説明

搬送装置

【課題】簡易な構成で、搬送路上から姿勢不良の部品を容易に排出することができる搬送装置を提供すること。
【解決手段】開口部を有する有底筒状の反応容器2を、開口部の端部を上方へ向けて突出させた状態で保持しながら直線上を搬送する搬送路7と、搬送路7に固定され、搬送路7に対して搬送路7が延びる方向に沿った振動を発生させる振動発生部6と、搬送路7の途中で搬送路7の上端よりも上方を通過する先端部9cを有し、開口部の端部が上方を向いていない状態で搬送路7によって保持される反応容器2を搬送路7から排除する排除部材9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を振動によって搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品等の部品を振動によって供給場所まで搬送する搬送装置が知られている(特許文献1参照)。この搬送装置は、搬送路上の部品の姿勢を光学的に検出する姿勢検出手段と、姿勢検出手段が検出した姿勢不良の部品を空気によって搬送路上から吹き飛ばすことによって排出する排出手段とを有する。このような構成を有する搬送装置によれば、搬送路上の姿勢不良の部品を検出して排出することにより、姿勢不良の部品によって生じる搬送路の詰まりを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−264431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した搬送装置は、搬送路以外に姿勢検出手段および排出手段を設けなければならないうえ、姿勢検出手段および排出手段に対してそれぞれ電源を供給する機構が必要であった。このため、装置の構成が複雑であるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、搬送路上から姿勢不良の部品を容易に排出することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の搬送装置は、開口部を有する有底筒状の反応容器を、前記開口部の端部を上方へ向けて突出させた状態で保持しながら直線上を搬送する搬送路と、前記搬送路に固定され、前記搬送路に対して該搬送路が延びる方向に沿った振動を発生させる振動発生部と、前記搬送路の途中で前記搬送路の上端よりも上方を通過する先端部を有し、前記開口部の端部が上方を向いていない状態で前記搬送路によって保持される前記反応容器を該搬送路から排除する排除部材と、を備え、前記先端部は、前記搬送路の上方から見たとき前記反応容器が搬送される方向に沿った前記搬送路との重なりが徐々に大きくなるように前記搬送路を斜め方向に横断する端面を有し、前記反応容器が前記開口部の端部が鉛直上方を向いた状態で搬送される場合の前記反応容器の上端よりも高く、かつ前記搬送路の上端からの高さが前記反応容器の最大径以下である領域を通過することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記先端部は、平板状をなし、前記端面がテーパ状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記先端部の板面は、前記搬送路の上端を通過する平面と平行であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記先端部の板面は、前記搬送路の上端を通過する平面と交差し、かつ前記反応容器が搬送される方向に沿って斜め上方に延びる平面を通過することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記排除部材は、前記振動発生部に取り付けられ、平板状をなす底部と、前記底部の端部から前記底部の板面に対して斜め方向に平板状をなして延び、前記底部と前記先端部とを連結する腕部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記排除部材は、板ばねによって形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる搬送装置は、上記発明において、前記搬送路の鉛直上方から前記搬送路へ落下してくる前記反応容器を前記搬送路へ案内するガイド部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる搬送装置は、排除部材が、搬送路の途中で搬送路の上端よりも上方を通過する先端部を有し、この先端部が、搬送路の上方から見たとき反応容器が搬送される方向に沿った搬送路との重なりが徐々に大きくなるように搬送路を斜め方向に横断する端面を有し、反応容器が開口部の端部が鉛直上方を向いた状態で搬送される場合の反応容器の上端より高く、かつ搬送路の上端からの距離が反応容器の最大径以下である領域を通過する。これにより、簡易な構成で、搬送路から姿勢不良の反応容器を容易に排出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置を備える反応容器供給装置の概略構成の側面について一部を破断して示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置の斜視図である。
【図3】図3は、図2の矢視A方向から見た側面図である。
【図4】図4は、図2の矢視B方向から見た正面図である。
【図5】図5は、図4の矢視C方向から見た模式図である。
【図6】図6は、図2に示した排除部材の斜視図である。
【図7】図7は、図6の矢視D方向から見た側面図である。
【図8】図8は、図6の矢視E方向から見た平面図である。
【図9】図9は、側板の一部を破断した搬送装置の動作を示す動作図である。
【図10】図10は、図2の矢視A方向から見た排除部材の作用を示す図である。
【図11】図11は、図4の矢視C方向から見た排除部材の作用を示す平面図である。
【図12】図12は、本発明の一実施の形態の第1変形例にかかる排除部材の斜視図である。
【図13】図13は、図12の矢視F方向から側面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施の形態の第2変形例にかかる排除部材の斜視図である。
【図15】図15は、図14の矢視G方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明にかかる搬送装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0016】
本発明の一実施の形態にかかる搬送装置は、検体と試薬とを反応させ、この反応液の光学的な発光量に基づいて検体を分析する自動分析装置で使用される部品、例えばディスポーザブル型の反応容器を搬送する。また、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置は、例えば自動分析装置に供給する反応容器供給装置内に組み込まれる。このため、反応容器供給装置の構成の説明とあわせて、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置を備えた反応容器供給装置の概略構成の側面の一部を破断して示す図である。図1に示すように、反応容器供給装置1は、複数の反応容器2を収容する収容部3から反応容器2を一本ずつ掬い上げて移送する反応容器移送装置4と、反応容器移送装置4によって移送される反応容器2を振動によって搬送する搬送装置5と、を備える。反応容器供給装置1は、これらの二つの装置が連携することによって複数の反応容器2を自動分析装置(図示せず)に供給する。
【0018】
まず、反応容器移送装置4について説明する。図1に示すように、反応容器移送装置4は、移送部4aおよび駆動部4bを有する。移送部4aは、ベルトコンベア等によって実現され、循環する無端状のベルト上に設けられた複数の保持板4cによって収容部3内の反応容器2を一本ずつ掬い上げて移送する。駆動部4bは、モータおよびプーリ等によって実現され、プーリ4dを介してモータの回転による駆動力をベルトに伝達することによって、移送部4aを図中の矢印方向(a)に移動させる。これにより、反応容器移送装置4は、収容部3から反応容器2を掬い上げ、反応容器2を保持板4cに保持させた状態で移送部4aの頂上まで上昇させて搬送装置5に向けて落下させる。
【0019】
次に、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置5について説明する。図2は、本発明の一実施の形態にかかる搬送装置の斜視図である。図3は、図2の矢視A方向から見た側面図である。図4は、図2の矢視B方向から見た正面図である。
【0020】
搬送装置5は、図2〜図4に示すように、振動発生部6、搬送路7、ガイド部材8および排除部材9を有する。搬送装置5は、反応容器移送装置4を介して落下してくる反応容器2を受け止め、受け止めた反応容器2を振動によって移送する。反応容器2は、図2〜図4に示すように、開口部を有する有底筒状に形成された基部2aと、基部2aの開口部の上端側に形成されたフランジ部2bとを有する。
【0021】
振動発生部6は、図2および図3に示すように、台座6a、電磁石6b、振動台6cおよび2本の板ばね6dを有する。台座6aは、上面に電磁石6bが載置される。2本の板ばね6dは、台座6aおよび振動台6cの長手方向の各端部にそれぞれ取り付けられる。台座6aと振動台6cとの各端部は、同じ傾斜角度で傾斜して傾斜面を形成する。台座6aと振動台6cとの傾斜面は、同じ平面を通過する。このように構成された振動発生部6は、電磁石6bに電気が通電することによって振動台6cが所定の振動数、例えば25〜50Hzの振動数で振動を開始し、板ばね6dの上端が下端を支点として揺動する結果、振動台6cが前後方向(図2および図3に示す矢印方向(b))に振動する。
【0022】
搬送路7は、搬送レール部材7aおよび支持部材7bを有する。左右の搬送レール部材7aは、板状の部材であり、振動台6cの上端面に亘って形成されるとともに、一端が斜めに形成されている。左右の搬送レール部材7aは、スペーサS1を介して連結されている。左右の搬送レール部材7aは、図4に示すように、略凹状の溝Dを形成する。支持部材7bは、図4に示すように、搬送路7が延びる方向から見て略L字状に形成される。支持部材7bは、搬送レール部材7aを支持する。これによって、台座6aが水平に載置されることで搬送レール部材7aの上端面71aが水平になる。支持部材7bは、振動発生部6の振動を搬送レール部材7aに伝達する。
【0023】
搬送路7は、反応容器移送装置4を介して落下してくる複数の反応容器2を振動発生部6から伝達される振動によって、反応容器2の開口部を上方へ向けて突出させた状態で保持しながら直線上を搬送する。具体的には、搬送路7は、図4に示すように、溝Dの幅R2が反応容器2の基部2aの幅r1をより広く形成され、かつ反応容器2のフランジ部2bの幅r2より狭く形成される(r1<R2<r2)。これにより、搬送路7は、反応容器2のフランジ部2bの下端面を左右の搬送レール部材7aの上端面71aに載置させるようにして保持する。搬送路7は、振動発生部6から伝達される振動によって、ガイド部材8から遠ざかる方向(図2および図3の矢印方向(b))に反応容器2を搬送する。
【0024】
ガイド部材8は、供給部材8aと供給部材8bとを有する。供給部材8aは、搬送レール部材7aにねじ止めされる側板8cと、搬送路7の溝Dに向かって斜めに傾斜する傾斜板8dとを有する。供給部材8aは、一枚の板を折り曲げることによって、側板8cと傾斜板8dとが一体に形成される。側板8cは、図3に示すように、略L字状に形成され、搬送レール部材7aの外側の側面に沿って傾斜板8dから遠ざかる方向に向けて延ばされ、搬送路7の溝Dから反応容器2が外側に抜け落ちることを防止する。供給部材8bは、搬送レール部材7aにねじ止めされる側板8eと、搬送路7の溝Dに向かって斜めに傾斜する傾斜板8fとを有する。供給部材8bは、供給部材8aと同様に、一枚の板を折り曲げることによって、側板8eと傾斜板8fとが一体に形成される。側板8eは、矩形状に形成される。側板8eの長手方向の幅は、側板8cの長手方向の幅よりも短く形成される。ガイド部材8は、搬送路7の鉛直上方から搬送路7へ落下してくる反応容器2を搬送路7の溝Dへ案内する。具体的には、ガイド部材8は、傾斜板8d,8fによって反応容器移送装置4を介して落下してくる反応容器2を受け止めて搬送路7の溝Dに案内して供給する。側板8c,8eは、左右の搬送レール部材7aの上端面71aの領域を挟み込むように覆うことで、反応容器2が搬送路7の溝Dから抜け落ちることを防止する。
【0025】
排除部材9は、振動台6cの上面に取り付けられるとともに、搬送路7の搬送方向に沿って配置され、振動発生部6の振動に同期して振動する。排除部材9は、搬送路7の途中で搬送路7の上端よりも上方を通過する先端部9cを有する。排除部材9は、反応容器2の開口部の端部が上方を向いていない状態で搬送路7によって保持される反応容器2を搬送路7から排除する。ここで、排除部材9について、図5〜図8を参照して詳細に説明する、図5は、図4の矢視C方向から見た模式図である。図6は、排除部材の斜視図である。図7は、図6の矢視Dから見た側面図である。図8は、図6の矢視Eから見た平面図である。
【0026】
排除部材9は、図5〜図8に示すように、帯状に形成された底部9aと、底部9aの端部から底部9aの板面に対して斜め方向へ延びる腕部9bと、腕部9bの端部から底部9aと平行に延びる平板状をなす先端部9cとを有する。排除部材9は、一枚の板ばねを折り曲げることによって、底部9aと腕部9bと先端部9cとが一体に形成される。先端部9cは、図5に示すように、搬送路7の上方から見たとき反応容器2が搬送される方向に沿った搬送路7との重なりが徐々に大きくなるように搬送路7を斜めに横断する端面9dを有する。先端部9cは、端面9dがテーパ状に形成される。先端部9cは、反応容器2が開口部の端部が鉛直方向を向いた状態で搬送される場合の反応容器2の上端よりも高く、かつ搬送路7の上端からの高さが反応容器2の最大径以下である領域を通過する。具体的には、先端部9cは、図3に示すように、搬送路7の搬送レール部材7aの上端面71aからの距離R1が反応容器2のフランジ部2bの最大径r2以下である領域Zを通過する(R1<Z<r2)。先端部9cの板面は、搬送路7の搬送レール部材7aの上端面71aを通過する平面と平行をなす。
【0027】
以上のように構成された搬送装置5は、振動発生部6が搬送路7に対して搬送路7が延びる方向に沿った振動を発生させることにより、搬送路7が保持する複数の反応容器2をガイド部材8から遠ざかる方向(図2および図3に示す矢印方向(b))へ搬送する。
【0028】
このとき、搬送装置5は、反応容器移送装置4を介して複数の反応容器2が搬送路7に供給されるが、姿勢不良の反応容器2が搬送路7に供給される場合がある。この場合において、上述した排除部材9の作用について、図9〜図11を参照して説明する。図9は、図2の矢視A方向から見た側板8cの一部を破断した搬送装置の動作を示す動作図である。図10は、図2の矢視B方向から見た排除部材の作用を示す図である。図11は、図4の矢視C方向から見た排除部材の作用を示す平面図である。
【0029】
まず、複数の反応容器2は、ガイド部材8を介して、搬送路7内に供給される(図9(状態A))。このとき、供給される複数の反応容器2の中から姿勢不良の反応容器2が生じたとする。ここで、姿勢不良の反応容器2とは、図9に示すように、一つの反応容器2が別の反応容器2に重なり合うことによって、搬送路7に正立した状態で保持されず、倒伏した状態の反応容器2である。
【0030】
その後、姿勢不良の反応容器2は、振動発生部6が揺動することによって、搬送路7に保持されながら傾斜板8fから遠ざかる方向に搬送される(図9(状態B))。このとき、姿勢不良の反応容器2は、排除部材9の先端部9cに接触することによって、搬送路7の溝D内から弾き飛ばされる。具体的には、図10および図11に示すように、先端部9cが姿勢不良の反応容器2の搬送方向を搬送路7の外側である矢印方向(c)へ強制的に変更する。これにより、姿勢不良の反応容器2は、搬送路7の溝Dから排除される。なお、排除された反応容器2は、搬送装置5の近傍であって弾き飛ばされる方向の下方に設けられた反応容器回収部(図示せず)に回収される。回収された反応容器2は、再度、操作者によって図1に示した収容部3に戻されて再利用される。
【0031】
本発明の一実施の形態にかかる搬送装置5は、排除部材9が、搬送路7の途中で搬送路7の上端よりも上方を通過する先端部9cを有し、この先端部9cが、搬送路7の上方から見たとき反応容器2が搬送される方向に沿った搬送路7との重なりが徐々に大きくなるように搬送路7を斜め方向に横断する端面9dを有し、反応容器2が開口部の端部が鉛直上方を向いた状態で搬送される場合の反応容器2の上端より高く、かつ搬送路7の上端からの距離が反応容器2の最大径以下である領域を通過する。これにより、簡易な構成で、搬送路7から姿勢不良の反応容器2を容易に排出することができる。また、排除部材9が、振動発生部6の振動に同期して振動するので、姿勢不良の反応容器2に対して搬送路7内から外側に弾き出す力を大きくしてより確実に排除することができる。さらに、排除部材9が、板ばねによって形成されているため、振動発生部6の振動を効率よく伝達することができる。
【0032】
本発明の一実施の形態において、排除部材の形状を変更することも可能である。図12は、本発明の一実施の形態の第1変形例にかかる排除部材の斜視図である。図13は、図12の矢視F方向から見た平面図である。図12および図13に示す排除部材20は、上述した排除部材9と同様に、帯状に形成された底部20aと、底部20aの端部から底部20aの板面に対して斜め方向へ延びる腕部20bと、腕部20bの端部から底部20aの板面を通過する平面と交差し、底部20aの板面に対して斜め上方に延びる平板状をなす先端部20cと有する。具体的には、先端部20cは、図13に示すように、先端部20cは、底部20aの板面をと平行な平面に対して角度θ(0<θ<90度)をなす。これにより、先端部20cは、姿勢不良の反応容器2を持ち上げるように弾き飛ばすことによって排除する。この結果、排除部材20は、姿勢不良の反応容器2を搬送路7からより確実に排除することができる。
【0033】
図14は、本発明の一実施の形態の第2変形例にかかる排除部材の斜視図である。図15は、図14に示す矢視G方向から見た側面図である。図14および図15に示す排除部材30は、帯状に形成された固定部30aと、固定部30aの端部から短手方向へ延びる底部30bと、底部30bの端部から斜め方向へ延びる第1の腕部30cと、第1の腕部30cの端部から底部30bと平行に延びる段部30dと、段部30dの端部から固定部30aに対して斜め上方に延びる第2の腕部30eと、第2の腕部30eの端部から底部30bに対して平行に延びる平板状をなす先端部30fとを有する。排除部材30は、上述した本発明の一実施の形態のように、姿勢不良の反応容器2を搬送路7から排除することができる。
【0034】
また、本発明の一実施の形態では、排除部材9は、高価な部材を必要することなく、板ばね等で実現できるため、安価な構成で実現することができる。さらに、排除部材9は、搬送路7が設けられた振動台6cの余った場所に設けているので、別途設置場所を用意する必要がない。
【0035】
また、本発明の一実施の形態では、排除部材9,20,30は、板ばねによって形成されていたが、振動発生部6の振動を伝達することができればよく、たとえば、プラスチックやステンレス等によって形成されてもよい。
【0036】
また、本発明の一実施の形態では、先端部9c,20c,30fは、端面がテーパ状をなす平板状に形成されていたが、搬送路7の上方から見たとき反応容器2が搬送される方向に沿った搬送路7との重なりが徐々に大きくなるように搬送路7を斜め方向に横断することができればよく、例えば板面が楕円や半円をなす平板状に形成するようにしてもよい。
【0037】
また、本発明の一実施の形態では、排除部材9,20,30は、振動台6cに取り付けられていたが、先端部9c,20c,30fが搬送路7を正常に搬送される場合の反応容器2の開口部よりも高い位置であって、搬送路7の上端からの距離が反応容器2の最大径よりも小さい位置を通過することができればよく、例えば搬送レール部材7aまたは台座6aに取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 反応容器供給装置
2 反応容器
2a 基部
2b フランジ部
3 収容部
4 反応容器移送装置
4a 移送部
4b 駆動部
4c 保持板
4d プーリ
5 搬送装置
6 振動発生部
6a 台座
6b 電磁石
6c 振動台
6d 板ばね
7 搬送路
7a 搬送レール部材
7b 支持部材
8 ガイド部材
8a,8b 供給部材
8c,8e 側板
8d,8f 傾斜板
9,20,30 排除部材
9a,20a,30b 底部
9b,20b 腕部
9c,20c,30f 先端部
9d 端面
30a 固定部
30c 第1の腕部
30d 段部
30e 第2の腕部
71a 上端面
D 溝
S1 スペーサ
Z 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する有底筒状の反応容器を、前記開口部の端部を上方へ向けて突出させた状態で保持しながら直線上を搬送する搬送路と、
前記搬送路に固定され、前記搬送路に対して該搬送路が延びる方向に沿った振動を発生させる振動発生部と、
前記搬送路の途中で前記搬送路の上端よりも上方を通過する先端部を有し、前記開口部の端部が上方を向いていない状態で前記搬送路によって保持される前記反応容器を該搬送路から排除する排除部材と、
を備え、
前記先端部は、
前記搬送路の上方から見たとき前記反応容器が搬送される方向に沿った前記搬送路との重なりが徐々に大きくなるように前記搬送路を斜め方向に横断する端面を有し、
前記反応容器が前記開口部の端部が鉛直上方を向いた状態で搬送される場合の前記反応容器の上端よりも高く、かつ前記搬送路の上端からの高さが前記反応容器の最大径以下である領域を通過することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記先端部は、平板状をなし、前記端面がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記先端部の板面は、前記搬送路の上端を通過する平面と平行であることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記先端部の板面は、前記搬送路の上端を通過する平面と交差し、かつ前記反応容器が搬送される方向に沿って斜め上方に延びる平面を通過することを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記排除部材は、
前記振動発生部に取り付けられ、平板状をなす底部と、
前記底部の端部から前記底部の板面に対して斜め方向に平板状をなして延び、前記底部と前記先端部とを連結する腕部と、
を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記排除部材は、板ばねによって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記搬送路の鉛直上方から前記搬送路へ落下してくる前記反応容器を前記搬送路へ案内するガイド部材を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−136802(P2011−136802A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298039(P2009−298039)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】