説明

携帯情報端末装置

【課題】安定した保持が行えると同時に、シースルービュアーとして使用するときでも、スピーカーの音を使用者が良好に聞き取ることができる携帯情報端末装置を提供する。
【解決手段】情報入力部4を有する把持部3と、情報入力部4で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面1aを有する表示部1と、ビームコンバイナ2と、ビームコンバイナ2を、表示部1に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材6と、表示部1を把持部3に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材5と、スピーカー7を備える。スピーカー7を、把持部3に設ける。ビームコンバイナ2、表示面1a及びスピーカー7を、表示部1から把持部3に向かって順に配置する。スピーカー7を、情報入力部4が設けられている面と異なる面に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶パネルなどの表示素子を有する携帯情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人の人間が複数のコンピュータを使用するネットワーク社会、いわゆるユビキタス・ネットワーク社会が提唱されている。ユビキタス・ネットワーク社会では、インターネット等の情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境が実現できる。このようなアクセスに使うことのできる携帯情報端末装置は、パソコンに限られず、例えば携帯電話等も用いることができる。
【0003】
また、携帯電話においては、通話とディスプレイ認識とを同時に行える表示機能付き携帯情報端末装置としての構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−308997号公報
【0004】
特許文献1に開示されている構成では、小型のディスプレイをホログラム素子により遠方に拡大投影する。これにより、例えば通話をしながら表示画像情報を見ることができる。さらに、ホログラム素子を介して遠方の物体の透過像を同時に観察できる。このような表示機能付き携帯情報端末装置は、実視野の像に重畳させてデジタル情報を表示する、いわゆるシースルービュアー(see−through viewer)として用いることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の表示機能付き携帯情報端末装置は、使用者の顔の前で装置を保持する構成となっている。そのため、安定して保持することが難しい。また、シースルービュアーとして使用する場合、スピーカーの位置が耳から離れた位置になり、スピーカーから発せられる音声を聴き取り難くなる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、安定した保持が行えると同時に、シースルービュアーとして使用するときでも、スピーカーの音を使用者が良好に聞き取ることができる携帯情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による携帯情報端末装置は、情報入力部を有する把持部と、前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、ビームコンバイナと、前記ビームコンバイナを、前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、前記表示部を、前記把持部に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材と、スピーカーを備え、前記スピーカーが、前記把持部に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記ビームコンバイナ、前記表示面及び前記スピーカーが、前記表示部から前記把持部に向かって順に配置されているのが好ましい。
【0009】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記スピーカーが、前記情報入力部が設けられている面と異なる面に設けられているのが好ましい。
【0010】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記異なる面が、前記情報入力部が設けられている面と接する面であるのが好ましい。
【0011】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記異なる面が、前記情報入力部が設けられている面とは反対側の面であるのが好ましい。
【0012】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記表示面と前記スピーカーの間に、前記情報入力部が位置するのが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯情報端末装置は、前記スピーカーが、前記把持部から分離可能になっているのが好ましい。
【0014】
また、本発明による携帯情報端末装置は、情報入力部を有する把持部と、前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、ビームコンバイナと、前記ビームコンバイナを、前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、前記表示部を、前記把持部に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材と、スピーカーを備え、前記スピーカーが、前記把持部に接続するイヤホンで構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記イヤホンが、前記把持部と着脱可能に構成されているのが好ましい。
【0016】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記把持部が、前記イヤホンを格納する格納部を備えているのが好ましい。
【0017】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記イヤホンが、前記把持部に無線で接続するように構成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使用者は、携帯情報端末装置をシースルービュアーとして使用するときに、安定した保持が行えると同時に、スピーカーの音を良好に聞き取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる携帯情報端末装置を示す概略構成図である。図1では、携帯情報端末装置の表示部とビームコンバイナとの位置、及びこれらと使用者の眼との関係を示している。なお、図1中、Eは使用者の眼球である。
本実施形態の携帯情報端末装置は、情報入力部(図示省略)を有する把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、ビームコンバイナ2を有している。表示面1aは、画像(情報)を表示する。ビームコンバイナ2は、表示面1aに表示された画像(情報)を、拡大するような光学的パワーを持つ。このビームコンバイナ2は、ハーフミラーで構成されている。また、把持部3と表示部1の接続部には、表示部開閉部材5が設けられている。また、表示部1とビームコンバイナ2の接続部には、ビームコンバイナ開閉部材6が設けられている。
表示部1の表示面1aに表示された画像(情報)は、ビームコンバイナ2で反射されて使用者の眼Eに導かれる。使用者の眼Eから、ビームコンバイナ2を隔てた所定の位置に、表示面1aに表示された画像(情報)の虚像が、拡大形成される。よって、使用者は、この虚像を拡大観察できる。
【0020】
また、把持部3における使用者と対向する面の端部には、マイク8が設けられている。そして、使用者が通常の携帯電話として使用する場合にマイク8を使って、音声通信をすることができるようになっている。
また、本実施形態の携帯情報端末装置は、把持部3における使用者と対向する面とは異なる面の端部に、スピーカー7が設けられている。なお、図示省略した情報入力部は、把持部3における使用者と対向する面に設けられている。そして、スピーカー7は、使用者が携帯情報端末装置をシースルービュアーとして用いたときに、使用者の耳の近くに位置する。また、図1の構成の場合、ビームコンバイナ2、表示面1a、スピーカー7は、表示部1から把持部3に向かって順に配置されている。
【0021】
なお、本実施形態の携帯情報端末装置では、上述のように表示面1aで表示された画像をビームコンバイナ2で反射して、使用者の眼Eに導くように構成している。このような構成の携帯情報端末装置においては、ビームコンバイナ2が、表示面1aに対して偏心配置されている。このため、ビームコンバイナ2を介して観察される像に偏心収差が生じやすい。
しかるに、本実施形態の携帯情報端末装置では、ビームコンバイナ2に非対称なパワーを持たせている。具体的には、仮想線Lに沿う方向において、徐々にパワーが変化するように、ビームコンバイナ2の光学面を形成する。このようにすれば、表示面1aに対しビームコンバイナ2が偏心していることにより偏心収差が発生しても、この偏心収差を補正することができる。
【0022】
そして、本実施形態の携帯情報端末装置では、シースルービュアーとして使用する場合に、把持部3を使用者の側頭部に当接させる構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。また、スピーカー7が使用者の耳の近くに位置する。よって、使用者は、確実に音声を認識することができる。
【0023】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0024】
図2は本発明の実施例1にかかる携帯情報端末装置を、側方からみた概略図である。ここで、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示している。図3は携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと使用者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【0025】
実施例1の携帯情報端末装置は、情報入力部4を有する把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、光学的パワーを有するビームコンバイナ2と、表示部開閉部材5を有している。ここで、表示面1aは、情報入力部4で入力した情報、又は外部から受信した情報を表示する。また、表示部開閉部材5は、表示部1を把持部3に対して開閉可能に支持している。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、所謂折り畳みタイプの携帯電話機として構成されている。
そして、更に、ビームコンバイナ2が、ビームコンバイナ開閉部材6を介して、表示部1に接続されている。この接続位置は、表示部1の一端側であって、表示部開閉部材5と対向する位置である。このビームコンバイナ開閉部材6によって、表示部1に対して所定の角度で、ビームコンバイナ2を固定することができる。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、図3に示すように、シースルービュアーとしても構成されている。
【0026】
表示部開閉部材5は、図4に示すように、円筒部5bと円筒部5aと、バネ5cと、球状部材5dと、ピン5eと、止め具5fを有している。ここで、円筒部5bは、表示部1の一端に一体形成されている。また、円筒部5aは、把持部3の一端に一体形成されている。
円筒部5aには、長手方向に沿って、中央に貫通孔5a1が形成されている。そして、円筒部5aの一端には、ピン5eの頭部を収納するための凹部5a2が、他端には、バネ5cを取り付けるための取付部(図示省略)が、それぞれ形成されている。
円筒部5bの中央には、長手方向に沿って、中央に貫通孔5b1が形成されている。そして、円筒部5bの一端には、止め具5fを収納するための凹部(図示省略)が、他端には、球状部材5dの一部を嵌合可能な係止溝5b2,5b3が、それぞれ形成されている。
【0027】
そして、表示部開閉部材5では、バネ5cを円筒部5aの取付部に取り付けるとともに、バネ5cの先端に球状部材5dを取り付けている。そして、この状態で、ピン5eを円筒部5aの凹部5a2側から、円筒部5a,5bの貫通孔5a1,5b1に通し、その先端を止め具5fで止めている。このような構成により、表示部開閉部材5は、表示部1を把持部3に対し開閉可能に支持している。
また、表示部開閉部材5では、表示部1を展開したときに、球状部材5dが係止溝5b2,5b3に嵌合し、且つ、バネ5cに付勢される。このようにすることで、表示部1と把持部3を、任意の角度で固定することができるようになっている。
なお、表示部開閉部材5の具体的な構成は、上記構成に限定されるものではない。例えば、円筒部5a,5bのそれぞれに磁石を備えた係止部を設け、互いの係止部が当接したときに、表示部1と把持部3が固定されるように構成してもよい。
【0028】
ビームコンバイナ開閉部材6は、円筒部6aと係止部6bと、円筒部6cと、係止爪6c2と、図示省略したピン及び止め具を有している。ここで、円筒部6aと係止部6bは、表示部1の他端に一体形成されている。一方、円筒部6cは、ビームコンバイナ2の一端に一体形成されている。また、係止爪6c2は、円筒部6cに一体形成されている。
円筒部6a,6cには、中央に貫通孔6a1,6c1がそれぞれ形成されている。係止部6b及び係止爪6c2にはそれぞれ磁石が設けられている。
【0029】
そして、ビームコンバイナ開閉部材6は、図示省略したピンを円筒部6a,6cの貫通孔6a1,6c1に通し、その先端を図示省略した止め具で止めて構成されている。このような構成により、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2を、表示部1に対し開閉可能に支持している。
また、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2を展開したときに、係止爪6c2が係止部6bに当接し、且つ、互いの磁力でその状態を保持することで、ビームコンバイナ2を表示部1に対して固定することができるようになっている。
なお、ビームコンバイナ開閉部材6は、上記構成に限定されるものではない。例えば、表示部開閉部材5における球状部材5dが係止溝5b2,5b3に嵌合し、且つ、バネ5cに付勢される構成と同様に構成してもよい。
【0030】
このような構成によって、図3に示すように、表示面1aに表示された情報が、使用者の瞳E方向に反射されるようになっている。このように、実施例1の携帯情報端末装置は、携帯電話としての使用と、シースルービュアーとしての使用が可能になる。
【0031】
そして、実施例1の携帯情報端末装置では、スピーカー7が、把持部3の端部、ここでは後端面3aに設けられている。後端面3aは、情報入力部4が設けられている面と接する面である。また、実施例1の携帯情報端末装置では、ビームコンバイナ2、表示面1a及びスピーカー7が、順に配置されている。さらに、表示面1aとスピーカー7の間に、情報入力部4が配置されている。
なお、スピーカー7の発音部7aは、音声が図5(a)に示す矢印Aの方向、または図5(b)に示す矢印Bの方向に向かうように配置するのが好ましい。特に、図5(a)のようにすると、音声が使用者に向かって発せられる。よって、使用者は、容易に、音声を聞き取ることができる。
【0032】
なお、図5(a),(b)に示す構成では、スピーカー7が後端面3aから突出している。そこで、スピーカー7を、把持部3の内部に向かって移動できるようにするとよい。このようにすれば、スピーカー7を使用しないときには、スピーカー7を把持部3の内部に格納することができ、使い勝手がよくなる。
また、図5(b)に示す構成において、発音部7aの面が、後端面3aと同一面となるようにしても良い。
【0033】
そして、実施例1の携帯情報端末装置では、シースルービュアーとして使用する場合に、把持部3を使用者の側頭部に当接させる構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。また、スピーカー7が使用者の耳の近くに位置する。よって、使用者は、確実に音声を認識することができる。
【実施例2】
【0034】
図6は本発明の実施例2にかかる携帯情報端末装置の概略構成を示す斜視図である。ここで、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナと表示面構成部を展開した状態を示している。図7は、携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと使用者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【0035】
実施例2の携帯情報端末装置は、情報入力部4を有する把持部3と、表示部1と、光学的パワーを有するビームコンバイナ2と、外枠部開閉手段5を有している。ここで、表示部1は、表示面1aと、表示面1aの周りを囲む外枠部1bとを有する。なお、図中1a’は表示面1aを含む表示面構成部である。ここで、表示面1aは、情報入力部4で入力した情報、又は外部から受信した情報を表示する。また、外枠部開閉手段5は、表示部1の外枠部1bを把持部3に対して開閉可能に支持している。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、所謂折り畳みタイプの携帯電話機として構成されている。
そして、更に、ビームコンバイナ2が、ビームコンバイナ開閉部材6を介して、表示部1に接続されている。この接続位置は、表示部1の一端側であって、表示部開閉部材5と対向する位置である。このビームコンバイナ開閉部材6によって、表示部1に対して所定の角度で、ビームコンバイナ2を固定することができる。このような構成により、実施例2の携帯情報端末装置は、図7に示すように、シースルービュアーとしても構成されている。
【0036】
外枠部開閉部材5、ビームコンバイナ開閉部材6は、実施例1の表示部開閉部材5、ビームコンバイナ開閉部材6について説明したとおりである。また、表示面回動部材9は、表示面1aを外枠部1bに対して回動可能に支持し、且つ、表示面1aを所定量回動させたときの状態を保持する構成を有する。表示面回動部材9としては、公知の回転機構を用いればよい。よって、具体的な構成について、詳細な説明は省略する。
【0037】
そして、実施例2の携帯情報端末装置では、スピーカー7が、把持部3の側面3bに設けられている。側面3bは、情報入力部4が設けられている面と接する面である。また、実施例2の携帯情報端末装置では、ビームコンバイナ2、表示面1a及びスピーカー7が、順に配置されている。また、実施例2の携帯情報端末装置では、スピーカー7が、情報入力部4と略同じ位置に配置されている。この位置は、使用者が携帯情報端末装置を側頭部で保持したときに、使用者の耳に最も近くなる位置である。なお、把持部3の全長が短い場合には、スピーカー7は把持部3の端部に配置すればよい。
なお、スピーカー7の発音部7aは、音声が図8(a)に示す矢印Aの方向、または図8(b)に示す矢印Bの方向もしくは矢印Cの方向に向かうようにするのが好ましい。特に、図8(a)のようにすると、音声が使用者に向かって発せられる。よって、使用者は、容易に、音声を聞き取ることができる。
【0038】
そして、実施例2の携帯情報端末装置では、シースルービュアーとして使用する場合、把持部3を使用者の側頭部に当接させる構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。また、スピーカー7が使用者の耳の近くに位置する。よって、使用者は、確実に音声を認識することができる。
【実施例3】
【0039】
図9は本発明の実施例3にかかる携帯情報端末装置の概略構成を示す斜視図である。ここで、(a)は表示部を開いた状態、(b)は表示部を回転させた状態、(c)はシースルービュアーとして使用可能な状態を示している。なお、実施例1と同じ構成要素については同じ番号を付し、その説明は省略する。
【0040】
実施例3の携帯情報端末装置は、スピーカー7が、情報入力部4とは反対側の面の、使用者が携帯情報端末装置を側頭部で保持したときに、使用者の耳に最も近くなる位置に設けられているとともに、表示部1を回転させる表示部回転機構10を備えている。なお、表示部回転機構10は、公知の回転機構を用いて構成されている。
【0041】
このように構成された実施例3の携帯情報端末装置の使用状態について説明する。まず、表示部1を図9(a)の実線で示す位置に展開する。この状態では、表示面1aは、情報入力部4と同じ方向を向いている。使用者は、携帯情報端末装置を、例えば、携帯電話として使用することができる。
【0042】
次に、携帯情報端末装置を、シースルービュアーとして使用する場合を説明する。表示部1を更に破線で示す位置まで折り曲げる。このとき、表示部回転機構10も表示部1と共に折り曲げられる。続いて、表示部1を表示部回転機構10の中心を軸として回転させる。図9(b)は、表示部1を、図9(a)の破線で示す位置にある状態から90°回転させた状態を示している。最終的には、表示部1を、図9(a)の破線で示す位置にある状態から180°回転させた状態にする。そして、ビームコンバイナ23を展開する。その結果、携帯情報端末装置は、図9(c)に示すような状態になる。
【0043】
図9(c)に示す状態では、表示面1aは、情報入力部4と反対方向を向く一方、スピーカー7とは同じ方向を向くことになる。そして、シースルービュアーとして使用するために携帯情報端末装置を把持部3を介して側頭部で保持したときに、使用者の耳の近傍に、スピーカー7が位置する。ことになる。よって、使用者は、容易に、音声を聞き取ることができる。
【0044】
このように、実施例3の携帯情報端末装置によれば、シースルービュアーとして使用する場合、携帯情報端末装置を、把持部3を使用者の側頭部に当接させて保持することによって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。また、スピーカー7が使用者の耳の近くに位置する。よって、使用者は、確実に音声を認識することができる。
【0045】
なお、各実施例において、スピーカー7を把持部3から分離可能に設けても良い。
【0046】
また、図10に示すように、スピーカー7を、イヤホン7’で構成してもよい。このようにすれば、イヤホン7’を使用者の耳に装着することによって、使用者は、確実に音声を認識することができる。なお、把持部3からイヤホン7’への音声信号の送信は、図10に示すように、有線(信号ケーブル11を介してイヤホン7’と把持部3とを連結する)あるいは無線で行えばよい。また、イヤホン7’及び信号ケーブル11を、把持部3の内部に格納可能としても良い。
また、把持部3からイヤホン7’への音声信号の送信を有線(信号ケーブル11)で行う場合には、図10(b)に示すように、接続部12を介して、イヤホン7’及び信号ケーブル11を把持部3から着脱可能にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態にかかる携帯情報端末装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施例1に係る携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図3】実施例1の携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと使用者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【図4】実施例1の携帯情報端末装置における表示部開閉部材、及びビームコンバイナ開閉部材の構造を示す説明図である。
【図5】実施例1の携帯情報端末装置におけるスピーカーの配置位置を示す図であり、(a)はその一配置例を示す説明図、(b)は他の配置例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2に係る携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図7】実施例2の携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと使用者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【図8】実施例2の携帯情報端末装置におけるスピーカーの配置位置を示す図であり、(a)はその一配置例を示す説明図、(b)は他の配置例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例3に係る携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を展開した状態、(b)は表示部を回転している途中の状態、(c)はビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図10】本発明にかかる携帯情報端末装置におけるスピーカーの別の構成例を示す図であり、(a)はその一例を示す説明図、(b)は(a)の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 表示部
1a 表示面
1a’ 表示面構成部
1b 外枠部
2 ビームコンバイナ
3 把持部
3a 把持部の後端面
3b 把持部の側面
3c 把持部の裏面
4 情報入力部
5 外枠部開閉手段
5a,5b 円筒部
5a1,5b1 貫通孔
5a2 凹部
5b2,5b3 係止溝
5c バネ
5d 球状部材
5e ピン
5f 止め具
6 ビームコンバイナ開閉手段
6a,6c 円筒部
6a1,6c1 貫通孔
6b 係止部
6c2 係止爪
7 スピーカー
7’ イヤホン
8 マイク
9 表示面回動部材
10 表示部回転機構
11 信号ケーブル
12 接続部
E 観察者の眼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力部を有する把持部と、
前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、
ビームコンバイナと、
前記ビームコンバイナを、前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、
前記表示部を、前記把持部に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材と、
スピーカーを備え、
前記スピーカーが、前記把持部に設けられていることを特徴とする本発明による携帯情報端末装置。
【請求項2】
前記ビームコンバイナ、前記表示面及び前記スピーカーが、前記表示部から前記把持部に向かって順に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。
【請求項3】
前記スピーカーが、前記情報入力部が設けられている面と異なる面に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
前記異なる面が、前記情報入力部が設けられている面と接する面であることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記異なる面が、前記情報入力部が設けられている面とは反対側の面であることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末装置。
【請求項6】
前記表示面と前記スピーカーの間に、前記情報入力部が位置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項7】
前記スピーカーが、前記把持部から分離可能になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項8】
情報入力部を有する把持部と、
前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、
ビームコンバイナと、
前記ビームコンバイナを、前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、
前記表示部を、前記把持部に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材と、
スピーカーを備え、
前記スピーカーが、前記把持部に接続するイヤホンで構成されていることを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項9】
前記イヤホンが、前記把持部と着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の携帯情報端末装置。
【請求項10】
前記把持部が、前記イヤホンを格納する格納部を備えていることを特徴とする請求項7に記載の携帯情報端末装置。
【請求項11】
前記イヤホンが、前記把持部に無線で接続することを特徴とする請求項7に記載の携帯情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−157088(P2006−157088A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339969(P2004−339969)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】