説明

搭乗セキュリティチェックシステムおよび方法ならびにコンピュータプログラム

本発明は、チェックインから搭乗に至る一連の手続きの流れをセキュリティブース6内において旅客自身によりセルフで実施する構成としたものである。セキュリティブース6内では、搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に
登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行い、機内持込手荷物の検査により搭乗規定に違反がないことを確認して退場を許可する。また、預かり手荷物がある場合、セキュリティブース6内に設置した手荷物預かり装置で、当該荷物預かり装置に入れられた荷物に付属するタグを読取り、形状や重量の手荷物預かり規定に違反がないことを確認して手荷物をあずかる。更に、セキュリティブース6の入場認証時に本人認証情報(顔画像)を登録し、この情報を基に、媒体(搭乗券や顧客カード等)を利用せずに、搭乗ゲートまでの動線上のトレーサビリティと搭乗チェックに利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、航空機へ搭乗する際に行われる旅客と手荷物のチェックイン手続きをコンピュータによって実行する、搭乗セキュリティチェックシステムおよび方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
航空機へ搭乗する際、旅客は、自身と機内持込手荷物および預かり荷物のチェックイン手続きを済ませることが要求される。図11、図12に、従来のチェックイン手続きの流れが示されている。
旅客は、空港待合室から搭乗ゲートへ移動するために、まず、自動チェックイン機(SCM)を含むチェックインカウンタでチェックイン手続きを行い(図11▲1▼、図12:S111)、航空チケットを搭乗券に交換する(S112)。そして、セキュリティチェックゲートに行き(図11▲2▼、▲3▼’)、空港係員にその搭乗券を見せ、X線画像検査装置による機内持込手荷物の検査を行い(S116)、また、セキュリティチェックゲートを潜って金属探知機によるセキュリティチェックを受ける(S117)。そして、搭乗待合室での搭乗案内を待ち、搭乗ゲートでの搭乗チェックに至る(S118)。
一方、預かり荷物について、旅客は、チェックイン手続き終了後、手荷物預かりカウンタで空港係員に搭乗券を渡すことにより(図11▲2▼’)、行き先他の情報が読取られ、手荷物タグが発行される(S113)。そして、空港係員により預かり手荷物の寸法や重量の計測がなされ、その預かり手荷物にタグが貼付され(S114)、手荷物仕分け装置を経由して飛行機搭載装置に搬送される。旅客は、空港係員から手荷物バゲージクレイムを渡され(S115)、到着空港で手荷物タグのバゲージクレイム番号を照合することで預かり手荷物が返却される。このとき手荷物タグに記載される情報はバゲージクレイム番号と到着地名称と航空会社名称と便名と、これらを認識できるバーコードである。
ところで、チェックイン手続やセキュリティチェックの自動化について、従来から多数提案され、特許出願されている。例えば、航空機搭乗におけるチェックイン、セキュリティチェック、搭乗に関する手続きを旅客が携帯する非接触式のICカードで行い、スムーズに手続きを行うとともに、チェックポイントを増やして旅客が通過した場所を把握し、かつ、セキュリティチェック場所でICカードに記載された旅客情報とセキュリティチェックした情報を関連付けて保存し、セキュリティ性を向上させた空港内総合ICカードシステム(特許第3315884号)、セキュリティチェックを行うゲートにおいて、状況に応じてチェックする強度や内容を変更するゲート管理システム(特開2001−167305号)、ICタグやICカードを利用し、旅客の預け手荷物と旅客自身の動きを把握して搭乗の安全を確保し、旅客本人の搭乗実績によりセキュリティチェックの強度を変更し、航空輸送の特徴である、旅客と手荷物が別々に航空機に搭載される問題を解決するセキュリティ管理システム(特開2001−306659号)、自動車の駐車場において、入出場の判断基準の組み合わせとそのデータベースの保存方法や装置を用いて入出場の判断を行う駐車場管理システム(特開2003−22459号)、影像付ICカードに旅券機能/搭乗券機能/クレジットカード機能を持たせたパスポートと、このICカードを発行するための仕組みに関する出入国管理用カードシステム(特開2002−30448号)、航空搭乗において、チェックインしたい人が任意の場所で順番待ちのボードに登録し、その順番に従ってチェックインを行うチェックイン・待ち行列・ビザ・呼び出し・評価システム(特表平10−502470号)等々である。
前記した各出願を含む従来システムによれば、ICカードやICタグを旅客や手荷物に携帯させることによってスムーズな手続き、ならびに安全確実な旅客や手荷物の管理を行うことができる。また、旅客の行動を追跡管理することで必要に応じて旅客の居場所を確認することが可能である。
しかしながら、航空機への搭乗時におけるチェックイン手続き、手荷物預かり、機内持込み手荷物検査と携帯物金属検査のセキュリティチェックは、それぞれ異なる場所で実施され、旅客はそれぞれの場所で搭乗券など搭乗を証明する媒体を提示し、手続きを行う必要があり、面倒で混雑の原因となっていた。
従って、本発明の目的は、旅客が何度も異なる場所で手続きを行う必要をなくし、動線を短く簡略化して旅客サービスの向上を図った、搭乗セキュリティチェックシステムおよび方法ならびにコンピュータプログラムを提供することにある。
【発明の開示】
前記した課題を解決するために、本発明は、チェックインから搭乗に至る一連の手続きの流れをセキュリティブース6内において旅客自身によりセルフで実施する構成としたものである。セキュリティブース6内では、搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行い、機内持込手荷物の検査により搭乗規定に違反がないことを確認して退場を許可する。また、預かり手荷物がある場合、セキュリティブース6内に設置した手荷物預かり装置で、当該手荷物預かり装置に入れられた手荷物に付属するタグを読取り、形状や重量の手荷物預かり規定に違反がないことを確認して手荷物をあずかる。
更に、セキュリティブース6の入場認証時に本人認証情報を登録し、この情報を基に、媒体(搭乗券や顧客カード等)を利用せずに、搭乗ゲートまでの動線上のトレーサビリティと搭乗チェックに利用する。
本発明によれば、旅客が何度も異なる場所で手続きを行う必要をなくし、動線を短く簡略化して旅客サービスの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施形態で使用されるセキュリティブースの概要を説明するために引用した図である。
第2図は、第1図のセキュリティブースを使用した場合の、チェクインから搭乗に至る諸手続の流れを説明するために引用した概念図である。
第3図は、本発明における搭乗セキュリティチェックシステムの接続形態の一例を示す図である。
第4図は、第1図〜第3図におけるセキュリティブースの一実施形態を示すブロック図である。
第5図は、第3図における空港サーバが持つ各種DBのデータ構造の一例を示す図である。
第6図は、本発明における搭乗セキュリティチェックシステムが旅客の行動追跡管理を行う場合の構成を機能展開して示したブロック図である。
第7図は、本発明の実施形態の全体動作の概略を説明するために引用したフローチャートである。
第8図は、本発明における第一の実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
第9図は、本発明における第二の実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
第10図は、本発明における第三の実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
第11図は、従来のチェクインから搭乗に至る諸手続の流れを説明するために引用した概念図である。
第12図は、従来のチェクインから搭乗に至る諸手続の流れを説明するために引用した動作シーケンス図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明実施形態で使用されるセキュリティブースの概要を説明するために引用した図である。セキュリティブース6には本発明の搭乗セキュリティシステムが構築され、図1に示されるように、個室化された閉空間内にあって、自動ドア入り口に例えば、カードリーダ621とネットワークカメラ630が設置され、ブース内部には手荷物預かり装置628、X画像線検査装置625、金属探知機626等をセキュリティチェックのための設備として備えている。
セキュリティブース6は、前記したカードリーダ621で搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行う。そして、X線画像検査装置625、金属探知機626等のセキュリティチェックのための設備を使用して機内持込手荷物102の検査を行い、搭乗規定に違反がないことを確認して搭乗ゲートへの案内を行う。また、預かり手荷物100がある場合、ブース内に設置された手荷物預かり装置628で預かり手荷物の預け入れの判定を行う。具体的には、預かり手荷物100に付属する手荷物タグ101に記録された情報(以下、「手荷物タグ情報」と適宜略称する。)を読取って、今、ブース内に入った旅客の顧客情報にマッチしたタグかどうか照合を行い、センサにより形状や重量などの手荷物預かり規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる。
チェックインから搭乗ゲートに入るまでの概略流れを説明すれば以下のようになる。すなわち、セキュリティブース6に旅客が一人ずつ入り、ここで、前記したチェックイン、手荷物預かり、セキュリティチェックに至る一連の手続きが連続して行われる。具体的に、セキュリティブース6では、入り口で顧客カードあるいは搭乗券を読取り、事前に登録済みの搭乗予約データと関連付ける。更に、前記したセキュリティチェックのためにブース内に設置された各設備による検査結果とも関連付けて保存する。従って、検査を自動化しても問題が生じることはない。自動判定がNGだった場合にのみ有人による開梱検査がなされることになる。また、本人認証によって手荷物も自動で預かることができる。
従来、有人対応していたこれら一連の手続を旅客がセルフで行うものであり、図2に示すように、旅客はセキュリティブースで手続きを一度するだけで、搭乗ゲートへ向かうことができる。また、空港各社の人員削減効果は勿論のこと、旅客一人が通るスペースのみ確保すればセキュリティブース6を設置でき、設置スペースの削減にも寄与する。なお、顔認証データを撮影しておけば搭乗時における搭乗券の検査を行うことなく顔認証で通過が可能である。顔認証データを撮影するのは、セキュリティブース6を退場した後の搭乗ゲートや、旅客の行動追跡管理に使用するためである。搭乗ゲートでは、その飛行機に搭乗する人、および撮影した当日のデータのみであるため、視認率が高く、検索が容易である。
図3は、本発明における搭乗セキュリティチェックシステムの接続形態の一例を示す図である。図3に示されるように、本発明の搭乗セキュリティチェックシステムが構築されるセキュリティブース6は、空港サーバ3を介し、航空本社にある予約搭乗ホストや顧客管理ホスト1とは、例えばWAN(Wide Area Network)4経由で接続される。予約搭乗ホストや顧客管理ホスト1は、例えばIP(Internet Protocol)網を介して顧客端末2に接続され、旅客が顧客端末2を操作することによりIP網経由で搭乗予約を行ったときの搭乗予約情報および顧客情報を管理するセンタDB(data Base)を備えている。
空港サーバ3は、空港毎に設置され、セキュリティブース6とは、例えばLAN(Local Area Network)9経由で接続される。空港サーバ3は、全空港、全日の予約が登録してある予約搭乗ホストや全顧客のデータを登録してある顧客管理ホスト1から当日の該当空港のデータを必要に応じてダウンロードしてローカルなデータベース(搭乗予約DB31、顧客DB32)を作成し、後記するセキュリティブース6からの問合せに応じる。空港サーバ3は、各種DBとして、前記した予約搭乗ホストおよび顧客管理ホスト1が管理するデータの一部写しである搭乗予約DB31、顧客DB32、そして、空港サーバ3が作成し管理する本人認証DB33、セキュリティチェックDB34を備える。なお、LAN9には、他に、複数の搭乗ゲート端末7や、セキュリティブース6入り口に設置された撮影カメラを含む複数のネットワークカメラ8(NWカメラ#1〜#n)も接続されている。
搭乗予約DB31、顧客DB32、本人認証情報登録DB33、セキュリティチェックDB34のデータ構造の一例は、図5に示されている。
図5(a)に示されるように、搭乗予約DB31には、搭乗予約時、旅客によって申し込まれる「搭乗予約情報」、具体的には、出発予定日、行き先、便名、PNR(パッセンジャーネームレコード:名前・電話番号・年齢)その他のデータ項目が設定され、顧客コードと共に割付けられ記録される。また、図5(b)に示されるように、顧客DB32には、会員登録時、申込者に対し航空各社から配布される顧客カードに記録され打刻される顧客コード、住所、氏名、電話番号等の個人情報、更には後記する「本人識別情報(パスワード等)」がデータ項目として割付けられ記録される。
一方、図5(c)に示されるように、本人認証情報登録DB33には「本人認証情報」が格納され、具体的には、顧客コードと画像情報(セキュリティブース入り口で撮影カメラにより撮影された本人の顔画像データ)がデータ項目として割付けられる。また、図5(d)に示されるように、セキュリティチェックDB34には、顧客コードと検査データの他に、通過データが割付けられ記録される。検査データとは、検査設備として設置されるX線画像検査装置、金属探知機等による検査結果であり、通過データとは、空港内の任意のポイントを通過したか否かを後記する顔画像に基づく本人認証(画像処理結果)によって示される情報であり、ここでは本人認証が得られたポイントの位置情報(NWカメラ8の設置場所)、およびタイムスタンプが記録される。
前記した搭乗予約DB31、顧客DB32、本人認証DB33、セキュリティチェックDB34は、いずれも顧客コードによってリンクされる。
図4は、図1〜図3に示すセキュリティブースの内部構成の一例を示すブロック図である。
セキュリティブース6は、制御装置部61と周辺装置部62に大別される。制御装置部61は、空港サーバ3と連携してチェックインから搭乗に至る一連の流れを統括制御し、周辺装置部62は、制御装置部61による管理の下、周辺装置として設備される各装置の制御を行う。
制御装置部61は、セキュリティブース管理部612を制御中枢とし、NWインタフェース部611、プログラムメモリ613、ワークメモリ614、入場認証部615、手荷物預かり認証部617、セキュリティ判定部618で構成される。
NWインタフェース部611は、空港サーバ3とのインタフェースを司り、セキュリティブース管理部612は、プログラムメモリ613に格納されたプログラムを逐次読み出し実行することでワークメモリ614を使用してセキュリティブース6を構成する各ブロックの動作管理を行う。具体的には、NWインタフェース部611を介して接続される空港サーバ3との交信により、後記する入場認証、本人認証(顔画像撮影)、手荷物預かり認証を行い、当該認証結果に基づくブース出入り口のドア開閉指令、および各検査設備に対する検査指令の発行を含む一連のシーケンスを制御する。
入場認証部615は、搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して旅客の入場認証を行い、周辺装置部62のドア開閉制御装置623を駆動してブース入り口の開閉制御を行う。更に、手荷物預かり認証部617は、手荷物を預ける人物がその飛行機に搭乗する旅客であるか否かを確認する。具体的には、当該人物の所持する搭乗券や顧客カード、あるいは、預かり手荷物100に付属の手荷物タグ101等に記録された情報を読取り、これらに関連付けて登録されている搭乗予約情報及び個人情報と照合して手荷物預かり認証を行う。なお、手荷物タグには、旅客を特定することができるID(例えば顧客コード、または、顧客コードと関連付けられたダグデータ等)が記録されており、これにより搭乗予約情報及び個人情報を引き当てることができる。本実施形態においては、手荷物タグ情報として「タグデータ」を手荷物タグに記録する。
セキュリティ判定部618は、周辺装置部62の検査設備として設置されるX線画像検査装置625、金属探知機626により検査され出力される、旅客あるいは機内持込手荷物102が搭乗規定に違反しないことの検査結果に基づき、ドア開閉制御装置623を駆動してブースの出口の開閉制御を行う。
一方、周辺装置部62は、カードリーダ621、そして、前記したセキュリティ判定部618により開閉制御がなされるドア開閉制御装置623、入退場自動ドア624、検査設備として設置されるX線画像検査装置625、金属探知機626、手荷物預かり装置628、NWカメラ630で構成される。
カードリーダ621は、装填、あるいはかざされる顧客カード、搭乗券を読み取って制御装置部61の入場認証部615にそのデータを供給する。また、手荷物預かり装置628は、タグリーダ622と扉開閉制御装置627と形状センサと重量センサと手荷物運搬装置629を内蔵し、旅客が預かり手荷物をその中にセットすることで自動計測し、手荷物預かり認証部617にそのデータを転送する。また、手荷物預かり装置628は、形状センサ及び重量センサで手荷物預かり規定に違反しないことが確認されたときに、預かり手荷物100に付属の手荷物タグ101に記録されたタグデータ(ID)に関連して搭乗予約情報から得られる行き先情報に従い、手荷物運搬装置629を起動し図示せぬ手荷物仕分け装置へ導く。また、NWカメラ630は、セキュリティブース6の入り口付近に設置されており、旅客がブースに入るときに顔画像を撮影する。撮影された顔画像は、「本人認証情報」として利用される。
図7〜図9は、本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートであり、一部本発明のプログラムの処理手順も示す。以下、図7〜図9に示すフローチャートを参照しながら図1〜図5に示す本発明実施形態の動作について詳細に説明する。
図7は、本発明実施形態の全体動作の概略を説明するために引用したフローチャートである。図7に示すフローチャートにおいて、旅客は、まず、セキュリティブース6に入るために入場認証またはチェックイン操作を行う(S601)。
具体的には、セキュリティブース6入り口前に設置したカードリーダ621により顧客カードもしくは搭乗券に記録されたデータを読ませ、空港サーバ3に搭乗予約DB31と、顧客DB32に格納された情報を問い合わせることにより入場認証ならびにチェックインを行う。入場認証ならびにチェックインは、セキュリティブース管理部612による管理の下で入場認証部615が行う。なお、入場認証の判断基準は、チェックイン済みかどうかを判断するだけの処理の場合と、セルフによりセキュリティチェックを行うリスクを回避するためあらかじめ本ブースを通過利用する権限が決められている場合があり、前者の場合、搭乗券や顧客カードに記載されたチェックイン済みの情報によるオフラインでの認証が可能である。後者の場合、顧客カードにあらかじめ記録された本人認証情報と、当該旅客が同一人物かを確認するための処理であり、オフラインでの認証も可能とする。また、セキュリティブース6入り口に設置されたNWカメラ630で旅客の顔画像を撮影することで本人認証情報をNWインタフェース部611経由で空港サーバ3の本人認証情報登録DB33に登録し(S602)、後記する旅客行動追跡管理(以降では、トレーサビリティチェックという)のための前処理を行う。入場認証部615は、入場認証を行うために搭乗予約DB31と顧客DB32を参照し(S603)、入場可能であると判断された場合にドア開閉制御装置623を制御して入退場自動ドア624(この場合は入場ドア)を開放し、旅客がセキュリティブース6内に入ることを許可し(S604)、入場不可と判断された場合には入退場自動ドア624は開放しない。
預かり手荷物100がある場合、旅客はその手荷物を手荷物預かり装置628に預ける(S605)。手荷物預かり操作についての詳細は図9に示すフローチャートを用いて後記する。なお、手荷物の預け入れは、セキュリティブース管理部612による管理の下で行われるX線画像検査装置625によるX線検査や金属探知機626による金属探知検査と前後しても構わない。
セキュリティチェックとして、機内持込み手荷物102のX線自動検査と携行する持ち物の金属探知を行う(S606、S607)。両方の検査結果によりセキュリティ判定部618で通過可能の判断がなされた場合には、退場センサ等(図示せず)によりセキュリティチェックゲート(X線画像検査装置625、金属探知機626)を確実に潜ったか否かを監視してドア開閉制御装置623を制御し(S610)、入退場自動ドア624(この場合退場ドア)を開放し、旅客の退場を許可する(S612)。
なお、セキュリティブース6内は、単独で、あるいは子供連れの場合にのみ複数で入ることが許可されるように規定しておくため、旅客は、気兼ねせずに何度も金属探知機626を通過でき、また、携帯電話など誤って携行して金属探知機626を通過した場合に通過不可と判断されても(S606、S607 NG(1))、戻って探知されたと思われる金属(携帯電話)をX線画像検査装置625に通過させるための操作を行うことも可能である。X線自動検査または金属探知で通過が不可能と判断された場合(S606、S607 NG(2))は、旅客は係員を呼び出し(S608)、この場合、ブース外にいる係員によって手荷物が開梱検査され、あるいは携帯型の金属探知機を利用した再検査が行われる(S609)。係員が検査した結果、通過許可判定がなされた場合(S609 OK)には手動操作により入退場自動ドア624を開放し(S611)、旅客の退場を許可する(S612)。
セキュリティブース6を退場した以降の旅客の行動は、空港内の任意の箇所に設置されたNWカメラ8を介して転送されるそれぞれの画像と、入場時に登録済みの顔画像とを行動追跡管理部37(図6参照)で照合することによりトレーサビリティチェックが行われ、管理される(S613)。また、搭乗ゲート7に本人認証装置を設置し、ここで本人認証情報を読み込んで、空港サーバ3の本人認証情報登録DB33と搭乗予約DB31に問い合わせて通過チェックを行うことで搭乗の有無がわかる(S614)。搭乗ゲート7は、1人ずつ通過するため、本人認証装置は指紋情報などの生体情報を利用して認証を行う装置であればいいが、トレーサビリティチェックを行う場合は広範囲で旅客が特別の操作を行わなくても認識できるNWカメラ8で撮影し、画像を転送して照合を行う顔認証が好ましい。また、通路に死角が多く、通行方向がばらばらな場合には、本人認証に利用する装置(NWカメラ8)を多数設置する必要があるが、自走式のロボットなどを設置すれば効率的にトレーサビリティチェックを行うことも可能である。
一般的に生体情報は通常データ量が多く、検索のキーにすると検索に時間がかかる場合が多いのに比較すれば、ここでの本人認証は、認証する当日に登録し、航空機に搭乗するだけの人数の検索を行うため、認識率や検索処理時間が早いことが予想できる。トレーサビリティチェックについての詳細は、図10に示すフローチャートを用いて後記する。
(第一実施形態)
図8は、本発明の搭乗セキュリティチェックシステムとしての最小構成の動作を説明するために引用したフローチャートである。
図8に示すフローチャートにおいて、セキュリティブース6の入り口前に設置した認証装置(カードリーダ621)で、顧客カードや搭乗券等の媒体から搭乗情報を読取る。そしてNWインタフェース部611経由で空港サーバ3に問合せ、搭乗予約DB31と顧客DB32を参照して入場認証またはチェックインを行う(S701〜S703)。顧客カードを利用してチェックインする場合は、利用する権限のある人がセキュリティブース6を利用しているか否かをチェックするため、この顧客カード内或いは顧客DB32に、カード登録時に本人識別情報を登録しておき、カードリーダ621で顧客カードを読み取る際に、本人識別情報、たとえばパスワードや指紋情報などを入力させて、顧客本人であることを判別することも考えられる。また、本人識別情報を顔画像とすれば、NWカメラ630で旅客の顔を撮影することにより、旅客に本人識別情報を入力させることなしに、本人識別が可能となる。なお、このような本人識別機能(本人識別手段)は、カードリーダ621に付与しておくことが好適である。セキュリティブース6は、セキュリティブース管理部612による管理の下、入場認証部615による認証で入場が可能であると判断され、図示せぬ入場センサ等でセキュリティブース6に該当の旅客のみが入っていることを確認した後に(S704)、ドア開閉装置623を制御して入退場自動ドア624を開放する(S705)。入場認証で入場不可と判断された場合には入退場自動ドア624は閉じたままである。なお、ドア開閉装置623は、図示せぬ入場センサによりセキュリティブースに入場した人数が1人であることを確認して入場ドアを閉じる。
続いて、セキュリティブース管理部612は、X線画像検査装置625によるX線自動検査と、金属探知機626による金属探知を指示する(S706、S707)。両検査に従いセキュリティ判定部618で通過可能の判断がなされた場合には、図示せぬ退場センサ等により旅客がセキュリティゲートを確実に潜ったことを確認し(S710)て、ドア開閉制御装置623を介して入退場自動ドア624を開き退場を許可する(S712)。X線自動検査は、撮影したX線画像を解析し、危険物の物質や形状を判断する仕組みを持つX線画像検査装置625により自動的に判定できる。なお、X線画像を読取るX線画像読取り装置n台に対して自動検査判定機能を持つX線画像検査判定装置は1台とする構成をとってもよい。X線自動検査または金属探知で通過が不可能と判断された場合には係員を呼び出し(S708)、ブース外にいる係員により荷物が開梱検査され、あるいは携帯型の金属探知機を利用した検査が行なわれる(S709)。係員が検査して通過が可能と判定された場合には、係員が手動で入退場自動ドア624を開放し(S711)、旅客の退場を許可する(S712)。
なお、前記したセキュリティブース6を通過し、チェックイン情報や顧客のID情報(顧客コード)と関係付けてセキュリティチェックを行った画像(検査データ)などの記録を、セキュリティチェックDB34に記録しておき、不測の事態に備えることも考えられる。
(第二実施形態)
図9は、本発明実施形態における手荷物預かり時の動作を説明するために引用したフローチャートである。
図9に示すフローチャートにおいて、本発明の搭乗セキュリティチェックシステムは、まず、顧客カードや搭乗券等の媒体から搭乗情報を読取る。そして空港サーバ3に対し搭乗予約DB31と顧客DB32に格納された情報を問い合わせて入場認証またはチェックインを行う(S801)。旅客が顧客カードを利用する権限を有する者であるかを確認(本人識別)する必要がある場合は、例えばパスワードの入力を要求する。このようにして、預かり手荷物100を預ける者が搭乗する旅客本人であることが確認されれば、手荷物を預かって手荷物預かり認証を行う(S802、S803)。なお、セキュリティブース6内に手荷物預かり装置628が設置されている場合は、チェックイン時(セキュリティブース6への入場時)に既にこの処理は済んでいるため省略される。
そして、手続きしている旅客の搭乗情報が正当だった場合(S803 OK)、手荷物預かり認証部617(もしくは入場認証部615)により扉開閉制御装置627が制御され、手荷物預かり装置628の扉がオープンする(S804)。旅客が預け入れ手荷物を装置628内に入れた後、預かり手荷物100に貼付された手荷物タグ101を読取り(S805)、読み取ったタグデータ(ID)と空港サーバ3の顧客DB32の顧客コードとを関係付けて手荷物を搭載するための情報を引き当てる。このように、手荷物タグ101への記録内容を旅客本人のID(顧客コード)に関係付けされたタグデータ(ID)か、または顧客コードそのものとすることで手荷物タグ101のリュースが可能となり、当該IDから搭乗予約DB31に格納された情報とリンクさせることで、従来は搭乗の毎に行っていたタグの発行が不要となり、手続きに掛かる時間を削減することができる。従って、係員の負担低減および省力化が可能なことから人件費の削減の実現が可能である。
手荷物預かり装置628は、手荷物の形状を計測し、受入れ可能な大きさや個数を計測する形状センサと、手荷物の重量を計測し受入れ可能な重量を計測する重量センサで受入れ可能か否かの判定を行い(S806)、受け入れ可能と判定した場合(S806 OK)には、手荷物預かり装置628の扉を閉じる(S807)。
なお、図示せぬ空港の手荷物仕分け装置や飛行機の搭載装置内に前記の手荷物タグ101を読取るタグリーダを持たない場合、前記した手荷物タグ101から引き当てられる搭乗に関する情報を記した手荷物シールなど従来の手荷物タグに記載されている情報を記載したものを必要に応じて発行して預かり手荷物100に貼り付ける(S808)。預け入れされた手荷物100を、手荷物仕分け装置を経由し飛行機搭載装置に搬送するラインに乗せるため、セキュリティブース管理部612は、手荷物運搬装置629を駆動する(S809)。
前記した本発明の実施形態によれば、旅客は手続きをするために何度も並んだり、チケットを取り出したりする必要がなくなる。また、事業者は係員を削減でき、旅客が移動するためのスペースを少なくすることができる。更に、旅客の情報と手荷物のセキュリティチェックの情報を1対1に確実に関係付けることができるため、旅客のセキュリティ情報をデータベース化することができ、万が一ハイジャックが発生した場合の犯人の武器などを特定するのに利用し、あるいは旅客の与信情報として蓄積することも可能である。
また、従来、旅客は手荷物を係員に渡す必要があったため、X線検査をさせるときに荷物を取り違えたり、別の人に持っていかれてしまったりするなどの心配があったが、セキュリティチェックをブース化してセルフで実行することにより、このような心配も不要である。子供連れなど、セキュリティブースに入るのが1人だけでは不都合な場合もあるため、例えば、チェックインを複数人で行った場合には、チェックインを行った単位でセキュリティブース6に入場する仕組みを構築しても良い。
なお、前記した実施形態によれば、手荷物預かり装置628は、セキュリティブース6に設置され、セキュリティブース6が手荷物預かり装置628の持つ機能を制御するものとして説明したが、旅客がセキュリティブース6を通過するか否かに依存することなく、手荷物預かりカウンタ等で単独に機能してもよい。かかる場合には、手荷物預かり装置と、セキュリティブースの入場認証装置に相当する手荷物預かり認証装置(手荷物預かり認証手段)とを組み合わせて、LAN9を介して空港サーバ3のデータベースと接続することにより、手荷物預かりシステムを構築することができる。かかる手荷物預かりシステムの動作は図9と同一となる。
(第三実施形態)
図6は、本発明における搭乗セキュリティチェックシステムが旅客のトレーサビリティチェックを行う場合の構成を機能展開して示したブロック図である。
ここでは、旅客のトレーサビリティチェックは、空港サーバ3に備えられた本人認証情報登録部36、行動追跡管理部37及びネットワークカメラ監視部38並びに、空港内に設置されたNWカメラ8(630)によって行われる。
本人認証登録部36は、セキュリティブース6の入場口近傍に設置されたNWカメラ630により撮影された旅客の顔画像を含む画像を、搭乗予約情報と関連付けて本人認証情報登録DB33に登録する機能を持つ。かかる顔画像は、LAN9を介してセキュリティブース6から空港サーバ3に送信される。また、NWカメラ監視部38は、空港内の任意の場所に設置されたNWカメラ8による撮影、および撮影された画像の転送のためのシーケンス制御を行い、転送の結果得られる画像を画像DB35に登録する。画像DB35に格納される撮影画像は、1日単位程度の短期間で更新されるものとする。また、行動追跡管理部37は、画像DB35に格納される旅客の画像と、NWカメラ630により撮影されて本人認証情報登録DB33に記憶された旅客の顔画像を含む画像とを、所定のタイミングで照合し、セキュリティチェックDB34の通過データとして、NWカメラ設置場所の位置情報と撮影された画像のタイムスタンプとにより旅客の行動を追跡管理する機能を持つ。
図10は、本発明実施形態における旅客の行動追跡管理を行う際の動作を説明するために引用したフローチャートである。
以下、図10に示すフローチャートを参照しながら、旅客のトレーサビリティチェックを行う場合の動作について詳細に説明する。
図10のフローチャートにおいて、本発明の搭乗セキュリティチェックシステムは、まず、顧客カードや搭乗券等の媒体からID(顧客コード)を読取る(S901)。そして、本人識別(本人確認)が必要な場合は、パスワード、あるいは生体情報を読み取り、空港サーバ3に対し搭乗予約DB31と顧客DB32に格納された情報を問い合わせ、セキュリティブース6への入場を許可する。このときセキュリティブース6入り口に設置されたNWカメラ630により旅客本人の顔画像が撮影され、本人認証情報として本人認証情報登録DB33に格納される(S903)。
顧客DB32にあらかじめ登録済みの顧客カードの本人識別情報は、カードが本人に正当に使われているか否かを判断するためのID、パスワード、生体情報等に関する情報であるが、ここで登録される本人認証情報は、顧客カードや搭乗券などの媒体を用いることなく当日搭乗する本人を見分けるために登録される情報であり、空港サーバ3の本人認証情報登録DB33に記録する情報である。旅客がセキュリティブース6を通過してチェックインを行った場合は既にNWカメラ630により顔画像が撮影されているため、その画像が本人認証情報登録DB33に記録されている。従って、NWカメラ監視部38を介して顔認証用に空港内の任意の場所に設置されるNWカメラ8から転送される画像情報は、その位置情報、タイムスタンプとともに空港サーバ3の行動追跡管理部37に送信され、ここで、本人認証情報登録DB33に登録された本人認証情報と照合され、トレーサビリティチェックを行うことができる(S904、S905)。前記した照合操作は、NWカメラ監視部38により撮影された画像が転送されるタイミングに従い逐次実行され、そのタイミングに同期してセキュリティチェックDB34に位置情報(NWカメラ8の設置場所)とタイムスタンプから成る旅客の通過データ登録が行われる。
また、搭乗ゲート7にも前記した本人認証装置、あるいはNWカメラ8を設置し、本人認証情報を読み込み、空港サーバ3の本人認証情報登録DB33と搭乗予約DB31、顧客DB32に問い合わせることで、旅客に搭乗権限があるか否か判断することが可能である(S905、S906)。
なお、前記した、旅客の本人認証情報を登録し、搭乗ゲート7での搭乗チェックやトレーサビリティチェックを行う処理は、セキュリティブース6の通過に依存しないこととし、この場合は、空港サーバ3が実行することになる。また、本実施形態では、NWカメラ630をセキュリティブース6のカードリーダ621付近に設置して、入場認証又はチェックインを行う旅客の顔画像を撮影することとしているが、自動チェックイン機等にNWカメラ630を設置してもよい。かかる場合にも、顔画像と搭乗情報とを関連付けて記録することが可能となり、トレーサビリティチェックを行うことができる。なお、これらのカードリーダ621や自動チェックイン機が、請求の範囲にいう「チェックイン装置」に相当する。
以上説明のように本発明によれば、搭乗の手続きを行う時に、本人認証が可能な情報を入手し、また、次の手続きを行う際に顧客カードや搭乗券などの媒体を用意する必要なく手続きを開始でき、旅客の利便性を向上させることができる。また、搭乗の際に旅客が必ず通過する必要がある動線上に本人認証装置を設置することで、旅客に操作を強要したり、特定の場所を通過させる必要なく、旅客のトレーサビリティチェックを行うことができる。
以上説明のように本発明によれば、機内持込手荷物の検査や携行品の検査を行うセキュリティチェックを行うための動線にセキュリティブース6を設置し、内部にX線画像検査装置と金属探知機を設備して、手荷物内部の物体撮影およびその映像から手荷物内の物体の物質と形状を判断して危険な物体が入っていないことを確認し、また、金属を携行している人が通過するとアラームを発砲して通過する人毎の保安検査を行うことができる。セキュリティブース6に入場する時に、通過する人の情報が記録されているかまたは通過する人の情報を問合せするためのIDを記録した、例えば顧客カードを準備し、この顧客カードを読取ることができる認証装置を設置すれば通過する人の情報や状態を確認した上でセキュリティチェックを行うこともできる。この認証装置がチェックイン手続を実施できるものであれば、チェックインとセキュリティチェックをセキュリティブース内で連続して実施することができる。
なお、セキュリティブース6は、空港での航空搭乗検査の他、サッカーのワールドカップなどのイベントやホテル入り口でのセキュリティチェック、重要施設でのセキュリティチェックなどへの利用が可能である。
セキュリティブース6に設置される手荷物預かり装置628のように、セルフサービスで手荷物を預け入れる装置に適用する場合には、手荷物の個数や形状や大きさを判断するセンサや、重さを計測するセンサを取り付け、預け入れ認証を行なった後に、追加で荷物を入れられないような開閉扉を付加し、これを認証結果に従い自動オープン、クローズする扉開閉制御装置627と連動させることで実現できる。
また、図示せぬ手荷物仕分け装置に手荷物タグを読取る装置がない場合や、手荷物タグが読取れなくなった場合に備え、手荷物タグ自身には手荷物タグの内容を検索するためのIDを記載する他、手荷物預かり装置628が持つ機能として、手荷物タグの情報を読取るか、旅客のチェックインの情報を基に、手荷物シールなどを貼付する機能を付加することも考えられる。セキュリティブース6内に自動手荷物預かり装置628を設置し、セキュリティブース6内に入るための本人認証を併せて行った場合、チェックイン、セキュリティチェック、手荷物預け入れもワンストップで行うことができる。
なお、セキュリティブース6に入場する場合、またはセキュリティブース6に入場せずにチェックインを行う場合、例えば、顔認証を行うための映像を撮影するNWカメラ8(630)や、指紋、指静脈のデータ等の生体情報を取り込むことのできる本人認証情報取得装置を、認証装置(カードリーダ621等)に取り付け、当日搭乗する本人認証情報を入手すれば、以降の、例えば搭乗ゲートでのチェック等は、顧客カードや搭乗券などの媒体が不要となる。本人認証装置にて認証し、チェックインのときなどの搭乗情報とリンクさせてチェックを行うことで、手続の都度その媒体を鞄やポケットから取り出す必要がなく、通過チェックが容易になる。
また、手荷物タグの情報に本人認証情報を関係付けることで、到着地空港で手荷物を受け取る場合に、手荷物タグと本人認証情報を互いにリンクさせ引渡しチェックを行うことが出来る。搭乗券の半券など搭乗するためだけに必要な媒体は紛失しやすいが、本発明によれば、本人認証を顔画像などの生体情報によって行うことができるので、紛失の心配なく、簡単に確実にチェックを行うことができる。
なお、前記した本発明実施形態によれば、チェックイン、セキュリティチェック、トレーサビリティチェックともにセキュリティブース6が実行するものとして説明したが、その一部を空港サーバ3が実行しても構わない。また、図4に示すセキュリティブース6を、図4に示すNWインタフェース部611、セキュリティブース管理部612、入場認証部615、手荷物預かり認証部617、セキュリティ判定部618として機能させるためのコンピュータプログラム、および、図5に示す空港サーバ3を本人認証情報登録部36、行動追跡管理部37、NWカメラ監視部38として機能させるためのコンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体からセキュリティブース6にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機へ搭乗する際に行われる旅客と機内持込手荷物のセキュリティチェックをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェックシステムであって、
搭乗券もしくは顧客カードに記録されたデータを読取って、搭乗予約時に搭乗予約データベースに登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行い、前記旅客や機内持込手荷物の検査装置からの信号により搭乗規定に違反がないことを確認して退場を許可するセキュリティブース、
を備えたことを特徴とする搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項2】
前記セキュリティブースは、
搭乗券もしくは顧客カードに記録されたデータを読取って、搭乗予約時に搭乗予約データベースに登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行い、ブース入り口ドアの開閉制御を行う入場認証手段を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項3】
前記セキュリティブースは、
旅客あるいは機内持込手荷物が搭乗規定に違反しないことを検査する金属探知機とX線画像検査装置とを有し、更に、これら検査結果に基づきブース出口ドアの開閉制御を行うセキュリティ判定手段を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項4】
前記セキュリティブースは、
旅客あるいは機内持込手荷物が搭乗規定に違反しないことを検査する金属探知機とX線画像検査装置とを有し、更に、これら検査結果に基づきブース出口ドアの開閉制御を行うセキュリティ判定手段を備えることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項5】
前記セキュリティブースは、
当該預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる手荷物預かり手段を備えることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項6】
前記セキュリティブースは、
当該預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる手荷物預かり手段を備えることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項7】
前記手荷物預かり手段は、
前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報に関連して前記搭乗予約情報から得られる行き先情報に従い、外部接続される手荷物仕分け装置へ前記預かり手荷物を導く手荷物運搬装置を備えることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項8】
前記手荷物預かり手段は、
前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報に関連して前記搭乗予約情報から得られる行き先情報に従い、外部接続される手荷物仕分け装置へ前記預かり手荷物を導く手荷物運搬装置を備えることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項9】
前記セキュリティブースは、
搭乗券もしくは顧客カードに記録されたデータを読取り、続いて入力される本人識別情報を、あらかじめ顧客データベースに登録された本人識別情報と照合することで旅客の本人識別を行う本人識別手段を備えることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項10】
前記セキュリティブースは、
通信ネットワークを介して接続される空港サーバとの交信により、前記入場認証を行い、当該認証結果に基づくブース出入り口のドア開閉指令、および前記各検査装置に対する検査指令の発行を含む一連のシーケンスを制御するセキュリティブース管理手段を備えることを特徴とする請求の範囲第2項ないし第8項のいずれか1項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項11】
前記セキュリティブースは、
通信ネットワークを介して接続される空港サーバとの交信により、前記入場認証を行い、当該認証結果に基づくブース出入り口のドア開閉指令、および前記各検査装置に対する検査指令の発行を含む一連のシーケンスを制御するセキュリティブース管理手段を備えることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項12】
預かり手荷物の預け入れをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェックシステムであって、
搭乗券もしくは顧客カードに記録されたデータを読取って、搭乗予約時に搭乗予約データベースに登録された搭乗予約情報と照合して、手荷物を預ける人物が当日搭乗する旅客であるかを確認する手荷物預かり認証手段と、
前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる手荷物預かり手段と、を備えることを特徴とする搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項13】
前記手荷物預かり手段は、
前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取るタグリーダと、
前記預かり手荷物を検査して預かり手荷物規定に関連する情報を取得し、該情報が、預かり手荷物規定に違反していないかを判定するセンサと、
前記預かり手荷物が預かり手荷物規定に違反していない場合に、前記手荷物タグ情報に関連して前記搭乗予約情報から得られる行き先情報に従い、外部接続される手荷物仕分け手段へ前記預かり手荷物を運搬する手荷物運搬装置と、
からなることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項14】
前記手荷物預かり手段は、
前記手荷物預かり認証手段により手荷物を預ける人物が当日搭乗する旅客であることが確認された場合に、前記預かり手荷物を載置する載置部の扉を開制御し、前記センサにより前記預かり手荷物が預かり手荷物規定に違反していないことが確認された場合に、前記載置部の扉を閉制御する扉開閉制御手段を備えることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項15】
空港内において、チェックインから機内搭乗に至る旅客の行動をコンピュータにより追跡管理する搭乗セキュリティチェックシステムであって、
搭乗券もしくは顧客カードに記録されたデータを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して旅客のチェックイン手続きを行うチェックイン装置の近傍に設置されたカメラにより撮影された旅客の顔画像を含む画像を、前記搭乗予約情報と関連付けて登録する本人情報登録手段と、
前記旅客の画像と、前記空港内の任意の場所に設置されたカメラにより撮影され、転送される画像とを、所定のタイミングで照合し、前記カメラ設置場所の位置情報と撮影された画像のタイムスタンプとにより旅客の行動を追跡管理する行動追跡管理手段と、
を備えたことを特徴とする搭乗セキュリティチェックシステム。
【請求項16】
認証装置および機内持込手荷物の検査装置が設置されるセキュリティブースにおいて、旅客と前記機内持込手荷物のセキュリティチェックをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェック方法であって、
前記認証装置で搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行うステップと、
前記検査装置により実行される機内持込手荷物の検査により搭乗規定に違反がないことをチェックして前記セキュリティブースの退場を許可するステップと、
を有することを特徴とする搭乗セキュリティチェック方法。
【請求項17】
前記入場認証を行った後に、前記セキュリティブース内に設置された手荷物預かり手段によって、当該預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かるステップを、さらに備えることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の搭乗セキュリティチェック方法。
【請求項18】
預かり手荷物の預け入れをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェック方法であって、
前記手荷物預かり認証手段により、搭乗券もしくは顧客カードに記録された認証情報を読取って、搭乗予約時に搭乗予約データベースに登録された搭乗予約情報と照合して、手荷物を預ける人物が当日搭乗する旅客であるかを確認する手荷物預かり認証ステップと、
前記手荷物預かり手段により、前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる手荷物預かりステップと、を備えることを特徴とする搭乗セキュリティチェック方法。
【請求項19】
空港内において、チェックインから機内搭乗に至る旅客の行動をコンピュータにより追跡管理する搭乗セキュリティチェック方法であって、
チェックイン装置により搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合するステップと、
前記チェックイン装置の近傍に設置されたカメラにより撮影された旅客の顔画像を含む画像を、前記搭乗予約情報と関連付けて登録するステップと、
前記旅客の画像を前記空港内の任意の場所に設置されたカメラにより撮影され、転送される画像と所定のタイミングで照合し、前記カメラ設置場所の位置情報と撮影された画像のタイムスタンプとにより旅客の行動を追跡管理するステップと、
を有することを特徴とする搭乗セキュリティチェック方法。
【請求項20】
認証装置および機内持込手荷物の検査装置が設置されたセキュリティブースにおいて、旅客と前記機内持込手荷物のセキュリティチェックをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェッシステムに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記認証装置で搭乗券もしくは顧客カードを読取り、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報と照合して入場認証を行う処理と、
前記検査装置による機内持込手荷物の検査により搭乗規定に違反がないことをチェックして前記セキュリティブースの退場を許可する処理と、
を前記コンピュータに実行させる搭乗セキュリティチェックプログラム。
【請求項21】
預かり手荷物の預け入れをコンピュータにより実行する搭乗セキュリティチェックシステムに用いられるプログラムであって、
前記手荷物預かり認証手段により、搭乗券もしくは顧客カードに記録された認証情報を読取って、搭乗予約時に搭乗予約データベースに登録された搭乗予約情報と照合して、手荷物を預ける人物が当日搭乗する旅客であるかを確認する処理と、
前記手荷物預かり手段により、前記預かり手荷物に付属する手荷物タグに記録された手荷物タグ情報を読み取り、前記旅客の搭乗予約情報との関連付けを行い、預かり手荷物規定に違反がないことを確認して手荷物を預かる処理と、を前記コンピュータに実行させる搭乗セキュリティチェックプログラム。
【請求項22】
空港内において、チェックインから機内搭乗に至る旅客の行動をコンピュータにより追跡管理する搭乗セキュリティチェックシステムに用いられるコンピュータプログラムであって、
チェックイン装置により読み取った航空チケットもしくは顧客カードに記録されたデータと、搭乗予約時に登録された搭乗予約情報とを照合する処理と、
前記チェックイン装置の近傍に設置されたカメラにより撮影された旅客の顔画像を含む画像を、前記搭乗予約情報と関連付けて登録する処理と、
前記旅客の画像を前記空港内の任意の場所に設置されたカメラにより撮影され、転送される画像と所定のタイミングで照合し、前記カメラ設置場所の位置情報と撮影された画像のタイムスタンプとにより旅客の行動を追跡管理する処理と、
を前記コンピュータに実行させる搭乗セキュリティチェックプログラム。

【国際公開番号】WO2005/055151
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【発行日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511264(P2005−511264)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015483
【国際出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】