説明

携帯情報端末

【課題】落下等による衝撃から内部部品を効果的に保護しうる構成を、装置構成の小型化、製造コスト低減を図りつつ実現でき、更に、特定部分の保護を一層強化できる携帯情報端末を提供する。
【解決手段】携帯情報端末1は、ケース2の内部に第1フレーム50と第2フレーム80とが連結されてなる内部フレーム10が収容されている。第1フレーム50は、回路基板を保持するフレーム本体51と、このフレーム本体51から延出する弾性変形可能な連結部52とを備えており、フレーム本体51は、液晶表示器46側に設けられる第1構造部と、第1構造部から延びる第2構造部とを有している。更にこの携帯情報端末1では、ケース2に衝撃が加えられたときに、連結部52が弾性変形することで衝撃が緩和されるようになっており、他方、第2フレーム80が第1構造部に連結されているため、衝撃に伴う第1構造部側の変形が抑制されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯情報端末の分野では、ケース内に回路基板を収容する構成が一般的に提供されている。この種の携帯情報端末は、頻繁に把持されて使用されるものであるため、落下等による衝撃が加わる可能性が高く、ケース内の回路基板を衝撃から保護することが求められる。なお、ケース内の回路基板を衝撃から保護しようとする技術としては例えば特許文献1のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−175608
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、フレーム内にガスケットを充填し、当該ガスケットの衝撃吸収機能を利用してケース内の部品の損傷等を防止している。しかしながら、特許文献1のようにある程度大きなガスケットを全体的に充填する構成とした場合、部品点数の増大に起因してコスト高騰を招きやすく、また、ガスケットの配置スペースを大きくとらなければならないため、装置構成の大型化を招きやすいという問題もあった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、落下等による衝撃から内部部品を効果的に保護しうる構成を、装置構成の小型化、製造コスト低減を図りつつ実現でき、更に、特定部分の保護を一層強化できる携帯情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ケースの内部に少なくとも回路基板と表示装置とが収容されてなる携帯情報端末であって、前記回路基板を保持すると共に、前記ケースの内部に収容される第1フレームと、前記第1フレームに連結される第2フレームと、を備え、前記第1フレームは、前記回路基板を保持するフレーム本体と、前記フレーム本体から延出すると共に弾性変形可能に構成され、かつ前記ケースに固定されることで前記ケースと前記フレーム本体とを連結する複数の連結部と、を備え、前記フレーム本体は、前記表示装置側に設けられる第1構造部と、前記第1構造部から延びる第2構造部と、を有し、前記第2フレームは、前記第1構造部に連結されており、前記ケースに生じた衝撃が前記フレーム本体に伝わる際に、前記連結部が弾性変形することで前記衝撃が緩和される構成をなし、且つ前記第2フレームが前記第1構造部に連結されることで前記衝撃に伴う前記第1構造部側の変形が抑制されることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯情報端末において、前記第2フレームは、前記第1構造部に重なり合う形態で前記第1フレームに連結されていることを特徴とする。 なお、本発明における、「第1構造部に重なり合う形態で第1フレームに連結」とは、第1構造部に重なり合う形態で第2フレームが直接第1構造部に連結される構成を含むのは勿論のこと、第1構造部と第2フレームとが重なり合う形態で配置され、第2フレームが他部材を介して間接的に第1構造部に連結される形態をも含む概念である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末において、前記第1構造部は、前記第2構造部よりも剛性の高い高剛性構造部として構成されており、前記高剛性構造部によって前記表示装置が保持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の携帯情報端末において、前記高剛性構造部は、前記表示装置を収容する枠状に形成されており、前記第2フレームは、少なくとも前記高剛性構造部の一対の側壁部に連結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末において、前記表示装置が前記第2フレームに保持されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の携帯情報端末において、前記第2フレームは、前記表示装置を取り囲む側壁と、前記表示装置を保持する底壁とを備えた枠状形態をなすことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の携帯情報端末において、前記第2フレーム又は前記第1フレームにおける前記第1構造部側に、CPUが配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の携帯情報端末において、前記第2フレームは、前記第1フレームよりも硬質の材料によって構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、ケース内に収容された第1フレームにおいて、回路基板を保持するフレーム本体と、フレーム本体から延出してケースに固定される複数の連結部と、が設けられており、回路基板がケース内で安定的に保持される構成となっている。
更に、第1フレームに形成された連結部は、ケースに衝撃が生じたときに弾性変形し、ケースからフレーム本体に伝達される衝撃を緩和するように機能する。即ち、本発明によれば、回路基板等を外部衝撃から良好に保護しうる構成を、小型かつ軽量構成にて実現できる。
また、第1フレームのフレーム本体は、表示装置側に設けられる第1構造部と、第1構造部から延びる第2構造部とを備えており、第1構造部には第2フレームが連結されている。このようにすると、第1フレームの特定部位を弾性変形し易くして外部衝撃を吸収可能とする一方で、保護が要求される表示装置付近の第1構造部については変形しにくくすることができるため、第1構造部近傍の表示装置等に曲げや捻りが生じにくく、第1構造部近傍部品(表示装置等)の保護を強化できる。
【0015】
請求項2の発明は、第2フレームが、第1構造部に重なり合う形態で第1フレームに連結されているため、当該重なり方向以外の部品設置スペース増大を抑えつつ第1構造部の剛性を効果的に高めることができ、表示装置付近の保護を一層強化できる。
【0016】
請求項3の発明は、第1構造部が第2構造部よりも剛性の高い高剛性構造部として構成されており、この高剛性構造部によって表示装置が保持されている。このように、フレーム本体において第1構造部の剛性を選択的に高めることで、部品全体を必要以上に大型化せずに必要部位の保護を強化することができる。
【0017】
請求項4の発明は、高剛性構造部が表示装置を収容する枠状に形成されており、第2フレームが、少なくとも高剛性構造部の一対の側壁部に連結されている。このようにすると、表示装置を安定的に保持しつつ剛性を強化しうる構造を好適に実現できる。
【0018】
請求項5の発明は、第2フレームによって表示装置を保持している。このようにすると、表示装置を保持する第2フレームと、第1フレームの第1構造部との結合によって変形しにくい構造を好適に実現できる。
【0019】
請求項6の発明は、第2フレームが、表示装置を取り囲む側壁と、表示装置を保持する底壁とを備えた枠状形態をなしている。このようにすると、表示装置を安定的に保持しつつ剛性を強化しうる構造を好適に実現できる。
【0020】
請求項7の発明では、第2フレーム又は第1フレームにおける第1構造部側に、CPUが配置されている。このようにすると、変形に対する保護をよりシビアに要求される表示装置やCPUを第1構造部側に集約させて効率的に配置でき、これら部品に対する保護を選択的に強化することができる。
【0021】
請求項8の発明では、第2フレームが、第1フレームよりも硬質の材料によって構成されている。このようにすると、第1構造部側の剛性を選択的に高めることができる構成を、より効率的に、且つより効果的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯情報端末の要部を概略的に例示する分解斜視図である。
【図2】図2は、図1の携帯情報端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は、図1の携帯情報端末に用いる第1フレームを示す平面図である。
【図4】図4は、第1フレームを側方から見た構成を概略的に示す概略説明図である。
【図5】図5は、第1フレームを図3とは反対側から見た裏面図である。
【図6】図6は、第1フレームと第2フレームとが連結した様子を示す裏面図である。
【図7】図7(a)は、第2フレームを一方側から見た図であり、図7(b)は、図7(a)とは反対側から見た図である。
【図8】図8は、連結部とケースとの接続構造を示す断面図であり、図8(a)は、ケース先端部側における連結部とケースとの接続構造を示し、図8(b)は、ケース中央部における連結部とケースとの接続構造を示し、図8(c)は、ケース後端部における連結部とケースとの接続構造を示すものである。
【図9】図9は、第2実施形態の携帯情報端末に用いる内部フレームを示す平面図である。
【図10】図10(a)は、図9の内部フレームの一部を構成する第2フレームを示す平面図であり、図10(b)は、第1フレームを示す平面図である。
【図11】図11(a)は、図9の内部フレームを側方から見た様子を概略的に示す図であり、図11(b)は、その内部フレームにおいて第2フレームを離脱させた様子を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯情報端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯情報端末を概略的に例示する分解斜視図である。なお、図1では一部部品を省略して示している。図2は、図1の携帯情報端末の電気的構成を例示するブロック図である。図3は、図1の携帯情報端末に用いる第1フレームを示す平面図であり、図4は、第1フレームを側方から見た構成を概略的に示す概略説明図である。図5は、第1フレームを図3とは反対側から見た裏面図である。図6は、第1フレームと第2フレームとが連結した様子を示す裏面図である。図7(a)は、第2フレームを一方側から見た図であり、図7(b)は、図7(a)とは反対側から見た図である。図8は、連結部とケースとの接続構造を示す断面図であり、図8(a)は、ケース先端部側における連結部とケースとの接続構造を示し、図8(b)は、ケース中央部における連結部とケースとの接続構造を示し、図8(c)は、ケース後端部における連結部とケースとの接続構造を示すものである。
【0024】
(全体構成)
まず、携帯情報端末1の全体構成について説明する。
図1等に例示する携帯情報端末1は、バーコードリーダ等の光学的情報読取装置として構成されており、ケース2の内部に、メイン基板6や液晶表示器46などが収容されてなるものである。ケース2は、全体的に略長手状に構成されており、図1の例では長手方向一端側において開口する形態で読取口5が設けられている。
【0025】
図2に示すように、回路部20は、公知のレーザ方式にてバーコードBをスキャンする読取モジュール30や、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等からなるマイクロコンピュータ系などによって構成されており、これらが上述のメイン基板6に実装、或いはケース2に装着される構成をなしている。
【0026】
読取モジュール30は、公知のレーザ方式のモジュール構成であるため詳細な構成は省略するが、例えば、レーザダイオードと、このレーザダイオードからのレーザ光を反射するミラーと、受光素子とを備えた構成とされており、ミラーの角度をモータ等のアクチュエータを用いて制御することでレーザ光の走査を行い、そのレーザ光が光学的情報(図2ではバーコードB)にて反射した反射光を受光素子にて受光することで、当該光学的情報の画像信号を生成する構成とされている。
【0027】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0028】
読取モジュール30から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、読取モジュール30およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0029】
制御回路40は、携帯情報端末1全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続し得る構成をなしており、本実施形態の場合、トリガースイッチ42、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等と接続されている。これにより、例えば、トリガースイッチ42の監視や管理、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、液晶表示器46の表示制御、さらには読み取ったバーコードBのコード内容を外部機器へ送信するといった通信インタフェース48の通信制御等を制御装置40によって行うことができるようになっている。
【0030】
(内部構造)
携帯情報端末1の内部構造について説明する。
図1に示すように、携帯情報端末1は、ケース2の内部に内部フレーム10が収容された構成をなしている。
ケース2は、樹脂材料からなる第1ケース部3と、同じく樹脂材料からなる第2ケース部4とによって構成されている。このケース2の一方側を構成する第1ケース部3には、液晶表示器46を視認させるための表示窓7が形成されており、この表示窓7を介して外部から液晶表示器46を視認できるようになっている。表示窓7は、矩形状に開口する開口部7aとこの開口部7を閉塞する透明板7bとによって構成されており、液晶表示器46と対向して透明板7bが配されるようになっている。開口部7aの縁部には開口領域を取り囲む形態で、ゴム等の柔軟材料からなる緩衝材(図示略)が配置されており、図1等に示す液晶表示器46の周縁部が、この緩衝材を介して第1ケース部3に支持されるようになっている。
【0031】
図3のように、第1ケース部3には、第2ケース部4と連結するための複数の凸部(凸部8a、8b、8c(図8も参照))が形成されており、他方の第2ケース部4には、各凸部8a、8b、8cにそれぞれ対応する略筒状の締結部材挿入部9a、9b、9cが形成されている。これらがねじ等からなる締結部材91、92、93(図8参照)によって締結されて互いに結合することで、第1ケース部3と第2ケース部4とが結合し、これにより、第1ケース部3と第2ケース部4とが一体化されたケース2が構成されている。なお、詳細な連結構造については後述する。
【0032】
第1フレーム50は、例えば樹脂材料等によって構成されており、図3〜図5に示すように、メイン基板6を保持するフレーム本体51と、フレーム本体51から延出する複数の連結部52とを備えている。そして、これら複数の連結部52が第1ケース部3及び第2ケース部4に挟まれる形態で、第1ケース部3及び第2ケース部4に組み付けられている(図8参照)。
【0033】
フレーム本体51は、液晶表示器46を保持する高剛性構造部53と、高剛性構造部53より剛性の低い低剛性構造部54とを備えている。なお、図3では、第1フレーム50に配置される液晶表示器46を一点鎖線にて概念的に示している。
【0034】
高剛性構造部53は、液晶表示器46の裏側(表示側とは反対側)を保持する板状の液晶支持部61と、液晶支持部61を取り囲む壁部62、63、64、65とを備えており、液晶支持部61を底部、壁部62、63、64、65を周壁とする形態で、枠状に構成されている。図4のように、板状の液晶支持部61は、各壁部62〜65の高さ方向(本実施形態では、メイン基板6の厚さ方向を高さ方向とする)中間位置に連結しており、若干の撓み変形が可能な構成となっている。なお、本実施形態では、高剛性構造部53が、「第1構造部」の一例に相当する。
【0035】
壁部62、63は、第1フレーム50の「側壁部」に相当するものであり、互いに向かい合う形態で形成されており、それぞれが液晶表示器46の側部と対向するように配置されている。壁部64、65は、それぞれ壁部62、63とほぼ直交する形態で形成されており、それぞれが液晶表示器46の長手方向端部と対向して配置されている。液晶支持部61を取り囲む各壁部62、63、64、65は、ある程度の高さで構成されており、それぞれが液晶支持部61とほぼ直交する形態で配置され、さらに各壁部62、63がそれぞれ各壁部64、65とほぼ直交する形態で配置されており、このような構成により、高剛性構造部53全体が枠状形態をなしている。
【0036】
この構成では、高剛性構造部53と低剛性構造部54と比較すると、高剛性構造部53のほうが撓み(例えば図4のF1の方向の撓み)や捩れが生じにくく、高剛性構造部53全体として僅かな変形(僅かな撓み変形或いは僅かな捩り変形)のみが許容される構成となっている。また、この高剛性構造部53は、後述する連結部52(主に高剛性連結部55、57)の弾性変形に応じてケース2に対して相対変位しうる構成となっている。
【0037】
低剛性構造部54は、板状の平板部71を備えており、さらに、図4、図5のように、平板部71の板面から突出するリブ72が所々に設けられている。各リブ72は、高さが壁部62、63、64、65の高さよりも小さくなるように構成されている。また、平板部71は、その板面がメイン基板6(図1参照、図4では一点鎖線で概略的に図示)の板面と略平行に配され、リブ72を介してメイン基板6を支持している。本実施形態では、平板部71の裏側にメイン基板6が固定されており、また、平板部71の表側にも図示しない回路基板が固定されている。低剛性構造部54は、全体的にある程度の撓み(例えば図4の矢印F2の向きの撓み)や捩り変形が許容されており、さらに後述する連結部52(主に低剛性連結部56)の弾性変形に応じてケース2に対して相対変位しうる構成となっている。なお、本実施形態では、低剛性構造部54が「第2構造部」の一例に相当する。
【0038】
メイン基板6は、図1、図4に示すように、全体として長手状に構成されており、第1フレーム50において、液晶表示器46の装着側とは反対側に装着されている。メイン基板6には、第1フレーム50と係合するための被係合部が形成されており、第1フレーム50には、当該被係合部と係合するための係合部が形成されている。係合部と被係合部の形態は、互いに係合しうる形態であれば公知の様々な構成を用いることができるが、本実施形態では、図5に示すように、第1フレーム50において、メイン基板6側に突出する突起部75a〜75f、76a〜76gが形成されており、これ突起部75a〜75f、76a〜76gをメイン基板6に形成された図示しない孔部に挿入することで、両部品を固定している。また、第1フレーム50には、メイン基板6と係合する弾性変形可能な保持爪71a、71b、72a、72b、73a、73b、74a、74bが形成されており、これら保持爪71a、71b、72a、72b、73a、73b、74a、74bを、メイン基板6に形成された開口部や端部の縁部と係合させて保持している。具体的には、一対の保持爪71a、71b、一対の保持爪72a、72b、一対の保持爪73a、73bにより、それぞれメイン基板8を短手方向に挟み込んで当該メイン基板8の短手方向両端部を支持すると共に、それぞれの保持爪71a、71b、72a、72b、73a、73bの先端部をメイン基板8の下方面に係止させ、これにより、メイン基板8が第1フレーム50に対して下方側に離脱することを防止している。また、一対の保持爪74a、74bについては、メイン基板8に形成された孔部に挿入させて、これら保持爪74a、74bの先端部をメイン基板8の下方面に係止させており、この構造によってもメイン基板8の離脱を図っている。
【0039】
次に、第2フレーム80について説明する。第2フレーム80は、第1フレーム50よりも硬質の材料によって構成されるものであり、図4、図6に示すように、高剛性構造部53に重なり合う形態で第1フレーム50に取り付けられている。なお、第1フレームよりも硬質の材料としては、様々に考えられるが、例えば、第1フレーム50をエラストマ、ABS、ポリカーボネイト等の樹脂材料によって構成した場合、第2フレーム80については、当該第1フレーム50の材料にフィラー(例えばガラス材)を含ませた材料とする例などが考えられる。或いは、第1フレーム50を樹脂材料によって構成した場合、第2フレーム80を当該樹脂材料よりも硬質の金属材料にするといった例でもよい。
【0040】
第2フレーム80の取り付け対象となる高剛性構造部53は、上述したように液晶表示器46を収容する枠状に形成されており、第2フレーム80は、このような枠状構造の一部をなす一対の壁部62、63に連結されている。第2フレーム80を高剛性構造部53に取り付けるための構成は、公知の取り付け構造であれば様々なものを採用でき、ここでは、その一例として、第2フレーム80に形成された凸部83a、83b、86を、高剛性構造部53に形成された孔部77a、77b、78にそれぞれ挿入して嵌合させる構造を用いている。具体的には、図7に示すように、第2フレーム80において、メイン基板6の周囲側(より詳しくはメイン基板6の長手方向端部よりも外側)に延出する延出部82a,82bが設けられ、これら延出部82a,82bからそれぞれ突出する形態で凸部83a、83bが形成されており、このように延出部82a,82bからそれぞれ突出する凸部83a、83bを、第1フレーム50に形成された孔部77a,77bと嵌合させることで第2フレーム80を第1フレーム50に対して位置保持している。また、第2フレームにおいて、凸部83a、83bが形成された側とは反対側の端部に凸部86が形成されており、この凸部86を孔部78に嵌合させることによっても位置保持している。
【0041】
また、図7(b)に示すように、第2フレーム80には、メイン基板6側に突出する形態で、複数の係合爪81a,81b,81c,81dが形成されており、これら係合爪81a,81b,81c,81dとメイン基板6の周縁部とが係合する構成をなしている。具体的には、図4、図6に概略的に示すように(図4、図6では、メイン基板6を二点鎖線にて概略的に図示)、第1フレーム50と第2フレーム80との間にメイン基板6の一部が配置され、メイン基板6が第1フレーム50と第2フレーム80とに挟み込まれた形態をなしている。そして、そのメイン基板6の短手方向両端部の所定位置が係合爪81a、81cによって挟み込まれつつ係止され、また、別の位置では、係合爪81b、81dによって挟み込まれつつ係止されている。このようにして第2フレーム80がメイン基板6に直接固定されている。
【0042】
また、第2フレーム80が第1フレーム50に固定される固定状態においては、メイン基板6と係合する係合爪81a,81b,81c,81dが、いずれもメイン基板6と第1フレーム50とによって挟み込まれて保持されるようになっている。具体的には、メイン基板6の周縁部に沿うように壁部62,63が設けられており、一方側の係合爪81a,81bは、いずれもメイン基板6の周縁部(具体的には、メイン基板6の周縁部に形成された切欠部)と壁部63とによって挟み込まれて保持されている。また、他方側の係合爪81c,81dは、いずれもメイン基板6の周縁部(メイン基板6の周縁部に形成された切欠部)と第1フレーム50の壁部62とによって挟み込まれて保持されている。
【0043】
更に、第2フレーム80には、装着時においてメイン基板6における短手方向両端部と当接するように、メイン基板6の厚さ方向に突出した形態をなすリブ84a,84b,84c,84dが設けられている。リブ84a,84bは、メイン基板6の一方の短手方向端部と当接するように構成され、リブ84c,84dは他方の短手方向端部と当接するように構成されており、これらリブ84a,84b,84c,84dによっても、メイン基板6に対する第2フレーム80の短手方向の位置決めがなされている。また、リブ84a,84b,84c,84dによって、メイン基板6に対する第2フレーム80の相対移動が規制されるようになっているため、第2フレーム80に位置ずれ等が生じにくく、耐衝撃性に優れた構成となっている。
【0044】
また、リブ84a,84b,84c,84dは、第1フレーム50の側部に至るまで突出した形態をなしており、第1フレーム50とも当接し得る配置とされており、第1フレーム50に対する第2フレーム80の相対移動を規制する機能をも有している。具体的には、リブ84a,84bが第1フレーム50の壁部63の外側に配置されており、リブ84c,84dが壁部62の外側に配置されている。そして、リブ84aとリブ84cとで第1フレーム50を当該第1フレーム50の短手方向に挟み込む格好となっており、同様に、リブ84bとリブ84dとで第1フレーム50を挟み込む格好となっている。このようにリブ84a,84b,84c,84dを、第1フレーム50と当接し得る配置とすることで、衝撃等が生じた場合に第1フレーム50に対する第2フレーム80の相対移動が抑制されることとなる。なお、「当接し得る配置」とは、常に当接する配置であってもよく、通常時には若干の隙間があり、第1フレーム50や第2フレーム80に変位が生じた場合に当接する配置であってもよい。
【0045】
このように構成される第2フレーム80は、基板や各種電気部品を保持する部品として用いられ、本実施形態では、例えば、CPUが搭載された基板、或いは無線通信モジュールが搭載された基板などが第2フレーム80に取り付けられている。このように、第2フレーム80や高剛性構造部53に液晶表示器46やCPU、或いは無線通信モジュールなどを設けるようにすると、変形に対する保護をよりシビアに要求される液晶表示器46やCPU等を高剛性構造部53側に集約させて効率的に配置でき、これら部品に対する保護を選択的に強化することができる。
【0046】
次に、第1フレーム50に形成された各連結部52について説明する。第1フレーム50に設けられた各連結部52は、弾性変形可能に構成されており、その一部がケース2に固定されることでケース2とフレーム本体51とを連結する役割を果たしている。図3〜図6に示すように、複数の連結部52は、高剛性構造部53から延出する高剛性連結部55、57と、低剛性構造部54から延出する低剛性連結部56とからなり、高剛性連結部55、57よりも低剛性連結部56のほうが剛性の低い構造となっている。なお、本実施形態では、図3に示すように、高剛性構造部53は、平面視した形状が略矩形状とされており、高剛性連結部55、57は、高剛性構造部53の四隅近傍にそれぞれ設けられている。即ち、高剛性構造部53内には平面視矩形状の液晶表示器46が配される構成となっており、この液晶表示器46の四隅付近に高剛性連結部55、57が位置する構成となっている。
【0047】
低剛性連結部56は、ケース2に固定される第1固定部56aと、第1固定部56aと低剛性構造部54とを連結する板状の第1変形許容部56bとを有しており、第1変形許容部56bがフレーム本体51に対して撓み変形及び捩り変形可能とされている。第1変形許容部56bは板状に構成され、その板面がメイン基板6の板面に対して(即ち平板部71の板面に対して)ほぼ直交する配置となっている。また、図3、図8(a)に示すように、第1固定部56aは、円筒状に構成されており、その内部には、第1ケース部3に形成された円筒状の凸部8aが挿入された構成となっている。
【0048】
図8(a)に示すように、第1固定部56aに挿入された凸部8aは、第1固定部56aを貫通し、第2ケース部4に設けられた締結部材挿入部9aと当接し、締結部材91によって互いに固定されている。このように凸部8aと締結部材挿入部9aとが互いに固定されることで、第1固定部56aが第1ケース部3と第2ケース部4とに挟持される構成となっている。なお、図8(a)の例では、メイン基板6は第1固定部56aと第2ケース部4の締結部材挿入部9aとによって挟持され、板厚方向への相対移動を拘束されている。また、メイン基板6には、凸部8aを挿入する孔部6aが形成されており、この孔部6aは、凸部8aよりも大きなサイズとされ、孔部6a内を凸部8aが相対移動しうる構成となっている。なお、ここでは、第1固定部56aと締結部材挿入部9aによってメイン基板6を挟み込む構成としたが、挟まない構成としてもよい。
【0049】
また、図8(a)のように、いずれの低剛性連結部56においても、この低剛性連結部56と凸部8aとの間に、ケース2から第1フレーム50へ伝わろうとする衝撃を吸収する弾性リング95が配置されている。弾性リング95は、例えばゴム、エラストマー等の高分子材料などによって構成されるものであり、凸部8a(軸部)の外周面を取り囲む筒状に構成され、凸部8a(軸部)の外周面と孔部56cの内周面との間に配置されている。この構成により、凸部8aが当該凸部8aの軸方向と直交する面方向(即ち、メイン基板6の板面に沿った方向)に相対移動した場合に効果的に衝撃を吸収できることとなる。なお、ここでは、弾性リング95を設けた構成としたがこのような弾性リング95を設けない構成としてもよい。
【0050】
高剛性連結部55は、図3、図4に示すように、第1フレーム50の中間位置(第1フレーム50において長手方向両端からそれぞれある程度離れた位置)に設けられており、ケース2に固定される第2固定部55aと、第2固定部55aと高剛性構造部53とを連結する第2変形許容部55bとを有している。
【0051】
図8(b)に示すように、第2固定部55aは、厚さ方向に貫通する孔部55cを備えると共に、その孔部55cの内周面が円筒面とされており、全体として略円筒形状をなしている。第2固定部55aの内部には、第1ケース部3に形成された円筒状の凸部8bが挿入される構成となっている。第2固定部55aに挿入される凸部8bは、第2ケース部4に設けられた締結部材挿入部9bと当接し、締結部材92によって互いに固定されている。このように凸部8bと締結部材挿入部9bとが互いに固定されることで、第1固定部55aが第1ケース部3と第2ケース部4とに挟持された形態となっている。
【0052】
図3のように、各第2変形許容部55bは、各第2固定部55a及び各壁部65と一体的に構成されると共に、壁部62又は壁部63と連続した構成をなしており、図4のように、厚さ(高さ)がこれら第2固定部55a、壁部65、壁部62(又は壁部62)とほぼ同一となっている。即ち、高剛性連結部55は撓み変形が生じにくく、若干の捩り変形が許容される構成となっている。
【0053】
また、図8(b)のように、いずれの高剛性連結部55おいても、この高剛性連結部55と凸部8bとの間に、ケース2から第1フレーム50へ伝わろうとする衝撃を吸収する弾性リング96が配置されている。高剛性連結部55は、凸部8bを挿入する孔部55cを備えている。弾性リング96は、弾性リング95と同様に例えばゴム、エラストマー等の高分子材料などによって構成されており、凸部8b(軸部)の外周面を取り囲む筒状に構成され、凸部8b(軸部)の外周面と孔部55cの内周面との間に配置されている。このように構成されているため、凸部8bが孔部55c内を若干相対移動することができ、かつ凸部8bが当該凸部8bの軸方向と直交する面方向(即ち、メイン基板6の板面に沿った方向)に相対移動した場合に効果的に衝撃を吸収できるようになっている。なお、ここでは、弾性リング96を設けた構成としたがこのような弾性リング96を設けない構成としてもよい。
【0054】
高剛性連結部57は、図3、図4に示すように、第1フレーム50における一方側の端部において一方側に突出して設けられており、ケース2に固定される第2固定部57aと、第2固定部57aと高剛性構造部53とを連結する第2変形許容部57bとを有している。
【0055】
第2固定部57aは、図8(c)に示すように、第1ケース部3と第2ケース部4とによって挟まれる底部57dと、この底部57dを取り囲む環状壁57eによって構成されており、より詳しくはこの底部57dが、第1ケース部3に形成された円筒状の凸部8cと、第2ケース部4に設けられた締結部材挿入部9cとによって挟持され、これら凸部8cと締結部材挿入部9cとが締結部材93によって互いに固定されることで、第1固定部57aが第1ケース部3及び第2ケース部4に固定されている。
【0056】
第2変形許容部57bは、図3、図8(c)に示すように、第2固定部57aの環状壁57eと高剛性構造部53の壁部64とを連結する構造をなしており、壁部64と連結する基端部の幅が環状壁57eの外周の径と同程度となっている。また、図8(c)に示すように、環状壁57eよりも第2変形許容部57bの外周壁のほうが、高さが大きく構成されている。即ち、高剛性連結部57は撓み変形が生じにくく、若干の捩り変形が許容される構成となっている。
【0057】
また、図8(c)のように、いずれの高剛性連結部57においても、この高剛性連結部57と凸部8cとの間に、ケース2から第1フレーム50へ伝わろうとする衝撃を吸収する弾性リング97が配置されている。高剛性連結部57は、凸部8cを挿入する孔部57cを備えており、凸部8c(軸部)の外周面と孔部57cの内周面との間に弾性リング97が配置されている。弾性リング97は、弾性リング97等と同様に例えばゴム、エラストマー等の高分子材料などによって構成されており、凸部8c(軸部)の外周面を取り囲む筒状に構成され、凸部8cが当該凸部8cの軸方向と直交する面方向に相対移動した場合に効果的に衝撃を吸収できるようになっている。
【0058】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態の携帯情報端末1では、ケース2内に収容された第1フレーム50において、回路基板を保持するフレーム本体51と、フレーム本体51から延出してケースに固定される複数の連結部52と、が設けられており、回路基板がケース2内で安定的に保持される構成となっている。更に、第1フレーム50に形成された連結部52は、ケース3に衝撃が生じたときに弾性変形し、ケース2からフレーム本体51に伝達される衝撃を緩和するように機能する。即ち、本発明によれば、回路基板等を外部衝撃から良好に保護しうる構成を、小型かつ軽量構成にて実現できる。
【0059】
また、第1フレーム50のフレーム本体51は、液晶表示器46側に設けられる第1構造部と、第1構造部から延びる第2構造部とを備えており、第1構造部には第2フレーム80が連結されている。そして、ケース2に生じた衝撃がフレーム本体51に伝わる際に、連結部52が弾性変形することで衝撃が緩和され、他方、第2フレーム80が第1構造部に連結されることで衝撃に伴う第1構造部側の変形が抑制されるようになっている。従って、第1フレーム51の特定部位を弾性変形し易くして外部衝撃を吸収可能とする一方で、保護が要求される液晶表示器46付近の第1構造部については変形しにくくすることができるため、第1構造部近傍の液晶表示器46等に曲げや捻りが生じにくく、第1構造部近傍部品(液晶表示器46等)の保護を強化できる。
【0060】
また、第2フレーム80が、第1構造部に重なり合う形態で第1フレームに連結されているため、当該重なり方向以外の部品設置スペース増大を抑えつつ第1構造部の剛性を効果的に高めることができ、液晶表示器46付近の保護を一層強化できる。
【0061】
また、第1構造部が第2構造部よりも剛性の高い高剛性構造部53として構成されており、この高剛性構造部53によって液晶表示器46が保持されている。このように、フレーム本体51において第1構造部の剛性を選択的に高めることで、部品全体を必要以上に大型化せずに必要部位の保護を強化することができる。
【0062】
また、高剛性構造部53が液晶表示器46を収容する枠状に形成されており、第2フレーム80が、少なくとも高剛性構造部53の一対の壁部62、63(側壁部)に連結されている。このようにすると、液晶表示器46を安定的に保持しつつ剛性を強化しうる構造を好適に実現できる。
【0063】
また、上記携帯情報端末1では、第2フレーム80が、第1フレーム50よりも硬質の材料によって構成されている。このようにすると、第1構造部側の剛性を選択的に高めうる構成を、より効率的に、且つより効果的に実現できる。
【0064】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。 図9は、第2実施形態の携帯情報端末に用いる内部フレームを示す平面図である。図10(a)は、図9の内部フレームの一部を構成する第2フレームを示す平面図であり、図10(b)は、第1フレームを示す平面図である。図11(a)は、図9の内部フレームを側方から見た様子を概略的に示す図であり、図11(b)は、その内部フレームにおいて第2フレームを離脱させた様子を説明する説明図である。
【0065】
第2実施形態は、内部フレーム10を内部フレーム210に変更した点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。よって、第1実施形態と同一の構成についての説明は省略する。また、第1実施形態と同様の部分については第1実施形態と同一の符号を付すものとする。
【0066】
図9に示すように、本実施形態の携帯情報端末は、ケース2(図1参照)内に収容される内部フレーム210を備えており、この内部フレーム210は、図10(b)に示す第1フレーム250と、図10(b)に示す第2フレーム280とが連結した構成をなしている。
【0067】
第1フレーム250は、第2フレーム280の部分以外は第1実施形態の第1フレーム50と同様の構成をなしており、第1フレーム50と同様の構成でメイン基板6(図1参照)を保持している。また、第1フレームは、メイン基板6を保持するフレーム本体251と、フレーム本体251から延出する複数の連結部52を備えている。
【0068】
各連結部52は、第1実施形態と同様の構成をなしており、弾性変形可能に構成され、ケース2に固定されることでケース2とフレーム本体251とを連結するように機能している。
【0069】
フレーム本体251は、液晶表示器46(図1等参照)側に設けられる第1構造部253と、第1構造部253から延びる第2構造部254と、を有しており、第2構造部254は、第1実施形態の低剛性構造部54と同様の構成をなしている。また、第1構造部253は、第1実施形態の高剛性構造部53の下方側部分(液晶支持部61よりも下方側の部分)と同様の構成となっており、壁部272、273、274、275が連結された矩形枠状の枠状構造部を有し、この枠状構造部に第2構造部254、高剛性連結部55、57が連結されている。
【0070】
第2フレーム280は、図10(a)、図11に示すように、第1実施形態の第1フレーム50から特定部位を切り離した構造をなしており、具体的には、高剛性構造部53における液晶支持部61から上の部分を分離させた構成をなしている。この第2フレーム280は、図9に示すように、液晶表示器46を保持する部品として構成されており、液晶表示器46を取り囲む側壁262、263、264、265と、液晶表示器46を支持する底壁261とを備えた枠状形態をなしている。このように構成される第2フレーム280は、図9、図11のように、第1フレーム150の第1構造部253に固定されており、第1構造部253の剛性を高めるように機能している。なお、第2フレーム280において側壁262、263、264、265によって構成される枠状構造部と、第1フレーム250において壁部272、273、274、275によって構成される枠状構造部とはほぼ同サイズとされており、これら枠状構造部が互いに連結されることで第2フレーム280が第1フレーム250に固定されている。
【0071】
なお、第1フレーム250と第2フレーム280とを連結するための構造については公知の様々な構成を用いることができ、例えば、第1フレーム250及び第2フレーム280のいずれか一方に係合爪を複数設け、他方にこれら係合爪と係合する被係合部を設けるようにしてもよく、或いは、ねじ等の締結部材によって両フレームを連結するようにしてもよい。
【0072】
本実施形態の構成でも、ケース2に生じた衝撃がフレーム本体251に伝わる際に、連結部52が弾性変形することで衝撃が緩和されるようになっている。他方、第1構造部253には第2フレーム280が連結されているため、衝撃に伴う第1構造部側の変形が抑制され、液晶表示器46等の重要部品が良好に保護されるようになっている。
【0073】
なお、本実施形態でも、第2フレームを、第1フレームよりも硬質の材料とすることができ、第1フレームの材料と第2フレームの材料の組み合わせについては第1実施形態と同様とすることができる。
【0074】
また、図9〜図11に示す例では、第1実施形態の第2フレーム80のような部品は取り付けていないが、図9〜図11の構成に加え、更に第1実施形態の第2フレーム80のような部品を取り付けるようにしてもよい。
【0075】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0076】
上記実施形態では、携帯情報端末の一例としてバーコードリーダを例示したが、二次元コードリーダ等の他の光学的情報読取装置であってもよく、これ以外の携帯情報端末(例えばRFIDリーダライタ等)であってもよい。
【0077】
上記実施形態では、第2フレームにCPUや無線通信モジュールを設ける例を示したが、CPUや無線通信モジュールを第1フレームの第1構造部に設けるようにしてもよい。また、第2フレーム又は第1構造部に設ける重要な部品として、CPUや無線通信モジュール以外の部品(例えばRFIDタグを読み取る非接触通信モジュール等)を、これらに代えて又はこれらに追加して設けてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…携帯情報端末
6…メイン基板(回路基板)
46…液晶表示器(表示装置)
50,250…第1フレーム
51,251…フレーム本体
52…連結部
53…高剛性構造部(第1構造部)
54…低剛性構造部(第2構造部)
62,63…壁部(側壁部)
80,280…第2フレーム
261…底壁
262,263,264,265…側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの内部に少なくとも回路基板と表示装置とが収容されてなる携帯情報端末であって、
前記回路基板を保持すると共に、前記ケースの内部に収容される第1フレームと、
前記第1フレームに連結される第2フレームと、
を備え、
前記第1フレームは、
前記回路基板を保持するフレーム本体と、
前記フレーム本体から延出すると共に弾性変形可能に構成され、かつ前記ケースに固定されることで前記ケースと前記フレーム本体とを連結する複数の連結部と、
を備え、
前記フレーム本体は、
前記表示装置側に設けられる第1構造部と、
前記第1構造部から延びる第2構造部と、
を有し、
前記第2フレームは、前記第1構造部に連結されており、
前記ケースに生じた衝撃が前記フレーム本体に伝わる際に、前記連結部が弾性変形することで前記衝撃が緩和される構成をなし、且つ前記第2フレームが前記第1構造部に連結されることで前記衝撃に伴う前記第1構造部側の変形が抑制されることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記第2フレームは、前記第1構造部に重なり合う形態で前記第1フレームに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記第1構造部は、前記第2構造部よりも剛性の高い高剛性構造部として構成されており、
前記高剛性構造部によって前記表示装置が保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記高剛性構造部は、前記表示装置を収容する枠状に形成されており、
前記第2フレームは、少なくとも前記高剛性構造部の一対の側壁部に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記表示装置が前記第2フレームに保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記第2フレームは、前記表示装置を取り囲む側壁と、前記表示装置を保持する底壁とを備えた枠状形態をなすことを特徴とする請求項5に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記第2フレーム又は前記第1フレームにおける前記第1構造部側に、CPUが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記第2フレームは、前記第1フレームよりも硬質の材料によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の携帯情報端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−182059(P2010−182059A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24528(P2009−24528)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】