説明

携帯用コップ

【課題】薬品を一緒に携行することが可能な携帯用コップを提供する。
【解決手段】本体1と、本体1の開口部に取り付けられる蓋体2からなり、本体1は周壁10を折り畳むことにより上下方向に伸縮可能としており、蓋体2は裏側に薬品収容部3を設けたものとしている。また、本体1の周壁10が折り畳まれたときに、本体1の周壁10と底部11の間の空間4に蓋体2の薬品収容部3が収容されるようにしたものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折り畳んで携帯することが可能な携帯用コップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳んで携帯することが可能な携帯用コップとしては、特許文献1に記載のものがある。従来のこの種の携帯用コップは、ハイキング等の行楽向けのものとして使用されており、不使用時に折り畳んでコンパクトにすることができる。
【0003】
しかし、外出先で薬品を飲むときに使用することは特に考慮されていなかったため、薬品を携行する場合は、携帯用コップとは別に、薬品を入れるための収納容器を用意しなければならず、不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−19327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、薬品を一緒に携行することが可能な携帯用コップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0007】
この発明の携帯用コップは、本体1と、本体1の開口部に取り付けられる蓋体2からなり、本体1は周壁10を折り畳むことにより上下方向に伸縮可能としており、蓋体2は裏側に薬品収容部3を設けたものとしている。
【0008】
また、本体1の周壁10が折り畳まれたときに、本体1の周壁10と底部11の間の空間4に蓋体2の薬品収容部3が収容されるようにしたものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明の携帯用コップは、上述のような構成を有しており、使用時に小さく折り畳めるとともに、薬品を薬品収容部3に入れて一緒に携行することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施形態の携帯用コップ(展開時)の斜視図である。
【図2】この発明の実施形態の携帯用コップ(折り畳み時)の正面図である。
【図3】この発明の実施形態の携帯用コップ(展開時)の断面図である。
【図4】この発明の実施形態の携帯用コップ(折り畳み時)の断面図である。
【図5】この発明の実施形態の携帯用コップの蓋体の裏側と薬品収容部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
この携帯用コップは、本体1と、本体1の開口部に取り付けられる蓋体2からなり、本体1は周壁10を折り畳むことにより上下方向に伸縮可能としており、蓋体2は裏側に薬品収容部3を設けたものとしている。
【0013】
本体1は、シリコン樹脂製で、上段10a、中段10b、下段10cの3段からなる周壁10と、周壁10の下端に一体に形成された底部11から構成されたものとしている。
【0014】
本体1の周壁10の各段間には、肉厚の薄くなった節部10d,10eが形成されている。周壁10は、上段10a、中段10b、下段10cの順に徐々に径が小さくなるようにしており、図1、図3に示したように、展開時、上段10aと下段10cはほぼ垂直であるが、中段10bは傾斜したものとなる。
【0015】
底部11は、円板状であり、周壁10の下段10cよりも径が大きく、携帯用コップを机等の上に置いた時に安定するようにしている。
【0016】
蓋体2は、円板の周囲に周壁を設けた形状のものであり、本体1の周壁10の上段10aを外嵌する大きさとしている。蓋体2はポリスチレン等の比較的硬質な合成樹脂製のものとすることができる。
【0017】
蓋体2の裏側の中央には、薬品収容部3が着脱自在に設けられている。薬品収容部3には、各種の薬品やサプリメントの錠剤や、袋に入れた粉状のものを収容することができる。
【0018】
薬品収容部3は短い有底円筒状であり、上端周縁に外方に突出する薬品収容部側係止突起30が設けられている。薬品収容部側係止突起30は鉤状の端部30aを有しており、複数か所に設けられている。
【0019】
蓋体2の裏側の面には、薬品収容部3の上端周縁を外嵌する円形壁20が形成されており、この円形壁20の内側に、中央側に突出する蓋体側係止突起21が設けられている。この蓋体側係止突起21は周方向に沿って延びるもので、複数か所に設けられている。なお、蓋体2と薬品収容部3はこの構成に限定されず、薬品収容部3が蓋体2の円形壁20を外嵌するようにし、薬品収容部側係止突起30を薬品収容部3の上端周縁に内方に突出するようにして設け、蓋体側係止突起21を蓋体2の円形壁20の外側に設けることとしてもよい。
【0020】
薬品収容部3を蓋体2に装着するときは、薬品収容部3の薬品収容部側係止突起30のない部分と蓋体側係止突起21の位置を合わせ、そして薬品収容部3を、薬品収容部側係止突起30の鉤状の端部30aが蓋体側係止突起21の一端に当たるまで回転させる。薬品収容部3を取り外すときは、この逆の操作を行う。
【0021】
この携帯用コップを机の上において上から手のひらで押し付けると、周壁10が前記節部10d,10eで屈曲し、上段10aの内側に中段10b、中段10bの内側に下段10cが折り畳まれた状態になる。
【0022】
折り畳まれた状態の本体1は、図2に示したように、側方からは、ほぼ周壁10の上段10aと底部11のみが見える態様となる。また、図4に示したように、本体1の内部には、折り畳まれた周壁10の内側と底部11との間の空間4が生じるようになっており、ここに薬品収容部3が収容されるようになっている。
【0023】
このように、薬品収容部3は、携帯用コップと一緒に携行でき、しかも、折り畳まれた周壁10の内側に収まるサイズであり、折り畳み時の携帯用コップのサイズに影響しないため、便利に使用することができる。
【0024】
また、蓋体2は、図3に示したように上下の二重構造で、内部に種々の文字、図柄、人物、風景等を表示した台紙5を挿入し、上面側から当該表示が透過して見えるようにしており、例えば、台紙5に企業のロゴマークや、商品のマーク、写真等を表示することにより、この携帯用コップを企業のPR等のためのギフト用商品として実施することができる。
【0025】
以上がこの発明の好適な実施形態であるが、この発明は上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、形状、寸法、材質等を適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 本体
10 周壁
11 底部
2 蓋体
3 薬品収容部
4 空間



【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)と、本体(1)の開口部に取り付けられる蓋体(2)からなり、本体(1)は周壁(10)を折り畳むことにより上下方向に伸縮可能としており、蓋体(2)は裏側に薬品収容部(3)を設けたものとしていることを特徴とする携帯用コップ。
【請求項2】
本体(1)の周壁(10)が折り畳まれたときに、本体(1)の周壁(10)と底部(11)の間の空間(4)に蓋体(2)の薬品収容部(3)が収容されるようにしている請求項1記載の携帯用コップ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−105790(P2012−105790A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256395(P2010−256395)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000140018)株式会社イモタニ (12)
【Fターム(参考)】