説明

携帯機器

【課題】筐体及び装着部材を備え、筐体及び装着部材それぞれに設けられた係合部が係合することにより装着状態が維持される携帯機器において、携帯機器を落下させたときにおける衝撃などにより筐体側の係合部が破損しにくい携帯機器を提供する。
【解決手段】筐体3と、筐体3の外側に着脱自在に装着される装着部材6と、筐体3に設けられ、第1係合部51を有するロック部材5と、装着部材6に設けられ、筐体3に装着部材6が装着される装着状態において第1係合部51と係合することにより前記装着状態を維持する第2係合部63と、を備え、装着部材6が筐体3から外れる第1方向M1に第2係合部63により第1係合部51が押圧されると、ロック部材5が第1係合部51と第2係合部63との係合を解除する方向に回転するか又は捻れる係合解除構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの携帯機器においては、多機能化の一方で、デザイン性を重視する傾向も強く、筐体の外側に着脱自在な装飾カバーなどの装着部材を筐体に装着可能とした仕様のものも増えている。このような装着部材には、例えば、筐体への着脱が容易で、筐体への装着状態を維持でき、携帯機器を落下させたときにおける衝撃などにより筐体から簡単に外れることがないことが求められる他、衝撃などによりロック部分(装着状態を維持するために係合される係合部)が破損しないことも求められる。
【0003】
装着部材の装着構造としては、例えば、下記特許文献1には、携帯電話機の筐体に装飾カバーを装着させる装着構造が記載されている。特許文献1に記載の装着構造においては、筐体及び装飾カバーそれぞれに互いに係合する係合部を設け、両係合部を係合させることにより装着状態を維持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−217189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の装着構造においては、例えば、携帯電話機を落下させたときにおける衝撃などにより、筐体側の係合部が破損することに関して特段の工夫がなされておらず、筐体側の係合部が破損しやすいという問題点がある。
前述の問題点は、携帯電話機以外の携帯機器においても同様に発生する場合がある。
【0006】
従って、本発明は、筐体及び装着部材を備え、筐体及び装着部材それぞれに設けられた係合部が係合することにより装着状態が維持される携帯機器において、携帯機器を落下させたときにおける衝撃などにより筐体側の係合部が破損しにくい携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体と、前記筐体の外側に着脱自在に装着される装着部材と、前記筐体に設けられ、第1係合部を有するロック部材と、前記装着部材に設けられ、前記筐体に前記装着部材が装着される装着状態において前記第1係合部と係合する第2係合部と、を備え、前記装着部材が前記筐体から外れる第1方向に前記第2係合部により前記第1係合部が押圧されると、前記ロック部材が前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除する方向に回転するか又は捻れる係合解除構造を有する携帯機器に関する。
【0008】
また、前記係合解除構造は、前記ロック部材に設けられ、該ロック部材の回転中心を形成する回転軸部と、前記筐体に設けられ、前記回転軸部を回転自在に支持する軸受部と、前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて回転する前記ロック部材を反対方向に付勢する弾性部材と、を有して構成されることが好ましい。
【0009】
また、前記係合解除構造は、前記ロック部材に設けられ、該ロック部材の回転中心を形成する回転軸部と、前記筐体に設けられ、前記回転軸部を回転自在に支持する軸受部と、前記ロック部材に設けられ、前記軸受部を挟んで前記第1係合部とは反対側に位置する回転規制部と、前記筐体に設けられ、前記回転規制部を保持する回転規制部保持部と、を有して構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記回転規制部保持部は、前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて前記ロック部材が回転するか又は捻れた場合に、前記回転軸部における前記軸受部よりも前記回転規制部側の部分に実質的に変形が生じないように、前記回転規制部を保持することが好ましい。
【0011】
また、前記回転規制部保持部は、前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて前記ロック部材が回転するか又は捻れた場合に、前記回転軸部における前記軸受部よりも前記回転規制部側の部分に実質的に変形が生じないように、前記回転規制部を保持することが好ましい。
【0012】
また、前記係合解除構造は、前記ロック部材が前記筐体に実質的に回転不能に固定されることにより構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筐体及び装着部材を備え、筐体及び装着部材それぞれに設けられた係合部が係合することにより装着状態が維持される携帯機器において、携帯機器を落下させたときにおける衝撃などにより筐体側の係合部が破損しにくい携帯機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の携帯電話機1を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図2】図1に示す携帯電話機1を閉じた状態で示す斜視図である。
【図3】表示部側筐体3及び装飾カバー6の分解斜視図である。
【図4】装飾カバー6を外した状態の表示部側筐体3を示す斜視図である。
【図5】図4に示すフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図で、(A)は分解斜視図、(B)は組み付けた状態を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の携帯電話機1における装着状態を示す断面図である。
【図7】第1実施形態の携帯電話機1における表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の携帯電話機1Aにおけるフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図(図5(B)対応図)である。
【図9】(A)は、第2実施形態の携帯電話機1Aにおける装着状態を示す断面図(図6対応図)であり、(B)は、表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図7対応図)である。
【図10】本発明の第3実施形態の携帯電話機1Bにおけるフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図(図8対応図)である。
【図11】(A)は、第3実施形態の携帯電話機1Bにおける装着状態を示す断面図(図9(A)対応図)であり、(B)は、表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図9(B)対応図)である。
【図12】(A)は、図11(A)の部分拡大平面図であり、(B)は、図11(B)の部分拡大平面図である。
【図13】第4実施形態の携帯電話機1Cにおける装着状態を示す断面図(図9(A)対応図)である。
【図14】図13に示す表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図9(B)対応図)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の携帯電話機1を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図である。図2は、図1に示す携帯電話機1を閉じた状態で示す斜視図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、第1実施形態の携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体(筐体)3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して、開閉軸を中心に開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。
【0017】
つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが連結部4を介して開いた状態(開状態。図1参照)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが連結部4を介して互いに重なり合う(折り畳まれた)状態(閉状態。図2参照)とに変更可能に構成されている。ここで、閉状態とは、両筐体2,3が互いに重なるように配置された状態である。開状態とは、両筐体2,3が互いに重ならないか、あるいは両筐体2,3の重なる程度が小さくなるように配置された状態である。
【0018】
図1及び図2に示すように、操作部側筐体2の外面は、前面2a側を形成するフロントケース21及び背面2b側を形成するリアケース22により構成される。操作部側筐体2は、フロントケース21側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
【0019】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15とにより構成される。
【0020】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0021】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1の開状態において一方の外端部側に配置される。
【0022】
表示部側筐体3の外面は、前面3a側を形成するフロントケース30aと、背面3b側を形成するリアケース30bとから構成される。表示部側筐体3は、フロントケース30a側に、各種情報を表示するためのメイン表示部34と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部31とが露出するように配置されて構成される。また、表示部側筐体3には、ロック部材5が設けられるが、このロック部材5については後述する。
【0023】
次に、装着部材として装飾カバー6について説明する。図3は、表示部側筐体3及び装飾カバー6の分解斜視図である。図4は、装飾カバー6を外した状態の表示部側筐体3を示す斜視図である。
図2から図4に示すように、装飾カバー6は、リアケース30bの外側に着脱自在に装着される。装飾カバー6は、外周側の枠部61と、枠部61に囲まれて枠部61の内方側に位置するパネル部62とを備えている。装飾カバー6は、その全体がリアケース30bの外面の全面を覆う大きさ及び形状に形成されている。パネル部62は、模様、色彩や画像等が表示されるものであり、表示部側筐体3に装飾性を付与する。
【0024】
装飾カバー6は、表示部側筐体3に対して装着及び取り外しが可能となっている。このため、リアケース30bの外面には、係止部33が形成されている。係止部33は、溝や爪などから形成される。係止部33は、リアケース30bの長手方向における左右の外周側にそれぞれ(計2個)設けられている。係止部33は、リアケース30bの長手方向Nに延びた形状となっている。ここで、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態におけるこれらの筐体2,3が連続した方向を「長手方向N」という。また、長手方向N及び筐体2,3の厚み方向と直交する方向を「短手方向T」という。
【0025】
装飾カバー6の内面(リアケース30bとの対向面)側には、係止部33と対応する部位に、係止部33に係合される被係止部(図示せず)が設けられる。そして、リアケース30bの係止部33と装飾カバー6の前記被係止部とを係合させることにより、装飾カバー6をリアケース30bに取り付けることができる。
【0026】
次に、ロック部材5について説明する。図5は、図4に示すフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図で、(A)は分解斜視図、(B)は組み付けた状態を示す斜視図である。図6は、第1実施形態の携帯電話機1における装着状態を示す断面図である。図7は、第1実施形態の携帯電話機1における表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図である。
【0027】
図5から図7に示すように、ロック部材5は、フロントケース30aに取り付けられた状態で装飾カバー6に係合する。ロック部材5は、フロントケース30aに、連結部4との反対側の外端部側に位置するように取り付けられる。具体的には、ロック部材5は、フロントケース30aにおける連結部4と対向した対向辺32側に配置される。このロック部材5には、装飾カバー6に係合する第1係合部51が形成されている。
【0028】
第1係合部51は、装飾カバー6の第2係合部63(後述)に係合する部位である(図6参照)。第1係合部51は、フロントケース30aの短手方向Tに延びている(図4参照)。
【0029】
本実施形態においては、リアケース30bの長手方向Nに沿って延びる2つの係止部33、及び短手方向Tに沿ってフロントケース30aに配置された第1係合部51の3箇所において、表示部側筐体3と装飾カバー6とが係合する。このため、表示部側筐体3への装飾カバー6の装着状態を維持することができる。
【0030】
ロック部材5は、本体部53、第1係合部51、回転軸部52、連結片部54、端末部55、当接部56などを有して構成される。ロック部材5は、その全体が合成樹脂などから形成される。
本体部53は、その全体が短手方向Tに沿って延びるシャフト状の部位である。
第1係合部51は、所定高さとなるように本体部53からリアケース30b側に突出している。また、第1係合部51は、本体部53の長さ方向の略中央部分に所定長さとなるように形成されている。ロック部材5は、その全体又は少なくとも第1係合部51がリアケース30bの先端部30cから露出した位置となるように、フロントケース30aに取り付けられる。このように第1係合部51がリアケース30bの先端部30cから露出することにより、リアケース30bに装飾カバー6が被せられた状態において、第2係合部63に第1係合部51を係合させることができる。
【0031】
当接部56は、後述する弾性部材81に当接する部位である。当接部56は、本体部53における第1係合部51と対応する位置に設けられ、第1係合部51の突出方向とは反対向きに突出している。当接部56は、第1係合部51とほぼ同じ長さ(短手方向Tの長さ)を有する。
【0032】
回転軸部52は、ロック部材5の回転中心を形成する部分であり、第1係合部51の左右の両側に位置するように本体部53に連設されている。回転軸部52の外形は、円柱形状である。本体部53の左右両側に、短手方向Tに沿って直線的に延びる連結片部54が連設されている。回転軸部52は、それぞれの連結片部54の終端部分に連設されている。連結片部54の終端部分は、筐体2,3を連結する連結部4の方向(奥側)に屈曲している。
【0033】
それぞれの回転軸部52には、端末部55が連設されている。端末部55は、L字形に形成されており、それぞれの回転軸部52の終端部分から連結部4とは反対方向に向かって延びている。このように、ロック部材5は、連結片部54の屈曲部分54a、回転軸部52及び端末部55によってクランク形状に形成されている。
【0034】
リアケース30bの先端部30cは、フロントケース30aの先端部よりも連結部4側に長手方向Nに後退している。このリアケース30bの後退した部分におけるフロントケース30aに、ロック部材5を取り付けるため軸受部71が形成されている。軸受部71は、ロック部材5の回転軸部52を回転自在に支持する部位である。軸受部71は、フロントケース30aの短手方向Tに沿って離間して2個設けられる。軸受部71は、内面側(リアケース30bと対向する側)に開放した半円形状の軸受孔71aを有する。軸受孔71aには回転軸部52が挿入されて支持される。
【0035】
フロントケース30aの内面側における2個の軸受部71の間には、コ字形状の隔壁部72が起立して形成されている。隔壁部72は、ロック部材5の本体部53,連結片部54の端面が接触する部位であり、この接触によってロック部材5の不用意な屈曲、変位、回転などが防止される。フロントケース30aの内面側におけるフロントケース30aの先端部側には、突壁部73が設けられる。突壁部73は、短手方向Tに沿って離間して2個設けられる。突壁部73は、後述する弾性部材81をフロントケース30aの内面側の定位置に配置するためのものである。
【0036】
装飾カバー6には、第2係合部63が形成されている。第2係合部63は、表示部側筐体3に装飾カバー6が装着される装着状態において、第1係合部51と係合することにより前記装着状態を維持する部位である。第2係合部63は、装飾カバー6の内面側(リアケース30b側)における連結部4との反対側の端部側に形成されている。また、第2係合部63は、前記装着状態において、リアケース30bの長手方向Nの先端部30cよりも更に先端側に位置する。第2係合部63は、ロック部材5の第1係合部51に対応しており、第1係合部51と同様に短手方向Tに延びている。装飾カバー6は、第2係合部63と第1係合部51とが係合することにより、表示部側筐体3への装着状態が維持される。この装着状態では、リアケース30bの係止部33(図3及び図4参照)も装飾カバー6の前記被係止部に係合した状態となる。
【0037】
弾性部材81は、フロントケース30aの内面側に配置される。弾性部材81は、ゴム等から形成されている。弾性部材81は、直方体のブロック形状を有し、2個の突壁部73,73の間に位置する。弾性部材81の厚さは、ロック部材5の当接部56が当接可能となるように設定される。弾性部材81は、その外面にロック部材5の当接部56が当接することにより、ロック部材5を弾性部材81から離間する方向に付勢して、ロック部材5の第1係合部51と装飾カバー6の第2係合部63との係合状態を維持するように作用する。つまり、弾性部材81は、第2係合部63により第1係合部51が第1方向M1(図7参照)に押圧されて回転するロック部材5を反対方向に付勢する。
【0038】
次に、第1実施形態における装飾カバー6を表示部側筐体3に装着する動作を説明する。図4に示すリアケース30bをフロントケース30aに組み付けた状態において、装飾カバー6をリアケース30bに被せて、リアケース30bの2個の係止部33を装飾カバー6の被係止部に係合させる。これと共に、装飾カバー6の第2係合部63をロック部材5の第1係合部51に係合させる。この係合状態においては、装飾カバー6は、3箇所で係合し、リアケース30bの外側を覆った装着状態となる。この装着状態においては、ロック部材5の当接部56が弾性部材81に当接することにより、ロック部材5が装飾カバー6側(リアケース30b側)に付勢される。このため、第1係合部51と装飾カバー6の第2係合部63との係合状態が維持され、表示部側筐体3と装飾カバー6との装着状態を安定させることができる。
【0039】
次に、落下などによって携帯電話機1に作用した衝撃などにより、表示部側筐体3から装飾カバー6が外れる動作を説明する。第1実施形態の携帯電話機1は、装飾カバー6が表示部側筐体3から外れる第1方向M1に第2係合部63により第1係合部51が押圧されると、第1係合部51と第2係合部63との係合を解除する方向に回転するか又は捻れる係合解除構造を有する。この係合解除構造は、ロック部材5の回転軸部52、フロントケース30aの軸受部71及び弾性部材81を主体として形成されている。
【0040】
装飾カバー6が装着されている携帯電話機1に落下などによる衝撃などが作用すると、図6に示すように、装飾カバー6は、表示部側筐体3から外れる第1方向M1(図7参照)に移動する。本実施形態において、第1方向M1は、表示部側筐体3の長手方向Nに沿うと共に、連結部4から表示部側筐体3の先端部に向かう方向である。なお、第1方向M1がこの方向となる理由は、リアケース30bの係止部33と装飾カバー6の前記被係止部との係合力が十分に高く、係止部33と被係止部とが係合した状態において、装飾カバー6が第1方向M1に移動しやすく構成されているためである。
【0041】
図7に示すように、装飾カバー6が第1方向M1に移動すると、第2係合部63がロック部材5の第1係合部51を第1方向M1に押すため、ロック部材5の全体が回転軸部52を中心にして、図7における反時計方向であるL1方向に回転する。この回転によって、第1係合部51が第2係合部63から遠ざかり、第1係合部51と第2係合部63との係合が解除される。従って、装飾カバー6は、第1方向M1に移動し、表示部側筐体3から外れる。このように第1係合部51と第2係合部63との係合が解除されることにより、ロック部材5の第1係合部51は、第2係合部63の押圧による負荷から解放されるため、破損しにくくなる。
【0042】
図7に示すロック部材5のL1方向への回転によって、当接部56は弾性部材81を押圧する。弾性部材81は、弾性変形しながら当接部56を受け止めるため、ロック部材5に作用している衝撃を吸収したり、減衰させる。また、弾性部材81は、当接部56により押圧されて撓み、ロック部材5をL1方向とは反対方向に回転するように付勢する。これにより、ロック部材5は、元の状態(図6に示す状態)に復元し(戻り)、そのため、第1係合部51と第2係合部63との再係合、すなわち、表示部側筐体3へ装飾カバー6の再装着が可能となる。
【0043】
前述した構成を有する第1実施形態の携帯電話機1によれば、以下に示す各効果が奏される。
第1実施形態の携帯電話機1においては、前述した係合解除構造を有するため、装飾カバー6が装着されている携帯電話機1に落下などによる衝撃などが作用すると、ロック部材5の第1係合部51と装飾カバー6の第2係合部63との係合が容易に解除される。そのため、第1係合部51が第2係合部63の押圧による負荷から解放される。従って、ロック部材5の第1係合部51が破損しにくい。
【0044】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、ロック部材5を付勢する弾性部材81を備えているため、リアケース30bからロック部材5に加わる衝撃が弾性部材81によって吸収されたり、減衰する。従って、ロック部材5に作用する衝撃が小さくなり、ロック部材5の破損を抑制できる。
【0045】
また、第1実施形態の携帯電話機1においては、衝撃などによって装飾カバー6が表示部側筐体3から外れるときに、弾性部材81は、撓んで、ロック部材5を元の状態に戻るように付勢する。従って、ロック部材5は、元の状態に自動的に戻り、表示部側筐体3への装飾カバー6の再装着が可能となる。
【0046】
また、第1実施形態においては、弾性部材81の硬度(弾性係数)を変更することにより、ロック部材5(当接部56)に対する弾性部材81の反力の大きさを調整することができる。そのため、ロック部材5の回転しやすさを調整することができ、第2係合部63からの第1係合部51の解除され易さの調整が容易である。
【0047】
また、第1実施形態においては、ロック部材5の大部分が表示部側筐体3の内部に収容されるため、ロック部材5に係るデザイン性に優れる。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同じ符号を付し、説明を省略する。他の実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0049】
図8は、本発明の第2実施形態の携帯電話機1Aにおけるフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図(図5(B)対応図)である。図9(A)は、第2実施形態の携帯電話機1Aにおける装着状態を示す断面図(図6対応図)であり、図9(B)は、表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図7対応図)である。
第2実施形態の携帯電話機1Aは、第1実施形態に比して、弾性部材81が設けられておらず、ロック部材5Aの端末部55に回転規制部57が形成されている点が主として異なる。
【0050】
図8及び図9に示すように、第2実施形態におけるロック部材5Aは、第1実施形態のロック部材5と同様に、シャフト状の本体部53と、本体部53の左右に連設する連結片部54と、左右の連結片部54の終端部に連設された回転軸部52と、本体部53からリアケース30b側に突出した第1係合部51と、回転軸部52の終端部に連接された端末部55と、を備えている。この端末部55に回転規制部57が形成されている。回転規制部57は、端末部55の先端部から形成される。回転規制部57は、フロントケース30aの軸受部71を挟んで第1係合部51とは反対側に位置している。
【0051】
一方、フロントケース30aの内面側(リアケース30b側)には、回転規制部57に対応した回転規制部保持部74が形成されている。回転規制部保持部74は、フロントケース30aの内面側の短手方向Tにおける軸受部71の外側に起立されて設けられる。回転規制部保持部74は、ロック部材5Aの回転規制部57が当接することにより回転規制部57を保持するものであり、この保持により、ロック部材5Aが回転しないように規制される。
【0052】
また、回転規制部保持部74は、第2係合部63により第1係合部51が第1方向M1に押圧されてロック部材5が回転するか又は捻れた場合に、回転軸部52における軸受部71よりも回転規制部57側の部分に実質的に変形が生じないように、回転規制部57を保持する。第2実施形態においては、回転規制部保持部74と軸受部71との間隔が少ないため、回転軸部52における軸受部71よりも回転規制部57側の部分に実質的に変形が生じないようになっている。
【0053】
次に、第2実施形態の動作について説明する。図9(A)は、装飾カバー6が表示部側筐体3に装着された状態を示している。装飾カバー6の第2係合部63がロック部材5Aの第1係合部51に当接して係合すると共に、リアケース30bの係止部33(図8及び図9においては図示せず)が装飾カバー6に係合する。これにより、装飾カバー6は、リアケース30bを覆った装着状態で装着される。この装着状態では、ロック部材5Aの回転規制部57は、フロントケース30aの回転規制部保持部74に当接した状態となっている。
【0054】
図9(B)は、携帯電話機1Aの落下などにより衝撃などが作用した状態を示している。第1実施形態においては、ロック部材5Aの回転軸部52、フロントケース30aの軸受部71、ロック部材5Aの回転規制部57及びフロントケース30aの回転規制部保持部74を主体として係合解除構造が形成されている。
【0055】
装飾カバー6が装着されている携帯電話機1に落下などによる衝撃などが作用すると、図9(B)に示すように、装飾カバー6は、表示部側筐体3から外れる第1方向M1に移動する。装飾カバー6が第1方向M1に移動すると、第2係合部63がロック部材5Aの第1係合部51を第1方向M1に押す。これにより、ロック部材5Aには回転力が作用するが、ロック部材5Aの回転規制部57がフロントケース30aの回転規制部保持部74に当接しているため、ロック部材5Aにおける軸受部71よりも外側の部分の回転が規制される。このため、ロック部材5Aにおける軸受部71よりも外側の部分が実質的に変形することがなく、ロック部材5Aは、軸受部71よりも内側の部分である本体部53及び連結片部54が図9(B)で示す矢印L1方向に捻れる。本体部53及び連結片部54が矢印L1方向に捻れることにより、第1係合部51が装飾カバー6の第2係合部63から退避するため、第1係合部51と第2係合部63との係合が解除され、装飾カバー6が表示部側筐体3から外れる。このように第1係合部51は、第2係合部63との係合状態から解除される。
【0056】
また、ロック部材5Aの本体部53及び連結片部54が捻れることにより、ロック部材5Aには反力が蓄えられるため、ロック部材5Aは元の状態に戻る。このとき、ロック部材5Aの回転規制部57がフロントケース30aの回転規制部保持部74に当接しているため、必要以上の戻りがなく、ロック部材5Aは所定の定位置に戻ることができる。
【0057】
前述した構成を有する第2実施形態の携帯電話機1Aによれば、第1実施形態と同様の効果が奏される他、以下に示す各効果が奏される。
第2実施形態の携帯電話機1Aにおいては、ロック部材5Aの回転規制部57がフロントケース30aの回転規制部保持部74に当接して保持されているため、衝撃などが作用した場合に、第1係合部51における軸受部71よりも内側の部分が捻れて、第1係合部51が第2係合部63から外れる。このため、第1係合部51が第2係合部63の押圧による負荷から解放され、ロック部材5Aの第1係合部51が破損しにくい。また、第1実施形態の携帯電話機1に比して、弾性部材81が不要となるため、構成が簡単となり、組み立てが容易となる。
【0058】
また、第2実施形態の携帯電話機1Aにおいては、回転規制部保持部74は、ロック部材5Aにおける軸受部71よりも外側の部分に実質的に変形が生じないように回転規制部57を保持している。そのため、ロック部材5Aは、捻れによる反力を確実に蓄えることができる。従って、ロック部材5Aは、確実に元の位置に戻ることができる。
【0059】
また、第2実施形態においては、例えば、回転軸部52の長さを変更することにより、ロック部材5Aにおける軸受部71よりも内側の部分の捻れ易さを調整することができる。従って、回転軸部52の長さを変更することにより、第2係合部63からの第1係合部51の外れ易さを調整することができる。
【0060】
次に、第3実施形態について説明する。図10は、本発明の第3実施形態の携帯電話機1Bにおけるフロントケース30a及びロック部材5の周りの部分拡大図(図8対応図)である。図11(A)は、第3実施形態の携帯電話機1Bにおける装着状態を示す断面図(図9(A)対応図)であり、図11(B)は、表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図9(B)対応図)である。図12(A)は、図11(A)の部分拡大平面図であり、図12(B)は、図11(B)の部分拡大平面図である。
【0061】
第3実施形態の携帯電話機1Bは、第2実施形態に比して、ロック部材5Bにおける回転規制部57とフロントケース30aの軸受部71との距離が長くなっている点が主として異なる。
図10及び図12に示すように、端末部55の終端部分は、第2実施形態の端末部55と同様に、回転規制部57を形成する。この回転規制部57は、フロントケース30aの内面側に突設された回転規制部保持部74に当接して、保持されている。端末部55は、回転軸部52から短手方向Tに沿って所定長さ直線状に延びており、そのため、撓み易くなっている。
【0062】
図10から図12に示すように、携帯電話機1Bの落下などにより衝撃などが作用した状態を示している。第3実施形態においては、ロック部材5Bの回転軸部52、フロントケース30aの軸受部71、ロック部材5Bの回転規制部57及びフロントケース30aの回転規制部保持部74を主体として係合解除構造が形成されている。
回転規制部保持部74は、第2係合部63により第1係合部51が第1方向M1に押圧されてロック部材5が回転するか又は捻れた場合に、回転軸部52における軸受部71よりも回転規制部57側の部分が第1方向M1とは反対の第2方向M2(図12(B)参照)に撓むように、回転規制部57を保持する。
【0063】
次に、第3実施形態の動作について説明する。図11(A)及び図12(A)は、装飾カバー6が表示部側筐体3に装着された状態を示している。装飾カバー6の第2係合部63がロック部材5Bの第1係合部51に当接して係合すると共に、リアケース30bの係止部33(図10から図12においては図示せず)が装飾カバー6に係合することにより、装飾カバー6は、リアケース30bを覆った状態で表示部側筐体3に装着される。このとき、回転規制部57は、フロントケース30aの回転規制部保持部74に当接した状態となっている。
【0064】
装飾カバー6が装着されている携帯電話機1に落下などによる衝撃などが作用すると、図11(B)に示すように、装飾カバー6は、表示部側筐体3から外れる第1方向M1に移動する。装飾カバー6が第1方向M1に移動すると、第2係合部63は、ロック部材5Bの第1係合部51を第1方向M1に押す。これにより、ロック部材5Bに回転力が作用し、軸受部71の内側にある第1係合部51は、回転軸部52を回転中心として矢印L1方向に回転する。この回転によって、第1係合部51が第2係合部63から遠ざかり、第1係合部51と第2係合部63との係合が解除される。従って、装飾カバー6は、第1方向M1に移動して表示部側筐体3から外れる。このように第1係合部51と第2係合部63との係合が解除されることにより、第1係合部51は、第2係合部63の押圧による負荷から解放されるため、ロック部材5Bの第1係合部51が破損しにくくなる。
【0065】
ロック部材5Bにおいては、回転規制部57がフロントケース30aの回転規制部保持部74に当接しているため、軸受部71よりも外側に位置する端末部55は、回転が規制される。そして、図12(B)で示すように、端末部55は、第1方向M1と反対である第2方向M2に向かって撓む。このように端末部55が撓むことにより、ロック部材5Bには反力が蓄えられる。この反力により、ロック部材5Bは元の位置に戻ることができ、表示部側筐体3への装飾カバー6の再装着が可能となる。
【0066】
前述した構成を有する第3実施形態の携帯電話機1Bによれば、第2実施形態と同様の効果が奏される他、以下に示す各効果が奏される。
第3実施形態の携帯電話機1Bにおいては、回転規制部保持部74は、端末部55が第2方向M2に撓むように、回転規制部57を保持する。そのため、ロック部材5Bの端末部55が第2方向M2に向かって撓んで反力を蓄えるため、ロック部材5Bは、容易に元に位置の戻ることができる。
【0067】
また、第3実施形態の携帯電話機1Bにおいては、例えば、端末部55の長さを変更することにより、端末部55の撓み易さを調整することができる。従って、第2係合部63からの第1係合部51の外れ易さを容易に調整することができる。
【0068】
次に、第4実施形態について説明する。図13は、第4実施形態の携帯電話機1Cにおける装着状態を示す断面図(図9(A)対応図)である。図14は、図13に示す表示部側筐体3から装飾カバー6が外れた状態を示す断面図(図9(B)対応図)である。
第4実施形態の携帯電話機1Cは、第2実施形態に比して、ロック部材5Cにおける回転軸部79が非円形となっている点が主として異なる。
【0069】
図13及び図14に示すように、ロック部材5Cは、第2実施形態と同様に、シャフト状の本体部53と、本体部53の左右に連設する連結片部54と、本体部53からリアケース30bに突出した第1係合部51とを備えている。第4実施形態において、左右の連結片部54には、支持軸部59が連設されている。支持軸部59の終端部にL字形状の端末部55が連設されている。支持軸部59は、外形が非円形に形成されるものであり、第4実施形態では、外形が矩形に形成されている。
【0070】
支持軸部59は、フロントケース30aの内面側に形成された軸受部79に支持される。軸受孔79aの内面は、支持軸部59の外形に対応した矩形状となっている。支持軸部59が軸受部79の軸受孔79aに挿入されると、支持軸部59は、実質的に回転せず、ロック部材5Cの全体は、軸受部79に回転不能に支持される。つまり、第4実施形態における係合解除構造は、ロック部材5Cの支持軸部59及びフロントケース30aの軸受部79を主体として、ロック部材5Cがフロントケース30aに実質的に回転不能に固定されることにより構成される。
【0071】
次に、第4実施形態の動作について説明する。図13は、装飾カバー6の装着状態を示し、装飾カバー6の第2係合部63がロック部材5Cの第1係合部51に当接して係合すると共に、リアケース30bの係止部33(図13、図14では図示せず)が装飾カバー6に係合することにより、装飾カバー6がリアケース30bを覆った状態で装着される。
【0072】
図14は、携帯電話機1Cの落下などにより衝撃などが作用した状態を示している。落下などにより衝撃が作用すると、装飾カバー6は、表示部側筐体3から外れる第1方向M1に移動する。装飾カバー6が第1方向M1に移動すると、第2係合部63は、ロック部材5Cの第1係合部51を第1方向M1に押す。この押圧に対し、支持軸部59が回転不能に軸受部79に支持されているため、軸受部79よりも外側に位置する支持軸部59は、変形することがなく、第2係合部63による押圧は、軸受部79の内側に位置している本体部53及び連結片部54に作用する。その結果、本体部53及び連結片部54が、図14に示す矢印L1方向に捻れる。このL1方向へのロック部材5の捻れにより、第1係合部51が第2係合部63から遠ざかり、第1係合部51と第2係合部63との係合が解除される。従って、装飾カバー6は、第1方向M1に移動して表示部側筐体3から外れる。このように第1係合部51と第2係合部63との係合が解除されることにより、第1係合部51は、第2係合部63の押圧による負荷から解放されるため、ロック部材5Cの第1係合部51が破損しにくくなる。
【0073】
また、第2係合部63の押圧によって、ロック部材5における軸受部79よりも内側の部分が捻れることにより、ロック部材5Cには、反力が蓄えられる。この反力により、ロック部材5Cは、元の位置に戻ることができ、表示部側筐体3への装飾カバー6の再装着が可能となる。
【0074】
前述した構成を有する第4実施形態の携帯電話機1Cによれば、第2実施形態の同様の効果が奏される他、以下に示す効果が奏される。
第4実施形態の携帯電話機1Cにおいては、支持軸部59が軸受部79に回転不能に支持されている。そのため、衝撃などが作用した場合に、軸受部79の内側のロック部材5Cは、捻れて第2係合部63から外れる。従って、第1係合部51が第2係合部63の押圧による負荷から解放され、ロック部材5Cの第1係合部51が破損しにくい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、装着部材は、装飾カバー6に制限されず、例えば、各種カバー、各種ケース、各種装飾部材でもよい。
装着部材が装着される筐体は、表示部側筐体3に制限されず、操作部側筐体2でもよく、その他の各種筐体でもよい。ここでいう筐体は、ケース状(箱状)になっているものに制限されず、完全にはケース状になっていないものでもよい。
【0076】
第2係合部63は、前記装着状態において第1係合部51と係合することにより装着状態を維持することができれば、その構成に特に制限はない。
係合解除構造は、前述の各実施形態における係合解除構造に制限されず、ロック部材5が第1係合部51と第2係合部63との係合を解除する方向に回転するか又は捻れる構造であればよい。ここで、回転及び捻れの両方が同時に発生する構造でもよい。回転及び捻れの両方が同時に発生する構造の場合、回転と捻れとは明確に区別される必要はない。
回転規制部保持部74は、回転規制部57を保持することができれば、その構成に特に制限はない。回転規制部保持部74は、例えば、回転規制部を嵌合や接着などにより保持することもできる。
【0077】
また、本発明の携帯機器は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の携帯機器であってもよい。また、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(リボルバ)の携帯機器であってもよい。
【0078】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができる。携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、カメラ、携帯音楽プレイヤー、ELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
本発明は、携帯電子機器以外の携帯機器に適用することができる。携帯電子機器以外の携帯機器としては、例えば、携帯電話機のおもちゃ、腕時計、バッグ等が挙げられる。
【符号の説明】
【0079】
1,1A,1B、1C 携帯電話機(携帯機器)
3 表示部側筐体(筐体)
5、5A、5B、5C ロック部材
6 装飾カバー(装着部材)
51 第1係合部
52 回転軸部
57 回転規制部
63 第2係合部
71 軸受部
74 回転規制部保持部
81 弾性部材
M1 第1方向
M2 第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外側に着脱自在に装着される装着部材と、
前記筐体に設けられ、第1係合部を有するロック部材と、
前記装着部材に設けられ、前記筐体に前記装着部材が装着される装着状態において前記第1係合部と係合する第2係合部と、
を備え、
前記装着部材が前記筐体から外れる第1方向に前記第2係合部により前記第1係合部が押圧されると、前記ロック部材が前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除する方向に回転するか又は捻れる係合解除構造を有する携帯機器。
【請求項2】
前記係合解除構造は、
前記ロック部材に設けられ、該ロック部材の回転中心を形成する回転軸部と、
前記筐体に設けられ、前記回転軸部を回転自在に支持する軸受部と、
前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて回転する前記ロック部材を反対方向に付勢する弾性部材と、
を有して構成される請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記係合解除構造は、
前記ロック部材に設けられ、該ロック部材の回転中心を形成する回転軸部と、
前記筐体に設けられ、前記回転軸部を回転自在に支持する軸受部と、
前記ロック部材に設けられ、前記軸受部を挟んで前記第1係合部とは反対側に位置する回転規制部と、
前記筐体に設けられ、前記回転規制部を保持する回転規制部保持部と、
を有して構成される請求項1に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記回転規制部保持部は、前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて前記ロック部材が回転するか又は捻れた場合に、前記回転軸部における前記軸受部よりも前記回転規制部側の部分に実質的に変形が生じないように、前記回転規制部を保持する請求項3に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記回転規制部保持部は、前記第2係合部により前記第1係合部が前記第1方向に押圧されて前記ロック部材が回転するか又は捻れた場合に、前記回転軸部における前記軸受部よりも前記回転規制部側の部分が前記第1方向とは反対の第2方向に撓むように、前記回転規制部を保持する請求項3に記載の携帯機器。
【請求項6】
前記係合解除構造は、
前記ロック部材が前記筐体に実質的に回転不能に固定されることにより構成される請求項1に記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−166434(P2010−166434A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8153(P2009−8153)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】