説明

搬送装置及びコンピュータプログラム

【課題】周期的な送りむら等の搬送量のずれに対しても、突発的に生じる搬送量のずれに対しても、効果的に搬送量を補正することができ、高い精度でテープ、シート等の連続体の搬送を実現することができる搬送装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する駆動モータと、前記連続体のマークを検出するセンサとを有する。所定の搬送量で搬送された時点で、センサでマークが検出されたか否かを判断し、検出されたと判断されたか否かに応じてオン信号又はオフ信号を生成する。生成されたオン信号又はオフ信号に応じて計数値を設定し、設定された計数値を記憶する。記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアテープ等の帯状の連続体を安定して搬送することができる搬送装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送り用リールに巻き取られているフィルム、テープ等の長尺部材、帯状部材等を、回転駆動手段を備えた巻取用リールに巻き取ることで長尺部材、帯状部材等を搬送する搬送装置が広く提供されている。斯かる搬送装置を用いて、例えば製造工程の途中で回転駆動手段を間欠的に一時停止させ、停止中に長尺部材、帯状部材等の所定の部分に所定の処理を施し、その後回転駆動手段を再起動させ巻取用リールに巻き取ることで、所望の製品を製造する。
【0003】
近年の電子機器の軽薄短小化(ダウンサイジング化)に伴い、LSI、チップコンデンサ、チップインダクタ等の小型部品の需要が急増し、キャリアテープにファインピッチの配線を形成するようにスクリーン印刷を施す、処理済の電子部品、例えばリード線を有するモールドチップ等の処理済ワークを収納する等、単に搬送するだけでなく、キャリアテープ等の搬送量の精度が問題となることが増加している。
【0004】
キャリアテープ等のシート搬送量を制御するために、例えば特許文献1では、回転角度のズレを検出してシート搬送量の基準搬送量からのズレを間欠的に算出するシート搬送装置が開示されている。特許文献1では、シートを搬送する従動ローラの回転周期の整数倍のタイミングで、シート搬送量と基準搬送量との差分を計算して、修正すべき搬送量を算出している。
【特許文献1】特開平6−122238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているシート搬送装置では、従動ローラの回転周期の整数倍のタイミングで差分を計算していることから、バリの発生等により突発的に生じる比較的小さな搬送量のずれに対しては適切な補正量を算出することができるが、ローラ自体の偏心等により生じる周期的な送りむら等の比較的大きな搬送量のずれに対しては適切な補正量を算出することができない。したがって、安定してシートを搬送することができない場合が生じうるという問題点があった。
【0006】
斯かる問題点を解消すべく、例えばキャリアテープ上に形成されているキャビティを検出するセンサを備え、センサがキャビティを検出した場合には‘1’、検出せずに光が通過した場合には‘−1’とするオンオフ信号に基づいて次回のシート搬送量を増減するだけの搬送装置もあった。これにより、ローラ自体の偏心等により生じる周期的な送りむら等には対応することはできるが、補正量を大きくすることができず、突発的に生じる比較的大きな搬送量のずれに対してはむしろ補正できないという問題点が新たに生じている。また、オンオフ信号だけではなく、回転角度センサを備え、回転角度の増減に対して搬送量を補正するテーピング機も開発されている。この場合、ローラ自体の偏心等により生じる周期的な送りむら等の比較的大きな搬送量のずれに対して対応することはできるが、突発的に大きな搬送量のずれが生じた場合には適切な補正量を算出することができないという問題点があった。
【0007】
さらに、例えばキャリアテープ、シート等の材質が、紙、合成樹脂等の温度、湿度の変動により容易に伸縮する材質であった場合、キャリアテープ、シート等の全長にわたって伸縮しており、直前のずれに応じて搬送量を補正したとしても、全体として搬送ずれを解消することはできない。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、周期的な送りむら等の搬送量のずれに対しても、突発的に生じる搬送量のずれに対しても、効果的に搬送量を補正することができ、高い精度でテープ、シート等の連続体の搬送を実現することができる搬送装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1発明に係る搬送装置は、帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する駆動モータと、前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置において、所定の搬送量で搬送されたか否かを判断する第1の判断手段と、該第1の判断手段で搬送されたと判断された時点で、前記センサにおける検出信号を受信する受信手段と、受信された検出信号がオン信号であるか否かを判断する第2の判断手段と、該第2の判断手段で検出信号がオン信号であると判断されたか否かに応じて計数値を設定する計数値設定手段と、設定された計数値を記憶する計数値記憶手段と、記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、第2発明に係る搬送装置は、第1発明において、前記搬送量補正手段は、記憶されている複数の計数値に基づいて統計的な計数値である統計値を算出する統計値算出手段と、算出された統計値と、直前に設定された計数値との重み付け割合を設定する重み付け設定手段と、設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出する搬送量算出手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、第3発明に係る搬送装置は、第2発明において、前記統計値算出手段は、記憶されている所定の回数分の計数値の移動平均値を算出するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
次に、上記目的を達成するために第4発明に係る搬送装置は、帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する駆動モータと、前記搬送ローラの回転角度を検出するエンコーダと、前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置において、前記センサで検出されたマーク及び前記エンコーダで検出された回転角度に応じて停止位置を推測する推測手段と、推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分を算出する差分算出手段と、算出された差分を記憶する差分記憶手段と、記憶されている複数の差分に基づいて統計的に算出された統計差分、及び直前に算出した差分に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、第5発明に係る搬送装置は、第4発明において、前記搬送量補正手段は、記憶されている複数の差分に基づいて統計的な差分である統計差分を算出する統計差分算出手段と、算出された統計差分と、直前に算出した差分との重み付け割合を設定する重み付け設定手段と、設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出する搬送量算出手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、第6発明に係る搬送装置は、第5発明において、前記統計差分算出手段は、記憶されている所定の回数分の差分の移動平均値を算出するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
次に、上記目的を達成するために第7発明に係るコンピュータプログラムは、帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する駆動モータと、前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置の動作を制御するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、所定の搬送量で搬送されたか否かを判断する第1の判断手段と、該第1の判断手段で搬送されたと判断された時点で、前記センサにおける検出信号を受信する受信手段と、受信された検出信号がオン信号であるか否かを判断する第2の判断手段と、該第2の判断手段で検出信号がオン信号であると判断されたか否かに応じて計数値を設定する計数値設定手段と、設定された計数値を記憶する計数値記憶手段、及び記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
次に、上記目的を達成するために第8発明に係るコンピュータプログラムは、帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する駆動モータと、前記搬送ローラの回転角度を検出するエンコーダと、前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置の動作を制御するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記センサで検出されたマーク及び前記エンコーダで検出された回転角度に応じて停止位置を推測する推測手段、推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分を算出する差分算出手段、算出された差分を記憶する差分記憶手段、及び記憶されている複数の差分に基づいて統計的に算出された統計差分、及び直前に算出した差分に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第1発明及び第7発明では、所定の搬送量で搬送されたと判断された時点で、センサにおける検出信号を受信し、受信された検出信号がオン信号であるか否かに応じて計数値を設定し、設定された計数値を記憶しておく。記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する。直前に設定された計数値だけでは大きな補正を行った場合に交互に搬送量が変動するだけで収束しないのに対し、例えば過去複数回(複数ピッチ)分の統計値も併せて搬送量を補正することにより、急激に搬送量を変化させることがないことから、比較的大きな補正を行うことができる。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。
【0018】
ここで、「計数値」とは、デジタル信号のオンオフに基づいて、例えばオン信号を‘1’、オフ信号を‘−1’として数値化した値を意味している。また、「マーク」とは、帯状の連続体に形成されたキャビティ、印刷部分等の、オンオフ信号を発生させるために略等間隔で付与されたセンサによる被検出物を意味する広い概念である。「統計値」とは、過去複数回搬送した(複数回、1ピッチ分搬送した)場合の計数値を統計的に処理した代表値であり、移動平均値、重み付け移動平均値等を意味する。
【0019】
第2発明では、記憶されている複数の計数値に基づいて統計的な計数値である統計値を算出し、算出された統計値と、直前に設定された計数値との重み付け割合を設定する。設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出することにより、バリの発生等により突発的に生じた搬送量のずれ、ローラ自体の偏心等により生じる周期的な搬送量のむら等の発生状況に応じて複数の補正された搬送量を算出することができ、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。
【0020】
第3発明では、記憶されている所定の回数分の計数値の移動平均値を算出することにより、過去の結果を有効に利用して、測定誤差の影響を抑制することが可能となる。
【0021】
第4発明及び第8発明では、センサで検出されたマーク及びエンコーダで検出された回転角度に応じて停止位置を推測し、推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分を算出し、算出された差分を記憶しておく。記憶されている複数の差分に基づいて統計的に算出された統計差分、及び直前に算出した差分に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する。直前の停止位置のずれだけでは、バリの存在、不純物の付着等によりマーク検出ができなかった場合には誤った補正を行う可能性があり、位置決め精度を悪化させるおそれがある。それに対して、例えば過去複数回分の停止位置のずれの統計差分も併せて搬送量を補正することにより、急激に搬送量を変化させることがないことから、比較的大きな補正を行うことができる。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。
【0022】
ここで、「基準位置」とは、帯状の連続体と搬送ローラとの間に滑り等によるずれが存在せず、搬送ローラの回転軸中心が偏心しておらず、回転むらのない回転により搬送された場合に到達する位置を意味する。すなわち、同一条件下で理論的に到達する位置である。一方、「推測された停止位置」とは、センサにより検出された検出信号に基づいて推測された到達位置を意味する。また、「マーク」とは、帯状の連続体に形成されたキャビティ、印刷部分等の、移動量を推算するために略等間隔で付与されたセンサによる被検出物を意味する広い概念である。「統計差分」とは、過去複数回の差分を統計的に処理した代表値であり、移動平均値、重み付け移動平均値等を意味する。
【0023】
第5発明では、記憶されている複数の差分に基づいて統計的な差分である統計差分を算出し、算出された統計差分と、直前に算出した差分との重み付け割合を設定する。設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出することにより、バリの発生等により突発的に生じた搬送量のずれ、ローラ自体の偏心等により生じる周期的な搬送量のむら等の発生状況に応じて複数の補正された搬送量を算出することができ、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。
【0024】
第6発明では、記憶されている所定の回数分の差分の移動平均値を算出することにより、過去の結果を有効に利用して、測定誤差の影響を抑制することが可能となる。
【0025】
なお、後述する実施の形態では、第1の判断手段は、CPU31のステップS501の処理が、受信手段は、CPU31のステップS502の処理が、第2の判断手段は、CPU31のステップS503の処理が、計数値設定手段は、CPU31のステップS504及びステップS505の処理が、計数値記憶手段は、CPU31のステップS506の処理が、搬送量補正手段は、CPU31のステップS508、ステップS909の処理が、それぞれ該当する。また、統計値算出手段は、CPU31のステップS507の処理が、重み付け設定手段は、CPU31のステップS601の処理が、搬送量算出手段は、CPU31のステップS602の処理が、それぞれ該当する。
【0026】
さらに、推測手段は、CPU31のステップS905の処理が、差分算出手段は、CPU31のステップS906の処理が、差分記憶手段は、CPU31のステップS907の処理が、統計差分算出手段は、CPU31のステップS908の処理が、重み付け設定手段は、CPU31のステップS1001の処理が、搬送量算出手段は、CPU31のステップS1002の処理が、それぞれ該当する。
【発明の効果】
【0027】
上記構成によれば、直前に設定された計数値、停止位置のずれだけでは大きな補正を行った場合に安定した搬送量を維持することが困難である場合であっても、例えば過去複数回(複数ピッチ)分の統計値、停止位置のずれも併せて搬送量を補正することにより、急激に搬送量を変化させることがなく、比較的大きな補正を行うことができる。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る搬送装置について、キャリアテープ搬送装置を一例とし、図面に基づいて具体的に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置の構成を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態1に係る搬送装置10は、電子部品を搬送するためのマークとしてキャビティ11、11、・・・を略等間隔で形成してある帯状の連続体であるキャリアテープ1を、搬送ローラ4にて搬送することが可能となっている。
【0030】
搬送ローラ4は、モータ等の駆動源5に接続されているフィードローラ41と、キャリアテープ1を挟み込むプレッシャローラ42とで構成されている。フィードローラ41が矢印43の方向に回転することにより、キャリアテープ1はフィードローラ41とプレッシャローラ42とに挟まれて矢印12の方向へ搬送される。
【0031】
図1の中央近傍にて、電子部品がキャリアテープ1のキャビティ11、11、・・・に挿入される。挿入される位置より前方の所定の位置には、キャビティ11、11、・・・の存在を検出するセンサ2が設けてある。センサ2は例えば光学センサであり、発光部と受光部とを備えており、キャビティ11が通過した場合にのみ発光部から照射された光を受光部にて受光することができる。受光した光信号は光電変換されたパルス信号として、信号線で接続されている制御装置3へ出力される。
【0032】
駆動源5は例えばステッピングモータで構成され、信号線で接続されている制御装置3からの指令パルス信号に従って回転方向及び回転角度が指定される。ステッピングモータは、フィードローラ41に連結されている構成に限定されるものではなく、例えば、フィードローラ41だけでなく、プレッシャローラ42にも連結される構成であっても良い。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置10の部分構成を模式的に示す平面図である。図2に示すように、電子部品13、13、・・・は、コンベア15によって矢印71の方向に回転するインデックステーブル7の溝部72、72、・・・へ移動され、インデックステーブル7が回転することによりキャリアテープ1の直上まで移動される。そして、キャリアテープ1の直上に配置されている挿入ノズル6を介して、キャリアテープ1に形成されているキャビティ11に落とし込まれ、キャリアテープ1の移動に伴って矢印14の方向へ搬送される。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置10の制御装置3の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置3は、少なくとも、CPU(中央演算装置)31、RAM32、記憶装置33、入力装置34、出力装置35、通信装置36、補助記憶装置37及び上述したハードウェアを接続する内部バス38で構成されている。CPU31は、内部バス38を介して制御装置3の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置33に記憶されているコンピュータプログラム8に従って、接続されているセンサ2からのパルス信号を処理し、駆動源5、インデックステーブル7等の動作を制御する。
【0035】
RAM32は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成され、コンピュータプログラム8の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム8の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0036】
記憶装置33は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)等で構成されている。記憶装置33に記憶されているコンピュータプログラム8は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体9から、補助記憶装置37によりダウンロードされ、実行時には記憶装置33からRAM32へ展開して実行される。もちろん、通信装置36を介して外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0037】
また、記憶装置33は、過去のオン信号又はオフ信号によって設定された計数値の履歴情報を記憶する履歴情報記憶部331を有している。CPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている過去所定回数分(所定ピッチ分)の計数値の移動平均値等を用いて、搬送量を補正する。
【0038】
通信装置36は内部バス38に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク網に接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。例えば上述した記憶装置33は、制御装置3に内蔵される構成に限定されるものではなく、通信装置36を介して接続されている外部のストレージ等の外部記録媒体であっても良い。
【0039】
入力装置34は、キーボード及びマウス等のデータ入力媒体である。出力装置35は、CRTモニタ、LCD等の表示装置、又はレーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の印刷装置である。
【0040】
図4は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置10の駆動源5の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置3のCPU31から動作信号を受信したPPMC(パルス発振器)51は、動作信号を指令パルス信号に変換してモータドライバ52へ送信する。指令パルス信号を受信したモータドライバ52は、指令パルス信号のパルス数に応じてステッピングモータ53を回転させる。
【0041】
例えば指令パルス信号が回転方向制御信号であった場合、回転方向を示すデジタル値1又は0に応じてステッピングモータ53の回転方向を決定する。また、指令パルス信号の周波数に応じて、ステッピングモータ53の回転速度を変更することができる。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置10の制御装置3のCPU31の処理手順を示すフローチャートである。図5において、制御装置3のCPU31は、指定された搬送量、例えば1ピッチ分の搬送が完了したか否かを判断し(ステップS501)、CPU31が完了していないと判断した場合(ステップS501:NO)、完了の待ち状態となる。CPU31が完了したと判断した場合(ステップS501:YES)、CPU31は、センサ2からの検出信号を受信し(ステップS502)、オン信号であるか否かを判断する(ステップS503)。
【0043】
CPU31が、オン信号であると判断した場合(ステップS503:YES)、CPU31は、計数値を‘1’に設定し(ステップS504)、設定された計数値を記憶装置33の履歴情報記憶部331へ記憶する(ステップS506)。
【0044】
CPU31が、オン信号ではない、すなわちオフ信号であると判断した場合(ステップS503:NO)、CPU31は、計数値を‘−1’に設定して(ステップS505)、設定された計数値を記憶装置33の履歴情報記憶部331へ記憶する(ステップS506)。
【0045】
CPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている複数の計数値に基づいて、過去所定ピッチ分、例えば過去2000ピッチ分の計数値の統計値として移動平均値を算出する(ステップS507)。なお、算出する統計値は、移動平均値に限定されるものではなく、過去複数ピッチ分の計数値を統計的に代表する値であれば何でも良い。
【0046】
CPU31は、算出された移動平均値、及び直近の計数値に基づいて、キャリアテープ1の搬送量を算出する(ステップS508)。このように、直近の計数値だけでなく、過去2000ピッチ分の計数値の移動平均値をも考慮して搬送量を算出することにより、急激に搬送量を変化させることがないことから、比較的大きな搬送量の補正を行うことができ、しかも搬送むらは確実に収束する。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無い。
【0047】
搬送量を算出する方法は、特に限定されるものではないが、例えば直近の計数値と、過去の計数値の移動平均値とを重み付けして按分した搬送量を算出しても良い。図6は、本発明の実施の形態1に係る搬送装置10の制御装置3のCPU31の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6において、制御装置3のCPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている複数の計数値に基づいて、過去所定ピッチ分、例えば過去2000ピッチ分の計数値の統計値として移動平均値を算出する(ステップS507)。CPU31は、移動平均値及び直近の計数値の重み付け割合を設定し(ステップS601)、両者を按分してキャリアテープ1の搬送量を算出する(ステップS602)。例えば式(1)のように重み付け係数を用いて補正された搬送量Zを算出する。
【0049】
Z=f(aX+bY) ・・・(1)
a+b=1
【0050】
式(1)において、Xは直近の計数値を、Yは計数値の移動平均値を示している。係数a、bにより、計数値の移動平均値Yを考慮した評価値を算出し、評価値から搬送量Zを求める関数fを用いて補正された搬送量Zを算出することにより、突発的な異常値が検出された場合であっても、大きく影響されることがない適切な搬送量Zを算出することができる。
【0051】
具体的には、例えば搬送量にずれがない状態を示す標準計数値を‘0’として、標準計数値との偏差に応じて、段階的な搬送量を算出するようテーブル化して記憶装置33に記憶しておけば良い。図7は、計数値の移動平均値と直近の計数値とを用いた搬送量制御の例示図である。
【0052】
図7では、センサ2から出力される検出信号を、受光した場合をオン信号‘1’、遮光された場合をオフ信号‘−1’としている。そして、搬送ずれが生じていないことを示す標準計数値を‘0’とし、偏差が‘0’である場合に2.000mm搬送する搬送装置10の搬送量制御例を示している。
【0053】
図7の例では、CPU31は、記憶装置33の履歴情報記憶部331に記憶してある過去2000ピッチ分の計数値の移動平均値を6倍した値と、直近の計数値を2倍した値とを加算した値を評価値Pとして算出する。CPU31は、評価値Pの大きさに基づいて0.004mmずつ段階的に搬送量を変更する。具体的には、評価値Pと搬送量との対応付けを記憶装置33に記憶しておき、評価値Pの大きさに応じて搬送量を特定する。
【0054】
図7の例では、評価値Pが‘3’以上又は‘−3’以下である場合、搬送量は最大値又は最小値から変更していない。これは、搬送量を所定の大きさよりも大きく補正した場合、例えば大きな測定誤差が検出されたときには、誤った補正量を算出するおそれがあり、安定した搬送を行うことが困難になるためである。
【0055】
以上のように本実施の形態1では、直近の計数値だけではなく、例えば過去複数回(複数ピッチ)分の計数値の統計値も併せて搬送量を補正することにより、測定誤差の影響を抑制しつつ、場合によっては大きな補正を実行することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求することなく、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。また、キャリアテープ全体が温度、湿度等により伸縮している場合であっても、統計値に基づいて搬送量を補正することにより適切な搬送量へ確実に補正することが可能となる。
【0056】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る搬送装置10の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の機能を発揮する要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。本実施の形態2では、搬送ローラ4の回転角度を検出するロータリーエンコーダ20を有し、駆動源5の回転角度に基づいて推測される停止位置を用いて搬送量を補正する点で実施の形態1とは相違している。
【0057】
図8は、本発明の実施の形態2に係る搬送装置10の構成を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、本実施の形態2に係る搬送装置10は、電子部品を搬送するためのマークとしてキャビティ11、11、・・・を略等間隔で形成してあるキャリアテープ1を、搬送ローラ4にて搬送することが可能となっている。
【0058】
搬送ローラ4は、モータ等の駆動源5に接続されているフィードローラ41と、キャリアテープ1を挟み込むプレッシャローラ42とで構成されている。フィードローラ41が矢印43の方向に回転することにより、キャリアテープ1はフィードローラ41とプレッシャローラ42とに挟まれて矢印12の方向へ搬送される。
【0059】
図8の中央近傍にて、電子部品13、13、・・・がキャリアテープ1のキャビティ11、11、・・・に挿入される。挿入される位置より前方の所定の位置には、キャビティ11、11、・・・の存在を検出するセンサ2が設けてある。センサ2は例えば光学センサであり、発光部と受光部とを備えており、マークとして機能するキャビティ11が通過した場合にのみ発光部から照射された光を受光部にて受光することができる。受光した光信号は光電変換されたパルス信号として、信号線で接続されている制御装置3へ出力される。
【0060】
駆動源5は例えばステッピングモータで構成され、信号線で接続されている制御装置3からの指令パルス信号に従って回転方向及び回転角度が指定される。ステッピングモータは、フィードローラ41に連結されている構成に限定されるものではなく、例えば、フィードローラ41だけでなく、プレッシャローラ42にも連結される構成であっても良い。
【0061】
また駆動源5は、駆動源5の回転角度を検出する回転角度センサ、例えばロータリーエンコーダ20を備え、検出された回転角度に関する情報を、信号線で接続されている制御装置3へ送信する。もちろん回転角度センサは、ロータリーエンコーダに限定されるものではない。
【0062】
搬送装置10の制御装置3の構成は、実施の形態1と同様である。すなわち制御装置3のCPU31は、内部バス38を介して制御装置3のハードウェア各部と接続されており、ハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置33に記憶されているコンピュータプログラム8に従って、接続されているセンサ2、ロータリーエンコーダ20からのパルス信号を処理し、駆動源5、インデックステーブル7等の動作を制御する。
【0063】
また、記憶装置33の履歴情報記憶部331には、センサ2でキャビティ11を検出したパルス信号及びロータリーエンコーダ20で検出した回転角度に基づいて推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分の履歴情報を記憶する。CPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている過去所定回数分の差分の移動平均値等を用いて、搬送量を補正する。
【0064】
図9は、本発明の実施の形態2に係る搬送装置10の制御装置3のCPU31の処理手順を示すフローチャートである。図9において、制御装置3のCPU31は、ロータリーエンコーダ20から所定の搬送量、例えば1ピッチ分の搬送開始前のフィードローラ41の初期角度を示す角度信号を受信する(ステップS901)。CPU31は、センサ2から受光したことを示す、すなわちキャビティ11の検出を示すオン信号を受信したか否かを判断する(ステップS902)。
【0065】
CPU31が、オン信号を受信していないと判断した場合(ステップS902:NO)、CPU31は、オン信号の受信待ち状態となる。CPU31が、オン信号を受信したと判断した場合(ステップS902:YES)、CPU31は、ロータリーエンコーダ20からその時点でのフィードローラ41の回転角度を示す角度信号を受信し(ステップS903)、初期角度との差異から回転角度を算出する(ステップS904)。
【0066】
CPU31は、回転角度に基づいて、1ピッチ分の搬送終了時の停止位置を推測する(ステップS905)。停止位置の推測方法は、例えば1ピッチ分の搬送量が事前に判明していることから(例えば搬送量が2mm)、搬送開始時の位置からキャビティ11までの絶対距離がわかる。それに対して算出された回転角度からも実際に搬送されるべき距離を算出することができるので、両者の比率から搬送量が2mmに対して実際に搬送されて停止するまでの距離を推算することができ、停止位置を推測することができる。推測方法は、特にこれに限定されるものではない。
【0067】
CPU31は、推測された停止位置と、1ピッチ分の搬送が完了した時点で停止すべき基準位置との差分を算出し(ステップS906)、算出された差分を、記憶装置33の履歴情報記憶部331へ記憶する(ステップS907)。
【0068】
CPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている複数の差分に基づいて、過去所定ピッチ分、例えば過去50ピッチ分の差分の統計差分として移動平均値を算出する(ステップS908)。なお、算出する統計差分は、移動平均値に限定されるものではなく、過去複数ピッチにおける差分を統計的に代表する値であれば何でも良い。
【0069】
CPU31は、算出された移動平均値、及び直近の差分に基づいて、キャリアテープ1の搬送量を算出する(ステップS909)。このように、直近の差分だけでなく、過去所定ピッチ分の差分の移動平均値をも考慮して搬送量を算出することにより、急激に搬送量を変化させることがないことから、比較的大きな搬送量の補正を行うことができ、しかも搬送むらは確実に収束する。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無い。
【0070】
搬送量を算出する方法は、特に限定されるものではないが、例えば直近の差分と、過去の差分の移動平均値とを重み付けして按分した搬送量を算出しても良い。図10は、本発明の実施の形態2に係る搬送装置10の制御装置3のCPU31の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
図10において、制御装置3のCPU31は、履歴情報記憶部331に記憶されている複数の差分に基づいて、過去所定ピッチ分、例えば過去50ピッチ分の差分の統計差分として移動平均値を算出する(ステップS908)。CPU31は、移動平均値及び直近の差分の重み付け割合を設定し(ステップS1001)、両者を按分してキャリアテープ1の搬送量を算出する(ステップS1002)。例えば式(2)のように重み付け係数を用いて補正された搬送量Sを算出する。
【0072】
S=f(aT+bU) ・・・(2)
a+b=1
【0073】
式(2)において、Tは直近の差分を、Uは差分の移動平均値を示している。係数a、bにより、差分の移動平均値Yを考慮した評価値を算出し、評価値から搬送量Sを求める関数fを用いて補正された搬送量Sを算出することにより、突発的な異常値が検出された場合であっても、極端に大きな大きく影響されることがない適切な搬送量Sを算出することができる。
【0074】
具体的には、例えば搬送量にずれがない状態を示す標準搬送量を‘2mm’として、標準搬送量と推測された停止位置から逆算される停止位置との差分に応じて、段階的な搬送量を算出するようテーブル化して記憶装置33に記憶しておけば良い。図11は、差分の移動平均値と直近の差分とを用いた搬送量制御の例示図である。
【0075】
図11では、センサ2からのオン信号及びロータリーエンコーダ20からの角度信号に基づいて算出された、停止位置の差分を用い、標準搬送量が‘2.000mm’で搬送する搬送装置10の搬送量制御例を示している。
【0076】
図11の例では、CPU31は、記憶装置33の履歴情報記憶部331に記憶してある過去50ピッチ分の差分の移動平均値を2倍した値と、直近の差分とを加算した値を評価値Pとして算出する。CPU31は、評価値Pの大きさに基づいて−0.034mmから+0.034mmまで段階的に搬送量を変更する。具体的には、評価値Pと搬送量との対応付けを記憶装置33に記憶しておき、評価値Pの大きさに応じて搬送量を特定する。
【0077】
以上のように本実施の形態2では、直近の停止位置のずれだけではなく、過去複数回分の停止位置のずれの統計差分も併せて搬送量を補正することにより、急激に搬送量を変化させることがないことから、比較的大きな補正を行うことができる。したがって、測定誤差の影響を抑制することができ、設備自体の搬送精度、連続体の製作精度等に高いレベルを要求する必要が無く、搬送精度の高い搬送装置を提供することが可能となる。また、キャリアテープ全体が温度、湿度等により伸縮している場合であっても、統計差分に基づいて搬送量を補正することにより適切な搬送量へ確実に補正することが可能となる。
【0078】
上述した実施例では、電子部品を搬送するキャリアテープを例に挙げて説明しているが、帯状の連続体を搬送する搬送装置、例えばテーピング機、長尺対応の印刷機、積層機等においても同様の構成とすることができ、上述した効果と同様の効果が期待できる。
【0079】
また、上述した実施の形態1及び2は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができることは言うまでもない。例えばセンサ2が光学式センサでなく画像センサであっても良いし、マークとしてキャビティが形成されずに、画像印刷による識別コードであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の部分構成を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の駆動源の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】計数値の移動平均値と直前の計数値とを用いた搬送量制御の例示図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る搬送装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る搬送装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る搬送装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】差分の移動平均値と直前の差分とを用いた搬送量制御の例示図である。
【符号の説明】
【0081】
1 キャリアテープ(連続体)
2 センサ
3 制御装置
4 搬送ローラ
5 駆動源
8 コンピュータプログラム
9 可搬型記録媒体
10 搬送装置
11 キャビティ(マーク)
31 CPU
32 RAM
33 記憶装置
34 入力装置
35 出力装置
36 通信装置
37 補助記憶装置
38 内部バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、
該搬送ローラを駆動する駆動モータと、
前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、
複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置において、
所定の搬送量で搬送されたか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段で搬送されたと判断された時点で、前記センサにおける検出信号を受信する受信手段と、
受信された検出信号がオン信号であるか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段で検出信号がオン信号であると判断されたか否かに応じて計数値を設定する計数値設定手段と、
設定された計数値を記憶する計数値記憶手段と、
記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記搬送量補正手段は、
記憶されている複数の計数値に基づいて統計的な計数値である統計値を算出する統計値算出手段と、
算出された統計値と、直前に設定された計数値との重み付け割合を設定する重み付け設定手段と、
設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出する搬送量算出手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記統計値算出手段は、
記憶されている所定の回数分の計数値の移動平均値を算出するようにしてあることを特徴とする請求項2記載の搬送装置。
【請求項4】
帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、
該搬送ローラを駆動する駆動モータと、
前記搬送ローラの回転角度を検出するエンコーダと、
前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、
複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置において、
前記センサで検出されたマーク及び前記エンコーダで検出された回転角度に応じて停止位置を推測する推測手段と、
推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分を算出する差分算出手段と、
算出された差分を記憶する差分記憶手段と、
記憶されている複数の差分に基づいて統計的に算出された統計差分、及び直前に算出した差分に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
前記搬送量補正手段は、
記憶されている複数の差分に基づいて統計的な差分である統計差分を算出する統計差分算出手段と、
算出された統計差分と、直前に算出した差分との重み付け割合を設定する重み付け設定手段と、
設定された重み付け割合に従って、帯状の連続体の搬送量を算出する搬送量算出手段と
を備えることを特徴とする請求項4記載の搬送装置。
【請求項6】
前記統計差分算出手段は、
記憶されている所定の回数分の差分の移動平均値を算出するようにしてあることを特徴とする請求項5記載の搬送装置。
【請求項7】
帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、
該搬送ローラを駆動する駆動モータと、
前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、
複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置の動作を制御するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
所定の搬送量で搬送されたか否かを判断する第1の判断手段、
該第1の判断手段で搬送されたと判断された時点で、前記センサにおける検出信号を受信する受信手段、
受信された検出信号がオン信号であるか否かを判断する第2の判断手段、
該第2の判断手段で検出信号がオン信号であると判断されたか否かに応じて計数値を設定する計数値設定手段、
設定された計数値を記憶する計数値記憶手段、及び
記憶されている複数の計数値に基づいて統計的に算出された統計値、及び直前に設定された計数値に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
帯状の連続体を搬送する上下一対の搬送ローラと、
該搬送ローラを駆動する駆動モータと、
前記搬送ローラの回転角度を検出するエンコーダと、
前記連続体のマークを検出するセンサとを有し、
複数のマークを有する帯状の連続体を搬送する搬送装置の動作を制御するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記センサで検出されたマーク及び前記エンコーダで検出された回転角度に応じて停止位置を推測する推測手段、
推測された停止位置と、想定される停止位置である基準位置との差分を算出する差分算出手段、
算出された差分を記憶する差分記憶手段、及び
記憶されている複数の差分に基づいて統計的に算出された統計差分、及び直前に算出した差分に基づいて、帯状の連続体の搬送量を補正する搬送量補正手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−196750(P2009−196750A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39328(P2008−39328)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】