説明

携帯機器

【課題】操作性が向上した携帯機器を提供することを課題とする。
【解決手段】操作部を有する第1筺体と、表示部を有し、前記表示部の反対面が前記操作部と対向して前記第1筐体と重なる対向状態から、前記第1筐体の前記操作部と重ならない開状態に移行可能な第2筺体と、腕部、前記第1、第2筺体にそれぞれ回転可能に連結された第1、第2連結部、を有する連結部材と、を備え、前記第1連結部は、前記第1筐体の側面端部と前記腕部の一端を連結し、前記第2連結部は、前記第2筐体に形成された凸部と前記腕部の他端を連結し、前記開状態において前記操作部と前記表示部とは、同一方向を向くことが可能な携帯機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
第1、第2筺体を備えた携帯機器が知られている。このような携帯機器には、第1、第2筺体が対向した状態から、第1筺体に対して第2筺体が起立した状態に移行可能なものがある。第1、第2筺体は、このような状態の移行が可能な部材によって連結されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−157769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこのような携帯機器において、上記の状態の移行のために利用者に複数回の操作を強いると、操作性が悪化する。即ち、一回の操作で、第1、第2筺体が対向した状態から起立した状態に移行できることが望ましい。
【0005】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、操作性が向上した携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の携帯機器は、操作部を有する第1筺体と、表示部を有し、前記表示部の反対面が前記操作部と対向して前記第1筐体と重なる対向状態から、前記第1筐体の操作部と重ならない開状態に移行可能な第2筺体と、腕部、前記第1、第2筺体にそれぞれ回転可能に連結された第1、第2連結部、を有する連結部材と、を備え、前記第1連結部は前記第1筐体の側面端部と前記腕部の一端を連結し、前記第2連結部は前記第2筐体に形成された凸部と前記腕部の他端を連結し、前記開状態において前記操作部と前記表示部とは、同一方向を向くことが可能な携帯機器である。
【発明の効果】
【0007】
本明細書に開示の携帯機器によれば、操作性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る複数の実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、実施例1の携帯電話(携帯機器)の外観図である。携帯電話は、第1筺体10、第2筺体20を有している。図1(A)は、第1筺体10、第2筺体20が対向した状態での携帯電話を示した図、図1(B)は、第1筺体10から第2筺体20が起立した状態での携帯電話を示した図である。
【0010】
第1筺体10、第2筺体20は、連結部材30、40によって連結されている。連結部材30、40は、第1筺体10、第2筺体20が対向した対向状態から、第1筺体10から第2筺体20が起立した起立状態へと移行可能に、第1筺体10、第2筺体20を連結している。連結部材30、40については後述する。
【0011】
図1(A)に示すように、第2筺体20には、表示パネル22が設けられている。表示パネル22には所定の画像が表示される。表示パネル22は、タッチパネルを備えている。第2筺体20には、音声を出力するスピーカ(不図示)、利用者の音声を集音するマイク(不図示)が内蔵されている。
【0012】
第1筺体10には、操作キー12が設けられている。操作キー12は、対向状態において第2筺体20と対向する対向面(一面)11に設けられている。操作キー12は、QWERIYキーである。図1(A)に示すように、対向状態においては、操作キー12は第2筺体20により隠蔽される。尚、対向面11には、電話番号入力用のキーを設けてもよいし、タッチパネルを設けてもよい。
【0013】
次に、連結部材30、40について簡単に説明する。図2は、連結部材30、40の説明図である。図2(A)は、連結部材30の説明図である。連結部材30は、合成樹脂により形成されている。連結部材30は、腕部33と、腕部33の一端に形成された軸孔31、腕部33の他端に形成された軸孔32とを含む。また、第1筺体10には、軸穴15が形成されている。軸孔31、軸穴15は、ヒンジユニット50と共通に嵌合している。軸穴15は、第1筺体10の側面の端部に形成されている。
【0014】
同様に、第2筺体20にも、図2(A)においては図示されていないが、ヒンジユニット60により軸孔32と共通に嵌合する軸穴が形成されている。この軸穴32は、第2筺体の側面の中央部付近に形成されている。軸孔31、ヒンジユニット50は、連結部材30を第1筺体10に回転可能に連結するための第1連結部として機能する。軸孔32、ヒンジユニット60は、連結部材30を第2筺体20に回転可能に連結するための第2連結部として機能する。詳しくは後述するが、ヒンジユニット50、60は、それぞれ第1筺体10、第2筺体20を所定の状態に維持することができる。尚、軸孔31は、第1筺体10の後端部で連結し、軸孔32は、第2筺体20の側面の中央付近で連結する。
【0015】
図2(B)は、連結部材40の説明図である。連結部材40は、合成樹脂により形成されている。連結部材40には、内部に収納部43を有している。収納部43には、第1筺体10、第2筺体20のそれぞれに内蔵された電子部品の電気的接続を確保するためのケーブル(接続部)70が収納されている。収納部43には、蓋44によって塞がれる。また、連結部材40の両端部には、それぞれ軸部41、42が形成されている。軸部41は、第1筺体10の軸穴17と摺動回転可能に嵌合する。同様に、軸部42についても、第2筺体20に形成された不図示の軸穴と摺動回転可能に嵌合する。ケーブル70は、軸部41、42内を通過して、それぞれ第1筺体10、第2筺体20内に導かれている。
【0016】
尚、ガイド部16は、それぞれ、第1筺体10、第2筺体20の状態が移行する際に、連結部材30、40と摺接して、連結部材30、40の動作を案内する機能を有している。また、第1筺体10の側面には、2枚の押え板91が、第2筺体20の側面には2枚の押え板92が固定されている。押え板91、92は、連結部材30、40を押えるためのものである。
【0017】
次に、対向状態から起立状態への移行について説明する。図3は、対向状態から起立状態への移行の説明図である。図3(A)は、対向状態での携帯電話の側面図、図3(B)は、スライド中の携帯電話の側面図、図3(C)は、起立状態での携帯電話の側面図である。尚、図3においては、携帯電話を透視図として説明している。
【0018】
図3(A)に示すように、対向状態においては、連結部材30は、対向面11の仮想延長面と交差している。換言すれば、対向状態において、連結部材30は、対向面11と平行ではない状態にある。ここで、対向状態において、ヒンジユニット50の中心と対向面11との距離をO1とし、ヒンジユニット60の中心と対向面11との距離をO2とする。また、図3(A)中において、携帯電話よりも左側を前方側、右側を後方側と規定して説明する。ヒンジユニット50は、第1筺体の側面の端部で、ヒンジユニット60は、第2筺体の側面の中央部付近で連結されている。
【0019】
利用者は、図3(A)に示した対向状態において、第2筺体20の前方端部(所定の縁)20aを後方側(所定方向)に押すことにより、第2筺体20は対向面11上をスライドする。第2筺体20が後方側へスライドすると、連結部材30は、ヒンジユニット50を支点としてヒンジユニット60が上方に移動するように回転する。これにより、後方端部20bが第1筺体10から上方に浮き上がる。また、第2筺体20は、ヒンジユニット60に回転可能に連結しているため、前方端部20aは対向面11と対向しつつ対向面11上をスライドする。これにより、後方端部20bが対向面11から浮き上がり、第2筺体20は対向面11に対して傾斜した状態でスライドする。そのまま、前方端部20aが後方側へ押されると、前方端部20aが第1筺体10の後方側の端部と対向する位置にまで移動して、図3(C)に示すように、起立状態への移行が完了する。これにより、表示パネル22が前方側を向きつつ第2筺体20をスライドさせることができ、第2筺体20のスライドにより操作キー12が露出される。起立状態おいては、利用者は表示パネル22を見ながら操作キー12を操作することができる。
【0020】
このように第2筺体20をスライドさせることにより、対向状態から起立状態へと連続的に移行するのは、対向状態において、連結部材30は対向面11の仮想延長面と交差しているからである。換言すれば、対向状態において距離O1、O2が設定されているからである。距離O1、O2の合計値が大きいほど、連結部材30は起立しやすくなる。このように、第2筺体20を後方側へ押すことにより、連結部材30はヒンジユニット50を支点として容易に回転する。
【0021】
以上のように、実施例1の携帯電話は、一回の操作で対向状態から起立状態へと移行する。従って、実施例1の携帯電話は操作性が向上しており、利用者は片手で容易に操作することができる。
【0022】
ここで、実施例1の携帯電話と異なる構造を有した携帯電話における、対向状態から起立状態への移行について説明する。図4は、実施例1の携帯電話と異なる構造を有した携帯電話での対向状態から起立状態への移行の説明図である。
【0023】
図4(A)に示すように、第1筺体10x、第2筺体20xを連結する連結部材30xは、対向状態において、対向面11xと略平行である。ヒンジユニット50x、60xの中心から対向面11xまでの距離をO3とする。対向状態から、表示パネル22xが前方側を向くように第2筺体20xを起立させるためには、利用者は以下の操作を強いられる。まず、利用者は、図4(B)に示すように前方端部20axを対向面11xから離すように上方に持ち上げる必要がある。次に利用者は、図4(C)に示すように前方端部20axを対向面11x側に降ろして、後方端部20bxを浮き上がらせる必要がある。この状態で、第2筺体20xは起立する。次に利用者は、図4(D)に示すように、前方端部20axを対向面11x上で後方側へ向けてスライドさせる必要がある。このように、利用者は、第2筺体20xを起立させるために必要な操作と、第2筺体20xをスライドさせる操作とが強いられ、一回の操作で対向状態から起立状態へと移行することはできない。
【0024】
この理由は、図4(A)に示したように対向状態において、連結部材30xが対向面11と略平行に配置されていることに起因する。連結部材30xが対向面11と略平行であるとは、換言すれば、第2筺体20xのスライド方向上に、ヒンジユニット50x、60xが位置するといえる。前方端部20axを後方側へ押したとしても、連結部材30xに対して連結部材30xの長手方向に圧縮するように力が作用する。そのため、連結部材30xは、実施例1の携帯電話と異なり、ヒンジユニット50xを支点として回転しにくいからである。
【0025】
また、距離O3が大きく設定されていれば、第2筺体20xは、実施例1の携帯電話と同様の操作により、対向状態から起立状態へ連続的に移行できるものと思われる。しかしながら、距離O3を大きく設定すると、第2筺体20xの厚みが増大することになる。
【0026】
実施例1の携帯電話は、対向面11から第1ヒンジユニット50の中心までの距離O1と、対向面11から第2ヒンジユニット60の中心までの距離O2とを設定することにより、第1筺体10、第2筺体20の厚みの増大を抑制できる。
【0027】
尚、図3(C)に示した起立状態において、第2筺体20の姿勢はこの状態で維持される。これは、ヒンジユニット50、60の機能により維持される。詳細は後述する。
【0028】
次に、実施例1の携帯電話について、その他の状態について説明する。図5は、実施例1の携帯電話のその他の状態の説明図である。図5(A)に示すように、第1筺体10、第2筺体20が略180度に開いた状態では、連結部材30のヒンジユニット50側の端部が、第1筺体10のヒンジユニット50付近に形成されたストッパ19と当接する。これにより、連結部材30の回転範囲が規制される。
【0029】
また、図5(B)に示すように、起立状態においては、表示パネル22が後方側を向いた状態で維持可能である。これは、ヒンジユニット50、60の機能により維持される。以下の説明において、図4(C)の状態を、第1起立状態、図5(B)の状態を、第2起立状態と称する。
【0030】
ヒンジユニット50、60について詳細に説明する。まず、ヒンジユニット50について説明する。図6は、ヒンジユニット50の説明図である。ヒンジユニット50は、固定カム51、バネ52、摺動カム54、シャフト56、固定軸58を含む。
【0031】
シャフト56は、連結部材30と一体に回転する。詳細には、固定軸58内にシャフト56が貫通しており、固定軸58が連結部材30の軸孔31に回転不能に嵌合している。また、シャフト56は、固定軸58と一体に回転する。これにより、連結部材30が回転すると、固定軸58が回転し、固定軸58と共にシャフト56が回転する。
【0032】
固定カム51は、円筒状に形成され、シャフト56が挿入されて第1筺体10側で固定されている。詳細には、固定カム51は第1筺体10の軸穴15に回転不能に嵌合される。
【0033】
摺動カム54は、円筒状に形成され、シャフト56の軸方向に移動可能であってシャフト56と共に回転する。詳細には、摺動カム54は、シャフト56と係合してシャフト56と一体に回転する。シャフト56は、連結部材30と共に回転するので、連結部材30が回転すると摺動カム54は、固定カム51に対して相対的に回転する。
【0034】
バネ56は、摺動カム54を固定カム51側へと付勢する。バネ56は、固定軸58周りに配置されている。詳細には、バネ56は、固定軸58の鍔部と摺動カム54との間に配置されている。
【0035】
固定カム51、摺動カム54は、それぞれカム面51a、54aを有している。カム面51aには、凸面51bが形成されている。カム面54aには、凸面51bと相補形状である凹面54bが形成されている。
【0036】
図6(A)は、対向状態でのヒンジユニット50の状態を示している。図6(A)に示すように、凸面51bと凹面54bとは、一部分のみで当接している。バネ52は、摺動カム54を固定カム51側へ付勢しているので、摺動カム54に対しては、凸面51b、凹面54bが全体で当接する方向に力が作用している。このバネ52の付勢力により、第1筺体10と第2筺体20とが互いに押される。これにより対向状態が維持される。
【0037】
利用者が、バネ52の付勢力に抗して、第2筺体20をスライドさせると、連結部材30は、第1ヒンジユニット50を中心として時計方向に回転する。この際に、摺動カム54は、凹面54bが凸面51b上を上るように回転して、図6(B)に示すように、凸面51bがカム面54aに当接する。尚、図6(B)は、図3(B)に示した状態での、ヒンジユニット50の状態を示している。
【0038】
更に、第2筺体20をスライドさせると、連結部材30は、更に第1ヒンジユニット50を中心に時計方向に回転して、起立状態に移行する。この際に、図6(C)に示すように、凸面51bと凹面54bとが完全に当接する。また、この状態から更に摺動カム54を回転させるためには、バネ52の付勢力に抗して摺動カム54を回転させる必要がある。従って、バネ52の付勢力により、凸面51bと凹面54bとの当接が維持される。これにより、起立状態が維持される。
【0039】
尚、ヒンジユニット60についてもヒンジユニット50とほぼ同様の構造を有している。ヒンジユニット60の場合、固定カムが第2筺体20側に固定され、摺動カムが連結部材30側に固定されている。第1、第2起立状態のそれぞれで、固定カムの凸面と摺動カムの凹面とが当接する。また、両者の当接は、バネにより維持される。これにより、第2筺体20は第1、第2起立状態のそれぞれで姿勢が維持される。
【実施例2】
【0040】
次に、実施例2の携帯電話について説明する。尚、実施例1と同様の部分については同様の符号を付することにより重複する説明を省略する。図7は、実施例2の携帯電話の説明図である。尚、図7においては、理解を容易にするために実施例2の携帯電話を模式的に示している。
【0041】
図7に示すように、第1筺体10Aの側面には、ホール素子81が設けられている。また、第2筺体20Aの側面には、永久磁石82が設けられている。対向状態において、ホール素子81、永久磁石82は隣接する。連結部材30には、永久磁石83が設けられており、第2筺体20Aの側面には、ホール素子84が設けられている。対向状態において、永久磁石83、ホール素子84は隣接する。
【0042】
ホール素子81、84は、それぞれ永久磁石82、83の接近により検出信号を出力するセンサである。ホール素子81、84は、実施例2の携帯電話に内蔵されているCPU(不図示)に、検出信号を出力する。図7(A)においては、ホール素子81、84の双方とも、永久磁石82、83の接近を示すON信号を出力する。これにより、CPUは、携帯電話が対向状態であることを判断できる。
【0043】
図7(B)に示すように、第1起立状態においては、ホール素子81と永久磁石82とは離れ、同様に、永久磁石83とホール素子84とも離れた状態となる。従って、ホール素子81、84は、双方ともOFF信号をCPUに出力する。これにより、CPUは、携帯電話が第1起立状態であると判断できる。
【0044】
図7(C)に示すように、第2起立状態においては、ホール素子81と永久磁石82とは離れた状態であるが、永久磁石83とホール素子84とは隣接した状態が維持される。従って、ホール素子81は、OFF信号を、ホール素子84はON信号を、CPUへ出力する。これにより、CPUは、携帯電話が第2起立状態であると判断できる。
【0045】
例えば、CPUが現在の携帯電話の状態に応じて、表示パネル22への表示画像を切り替えることができる。一例として、第1起立状態においては、操作キー12からの入力操作を表示する画像を表示パネル22に表示させ、第2起立状態においては、テレビ画像を表示させる。
【実施例3】
【0046】
次に、実施例3の携帯電話について説明する。尚、実施例1と同様の部分については同様の符号を付することにより重複する説明を省略する。図8は、実施例3の携帯電話の説明図である。尚、図8においては、理解を容易にするために実施例3の携帯電話を模式的に示している。
【0047】
図8(A)に示すように、対向状態において、第1筺体10Bと第2筺体20Bとの間には、前方側に隙間Cが形成されている。隙間Cは、前方端部20aの、第1筺体10Bと対向する側に形成されている。ここで、第2筺体20Bは、対向状態において対向面11と略平行な対向面21aを有している。また、第2筺体20Bは、対向面21aと連続しており、対向面21aに対して傾斜しており、対向面11との間で隙間Cを画定する傾斜面21bを有している。
【0048】
対向状態から第1起立状態へと移行する際に、利用者は、前方端部20aを斜め下方に押すことにより、対向面11と傾斜面21bとが当接し、対向面11と対向面21aとは離れる。これにより、図8(B)に示すように、後方端部20bが対向面11から浮き上がる。この状態で、前方端部20aを後方側へと押すと、図8(C)に示したように、傾斜面21bと対向面11とが当接しつつスライドして第1起立状態へ移行する。
【0049】
このように、隙間Cは、対向状態から第1起立状態への移行を補助するように作用する。これにより、操作性が向上する。
【0050】
また、対向状態から第2起立状態へと直接移行させることもできる。対向状態において、利用者は隙間Cに指を挿入して前方端部20aを上方に持ち上げることにより可能である。このように操作性が向上する。
【0051】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0052】
携帯機器として携帯電話を例に説明したが、PDAやノートパソコンにも本発明を採用できる。
【0053】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)一面を有した第1筺体と、
前記一面と対向した対向状態から、前記一面上をスライドして前記第1筺体から起立した起立状態に移行可能な第2筺体と、
前記第1、第2筺体にそれぞれ回転可能に連結された第1、第2連結部を有し、前記対向状態において前記一面の仮想延長面と交わる連結部材と、を備えた携帯機器。
(付記2)前記対向状態において、前記一面から前記第1連結部まで間隔と、前記一面から前記第2連結部との間隔とが設定されている、付記1の携帯機器。
(付記3)前記第2連結部は、前記第2筺体の側面の中央部付近で連結し、
前記第1連結部は、前記第1筺体の側面の端部付近で連結している、付記1又は2の携帯機器。
(付記4)前記第1連結部を、前記第1筺体に回転可能に連結する第1ヒンジユニットを備え、
前記第1ヒンジユニットは、前記対向状態又は前記起立状態を維持する、付記1乃至3の何れかの携帯機器。
(付記5)前記第2連結部を、前記第2筺体に回転可能に連結する第2ヒンジユニットを備え、
前記第2ヒンジユニットは、前記起立状態において、前記第2筺体を少なくとも2以上の姿勢を維持する、付記1乃至4の何れかの携帯機器。
(付記6)前記第1ヒンジユニットは、前記連結部材と一体に回転するシャフトと、前記シャフトが挿入され前記第1筺体側で固定された円筒状の固定カムと、前記シャフトの軸方向に移動可能であって前記シャフトと共に回転する円筒状の摺動カムと、前記摺動カムを前記固定カム側に付勢する付勢部材とを含む、付記5の携帯機器。
(付記7)前記第1、第2筺体の状態を検出する検出手段を備えた、付記1乃至6の何れかの携帯機器。
(付記8)前記検出手段は、前記第1、第2筺体の一方に設けられた磁石と、前記第1、第2筺体の他方に設けられたホール素子とを含む、付記7の携帯機器。
(付記9)前記検出手段は、前記第2筺体及び前記連結部材の一方に設けられた磁石と、前記第2筺体及び前記連結部材の他方に設けられたホール素子とを含む、付記7又は8の携帯機器。
(付記10)前記連結部材内に収納され、前記第1、第2筺体内にそれぞれ収納された第1、第2電子部品の電気的接続を確保する接続部を備えた、付記1乃至9の何れかの携帯機器。
(付記11)前記対向状態にある前記第1、第2筺体の間には、隙間が形成されている、付記1乃至10の何れかの携帯機器。
(付記12)前記対向状態にある前記第2筺体の所定の縁が所定方向に押されることにより前記第2筺体はスライドし、
前記隙間は、前記所定の縁側に形成されている、付記11の携帯機器。
(付記13)前記第2筺体は、前記対向状態において前記第1筺体と略平行に対向する平行面と、前記平行面と連続し前記平行面に対して傾斜して前記隙間を画定する傾斜面とを有している、付記12の携帯機器。
(付記14)前記対向状態において、前記一面は隠蔽され、
前記起立状態において、前記一面は露出される、付記1乃至13の何れかの携帯機器。
(付記15)前記第2筺体は、前記対向状態、前記起立状態の何れの状態においても露出される表示部を有している、付記1乃至14の何れかの携帯機器。
(付記16)前記第1筺体は、前記一面に操作部を有している、付記1乃至15の何れかの携帯機器。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1の携帯電話の外観図である。
【図2】連結部材の説明図である。
【図3】対向状態から起立状態への移行の説明図である。
【図4】実施例1の携帯電話と異なる構造を有した携帯電話での対向状態から起立状態への移行の説明図である。
【図5】実施例1の携帯電話のその他の状態の説明図である。
【図6】ヒンジユニットの説明図である。
【図7】実施例2の携帯電話の説明図である。
【図8】実施例3の携帯電話の説明図である。
【符号の説明】
【0055】
10、10A、10B 第1筺体
11 対向面(一面)
20、20A、20B 第2筺体
30 連結部材
50、60 ヒンジユニット
70 ケーブル(接続部)
81、84 ホール素子(検出手段)
82、83 永久磁石(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を有する第1筺体と、
表示部を有し、前記表示部の反対面が前記操作部と対向して前記第1筐体と重なる対向状態から、前記第1筐体の前記操作部と重ならない開状態に移行可能な第2筺体と、
腕部、前記第1、第2筺体にそれぞれ回転可能に連結された第1、第2連結部、を有する連結部材と、を備え、
前記第1連結部は、前記第1筐体の側面端部と前記腕部の一端を連結し、
前記第2連結部は、前記第2筐体に形成された凸部と前記腕部の他端を連結し、
前記開状態において前記操作部と前記表示部とは、同一方向を向くことが可能な携帯機器。
【請求項2】
前記対向状態において、前記一面から前記第1連結部まで間隔と、前記一面から前記第2連結部との間隔とが設定されている、請求項1の携帯機器。
【請求項3】
前記第2連結部は、前記第2筺体の側面の中央部付近で連結している、請求項1又は2の携帯機器。
【請求項4】
前記第1連結部を、前記第1筺体に回転可能に連結する第1ヒンジユニットを備え、
前記第1ヒンジユニットは、前記対向状態又は前記開状態を維持する、請求項1乃至3の何れかの携帯機器。
【請求項5】
前記第2連結部を、前記第2筺体に回転可能に連結する第2ヒンジユニットを備え、
前記第2ヒンジユニットは、前記開状態において、前記第2筺体を少なくとも2以上の姿勢を維持する、請求項1乃至4の何れかの携帯機器。
【請求項6】
前記第1ヒンジユニットは、前記連結部材と一体に回転するシャフトと、前記シャフトが挿入され前記第1筺体側で固定された円筒状の固定カムと、前記シャフトの軸方向に移動可能であって前記シャフトと共に回転する円筒状の摺動カムと、前記摺動カムを前記固定カム側に付勢する付勢部材とを含む、請求項5の携帯機器。
【請求項7】
前記腕部は少なくとも1つの部分において曲がっている、請求項1乃至6の何れかの携帯機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−213235(P2012−213235A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167050(P2012−167050)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2008−235821(P2008−235821)の分割
【原出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】