説明

携帯式コンピュータとIP電話機で構成されたパーソナル・ネットワーク・システム

【課題】POEに対応するIP電話機とノートPCを含むパーソナル・ネットワーク・システムにおいて、ノートPCの伝送速度を低下させないようにしながらデータ配線および電力配線を簡素化する。
【解決手段】パーソナル・ネットワーク・システムは、POEに対応するIP電話機と携帯式コンピュータ35と機能拡張装置100で構成されている。スイッチング・ハブ117は、コネクタ123に接続されたLANおよびコネクタ71dに接続されたイーサネット・コントローラとの間では1000BASE−Tでデータ伝送し、コネクタ125に接続されたIP電話機との間では100BASE−TXでデータ伝送する。給電装置115はPOEに対応しており、IP電話機に電力を供給する。停電時には、携帯式コンピュータ35の電池パック67から給電装置115に電力が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式コンピュータとIP電話機で構成されたパーソナル・ネットワーク・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス・ビルや公共施設などでは、イーサネット(登録商標)という通信方式を採用したローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local Area Network)が敷設され、各ユーザの机上にはLANに接続されたコンピュータが配置されている。ユーザが使用するコンピュータとしては、従来のデスクトップ型パーソナル・コンピュータに代えてノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)が主流なってきている。また、LANおよび広域ネットワークの普及とともに、使用料金が低廉なIP電話機も多く導入されてきている。IP電話機は、VoIP(Voice over Internet Protocol)という通信技術を利用してLANにパケットを伝送しTCP/IP上での電話通信を可能にする。このように近年のオフィス環境ではノートPCとIP電話機が各ユーザの机上に置かれることになるため、そこまで配線する通信ケーブルおよび電力ケーブルの数が多くなる傾向にある。
【0003】
ところで、イーサネット(登録商標)においては、通信ケーブルを通じてデータと電力を供給するパワー・オーバー・イーサネット(POE:Power over Ethernet)という技術が2003年にIEEE802.3afとして標準化され、さまざまなネットワーク機器に適用されている。POEでは、給電装置(PSD:Power Sourcing Equipment)から受電装置(PD:Powered Device)にUTP(Unshielded Twist Pair )ケーブルという1本の通信ケーブルを通じてデータと同時に電力を伝送することで、PDに対するAC/DCアダプタからの直接の電力供給を省くことができる。
【0004】
そしてPOEに対応でき、かつスイッチング・ハブの機能を備えるIP電話機も使用されてきている。POEに対応するスイッチング・ハブ内蔵のIP電話機をPDとしてLANに接続すると、ノートPCをIP電話機のポートに接続してLANに接続できる。この場合は、LANのスイッチング・ハブからIP電話機まで1本のUTPケーブルを配線してデータと電力を伝送し、ノートPCにだけAC/DCアダプタの電力ケーブルを接続することでIP電話機とノートPCをLANに接続して使用することができる。LANには通常、UPS(Uninterruptible Power Supply)といわれる無停電電源装置が設けられているためIP電話機に対する停電対策を講じる必要がない。
【0005】
特許文献1は、PCにUSBケーブルで接続されたネットワーク増設装置を経由して他の情報処理装置を接続する技術を開示する。ネットワーク増設装置には、POE回路部を設けてイーサネット増設ポートにデータ線用と電力線用の配線を接続して他の情報処理装置に対する電力の供給とデータ通信を可能にする。特許文献2は、POEに対応するVoIP電話機を開示する。同文献には、スイッチング・ハブやルーターなどのLAN用の機器に給電機能を設けて、これらの機器を通じてVoIP電話端末に電力を供給する技術を開示する。同文献にはさらに受給電装置の内部にバッテリィを内蔵し、給電装置や電源アダプタからの給電が途絶えたときにバッテリィからPOE受電部に給電することが記載されている。特許文献3は、POEシステムにおいてミッドスパンPSD構成のデータ伝送を行うための回路および方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−163786号公報
【特許文献2】特開2006−203730号公報
【特許文献3】特開2008−521342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在のイーサネット(登録商標)では、伝送速度が100Mbpsの100BASE−TXおよび1Gビットbpsの1000BASE−Tの規格が主に使用されている。また、IEEE802.3afでは、POEによる電力供給の方式として選択肢A(alternative A)と選択肢B(alternative B)の2つを規定している。選択肢A方式は、UTPケーブルの4対(8本)の心線の中でデータ伝送に使用する2対の心線に電力用の電圧を重畳する方式で、選択肢B方式は4対の心線の中でデータ伝送に使用しない空きの2対の心線を電力用として使用する方式である。100BASE−TXでは、3値符号化方式でデータ伝送を行うがPOEに基づいて選択肢A方式または選択肢B方式のいずれかで電力を供給することができる。
【0008】
これに対して1000BASE−Tでは、UTPケーブルの4対の心線を同時に送受信に使用し5値符号化方式でデータ伝送をする。5値符号化方式は、データ信号の電圧と閾値との間の余裕が小さいため雑音対策には難しい面がある。1000BASE−TにPOEを導入しようとすれば必然的に選択肢A方式を採用することになるが、選択肢A方式はデータ信号に電力源からのノイズが重畳されるため、現在のところでは1000BASE−Tでデータ伝送をするUTPケーブルを利用してPOEによりPDに電力供給をすることは困難である。そして、スイッチング・ハブを内蔵したPOE対応のIP電話機の多くが100BASE−TXでネットワークに接続され、かつ、選択肢B方式で電力の供給を受けている。
【0009】
ところが、ノートPCは近年1000BASE−Tに対応するネットワーク・アダプタを実装するようになってきている。100BASE−TXに対応するIP電話機に内蔵されたスイッチング・ハブにこのようなノートPCを接続しても、IP電話機は100Mbpsの伝送速度でしかLANに接続できないため、結局1Gbpsの伝送速度を備えるノートPCでも100Mbpsでしかデータ伝送できないことになる。これを解決するために、LANに対する1000BASE−Tのインターフェースと、POE対応機器であるIP電話機に対する100BASE−TXのインターフェースと、POE非対応機器であるノートPCに対する1000BASE−Tのインターフェースとを備えたスイッチング・ハブを机上に設けることも考えられる。
【0010】
この場合は、スイッチング・ハブを設置するためのスペース、スイッチング・ハブに対する電力の供給、およびコストの増大などが問題になる。さらに、IP電話機およびスイッチング・ハブに対する停電対策も必要になる。ところでノートPCは、携帯時は軽量化を優先して機能を簡素化し、オフィスではデスクトップ型コンピュータに匹敵する機能を実現するために、ドッキング・ステーションまたはポートリプリケータといった機能拡張装置に装着されて使用されることがある。そしてこの機能拡張装置を利用することで前述の諸問題を解決することが考えられる。
【0011】
そこで本発明の目的は、IP電話機と携帯式コンピュータを含むパーソナル・ネットワーク・システムのデータ配線および電力配線を簡素化することにある。さらに本発明の目的は、机周りのスペースを節約することが可能なパーソナル・ネットワーク・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、携帯式コンピュータの伝送速度を低下させないパーソナル・ネットワーク・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、コストの増大を押さえながら停電時にもIP電話機を使用できるようにしたパーソナル・ネットワーク・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、IP電話機に接続された通信ケーブルに発生する電力損失を軽減することができるパーソナル・ネットワーク・システムを提供することにある。さらに本発明の目的はそのようなパーソナル・ネットワーク・システムに使用する携帯式コンピュータの機能拡張装置およびデータ通信の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、LANに接続可能なパーソナル・ネットワーク・システムに関する。携帯式コンピュータを使用するユーザは、オフィスの机や工場の作業場所などのような固定的な使用場所でデスクトップに匹敵する機能を利用するために機能拡張装置を使用することがある。またそのような使用場所にはIP電話機も配置されることがある。本発明におけるパーソナル・ネットワーク・システムとは、ユーザが使用する携帯式コンピュータとその機能拡張装置とIP電話機とが配置される固定的な使用場所におけるネットワーク機器の構成およびそれらの接続形態を意味する。
【0013】
携帯式コンピュータとIP電話機と機能拡張装置は、単独で配置される場合はそれぞれLANに接続する通信ケーブルと電力ケーブルが必要になるが、これらの配線の数はできるだけ少ないことが望ましい。IP電話機がPOEに対応する場合は、LANにPSDを設けることでIP電話機に対する電力ケーブルを省略することができるが、PSDから使用場所までは通常かなりの距離になるので通信ケーブルでの電力損失が無視できなくなる。また、使用場所にはIP電話機、携帯式コンピュータおよび機能拡張装置以外の余分なデバイスを設けないでパーソナル・ネットワーク・システムを構築できることが望ましい。さらに、携帯式コンピュータは、IP電話機の通信速度の影響を受けないでLANに接続できることが望ましい。
【0014】
本発明では、IP電話機がPOEの受電装置に対応しており、機能拡張装置にはスイッチング・ハブとPOEに対応する給電装置を設ける。スイッチング・ハブは、LANとの間で第1の規格の伝送速度でデータを送受信することができる。給電装置はIP電話機にPOEに基づいて電力を供給する。IP電話機の伝送速度は、第1の規格より遅い第2の規格とする。この場合でもスイッチング・ハブはLANとの間で第1の規格の伝送速度でデータ通信ができるので、スイッチング・ハブに接続された携帯式コンピュータはLANとの間で第2の規格の伝送速度より速い第3の規格の伝送速度でデータ伝送をすることができる。ただし、第3の規格の伝送速度は第1の規格以下となる。
【0015】
LANとスイッチング・ハブとの間は、POEを利用しないので第1の規格は伝送速度の速い規格にすることができ、かつ、配線が長くてもPOEに基づいて電力を供給しないので通信ケーブルに電力損失は生じない。スイッチング・ハブは機能拡張装置に収納されるので、使用場所に新たなスペースを確保する必要がなくなる。給電装置は機能拡張装置に接続されたAC/DCアダプタから電力の供給を受けてIP電話機に電力を供給することができる。したがって、給電装置およびIP電話機にAC/DCアダプタから電力を供給する必要がないため、使用場所にAC/DCアダプタのためのアウトレットを設ける必要がなくなる。
【0016】
給電装置は、停電時に携帯式コンピュータに搭載された電池から電力の供給を受けるようにすれば、余分な停電対策をする必要がなくなる。さらに給電装置からスイッチング・ハブにも電力を供給することが望ましい。携帯式コンピュータのイーサネット・コントローラが第1の規格に対応すればそれに応じた伝送速度でLANに接続することができる。また、スイッチング・ハブは、OSI参照モデルのレイヤ2で動作するように構成すれば、たとえば、第1の規格および第3の規格を1000BASE−Tとし、第2の規格を100BASE−TXとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、IP電話機と携帯式コンピュータを含むパーソナル・ネットワーク・システムのデータ配線および電力配線を簡素化することができた。さらに本発明により、机周りのスペースを節約することが可能なパーソナル・ネットワーク・システムを提供することができた。さらに本発明により、携帯式コンピュータの伝送速度を低下させないパーソナル・ネットワーク・システムを提供することができた。さらに本発明により、コストの増大を押さえながら停電時にもIP電話機を使用できるようにしたパーソナル・ネットワーク・システムを提供することができた。さらに本発明により、IP電話機に接続された通信ケーブルに発生する電力損失を軽減することができるパーソナル・ネットワーク・システムを提供することができた。さらに本発明によりそのようなパーソナル・ネットワーク・システムに使用する携帯式コンピュータの機能拡張装置およびデータ通信の方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかるネットワーク・システムの概略構成を示す図である。
【図2】ノートPCおよび機能拡張装置の外観示す斜視図である。
【図3】ノートPCを機能拡張装置に接続した状態を示すブロック図である。
【図4】給電装置がPOEに基づいてIP電話機に電力を供給する方法を説明する配線図である。
【図5】ネットワーク・システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施の形態にかかるネットワーク・システム1の概略構成を示す図である。LAN10は、企業や公共施設などの限定された範囲における複数の使用場所の相互間で有線媒体または無線媒体を通じた相互通信を可能にする。LAN10はまた、ゲートウェイ・サーバ15を通じてインターネット・ネットワーク11に接続され、IPゲートウェイ・サーバ17を通じて公衆電話回線13に接続されている。LAN10は、IEEE傘下のIEEE802委員会で策定されたLANの標準規格の1つであるイーサネット(登録商標)規格に適合する。
【0020】
イーサネット(登録商標)は、7層あるOSI参照モデルの物理層とデータリンク層で規定されている。LAN10は、また、IEEE802委員会で策定された無線LAN(IEEE802.11)の規格に基づいた高速無線ネットワークを含んでいても良い。LAN10は、無線基地局(アクセス・ポイントともいう。)23、スイッチング・ハブ25、27、ゲートウェイ・サーバ15、IPゲートウェイ・サーバ17、DHCPサーバ19、およびRJ(Registered Jack)45コネクタ29a〜29fなどで構成されている。これらの構成要素は、スター型トポロジーで相互に接続されている。
【0021】
LAN10は、コンピュータのデータ通信ネットワークだけでなくVoIPのIPネットワークも構成する。LAN10において実現されるIPネットワークは、ITU(International Telecomunication Union)の組織の1つであるITU−Tによって標準化されたH.323やIETF(Internet Engineering Task Force)によって標準化されたSIPなどの周知のプロトコルを採用することができる。IPゲートウエイ17は、LAN10においてインターネット・プロトコル構内交換機(IP−PBX:Internet Protocol Private Branch eXchange)を構成する。
【0022】
IPゲートウエイ17は、呼制御またはシグナリングのプロトコルと、音声や画像データのプロトコルの両方を公衆電話回線13とLAN10との間で相互変換する。IPゲートウエイ17は、呼制御による電話機間の通信を確立した後に、公衆電話回線13から受け取った音声信号からパケットを組み立ててLAN10に接続されたIP電話機33へ送り、IP電話機33から受け取ったパケットを音声信号に変換して公衆電話回線13に送る。
【0023】
IPゲートウエイ17は、IPアドレスと電話番号を相互変換するためのアドレス・テーブルを備えており、公衆電話回線13とIP電話機33との間での呼制御をしたり、LAN10に接続されたIP電話機間での内線通話のための呼制御とセッションの確立をしたりする。IPゲートウエイ17はまた、IP電話機の認証や登録を行ったり、転送や保留などの付加機能を実現したりする。IPゲートウエイ17の機能は、複数のサーバに分散してもよい。ゲートウェイ・サーバ15は、LAN10とインターネット11のデータ転送を中継する。
【0024】
スイッチング・ハブ25、27のROMには、それぞれMACアドレスが格納されている。MACアドレスは、LANカードなどのネットワーク機器に与えられた固有の物理アドレスであり、イーサネットでは48ビットで構成されている。スイッチング・ハブ25、27は、それぞれIP電話機33およびノートPC35をLAN10に接続するための256個のポートを備えている。スイッチング・ハブの数およびポートの数は、ネットワークの規模に応じて任意に選択することができる。スイッチング・ハブ25、27は、1000BASE−Tの規格に適合するベースバンド転送を行い、OSI参照モデルのレイヤ2(データリンク層)でMACフレームを転送するブリッジ機能を256個のポートに適用して1Gbpsでデータを送信することができる。スイッチング・ハブ25、27は、LANスイッチまたはレイヤ2スイッチなどとも呼ばれることがある。
【0025】
図1ではスイッチング・ハブ25、27の出力ポートはカテゴリー5以上のUTPケーブルでRJ45コネクタ29a〜29fに接続されている。RJ45コネクタ29a〜29fは、パーソナル・ネットワーク・システム30が構成される机39の近辺に設置されている。ユーザの机39の上には、パーソナル・ネットワーク・システム30を構成するノートPC35とノートPC35の機能拡張装置100とIP電話機33が配置されている。机39は、ユーザがノートPC35とIP電話機33を利用する近接したまたは限定された範囲としての意義を有する。RJ45コネクタ29bには代表的にカテゴリー5以上のUTPケーブル32で機能拡張装置100が接続されている。その他のRJ45コネクタにも同様に他の機能拡張装置を接続することができる。
【0026】
スイッチング・ハブ25、27からは多数の使用場所にUTPケーブルを配線する必要があるため、スイッチング・ハブ25、27は建物の中の主要な場所に散在して設置される。したがって、スイッチング・ハブ25の出力ポートとRJ45コネクタ29bとの距離は比較的長くなるため、もしUTPケーブル31を通じてPOEにより電力を供給する場合には、電力損失が問題になるがネットワーク・システム1は、機能拡張装置100に対してPOEを利用した電力供給をしない。機能拡張装置100は、ドッキング・ステーションまたはポートリプリケータといわれ、光学ドライブ、ハードディスク・ドライブ、USBポートLANポート、またはディスプレイ端子などを備えている。ユーザはノートPC35を機能拡張装置100に装着するだけでデスクトップPCに匹敵する機能を利用することができる。
【0027】
IP電話機33は、イーサネット(登録商標)のインターフェースを備えておりカテゴリー5以上のUTPケーブル41で機能拡張装置100に接続されている。IP電話機31は、受話器の形状や数字のボタンの配列などは一般のビジネスホンと同様で、短縮ダイヤル、保留、および転送といった様々な電話の機能を備えている。無線基地局23は、LAN10に有線接続されており、ノートPC35が無線インターフェースを備える場合は、無線基地局23を通じてLAN10に接続することができる。UPS21は、停電時に所定の時間だけLAN10を動作させるための電力を供給する。
【0028】
図2は、ノートPC35および機能拡張装置(ドッキング・ステーション)100の外観示す斜視図である。ノートPC35は、表面にキーボードおよびポインティング・デバイスを搭載し内部に多くのデバイスを収納したシステム筐体45と、液晶ディスプレイ(LCD)を表面に搭載したディスプレイ筐体47とで構成される。ノートPC35は、システム筐体45の底部に設けられたコネクタ49を機能拡張装置100のコネクタ101に接続することで、機能拡張装置100に実装されたデバイスをノートPC35の一部として利用することができる。ノートPC35は電池を実装しており、携帯時には電池から電力の供給を受けて動作する。
【0029】
また、ノートPC35には図示しないAC/DCアダプタを接続することが可能で、ユーザはノートPC35を商用電源で電池を充電しながら使用することもできる。機能拡張装置100には、商用電源のアウトレットに接続するプラグ104を備えるAC/DCアダプタ103が電源コネクタ105に接続されており、機能拡張装置100に実装されたデバイスに商用電源から電力を供給するとともに、ノートPC35が装着されたときにはノートPCにも電力を供給することができる。なお、ノートPC35が機能拡張装置100に装着されたときには、ノートPC33には直接AC/DCアダプタが接続できないように、ノートPC33の電源コネクタが機能拡張装置100に隠れるようになっている。
【0030】
図3は、ノートPC35を機能拡張装置100に接続した状態を示すブロック図である。AC/DCアダプタ53は、ノートPC35を機能拡張装置100に装着しない状態で商用電源を利用するときに電源コネクタ54に接続される。AC/DCアダプタ53は一次側に交流電圧が供給されたときに、2次側に20Vの直流電圧を出力する。電源コネクタ53は、ダイオード55を通じて充電器57とDC/DCコンバータ61とピン端子71aに接続されている。ピン端子71a〜71dは、図2のノートPC35のコネクタ49と機能拡張装置100のコネクタ101の接続部に相当する。
【0031】
充電器57には、電池パック67が接続されている。電池パック67は、スマート・バッテリィ・システムの規格に適合し、ケースの内部にリチウム・イオン電池、保護回路および制御用ICチップなどが収納されている。充電器57はAC/DCアダプタ53またはAC/DCアダプタ103から電力の供給を受けて、電池パック67を充電する。
【0032】
AC/DCアダプタ53は、ノートPC35が機能拡張装置100に装着されたときにはコネクタ54に物理的に接続できないようになっている。電池パック67は、ダイオード63を通じてDC/DCコンバータ61およびピン端子71cに接続されている。DC/DCコンバータ61は、AC/DCアダプタ53、AC/DCアダプタ103または電池パック67から供給された電圧を所定の電圧に変換してノートPC35のシステム負荷59に供給する。
【0033】
システム負荷59は、ノートPCの機能を構成するCPU、メイン・メモリ、ディスプレイ、ハードディスク・ドライブ、ICHまたはMCHといったチップ・セットなどを含む。システム負荷59の一部を構成するPCIバスがピン端子71bに接続される。イーサネット・コントローラ65は、システム負荷59の一部であるが、説明の都合分離して記載している。イーサネット・コントローラ65はDC/DCコンバータ61から電力の供給を受けて動作する。イーサネット・コントローラ65は、OSI参照モデルのデータリンク層と物理層を分担するハードウエアで、ノートPC35に取り付けられたRJ45コネクタ69とシステム負荷59のPCI Express Busとピン端子71dに接続されている。
【0034】
RJ45コネクタ69には、LAN10にノートPC35を、機能拡張装置100を経由しないで接続するために使用される。AC/DCアダプタ103は、ノートPC35を機能拡張装置100に装着した状態で利用するときに電源コネクタ105に接続される。AC/DCアダプタ103は一次側に交流電圧が供給されたときに、2次側に20Vの直流電圧を出力する。AC/DCアダプタ103は、電源コネクタ105およびダイオード107を通じて停電検出回路121、FET119、DC/DCコンバータ109およびピン端子71aに接続されている。DC/DCコンバータ109は、AC/DCアダプタ103から供給された電圧を所定の電圧に変換して機能拡張装置100のシステム負荷111に供給する。
【0035】
システム負荷111は、ハードディスク・ドライブ、光学ドライブ、およびUSBコントローラなどで構成され、PCIバスでピン端子71bに接続される。停電検出回路121はコンパレータで構成され、ダイオード107のカソードとFET119のゲートに接続されている。停電検出回路121は、AC/DCアダプタ103の出力電圧がたとえば15Vまで低下したときに停電またはAC/DCアダプタ103の接続がはずれたと判断してFET119をオフに制御する。DC/DCコンバータ113は、給電装置115に48Vの電圧を供給する昇圧型のスイッチング・レギュレータである。スイッチング・ハブ117は、一次側に1000BASE−Tの規格に適合するベースバンド転送を行うためのインターフェースを備え、二次側に1000BASE−Tの規格と100BASE−TXの規格に適合するベースバンド転送を行う2つのインターフェースを備えており、OSI参照モデルのレイヤ2(データリンク層)でMACフレームを転送する。
【0036】
スイッチング・ハブ117は、内部で処理する論理信号とUTPケーブルで伝送する電気信号を双方向に変換するPHY(Physical Layer)チップ、MACフレームの符号化および複合化を行ったりポート間の中継をしたりするスイッチ・チップ、MACフレームを一時的に格納するフレーム・バッファ、およびアドレス・テーブルなどを備えている。
【0037】
スイッチング・ハブ117は、オートネゴシエーション機能とフロー制御機能を備えており、IP電話機33およびノートPC35との伝送速度を自動的に決定したり、高速伝送の一次側から低速伝送の二次側にMACフレームを流してもフレーム・バッファがオーバーフローしないように制御したりすることができるようになっている。スイッチング・ハブ117は一次側のインターフェース(ポート)がRJ45コネクタ123に接続され、二次側の1000BASE−Tの規格に適合するインターフェース(ポート)がピン端子71dに接続され、100BASE−TXの規格に適合するインターフェース(ポート)がRJ45コネクタ125に接続される。RJ45コネクタ123は、図1に示したRJ45コネクタ29bに接続され、RJ45コネクタ125はPOEの受電装置としてのIP電話機33に接続される。
【0038】
給電装置115はPOEに対応しておりIP電話機33にUTPケーブル41を通じて電力を供給する。給電装置115はRJ45コネクタ125に接続され、POE対応機器またはPOE非対応機器の検出、充電側機器のクラス分け、および選択肢B方式による受電装置に対する電力の供給と停止といったPOEに規定されたプロトコル機能を備えている。給電装置115はまたスイッチング・ハブ117に接続され、スイッチング・ハブ117にも電力を供給する。スイッチング・ハブ117はPOE非対応機器であるため、POEのプロトコルに基づく給電をする必要はない。
【0039】
なお、図1および図3は本実施の形態を説明するために、本実施の形態に関連する主要なハードウエアの構成および接続関係を簡略化して記載したに過ぎないものである。ここまでの説明で言及した以外にも、ノートPC35および機能拡張装置100を構成するには多くのデバイスが使われる。しかしそれらは当業者には周知であるので、ここでは詳しく言及しない。図で記載した複数のブロックを1個の集積回路もしくは装置としたり、逆に1個のブロックを複数の集積回路もしくは装置に分割して構成したりすることも、当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。また、各々のデバイスの間を接続するバスおよびインターフェースなどの種類はあくまで一例に過ぎず、それら以外の接続であっても当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。
【0040】
図4は、給電装置115がPOEに基づいてIP電話機33に電力を供給する方法を説明する配線図である。スイッチング・ハブ117では、PHYチップ151、電源回路152、送信用トランス153、および受信用トランス154だけを示している。送信用トランス153と受信用トランス154は、UTPケーブル41を通じて進入してくる高電圧からPHYチップ151を保護するために設けられている。電源回路152は、給電装置115から供給された電力をスイッチング・ハブ117の内部で動作する素子に分配する。
【0041】
送信用トランス153と受信用トランス154はそれぞれより対線155、156でRJ45コネクタ125に接続されている。スイッチング・ハブ117からIP電話機33までは、POEに対応する100BASE−TXでデータ伝送をするために、送信用と受信用に各1対のより対線155、156を使用する。給電装置115は、内部にDC/DCコンバータ113から入力された48Vの電圧を、それぞれ電気的に一体にしたより対線161とより対線163との間、およびより対線157とより対線158との間に48Vの電圧を出力するPOEパワー・チップ159を供えている。POEパワー・チップ159は、POEのプロトコルに従ってIP電話機に電力を供給することができる。なお、より対線157、158、161、162は、電力だけを伝送しデータを伝送しないので、より線にしない2本の導線または2本分の断面積に相当する断面積を備える1本の導線で構成してもよい。
【0042】
より対線155、156、161、162は、FJ45コネクタ125、165、UTPケーブル41、およびRJ45コネクタ167を経由してIP電話機33に接続される。IP電話機33には、受信用トランス169、送信用トランス170、PHYチップ173、電源回路175だけが示されている。本実施の形態では電源回路175は、POEパワー・チップ159から選択肢B方式で電力の供給を受けるが、他のPSEから選択肢A方式でも電力の供給を受けることができるように、送信用トランス169、170のそれぞれのセンター・タップにも接続されている。選択肢A方式でIP電話機33に電力を供給する場合には、スイッチング・ハブ117の内部に給電装置を実装して、送信用トランス153と受信用トランス154のそれぞれのセンター・タップの間に48Vの電圧を供給する。電源回路175は、給電装置115から供給された電力をIP電話機33の内部で動作する素子に分配する。
【0043】
つぎに、ネットワーク・システム1の動作について説明する。図5は、ネットワーク・システム1の動作を示すフローチャートである。ブロック201では、図1に示したLAN10が準備されている。LAN10には、停電時にはUPS21から電力が供給される。ブロック203では、機能拡張装置100のRJ45コネクタ123がUTPケーブル32でRJコネクタ29bに接続され、さらにIP電話機33がUTPケーブル41で機能拡張装置100のRJ45コネクタ125に接続される。
【0044】
AC/DCアダプタ103が電源コネクタ105に接続されると、停電検出回路121が電圧を検出してFET119をオンにする。DC/DCコンバータ113、109、61には、AC/DCアダプタ103から電力が供給され、DC/DCコンバータ113は、給電装置115に電力を供給する。スイッチング・ハブ117はオートネゴシエーション機能に基づいてIP電話機33との間でファスト・リンク・パルス(Fast Link Pulse)という信号をやりとりして、お互いがサポートする通信モードに関する情報を交換し、優先解決(Priority Resolution)という手法で最も高速の通信モードにポートを設定する。この場合、スイッチング・ハブ117はIP電話機33に対するポートを、100BASE−TXの規格に規定された通信速度に設定する。この状態で、IP電話機33は、スイッチング・ハブ117を経由してLAN10に接続され、IPゲートウエイ17を経由してLAN10に接続された他のIP電話機や公衆電話回線13を経由してLAN10の外の電話機との通話に使用することができる。
【0045】
給電装置115は、IP電話機33とスイッチング・ハブ117に電力を供給する。POEパワー・チップ159はIP電話機33がRJ45コネクタ125に接続されると、2.8V〜10Vといった低い電圧をIP電話機33に印加して検出モードを実行する。POEに対応するIP電話機33には、25Ωの抵抗が挿入されており印加された電圧に対応する電流がより対線161とより対線162との間に流れる。POEパワー・チップ159は、印加した電圧と流れた電流の関係から抵抗値が25Ωであることを検知すると、クラス分けモードに移行する。抵抗値が25Ωであると認定できない場合はIP電話機33がPOEに対応していないと判断して電力を供給しない。
【0046】
クラス分けモードでは、POEパワー・チップ159はIP電話機33に15.5V〜20.5Vの電圧を印加して流れる電流を測定し、その値によりIP電話機33の消費電力を判断する。クラス分けが終わるとPOEパワー・チップ159は、IP電話機33に電力を供給する。また、RJコネクタ125からIP電話機33が外されたときは、POEパワー・チップ159は電力の供給を停止する。スイッチング・ハブ117はPOEに対応していないので、POEパワー・チップ159はPOEの手順を使用しないで48Vの電圧を供給するようになっている。
【0047】
RJコネクタ125には、POE非対応の機器も接続される可能性があるため、POEのプロトコルに基づいて電力供給をする必要があるが、スイッチング・ハブ117に対してはそういった問題が生ずることはない。IP電話機33には給電装置115から電力が供給されるので、独立したAC/DCアダプタから電力を供給する必要がない。また、スイッチング・ハブ117にはAC/DCアダプタ103から電力が供給されるので、独立したAC/DCアダプタを接続する必要がない。機能拡張装置100は、ノートPC35をデスクトップに相当する状態で使用する目的で、机39の上に配置されているので、独立したスイッチング・ハブを設ける場合に比べて机上のスペースを節約することができる。
【0048】
ブロック205で機能拡張装置10にノートPC35が装着される。ノートPC35のシステム負荷59、充電器57、および機能拡張装置100のシステム負荷111には、AC/DCアダプタ103から電力が供給され、ユーザは電池パック67を充電しながらノートPC35を拡張された機能とともに使用することができる。スイッチング・ハブ25とスイッチング・ハブ117との間は、POEを採用していないので1000BASE−Tの規格でデータ伝送をすることができる。ノートPC35は、POEに対応するIP電話機の伝送速度の制約を受けることなくLAN10との間でデータ伝送をすることができる。スイッチング・ハブ117はオートネゴシエーション機能に基づいてイーサネット・コントローラ65に対するポートを、1000BASE−Tの規格に規定された通信速度に設定する。
【0049】
ブロック207で、AC/DCアダプタ103が接続されている商用電源が停電になったり、AC/DCアダプタ103が電源コネクタ105から外されたりすると、ノートPC35はブザーを鳴らしてユーザに通知するとともに停電検出回路121がFET119をオフにする。機能拡張装置100にAC/DCアダプタ103から電力が供給されないときは、ノートPC35は機能拡張装置100を利用しないことになっている。機能拡張装置100に装着されたノートPC35は、AC/DCアダプタ103の電圧が低下したことを図示しない回路で検出すると、ハイバネーション状態またはサスペンド状態に移行する。そしてブロック209で、電池パック67がDC/DCコンバータ113に電力を供給することにより、スイッチング・ハブ117とIP電話機33は継続して動作することができる。電池パック67の電圧が放電終止電圧に基づいて設定した所定の電圧値よりも下がった場合は、ノートPC35はブザーを鳴らしてユーザに知らせることで、不意にIP電話機33が使用できなくなることを防いでいる。LAN10はUPS21から電力が供給されているので、IP電話機33の通話は停電時にも確保される。
【0050】
このときFET119はオフになるので、DC/DCコンバータ109には電力が供給されないため、ユーザは電池パック67の消耗をできるだけ少なくしながらIP電話機33を使用し続けることができる。本実施の形態では、ノートPC35が機能拡張装置100に装着されていないときには停電時にIP電話機33に電力が供給されないことになるが、ユーザがIP電話機33を使用するときは机39の近辺にいることが前提であるためこのときノートPC35は機能拡張装置100に装着されていると考えられる。したがって、ノートPC35はIP電話機33に対する有効な停電対策になっている。これまでLAN10のスイッチング・ハブ25からパーソナル・ネットワーク・システム30が構築された使用場所までUTPケーブル31で配線する例を示したが、本発明は、この間を1000BASE−SXまたは1000BASE−LXの規格に適合する通信方式の光ファイバ・ケーブルで接続するようにしてもよい。また、機能拡張装置100を高速の無線LANでアクセス・ポイント23に接続するようにしてもよい。
【0051】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0052】
1…ネットワーク・システム
10…LAN
30…パーソナル・ネットワーク・システム
31、41…UTPケーブル
69、123、125、165、167…RJ45コネクタ
115…給電装置
155、156、157、158、161、162…より対線
159…POEパワー・チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカル・エリア・ネットワークに接続可能なパーソナル・ネットワーク・システムであって、
ローカル・エリア・ネットワークとの間で第1の規格の伝送速度でデータを送受信することができるスイッチング・ハブと、パワー・オーバー・イーサネットに適合する給電装置と、前記スイッチング・ハブの第1のポートと前記給電装置とに接続された第1のコネクタと、前記スイッチング・ハブの第2のポートに接続された第2のコネクタとを含む機能拡張装置と、
前記第1のコネクタに接続されパワー・オーバー・イーサネットの規格に適合し前記ローカル・エリア・ネットワークとの間で前記第1の規格よりも遅い第2の規格の伝送速度でデータを送受信することができるIP電話機と、
前記機能拡張装置に装着されたときに前記第2のコネクタに接続され前記ローカル・エリア・ネットワークとの間で前記第2の規格よりも速い第3の規格の伝送速度でデータを送受信することができるイーサネット・コントローラを含む携帯式コンピュータと
を有するパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項2】
前記給電装置は前記機能拡張装置に接続されたAC/DCアダプタから電力の供給を受けて前記IP電話機に電力を供給する請求項1に記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項3】
前記給電装置は、停電時に前記携帯式コンピュータに搭載された電池から電力の供給を受ける請求項1または請求項2に記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項4】
前記給電装置は前記スイッチング・ハブに電力を供給する請求項3に記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項5】
前記第1の規格および前記第3の規格が1000BASE−Tである請求項1から請求項4のいずれかに記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項6】
前記スイッチング・ハブは、OSI参照モデルのレイヤ2で動作する請求項1から請求項5のいずれかに記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項7】
前記第2の規格が100BASE−TXである請求項6に記載のパーソナル・ネットワーク・システム。
【請求項8】
イーサネット・コントローラを含む携帯式コンピュータと該携帯式コンピュータが装着された機能拡張装置とIP電話機とで構成されるパーソナル・ネットワーク・システムにおいて使用される前記機能拡張装置であって、
ローカル・エリア・ネットワークとの間で第1の規格の伝送速度でデータを送受信する第1のポートと、前記IP電話機との間で前記第1の規格よりも遅い第2の規格の伝送速度でデータを送受信することができる第2のポートと、前記イーサネット・コントローラとの間で前記第2の規格よりも速い第3の規格の伝送速度でデータを送受信することができる第3のポートとを含むスイッチング・ハブと、
パワー・オーバー・イーサネットに適合し前記IP電話機に電力を供給する給電装置と、
を有する機能拡張装置。
【請求項9】
前記給電装置は、前記スイッチング・ハブに電力を供給する請求項8に記載の機能拡張装置。
【請求項10】
前記給電装置と前記携帯式コンピュータに電力を供給するAC/DCアダプタの接続端子を備える請求項8または請求項9に記載の機能拡張装置。
【請求項11】
前記携帯式コンピュータが電池を搭載し、前記AC/DCアダプタからの電力供給が停止したときに、前記電池から前記給電装置に電力を供給するための給電回路を含む請求項10に記載の機能拡張装置。
【請求項12】
前記電池から前記給電装置に電力を供給する間、前記機能拡張装置のシステム負荷に対する前記電池からの電力供給を停止するためのスイッチを含む請求項11に記載の機能拡張装置。
【請求項13】
前記第1の規格および前記第3の規格が同一である請求項8から請求項12のいずれかに記載の機能拡張装置。
【請求項14】
第1の規格の伝送速度でデータを送受信することが可能な携帯式コンピュータと、パワー・オーバー・イーサネットの規格に適合し前記第1の規格よりも遅い第2の規格の伝送速度でデータを送受信することが可能なIP電話機における通信方法であって、
前記携帯式コンピュータの機能拡張装置に前記ローカル・エリア・ネットワークとの間でデータ伝送が可能なスイッチング・ハブとパワー・オーバー・イーサネットの規格に適合する給電装置を用意するステップと、
前記機能拡張装置をローカル・エリア・ネットワークに接続するステップと、
前記携帯式コンピュータと前記IP電話機を前記機能拡張装置に装着するステップと、
前記ローカル・エリア・ネットワークと前記携帯式コンピュータとの間で前記第1の規格の伝送速度でデータ伝送をするステップと、
前記給電装置から前記IP電話機に電力を供給しながら前記ローカル・エリア・ネットワークと前記IP電話機との間で前記第2の規格の伝送速度でデータ伝送をするステップと
を有する通信方法。
【請求項15】
前記給電装置に前記機能拡張装置に接続されたAC/DCアダプタから電力を供給するステップと、
前記機能拡張装置が停電を検出するステップと、
停電の検出に応答して前記携帯式コンピュータに実装された電池から前記給電装置に電力を供給するステップと
を有する請求項14に記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−166343(P2010−166343A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7185(P2009−7185)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
【復代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
【Fターム(参考)】