説明

搬送装置における鉄芯とその製造方法

【課題】搬送装置のレイアウトを任意にできるとともに、鉄芯を廉価に製造できる搬送装置における鉄芯とその製造方法を提供すること。
【解決手段】一次加工で直線状に形成して積層した鉄芯11を、プレス加工で任意の角度で湾曲して形成する。その際、湾曲部15を搬送面114に対して凹状に形成する場合には、湾曲部15を形成する部位にかかるコアバック部113Aを、直線部17にかかるコアバック部113に対して厚くしたり、溝部111Aの幅を広くしたりする。また、湾曲しやすいように、コアバック部113の搬送面114の反対側の端面に切込部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨機や切削機で排出された切粉や鉄粉等の切屑をタンク内から回収する搬送装置に好適に使用され、さらに、コイルを鉄芯の溝部に巻回して移動磁界を発生させることによって切粉や鉄粉等の切屑を搬送する搬送装置における鉄芯及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研磨機や切削機で排出された切粉や鉄粉等の切屑は、一旦、タンクに回収される。タンクでは、切屑と冷却水を分離して冷却水を研磨機や切削機に循環するため、切屑をタンク内から回収する必要が生じていた。タンク内から切屑を回収する装置としては、特許文献1のような搬送装置が知られている。しかしこの搬送装置では、高価なオイルセパレータを使用していることから、多数の研磨機や切削機を設置している工場では、設備費が高くなって設置できにくくなっていた。そのために、廉価に製作できる搬送装置が望まれていた。
【0003】
また、従来から特許文献2に示すようなリニアモータが知られている。これによると、固定子鉄芯は積層して形成されるとともに、鉄芯には複数の溝部が形成され、溝部にコイルが巻装されている。
【特許文献1】特開平5−57211号公報(2〜3頁、図1参照)
【特許文献2】特開平6−70533号公報(3頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送装置で搬送物を移動する場合、搬送通路は直線状だけに形成されるものではなく、搬送通路を湾曲して形成したい場合がある。特許文献2のリニアモータが、例えば、鉄道に使用されるような長い距離に設置する場合には、曲線状の搬送通路を形成するのは、直線状に形成された単体のリニアモータを組み合わせて行うことができる。しかし、例えば、搬送装置を工場で使用する場合、搬送通路は短いので、工場の広さや設備機械の設置状態等を鑑みて、搬送装置自体で多様な形状を考慮しなければならなかった。この場合、鉄芯を曲線状に形成する必要があるが、予め曲線状の鉄芯を形成することは、金型を大型化しなければならなく、大型の金型はその製作費用が高くなって、折角、製造装置を廉価にしようとする試みを無駄にすることになる。又、曲線状の鉄芯を打ち抜くためには、廃材を多くして歩留まりを悪くすることになる。さらには、任意の角度を有する曲線に形成する場合には、その都度金型を製作しなければならないことから、その金型費用を莫大にしてしまうこととなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、廉価な搬送装置を製作するために、その構成部品である鉄芯を廉価に製造するものであり、そのための搬送装置における鉄芯とその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る搬送装置における鉄芯は、
請求項1記載の発明では、搬送方向に沿って延設されたコアバック部と、前記コアバック部から突出する複数のコア部と、前記コア部に隣接する溝部と、を備えて鉄芯が形成され、前記鉄芯にコイルを巻回して移動磁界を発生する搬送装置における鉄芯であって、前記コア部における前記コアバック部と反対側の先端面が搬送面として形成されるとともに搬送方向と直交する方向に積層して形成され、前記搬送面が搬送方向に沿って凹状又は凸状の湾曲面を有して形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記湾曲面が前記搬送面に対して凹状に形成されている場合、前記湾曲面が、プレス加工により前記搬送面を加圧して形成され、
前記湾曲面が前記搬送面に対して凸状に形成されている場合、前記湾曲面が、プレス加工により前記搬送面と反対側の面を加圧して形成されている、
ことを特徴としている。
【0008】
又、この発明に係る搬送装置における鉄芯の製造方法は、
請求項3記載の発明では、搬送方向に沿って延設されたコアバック部と、前記コアバック部から突出する複数のコア部と、前記コア部に隣接する溝部と、を備えて鉄芯を形成し、前記鉄芯にコイルを巻回して移動磁界を発生する搬送装置における鉄芯の製造方法であって、前記コア部における前記コアバック部と反対側の先端面を搬送面として形成するとともに搬送方向と直交する方向に積層して形成し、前記鉄芯を直線状に形成した状態で積層して形成するとともに、積層後の前記鉄芯に、前記搬送面又は前記搬送面と反対側の面をプレス加工で加圧することにより、前記搬送面に搬送方向に沿って凹状又は凸状の湾曲面を形成することを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明では、前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面にかかる溝部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の溝部より大きな幅で形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記湾曲面にかかる溝部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の溝部より小さな幅で形成することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明では、隣同士の前記コア部間の先端部には、前記溝部の幅より小幅の開口部を形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面にかかる前記開口部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の開口部より広く形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記湾曲面にかかる前記開口部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の開口部より狭く形成していることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明では、前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記コアバック部における前記湾曲面の厚みを、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部の厚みより厚く形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記コアバック部における前記湾曲面の厚みを、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部の厚みより薄く形成することを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明では、前記コアバック部を直線状に積層した状態において、前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記プレス加工前に、前記湾曲面を形成する前記コアバック部における前記搬送面と反対側の端面に切込部を形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記プレス加工前に、前記湾曲面を形成する前記コアバック部における前記溝部側端面に切込部を形成することを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明では、前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面における前記コア部先端面を、前記プレス加工前に、前記コアバック側に凹状となる円弧面に形成し、前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記プレス加工前に、前記湾曲面における前記コア部先端面を、前記搬送面に対して凸状となる円弧面に形成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送装置は、鉄芯に移動磁界を発生できるようにコイルを巻回する。この搬送装置を、例えば、研磨機や切削機から発生する切屑を回収するタンク内に一端を挿入して、搬送装置のコイルを励磁することによってタンク内に回収された切屑を搬送装置の搬送面に移動させるとともに搬送面上を移動させることによって外部に排出する。この際、搬送面は搬送方向に沿って湾曲状に形成されていることから、タンクの周りに他の部材が設置されていても、搬送装置を、タンクの周りに設置された部材と干渉させることなく、レイアウトすることができる。
【0015】
しかも、この搬送装置の鉄芯を製造する際、一旦、素材から打ち抜いた直線状の一次加工品を積層し、その後、プレス加工により任意の角度を有する湾曲状に形成することから、一次加工における歩留まりを向上させることができるとともに、金型を大型化させることがないことから、廉価の費用で鉄芯を製造することができる。また、湾曲角度をプレス加工の二次加工で設定できることから、鉄芯の湾曲状態を任意に設定することができる。
【0016】
この完成された鉄芯は、湾曲面と湾曲面以外の直線部との間で、隣同士のコア部の先端部の間隔やコアバック部の厚み等をできるだけ均等化させたい。そのため、プレス加工前に、例えば、湾曲面を搬送方向に沿って凹状に形成する場合には、湾曲面を形成する部位においては、溝部の幅を広くしたり、コアバック部の厚みを大きくしたり、また、コア部先端の開口部を広くしたりすることが望ましい。また、プレス加工で湾曲面を形成しやすいように、コアバック部の反搬送面側に切込部を形成しておくことも望ましい。さらには、湾曲面を形成する搬送面には、切屑をスムーズに搬送するために、搬送面に凹状の円弧部を形成することも必要となる。
【0017】
また、プレス加工前に、例えば、湾曲面を搬送方向に沿って凸状に形成する場合には、湾曲面を形成する部位においては、溝部の幅を狭くしたり、コアバック部の厚みを小さくしたり、また、コア部先端の開口部を狭くしたりすることが望ましい。また、プレス加工で湾曲面を形成しやすいように、コアバック部の溝部側端面に切込部を形成しておくことも望ましい。さらには、湾曲面を形成する搬送面には、切屑をスムーズに搬送するために、搬送面に凸状の円弧部を形成することも必要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の一形態による搬送装置の鉄芯及び鉄芯の製造方法を、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように実施形態の搬送装置10は、鉄芯11と、鉄芯11に形成された溝部111を巻回するコイル13を有している。鉄芯11は、薄板状に形成された1枚の磁性材の珪素鋼板あるいは鉄板を厚み方向(搬送方向と直交する方向)に積層して形成するとともに、搬送方向に対して等間隔で形成される複数の溝部111と、溝部111に隣接して溝部111、111間に配置されるコア部112と、を有して形成されている。コア部112の元部(図1中、下方)側は、各コア部112を連接して長手方向に延設するコアバック部113として形成され、コア部112の先端(図1中、上方)側は、搬送面114として形成されている。
【0020】
搬送物の搬送面114は、溝部111を跨ぐ方向、つまり、図1中、矢印A(又はB)で示す鉄芯11の長手方向に沿って形成されている。なお、搬送面114は、コア部112の先端面に直接搬送物を搬送してもよく、1枚のプレートを介して搬送させてもよい。さらにコア部112の先端面を例えば樹脂でモールドしてモールド面に搬送物を搬送させてもよい。
【0021】
また、溝部111は、鉄芯11の搬送方向に対して、略直交あるいは所定角度に傾斜して形成してもよい。
【0022】
コア部112の先端面(搬送面114)には溝部112の入り口部の一部を両端部から塞ぐように、ティース部115が突出して形成され、隣同士のティース部115、115間がコイル13を挿入するための開口部116として形成されている。
【0023】
鉄芯11の溝部111には、離れた位置の2箇所の溝部111、111を跨ぐように巻回するコイル13がそれぞれ挿通されている。実施形態においては、コイル13は、U相コイル、V相コイル、W相コイルが、鉄芯11の溝部111に順に巻回され、三相交流電流を流すことによって合成磁界を発生させる。
【0024】
鉄芯11は、図2に示すように、湾曲部15を形成して搬送方向を変えることができるように形成されている。つまり、鉄芯11は直線部17と湾曲部15とが形成されることとなる。この湾曲部15を形成する場合、図3に示すように、プレス加工によって行われる。この場合、鉄芯11は、先ず一次加工で直線状に打ち抜かれて積層加工される。その後、図3(A)に示すように、V字状の開口部21を有する受けブロック20に、鉄芯11の湾曲部15を形成する部位の両側を支持するようにしてプレス加工を行う。プレス加工においては、鉄芯11の湾曲部15を形成する部位のコアバック部113端面(溝部111側)に加圧体22を当接させて、図3(B)のごとく、プレス機で加圧することによって曲げ加工を行う。
【0025】
この場合、プレス加圧面は、鉄芯11がプレス加圧に耐えられる強度を有している部位であって積層方向に対して直交する側の面、つまり、鉄芯11のティース部115側の搬送面114側、あるいはその反対側のコアバック部113の端面側のいずれかに設定される。
【0026】
この際、鉄芯11に湾曲部15を形成するにあたって、鉄芯11の一次加工の際、湾曲部15の加工に影響する部位の寸法を予め変更しておく。この場合、湾曲する方向によって寸法は異なり、例えば、図3に示すように、搬送面114側から加圧す場合、図4に示すように、湾曲部15(図3参照)の形成部位にかかる溝部111Aの幅L1は、直線部17(図3参照)にかかる溝部111の幅Lに対して広く形成されている。また、湾曲部15の形成部位にかかるティース部115A、115A間の開口部116Aの幅寸法M1は直線部17にかかるティース部115、115間の開口部116の幅寸法Mより広く形成されている。これは、湾曲部15を形成すると、溝部111及び開口部116が縮むため、予め広くする必要がある。
【0027】
加圧方向が、上述と逆の場合、つまり、コアバック部113端面側から搬送面側に加圧をかけた場合では、湾曲部15の形成部位にかかる溝部111Aの幅及び開口部116Aの幅は、予め直線部17にかかる溝部111及び開口部116より狭く形成しておく。
【0028】
また、湾曲部15の形成部位にかかるコアバック部113Aの厚みT1は、搬送面114側からコアバック部113側に加圧した場合、直線部17にかかるコアバック部113の厚みTより厚く形成されている。この際、厚く形成されたコアバック部113Aには、図5に示すように、搬送面114と反対側の面において、切込部117を複数箇所に形成することが湾曲させやすいため望ましい。
【0029】
さらに、図6に示すように、湾曲部15の形成部位にかかるコア部112の搬送面114に、コアバック部113側に凹状となる円弧部118を形成すれば、搬送物(切粉や鉄粉等の切屑)を搬送する際にスムーズに搬送することができる。
【0030】
加圧方向が逆の場合、つまりコアバック部113側から搬送面114側に向かって加圧する場合はその逆、つまり、湾曲部15にかかるコアバック部113の厚みT1は直線部17にかかる厚みTより薄く形成され、切込部117はコアバック部113の溝部111側から形成することが好ましい。さらに、コア部112の搬送面114に形成される円弧部118は搬送面114に対して凸状となるように形成することが望ましい。
【0031】
また、一次加工で直線状に積層された鉄芯11を二次加工でプレス加工を行うことによって、図2及び図6に示すように、湾曲する角度を任意に設定することができる。
【0032】
次に、上述のように形成された鉄芯を使用して構成した搬送装置10の作用を説明する。
【0033】
実施形態の搬送装置10は、上記のように構成された鉄芯11にコアバック部113及び搬送面114及びコイル13を覆うように樹脂でモールドして使用する。図7に示すように、搬送装置10の一端をタンク25に挿入し、搬送装置10をタンク25から斜め上方に向かって配置する。すると、搬送装置10は、タンク25から突出した部分から第1の湾曲部15を経てさらに上方に向かい、所定位置において逆方向に湾曲された第2の湾曲部16を経て略水平状態となるように形成されている。第1の湾曲面15は搬送面114に対して凹状に形成され、第2の湾曲面16は搬送面114に対して凸状に形成されている。なお、図7においては、実際にはコイル13をモールドしているが、以下の合成磁界に関する説明のためや搬送方向を示すために実線で記入している。
【0034】
この状態でコイル13に三相交流電流を流すと、図8に示すように、U相コイルとW相コイル及びV相コイルは、それぞれ120度位相がずれた正弦波形を描くこととなる。例えば、図8において時間tとともに経過する3位置を選択し、それぞれの位置を時点P1、P2、P3とすると、時点P1、P2、P3における合成磁界は、図9に示すように表される。つまり、それぞれの時点P1、P2、P3における最大磁力がずれることとなるから、これが時間とともに移動する移動磁界となって搬送装置10の搬送面151に載った鉄粉は搬送されることとなる。搬送された鉄粉は、搬送装置10の直線部17上を上方に向かって搬送されると、第1の湾曲部15を通ってさらに上方に向かって直線部17上を搬送され、第2の湾曲部16を経て直線部17上を略水平方向に向かって搬送される。そして搬送された切屑は、搬送装置10の他端で外部に配置された図示しない鉄粉受け皿に落下される。
【0035】
上述のように、実施形態の搬送装置10は、鉄芯11を搬送方向に沿って湾曲して形成していることから、タンク25の周りに干渉物が設置されていても、任意の位置に設置することができる。また、この鉄芯11を、一次加工によって直線状に打ち抜いて積層した後、プレス加工で二次加工を行うことによって、素材の歩留まりを向上させるとともに、金型の大型化や、多種の金型を必要としないことから、鉄芯11を廉価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の搬送装置における基本構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一形態の湾曲された鉄芯を示す平面図である。
【図3】湾曲する鉄芯の製造方法を示す平面図である。
【図4】鉄芯を湾曲するためにコアバック部を厚くした鉄芯の平面図である
【図5】図4の鉄芯に切込部を形成した鉄芯の平面図である。
【図6】湾曲部におけるコア部先端部に円弧部を形成した鉄芯の平面図である。
【図7】搬送装置の配置状態を示す斜視図である。
【図8】コイルの三相交流電流を示す波形図である。
【図9】図8における3位置での合成磁界を示す波形図である。
【符号の説明】
【0037】
10、搬送装置
11、鉄芯
13、コイル
15、湾曲部
17、直線部
111、溝部
112、コア部
113、コアバック部
114、搬送面
115、ティース部
116、開口部
117、切込部
118、円弧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に沿って延設されたコアバック部と、前記コアバック部から突出する複数のコア部と、前記コア部に隣接する溝部と、を備えて鉄芯が形成され、前記鉄芯にコイルを巻回して移動磁界を発生する搬送装置における鉄芯であって、
前記コア部における前記コアバック部と反対側の先端面が搬送面として形成されるとともに搬送方向と直交する方向に積層して形成され、前記搬送面が搬送方向に沿って凹状又は凸状の湾曲面を有して形成されていることを特徴とする搬送装置における鉄芯。
【請求項2】
前記湾曲面が前記搬送面に対して凹状に形成されている場合、前記湾曲面が、プレス加工により前記搬送面を加圧して形成され、
前記湾曲面が前記搬送面に対して凸状に形成されている場合、前記湾曲面が、プレス加工により前記搬送面と反対側の面を加圧して形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置における鉄芯。
【請求項3】
搬送方向に沿って延設されたコアバック部と、前記コアバック部から突出する複数のコア部と、前記コア部に隣接する溝部と、を備えて鉄芯を形成し、前記鉄芯にコイルを巻回して移動磁界を発生する搬送装置における鉄芯の製造方法であって、
前記コア部における前記コアバック部と反対側の先端面を搬送面として形成するとともに搬送方向と直交する方向に積層して形成し、
前記鉄芯を直線状に形成した状態で積層して形成するとともに、積層後の前記鉄芯に、前記搬送面又は前記搬送面と反対側の面をプレス加工で加圧することにより、前記搬送面に搬送方向に沿って凹状又は凸状の湾曲面を形成することを特徴とする搬送装置における鉄芯の製造方法。
【請求項4】
前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面にかかる溝部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の溝部より大きな幅で形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記湾曲面にかかる溝部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の溝部より小さな幅で形成する、
ことを特徴とする請求項3記載の搬送装置における鉄芯の製造方法。
【請求項5】
隣同士の前記コア部間の先端部には、前記溝部の幅より小幅の開口部を形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面にかかる前記開口部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の開口部より広く形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記湾曲面にかかる前記開口部を、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部にかかる他の開口部より狭く形成している、
ことを特徴とする請求項3又は4記載の搬送装置における鉄芯の製造方法。
【請求項6】
前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記コアバック部における前記湾曲面の厚みを、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部の厚みより厚く形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記コアバック部における前記湾曲面の厚みを、前記プレス加工前に、直線状に形成した前記コアバック部の厚みより薄く形成する、
ことを特徴とする請求項3,4又は5のいずれかに記載の搬送装置における鉄芯の製造方法。
【請求項7】
前記コアバック部を直線状に積層した状態において、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記プレス加工前に、前記湾曲面を形成する前記コアバック部における前記搬送面と反対側の端面に切込部を形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記プレス加工前に、前記湾曲面を形成する前記コアバック部における前記溝部側端面に切込部を形成する、
ことを特徴とする請求項3,4,5又は6のいずれかに記載の搬送装置における鉄芯の製造方法。
【請求項8】
前記湾曲面を前記搬送面に対して凹状に形成する場合、前記湾曲面における前記コア部先端面を、前記プレス加工前に、前記コアバック側に凹状となる円弧面に形成し、
前記湾曲面を前記搬送面に対して凸状に形成する場合、前記湾曲面における前記コア部先端面を、前記プレス加工前に、前記搬送面に対して凸状となる円弧面に形成する、
ことを特徴とする請求項3,4,5,6又は7のいずれかに記載の搬送装置における鉄芯の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−244120(P2007−244120A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64323(P2006−64323)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】