説明

携帯式コンピュータの消費電力の制御方法

【課題】識別ピンを設けないACアダプタの定格電力を認識して携帯式コンピュータの消費電力を制御する方法を提供する。
【解決手段】携帯式コンピュータ(PC)10は、蓄電池103とACアダプタ101から電力の供給が可能なシステム負荷67を搭載する。充電器51は、ACアダプタがシステム負荷および充電器に電力を供給するACアダプタの出力電流と出力電圧を測定する。EC21は出力電圧が所定値よりも低下したときにACアダプタが垂下領域で動作していることを認識する。さらにEC21は垂下領域で動作するACアダプタの出力電流に基づいて、システム負荷の消費電力を制限する基準値であるシステム制限電力値を設定してシステム負荷を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式コンピュータに接続されたACアダプタの定格電力を管理する技術に関し、さらに詳細には、接続されたACアダプタの定格電力を認識して携帯式コンピュータの消費電力を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯式電子機器は、本体に蓄電池を搭載してモバイル環境で使用することができ、オフィスでは交流電圧を所定の電圧の直流電圧に変換するAC/DC電圧変換器(以下、ACアダプタという。)から電力の供給を受けて蓄電池を充電しながら使用することができる。消費電力の増大する高機能のノートPCが新たに出荷されることに伴い、ACアダプタもそれに相応する容量の新たなタイプのものが出荷されてきている。新たに出荷するACアダプタは、従来のACアダプタに対してプラグの形状および出力電圧の同一性を保っている。また、容量の大きなACアダプタは持ち運びに不便であるため、ユーザは外出先には容量の小さなACアダプタを持参したいという希望がある。ここに、1つのノートPCに定格容量の異なる複数のACアダプタが接続できる状況が生じている。
【0003】
このような状況下において、ACアダプタの定格容量がノートPCのシステム負荷の消費電力(以下、システム電力という。)の最大値と充電中の充電器の電力(以下、充電電力という。)の最大値の合計よりも小さい場合は、ACアダプタの出力電力が定格容量を超えないようにシステム負荷および充電器またはそのいずれかの動作を制限するいわゆるパワー・マネジメントを行う必要がある。システム電力はノートPCの使用状態に応じて変化し、充電電力は蓄電池の残容量に応じて変化する。ACアダプタの定格容量の範囲内でノートPCのパフォーマンスを最大限に発揮させるために、パワー・マネジメントは、ACアダプタの定格電力に基づいてダイナミックに行う必要がある。したがって、ノートPCが適切にパワー・マネジメントを行うには、現在接続されているACアダプタの定格容量を認識する必要がある。
【0004】
特許文献1は、専用のACアダプタとはタイプが異なるACアダプタを使用できるようにするACアダプタ支援装置を開示する。同文献には、ACアダプタに擬似負荷を接続してその抵抗値を順番に下げて電圧を測定しACアダプタの定電圧領域を確認する。そして、電子機器本体の定格電力値に達する前に擬似負荷に対する電圧降下を確認した場合は、電圧降下があったときより1つ前の時点での電流値をACアダプタの最大許容電流値とみなしている。ACアダプタの最大許容電流値が電子機器本体を動作させるのに不十分な場合は充電を制限したり、ACアダプタの使用ができないことをユーザに知らせたりしている。
【0005】
特許文献2は、ACアダプタの電圧、容量を確認して適正な場合に充電を行う充電方法を開示する。ACアダプタは、DC電源の定格電圧値と定格容量値とを予め定められたアドレスに格納している電圧、容量データ記憶部を備えている。ACアダプタが接続されたときに情報処理装置は、ACアダプタに格納されているDC電源の定格電圧値と定格容量値とを読み出して、DC電源の定格電圧値および定格容量値が情報処理装置の入力電圧および容量として適正かどうかを判断し適正でなかった場合には警告表示を行い、適正であった場合にはバッテリの充電を可能とする。
【0006】
特許文献3は、電池が接続された電気機器にACアダプタから電力を供給する際に、電池の充電状態を把握して、正規のアダプタに比べて容量の小さいアダプタが接続されていることを検出する技術を開示する。同文献には、ACアダプタが電気機器に適合したものでないと判断したときに警告表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−228939号公報
【特許文献2】特開2001−224131号公報
【特許文献3】特開2003−295980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来ノートPCでは、ACアダプタに設けた所定の抵抗値の識別抵抗をプラグに形成した識別ピンに接続し、ノートPCにおいて当該識別ピンに接続されるプルアップ回路で電圧を測定してACアダプタの定格容量を認識していた。この場合、それまでにない抵抗値の識別抵抗を備えた新しいACアダプタが開発されると、出荷済みのノートPCではソフトウエアを更新しない限りその定格容量を認識することができず、適切なパワー・マネジメントを行うことができないといった問題があった。また、プルアップ回路が識別抵抗を認識するためには、一定の電圧範囲の閾値を設ける必要があるためACアダプタの種類が増えると、抵抗値による識別法では識別子の数を十分に得ることができないという問題があった。
【0009】
特許文献1の方法は、ACアダプタの最大許容電流値を検出するために抵抗からなる擬似負荷を設けている。しかし、ACアダプタの定格電流を流すことができる容量の抵抗はそのサイズが大きくなり、複数の擬似負荷をノートPCに搭載することは現実的に困難である。また、擬似負荷を利用する方法では回路が複雑になってコストが増大し重量が増加するという問題も残る。
【0010】
そこで本発明の目的は、ACアダプタと蓄電池から電力の供給を受けることができる携帯式コンピュータにおいて簡易な方法でACアダプタの定格電力以内に消費電力を制御する方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、プラグに識別ピンを設けないACアダプタの定格電力を認識して携帯式コンピュータの消費電力を制御する方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、定格容量の不明なACアダプタから電力の供給を受ける携帯式コンピュータを安全に動作させるように消費電力を制御する方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような方法を実現する携帯式コンピュータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる携帯式コンピュータは、蓄電池から電力の供給が可能なシステム負荷と蓄電池を充電する充電器を搭載する。ACアダプタは、充電器に蓄電池を充電する充電電力を供給しながら同時にシステム負荷にシステム電力を供給することができる。ACアダプタは、出力電力あるいは出力電流が定格値を超えると出力電圧が低下するいわゆる垂下特性を備えている。本発明にかかる携帯式コンピュータは、ACアダプタの定格容量がシステム電力の最大値よりも小さい場合に、ACアダプタの出力電力が定格容量を越えないようにシステム負荷と充電器を制御するパワー・マネジメントを行う。
【0012】
携帯式コンピュータにはさまざまな定格容量のACアダプタが接続される可能性があるので、携帯式コンピュータはACアダプタが接続されるまで、その定格容量を認識することができない。携帯式コンピュータのパフォーマンスを必要以上に低下させないためには、ACアダプタの定格電力を認識してからパワー・マネジメントを行う必要がある。本発明では、ACアダプタからシステム電力またはシステム電力と充電電力を供給している間に測定したACアダプタの最大出力電流に基づいてパワー・マネジメントを行う。
【0013】
本発明では、ACアダプタからシステム負荷および充電器に電力を供給して携帯式コンピュータを使用している状態のときにACアダプタが垂下領域で動作していることを携帯式コンピュータが認識する。ACアダプタが垂下領域で動作しているということは、出力電力が定格電力を越えたことを意味しており、ACアダプタの出力電圧は急激に低下する。しかし、システム負荷には蓄電池から電力の供給をすることが可能なので、ACアダプタの出力電圧が低下しても蓄電池がシステム負荷に対する電圧を維持するためシステムダウンに至ることはなく安全にACアダプタの最大出力電流を測定することができる。
【0014】
垂下領域で動作するACアダプタの出力電流は最大出力電流に相当する。最大出力電流にACアダプタの定格電圧を乗じて得た最大出力電力は、ACアダプタの定格電力に相当する。携帯式コンピュータは、ACアダプタが垂下領域で動作するときに測定した最大出力電流に基づいて、システム負荷の消費電力を制限する基準値であるシステム制限電力値を設定する。なお、ACアダプタが電力を供給するときは、垂下領域以外の定電圧領域で動作する。定電圧領域では、出力電力が変化してもACアダプタの出力電圧はほぼ一定であるので、システム負荷の消費電力を制限する基準値を電流値として設定しても同じ意味である。
【0015】
そして携帯式コンピュータはシステム制限電力値に基づいてシステム負荷を制御する。したがって、ACアダプタに識別ピンを設けたり、携帯式コンピュータに擬似負荷を実装したりしないでもACアダプタの定格電力を認識し、それに基づいてシステム制限電力値を設定することができる。その結果、システム電力をACアダプタの定格電力に対して過大に制限したり、ACアダプタの定格電力を越えたりしないようにして制御することができる。
【0016】
ACアダプタは定電圧領域で動作するときは出力電圧がほぼ一定であるため、携帯式コンピュータは出力電圧が所定値よりも低下したことを検出したときにACアダプタが垂下領域で動作していると認識することができる。また、ACアダプタが垂下領域で動作するに至るまでシステム電力が増大したときは、ACアダプタの出力電圧が蓄電池の電圧まで低下するため、必ず蓄電池からシステム負荷に電力が供給される。したがって、携帯式コンピュータは蓄電池からシステム負荷に電力を供給したことを検出してACアダプタが垂下領域で動作していると判断してもよい。
【0017】
プロセッサは、システム負荷のなかでも最も消費電力が大きい。システム負荷がプロセッサを含むときは、ACアダプタの出力電力がシステム制限電力値に到達したときにプロセッサの動作周波数を低下させたり、スロットリングを行ったりして、システム電力を制御することができる。またシステム制限電力値より小さい値として充電制限電力値を設定し、ACアダプタの出力電力が充電制限電力値に到達したときに充電器の動作を停止したり、ACアダプタの出力電力が充電制限電力値に到達するまで充電器の充電電力をACアダプタの出力電力が充電制限電力値を超えないように制御したりしてもよい。
【0018】
携帯式コンピュータは、蓄電池から電力の供給を受けないでACアダプタだけから電力の供給を受けて使用することもある。その場合は、ACアダプタを垂下領域で動作させると出力電圧がシステム負荷の許容電圧以下に低下してシステムダウンに至ってしまう。本発明では、蓄電池が携帯式コンピュータに電力を供給することが可能か否かを判断し、供給することができないときはシステム制限電力値を最低値に設定することでそのような事態を回避することができる。システム制限電力値が最低値に設定されると、システム負荷は予定された範囲における最低のシステム電力を消費するように動作が制限される。ユーザは、接続したACアダプタが当該携帯式コンピュータの使用に適合するかどうかを容易に判断することができない場合がある。本発明では、システム制限電力値が所定値よりも小さい場合に、パフォーマンスの低下または充電時間の延長を示す警告をユーザに通知することで、ユーザにACアダプタの交換を促したり、パフォーマンスの低下の理由を伝えたりすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ACアダプタと蓄電池から電力の供給を受けることができる携帯式コンピュータにおいて簡易な方法でACアダプタの定格電力以内に消費電力を制御する方法を提供することができた。さらに本発明により、プラグに識別ピンを設けないACアダプタの定格電力を認識して携帯式コンピュータの消費電力を制御する方法を提供することができた。さらに本発明により、定格容量の不明なACアダプタから電力の供給を受ける携帯式コンピュータを安全に動作させるように消費電力を制御する方法を提供することができた。さらに本発明により、そのような方法を実現する携帯式コンピュータを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ノートPCのシステム構成を示す概略のブロック図である。
【図2】ノートPCの電力システムを示す概略のブロック図である。
【図3】ACアダプタの垂下特性を示す図である。
【図4】ノートPCにおけるパワー・マネジメントの方法を説明する図である。
【図5】電力システムがパワー・マネジメントを行う手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[ノートPC10のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかるノートPC10のシステム構成を示す概略ブロック図である。ノートPC10は、バス27にさまざまなデバイスが接続されデータ通信ができるようになっている。CPU11は、ノートPC10の中枢機能を担う演算処理装置で、OS、BIOS、デバイス・ドライバ、あるいはアプリケーション・プログラムなどを実行する。CPU11はノートPC10の電子デバイスの中で最も消費電力が大きい。
【0022】
CPU11は、スピード・ステップという技術およびスロットリングという技術に対応している。スピード・ステップは米国インテル社が開発した、CPUの動作電圧および動作周波数の値を自由に設定できる技術である。スピード・ステップでは、システムがある状態のときに許可する最大の動作周波数をシステムBIOSがCPU11のレジスタに設定することにより、実際に当該CPUが動作する動作周波数を段階的に低減させることができる。
【0023】
CPU11は動作周波数を低減させるときに同時に当該動作周波数でCPU11を動作させるのに必要な値まで動作電圧を低減させる。CPU11は、スピード・ステップを実行するときに、EC21に指示してノートPC10のシステムに電力を供給するDC/DCコンバータに、設定した最大動作周波数に適合するようにCPU11の電圧を変更させる。スピード・ステップが実行することでCPU11の消費電力を段階的に低減することができる。スロットリングは、CPU11を一定時間間隔で動作および停止させて間欠動作をさせることにより平均的な処理速度を切り替える機能である。スロットリングを実行するには、システムBIOSがCPU11のレジスタにスロットリングの有効/無効の設定およびデューティ比(スロットリング率)を設定する。
【0024】
また、スピード・ステップとスロットリングとを併用し、スピード・ステップによる最低の動作周波数を維持したままでスロットリングに移行することもできる。以後、スピード・ステップおよびスロットリングまたはいずれか一方により、ACアダプタの出力電力が定格電力を越えないようにCPUの消費電力を低下させることをCPUに対するパワー・マネジメントという。CPUに対するパワー・マネジメントは、段階的に消費電力が低減するように行ってもよく、また、通常状態と低電力状態の2段階だけで行ってもよい。
【0025】
ノートPC10に実装されるハードウエアおよびソフトウエアは、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)という規格に適合する。ACPIは、OSがBIOSと連携してPCを構成する各デバイスの消費電力を管理するための統一された方式として米国インテル社、米国マイクロソフト社および東芝が中心になって策定したものであり、電源のオン/オフ、サスペンド/レジューム、および放熱ファンの制御などの消費電力の制御にまつわる様々な機能および動作をOSが中心となって細かく設定・管理できるものである。ACPIはスピード・ステップおよびスロットリングに対応している。
【0026】
メイン・メモリ13は、CPU11が実行するプログラムの読み込み領域、処理データを書き込む作業領域として利用される揮発性のRAMである。グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)17はVRAMを備えており、CPU11からの命令を受けて描画すべき画像ファイルのイメージを生成してVRAMに書き込み、VRAMから読み出したイメージを画像データとして液晶ディスプレイ装置(LCD)19に送る。GPU17に対してもCPU11と同様にスピード・ステップおよびスロットリングまたはそのいずれかによるパワー・マネジメントが行えるようになっている。
【0027】
ハードディスク・ドライブ(HDD)15は、OS、デバイス・ドライバ、およびアプリケーション・プログラムなどのプログラムを格納する。EC21は、8〜16ビットのCPU、ROM、RAMなどで構成されたマイクロ・コンピュータであり、さらに複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマー、およびディジタル入出力端子を備えている。EC21は、CPU11とは独立してプログラムを実行して、ノートPC10に電力を供給するACアダプタの出力電力が定格電力を越えないように、CPU11、GPU17および後に説明する充電器に対するパワー・マネジメントを実行する。EC21はI/Oコントローラの機能も備えており、キーボードやマウスなどの入力デバイス23が接続される。
【0028】
フラッシュROM25は不揮発性で記憶内容の電気的な書き替えが可能なメモリであり、I/Oデバイスを制御したり電源および筐体内の温度などを管理したりするACPIに適合したシステムBIOS、およびノートPC10の起動時にハードウエアの試験や初期化を行うPOST(Power-On Self Test)などのプログラムを格納する。EC21は、CPU11およびGPU17にスピード・ステップまたはスロットリングを実行させる際に、設定すべき動作周波数またはスロットリング率を指定してパワー・マネジメント・ドライバを通じてシステムBIOSに通知する。通知を受けたシステムBIOSは、CPU11およびCPU17のレジスタに指定された動作周波数またはスロットリング率を設定する。
【0029】
[電力システム]
図2は、ノートPC10の電力システムを示す概略のブロック図である。電力システム100は、ノートPC10の電力供給に関連するデバイス、ACアダプタ101、および電池パック103で構成されている。本発明においては、ACアダプタ101はノートPC10にプラグで接続する。ACアダプタ101の定格電力は、ノートPC10のシステム電力の最大値および充電電力の最大値の合計以下であることを想定している。電池パック103はノートPC10の電池ベイに着脱可能に装着する。ただし本発明においては、蓄電池がノートPC10の本体に収納されていてもよい。ノートPCの電力供給に関連する主たるデバイスは、充電器51、EC21およびDC/DCコンバータ67である。
【0030】
ACアダプタ101は一次側がアウトレットの交流電源に接続され、交流電圧を直流電圧に変換する。ACアダプタ101はその定格容量の範囲内で、充電器51に充電電力を供給しながらダイオード63を通じてDC/DCコンバータ67にシステム電力を供給することができる。ACアダプタ101は、出力電力Pが定格電力Paを越えると出力電圧Vが定格電圧Vaより下がるいわゆる垂下特性を備えている。図3は、ACアダプタ101の垂下特性を示す図である。ACアダプタ101は、一例として定格電圧Vaが20V(−0.5/+1V)で定格電流Iaが3.25Aである。したがって、ACアダプタの定格電力Paは、65Wとなる。
【0031】
図3では、ACアダプタ101の出力電流Iが定格電流Iaに到達するまでは定電圧領域であり、出力電流Iが変化しても出力電圧Vは定格電圧Vaに維持されているが、出力電流Iが定格電流Iaを越えると垂下領域に入り出力電圧Vが定格電圧Vaよりも低下する様子が示されている。図3には、電池パック103の蓄電池の電圧の最大値Vbhと最低値Vblも示されている。Vbhは、充電が終了して充電器51が充電を停止するときの電圧に相当し、Vblは蓄電池が放電を停止するときの電圧に相当する。ここでは一例として、Vbhを12.6Vに設定しVblを9Vに設定している。VbhとVblの範囲の電圧を蓄電池電圧Vbという。図3にはまた、垂下領域に閾値電圧Vthが示されている。閾値電圧Vthは、ACアダプタ101の出力電圧Vが低下したときに、ACアダプタ101が垂下領域で動作していることEC21が認識するための電圧である。
【0032】
電池パック103は、スマート・バッテリィ・システム(SBS)規格に準拠したインテリジェント・バッテリィである。電池パック103は、電力ライン69で充電器51およびDC/DCコンバータ67に接続され、通信ライン71でEC21に接続されている。電池パック103には、蓄電池、コントローラ、電流検出回路、電圧検出回路、および保護素子などが収納されている。電池パック103のコントローラは、充放電時の電流および電圧を測定し、そのデータを定期的にレジスタに記憶する。
【0033】
EC21は、通信ライン71を通じて、レジスタに記憶されたデータをたとえば2秒ごとに取得することができる。また、電池パック103のコントローラは、充電器に設定する設定電圧値および設定電流値をEC21に送る。電池パック103は、ACアダプタ101が接続されていないときまたはACアダプタの出力電圧が、蓄電池が保有している電圧よりも低下したときに、瞬間的な電圧降下をもたらすことなくダイオード65を通じてDC/DCコンバータ67に電力を供給することができる。EC21は、システム制限電力値を設定してCPU11およびGPU17に対してパワー・マネジメントを実行する。このパワー・マネジメントについては後に説明する。
【0034】
充電器51は、PWM_IC53とスイッチ回路55で構成されており定電流定電圧制御(CCCV)方式で蓄電池を充電する。スイッチ回路55は、直列に接続された2個のFET、リアクトルおよびコンデンサで構成されている。抵抗回路57、59は、それぞれ電流を測定するセンス抵抗および電圧を測定する分圧抵抗で構成されている。PWM_IC53は、PWMまたはPFMでACアダプタ101によりスイッチ回路55に供給された直流電圧を同期整流方式によりチョッパ制御し、抵抗回路59を通じて測定した充電器の出力電流または出力電圧を、充電電流の設定値または充電電圧の設定値に一致させるように動作する半導体チップである。
【0035】
PWM_IC53は抵抗回路57を通じて測定したACアダプタ101の出力電流および出力電圧から出力電力を計算することができる。PWM_IC53は抵抗回路59を通じて測定した充電器51の出力電流および出力電圧から充電電力を計算することができる。PWM_IC53はACアダプタ101の出力電圧および出力電流を定期的にEC21に送る。PWM_IC53は、パワー・マネジメントを行うために、EC21により設定された充電制限電力値に基づいて充電電力を制御することができる。このパワー・マネジメントについては後に説明する。DC/DCコンバータ67は、ACアダプタ101または電池パック103から供給される直流電圧を各デバイスに適合した複数の電圧に変換して図1に示したデバイスであるシステム負荷に電力を供給する。
【0036】
なお、図1および図2は本実施の形態を説明するために、本実施の形態に関連する主要なハードウエアの構成および接続関係を簡略化して記載したに過ぎないものである。ここまでの説明で言及した以外にも、ノートPC10および電力システム100を構成するには多くのデバイスが使われる。しかしそれらは当業者には周知であるので、ここでは詳しく言及しない。図で記載した複数のブロックを1個の集積回路もしくは装置としたり、逆に1個のブロックを複数の集積回路もしくは装置に分割して構成したりすることも、当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。
【0037】
[パワー・マネジメント]
ACアダプタ101は、ノートPC10に対してシステム電力と充電電力を供給する必要がある。ACアダプタ101としては、定格電圧とプラグ形状が同一であって、さまざまの定格容量のものが用意されており、システム電力に対して定格容量の小さなものが接続される可能性がある。また、システム電力は、システムの動作状態により変化し、充電電力は蓄電池の残容量により変化する。通常ACアダプタの定格容量は、最大のシステム電力と最大の充電電力の合計を満たすようにはなっていない。しかし、ノートPCを使用しているときに、ACアダプタ101の出力電力Pが定格電力Paを越えてしまうと、ユーザが認識しない間に蓄電池の放電が進んでしまったり、出力電圧がDC/DCコンバータ67の定格入力電圧より下がったりしてシステムが停止してしまうことがある。
【0038】
また、電池パック103が実装されていない場合は、ACアダプタ101の出力電力Pが定格電力Paを越えた時点で、電圧の低下によりシステムが停止してしまうことがある。ノートPC10は、このようなことがないように、現在接続されているACアダプタの定格容量Paを認識して、それに基づいたパワー・マネジメントを行う。図4はノートPC10におけるパワー・マネジメントの方法を説明する図である。(A)は、定格電力PaのACアダプタ101の出力電力90を示している。ACアダプタ101の出力電力に対しては、充電制限電力値P1とシステム制限電力値P2(Pa>P2>P1)が設定されている。
【0039】
一例では、Paを65W、P2を64W、P1を60Wとすることができる。(B)はシステム電力91aと充電電力93aの合計である出力電力Pが、充電制限電力値P1に一致している様子を示す。充電器51は、充電制限電力値P1に基づいて定電流領域で充電する際の充電電流設定値を電池パック103から受け取った初期値から変更して充電電力を低減できるようになっている。そして充電器51は充電電力93aが、充電制限電力値P1とシステム電力91aの差となるようにパワー・マネジメントを実行して充電電力を制御する。すなわち、ACアダプタ101の出力電力Pが充電制限電力値P1を越えるまでは、システム負荷の消費電力は制限されず充電器51の充電電力だけが制限される。
【0040】
ノートPC10がサスペンド状態またはハイバネーション状態のときには、システム電力が非常に小さいので、充電器51はACアダプタ101の出力電力Pをほとんど充電電力93aとして利用することができるが、システム電力91aが消費されているときは制限を受けることが多い。(C)は、システム電力91bが増大したときに、充電電力93bがそれに相当する分だけ制限されて出力電力Pが充電制限電力P1に一致する様子を示す。(D)は、出力電力Pとシステム電力91cが一致し、出力電力Pが充電制限電力値P1を越えて、充電器51が停止する様子を示す。(E)はシステム電力91dがさらに増大して出力電力Pがシステム制限電力値P2に到達したときの様子を示す。(F)は、出力電力Pがシステム制限電力値P2に到達したことにより、CPU11およびGPU17に対してパワー・マネジメントが実行されてシステム電力91eが低下した様子を示す。なおEC21は、パワー・マネジメントを停止しても出力電力Pがシステム制限電力P2に到達しない所定値まで低下したときにCPU11およびGPU17に対するパワー・マネジメントを停止する。
【0041】
[パワー・マネジメントの手順]
図5は、図2に示した電力システム100がACアダプタ101の定格容量を認識してパワー・マネジメントを行う手順を示すフローチャートである。パワー・マネジメントは、ACアダプタ101から電力の供給を受けたノートPCが実際に使用されているときに行われる。また、ノートPC10は携帯して使用されることが通常であるため、ACアダプタ101が接続されているときは電池パック103に充電しておく必要がある。システム電力がACアダプタ101の定格容量を越えると電池パック103からシステム負荷に放電するため好ましくない。ただし、短時間であれば電池パック103がACアダプタ101の容量の不足分を補っても実質的な問題はないので、本手順では電池パック103の一時的な電力の補完機能を利用してACアダプタ101の定格容量を認識し、充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2を適切な値に設定する。
【0042】
ブロック201では、ACアダプタ101のプラグをノートPC10のジャックに接続してノートPC10を起動し電力を供給する。ノートPC10は電池パック103を装着しないで、ACアダプタ101だけから電力の供給を受けて使用する場合がある。ブロック202では、EC21は、通信ライン71を通じて電池パック103から電力の供給を受けることができるか否かを判断する。電池パック103が装着されて、かつ、蓄電池の電圧も所定値以上あると判断した場合は、ブロック203に移行する。
【0043】
ブロック203では、EC21が充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2を、あらかじめ定めておいた最大値に仮に設定する。EC21は、ノートPC10からACアダプタ101が取り外されたとき、または、ACアダプタ101が接続されたときに最大の充電制限電力値P1を充電器51のPWM_IC53に設定し、最大のシステム制限電力値P2を自らのパワー・マネジメント実行部に設定する。EC21は、PWM_IC53から受け取るACアダプタ101の出力電流または出力電圧に基づいて、ACアダプタ101の着脱を認識することができる。
【0044】
本手順では、垂下特性に基づいてACアダプタ101の最大出力電流または最大出力電力をEC21が認識するために、ACアダプタ101を垂下領域で動作させる必要がある。充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2の最大値が実際に接続されたACアダプタの最大出力電力よりも小さな値に設定されると、ACアダプタ101が垂下領域で動作することができなくなる。しかもACアダプタ101の最大出力電力に余裕があるにもかかわらず、パワー・マネジメントにより充電電力およびシステム電力が必要以上に制限されてしまうことになる。したがって充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2の最大値を、接続が予想されるACアダプタの定格電力よりも大きな値に設定することで、ノートPC10の通常の使用においてACアダプタ101を垂下領域で動作させることができる。
【0045】
ブロック205では、ノートPC10が通常の使用状態で動作して、システム負荷がシステム電力を消費し充電器51が充電電力を消費する。ユーザは、パワー・マネジメントに関して一切の操作をする必要がない。システム電力はノートPC10の作業状態により変化する。充電電力は、電池パックの残容量により変化する。PWM_IC53は充電制限電力値P1が最大値に設定されているので、充電制限電力値P1に基づくパワー・マネジメントを行わないで定電流領域で充電するときは電池パック103から受け取った最大の充電電流設定値で充電する。定電流領域では、充電が進むにつれて蓄電池の電圧が上昇するため充電電力が大きくなる。また、EC21もシステム制限電力値P1が最大値に設定されているので、システム制限電力P2によるパワー・マネジメントを行わないでCPU11およびGPU17を最大のパフォーマンスで動作させる。PWM_IC53は、ACアダプタ101の出力電圧V、出力電流Iを定期的にEC21に送る。
【0046】
ブロック207では、EC21は、出力電圧Vが図4に示した閾値電圧Vthより低下したか否かを監視して、ACアダプタ101が垂下領域で動作しているか否かを判断する。充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2が最大値に設定されているため、出力電力Pが最大電力に到達すると、ACアダプタ101は垂下特性により定格電圧Vaを維持することができなくなり出力電圧Vが低下する。EC21は、出力電圧Vが閾値電圧Vthより下がったことを検出したときに、ACアダプタ101が垂下領域で動作していると判断する。
【0047】
ACアダプタ101が垂下領域で動作すると、出力電圧Vは急激に低下し閾値電圧Vthより下がって電池電圧Vbに到達する。出力電圧Vが蓄電池電圧Vbよりも低下すると、図2に示したようにダイオード65を通じて電池パック103からDC/DCコンバータ67に電力が供給される。EC21は、電池パック103から定期的に充電電流または放電電流のデータを受け取っているので、放電電流を受け取ることでACアダプタ101が垂下領域で動作していると判断することもできる。
【0048】
ブロック209では、EC21はACアダプタ101が垂下領域で動作していると判断したときにPWM_IC53から受け取ったACアダプタ101の出力電流Iaを最大の出力電流Imaxとして認識する。そしてEC21は、ACアダプタ209の最大出力電力PmaxをVa×Imaxで計算する。ブロック211では、EC21は最大出力電力Pmaxに基づいて充電制限電力値P1をPWM_IC53に設定し、システム制限電力値P2をみずからに設定する。EC21はたとえば、充電制限電力値P1を最大出力電力Pmaxの92%に設定し、システム制限電力値P2を最大出力電力Pmaxの98%に設定する。
【0049】
それ以後EC21は、正式に設定された充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2に基づいて図4に示したようにパワー・マネジメントを実行する。なお、ACアダプタ101がノートPCに電力を供給するときは、定電圧領域で動作するため、出力電圧Vaはほぼ一定である。したがって、ACアダプタ101の定格電力または最大出力電力を管理するために、充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2に代えて電流値を使用してもよい。
【0050】
実際に接続されたACアダプタ101の定格容量が、システム電力の最大値に対して十分に大きなものでない場合は、CPU11およびGPU17が十分にパフォーマンスを発揮することができなかったり充電時間が多くかかったりするがユーザはその原因を容易に認識することができない。ブロック213では、ブロック209で計算したACアダプタ101の最大電力Pmaxが、システム電力の最大値に対して十分でない場合は、EC21は電源管理用のソフトウエアを通じてパフォーマンスの低下や充電時間の長期化などが発生することを示すメッセージをLCD19に表示する。また、システム電力の最大値よりもACアダプタ101の最大出力電力Pmaxが相当小さいために、CPU11およびGPU17に対してパワー・マネジメントが実行される頻度が高くなってしまうような場合は、ACアダプタ101が不適切であることを示すメッセージをLCD19に表示する。
【0051】
以上の手順によれば、ACアダプタ101の定格容量を識別抵抗で認識する必要がないため、出荷済みのノートPCに対して後から開発されたACアダプタを接続してもノートPCに変更を加えることなくパワー・マネジメントの設定を行うことができる。また、ACアダプタのプラグには識別用のピンを複数設けることは困難なので、識別抵抗による認識方法ではACアダプタの数が増大すると識別が困難になるが、本実施形態の方法ではそのような問題が生じない。
【0052】
ブロック202で、電池パック103が装着されていなかったり、蓄電池の電圧が低かったりして、EC21が電池パック103から電力の供給を受けることができないと判断したときは、ブロック215に移行する。上記の手順では、ACアダプタ101の最大出力電力Pmaxを認識するために一旦は垂下領域で動作させている。ACアダプタ101が垂下領域で動作するときは、出力電圧VがDC/DCコンバータ67に許容される入力電圧よりも下がって、システムダウンをもたらすことが予想される。それに対応するため、電力システム100では、EC21が電池パック103から電力の供給を受けることができないと判断したときは、充電制限電力値P1およびシステム制限電力値P2を最小値に設定して、ACアダプタ101の出力電力Pが定格電力Paを越えないようにする。
【0053】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0054】
10…ノートPC
100…電力システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池から電力の供給が可能なシステム負荷と該蓄電池を充電する充電器を搭載し、垂下特性を備えるACアダプタの接続が可能な携帯式コンピュータにおける消費電力の制御方法であって、
前記ACアダプタから前記システム負荷および前記充電器に電力を供給するステップと、
前記ACアダプタが垂下領域で動作していることを前記携帯式コンピュータが認識するステップと、
前記ACアダプタが前記垂下領域で動作するときに前記ACアダプタが供給する出力電流を前記携帯式コンピュータが測定するステップと
前記測定した出力電流に基づいて前記システム負荷の消費電力を制限する基準値であるシステム制限電力値を前記携帯式コンピュータが設定するステップと、
前記システム制限電力値に基づいて前記携帯式コンピュータが前記システム負荷を制御するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記ACアダプタの出力電圧を前記携帯式コンピュータが測定するステップを有し、前記認識するステップが、前記出力電圧が所定値よりも低下したことを前記携帯式コンピュータが検出するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記認識するステップが、前記蓄電池から前記システム負荷に電力を供給したことを前記携帯式コンピュータが検出するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記システム負荷がプロセッサを含み、前記システム負荷を制御するステップが前記ACアダプタの出力電力が前記システム制限電力値に到達したときに前記プロセッサの動作周波数を低下させるステップを有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記システム制限電力値より小さい値である充電制限電力値を前記携帯式コンピュータが設定するステップと、前記ACアダプタの出力電力が前記充電制限電力値に到達したときに前記充電器の動作を停止するステップを有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ACアダプタの出力電力が前記充電制限電力値に到達するまで前記充電器の充電電力を前記ACアダプタの出力電力が前記充電制限電力値を超えないように制御するステップを有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記蓄電池が前記携帯式コンピュータに電力を供給することが可能か否かを判断するステップと、供給することができないときに前記携帯式コンピュータが前記システム制限電力値を最低値に設定するステップとを有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記システム制限電力値が所定値よりも小さい場合に、パフォーマンスの低下または充電時間の延長を示す警告をユーザに通知するステップを有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
蓄電池とACアダプタから電力の供給が可能なシステム負荷を搭載する携帯式コンピュータであって、
前記蓄電池を充電する充電器と、
前記システム負荷および前記充電器に電力を供給する前記ACアダプタの出力電流を測定する電流測定部と、
前記ACアダプタが垂下領域で動作していることを認識したときに前記電流測定部から受け取った出力電流に基づいて、前記システム負荷の消費電力を制限する基準値であるシステム制限電力値を設定し、該システム制限電力値に基づいて前記システム負荷を制御する電力制御部と
を有する携帯式コンピュータ。
【請求項10】
前記ACアダプタの出力電圧を測定する出力電圧測定部を有し、前記電力制御部は、前記出力電圧が所定値よりも低下したときに前記ACアダプタが垂下領域で動作していると認識する請求項9に記載の携帯式コンピュータ。
【請求項11】
前記電力制御部は、前記蓄電池から前記システム負荷に電流が流れたことを検知して前記ACアダプタが垂下領域で動作している認識する請求項9に記載の携帯式コンピュータ。
【請求項12】
前記ACアダプタが垂下領域で動作しているときに、前記蓄電池から前記システム負荷に電力を供給して前記システム負荷の電圧を維持する請求項9から請求項11のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
【請求項13】
前記電力制御部は、前記システム制限電力値よりも小さい値である充電制限電力値を設定し、前記充電器は該充電制限電力値に基づいて充電電力を制御する請求項9から請求項12のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
【請求項14】
前記電力制御部は、前記蓄電池が前記システム負荷に電力を供給することができないと判断したときに前記システム制限電力値および前記充電制限電力値を最低値に設定する請求項13に記載の携帯式コンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−34163(P2011−34163A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177330(P2009−177330)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
【復代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
【Fターム(参考)】