように構成されている。そのため、人が、当該搬送用カートに載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車1の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車1にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【0030】
さらに、搬送台車本体2の上端の四隅に設けられたジョイント621、622、631、632の上端面には、他の搬送台車1のキャスター部3を載置可能なように平坦部41が形成され、当該平坦部41の外縁には、略L字状に上方へ突出するL字凸条42が形成されて、受け部4を構成している。これによって、当該平坦部41に搬送台車1のキャスター部3を載置した場合、四隅のL字凸条42によりキャスター部3の水平方向への動きが抑制されるため、上に載せた搬送台車1が脱落する恐れがない。したがって、搬送台車1は、ネスティング方式のみならず、上下方向に積み重ねた所謂スタッキング方式でも収納、保管が可能となっている。
【0031】
以上、本発明に係る搬送台車につき、上記の実施形態に示しつつ説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なものである。例えば、上記実施形態に示した搬送台車1を左右反転させた構成としてもよいし、第一水平パイプ270の両端をそれぞれ横桟パイプ251、252に接続するような変更も可能である。また、上記平坦部41は、平面形状のみならず、中央に窪みを設けた凹状として、スタッキングの状態をより安定させるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 搬送台車
2 搬送台車本体
21、22 側枠体
3 キャスター部
4 受け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ等の搬送物を載置して搬送するための搬送台車に関するものであり、より詳しくは、多数の搬送台車を省スペースで収納、保管可能な搬送台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテナ等の搬送物を載置して搬送するための搬送台車として、平面視でZ字形状(あるいは逆Z形状)、ないしN字形状(あるいは逆N字形状)のフレームを採用して、所謂ネスティング方式により複数の搬送台車を省スペースで収納、保管できるようにしたものが多数ある(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【0003】
すなわち、例えば下記特許文献1には、「上端部に位置し平面又は底面Z字状に形成された上部Z型フレームと、その上部Z型フレームと同形状に形成された下部Z型フレームと、それら上下のZ型フレーム間を上下方向に連結する連結部と、前記上部Z型フレームの上方に配置される載置板と、前記下部Z型フレームの下面に配設される移動用車輪とを備えた運搬用台車であって、前記上部Z型フレームの一側縁又は両側縁に沿って前記載置板を回動可能に蝶着し、同載置板を上部Z型フレームの上方に水平面に沿うように配置するとともに連結部に沿って吊下させることができるように構成したことを特徴とする運搬用台車」が開示されている。
この特許文献4に開示されている搬送用カートによれば、確かにネスティング方式で多数の台車を収納できるので、省スペースでの収納、保管が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平05−080328号公報
【特許文献2】特開平09−109895号公報
【特許文献3】特開2004−130866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の搬送台車においては、人が、当該搬送用カートに載置したコンテナ等を持ち上げる際に(特にコンテナに入れた荷物が重い場合に)、一方の足を搬送用カートの方へ踏み込むと、Z字状(あるいはN字状)の斜め部材に足をぶつけてしまうという恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を克服するためになされたものであって、ネスティング方式で収納、保管でき、しかも作業時の安全性を確保できるようにした搬送台車を提供することを目的とする。また、ネスティング方式のみならず、上下方向に積み重ねるスタッキング方式により収納、保管が可能な搬送台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る搬送台車は、複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続する複数のジョイントとにより形成された搬送台車本体と、該搬送台車本体の下部に設けられたキャスター部と、前記搬送台車本体の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能とした受け部とを備えた搬送台車であって、前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプおよび第二水平パイプとを備え、前記一対の側枠体のいずれか一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備えるとともに、他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、前記第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、前記第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続するようにしたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記「中央同士」とは、真に中央の位置のみではなく、およそ中央付近であればよい。また、上記パイプ部材は、金属製パイプ、あるいは合成樹脂製パイプであってもよく、また合成樹脂材料により被覆した鋼管を用いるようにしてもよい。さらに、上記ジョイントは、金属製、あるいは合成樹脂製であってもよく、適宜選択して用いることができる。
【0009】
本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の上端部に別の搬送台車を載置可能とした受け部を備えているので、ネスティング方式のみならず、複数の搬送台車を上下方向に積み重ねる所謂スタッキング方式により収納、保管することもできる。したがって、前記ネスティング方式およびスタッキング方式を組み合わせることにより、省スペースで多数の搬送台車を収納、保管することが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の前方半分においては、左右一対の側枠体の間に何ら部材が存在しないため、人が、当該搬送台車に載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【0011】
さらに、本発明に係る搬送台車においては、側枠体の縦支柱パイプと縦パイプとの間には横桟パイプが差し渡され、第一水平パイプの少なくとも一端は、前記横桟パイプを介して縦支柱パイプに接続されているようにしてもよい。このようにすれば、搬送台車本体の強度が増し、水平方向に捩れてしまう恐れが少なくなる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の上端部に別の搬送台車を載置可能とした受け部を備えているので、ネスティング方式のみならず、複数の搬送台車を上下方向に積み重ねる所謂スタッキング方式により収納、保管することもできる。したがって、前記ネスティング方式およびスタッキング方式を組み合わせることにより、省スペースで多数の搬送台車を収納、保管することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る搬送台車によれば、搬送台車本体の前方半分においては、左右一対の側枠体の間に何ら部材が存在しないため、人が、当該搬送台車に載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す概略図でである。
【図2】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す右側面図である。
【図5】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す左側面図である。
【図6】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す背面図である。
【図7】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す底面図である。
【図8】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納する様子を示す平面図である。
【図9】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納する様子を示す平面図である。
【図10】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車をネスティング方式で収納した様子を示す平面図である。
【図11】本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す図であり、2つの搬送台車を上下に積み重ねた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る搬送台車の一実施形態を示す概略図であり、図2〜図7は、その詳細を示した図である。この実施形態における搬送台車1は、複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続するジョイントとにより構成された搬送台車本体2と、当該搬送台車本体の底部の4隅に設けられたキャスター部3と、搬送台車本体2の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能なようにジョイントと一体に形成した受け部4とからなるものである。
【0017】
尚、この実施形態においては、パイプ部材は全て合成樹脂被覆した鋼管を用いているが、金属製のパイプ、合成樹脂製のパイプなどを適宜選択して用いることができる。また、ジョイント部材は、プラスチック成型品をもちいているが、このジョイント部材についても金属製のものなど、適宜材料を選択して用いることが可能である。
【0018】
搬送台車本体2は、左右に平行に配した一対の側枠体21、22と、当該一対の側枠体21、22同士を接続する第一水平パイプ270及び第二水平パイプ280とを備えている。
【0019】
図1における矢印X方向視で、左側の側枠体21は、上下に平行に配された2本の横パイプ211、213の略中央同士をジョイント611、613を介して縦支柱パイプ221により接続している。また、前記2本の横パイプ211、213の前方端同士を、ジョイント621、623を介して縦パイプ231により接続している。
【0020】
さらに、縦支柱パイプ221と縦パイプ231の上下方向中央よりやや下寄りの部分同士を横桟パイプ241により接続している。このとき、横桟パイプ241は、ジョイント641、643を介して縦支柱パイプ221、縦パイプ231に接続され、横パイプ211および213と略平行に配されている。さらに、側枠体21の後方側には、ジョイント651、653、および633によりパイプ部材251、253が、それぞれ縦支柱パイプ221と横パイプ213に接続され、略矩形状の枠体を形成している。
【0021】
同様に、右側の側枠体22は、上下に平行に配された2本の横パイプ212、214の略中央同士をジョイント612、614を介して縦支柱パイプ222により接続している。また、前記2本の横パイプ212、214の後方端同士を、ジョイント632、634を介して縦パイプ232により接続している。さらに、縦支柱パイプ222と縦パイプ232の上下方向中央よりやや下寄りの部分同士を横桟パイプ242により接続している。
【0022】
このとき、横桟パイプ242は、ジョイント642、644を介して縦支柱パイプ222、縦パイプ232に接続され、横パイプ212および214と略平行に配されている。さらに、側枠体22の前方側には、ジョイント652、654、および624によりパイプ部材252、254が、それぞれ縦支柱パイプ222と横パイプ214に接続され、略矩形状の枠体を形成している。
【0023】
また、側枠体21と側枠体22とは、第一水平パイプ270と第二水平パイプ280とにより接続されている。すなわち、この実施形態においては、第一水平パイプ270は、その一端がジョイント645を介して横桟241に接続され、他端がジョイント642を介して縦支柱パイプ222に接続されている。このとき、左側側枠体21の縦支柱パイプは、横パイプ211、213の中間部よりやや後方同士を接続するように配置されている。
【0024】
これにより、第一水平パイプ270は、左右側枠体21、22の各前後方向の略中間部同士を接続するようにしており、また横桟パイプ241および242に対して垂直に(すなわち、側枠21および22に対して垂直に)接続されるようになされている。
【0025】
尚、第一水平パイプ270の一端が横桟パイプ241を介して縦支柱パイプ221に接続されており、これによって、搬送台車本体2の水平方向への捩れ力に対する強度を向上させている。また、第一水平パイプの他端はL字型ジョイント642を介して縦支柱パイプ222および横桟パイプ242に接続され、第一水平パイプ270と横桟パイプ242が直角をなすように接続されており、これによって、第一水平パイプ270と横桟パイプ242とのなす角度が直角に保持され、搬送台車本体2の水平方向への捩れ力に対する強度を向上させている。
【0026】
また、この実施形態においては、第二水平パイプ280は、その一端がジョイント661、パイプ部材261、およびジョイント631を介して横パイプ211に接続され、他端は、ジョイント662を介して縦支柱パイプ222に接続されている。
【0027】
以上のような構成を備えることにより、搬送台車1に、例えば図8〜9において示す矢印PおよびQの方向へ別の搬送台車1を接近させ、図10に示すようなネスティング方式で収納、保管することが可能となる。
【0028】
尚、このとき、ジョイント661とジョイント653の間、およびジョイント622とジョイント654との間は縦パイプで接続されておらず、空隙となっている。それゆえ、一つの搬送台車1に別の搬送台車1を上記のとおり接近させるとき、第一水平パイプ270同士、および第二水平パイプ280同士を近接させるのに障害となるものが無いので、ネスティング方式により省スペースでの収納が可能となるものである。
【0029】
また、この搬送台車1においては、搬送台車本体2の前方半分においては、左右一対の側枠体21、22の間に何ら部材が存在しないように構成されている。そのため、人が、当該搬送用カートに載置したコンテナ等を持ち上げるなどの作業をする際に、足を搬送台車1の方へ踏み込んだとしても、足を搬送台車1にぶつけてしまうことがない。それゆえ、安全な作業が確保できる。
【0030】
さらに、搬送台車本体2の上端の四隅に設けられたジョイント621、622、631、632の上端面には、他の搬送台車1のキャスター部3を載置可能なように平坦部41が形成され、当該平坦部41の外縁には、略L字状に上方へ突出するL字凸条42が形成されて、受け部4を構成している。これによって、当該平坦部41に搬送台車1のキャスター部3を載置した場合、四隅のL字凸条42によりキャスター部3の水平方向への動きが抑制されるため、上に載せた搬送台車1が脱落する恐れがない。したがって、搬送台車1は、ネスティング方式のみならず、上下方向に積み重ねた所謂スタッキング方式でも収納、保管が可能となっている。
【0031】
以上、本発明に係る搬送台車につき、上記の実施形態に示しつつ説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なものである。例えば、上記実施形態に示した搬送台車1を左右反転させた構成としてもよいし、第一水平パイプ270の両端をそれぞれ横桟パイプ251、252に接続するような変更も可能である。また、上記平坦部41は、平面形状のみならず、中央に窪みを設けた凹状として、スタッキングの状態をより安定させるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 搬送台車
2 搬送台車本体
21、22 側枠体
3 キャスター部
4 受け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続する複数のジョイントとにより形成された搬送台車本体と、該搬送台車本体の下部に設けられたキャスター部と、前記搬送台車本体の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能とした受け部とを備えた搬送台車であって、
前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、
該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプおよび第二水平パイプとを備え、
前記一対の側枠体のいずれか一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備えるとともに、
他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、
前記第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、
前記第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続する
ようにしたことを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
側枠体の縦支柱パイプと縦パイプとの間には横桟パイプが差し渡され、
第一水平パイプの少なくとも一端は、前記横桟パイプを介して縦支柱パイプに接続されていることを特徴とする請求項1記載の搬送台車。
【請求項1】
複数のパイプ部材と該パイプ部材同士を接続する複数のジョイントとにより形成された搬送台車本体と、該搬送台車本体の下部に設けられたキャスター部と、前記搬送台車本体の上端部に設けられ、別の搬送台車を載置可能とした受け部とを備えた搬送台車であって、
前記搬送台車本体は、左右に平行に配した一対の側枠体と、
該一対の側枠体同士を接続する第一水平パイプおよび第二水平パイプとを備え、
前記一対の側枠体のいずれか一方は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの前方端同士を接続する縦パイプとを備えるとともに、
他方の側枠体は、上下に平行に2本配された横パイプと該横パイプの中央同士を接続する縦支柱パイプと、前記2本の横パイプの後方端同士を接続する縦パイプとを備えており、
前記第一水平パイプは、前記左右の縦支柱パイプ同士を接続し、
前記第二水平パイプは、前記一方の側枠体の横パイプの後端部と、前記他方の側枠体の縦支柱パイプとを接続する
ようにしたことを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
側枠体の縦支柱パイプと縦パイプとの間には横桟パイプが差し渡され、
第一水平パイプの少なくとも一端は、前記横桟パイプを介して縦支柱パイプに接続されていることを特徴とする請求項1記載の搬送台車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−68274(P2011−68274A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221578(P2009−221578)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(504195428)スペーシア株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(504195428)スペーシア株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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