説明

携帯端末、クライアント端末、通信システム、及び携帯端末プログラム

【課題】携帯端末にデータが送信されたことを、作業中のクライアント端末に速やかに知らせる携帯端末、クライアント端末、通信システム、及び携帯端末プログラムを提供する。
【解決手段】メイン処理が実行され、IMデータを受信すると(S11:YES)、IMデータが記憶され(S14)、通信要求信号が送信される(S16)。クライアント端末IDを受信すると(S18:YES)、転送端末ID記憶エリアに記憶された転送端末IDを取得する(S20)。クライアント端末IDと転送端末IDが一致した場合(S21:YES)、一致したクライアント端末IDを無線通信部に設定する(S22)。そして、IMデータ、転送情報を送信し(S23)、転送フラグを「True」に設定する(S24)。次いで、IMデータを表示する画面表示処理が実行さることで(S25)、IMデータが転送されたことを把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、クライアント端末、通信システム、及び携帯端末プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバとの間でデータの送受信を行うと共に、外部のクライアント端末との間で無線によるデータ通信を行うことができる携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、上記のようなサーバとの間でデータの送受信を行う端末としては、携帯端末と、据え置き型のPC端末とがある。このような2つの種類のクライアント端末を有するシステムでは、これら端末に向けてメッセージを送信する場合、何れの端末に送信するかの決定を行っていた。例えば、インスタントメッセージ(IM)や、電子メールに添付されたファイルの容量によって、配信先の端末を決定する方法が知られている。
【特許文献1】特開平11−136277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記記載の方法では、配信先の決定は、送信するデータ容量で決定されてしまうので、例えば、携帯端末を机の上において、PC端末で作業をしている場合、携帯端末に送られたメッセージにユーザは気づくことができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、携帯端末にデータが送信されたことを、作業中のクライアント端末に速やかに知らせる携帯端末、クライアント端末、通信システム、及び携帯端末プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の携帯端末は、サーバとの間でデータの送受信を行うと共に、クライアント端末に備えられたクライアント側通信装置との間でデータ通信を行う端末側通信装置を備えた携帯端末であって、前記サーバから送信されたインスタントメッセージ、又は電子メールであるメッセージデータを受信する第一受信手段と、当該第一受信手段によって受信された前記メッセージデータを記憶するデータ記憶手段と、前記クライアント端末が、前記携帯端末から所定距離以内に存在するか否かを判断する距離判断手段と、当該距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断された場合に、前記端末側通信装置を介して、前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信するデータ送信手段とを備えている。
【0007】
また、請求項2に係る発明の携帯端末は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記データ送信手段は、前記メッセージデータと、当該メッセージデータが前記携帯端末から送信されたことを示し、且つ当該メッセージデータが前記携帯端末から送信された旨を示す情報を前記クライアント端末で表示するためのクライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の携帯端末は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記データ記憶手段には、前記メッセージデータと、前記メッセージデータが前記クライアント端末に送信されたか否かを示す送信情報とが対応付けられて記憶され、前記データ送信手段によって、前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータが、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信された場合に、当該メッセージデータに対応する前記送信情報の内容を、前記メッセージデータが前記クライアント端末に送信された内容に変更する送信情報変更手段と、前記メッセージデータを表示する第一表示手段と、前記送信情報変更手段により、前記メッセージデータに対応する前記送信情報の内容が、前記クライアント端末に前記メッセージデータが送信された内容に変更された場合、前記クライアント端末に前記メッセージデータが送信された旨を示す情報を前記第一表示手段に表示させる第一表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の携帯端末は、請求項2又は3に記載の発明の構成に加え、前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータの内で、前記クライアント端末に送信されていない未送信メッセージデータを、前記送信情報に基づいて検出する未送信データ検出手段を備え、前記データ送信手段は、前記未送信データ検出手段によって前記未送信メッセージデータが検出され、且つ前記距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断された場合、前記未送信メッセージデータと、前記クライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の携帯端末は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記データ記憶手段には、前記メッセージデータが表示されたか否かを示す表示情報が、前記メッセージデータに対応付けられて記憶され、前記未送信データ検出手段により検出された前記未送信メッセージデータの内で、前記第一表示手段に表示されていない未読メッセージデータを、前記表示情報に基づいて検出する未読データ検出手段を備え、前記データ送信手段は、前記未読データ検出手段によって前記未読メッセージデータが検出され、且つ前記距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記所定距離以内に存在すると判断された場合、当該未読メッセージデータと、前記クライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の携帯端末は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記データ通信は、無線による通信であり、前記距離判断手段は、前記クライアント端末との間で、前記データ通信が可能である場合、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の携帯端末は、請求項2乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第一受信手段は、前記メッセージデータ、及び当該メッセージデータに対応づけられた、前記クライアント端末を識別するクライアント端末情報を前記サーバから受信し、前記クライアント端末設定手段は、前記第一受信手段により受信された前記メッセージデータに対応付けられた前記クライアント端末情報で特定される前記クライアント端末を、前記端末側通信装置で無線通信をする前記クライアント端末に設定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の携帯端末は、請求項2乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記クライアント端末を識別するクライアント端末情報を記憶したクライアント端末情報記憶手段と、前記クライアント端末情報記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報で特定される前記クライアント端末を、前記端末側通信装置で無線通信をする前記クライアント端末に設定するクライアント端末設定手段とを備えている。
【0014】
また、請求項9に係る発明の携帯端末は、請求項8に記載の発明の構成に加え、前記サーバは、前記クライアント端末情報をサーバ記憶手段に記憶させるサーバ記憶制御手段を備え、前記サーバ記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報を前記サーバから受信するクライアント端末情報受信手段と、前記クライアント端末情報記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報を、前記クライアント端末情報受信手段により受信された前記クライアント端末情報に変更するクライアント端末情報変更手段とを備えている。
【0015】
また、請求項10に係る発明の携帯端末は、請求項2乃至9のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記端末側通信装置、及び前記クライアント側通信装置は、Bluetooth規格に準じたデータ通信を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明のクライアント端末は、請求項2乃至10のいずれかに記載の携帯端末との間で無線によるデータ通信を行う前記クライアント側通信装置を備えたクライアント端末であって、前記データを表示する第二表示手段と、前記データ送信手段により送信された前記クライアント送信情報を受信する第二受信手段と、前記第二受信手段により前記クライアント送信情報を受信した場合、前記携帯端末から送信された旨を示す情報を前記第二表示手段に表示させる第二表示制御手段とを備えている。
【0017】
また、請求項12に係る発明の通信システムは、請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末と、前記クライアント端末と、前記サーバとから構成されている。
【0018】
また、請求項13に係る発明の携帯端末プログラムは、請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末の各種処理として携帯端末に内蔵されたコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明の携帯端末では、サーバから受信したメッセージデータがデータ記憶手段に記憶され、距離判断手段によりクライアント端末が、携帯端末から所定距離以内に存在すると判断された場合、データ記憶手段に記憶されたメッセージデータがクライアント端末に送信される。これにより、ユーザが、クライアント端末との所定距離以内に携帯端末を置いて、クライアント端末を使用している場合、クライアント端末で携帯端末に送信されたメッセージデータを取得できる。その結果、携帯端末に送信されたメッセージデータをより早い段階で気付くことができる。
【0020】
また、請求項2に係る発明の携帯端末では、請求項1に記載の発明の効果に加え、送信手段により携帯端末からクライアント端末に、メッセージデータと、クライアント送信情報とが送信される。これにより、クライアント端末で受信したメッセージデータは、携帯端末から送信されたものであることが分かり、携帯端末から送信された旨を示す情報をクライアント端末で表示することに使用できる。
【0021】
また、請求項3に係る発明の携帯端末では、請求項2に記載の発明の効果に加え、前記データ記憶手段には、メッセージデータに対応づけられて送信情報が記憶されている。そして、データ送信手段によりメッセージデータがクライアント端末に送信された場合、送信情報変更手段により、メッセージデータが送信された旨の内容に、送信情報が更新される。そして、第一表示手段に、クライアント端末にメッセージデータを送信した旨を示す情報が表示される。これにより、ユーザは携帯端末を使用する際に、クライアント端末に送信したメッセージデータか否かを把握できる。その結果、ユーザは携帯端末で閲覧する必要があるメッセージデータか否かを判断することができる。
【0022】
また、請求項4に係る発明の携帯端末では、請求項2又は3に記載の発明の効果に加え、未送信データ検出手段によって未送信メッセージデータが検出され、通信圏内判断手段によって、クライアント端末が通信圏内に存在すると判断された場合、未送信メッセージデータがクライアント端末に送信される。これにより、通信圏外で携帯端末にサーバからメッセージデータが受信され、ユーザが携帯端末を通信圏内に持ち込んだ場合でも確実にクライアント端末にメッセージデータを送信することができる。
【0023】
また、請求項5に係る発明の携帯端末では、請求項4に記載の発明の効果に加え、前記データ記憶手段には、メッセージデータに対応づけられて表示情報が記憶されている。そして、未読データ検出手段によって、携帯端末記憶手段に記憶されている未送信メッセージデータの内で、第一表示手段に表示されていない未読メッセージデータを、表示情報に基づいて検出し、データ送信手段により未読メッセージデータをクライアント端末に送信する。その結果、携帯端末でユーザが閲覧していないメッセージデータだけをクライアント端末で受信することができるため、クライアント端末において、不必要なメッセージデータを受信することを防止できる。
【0024】
また、請求項6に係る発明の携帯端末では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、距離判断手段は無線によるデータ通信が可能であれば、所定距離以内にクライアント端末が存在すると判断する。そして、データ記憶手段に記憶されたメッセージデータがクライアント端末に送信される。これにより、ユーザが、クライアント端末との所定距離以内に携帯端末を置いて、クライアント端末を使用している場合、クライアント端末で携帯端末に送信されたメッセージデータを取得できる。その結果、携帯端末に送信されたメッセージデータをより早い段階で気付くことができる。
【0025】
また、請求項7に係る発明の携帯端末では、請求項2乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、第一受信手段によってサーバから受信されるデータには、クライアント端末情報が対応づけられている。そして、クライアント端末設定手段により端末側通信装置で無線通信をするクライアント端末に設定される。これにより、ユーザは、メッセージデータを送信するサーバから、無線通信をするクライアント端末を指定することができる。
【0026】
また、請求項8に係る発明の携帯端末では、請求項2乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、クライアント端末設定手段により、クライアント端末情報記憶手段に記憶されているクライアント端末情報が、端末側通信装置で無線通信をするクライアント端末に設定される。これにより、ユーザは、無線通信をするクライアント端末を識別するクライアント端末情報をクライアント端末情報記憶手段に記憶させることで、携帯端末と無線通信をしたいクライアント端末を指定することができる。
【0027】
また、請求項9に係る発明の携帯端末では、請求項8に記載の発明の効果に加え、クライアント端末情報変更手段により、クライアント端末情報記憶手段に記憶されている端末情報が、クライアント端末情報受信手段により受信されたクライアント端末情報に変更される。これにより、ユーザは、データを送信するサーバから携帯端末と無線通信をしたいクライアント端末を指定することができる。
【0028】
また、請求項10に係る発明の携帯端末では、請求項2乃至9のいずれかに記載の発明の効果に加え、端末側通信装置は、Bluetooth規格に準じており、クライアント端末のBluetooth規格に準じたクライアント端末側通信装置との間で、無線によるデータ通信を行うことができる。
【0029】
また、請求項11に係る発明のクライアント端末は、請求項2乃至10のいずれかに記載の携帯端末との間で、無線によるデータ通信を行う。そして、第二受信手段によりクライアント送信情報を受信した場合、第二表示制御手段により、携帯端末から送信された旨を示す情報が第二表示手段に表示される。これにより、ユーザが端末側通信装置とクライアント側通信装置との通信圏内に携帯端末を置いて、クライアント端末を使用している場合、クライアント端末の第二表示手段にメッセージが表示されることで、携帯端末にデータが送信されたことをより早い段階で気付くことができる。
【0030】
また、請求項12に係る発明の通信システムでは、請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末と、クライアント端末と、サーバから構成されている。これにより、携帯端末とサーバとの間、及び携帯端末とクライアント端末との間でデータ通信が可能となる。
【0031】
また、請求項13に係る発明の携帯端末プログラムでは、請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。従って、携帯端末プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0033】
まず、図1〜図9を参照して、本実施形態に係る通信システム1の全体構成、ならびに、通信システム1の構成要素である携帯端末100、クライアント端末300、及びサーバ200の構成について、順に説明する。図1は、携帯端末100、サーバ200、及びクライアント端末300の接続形態の一例を示す図である。図2は、携帯端末100の電気的構成を示すブロック図である。図3は、携帯端末100のEEPROM104の構成を示す模式図である。図4は、携帯端末側インスタントメッセージデータベース(以下、「携帯端末側IMDB」という。)1421の構成を示す模式図である。図5は、クライアント端末300の電気的構成を示すブロック図である。図6は、クライアント端末300のハードディスクドライブ(HDD)304の構成を示す模式図である。図7は、クライアント端末側インスタントメッセージデータベース(以下、「クライアント端末側IMDB」という。)3421の構成を示す模式図である。図8は、サーバ200の電気的構成を示すブロック図である。図9は、サーバ200のHDD204の構成を示す模式図である。図10は、連絡先DB2410の構成を示す模式図である。
【0034】
最初に、図1を参照して、通信システム1の全体構成の概略を説明する。図1に示すように、通信システム1は、携帯端末100、サーバ200、及びクライアント端末300を含んでいる。そして、携帯端末100とサーバ200は、無線LAN等のネットワーク2を介してIM(Instant Message)データ等によるデータ通信が可能となっている。携帯端末100とクライアント端末300も同様に無線によるIMデータ等の通信を行うことが可能であるが、Bluetooth(登録商標)通信規格に準じたデータ通信を行う。
【0035】
Bluetooth通信規格は、2.4GHz帯(ISMバンド)の無線周波数を使用する周知の無線通信規格である。そして、通信を開始する側をマスタ、応答を返す側をスレーブとして接続し、複数(最大7台)の通信機器に接続するネットワーク(ピコネット)を形成する。本実施形態では、マスタ側の端末を携帯端末100とし、スレーブ側の端末をクライアント端末300とする。なお、携帯端末100とクライアント端末300とは、Bluetoothのペアリングを予め、行っているものとする。ここで、本実施形態では、携帯端末100の使用場所として、オフィスの同一フロア内を想定しているため、通信距離が10メートル程度のClass2のBluetoothを使用するものとする。また、図1では、携帯端末100及びクライアント端末300は1つしか図示されていないが、実際には、例えば、会社の各個人が所有することにより、携帯端末100及びクライアント端末300は複数存在してもよい。
【0036】
サーバ200、クライアント端末300は、例えば、周知のパーソナルコンピュータであり、汎用型の装置である。携帯端末100は、例えば、携帯電話、PDA等の持ち運び可能な装置である。
【0037】
また、通信システム1には、ネットワーク2を介して複合機400が接続されている。この複合機400は、電話機能、ファクシミリ(FAX)機能等を備えている。本実施の形態では、複合機400はFAXにより受信した画像データを、携帯端末100若しくはクライアント端末300で閲覧可能な所定の形式の画像ファイルに変換し、サーバ200に対してネットワーク2を介して、その画像ファイルをデータ送信するものとする。また、この送信の際、送信者のFAX番号、及び受信者のFAX番号も同時に複合機400から、サーバ200に対して送信される。後述するが、サーバ200は複合機400から受信した画像ファイルを、携帯端末100、クライアント端末300へ送信するIMの添付ファイルとして送信する。尚、本実施形態では、複合機400でFAXの画像データのファイルの変換を行なうものとして説明するが、ファイルの変換はサーバ200で行なっても良い。
【0038】
次に、図2のブロック図を参照して、携帯端末100の電気的構成について説明する。携帯端末100は、携帯端末100の制御を司るCPU101を備えている。このCPU101には、ROM102、RAM103、EEPROM104、表示制御部105、入力制御部107、無線通信制御部109、計時装置111、及びイーサネット(登録商標)I/F112がバス113を介して接続されている。
【0039】
ROM102には、CPU101が実行する各種のプログラムが記憶されている。RAM103には、各種のデータが一時的に記憶される。EEPROM104には、携帯端末100で使用される各種のデータ等が記憶される。表示制御部105は、操作画面を表示するための表示部106に接続され、この表示部106を制御する。入力制御部107は、ユーザが操作の入力を行うための操作ボタン等の入力部108に接続され、入力の検知を行う。無線通信制御部109は、クライアント端末300と無線通信を行うための無線通信部110に接続されている。無線通信部110は、Bluetooth通信規格に準じたモジュールであり、クライアント端末300に備えられた無線通信部309(図5参照)との間で無線によりデータ通信を行う。計時装置111では、時間が計測される。イーサネットI/F112は、外部のネットワーク2との接続のインタフェイスである。イーサネットI/F112を介して、ネットワーク2に接続し、サーバ200とIMデータの送受信が可能となる。
【0040】
次に、図3を参照して、携帯端末100のEEPROM104の各種記憶エリアについて説明する。EEPROM104には、転送端末ID記憶エリア1401、携帯端末側IMDB記憶エリア1402等の各種記憶エリアが設けられている。
【0041】
転送端末ID記憶エリア1401には、IMデータの転送先であるクライアント端末300を識別する識別情報が記憶される。携帯端末側IMDB記憶エリア1402には、サーバ200から受信したIMデータに基づいた情報である携帯端末側IMDB1421(図4参照)が記憶される。
【0042】
次に、図4を参照して、携帯端末側IMDB1421について説明する。携帯端末側IMDB1421のレコードは、サーバ200から受信したIMデータ毎に作成される。携帯端末側IMDB1421は、例えば、IMデータ毎に、IMデータID,受信日時,送信者名,受信者名,転送先端末ID,件名,内容,添付ファイル,転送フラグ,表示フラグを含んだ情報を備えている。IMデータIDには、サーバから受信したIMデータを識別するユニークなIDが記憶される。受信日時には、IMデータを受信した日時が記憶される。送信者名には、送信元のFAX番号で特定される送信者の氏名が記憶される。受信者名には、送信先のFAX番号で特定される受信者の氏名が記憶される。転送先端末IDには、送信先のクライアント端末300を識別するユニークなIDがIMデータを送信した際に記憶される。件名には、サーバ200から受信したIMデータの件名が記憶される。添付ファイルには、IMデータに添付されたファイル名が記憶される。ここで、IMデータに添付された添付ファイルは、携帯端末側IMDB記憶エリア1401に記憶される。内容には、IMデータ表示画面500(図13参照)の詳細表示部520に表示させるIMデータの内容が記憶される。このIMデータ表示画面500についての詳細は、後述する。転送フラグには、IMデータをクライアント端末300に送信したか否かの情報が記憶される。ここで、IMデータをクライアント端末300に送信した場合、転送フラグには「True」が記憶される。また、IMデータをクライアント端末300に送信していない場合、「False」が記憶される。表示フラグには、IMデータ表示画面500でIMデータの内容を詳細表示部520に表示したか否かの情報が記憶される。ここで、IMデータの内容を詳細表示部520に表示した場合、表示フラグには「True」が記憶される。また、IMデータの内容を詳細表示部520に表示していない場合、「False」が記憶される。
【0043】
次に、図5のブロック図を参照して、クライアント端末300の電気的構成について説明する。図5に示すように、クライアント端末300は、クライアント端末300の制御を司るCPU301を備えている。このCPU301には、ROM302、RAM303、ハードディスクドライブ(HDD)304、イーサネットI/F305、入力制御部306、出力制御部307、及び無線通信制御部308がバス310を介して接続されている。
【0044】
ROM302には、CPU301が実行するBIOSを含む、各種のプログラムが記憶されている。RAM303には、各種のデータが一時的に記憶される。HDD304には、クライアント端末300で実行される各種のプログラム等が記憶される。イーサネットI/F305は、外部のLAN(図示外)との接続のインタフェイスである。入力制御部306は、ユーザが操作の入力を行うためのキーボード350やマウス360に接続され、これらの入力の検知を行う。出力制御部307は、操作画面を表示するためのディスプレイ370に接続され、このディスプレイ370を制御する。無線通信部309は、Bluetooth通信規格に準じたモジュールであり、携帯端末100に備えられた無線通信部110(図2参照)との間で無線によるデータ通信を行う。そして、無線通信制御部308は、無線通信部309の制御を行う。
【0045】
次に、図6を参照して、クライアント端末300のHDD304の各種記憶エリアについて説明する。HDD304には、クライアント端末側IMDB記憶エリア3401、プログラム記憶エリア3402、プログラム関係情報記憶エリア3403等の各種記憶エリアが設けられている。
【0046】
クライアント端末側IMDB記憶エリア3401には、携帯端末100から受信したIMデータに関する情報であるクライアント端末側IMDB3421(図7参照)が記憶される。プログラム記憶エリア3402には、クライアント端末300で実行される各種のプログラムが記憶される。プログラム関係情報記憶エリア3403には、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報が記憶される。
【0047】
次に、図7を参照して、クライアント端末側IMDB3421について説明する。クライアント端末側IMDB3421のレコードは、携帯端末100から受信したIMデータ毎に作成される。クライアント端末側IMDB3421は、例えば、IMデータ毎に、IMデータID,受信日時,送信者名,受信者名,転送元端末ID,件名,内容,添付ファイル,転送フラグを含んだ情報を備えている。IMデータIDには、携帯端末100から受信したIMデータを識別するユニークなIDが記憶される。受信日時には、IMデータを受信した日時が記憶される。送信者名には、送信元のFAX番号で特定される送信者の氏名が記憶される。受信者名には、送信先のFAX番号で特定される受信者の氏名が記憶される。転送元端末IDには、送信元の携帯端末100を識別するユニークなIDが記憶される。件名には、携帯端末100から受信したIMデータの件名が記憶される。内容には、携帯端末100から受信したIMデータの内容が記憶される。添付ファイルには、IMデータに添付されたファイル名が記憶される。ここで、IMデータに添付された添付ファイルは、クライアント端末側IMDB記憶エリア3401に記憶される。転送フラグには、IMデータを携帯端末100から受信したか否かの情報が記憶される。ここで、IMデータを携帯端末100から受信した場合、転送フラグには「True」が記憶される。また、IMデータを携帯端末100から受信していない場合、「False」が記憶される。
【0048】
次に、図8のブロック図を参照して、サーバ200の電気的構成について説明する。図8に示すように、サーバ200は、サーバ200の制御を司るCPU201を備えている。そして、このCPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、入力制御部205、出力制御部206、及びイーサネットI/F208がバス209を介して接続されている。
【0049】
ROM202には、CPU201が実行するBIOSを含む、各種のプログラムが記憶されている。RAM203には、各種のデータが一時的に記憶される。HDD204には、サーバ200で実行される各種のプログラム等が記憶される。入力制御部205は、ユーザが操作の入力を行うためのキーボード250やマウス260に接続され、これらの入力の検知を行う。出力制御部206は、操作画面を表示するためのディスプレイ270に接続され、このディスプレイ270を制御する。イーサネットI/F208は、外部のネットワーク2との接続のインタフェイスである。イーサネットI/F208を介して、ネットワーク2に接続し、携帯端末100とIMデータの送受信が可能となる。
【0050】
次に、図9を参照して、サーバ200のHDD204の各種記憶エリアについて説明する。HDD204には、連絡先DB記憶エリア2401、プログラム記憶エリア2402、プログラム関係情報記憶エリア2403等の各種記憶エリアが設けられている。
【0051】
連絡先DB記憶エリア2401には、FAX番号に基づいて送受信者を特定するための連絡先DB2410(図10参照)が記憶される。プログラム記憶エリア2402には、クライアント端末300で実行される各種のプログラムが記憶される。プログラム関係情報記憶エリア2403には、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報が記憶される。
【0052】
次に、図10を参照して、連絡先DB2410について説明する。連絡先DB2410は、予めサーバ200の連絡先DB記憶エリア2401に記憶されたテーブルであり、FAX番号毎に作成されている。連絡先DB2410は、例えば、レコード毎に、FAX番号,氏名,携帯端末IDを含んだ情報を備えている。番号には、FAX番号が記憶されている。氏名には、FAX番号を使用している使用者の氏名が記憶されている。携帯端末IDには、使用者が所有する携帯端末100を識別するユニークなIDが記憶されている。
【0053】
次に、前述のように構成された携帯端末100において行われる処理について、図11〜図13を参照して説明する。図11は、携帯端末100で行われるメイン処理についてのフローチャートである。図12は、携帯端末100で行われる画面表示処理のフローチャートである。図13は、携帯端末100で表示されるIMデータ表示画面500の一具体例を示す図である。
【0054】
まず、図11を参照して、携帯端末100で行われるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理の動作は、携帯端末100が起動した際に実行され、携帯端末100主電源がOFFになった場合、終了するものとする。また、携帯端末100で実行されている他の処理は、別のプログラムで実行されているものとする。メイン処理が実行されると、IMデータを受信したか否かが判断される(S11)。このIMデータは、サーバ200からネットワーク2を介して送信されるデータである。サーバ200では、複合機400から送信される画像データをIMデータに添付し、画像データと共に受信するFAX番号に基づいて特定される携帯端末100にIMデータを送信するが、詳細については後述する。
【0055】
IMデータがサーバ200から受信された場合(S11:YES)、EEPROM104の携帯端末側IMDB1421に、受信したIMデータを記憶する(S14)。ここで、受信したIMデータに基づいて、新たなレコードが携帯端末側IMDB1421に記憶される。IMデータIDには、自動的にユニークなIDが割り振られる。転送先端末IDには、クライアント端末300にIMデータを送信していないため何も記憶されない。転送フラグには、クライアント端末300に送信していない旨を示す「False」が記憶される。表示フラグには、携帯端末100の表示部106で表示されていない旨を示す「False」が記憶される。
【0056】
次いで、スレーブであるクライアント端末300がBluetoothの通信圏内に存在するか否かを検知するための信号である通信要求信号が、外部に対して送信される(S16)。そして、カウント開始処理が行われる(S17)。このカウント開始処理は、タイマカウンタである計測カウンタを用いて行われる。計測カウンタは、CPU101に接続した計時装置111からの信号に基づいてカウントアップされる。
【0057】
次いで、計測カウンタにより計測された時間が一定時間(例えば、「1秒」とする。)を経過するまでに、クライアント端末300からクライアント端末IDを受信したか否かが判断される(S18)。このクライアント端末IDは、通信要求信号に対してクライアント端末300から返信される情報であり、クライアント端末300を識別するIDである。S18の処理では、計測カウンタにより計測された時間が一定時間を経過するまで、クライアント端末IDの受信を受け付ける。ここで、通信可能なクライアント端末300が周辺の通信圏内に複数存在し、クライアント端末IDを複数受信しても問題はない。
【0058】
計測カウンタにより計測された時間が一定時間を経過するまでに、クライアント端末IDを受信しなかった場合(S18:NO)、つまり、Bluetoothで通信可能なクライアント端末300が通信圏内に1つも存在しなかった場合、計測カウンタを停止し、カウント値を「0」に初期化する処理がおこなわれる(S26)。そして、S11へ戻り、再び新たなIMデータを受信したか否かの判断が行われる。
【0059】
また、計測カウンタにより計測された時間が一定時間を経過するまでに、少なくとも1つのクライアント端末IDを受信した場合(S18:YES)、つまり、Bluetoothで通信可能なクライアント端末300が通信圏内に少なくとも1つ以上存在している場合、計測カウンタを停止し、カウント値を「0」に初期化する処理がおこなわれる(S19)。そして、転送端末IDが、EEPROM104の転送端末ID記憶エリア1401から取得される(S20)。転送端末IDは、クライアント端末300を識別するIDである。
【0060】
次いで、クライアント端末300から受信したクライアント端末IDの中に、S20で取得した転送端末IDと一致するIDが存在するか否かが判断される(S21)。転送端末IDと一致するIDが存在しない場合(S21:NO)、S11へ戻り、再び新たなIMデータを受信したか否かの判断が行われる。
【0061】
また、クライアント端末300から受信したクライアント端末IDの中に、転送端末IDと一致するIDが存在する場合(S21:YES)、一致したクライアント端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定する(S22)。つまり、一致したクライアント端末IDで特定されるクライアント端末300が、Bluetoothで無線通信を行う通信先の端末(以下、「通信端末」という。)となる。
【0062】
次いで、S11でサーバ200より受信したIMデータ、及び転送情報が通信端末に対して送信される(S23)。転送情報は、サーバ200より受信したIMデータが携帯端末100から送信されたことを示す情報である。そして、携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、通信端末にIMデータを送信したことを示す「True」が設定される(S24)。また、同時に、携帯端末側IMDB1421の転送先端末IDには、通信端末を識別するIDが記憶される。このS24の処理は、S14で記憶された新たなIMデータのレコードに対して行われる。そして、携帯端末側IMDB1421に記憶されているIMデータに関する情報を表示する画面表示処理が実行される(S25)。この画面表示処理についての詳細は、後述する。
【0063】
また、IMデータをサーバ200から受信していない場合(S11:NO)、携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードが存在するか否かが判断される(S12)。つまり、サーバ200から受信したIMデータの内で、クライアント端末300に送信されていないIMデータがあるか否かが判断される。
【0064】
携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されている場合(S12:YES)、その内で表示フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードが存在するか否かが判断される(S13)。つまり、IMデータ表示画面500(図13参照)の一覧表示部510でIMデータが選択され、IMデータの内容が表示されたものであるか否かが判断されることにより、ユーザがIMデータの内容を読んだか否かが判断される。
【0065】
表示フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードが存在する場合(S13:YES)、該当するIMデータのレコードが携帯端末側IMDB1421から取得される(S15)。そして、S16〜S26の処理が行われる。ここで、携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されているレコードが複数存在する場合、転送フラグに「False」が記憶されている全てのIMデータのレコードに対して、S13,S15〜S26の処理が実行される。
【0066】
また、携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されていない場合(S12:NO)、つまり、全てのレコードの転送フラグが「True」の場合、転送端末IDを受信したか否かが判断される(S27)。転送端末IDは、サーバ200から送信される情報であり、IMデータを転送するクライアント端末300を識別するIDである。転送端末IDを受信していないと判断された場合(S27:NO)、S11へ戻り、再び新たなIMデータを受信したか否かの判断が行われる。
【0067】
転送端末IDをサーバ200から受信した場合(S27:YES)、受信した転送端末IDを、EEPROM104の転送端末ID記憶エリア1401に記憶する(S28)。そして、S11へ戻り、再び新たなIMデータを受信したか否かの判断が行われる。
【0068】
また、携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードの内で、表示フラグに「False」が記憶されていない場合(S13:NO)、つまり、転送フラグが「False」のIMデータのレコードの内で、表示フラグが全て「True」の場合、S27へ移行する。
【0069】
次に、図12を参照して、画面表示処理について説明する。この画面表示処理が実行されると、IMデータ表示画面500(図13参照)に表示されているIMデータの情報が消去される(S31)。ここで、IMデータ表示画面500は、携帯端末100のメイン処理(図11参照)が実行されている間は、常に表示されているものとする。このIMデータ表示画面500の詳細については、後述する。
【0070】
次いで、携帯端末側IMDB記憶エリア1402に記憶されている携帯端末側IMDB1421からIMデータのレコードが順に取得される(S32)。例えば、図4の携帯端末側IMDB1421においては、一番上のレコードであるIMデータIDが「IM001」のレコードが取得される。そして、全てのIMデータのレコードが処理されたか否かが判断される(S33)。
【0071】
IMデータのレコードが複数あり、全てのIMデータのレコードが処理されていないと判断された場合(S33:NO)、S22で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」か否かが判断される(S34)。つまり、クライアント端末300に送信したIMデータか否かが判断される。
【0072】
S32で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」であると判断された場合(S34:YES)、クライアント端末300にIMデータを送信したことを示す定型文が作成され、IMデータのレコードの内容に設定される(S35)。ここでは、例えば、図4の携帯端末側IMDB1421において、レコードのIMデータIDが「IM001」のレコードが取得された場合、転送先端末IDが「ID_PC01」であるため、定型文は「このメッセージはクライアント端末(ID_PC01)に送信されています。」として作成される。そして、取得したIMデータの情報がIMデータ表示画面500に表示される(S36)。ここで、S32で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」であれば、IMデータ表示画面500の一覧表示部510の転送情報表示領域514(図13参照)には、「転送」の文字が表示される。
【0073】
S32で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」でないと判断された場合(S34:NO)、つまり、転送フラグが「False」の場合、S35を実行せずにS36へ移行する。
【0074】
そして、全てのIMデータのレコードが処理された場合(S33:YES)、画面表示処理が終了する。画面表示処理が実行されることにより、携帯端末側IMDB1421に記憶されている全てのIMデータの情報が、IMデータ表示画面500に表示される。
【0075】
ここで、図13を参照して、携帯端末100に表示されるIMデータ表示画面500について説明する。上述したように、IMデータ表示画面500は、携帯端末100のメイン処理(図11参照)が実行されている間は常に表示される。
【0076】
IMデータ表示画面500は、画面中央より左側に表示される一覧表示部510、画面中央より右側に表示される詳細表示部520から構成されている。一覧表示部510には、携帯端末側IMDB1421に記憶されているIMデータのレコード毎の情報が表示される。また、詳細表示部520には、一覧表示部510で選択されたIMデータの詳細が表示される。ここで、例えば、図13のIMデータ表示画面500では、一覧表示部510で「IM003」のIMデータIDで特定されるIMデータが選択された状態である。
【0077】
一覧表示部510には、IMデータID表示領域511,受信日時表示領域512,添付ファイル名表示領域513,転送情報表示領域514,及び送信者表示領域515が設けられている。IMデータID表示領域511には、携帯端末側IMDB1421の「IMデータID」に記憶された情報が表示される。受信日時表示領域512には、携帯端末側IMDB1421の「受信日時」に記憶された情報が表示される。添付ファイル名表示領域513には、携帯端末側IMDB1421の「添付ファイル」に記憶されたファイル名が表示される。転送情報表示領域514には、携帯端末側IMDB1421の「転送フラグ」に「True」が記憶されている際に、「[転送]」と表示される。送信者表示領域515には、携帯端末側IMDB1421の「送信者名」に記憶された情報が表示される。
【0078】
詳細表示部520には、非表示ボタン521が設けられている。さらに、一覧表示部510に表示される情報の表示領域に加え、件名表示領域522,及び内容表示領域523が設けられている。非表示ボタン521が選択されることにより、詳細表示部520が非表示となる。件名表示領域522には、携帯端末側IMDB1421の「件名」に記憶された情報が表示される。内容表示領域523には、携帯端末側IMDB1421の「内容」に記憶された情報が表示される。なお、一覧表示部510でIMデータが選択され、詳細表示部520が表示されることで、携帯端末側IMDB1421に記憶されたレコードの内で、選択されたIMデータに対応した表示フラグが「True」となる。
【0079】
次に、前述のように構成されたクライアント端末300において行われる処理について、図7,図12,図14,及び図15を参照して説明する。図14は、クライアント端末300で行われるメイン処理についてのフローチャートである。図15は、クライアント端末300で表示されるIMデータ表示画面600の一具体例を示す図である。
【0080】
まず、図14を参照して、クライアント端末300で行われるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理の動作は、クライアント端末300が起動した際に行われる。メイン処理が実行されると、無線通信部309が、通信要求信号を受信したか否かが判断される(S41)。上述したように、この通信要求信号は、マスタ側の端末である携帯端末100から送信(図11:S16参照)される信号であり、携帯端末100の通信圏内に、クライアント端末300が存在するか否かを判断する信号である。
【0081】
通信要求信号を受信していない場合(S41:NO)、つまり、Bluetoothの通信圏内に携帯端末100が存在していない場合、IMデータを受信したか否かが判断される(S43)。上述したように、このIMデータは携帯端末100から送信される(図11:S23参照)。IMデータを受信していないと判断されると(S43:NO)、S41へ移行する。そして、通信要求信号、又はIMデータを受信するまで、S41:NO,S43:NOの処理を繰り返す。
【0082】
無線通信部309が、通信要求信号を受信したと判断された場合(S41:YES)、クライアント端末300を識別するIDであるクライアント端末IDが携帯端末100に送信され(S42)、S41へ移行する。
【0083】
また、携帯端末100からIMデータを受信したと判断されると(S43:YES)、転送情報を受信したか否かが判断される(S44)。上述したように、転送情報は、携帯端末100からIMデータと同時に送信される情報であり、IMデータが携帯端末100から送信されたことを示す情報である。
【0084】
転送情報を受信したと判断された場合(S44:YES)、IMデータが携帯端末100から送信されたことを示す「True」が、IMデータの転送フラグに設定される(S45)。また、転送情報を受信していないと判断された場合(S44:NO)、IMデータが携帯端末100以外の端末から送信されたことを示す「False」が、IMデータの転送フラグに設定される(S46)。
【0085】
IMデータの転送フラグに「True」又は「False」が設定されると、受信したIMデータの情報に基づいてレコードが作成され、クライアント端末側IMDB記憶エリア3401に設けられたクライアント端末側IMDB3421に記憶する(S47)。ここで、転送元端末IDには、IMデータを送信した端末を識別するIDが記憶される。次いで、画面表示処理が実行される(S48)。クライアント端末300で実行される画面表示処理は、携帯端末100で実行される画面表示処理と同様の処理のため、図12を参照して説明する。
【0086】
図12に示すように、クライアント端末300において画面表示処理が実行されると、IMデータ表示画面600(図15参照)に表示されているIMデータの情報が消去される(S31)。ここで、IMデータ表示画面600は、クライアント端末300のメイン処理(図14参照)が実行されている間は、常に表示されているものとする。このIMデータ表示画面600の詳細については、後述する。
【0087】
次いで、クライアント端末側IMDB記憶エリア3401に記憶されているクライアント端末側IMDB3421からIMデータのレコードが取得される(S32)。例えば、図7のクライアント端末側IMDB3421においては、IMデータIDが「IM001」のレコードが取得される。そして、全てのIMデータのレコードが処理されたか否かが判断される(S33)。
【0088】
IMデータのレコードが複数あり、全てのIMデータのレコードが処理されていないと判断された場合(S33:NO)、S22で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」か否かが判断される(S34)。つまり、携帯端末100から受信したIMデータか否かが判断される。
【0089】
S22で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」であると判断された場合(S34:YES)、携帯端末100からIMデータを受信したことを示す定型文が作成され、IMデータのレコードの内容に設定される(S35)。ここでは、例えば、図7のクライアント端末側IMDB3421において、レコードのIMデータIDが「IM001」のレコードが取得された場合、転送元端末IDが「ID_M01」であるため、定型文は「このメッセージは携帯端末(ID_M01)から送信されたものです。」として作成される。そして、取得したIMデータの情報がIMデータ表示画面600に表示される(S36)。ここで、S32で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」であれば、IMデータ表示画面600の一覧表示部610の転送情報表示領域615(図15参照)には、「転送」の文字が表示される。
【0090】
S22で取得したIMデータのレコードの転送フラグが「True」でないと判断された場合(S34:NO)、つまり、転送フラグが「False」の場合、S35を実行せずにS36へ移行する。
【0091】
そして、全てのIMデータのレコードが取得された場合(S33:YES)、画面表示処理が終了する。画面表示処理が実行されることにより、クライアント端末側IMDB3421に記憶されている全てのIMデータの情報が、IMデータ表示画面600に表示される。
【0092】
ここで、図15を参照して、クライアント端末300に表示されるIMデータ表示画面600について説明する。上述したように、IMデータ表示画面600は、クライアント端末300のメイン処理(図14参照)が実行されている間は常に表示される。
【0093】
IMデータ表示画面600は、画面中央より左側に表示される一覧表示部610、画面中央より右側に表示される詳細表示部620から構成されている。一覧表示部610には、クライアント端末側IMDB3421に記憶されているIMデータのレコード毎の情報が表示される。また、詳細表示部620には、一覧表示部610で選択されたIMデータの詳細が表示される。ここで、例えば、図15のIMデータ表示画面600では、詳細表示部620で「IM003」のIMデータIDで特定されるIMデータが選択された状態である。
【0094】
一覧表示部610には、IMデータID表示領域611,受信日時表示領域612,添付ファイル名表示領域613,送信者表示領域614,及び転送情報表示領域615が設けられている。IMデータID表示領域611には、クライアント端末側IMDB3421の「IMデータID」に記憶された情報が表示される。受信日時表示領域612には、クライアント端末側IMDB3421の「受信日時」に記憶された情報が表示される。添付ファイル名表示領域613には、クライアント端末側IMDB3421の「添付ファイル」に記憶されたファイル名が表示される。送信者表示領域614には、クライアント端末側IMDB3421の「送信者名」に記憶された情報が表示される。転送情報表示領域615には、クライアント端末側IMDB3421の「転送フラグ」に「True」が記憶されている際に、「[転送]」と表示される。
【0095】
詳細表示部620には、非表示ボタン621が設けられている。さらに、一覧表示部610に表示される情報の表示領域に加え、宛先表示領域622,件名表示領域623,及び内容表示領域624が設けられている。非表示ボタン621が選択されることにより、詳細表示部620が非表示状態となる。宛先表示領域622には、クライアント端末側IMDB3421の「受信者名」に記憶された情報が表示される。件名表示領域623には、クライアント端末側IMDB3421の「件名」に記憶された情報が表示される。内容表示領域624には、クライアント端末側IMDB3421の「内容」に記憶された情報が表示される。
【0096】
次に、前述のように構成されたサーバ200において行われる処理について、図10,図16を参照して説明する。図16は、サーバ200で行われるメイン処理についてのフローチャートである。なお、このメイン処理の動作は、サーバ200が起動した際に行われる。
【0097】
サーバ200でメイン処理が実行されると、複合機400からネットワーク2を介して画像データを受信したか否かが判断される(S51)。また、複合機400に送信されたFAXの送受信番号が、画像データと同時にサーバ200に送信される。画像データを受信していないと判断された場合(S51:NO)、転送端末IDの送信指示があったか否かが判断される(S52)。転送端末IDは、サーバ200のディスプレイ270に表示された転送端末ID設定画面(図示外)から入力され、ユーザの送信指示により携帯端末100に送信される。また、転送端末ID設定画面では、転送端末IDに加えて、転送端末IDを送信する携帯端末100を識別するIDも入力される。
【0098】
ユーザから転送端末IDの送信指示がなかった場合(S52:NO)、S51へ移行する。そして、複合機400から画像データを受信するか、転送端末IDの送信指示を受け付けるまで、S51:NO,S52:NOの処理を繰り返す。
【0099】
複合機400から画像データを受信した場合(S51:YES)、携帯端末100に送信するIMデータを作成するための情報が、連絡先DB記憶エリア2401に記憶された連絡先DB2410から取得され(S53)、IMデータが作成される(S54)。この情報は、画像データを送信した複合機400のFAX番号、及びFAXを送信した外部の複合機400のFAX番号に基づいて取得される。ここで、例えば、図10に示すような連絡先DB2410において、FAXを送信した外部の複合機400のFAX番号が「234−567−8901」、送信先である複合機400のFAX番号が「012−345−6789」である場合、FAXの送信者名は「海屋 三郎」、送信先の受信者名は「麻積谷 吾郎」として取得する。また、「麻積谷 吾郎」が所有する携帯端末100を識別するIDは「ID_M01」として取得する。そして、作成されるIMデータの送信者名は「海屋 三郎」、受信者名は「麻積谷 吾郎」となる。また、IMデータの送信先の携帯端末100は、IDが「ID_M01」で特定される携帯端末100となる。また、受信した画像データは、IMデータに添付され、送信される。ここで、添付ファイルの名称は、「Faxデータ.tif」とする。
【0100】
次いで、S54で作成されたIMデータが、S53で特定された携帯端末100に送信される(S55)。そして、S51へ移行する。
【0101】
また、ユーザから転送端末IDの送信指示があった場合(S52:YES)、転送端末ID設定画面で入力された転送端末ID、及び送信先の携帯端末100を識別するIDが取得され(S56)、HDD204に記憶される。そして、記憶された転送端末IDが、送信先の携帯端末100を識別するIDで特定される携帯端末100に送信され(S57)、S51へ移行する。
【0102】
以上説明したように、本実施の形態によると、IMデータをサーバ200から受信し、携帯端末100に記憶される。そして、Bluetoothの通信圏内に送信先のクライアント端末300である通信端末が存在し、IMデータが未送信、且つ未表示の状態である場合、IMデータが通信端末に送信される。また、通信端末で、携帯端末から受信したIMデータは、携帯端末100から送信された旨を示す情報がIMデータ表示画面600に表示される。これにより、通信端末を使用しているユーザは、携帯端末100に送信されたIMデータをより早い段階で気付くことができる。
【0103】
また、携帯端末100でユーザが閲覧していない未表示のIMデータだけを通信端末で受信することができるため、通信端末において、不必要なメッセージデータが受信されることを防げる。
【0104】
また、携帯端末100のIMデータ表示画面500転送情報表示領域514には、通信端末に送信したIMデータに対して、通信端末にIMデータを送信した旨を示す情報が表示される。これにより、ユーザは携帯端末100を使用する際に、通信端末に送信したIMデータか否かを把握できる。その結果、ユーザは携帯端末100で閲覧する必要があるIMデータか否かを判断することができる。
【0105】
また、携帯端末100の無線通信部110が「端末側通信装置」に相当し、クライアント端末300の無線通信部309が「クライアント側通信装置」に相当する。IMデータが「メッセージデータ」に相当し、転送情報が「クライアント送信情報」に相当する。転送端末ID、クライアント端末IDが「クライアント端末情報」に相当する。図11のS11:YESでサーバ200からIMデータを受信する処理を行うCPU101が「第一受信手段」に相当する。EEPROM104の携帯端末側IMDB記憶エリア1402が「データ記憶手段」に相当する。図11のS18で一定時間を経過するまでに、クライアント端末300からクライアント端末IDを受信したか否かを判断する処理を行うCPU101が「距離判断手段」に相当する。図11のS23で、IMデータ、及び転送情報を通信端末に対して送信する処理を行うCPU101が「データ送信手段」に相当する。
【0106】
また、携帯端末側IMDB1421の転送フラグが「送信情報」に相当する。図11のS24で、携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、IMデータを送信したことを示す「True」を設定する処理を行うCPU101が、「送信情報変更手段」に相当する。IMデータ表示画面500が「第一表示手段」に相当する。図12のS36で、IMデータの情報を表示し、転送情報表示領域514に「転送」の文字を表示する処理を行うCPU101が「第一表示制御手段」に相当する。
【0107】
また、図11のS12:YESで、携帯端末側IMDB1421の転送フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードを取得する処理を行うCPU101が「未送信データ検出手段」に相当する。携帯端末側IMDB1421の表示フラグが「表示情報」に相当する。図11のS13:YESで、携帯端末側IMDB1421の表示フラグに、「False」が記憶されているIMデータのレコードを取得する処理を行うCPU101が「未読データ検出手段」に相当する。
【0108】
また、EEPROM104の転送端末ID記憶エリア1401が「クライアント端末情報記憶手段」に相当する。図11のS22で、クライアント端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定する処理を行うCPU101が「クライアント端末設定手段」に相当する。
【0109】
また、サーバ200のHDD204が「サーバ記憶手段」に相当する。図16のS56で、転送端末ID、及び送信先の携帯端末100を識別するIDが取得され、HDD204に記憶する処理を行うCPU101が「サーバ記憶制御手段」に相当する。図11のS27:YESで、転送端末IDをサーバ200から受信する処理を行うCPU101が「クライアント端末情報受信手段」に相当する。図11のS28で、転送端末IDを、EEPROM104の転送端末ID記憶エリア1401に記憶する処理を行うCPU101が「クライアント端末情報変更手段」に相当する。
【0110】
IMデータ表示画面600が「第二表示手段」に相当する。図14のS44:YESで、携帯端末100からIMデータを受信する処理を行うCPU301が「第二受信手段」に相当する。図12のS36で、IMデータの情報を表示し、転送情報表示領域615に「転送」の文字を表示する処理を行うCPU301が「第二表示制御手段」に相当する。
【0111】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、携帯端末100とクライアント端末300との通信手段として、Bluetooth規格に準じて無線通信を行っているが、これに限定しない。例えば、赤外線通信、無線LAN等により無線通信を行ってもよい。
【0112】
また、複合機400から送信される画像データをサーバ200は受信するが、留守番電話機能による音声データであってもよい。その際、図10の連絡先DB2410には、FAX番号ではなく、電話番号が記憶される。そして、サーバ200は、IMデータに音声データを添付し、携帯端末100に送信する。
【0113】
また、携帯端末100からクライアント端末300にIMを送信しているが、これに限定しない。例えば、電子メールであってもよい。
【0114】
また、サーバ200は、複合機400より画像データを受信するが、これに限定しない。例えば、複合機400でFAXにより受信した画像データが添付された電子メールを、サーバ200は受信してもよい。そして、サーバ200は、受信した電子メールを携帯端末100にそのまま転送してもよい。また、サーバ200は、電子メールではなく、IMで複合機400から受信し、受信したIMを携帯端末100にそのまま転送してもよい。
【0115】
また、上述した実施の形態では、携帯端末100は、複合機400から転送される画像データが添付されたIMデータをサーバ200から受信しているが、これに限定しない。例えば、所定の送信元からサーバ200に対して送信されたIMデータ、又は電子メールであってもよい。また、その際の携帯端末100に送信されるIMデータ、又は電子メールの件名は、サーバ200で作成されないものとする。
【0116】
また、サーバ200は、複合機400で受信したFAXに基づいて作成された画像データを、サーバ200のディスプレイ270で表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、サーバ200において、複合機400がFAXを受信したことを把握できる。
【0117】
また、S18で、計測カウンタにより計測された時間が一定時間である1秒を経過するまでに、クライアント端末300からクライアント端末IDを受信したか否かが判断されるが、一定時間は1秒に限定しない。
【0118】
また、上述した実施の形態では、無線による通信可能範囲にクライアント端末300が存在し、クライアント端末300からクライアント端末IDを受信すれば、受信したクライアント端末IDで特定されるクライアント端末300を通信可能な候補として選択するが、これに限定しない。例えば、携帯端末100とクライアント端末300との距離を取得し、所定距離以内に存在するクライアント端末300を通信可能な候補として選択するようにしてもよい。ここで、所定距離はオフィスの同一フロア内を想定し、10メートルとする。また、10メートル以内であっても問題はない。
【0119】
その際は、公知のRFIDなどの電子タグをクライアント端末300に装着し、電子タグを読み取るタグリーダを携帯端末100側に装着する。そして、図11のS18の後に、携帯端末100のタグリーダでクライアント端末300の電子タグからの電波強度を取得することにより、距離判断をすればよい。そして、所定距離以内と判断すればS19へ移行し、所定距離以内と判断されなかった場合、S26へ移行するようにすればよい。
【0120】
また、電子タグを用いず、超音波距離測定センサ、又はGPS(Global Positioning System)を用いて携帯端末100とクライアント端末300との距離を取得するようにしてもよい。
【0121】
また、オフィスのフロアの入退室を管理する入退室管理システムを使用してもよい。その際は、オフィスのフロアの入口にIDカードリーダを設置し、各個人が所有する個人情報が記憶されたIDカードをIDリーダにかざし、入室した場合、所定距離内と判断すればよい。また、退室した場合、所定距離外であると判断すればよい。
【0122】
また、転送端末ID記憶エリア1401には、IMデータを転送するクライアント端末300を識別する転送端末IDが、1つだけ記憶されるが、複数であってもよい。その際、記憶される転送端末IDには、優先順位が対応づけられる。そして、その優先順位が高い転送端末IDで特定されるクライアント端末300から順に、携帯端末100と無線通信を行う候補となり、S21での判断処理が行われる。
【0123】
また、上述した実施の形態では、転送端末IDはEEPROM104の転送端末ID記憶エリア1401に記憶される(図11:S28)。そして、クライアント端末300から受信したクライアント端末IDの中に、記憶された転送端末IDと一致するIDが存在する場合(S21:YES)、一致したクライアント端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定(図11:S22)しているが、これに限定しない。例えば、転送端末IDは、IMデータと同時にサーバ200から受信し、受信した転送端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定してもよい。
【0124】
これについては、図17を参照して説明する。図17は、第一変形例の携帯端末100で行われるメイン処理についてのフローチャートである。この第一変形例の携帯端末100のメイン処理の動作は、携帯端末100が起動した際に行われる。なお、第一変形例の携帯端末100のメイン処理では、上述した実施の形態のS27,S28,S20〜S22の処理は行われない。
【0125】
図17に示すように、第一変形例の携帯端末100のメイン処理が実行されると、IMデータ、及びIMデータに対応づけられた転送端末IDをサーバ200から受信したか否かが判断される(S61)。この転送端末IDは、サーバ200からIMデータに対応づけられて送信されたものである。IMデータ、及びIMデータに対応づけられた転送端末IDをサーバ200から受信したと判断された場合(S61:YES)、受信した転送端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定する(S65)。そして、S66〜S70の処理が行われるが、上述した実施の形態のS14,S16〜S19と同様の処理のため、説明を省略する。また、IMデータ、及びIMデータに対応づけられた転送端末IDをサーバ200から受信していない場合(S61:YES)、S62,S63,S64の処理が行われるが、上述した実施の形態のS12,S13,S15と同様の処理のため、説明を省略する。
【0126】
S70で計測カウンタを停止し、カウント値を「0」に初期化する処理がおこなわれると、S65で無線通信部110に設定された送信端末IDと一致するIDが、クライアント端末300から受信したクライアント端末IDの中に存在するか否かが判断される(S71)。無線通信部110に設定された送信端末IDと一致するIDが存在しない場合(S71:NO)、S61へ移行する。また、無線通信部110に設定された送信端末IDと一致するIDが存在した場合(S71:YES)、S72〜S74の処理が行われ、S61へ移行する。ここで、S72〜S74の処理は、上述した実施の形態のS23〜S25の処理と同様のため、説明を省略する。
【0127】
以上のように、上述した第一変形例の携帯端末100では、サーバ200から受信されるIMデータには、送信端末IDが対応づけられている。そして、受信した転送端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定する。これにより、ユーザは、IMデータを送信するサーバ200から、無線通信をするクライアント端末300を指定することができる。
【0128】
なお、上述した第一変形例において、図17のS65で、転送端末IDを無線通信部110で通信を行うクライアント端末300として設定する処理を行うCPU101が「クライアント端末設定手段」に相当する。図17のS61:YESでIMデータ、及びIMデータに対応づけられた転送端末IDをサーバ200から受信する処理を行うCPU101が「第一受信手段」に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】携帯端末100、サーバ200、及びクライアント端末300の接続形態の一例を示す図である。
【図2】携帯端末100の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末100のEEPROM104の構成を示す模式図である。
【図4】携帯端末側IMDB1421の構成を示す模式図である。
【図5】クライアント端末300の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】クライアント端末300のハードディスク(HDD)304の構成を示す模式図である。
【図7】クライアント端末側IMDB3421の構成を示す模式図である。
【図8】サーバ200の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】サーバ200のHDD204の構成を示す模式図である。
【図10】連絡先DB2410の構成を示す模式図である。
【図11】携帯端末100で行われるメイン処理についてのフローチャートである。
【図12】携帯端末100で行われる画面表示処理のフローチャートである。
【図13】携帯端末100で表示されるIMデータ表示画面500の一具体例を示す図である。
【図14】クライアント端末300で行われるメイン処理についてのフローチャートである。
【図15】クライアント端末300で表示されるIMデータ表示画面600の一具体例を示す図である。
【図16】サーバ200で行われるメイン処理についてのフローチャートである。
【図17】第一変形例の携帯端末100で行われるメイン処理についてのフローチャートである。
【符号の説明】
【0130】
1 データ転送システム
100 携帯端末
200 サーバ
300 クライアント端末
101,201,301 CPU
103,203,303 RAM
104 EEPROM
106 表示部
110,309 無線通信部
304 HDD
370 ディスプレイ
500,600 IMデータ表示画面
1401 転送端末ID記憶エリア
1402 携帯端末側IMDB記憶エリア
1421 携帯端末側IMDB
3401 クライアント端末側IMDB記憶エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとの間でデータの送受信を行うと共に、クライアント端末に備えられたクライアント側通信装置との間でデータ通信を行う端末側通信装置を備えた携帯端末であって、
前記サーバから送信されたインスタントメッセージ、又は電子メールであるメッセージデータを受信する第一受信手段と、
当該第一受信手段によって受信された前記メッセージデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記クライアント端末が、前記携帯端末から所定距離以内に存在するか否かを判断する距離判断手段と、
当該距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断された場合に、前記端末側通信装置を介して、前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信するデータ送信手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記データ送信手段は、前記メッセージデータと、当該メッセージデータが前記携帯端末から送信されたことを示し、且つ当該メッセージデータが前記携帯端末から送信された旨を示す情報を前記クライアント端末で表示するためのクライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記データ記憶手段には、
前記メッセージデータと、
前記メッセージデータが前記クライアント端末に送信されたか否かを示す送信情報と
が対応付けられて記憶され、
前記データ送信手段によって、前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータが、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信された場合に、当該メッセージデータに対応する前記送信情報の内容を、前記メッセージデータが前記クライアント端末に送信された内容に変更する送信情報変更手段と、
前記メッセージデータを表示する第一表示手段と、
前記送信情報変更手段により、前記メッセージデータに対応する前記送信情報の内容が、前記クライアント端末に前記メッセージデータが送信された内容に変更された場合、前記クライアント端末に前記メッセージデータが送信された旨を示す情報を前記第一表示手段に表示させる第一表示制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記データ記憶手段に記憶された前記メッセージデータの内で、前記クライアント端末に送信されていない未送信メッセージデータを、前記送信情報に基づいて検出する未送信データ検出手段を備え、
前記データ送信手段は、
前記未送信データ検出手段によって前記未送信メッセージデータが検出され、且つ前記距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断された場合、前記未送信メッセージデータと、前記クライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記データ記憶手段には、
前記メッセージデータが表示されたか否かを示す表示情報が、前記メッセージデータに対応付けられて記憶され、
前記未送信データ検出手段により検出された前記未送信メッセージデータの内で、前記第一表示手段に表示されていない未読メッセージデータを、前記表示情報に基づいて検出する未読データ検出手段を備え、
前記データ送信手段は、
前記未読データ検出手段によって前記未読メッセージデータが検出され、且つ前記距離判断手段によって、前記クライアント端末が前記所定距離以内に存在すると判断された場合、当該未読メッセージデータと、前記クライアント送信情報とを、前記クライアント端末の前記クライアント端末側通信装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記データ通信は、無線による通信であり、
前記距離判断手段は、前記クライアント端末との間で、前記データ通信が可能である場合、前記クライアント端末が前記携帯端末から前記所定距離以内に存在すると判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記第一受信手段は、前記メッセージデータ、及び当該メッセージデータに対応づけられた、前記クライアント端末を識別するクライアント端末情報を前記サーバから受信し、
前記クライアント端末設定手段は、前記第一受信手段により受信された前記メッセージデータに対応付けられた前記クライアント端末情報で特定される前記クライアント端末を、前記端末側通信装置で無線通信をする前記クライアント端末に設定することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記クライアント端末を識別するクライアント端末情報を記憶したクライアント端末情報記憶手段と、
前記クライアント端末情報記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報で特定される前記クライアント端末を、前記端末側通信装置で無線通信をする前記クライアント端末に設定するクライアント端末設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
前記サーバは、前記クライアント端末情報をサーバ記憶手段に記憶させるサーバ記憶制御手段を備え、
前記サーバ記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報を前記サーバから受信するクライアント端末情報受信手段と、
前記クライアント端末情報記憶手段に記憶された前記クライアント端末情報を、前記クライアント端末情報受信手段により受信された前記クライアント端末情報に変更するクライアント端末情報変更手段と
を備えたことを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記端末側通信装置、及び前記クライアント側通信装置は、Bluetooth規格に準じたデータ通信を行うことを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項11】
請求項2乃至10のいずれかに記載の携帯端末との間で無線によるデータ通信を行う前記クライアント側通信装置を備えたクライアント端末であって、
前記データを表示する第二表示手段と、
前記データ送信手段により送信された前記クライアント送信情報を受信する第二受信手段と、
前記第二受信手段により前記クライアント送信情報を受信した場合、前記携帯端末から送信された旨を示す情報を前記第二表示手段に表示させる第二表示制御手段と
を備えたことを特徴とするクライアント端末。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末と、前記クライアント端末と、前記サーバとから構成された通信システム。
【請求項13】
請求項1乃至10のいずれかに記載の携帯端末の各種処理として携帯端末に内蔵されたコンピュータを機能させることを特徴とする携帯端末プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−86326(P2010−86326A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255350(P2008−255350)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】