説明

携帯情報端末及び携帯情報システム

【課題】観察者の目や顔をほとんど動かすことなく、視野範囲全体に入っている多数の対象物の状態を見失うことなく、所望の対象物の関連情報を確認して観察・撮影可能な携帯情報端末及び携帯情報システムを提供する。
【解決手段】撮像手段1と、表示手段2と、表示された画像内の所定の対象物に関連する情報を取得する手段3を有する携帯情報端末において、表示手段2を少なくとも2つの表示画面21,22で構成し、少なくとも1つの表示画面21の表面をタッチパネルで構成し、撮像手段を、表示画面21の裏側に設け、表示画面21に、撮像された画像をリアルタイムで表示するとともに、表示画面21における、詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした対象物に関連する詳細情報を、対象物関連情報取得手段を介して取得し、別の表示画面22に表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末及び携帯情報システムに関し、特に、動物や植物などの対象物の像と、その対象物に関連する情報を表示する携帯情報端末及び携帯情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末は、撮像手段を備え、撮像手段で撮像した対象物を表示画面に表示できるようにしたものが一般的となっている。
ところで、携帯情報端末で撮像された対象物が、例えば動物や植物等である場合、その一般名称や特徴等、対象物に関連した情報を知りたい場合がある。そのような場合には、携帯情報端末で撮像した画像とともに、図鑑等の紙媒体やインターネット等の電子媒体など、携帯情報端末とは別の情報取得手段を用いて調べる必要が生じる。しかし、携帯情報端末とは別の情報取得手段を用いて調べたのでは、操作が煩雑となって不便である。
【0003】
しかるに、従来、そのような操作の煩雑さを解消しうる携帯情報端末として、撮像した対象物の一般名称等の関連情報を、データベース等の情報取得手段を用いて取得し、対象物と共に表示画面に表示するようにした装置が、例えば、次の特許文献1、2に提案されている。
【特許文献1】特開2002−247436号公報
【特許文献2】特開2007−179389号公報
【0004】
特許文献1に記載の装置は、次のような手順で対象物の関連情報を対象物と共に表示するように構成されている。
対象物を正面及び側面から撮像し、撮像した画像をワークメモリに書き込む。次いで、ワークメモリに書き込まれている正面及び側面の画像を読み出して対象物の特徴情報を取得する。次に、取得した特徴情報を用いてデータベース上の参照情報と照合し、対象物の関連情報を取得する。次に、ワークメモリから読み出した対象物の正面の画像に、取得した対象物の関連情報を合成した合成画像を作成し、この合成画像データを表示画面に表示する。
【0005】
また、特許文献2に記載の装置は、次のような手順で対象物の関連情報を表示するように構成されている。
対象物を撮像し、撮像した画像を画像ファイルとしての大容量メモリに記録する。次に、再生ボタンを操作して画像ファイルに記録されている所望の対象物の画像を液晶モニタの表示画面に再生表示する。次に、表示画面に表示された画像から、関連情報の取得を所望する対象物が表示されている領域を指定する。次に、指定された領域の画像に基づき、対象物の特徴情報を取得する。取得した特徴情報を用いてデータベースを検索し、対象物の関連情報を取得する。次に、取得した対象物の関連情報を、表示されている対象物に替えて表示画面に表示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数種類の対象物の生態を観察する際、これらの対象物が広大な領域を自由に移動している場合がある。例えば、サファリパークに放たれている複数種類の動物を観察するような場合である。
そのような場合には、対象物を遠方から観察することになりやすい。また、観察視野内においては、複数種類の対象物が存在し、しかもそれらの対象物が動物である場合、観察視野内における位置が変動しやすい。このため、観察視野内において所望の対象物を観察する場合にはその対象物から一旦目を離すと、その後に同じ観察視野を観察しても、その対象物を見失うおそれがある。
【0007】
しかし、特許文献1、2のいずれの装置も、対象物の関連情報を取得して表示する場合には、撮像した対象物の画像を一旦所定の保存領域に保存し、保存領域から読み出すことによって取り出した静止画像を表示画面に表示している。
このため、関連情報を参照すると、その時点での対象物の位置、状態等をリアルタイムで認識できない。その結果、対象物を見失い易くなってしまう。このため、観察者は、観察者は目や顔を動かし、表示画面に撮像された対象物の画像から視線を外して実際の観察視野を肉眼で観察し、対象物を探し出なさければならず、観察作業が煩雑化してしまう。
【0008】
加えて、特許文献1に記載の装置は、一つの表示画面において対象物の静止画像の表示領域と対象物の関連情報の表示領域とが分かれている。しかし、一つの表示画面において表示領域を分けたのでは、表示画面に表示させることのできる対象物が小さくなってしまい、観察し難くなってしまう。特に、サファリパークのような広大な領域に生息する動物を遠方から観察するような場合には、特に観察視野内における対象物が小さくなってしまう。ここで、観察倍率をあげれば、対象物を拡大表示できるが、それでは、広大な領域に生息する複数種類の動物の相対的な位置関係が把握し難くなってしまう上、観察できる対象物が減ってしまう。一方、表示画面を大きくすると、装置全体が大型化してしまい携帯できない。
【0009】
また、特許文献2に記載の装置は、対象物の画像と、関連情報とを表示画面に切り替えて表示しているが、それでは、対象物の画像と関連情報とを同時に見ることはできず、操作が煩雑化する上、観察し難い。そして、表示画面の切り替えを行うと、植物園等における樹木や花等、略静止状態にある対象物を観察する場合においても、対象物の種類が複数存在する場合には、観察対象を見失いやすい。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、観察者の目や顔をほとんど動かすことなく、視野範囲全体に入っている多数の対象物の状態を見失うことなく、所望の対象物の関連情報を確認して観察・撮影することの可能な携帯情報端末及び携帯情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明による携帯情報端末は、撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像された画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記画像内の所定の対象物に関連する情報を取得する対象物関連情報取得手段を有し、前記対象物関連情報取得手段を介して取得された情報を前記表示手段に表示する携帯情報端末において、前記表示手段を、少なくとも2つの表示画面で構成し、前記少なくとも2つの表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の表面を、タッチパネルで構成し、前記撮像手段を、前記表面がタッチパネルで構成されている表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の裏側に設け、前記裏側に撮像手段が設けられている表示画面に、前記撮像手段を介して撮像された画像をリアルタイムで表示するとともに、前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、該対象物関連情報取得手段を介して取得し、該リアルタイムで表示されている表示画面とは別の表示画面に表示するようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の携帯情報端末においては、さらに、スピーカーを有し、前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした対象物に関連する音声情報を、該対象物関連情報取得手段を介して取得し、該取得した音声情報を、前記スピーカーより出力するようにするのが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物を検出し、該リアルタイムで表示されている表示画面における該検出した対象物の近傍に、詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報を重ねて表示するようにするのが好ましい。
【0014】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報が、所定の標識であるのが好ましい。
【0015】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報が、前記対象物関連情報取得手段を介して取得された簡易情報であるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記詳細情報が表示されている表示画面の表面が、タッチパネルで構成され、該タッチパネルを介して所定の画面操作を行うことができるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記所定の画面操作が、前記詳細情報の表示倍率の変更操作であるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記所定の画面操作が、前記詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作であるのが好ましい。
【0019】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作が、前記詳細情報が表示されている表示画面における、所望の情報が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした部位に表示されている情報に関連する詳細情報を、前記対象物関連情報取得手段を介して取得し、該詳細情報が表示されている表示画面の所定領域に表示するようにするのが好ましい。
【0020】
また、本発明の携帯情報端末においては、前記撮像手段を介して撮像された画像をリアルタイムで表示する表示画面を備える基部と、前記所望の対象物に関連する詳細情報を表示する表示画面を備える基部とがヒンジ手段を介して折り畳み可能に構成されているのが好ましい。
【0021】
また、本発明による携帯情報システムは、上記本発明のいずれかの携帯情報端末における前記対象物関連情報取得手段を介して検索可能なデータベースを備えたサーバと、前記サーバと通信可能な通信手段を備えた、上記本発明のいずれかの携帯情報端末とからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、観察者の目や顔をほとんど動かすことなく、視野範囲全体に入っている多数の対象物を確認しながら、所望の対象物の関連情報を確認して観察・撮影することの可能な携帯情報端末及び携帯情報システムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の説明に先立ち、用語の定義を行うこととする。
本発明における簡易情報とは、例えば、対象物の一般名称など比較的少ない情報量でその対象物を特定できる文字情報をいう。また、本発明における詳細情報とは、例えば、対象物が動物である場合における、目、科、属、大きさ、分布、生息地、食べ物、鳴き声などの特徴を示す、簡易情報に比較して情報量の多い文字及び情報をいう。
【0024】
図1は本発明の携帯情報端末の概略構成の一例を示す説明図である。
本発明の携帯情報端末は、撮像手段1と、表示手段2と、対象物関連情報取得手段3を有している。なお、4は制御手段、5は保存手段である。
表示手段2は、少なくとも2つの表示画面21,22で構成されている。
少なくとも2つの表示画面21,22のうち、少なくとも1つの表示画面21は、その表面がタッチパネルで構成されている。そして、表示画面21は、制御手段4からの制御命令により、撮像手段1を介して撮像された画像をリアルタイムで表示する機能に加えて、タッチパネルを介して表示されている所定の対象物を選択させる機能を備えている。
撮像手段1は、表示画面21の裏側に設けられている。
【0025】
対象物関連情報取得手段3は、抽出手段31と、照合手段32を有している。
抽出手段31は、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出する。なお、画像から対象物を抽出することができれば、従来公知のどのような構成でも良い。
照合手段32は、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行う。そして、データベース内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出する。一方、データベース内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する。また、照合手段32は、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21における、タッチした部位に表示されている対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行い、関連する詳細情報を取得する。
保存手段5は、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像を記憶・保存する。
【0026】
制御手段4は、マイクロコンピュータを備えた制御回路であり、携帯情報端末の動作を次のように制御する。
観察者が撮像手段1を所定の観察視野に向けたときには、撮像手段1にその所定の観察視野を撮像させる。次いで、撮像された画像を、表示画面21にリアルタイムで表示する。次いで、抽出手段31に、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出させる。次いで、照合手段32に、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行わせる。
また、撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21において、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときには、制御手段4は、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、照合手段32に取得させる。次いで、取得された詳細情報を、リアルタイムで表示されている表示画面21とは別の表示画面22に表示する。
また、観察者が図示省略した保存指示ボタンを押したときには、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像を保存手段5に記憶・保存させる。
【0027】
このように構成された本発明の携帯情報端末では、観察者が撮像手段1を所定の観察視野に向けると、撮像手段1が所定範囲の観察視野を撮像する。撮像された画像は、表示画面21にリアルタイムで表示される。次いで、抽出手段31が表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出する。次いで、照合手段32が、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして、図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行う。そして、データベース内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出する。
【0028】
ここで、観察者が、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21において、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている所望の部位に、観察者がタッチしたとする。すると、照合手段32が、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を取得する。取得された詳細情報は、リアルタイムで表示されている表示画面21とは別の表示画面22に表示される。
また、観察者が、図示省略した保存指示ボタンを押したとする。すると、保存手段5が、リアルタイムで表示画面21に表示されている画像を記憶・保存する。
【0029】
従って、本発明の携帯情報端末によれば、表示画面21の裏側に設けた撮像手段1を介して所望の対象物を含む所定の観察視野の像を撮像し、撮像された画像を表示画面21にリアルタイムで表示することができる。このため、被写体と撮像した画像とを目や顔をあまり動かすことなく撮像でき、操作性がよくなる上、所定の観察視野内において動く動物を見失わずに追跡して観察し易くなる。
そして、本発明の携帯情報端末では、表示画面21における、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、対象物関連情報取得手段3を介して取得し、表示画面21とは別の表示画面22に表示するようにしたので、表示画面21でリアルタイムに観察視野内の対象物を観察し続けながら、目や顔をあまり動かすことなく、その対象物に関する詳細情報を見ることができる。
【0030】
また、詳細情報を表示する表示画面22を、リアルタイムで表示する表示画面21とは別の画面にしたので、互いの表示内容が混在せず、それぞれの表示画面の情報が見やすくなる。また、表示画面を別に設けると、例えば、表示画面同士が重なるようにして携帯情報端末を折り畳み可能に構成することにより、夫々の表示内容を夫々の表示画面で大きく表示させることが可能となる。その結果、画面がより見やすくなるとともに、表示させる観察視野や得られる情報が増える。特に、サファリパークなど広大な領域において放し飼い状態で生息している複数種類の動物を観察するような場合に、その効果は大きくなる。
【0031】
ところで、対象物が音声を発する動物である場合、その動物の鳴き声を聞けると、より好ましい。しかし、動物が鳴くとは限らず、また、複数種類の動物が混在してどの鳴き声がどの動物であるか特定できないことが起こりうる。さらには、遠方から観察すると、小さな鳴き声の動物の声は観察者に聞こえないことも起こりうる。
そこで、本発明の携帯情報端末においては、更に、スピーカーを有し、表示画面21における、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした対象物に関連する音声情報を、対象物関連情報取得手段3を介して取得し、取得した音声情報を、スピーカーより出力するようにするとより好ましい。
【0032】
また、本発明の携帯情報端末においては、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21における、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物を検出し、リアルタイムで表示されている表示画面21における検出した対象物の近傍に、詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報を重ねて表示するように構成するのが好ましい。
このようにすれば、詳細情報のない対象物を無駄に選択することがなくなる。また、対象物が複数存在する場合に、選択が容易になり、選択や認識の誤りがなくなる。さらには、観察視野内で気付き難い対象物にも気付き易くなる。
そして、直接目で見ているように広い範囲を見ながら自然な状態で撮像でき、その中での対象物が複数存在していても、詳細情報を知りたい対象物を直感的に選択することができる。
【0033】
なお、詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報としては、所定の標識(対象物を図案化したマーク、点滅表示物など)や、対象物関連情報取得手段を介して取得した対象物の名称などの簡易情報など、詳細情報を取得可能な対象物であることを示すことができれば、どのようなものでもよい。
【0034】
また、本発明の携帯情報端末においては、詳細情報が表示されている表示画面22の表面が、タッチパネルで構成され、タッチパネルを介して所定の画面操作を行うことができるようにするとより好ましい。
そして、所定の画面操作が、詳細情報の表示倍率の変更操作であるのが好ましい。または、所定の画面操作が、詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作であるのが好ましい。
【0035】
また、本発明の携帯情報端末においては、詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作が、詳細情報が表示されている表示画面22における、所望の情報が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした部位に表示されている情報に関連する詳細情報を、対象物関連情報取得手段3を介して取得し、詳細情報が表示されている表示画面22の所定領域に表示するようにするのが好ましい。
このようにすれば、より詳細な情報の表示や拡大表示ができ、よりわかりやすくなる。
【0036】
また、本発明の携帯情報端末においては、撮像手段1を介して撮像された画像をリアルタイムで表示する表示画面21を備える基部と、所望の対象物に関連する詳細情報を表示する表示画面22を備える基部とがヒンジ手段を介して折り畳み可能に構成されているのが好ましい。
このようにすれば、携帯電話全体を大型化することなく、リアルタイムで表示する画面と詳細情報を表示する画面を最大限に大きくすることができる。
【0037】
また、本発明による携帯情報システムは、上記本発明のいずれかの携帯情報端末における対象物関連情報取得手段3を介して検索可能なデータベースを備えたサーバと、サーバと通信可能な通信手段を備えた、上記本発明のいずれかの携帯情報端末とからなるようにするとよい。
携帯情報端末における対象物関連情報の取得は、データベータを対象に検索する。その場合に、データベースを携帯情報端末に備えてもよいが、そうすると、容量の都合上、検索可能なデータが比較的限られたものとなる。そこで、本発明の携帯情報システムのように、データベースを携帯情報端末の外部のサーバに設け、携帯情報端末に備わる通信部を介してサーバとの交信によりデータの検索ができるようにすれば、検索するデータベースのデータ量を大きくすることができ、より多くの対象物についてより詳しい詳細情報を得ることができるようになる。
【0038】
なお、図1は本発明の携帯情報端末の基本構成の一例を示したものにすぎない。従って、撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像された画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記画像内の所定の対象物に関連する情報を取得する対象物関連情報取得手段を有し、前記対象物関連情報取得手段を介して取得された情報を前記表示手段に表示する携帯情報端末において、前記表示手段を、少なくとも2つの表示画面で構成し、前記少なくとも2つの表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の表面を、タッチパネルで構成し、前記撮像手段を、前記表面がタッチパネルで構成されている表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の裏側に設け、前記裏側に撮像手段が設けられている表示画面に、前記撮像手段を介して撮像された画像をリアルタイムで表示するとともに、前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、該対象物関連情報取得手段を介して取得し、該リアルタイムで表示されている表示画面とは別の表示画面に表示するものであれば、どのような構成でもよい。
【0039】
次に、本発明のより具体的な実施形態について説明する。
第一実施形態
図2は本発明の第一実施形態にかかる携帯情報端末の概略構成図、図3は図2の携帯情報端末におけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面での一表示例を示す説明図で、(a)は観察視野の一例を示す図、(b)は(a)の観察視野を実際の観察時の使用態様を示す斜視図である。図4は第一実施形態の携帯情報端末を用いた操作及び処理手順を示すフローチャートである。図5は図2に示した携帯情報端末の変形例にかかる概略構成図、図6は図5の携帯情報端末におけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面の表示内容とともにスピーカーからの音声発声状態の一例を示す説明図である。なお、図1に示す構成と同じ部分については同じ符号を付し、説明は省略する。図3(b)中、100は観察者の指である。
第一実施形態の携帯情報端末では、照合手段32は、詳細情報有無チェック手段32aと、詳細情報取得手段32bを有している。
詳細情報有無チェック手段32aは、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行う。そして、データベース内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出する。一方、データベース内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する。
詳細情報取得手段32bは、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21における、観察者がタッチした部位に表示されている対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行い、関連する詳細情報を取得する。
また、表示画面21を備える基部と表示画面22を備える基部は、ヒンジ手段6を介して折り畳み可能に構成されている。
【0040】
また、制御手段4は、携帯情報端末の動作を次のように制御する。
観察者が撮像手段1を所定の観察視野に向けたときには、撮像手段1にその所定の観察視野を撮像させる。次いで、撮像された画像を、表示画面21にリアルタイムで表示する。次いで、抽出手段31に、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出させる。次いで、詳細情報有無チェック手段32aに、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行わせる。
また、撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21において、詳細情報有無チェック手段32aを介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときには、制御手段4は、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、詳細情報取得手段32bに取得させる。次いで、取得された詳細情報を、リアルタイムで表示されている表示画面21とは別の表示画面22に表示する。
また、観察者が図示省略した保存指示ボタンを押したときには、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像を保存手段5に記憶・保存させる。
その他の構成は、図1の携帯情報端末と略同じである。
【0041】
このように構成された第一実施形態の携帯情報端末を用いて所定の観察視野を観察するときの表示画面の表示内容を図3及び図4を用いて説明する。
ここでは、サファリパーク等の広大な領域を観察する場合について説明する。図3(a)に示すように、観察視野Aには、象A1、へびA2、カバA3、蝶A4が含まれているものとする。また、これら以外の対象物についてはデータベースに詳細情報がないものとする。
使用に際しては、図3(b)に示すように、表示画面21の設けられた基部と表示画面22の設けられた基部とをヒンジ手段6を介して開く。そして、観察者からみて表示画面21の前方に観察視野Aが位置するように表示画面21を備えた基部を開く。そして、撮像手段1を観察視野Aに向ける。すると、撮像手段1が観察視野Aを撮像する。
【0042】
撮像された観察視野Aの画像は、表示画面21にリアルタイムで表示される(S11)。次いで、抽出手段31が表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出する(S12)。次いで、詳細情報有無チェック手段32aが、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとして、図示省略した所定のデータベース内のデータと照合処理を行う(S13〜S15)。データベース内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出する(ステップS16)。データベース内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する(ステップS17)。この照合処理を抽出手段31を介して抽出された全ての抽出データに対して行う(ステップS14)。
ここでは、象A1、蛇A2、カバA3、蝶A4については、詳細データが存在すると検出される。
【0043】
ここで、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21において、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている所望の部位として、図3(b)に示すように、ヘビA2が表示されている部位に、観察者が指でタッチしたとする(S21)。すると、詳細情報取得手段32bが、タッチした部位に表示されているヘビA2に関連する、例えば、科、目、属の名称や生息地、特徴などの詳細情報を取得する(S23)。取得されたヘビA2に関する詳細情報は、リアルタイムで表示されている表示画面21とは別の表示画面22に表示される(S24)。
【0044】
なお、制御手段4は、観察者が表示画面21の所定部位をタッチした場合、タッチした部位に表示されている対象物についての詳細情報を取得可能か否かを、詳細情報有無チェック手段32aを介して検出したチェック結果に基づいてチェックする(S22)。そして、詳細情報を取得できない例えば、背景の樹木Z等の対象物がタッチされた場合には、その対象物の詳細情報を表示画面22に表示するための動作は行わない。
【0045】
第一実施形態の携帯情報端末によれば、表示画面21の裏側に設けた撮像手段1を介して所望の対象物を含む所定の観察視野の像を撮像し、撮像された画像を表示画面21にリアルタイムで表示することができる。このため、被写体と撮像した画像とを目や顔をあまり動かすことなく撮像でき、操作性がよくなる上、所定の観察視野内において動く動物を見失わずに追跡して観察し易くなる。
また、表示画面21における、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、対象物関連情報取得手段3を介して取得し、表示画面21とは別の表示画面22に表示するようにしたので、表示画面21でリアルタイムに観察視野内の対象物を観察し続けながら、目や顔をあまり動かすことなく、その対象物に関する詳細情報を見ることができる。
【0046】
また、詳細情報を表示する表示画面22を、リアルタイムで表示する表示画面21とは別の画面にしたので、互いの表示内容が混在せず、それぞれの表示画面の情報が見やすくなる。また、表示画面を別に設けると、例えば、表示画面同士が重なるようにして携帯情報端末を折り畳み可能に構成することにより、夫々の表示内容を夫々の表示画面で大きく表示させることが可能となる。その結果、画面がより見やすくなるとともに、表示させる観察視野や得られる情報が増える。特に、サファリパークなど広大な領域において放し飼い状態で生息している複数種類の動物を観察するような場合に、その効果は大きくなる。
【0047】
なお、第一実施形態の携帯情報端末においては、図5に示すように、さらにスピーカーを備えるとより好ましい。
その場合には、詳細情報取得手段32aを介して詳細情報としてヘビに関連する音声情報を視覚情報と共に取得し、図6に示すように、取得した詳細情報のうち、視覚情報は表示画面22に表示し、音声情報はスピーカーより出力させるとよい。
【0048】
第二実施形態
図7は本発明の第二実施形態にかかる携帯情報端末、及び携帯情報システムの概略構成図、図8は図7の携帯情報端末、及び携帯情報システムにおけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面での一表示例を示す説明図で、(a)は2つの表示画面を展開した状態で示す図、(b)は実際の観察時の使用態様を示す斜視図である。図9は図7の携帯情報端末、及び携帯情報システムにおけるリアルタイム表示画面に表示する簡易情報の表示例を示す拡大図で、(a)は一表示例を示す図、(b)は他の表示例を示す図である。図10は第二実施形態の携帯情報端末、及び携帯情報システムを用いた操作及び処理手順を示すフローチャートである。なお、図1に示す構成と同じ部分については同じ符号を付し、説明は省略する。
【0049】
第二実施形態の携帯情報システムは、携帯情報端末10と、サーバ20とからなる。
第二実施形態の携帯情報端末10は、照合手段32は、詳細情報有無チェック手段32aとしての簡易情報取得手段32a1と、詳細情報取得手段32bと、スピーカー7と、通信部8を有している。
サーバ20は、通信部21と、データベース22を有している。データベース22には、所定の対象物に関連する簡易情報及び詳細情報が蓄積されている。通信部21は、携帯情報端末10の通信部8と交信することができるようになっている。
簡易情報取得手段32a1は、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとし、通信部8を介して、サーバ20の通信部22と交信し、データベース21内のデータと照合処理を行う。そして、データベース21内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出するとともに簡易情報を取得する。一方、データベース21内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する。
詳細情報取得手段32bは、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21における、タッチした部位に表示されている対象物の情報をキーとし、通信部8を介して、サーバ20の通信部22と交信し、データベース21内のデータと照合処理を行い、関連する詳細情報を取得する。そして、取得した詳細情報のうち、音声情報をスピーカー7に供給し、視覚情報を表示画面22に供給する。
表示画面22は、画像情報表示画面221と文字情報表示画面222を有している。そして、画像情報表示画面221には、詳細情報取得手段32bを介して供給された視覚情報のうち、画像情報が表示される。また、文字情報表示画面222には、詳細情報取得手段32bを介して供給された視覚情報のうち、文字情報が表示される。
【0050】
また、制御手段4は、携帯情報端末の動作を次のように制御する。
観察者が撮像手段1を所定の観察視野に向けたときには、撮像手段1にその所定の観察視野を撮像させる。次いで、撮像された画像を、表示画面21にリアルタイムで表示する。次いで、抽出手段31に、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出させる。次いで、簡易情報取得手段32a1に、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとし、通信部8を介して、サーバ20の通信部22と交信し、データベース21内のデータと照合処理を行わせる。そして、データベース21内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出し、取得した簡易情報を表示画面21における当該対象物の像の近傍に重ねて表示する。一方、データベース21内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する。
図9はその簡易情報を表示した例を示している。簡易情報としては、図9(a)に示すように、対象物の名称及び×印を示している。また、図9(b)に示すように、詳細情報を取得可能な対象物であることを示す簡易情報として対象物の周囲を所定の記号等で囲み、さらにはその記号等を点滅させるようにしてもよい。
また、撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21において、簡易情報取得手段32a1を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときには、制御手段4は、タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、詳細情報取得手段32bに取得させる。次いで、取得された詳細情報のうち画像情報を画像情報表示画面221に、文字情報を文字情報表示画面221にそれぞれ表示するとともに、音声情報をスピーカー7より出力する。
また、観察者が図示省略した保存指示ボタンを押したときには、表示画面21にリアルタイムで表示されている画像を保存手段5に記憶・保存させる。
その他の構成は、図1の携帯情報端末と略同じである。
【0051】
このように構成された第二実施形態の携帯情報端末を用いて所定の観察視野を観察するときの表示画面の表示内容を図8〜図10を用いて説明する。
第二実施形態でも、第一実施形態と同様、サファリパーク等の広大な領域を観察する場合について説明する。図8(a)に示すように、観察視野Aには、象A1、へびA2、カバA3、蝶A4が含まれているものとする。また、これら以外の対象物についてはデータベースに詳細情報がないものとする。
使用に際しては、図8(b)に示すように、表示画面21の設けられた基部と表示画面22の設けられた基部とをヒンジ手段6を介して開く。そして、観察者からみて表示画面21の前方に観察視野Aが位置するように表示画面21を備えた基部を開く。そして、撮像手段1を観察視野Aに向ける。すると、撮像手段1が観察視野Aを撮像する。
【0052】
撮像された観察視野Aの画像は、表示画面21にリアルタイムで表示される(S31)。次いで、抽出手段31が表示画面21にリアルタイムで表示されている画像から対象物を抽出する(S32)。次いで、簡易情報取得手段32a1が、抽出手段31を介して抽出された対象物の情報をキーとし、通信部8を介して、サーバ20の通信部22と交信し、データベース21内のデータと照合処理を行う(S33〜S35)。データベース21内のデータに一致するデータがある場合には、詳細情報を取得可能な対象物として検出し、制御手段4に検出した信号を送信するとともに簡易情報を取得する(ステップS36)。取得された簡易情報は、図9(a)又は図9(b)に示すように、表示画面21における当該対象物の像の近傍に表示される(ステップS37)。一方、データベース21内のデータに一致するデータがない場合には、詳細情報を取得不可能な対象物として検出する(ステップS38)。この照合処理を抽出手段31を介して抽出された全ての抽出データに対して行う(ステップS34)。
ここでは、象A1、蛇A2、カバa3、蝶A4については、詳細データが存在すると検出されている。
【0053】
ここで、撮像手段1を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面21における、対象物関連情報取得手段3を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている所望の部位として、図3(b)に示したと同様に、ヘビA2が表示されている部位に、観察者が指でタッチしたとする(S41)。すると、詳細情報取得手段32aが、タッチした部位に表示されているヘビA2に関連する、例えば、科、目、属の名称や生息地、特徴などの詳細情報を、サーバ20のデータベース21より取得する(S43)。取得されたヘビA2に関する詳細情報のうち、画像情報は表示画面22a、文字情報は表意画面22bに表示され、音声情報は、スピーカー7より出力される(ステップS44)。
【0054】
第二実施形態の携帯情報システムによれば、第一実施形態と同様の効果に加えて、詳細情報を取得可能な対象物の像の近傍に、簡易情報を表示するようにしたので、詳細情報のない対象物を無駄に選択することがなくなる。また、対象物が複数存在する場合に、選択が容易になり、選択や認識の誤りがなくなる。さらには、観察視野内で気付かなかった対象物にも気付くことができる。
そして、直接目で見ているように広い範囲を見ながら自然な状態で撮影でき、その中での対象物が複数存在していても、詳細情報を知りたい対象物を直感的に選択することができる。
また、第二実施形態の携帯情報システムは、対象物に関連する情報を照合、取得するためのデータベース21を携帯情報端末10の外部のサーバ20に備えたので、検索及び取得可能な情報量を無限に増大化させることができ、対象物についてのより詳しい情報が得られ易くなる。
その他の作用効果は第一実施形態の携帯情報端末と略同じである。
なお、第一実施形態の携帯情報端末においても、データベースを携帯情報端末の外部のサーバに設けても良い。
また、第二実施形態の携帯情報システムにおいて、さらに、詳細情報が表示されている表示画面22の表面をタッチパネルで構成するとともに、表示画面22における、所望の情報が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、タッチした部位に表示されている情報に関連する詳細情報を、対象物関連情報取得手段3を介して取得し、詳細情報が表示されている表示画面22の所定領域に表示するようにするのが好ましい。
このようにすれば、より詳細な情報の表示や拡大表示ができ、よりわかりやすくなる。
【0055】
また、本発明の携帯情報端末及び携帯情報システムにおいては、GPSシステム等、所定の測位システムを介して詳細情報を表示可能な対象物の位置情報をリアルタイムで検出できるようにし、所定の測位システムを介して検出されている位置に簡易情報を表示するようにするのが好ましい。
例えば、例えば、走るヒョウや空を飛ぶ鳥など、観察視野内における位置を短時間で大きく変化させる対象物の場合、図7に示す構成において、抽出手段31を介して対象物を抽出してから、簡易情報取得手段32aを介して対象物の簡易情報を取得させるまでの僅かな時間に、観察視野内における位置を大きく変動させることが考えられる。そのような場合、簡易情報を表示させたときには、簡易情報の表示位置から離れた位置に移動して、簡易情報と対象物との対応付けができなくなることも場合によってはありうる。
しかるに、上述したように所定の測位システムを介して検出されている位置に簡易情報を表示するようにすれば、対象物が観察視野内における位置を短時間で大きく変化させても、リアルタイムで表示されている表示画面において、簡易情報を対象物の近傍に表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、広大な範囲の領域に生息する複数種類の動物や植物を観察することを必要とする分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の携帯情報端末の概略構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の第一実施形態にかかる携帯情報端末の概略構成図である。
【図3】図2の携帯情報端末におけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面での一表示例を示す説明図で、(a)は観察視野の一例を示す図、(b)は(a)の観察視野を実際の観察時の使用態様を示す斜視図である。
【図4】第一実施形態の携帯情報端末を用いた操作及び処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した携帯情報端末の変形例にかかる概略構成図である。
【図6】図5の携帯情報端末におけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面の表示内容とともにスピーカーからの音声発声状態の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の第二実施形態にかかる携帯情報端末、及び携帯情報システムの概略構成図である。
【図8】図7の携帯情報端末、及び携帯情報システムにおけるリアルタイム表示画面と詳細情報表示画面での一表示例を示す説明図で、(a)は2つの表示画面を展開した状態で示す図、(b)は実際の観察時の使用態様を示す斜視図である。
【図9】図7の携帯情報端末、及び携帯情報システムにおけるリアルタイム表示画面に表示する簡易情報の表示例を示す拡大図で、(a)は一表示例を示す図、(b)は他の表示例を示す図である。
【図10】第二実施形態の携帯情報端末、及び携帯情報システムを用いた操作及び処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 撮像手段
2 表示手段
1 (リアルタイム画像)表示画面
2 (詳細情報)表示画面
3 対象物関連情報取得手段
1 抽出手段
2 (データベース)照合手段
2a 詳細情報有無チェック手段
2a1 簡易情報取得手段
2b 詳細情報取得手段
4 制御手段
5 保存手段
6 ヒンジ手段
7 スピーカー
8 通信部
10 携帯情報端末
20 サーバ
21 通信部
22 データベース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像された画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記画像内の所定の対象物に関連する情報を取得する対象物関連情報取得手段を有し、前記対象物関連情報取得手段を介して取得された情報を前記表示手段に表示する携帯情報端末において、
前記表示手段を、少なくとも2つの表示画面で構成し、
前記少なくとも2つの表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の表面を、タッチパネルで構成し、
前記撮像手段を、前記表面がタッチパネルで構成されている表示画面のうち、少なくとも1つの表示画面の裏側に設け、
前記裏側に撮像手段が設けられている表示画面に、前記撮像手段を介して撮像された画像をリアルタイムで表示するとともに、
前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした部位に表示されている対象物に関連する詳細情報を、該対象物関連情報取得手段を介して取得し、該リアルタイムで表示されている表示画面とは別の表示画面に表示するようにしたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
さらに、スピーカーを有し、
前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした対象物に関連する音声情報を、該対象物関連情報取得手段を介して取得し、該取得した音声情報を、前記スピーカーより出力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記撮像手段を介して撮像された画像がリアルタイムで表示されている表示画面における、前記対象物関連情報取得手段を介して詳細情報を取得可能な対象物を検出し、該リアルタイムで表示されている表示画面における該検出した対象物の近傍に、詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報を重ねて表示するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報が、所定の標識であることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記詳細情報を取得可能な対象物であることを示す情報が、前記対象物関連情報取得手段を介して取得された簡易情報であることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記詳細情報が表示されている表示画面の表面が、タッチパネルで構成され、該タッチパネルを介して所定の画面操作を行うことができることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記所定の画面操作が、前記詳細情報の表示倍率の変更操作であることを特徴とする請求項6に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記所定の画面操作が、前記詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作であることを特徴とする請求項6に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記詳細情報の表示に対するさらに詳細な情報の表示操作が、前記詳細情報が表示されている表示画面における、所望の情報が表示されている部位に、観察者がタッチしたときに、該タッチした部位に表示されている情報に関連する詳細情報を、前記対象物関連情報取得手段を介して取得し、該詳細情報が表示されている表示画面の所定領域に表示するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記撮像手段を介して撮像された画像をリアルタイムで表示する表示画面を備える基部と、前記所望の対象物に関連する詳細情報を表示する表示画面を備える基部とがヒンジ手段を介して折り畳み可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の携帯情報端末。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の携帯情報端末における前記対象物関連情報取得手段を介して検索可能なデータベースを備えたサーバと、
前記サーバと通信可能な通信手段を備えた、請求項1〜10のいずれかに記載の携帯情報端末とからなることを特徴とする携帯情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−213046(P2009−213046A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56355(P2008−56355)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】