搬送装置
【課題】倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベアの先端を短時間で移動することのできる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアの先端に連結された移動台車20と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第1車輪61と、第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第2車輪62とを備えているので、倉庫の床面MFとトラックTRの荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、各車輪61,62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動することができる。
【解決手段】搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアの先端に連結された移動台車20と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第1車輪61と、第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第2車輪62とを備えているので、倉庫の床面MFとトラックTRの荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、各車輪61,62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用空気入りタイヤを倉庫からトラックの荷台内に搬送するための搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の搬送装置としては、倉庫内に設けられ、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端に連結されるとともに、前後二対の車輪によって支持され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車を倉庫からトラックの荷台内に移動させることにより、搬送コンベアが搬送方向に伸びるとともに、搬送コンベアの先端がトラックの荷台内に配置されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−228357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、トラックの荷台の床面高さはトラックの種類によって異なるので、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる。従って、前記搬送装置では、荷台の床面の高さに応じて一端側が昇降するスロープ板を倉庫の床面に設け、例えば倉庫の床面に対して荷台の床面が高い場合は、スロープ板の一端側を荷台の床面と等しい高さまで上昇させ、移動台車及び搬送コンベアの先端をトラックの荷台内に移動させるようにしている。このため、移動台車をトラックの荷台内に移動させるためにスロープ板の操作が必要となり、スロープ板の操作の分だけ作業時間がかかるという問題点があった。
【0004】
また、スロープ板を用いない場合は、トラックの後輪の下に荷台の床面の高さに応じたスペーサを配置するようにしているが、トラックの種類に応じてスペーサの交換作業が必要となり、スペーサの交換作業の分だけ作業時間がかかるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベアの先端を短時間で移動することのできる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端側に連結され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車によって搬送コンベアの先端を搬送方向任意の位置に移動可能な搬送装置において、移動台車の移動方向一端側に設けられた第1車輪と、第1車輪よりも移動台車の移動方向他端側に設けられた第2車輪と、第1車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第1移動機構と、第2車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第2移動機構とを備えている。
【0007】
これにより、移動台車には移動方向一端側及び他端側にそれぞれ車輪が設けられ、各車輪は各移動機構によってそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動することから、例えば倉庫内に搬送装置が設けられ、移動台車の移動方向一端側に停車しているトラックの荷台の床面が倉庫の床面よりも低い場合は、移動台車を移動方向一端側に移動し、第1車輪が倉庫の床面から離れるとともに荷台の床面の上方に配置されると、第1車輪を下方に移動させ、移動台車をさらに移動方向一端側に移動し、第2車輪が倉庫の床面から離れるとともに荷台の床面の上方に配置されると、第2車輪を下方に移動させることにより、各車輪がそれぞれ荷台の床面に接地し、移動台車及び搬送コンベアの先端をトラックの荷台内に移動させることができる。即ち、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、各車輪をそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動させることにより、移動台車をトラックの荷台内に移動することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、各車輪をそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動させることにより、移動台車をトラックの荷台内に移動することができるので、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベアの先端を短時間で移動することができ、作業効率を向上する上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図8は本発明の一実施形態を示すもので、図1は搬送装置の側面図、図2は搬送装置の要部側面図、図3は倉庫内を移動する際の搬送装置の要部側面図、図4及び図5は倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図、図6はトラックの荷台内において床面の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図、図7はトラックの荷台内において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図、図8はトラックの荷台の後部において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図である。
【0010】
本実施形態の搬送装置は、タイヤTAを保管するための倉庫内に設けられ、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベア10と、搬送コンベア10の先端側に連結され、搬送コンベア10の搬送方向に移動可能な移動台車20とを備えている。
【0011】
搬送コンベア10は、倉庫の床面に設けられた支柱11aによって固定された第1コンベア11と、第1コンベア11によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持された第2コンベア12と、第2コンベア12によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持された第3コンベア13とを有する。即ち、第2コンベア12及び第3コンベア13が搬送方向に移動することにより、搬送コンベア10が搬送方向に伸縮する。各コンベア11,12,13は周知のローラーコンベアからなる。搬送コンベア10はトラックTRに向かって延びており、倉庫内からトラックTRに向かって下方に傾斜している。トラックTRは荷台の後方を倉庫に向けて停車している。即ち、第1コンベア11にタイヤTAを載置すると、タイヤTAは各コンベア11,12,13の傾斜によってトラックTRの荷台側に搬送される。
【0012】
移動台車20は、台車本体30と、台車本体30の上側に固定された駆動コンベア31と、台車本体30に固定され、駆動コンベア31の先端側に配置された載置コンベア32と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、台車本体30に上下方向に傾動可能に支持された第1傾動部材41と、第1傾動部材41よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、台車本体30に上下方向に傾動可能に支持された第2傾動部材42と、第1傾動部材41を傾動させる第1移動機構としての第1シリンダ51と、第2傾動部材42を傾動させる第2移動機構としての第2シリンダ52と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、第1傾動部材41の一端部に回転可能に支持された第1車輪61と、第2傾動部材42の一端部に回転可能に支持された第2車輪62と、第2車輪62よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられた第3車輪63と、第1車輪61と第2車輪63との間に設けられた第4車輪64と、第1車輪61及び第4車輪64を駆動するための駆動機構としての周知のモータ70と、作業者を載置可能な作業台80とを有する。ここで、移動方向一方は倉庫内からトラックTRの荷台に向かう方向である。
【0013】
台車本体30は金属製フレームからなり、各車輪61,62,63,64によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持されている。
【0014】
駆動コンベア31は、搬送コンベア10の搬送方向に延びるように設けられた幅方向一対のフレーム31aと、互いに搬送コンベア10の搬送方向に間隔をおいて配置され、各フレーム31aによってそれぞれ回転可能に支持された複数のローラ31bとを備えている。各フレーム31aはそれぞれ連結部材31cによって第3コンベア13の先端に連結されている。各連結部材31cは各フレーム31aに上下方向に回動可能に連結するとともに、第3コンベア13に上下方向に回動可能に連結している。各ローラ31bは図示しないモータによって駆動される。駆動コンベア31は倉庫内からトラックTRの荷台にかって上方に傾斜している。即ち、駆動コンベア31は第3コンベア13から送り出されたタイヤTAをトラックTAの荷台側に搬送可能である。
【0015】
載置コンベア32は、搬送コンベア10の搬送方向に延びるように設けられた幅方向一対のフレーム32aと、互いに搬送コンベア10の搬送方向に間隔をおいて配置され、各フレーム32aによってそれぞれ回転可能に支持された複数のローラ32bとを備えている。載置コンベア32は倉庫内からトラックTRの荷台に向かって下方に傾斜している。載置コンベア32にはタイヤTAの移動を規制するためのストッパ部材32cが設けられている。即ち、駆動コンベア31から送り出されたタイヤTAは載置コンベア32に載置されるとともに、ストッパ部材32cによってトラックTRの荷台側への移動が規制される。
【0016】
第1傾動部材41は移動台車20の移動方向に延びるように形成され、長さ方向中央側が台車本体30に上下方向に傾動可能に支持されている。第1傾動部材41の一端側は移動台車20の移動方向一端側に延び、第1傾動部材41の他端側は移動台車20の移動方向他端側に延びている。
【0017】
第2傾動部材42は移動台車20の移動方向に延びるように形成され、長さ方向中央側が台車本体30に上下方向に傾動可能に支持されている。第2傾動部材42の一端側は移動台車20の移動方向一端側に延び、第2傾動部材42の他端側は移動台車20の移動方向他端側に延びている。
【0018】
第1シリンダ51は周知の電動シリンダから成り、一端が台車本体30に上下方向に回動可能に連結され、他端が第1傾動部材41の他端部に上下方向に回動可能に連結されている。第1シリンダ51の他端はロッドの先端である。即ち、第1シリンダ51のロッドの移動により、第1傾動部材41の他端側が上下方向に傾動する。
【0019】
第2シリンダ52は周知の電動シリンダから成り、一端が台車本体30に上下方向に回動可能に連結され、他端が第2傾動部材42の他端部に上下方向に回動可能に連結されている。第2シリンダ52の他端はロッドの先端である。即ち、第2シリンダ52のロッドの移動により、第2傾動部材42の他端側が上下方向に傾動する。
【0020】
第1車輪61は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、第1傾動部材41の一端部に回転可能に支持されている。
【0021】
第2車輪62は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、第2傾動部材42の一端部に回転可能に支持されている。第2車輪62は第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に配置されている。
【0022】
第3車輪63は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、台車本体30に回転可能に支持されている。
【0023】
第4車輪64は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、台車本体30に回転可能に支持されている。
【0024】
モータ70は台車本体30に固定され、モータ70の回転力を第4車輪64に伝達するための第1チェーン71と、第4車輪64の回転力を第1傾動部材41に回転可能に設けられたスプロケット41aに伝達するための第2チェーン72と、スプロケット41aの回転力を第1車輪61に伝達するための第3チェーン73とを有する。
【0025】
作業台80は移動台車20の移動方向一端側に設けられ、台車本体30に固定されている。作業台80上の作業員の腰から胸の高さと載置コンベア32上のタイヤTAの高さとが略等しくなるように、作業台80は台車本体30に固定されている。
【0026】
以上のように構成された搬送装置は、倉庫に荷台の後部を向けて停車しているトラックTRに倉庫内のタイヤTAを積載するために用いられる。トラックTRは箱形の荷台を有し、タイヤTAを積載するために荷台の後部を開口している。また、トラックTRの荷台の床面TFは倉庫の床面MFよりも低い。
【0027】
トラックTRにタイヤTAを積載する場合は、先ず、図3に示すように、移動台車20に対する各車輪61,62,63,64の上下方向の位置を等しくした状態で、倉庫の床面MF上の移動台車20をトラックTR側に移動させる。即ち、移動台車20を移動方向一端側に移動させる。これにより、搬送コンベア10が搬送方向に伸ばされる。
【0028】
次に、図4に示すように、第1車輪61が倉庫の床面MFから離れて荷台の上方に配置されると、移動台車20を停止させ、第1シリンダ51によって第1傾動部材41の一端側を下方に傾動させる。これにより、第1傾動部材41の一端部に支持されている第1車輪61が荷台の床面TFに接地する。
【0029】
続いて、図5に示すように、移動台車20を再び移動方向一端側に移動させ、第2車輪62が倉庫の床面MFから離れて荷台の上方に配置されると、移動台車20を停止させ、第2シリンダ52によって第2傾動部材42の一端側を下方に傾動させる。これにより、第2傾動部材42の一端部に支持されている第2車輪62が荷台の床面TFに接地する。また、移動台車20は第1車輪61及び第2車輪62によってトラックTRの床面TFを移動することができる。
【0030】
即ち、倉庫の床面MFよりもトラックTRの荷台の床面TFが低く、倉庫の床面MFと荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、第1車輪61及び第2車輪62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動させることができる。
【0031】
続いて、移動台車20をトラックTRの荷台内の所定位置に配置し、作業台80上の作業員が載置コンベア32上のタイヤTAをトラックTRの荷台に積載する。ここで、タイヤTAは搬送コンベア10及び駆動コンベア31を介して載置コンベア32まで搬送される。
【0032】
タイヤTAの積載位置が荷台の床面TFの近くである場合は、図6に示すように、第1車輪61及び第2車輪62を移動台車20に対して上方に移動させ、各車輪61,62,63,64の上下方向の位置を等しくする。これにより、作業員は荷台の床面TFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0033】
また、タイヤTAの積載位置が荷台の天板RFの近くである場合は、図7に示すように、第1車輪61及び第2車輪62を移動台車20に対して下方に移動させ、移動台車20をトラックTRの床面TFに対して上方に移動させる。これにより、作業台80が移動台車20とともに上方に移動し、作業員は荷台の天板RFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0034】
さらに、タイヤTAの積載位置が荷台の後方における天板RFの近くである場合は、図8に示すように、第2車輪62を移動台車20に対して下方に移動させるとともに、第1車輪61を第2車輪62よりも下方に移動させる。これにより、移動台車20を荷台の床面TFに対して傾かないように上方に移動することができ、作業員は天板RFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベア10の先端に連結された移動台車20と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第1車輪61と、第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第2車輪62とを備えているので、倉庫の床面MFとトラックTRの荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、各車輪61,62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動することができる。即ち、倉庫の床面MFに設けられ、倉庫の床面MFからトラックTRの荷台の床面TFに延びるスロープを設ける必要がなく、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベア10の先端を容易に移動させることができる。
【0036】
また、第1シリンダ51によって上下方向に傾動する第1傾動部材41により、第1車輪61を移動台車20に対して上下方向に移動させるようにするとともに、第2シリンダ52によって上下方向に傾動する第2傾動部材42により、第2車輪62を移動台車20に対して上下方向に移動させるようにしたので、上下方向の設計スペースが限られている場合でも、各車輪61,62の上下方向の移動量を大きくすることができる。
【0037】
さらに、各傾動部材41,42をそれぞれ各シリンダ51,52によって傾動させるようにしたので、簡単な構造によって各傾動部材41,42を確実に傾動させることができ、装置の製造コストの低減及び耐久性の向上を図る上で極めて有利である。
【0038】
また、第1車輪61を駆動するための駆動機構70を設けたので、移動台車20を人手によらず移動することができ、トラックTRの荷台内に搬送コンベア10の先端を配置する作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、移動台車20に作業者を載置可能な作業台80を設けたので、各車輪61,62によって移動台車20をトラックTRの荷台の床面TFに対して上下方向に移動させる際に、移動台車20とともに作業台80上の作業者も上下方向に移動する。即ち、タイヤTAを積載する上下方向の位置に応じて作業台80を上下方向に移動することができ、作業者80の負担を軽減する上で極めて有利である。さらに、作業台80は移動台車20とともに上下方向に移動するので、作業台80上の作業者に対する載置コンベア32上のタイヤTAの高さ位置が変化することがなく、作業者の負担をより軽減することができる。
【0040】
また、第2車輪62よりも移動台車20の移動方向他端側に第3車輪63を設けたので、例えば倉庫の床面MFから荷台の床面TFに移動台車20が移動する際に、第2車輪62が何れの床面MF,TFにも接地していない場合でも、移動台車20を第1車輪61及び第3車輪63によって支持することができる。即ち、第2車輪62が接地していない時でも移動台車20の姿勢が安定し、移動台車20を倉庫からトラックTRに円滑に移動させる上で極めて有利である。
【0041】
さらに、第1車輪61と第2車輪62との間に第4車輪64を設けたので、例えば倉庫の床面MFから荷台の床面TFに移動台車20が移動する際に、第1車輪61が何れの床面MF,TFにも接地していない場合でも、移動台車20を第2車輪62及び第4車輪64によって支持することができる。即ち、第1車輪61が接地していない時でも移動台車20の姿勢が安定し、移動台車20を倉庫からトラックTRに円滑に移動させる上で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明における一実施形態を示す搬送装置の側面図
【図2】搬送装置の要部側面図
【図3】倉庫内を移動する際の搬送装置の要部側面図
【図4】倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図
【図5】倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図
【図6】トラックの荷台内において床面の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【図7】トラックの荷台内において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【図8】トラックの荷台の後部において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【符号の説明】
【0043】
10…搬送コンベア、11…第1コンベア、12…第2コンベア、13…第3コンベア、20…移動台車、30…台車本体、31…駆動コンベア、32…載置コンベア、41…第1傾動部材、42…第2傾動部材、51…第1シリンダ、52…第2シリンダ、61…第1車輪、62…第2車輪、63…第3車輪、64…第4車輪、70…駆動機構、71…モータ、80…作業台、TA…タイヤ、TR…トラック、MF…倉庫の床面、TF…荷台の床面、RF…荷台の天板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用空気入りタイヤを倉庫からトラックの荷台内に搬送するための搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の搬送装置としては、倉庫内に設けられ、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端に連結されるとともに、前後二対の車輪によって支持され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車を倉庫からトラックの荷台内に移動させることにより、搬送コンベアが搬送方向に伸びるとともに、搬送コンベアの先端がトラックの荷台内に配置されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−228357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、トラックの荷台の床面高さはトラックの種類によって異なるので、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる。従って、前記搬送装置では、荷台の床面の高さに応じて一端側が昇降するスロープ板を倉庫の床面に設け、例えば倉庫の床面に対して荷台の床面が高い場合は、スロープ板の一端側を荷台の床面と等しい高さまで上昇させ、移動台車及び搬送コンベアの先端をトラックの荷台内に移動させるようにしている。このため、移動台車をトラックの荷台内に移動させるためにスロープ板の操作が必要となり、スロープ板の操作の分だけ作業時間がかかるという問題点があった。
【0004】
また、スロープ板を用いない場合は、トラックの後輪の下に荷台の床面の高さに応じたスペーサを配置するようにしているが、トラックの種類に応じてスペーサの交換作業が必要となり、スペーサの交換作業の分だけ作業時間がかかるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベアの先端を短時間で移動することのできる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端側に連結され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車によって搬送コンベアの先端を搬送方向任意の位置に移動可能な搬送装置において、移動台車の移動方向一端側に設けられた第1車輪と、第1車輪よりも移動台車の移動方向他端側に設けられた第2車輪と、第1車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第1移動機構と、第2車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第2移動機構とを備えている。
【0007】
これにより、移動台車には移動方向一端側及び他端側にそれぞれ車輪が設けられ、各車輪は各移動機構によってそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動することから、例えば倉庫内に搬送装置が設けられ、移動台車の移動方向一端側に停車しているトラックの荷台の床面が倉庫の床面よりも低い場合は、移動台車を移動方向一端側に移動し、第1車輪が倉庫の床面から離れるとともに荷台の床面の上方に配置されると、第1車輪を下方に移動させ、移動台車をさらに移動方向一端側に移動し、第2車輪が倉庫の床面から離れるとともに荷台の床面の上方に配置されると、第2車輪を下方に移動させることにより、各車輪がそれぞれ荷台の床面に接地し、移動台車及び搬送コンベアの先端をトラックの荷台内に移動させることができる。即ち、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、各車輪をそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動させることにより、移動台車をトラックの荷台内に移動することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、倉庫の床面とトラックの荷台の床面との間に段差が生ずる場合でも、各車輪をそれぞれ移動台車に対して上下方向に移動させることにより、移動台車をトラックの荷台内に移動することができるので、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベアの先端を短時間で移動することができ、作業効率を向上する上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図8は本発明の一実施形態を示すもので、図1は搬送装置の側面図、図2は搬送装置の要部側面図、図3は倉庫内を移動する際の搬送装置の要部側面図、図4及び図5は倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図、図6はトラックの荷台内において床面の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図、図7はトラックの荷台内において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図、図8はトラックの荷台の後部において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図である。
【0010】
本実施形態の搬送装置は、タイヤTAを保管するための倉庫内に設けられ、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベア10と、搬送コンベア10の先端側に連結され、搬送コンベア10の搬送方向に移動可能な移動台車20とを備えている。
【0011】
搬送コンベア10は、倉庫の床面に設けられた支柱11aによって固定された第1コンベア11と、第1コンベア11によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持された第2コンベア12と、第2コンベア12によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持された第3コンベア13とを有する。即ち、第2コンベア12及び第3コンベア13が搬送方向に移動することにより、搬送コンベア10が搬送方向に伸縮する。各コンベア11,12,13は周知のローラーコンベアからなる。搬送コンベア10はトラックTRに向かって延びており、倉庫内からトラックTRに向かって下方に傾斜している。トラックTRは荷台の後方を倉庫に向けて停車している。即ち、第1コンベア11にタイヤTAを載置すると、タイヤTAは各コンベア11,12,13の傾斜によってトラックTRの荷台側に搬送される。
【0012】
移動台車20は、台車本体30と、台車本体30の上側に固定された駆動コンベア31と、台車本体30に固定され、駆動コンベア31の先端側に配置された載置コンベア32と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、台車本体30に上下方向に傾動可能に支持された第1傾動部材41と、第1傾動部材41よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、台車本体30に上下方向に傾動可能に支持された第2傾動部材42と、第1傾動部材41を傾動させる第1移動機構としての第1シリンダ51と、第2傾動部材42を傾動させる第2移動機構としての第2シリンダ52と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、第1傾動部材41の一端部に回転可能に支持された第1車輪61と、第2傾動部材42の一端部に回転可能に支持された第2車輪62と、第2車輪62よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられた第3車輪63と、第1車輪61と第2車輪63との間に設けられた第4車輪64と、第1車輪61及び第4車輪64を駆動するための駆動機構としての周知のモータ70と、作業者を載置可能な作業台80とを有する。ここで、移動方向一方は倉庫内からトラックTRの荷台に向かう方向である。
【0013】
台車本体30は金属製フレームからなり、各車輪61,62,63,64によって搬送コンベア10の搬送方向に移動可能に支持されている。
【0014】
駆動コンベア31は、搬送コンベア10の搬送方向に延びるように設けられた幅方向一対のフレーム31aと、互いに搬送コンベア10の搬送方向に間隔をおいて配置され、各フレーム31aによってそれぞれ回転可能に支持された複数のローラ31bとを備えている。各フレーム31aはそれぞれ連結部材31cによって第3コンベア13の先端に連結されている。各連結部材31cは各フレーム31aに上下方向に回動可能に連結するとともに、第3コンベア13に上下方向に回動可能に連結している。各ローラ31bは図示しないモータによって駆動される。駆動コンベア31は倉庫内からトラックTRの荷台にかって上方に傾斜している。即ち、駆動コンベア31は第3コンベア13から送り出されたタイヤTAをトラックTAの荷台側に搬送可能である。
【0015】
載置コンベア32は、搬送コンベア10の搬送方向に延びるように設けられた幅方向一対のフレーム32aと、互いに搬送コンベア10の搬送方向に間隔をおいて配置され、各フレーム32aによってそれぞれ回転可能に支持された複数のローラ32bとを備えている。載置コンベア32は倉庫内からトラックTRの荷台に向かって下方に傾斜している。載置コンベア32にはタイヤTAの移動を規制するためのストッパ部材32cが設けられている。即ち、駆動コンベア31から送り出されたタイヤTAは載置コンベア32に載置されるとともに、ストッパ部材32cによってトラックTRの荷台側への移動が規制される。
【0016】
第1傾動部材41は移動台車20の移動方向に延びるように形成され、長さ方向中央側が台車本体30に上下方向に傾動可能に支持されている。第1傾動部材41の一端側は移動台車20の移動方向一端側に延び、第1傾動部材41の他端側は移動台車20の移動方向他端側に延びている。
【0017】
第2傾動部材42は移動台車20の移動方向に延びるように形成され、長さ方向中央側が台車本体30に上下方向に傾動可能に支持されている。第2傾動部材42の一端側は移動台車20の移動方向一端側に延び、第2傾動部材42の他端側は移動台車20の移動方向他端側に延びている。
【0018】
第1シリンダ51は周知の電動シリンダから成り、一端が台車本体30に上下方向に回動可能に連結され、他端が第1傾動部材41の他端部に上下方向に回動可能に連結されている。第1シリンダ51の他端はロッドの先端である。即ち、第1シリンダ51のロッドの移動により、第1傾動部材41の他端側が上下方向に傾動する。
【0019】
第2シリンダ52は周知の電動シリンダから成り、一端が台車本体30に上下方向に回動可能に連結され、他端が第2傾動部材42の他端部に上下方向に回動可能に連結されている。第2シリンダ52の他端はロッドの先端である。即ち、第2シリンダ52のロッドの移動により、第2傾動部材42の他端側が上下方向に傾動する。
【0020】
第1車輪61は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、第1傾動部材41の一端部に回転可能に支持されている。
【0021】
第2車輪62は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、第2傾動部材42の一端部に回転可能に支持されている。第2車輪62は第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に配置されている。
【0022】
第3車輪63は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、台車本体30に回転可能に支持されている。
【0023】
第4車輪64は互いに移動台車20の幅方向に間隔をおいて設けられた一対のゴムタイヤから成り、台車本体30に回転可能に支持されている。
【0024】
モータ70は台車本体30に固定され、モータ70の回転力を第4車輪64に伝達するための第1チェーン71と、第4車輪64の回転力を第1傾動部材41に回転可能に設けられたスプロケット41aに伝達するための第2チェーン72と、スプロケット41aの回転力を第1車輪61に伝達するための第3チェーン73とを有する。
【0025】
作業台80は移動台車20の移動方向一端側に設けられ、台車本体30に固定されている。作業台80上の作業員の腰から胸の高さと載置コンベア32上のタイヤTAの高さとが略等しくなるように、作業台80は台車本体30に固定されている。
【0026】
以上のように構成された搬送装置は、倉庫に荷台の後部を向けて停車しているトラックTRに倉庫内のタイヤTAを積載するために用いられる。トラックTRは箱形の荷台を有し、タイヤTAを積載するために荷台の後部を開口している。また、トラックTRの荷台の床面TFは倉庫の床面MFよりも低い。
【0027】
トラックTRにタイヤTAを積載する場合は、先ず、図3に示すように、移動台車20に対する各車輪61,62,63,64の上下方向の位置を等しくした状態で、倉庫の床面MF上の移動台車20をトラックTR側に移動させる。即ち、移動台車20を移動方向一端側に移動させる。これにより、搬送コンベア10が搬送方向に伸ばされる。
【0028】
次に、図4に示すように、第1車輪61が倉庫の床面MFから離れて荷台の上方に配置されると、移動台車20を停止させ、第1シリンダ51によって第1傾動部材41の一端側を下方に傾動させる。これにより、第1傾動部材41の一端部に支持されている第1車輪61が荷台の床面TFに接地する。
【0029】
続いて、図5に示すように、移動台車20を再び移動方向一端側に移動させ、第2車輪62が倉庫の床面MFから離れて荷台の上方に配置されると、移動台車20を停止させ、第2シリンダ52によって第2傾動部材42の一端側を下方に傾動させる。これにより、第2傾動部材42の一端部に支持されている第2車輪62が荷台の床面TFに接地する。また、移動台車20は第1車輪61及び第2車輪62によってトラックTRの床面TFを移動することができる。
【0030】
即ち、倉庫の床面MFよりもトラックTRの荷台の床面TFが低く、倉庫の床面MFと荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、第1車輪61及び第2車輪62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動させることができる。
【0031】
続いて、移動台車20をトラックTRの荷台内の所定位置に配置し、作業台80上の作業員が載置コンベア32上のタイヤTAをトラックTRの荷台に積載する。ここで、タイヤTAは搬送コンベア10及び駆動コンベア31を介して載置コンベア32まで搬送される。
【0032】
タイヤTAの積載位置が荷台の床面TFの近くである場合は、図6に示すように、第1車輪61及び第2車輪62を移動台車20に対して上方に移動させ、各車輪61,62,63,64の上下方向の位置を等しくする。これにより、作業員は荷台の床面TFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0033】
また、タイヤTAの積載位置が荷台の天板RFの近くである場合は、図7に示すように、第1車輪61及び第2車輪62を移動台車20に対して下方に移動させ、移動台車20をトラックTRの床面TFに対して上方に移動させる。これにより、作業台80が移動台車20とともに上方に移動し、作業員は荷台の天板RFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0034】
さらに、タイヤTAの積載位置が荷台の後方における天板RFの近くである場合は、図8に示すように、第2車輪62を移動台車20に対して下方に移動させるとともに、第1車輪61を第2車輪62よりも下方に移動させる。これにより、移動台車20を荷台の床面TFに対して傾かないように上方に移動することができ、作業員は天板RFの近くにタイヤTAを容易に積載することができる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、搬送方向に伸縮可能な搬送コンベア10の先端に連結された移動台車20と、移動台車20の移動方向一端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第1車輪61と、第1車輪61よりも移動台車20の移動方向他端側に設けられ、移動台車20に対して上下方向に移動自在な第2車輪62とを備えているので、倉庫の床面MFとトラックTRの荷台の床面TFとの間に段差が生じる場合でも、各車輪61,62をそれぞれ移動台車20に対して上下方向に移動させることにより、移動台車20をトラックTRの荷台内に移動することができる。即ち、倉庫の床面MFに設けられ、倉庫の床面MFからトラックTRの荷台の床面TFに延びるスロープを設ける必要がなく、倉庫側からトラックの荷台内に搬送コンベア10の先端を容易に移動させることができる。
【0036】
また、第1シリンダ51によって上下方向に傾動する第1傾動部材41により、第1車輪61を移動台車20に対して上下方向に移動させるようにするとともに、第2シリンダ52によって上下方向に傾動する第2傾動部材42により、第2車輪62を移動台車20に対して上下方向に移動させるようにしたので、上下方向の設計スペースが限られている場合でも、各車輪61,62の上下方向の移動量を大きくすることができる。
【0037】
さらに、各傾動部材41,42をそれぞれ各シリンダ51,52によって傾動させるようにしたので、簡単な構造によって各傾動部材41,42を確実に傾動させることができ、装置の製造コストの低減及び耐久性の向上を図る上で極めて有利である。
【0038】
また、第1車輪61を駆動するための駆動機構70を設けたので、移動台車20を人手によらず移動することができ、トラックTRの荷台内に搬送コンベア10の先端を配置する作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、移動台車20に作業者を載置可能な作業台80を設けたので、各車輪61,62によって移動台車20をトラックTRの荷台の床面TFに対して上下方向に移動させる際に、移動台車20とともに作業台80上の作業者も上下方向に移動する。即ち、タイヤTAを積載する上下方向の位置に応じて作業台80を上下方向に移動することができ、作業者80の負担を軽減する上で極めて有利である。さらに、作業台80は移動台車20とともに上下方向に移動するので、作業台80上の作業者に対する載置コンベア32上のタイヤTAの高さ位置が変化することがなく、作業者の負担をより軽減することができる。
【0040】
また、第2車輪62よりも移動台車20の移動方向他端側に第3車輪63を設けたので、例えば倉庫の床面MFから荷台の床面TFに移動台車20が移動する際に、第2車輪62が何れの床面MF,TFにも接地していない場合でも、移動台車20を第1車輪61及び第3車輪63によって支持することができる。即ち、第2車輪62が接地していない時でも移動台車20の姿勢が安定し、移動台車20を倉庫からトラックTRに円滑に移動させる上で極めて有利である。
【0041】
さらに、第1車輪61と第2車輪62との間に第4車輪64を設けたので、例えば倉庫の床面MFから荷台の床面TFに移動台車20が移動する際に、第1車輪61が何れの床面MF,TFにも接地していない場合でも、移動台車20を第2車輪62及び第4車輪64によって支持することができる。即ち、第1車輪61が接地していない時でも移動台車20の姿勢が安定し、移動台車20を倉庫からトラックTRに円滑に移動させる上で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明における一実施形態を示す搬送装置の側面図
【図2】搬送装置の要部側面図
【図3】倉庫内を移動する際の搬送装置の要部側面図
【図4】倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図
【図5】倉庫からトラックの荷台内に移動する際の搬送装置の要部側面図
【図6】トラックの荷台内において床面の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【図7】トラックの荷台内において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【図8】トラックの荷台の後部において天板の近くにタイヤを積載する際の搬送装置の要部側面図
【符号の説明】
【0043】
10…搬送コンベア、11…第1コンベア、12…第2コンベア、13…第3コンベア、20…移動台車、30…台車本体、31…駆動コンベア、32…載置コンベア、41…第1傾動部材、42…第2傾動部材、51…第1シリンダ、52…第2シリンダ、61…第1車輪、62…第2車輪、63…第3車輪、64…第4車輪、70…駆動機構、71…モータ、80…作業台、TA…タイヤ、TR…トラック、MF…倉庫の床面、TF…荷台の床面、RF…荷台の天板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端側に連結され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車によって搬送コンベアの先端を搬送方向任意の位置に移動可能な搬送装置において、
移動台車の移動方向一端側に設けられた第1車輪と、
第1車輪よりも移動台車の移動方向他端側に設けられた第2車輪と、
第1車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第1移動機構と、
第2車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第2移動機構とを備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第1移動機構を、移動台車に上下方向に傾動可能に支持され、一端部に第1車輪を回転可能に支持する第1傾動部材と、第1傾動部材を移動台車の上下方向に傾動させる第1傾動機構とから構成し、
前記第2移動機構を、移動台車に上下方向に傾動可能に支持され、一端部に第2車輪を回転可能に支持する第2傾動部材と、第2傾動部材を移動台車の上下方向に傾動させる第2傾動機構とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1車輪及び第2車輪の少なくとも一方を駆動する駆動機構を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記移動台車に作業者を載置可能な作業台を設けた
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第2車輪よりも移動台車の移動方向他端側に第3車輪を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1車輪と第2車輪との間に第4車輪を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の搬送装置。
【請求項1】
搬送方向に伸縮可能な搬送コンベアと、搬送コンベアの先端側に連結され、搬送コンベアの搬送方向に移動可能な移動台車とを備え、移動台車によって搬送コンベアの先端を搬送方向任意の位置に移動可能な搬送装置において、
移動台車の移動方向一端側に設けられた第1車輪と、
第1車輪よりも移動台車の移動方向他端側に設けられた第2車輪と、
第1車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第1移動機構と、
第2車輪を移動台車に対して上下方向に移動させる第2移動機構とを備えた
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第1移動機構を、移動台車に上下方向に傾動可能に支持され、一端部に第1車輪を回転可能に支持する第1傾動部材と、第1傾動部材を移動台車の上下方向に傾動させる第1傾動機構とから構成し、
前記第2移動機構を、移動台車に上下方向に傾動可能に支持され、一端部に第2車輪を回転可能に支持する第2傾動部材と、第2傾動部材を移動台車の上下方向に傾動させる第2傾動機構とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1車輪及び第2車輪の少なくとも一方を駆動する駆動機構を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記移動台車に作業者を載置可能な作業台を設けた
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第2車輪よりも移動台車の移動方向他端側に第3車輪を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1車輪と第2車輪との間に第4車輪を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−76756(P2007−76756A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263343(P2005−263343)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
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