説明

携帯端末、制御方法、制御プログラム、および記憶媒体

【課題】アイコンに対応づけられた機能がどのような画面状態に対応しているかをユーザに一目で把握させることが可能な携帯端末を実現する。
【解決手段】表示出力部9を含む表示部筐体3と、表示部筐体3と回転可能に接続される第2の筐体と、筐体の角度を検出する検出手段と、角度に対応する表示画面を表示する表示ドライバ13とを備え、表示部筐体3の表示画面と本体筐体2との上下方向が一致する基準画面表示状態と、表示部筐体3または本体筐体2を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを含み、機能に対応付けられたアイコンと、当該機能が基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶し、機能対応情報に基づいて、基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示するので、各画面表示状態に対応する適切なアイコンを表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、当該携帯端末の制御方法、制御プログラム、および記憶媒体に関するものである。より詳細には、表示部の回転機構を備え、表示部の回転状態に応じた表示画面を表示する携帯端末、当該携帯端末の制御方法、制御プログラム、および記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速通信回線の普及や通信技術の進歩に伴い、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistance)などの携帯端末において、大容量のデータを活用した新たなサービスの提供を受けることができるようになり、文字や画像などを含む様々なデジタルコンテンツを受信する機会が増加している。また、地上デジタル放送の開始に伴い、デジタルデータとして伝送される映像を受信し番組を視聴することもできるようになっている。
【0003】
このように新たなサービスの提供を受けたり、地上デジタル放送により放映される番組を受信したりできるようになるにつれ、表示時における表示画面形状が異なるデジタルコンテンツを受信する機会が増加してきた。例えば、地上デジタル放送の番組画面と、通話時に通信情報を表示する通信情報画面とでは、前者の画面は横長の矩形形状で表示されるのに対して、後者は縦長の矩形形状で表示される。
【0004】
このような表示時における画面形状の相違に対応するため、初期状態では縦長となる表示領域を有する表示部を、必要に応じて該表示領域が横長形状となるように回転する機構を備えた携帯情報端末が開発されている。そして、このような機構を有する携帯情報端末において、画面形状が異なる情報ソースそれぞれを、当該携帯情報端末の表示領域を有効的に活用して表示させる技術が開示されている。
【0005】
より具体的には、上記のような携帯端末では、第1のケーシング(映像表示部)と第2のケーシング(操作ボタン部)との間の相対位置の違いに基づき、第1情報ソースまたは第2情報ソースのいずれを表示させるか切り替えることができる。これにより、携帯端末は、表示領域を無駄にすることなく表示領域全体に表示させることが可能となる。
【0006】
また、映像表示部と操作ボタン部との相対的な位置の変更によって表示領域の形状を切り替え調節するのではなく、表示領域の縦横サイズに合わせて画像を表示させる技術も開示されている。このような技術では、表示領域の縦横サイズに合わせて、画像を回転、拡大、および縮小させることにより表示する画像の歪を抑制することができる。
【0007】
また、ファイルの管理、メモリの管理、入出力の管理、ユーザーインターフェースの提供など、各アプリケーションにおいて共通となる部分の処理は、例えばマイクロソフト社製のWindows Mobile OS(登録商標)等のような基本ソフトウェアによって提供されている。そして、このような基本ソフトウェアでは、表示領域を縦長の矩形領域として捉えるか、あるいは横長の矩形領域として捉えるか、つまり設定された表示画面の縦、横方向に応じて画像を表示させることができるようになっている。すなわち、上記基本ソフトウェアでは、表示領域が縦長および横長いずれの場合であっても、アプリケーションソフトが共通して利用できる資源を予め準備している。これによりアプリケーションソフトは、表示させる画像の横軸および縦軸それぞれの方向を意識する必要がない。
【0008】
また、非特許文献1では、表示部を90度回転させることによって、縦長の表示画面および横長の表示画面を自動的に切り替えする携帯通信端末が開示されている。
【非特許文献1】NTTドコモ 「FOMA SH903iTV 取扱説明書」,pp.33,2007年2月28日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の構成では、ユーザが起動しようとしている機能またはアプリケーションが縦長の表示画面および横長の表示画面に対応しているのか否かがよく分からないという問題を生じる。縦長の表示画面の表示状態において、横長の表示画面の表示状態のみで起動できる機能またはアプリケーションを起動しようとした場合、当該機能またはアプリケーションは起動することができないが、ユーザは当該機能またはアプリケーションを起動するためのアイコンやメニューを選択した後に、「このアプリは縦長の表示画面に対応していません」などといった案内メッセージが表示されることになる。
【0010】
これによって、ユーザはアイコンまたはメニューを選択するまで、どのような画面状態に当該機能またはアプリケーションが対応しているのかが分からず、所望の機能またはアプリケーションが起動されないことでストレスを受けることになる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アイコンに対応づけられた機能またはアプリケーションがどのような画面状態に対応しているかをユーザが一目で把握することが可能な携帯端末、当該携帯端末の制御方法、制御プログラム、および記憶媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る携帯端末では、上記問題を解決するために、表示手段を含む第1の筐体と、第1の筐体と回転可能に接続される第2の筐体と、上記第2の筐体に対する上記第1の筐体の回転角度を検出する検出手段と、上記回転角度に基づいて、対応する表示画面を上記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた携帯端末であって、上記表示手段へ表示される表示画面の状態として、上記第1の筐体の表示画面と第2の筐体との上下方向が一致する基準画面表示状態と、上記第2の筐体に対して上記第1の筐体を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、上記携帯端末で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、上記表示制御手段は、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示することを特徴としている。
【0013】
また、本発明の携帯端末における制御方法では、上記の問題を解決するために、表示手段を含む第1の筐体と、第1の筐体と回転可能に接続される第2の筐体と、上記第2の筐体に対する上記第1の筐体の回転角度を検出する検出手段と、上記回転角度に基づいて、対応する表示画面を上記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた携帯端末における制御方法であって、上記携帯端末は、上記携帯端末で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、上記表示手段へ表示される表示画面の状態として、上記第1の筐体の表示画面と第2の筐体との上下方向が一致する基準画面表示状態と、上記第2の筐体に対して上記第1の筐体を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、上記表示制御手段が、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示するステップを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、表示手段が備えられた第1の筐体を第2の筐体に対して回転させることで、表示画面の状態、すなわち、画面のサイズや画面の角度を変更し、変更された表示画面の状態に対応する画面を表示する際に、各画面表示状態において有効な機能、無効な機能を、機能に対応付けたアイコンによって表示画面に表示することができる。
【0015】
これによって、アイコンに対応づけられた機能がどのような画面状態に対応しているかをユーザに一目で把握させることが可能な携帯端末を実現することができる。
【0016】
上記の携帯端末では、上記表示制御手段は、画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが有効であることを示すように表示し、上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが無効であることを示すように表示することが好ましい。
【0017】
また、上記の携帯端末では、上記アイコンは上下方向を備え、上記表示制御手段は、上記基準画面表示状態から回転画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を第2の筐体の上下方向と一致するように表示を変更し、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を基準画面表示状態における上下方向のまま表示することが好ましい。
【0018】
また、上記の携帯端末では、上記アイコンは上下方向を備え、上記表示制御手段は、上記回転画面表示状態から基準画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を第2の筐体の上下方向と一致するように表示を変更し、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を回転画面表示状態における上下方向のまま表示することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、あるアイコンに対応づけられた機能が現在の表示画面状態で有効であるか否かをアイコンの表示を変更することでユーザに対して報知するので、ユーザはアイコンの状態を確認するだけで、当該アイコンに対応付けられた機能が有効であるか否かを一目で把握することができる。
【0020】
より具体的には、上記基準画面表示状態から回転画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、第1の筐体および第2の筐体の上下方向が一致している基準画面表示状態において有効な機能に対応づけられたアイコンは、基準画面表示状態における第2の筐体の上下方向と一致するように表示を変更される。
【0021】
逆に、上記回転画面表示状態から基準画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、回転画面表示状態において有効な機能に対応づけられたアイコンは、回転画面表示状態における第2の筐体の上下方向と、当該アイコンの上下方向とが一致するように表示を変更する。
【0022】
そのうえで、上記各画面表示状態において有効でない機能に対応づけられたアイコンについては、変更前の画面表示状態における上下方向に向いたまま新しい表示画面に表示される構成することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、ユーザは表示されたアイコンの状態を確認するだけで、当該アイコンに対応付けられた機能が各画面表示状態において有効であるのか、無効であるのか一目で判断することができる。さらに、表示画面をどのように回転させれば、機能が有効になるかを一目で判断することができる。
【0024】
なお、上記携帯端末の制御方法を、コンピュータの制御によりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で実行させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る携帯端末は、以上のように、機能対応情報に基づいて、基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを表示画面に表示する表示制御手段を備えているので、基準方向を備えたアイコンに対応づけた機能対応情報に基づいて適切なアイコンを表示画面に表示することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0027】
図1は本実施形態の携帯端末1における画面表示の一例を示す図であり、図1(a)は画面が縦長の状態(基準画面表示状態)での表示例、図1(b)は画面が横長な状態(回転画面表示状態)での表示例である。以下、各部の機能について詳細を説明する。
【0028】
携帯端末1は、本体筐体(第2の筐体)2、表示部筐体(第1の筐体)3、ヒンジ(接続手段)部4、TV用アンテナ5、操作部6、マイク7、スピーカ8、および表示出力部(表示手段)9を備えている。表示出力部9には表示画面10が表示され、表示画面10にはアイコン12、アイコン14、およびアイコン16が表示されている。表示画面10の横の矢印は、携帯端末1をユーザが把持した場合の正方向(上側)を指している。
【0029】
ここで、画面およびアイコンの正方向について説明する。本実施形態では、ユーザが本体筐体2を把持した場合に、当該ユーザの視点で表示の上側となる方向を表示画面の正方向としている。また、アイコン12・14・16は、それぞれ、いずれかの方向が上側となることが一目で分かる、方向を持ったアイコンであり、アイコンの上側にあたる方向と表示画面10の上側にあたる方向が一致している状態を、アイコンが正方向の状態にあると呼ぶ。
【0030】
また、図1(a)では、アイコン12およびアイコン14にとって図の上側が正方向、アイコン16にとって図の左側が正方向となっている。図1(b)では、アイコン12およびアイコン16にとって図の上側が正方向、アイコン14にとって図の右側が正方向となっている。ここで、アイコン12は、縦長の画面および横長の画面のどちらでも使用できるアプリケーションに対応付けられている。また、アイコン14は、縦長の画面にのみ表示が対応しているアプリケーションに対応付けられており、アイコン16は、横長の画面のみに表示が対応しているアプリケーションに対応付けられている。
【0031】
本実施形態の各アイコンは、人が微笑んでいる様子を模したスマイルマークを用い、上方の2つの円を目、下方の円弧を口と見なしている。この場合、二つの目が並んでいる側側が上側で、基準となる方向を表している。なお、アイコンはスマイルマークに限定されず、いずれの方向が上側かをユーザが認識することが可能であれば、いかなる図形または文字および線分の組み合わせを用いてもよい。
【0032】
本体筐体2および表示部筐体3はヒンジ部4で連結され、ヒンジ部4を中心に回転させることによって本体筐体2および表示部筐体3を重ね合わせて折りたたむことが可能な構成となっている。また、表示部筐体3は、図示しない回転機構によってヒンジ部4と回転可能に接続されている。図1(a)は表示部筐体3を本体筐体2に対して直線状に配置している状態を示し、図1(b)は表示部筐体3を時計回りに90度回転させた状態を示している。
【0033】
本実施形態の携帯端末1では、本体筐体2と表示部筐体3との相対的な位置において、本体筐体2と表示部筐体3との長手方向が一致する状態から、両者の長手方向がなす角が90度となる状態に、時計周りに回転できる回転機構を有し、本体筐体2と表示部筐体3とを接続している。このヒンジ部4の回転機構により、表示部筐体3が有する表示出力部9の形状を、縦長の矩形形状(基準画面表示状態)、あるいは横長の矩形形状(回転画面表示状態)に切り替えることができる。なおこれ以降では、図1において、本体筐体2に対し表示部筐体3の縦が横よりも長くなるときの表示出力部9の形状を縦長画面とし、表示部筐体3の縦が横よりも短くなるときの表示出力部9の形状を横長画面と呼ぶ。
【0034】
また、本実施形態の携帯端末1では、上述のように表示出力部9の状態が変更されると、表示出力部9に表示する画面(基準画面表示状態)の縦軸および横軸の設定も変更するように構成されている。すなわち、表示部筐体3と本体筐体2との相対的な位置において、本体筐体2と表示部筐体3との長手方向が一致する状態から、両者の長手方向がなす角が90度となる状態に時計周りに回転させる場合、表示領域において画面の縦軸と設定されていた方向を横軸に、画面の横軸と設定されていた方向を縦軸となるように設定を変更する(図6)。
【0035】
つまり、本実施形態の携帯端末1では、本体筐体2に対する表示部筐体3の相対的な位置が変更することにより、アプリケーションプログラム実行により生成される画面を表示する表示出力部9において、この画面の縦軸および横軸の設定が変更される。
【0036】
また、携帯端末1では、図1では図示していないが、ヒンジ部4と表示部筐体3との接続部分に、回転機構による回転方向と回転のタイミングとを検知したり、現在の表示部筐体3の本体筐体2に対する相対位置に関する情報を検知したりする検知部(角度検知手段)10をさらに備えている。そして、検知部18は、この検知した回転機構による回転方向と回転のタイミングに関する情報(筐体角度)を主制御部16に出力したり、あるいは主制御部16からの要求に応じて表示部筐体3の本体筐体2に対する相対的な位置に関する情報を主制御部16に出力したりする。
【0037】
なお、筐体角度に基づく回転情報とは、表示部筐体3が回転機構により回転したタイミングを示す情報と、この回転後の表示部位置情報、すなわち、表示部筐体3における表示出力部9が横長の矩形形状となる位置か、あるいは縦長の矩形形状となる位置かを示す情報とを含む。
【0038】
検知部18は、検知した回転情報を主制御部16に出力したり、あるいは主制御部16からの要求に応じて表示部位置情報を取得し、主制御部16に出力したりする。すなわち、携帯端末1では、検知部18の検知結果により、表示出力部9の現在の形状が、縦長の矩形形状となっているのか、横長の矩形形状となっているのか把握できるように構成されている。
【0039】
本実施形態では、本体筐体2および表示部筐体3の間の角度が0度の状態または時計回りに90度回転させた状態の2つの状態について説明するが、これに限るものではない。90度毎や、45度毎など任意の角度で停止することができる構成であってもよい。また、表示部筐体3の中心を支点として回転する構成ではなく、表示部筐体3の右下や左下の部分でヒンジ部4または本体筐体2に回転可能に接続されている構成であってもよい。所定の角度で本体筐体2および表示部筐体3を固定し、当該角度に対応する画面表示設定が存在すればよい。
【0040】
また、本実施形態では、本体筐体2および表示部筐体3の間の角度が0度、すなわち、本体筐体2および表示部筐体3の両方が縦長の形状で直線になる状態を基準画面表示状態として説明しているが、これに限るものではない。本体筐体2および表示部筐体3の両方が横長の状態を基準状態として、表示部筐体3を90度傾けた状態を回転画面表示状態としてもよい。
【0041】
次に、携帯端末1の各部の機能について、図2および図3を参照して詳細に説明する。図2は、携帯端末1の各部とソフトウェア構成との関係を示す機能ブロック図である。図3は、携帯端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。本体筐体2は、表面に操作部6およびマイク7を、内部にCPUなどで構成されたアプリケーション処理部30や各記憶部などを備えている。表示部筐体3は、表示出力部9および図示しない回転機構を備えている。なお、表示出力部9は表示部筐体3に対して固定されており、表示部筐体3の回転に伴って表示出力部9も回転する。
【0042】
ヒンジ部4は、本体筐体2および表示部筐体3を回転可能に接続している。TV用アンテナ5は、TV放送を受信するためのアンテナである。なお、図示しない通信用アンテナ67は、本体筐体2の内部に格納されている。操作部6は、携帯端末1の各種機能を実行する際にユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスであり、各種キーやタッチパネルなどで構成されている。
【0043】
マイク7は、ユーザからの音声入力を受け付け、内部の処理部に入力する。また、ヒンジ部4は、図示しない検知部18を備えている。スピーカ8は、携帯端末1による音声通話、着信、音楽再生などの機能を実行する際に音声出力を行う。表示出力部9は、携帯端末1における各種機能を実行した結果を表示出力する。
【0044】
図3に示すように、本実施の形態に係る携帯端末1は、上記したヒンジ部4、TV用アンテナ5、操作部6、マイク7、スピーカ8、表示出力部9、検知部18、および通信用アンテナ67に加えて、さらに無線通信処理部61、信号処理部62、表示ドライバ13、第1メモリ64、第2メモリ65、主制御部16、およびデジタル放送受信部68を備えてなる構成である。
【0045】
ここで、第1メモリ64は、バッファ的な役割を果たすものであり、第2メモリ65は、フラッシュメモリのように恒久的にデータを蓄積する役割を果たすものである。なお、携帯端末1の記憶装置である第1メモリ64および第2メモリ65は、携帯端末1の仕様に応じて構成を適宜変更可能であり、例えば、一体として設けてもよい。
【0046】
なお、この第2メモリ65には、携帯端末1においてファイルの管理、メモリの管理、入出力の管理、ユーザーインターフェースなどを提供するためのプログラムであるシステムプログラムや、システムプログラム上で動作するアプリケーションプログラムなどが記憶されている。
【0047】
また、主制御部16は、携帯端末1が備える各部を制御するものであり、例えばCPU等によって実現することができる。ここで、主制御部16が例えば、CPU等によって実現される場合、CPUが、第2メモリ65に記憶しているシステムプログラム(OS)を第1メモリ64に読み出し実行することにより、携帯端末1が有する各部を制御することができる。
【0048】
そして、このように構成された携帯端末1は、以下のようにして、通話機能、テレビ受信機能、およびアプリケーション実行機能などを実行することができる。
【0049】
まず、携帯端末1では、無線通信処理部61による送受信制御のもとに、通信用アンテナ67を介して基地局との信号の送受信を行い、信号処理部62が送受信される信号に対して所定の信号処理を施す。これによって、携帯端末1では、基地局を介して相手側装置から送信されてくる音声をスピーカ8から出力したり、マイク7から入力される音声を、基地局を介して相手側装置に送信したりする、いわゆる通話機能が実現されている。
【0050】
また、携帯端末1では、TV用アンテナ5がOFDM変復調方式により変調された放送信号を受信し、デジタル放送受信部68にてこの放送信号を復調する。そして、信号処理部62が復調した放送信号に対して所定の信号処理を施す。そしてこの受信した放送信号において、映像データを、表示ドライバ13の制御の下、表示出力部9に表示させ、一方、音声データをスピーカ8から出力させる。これにより、テレビ受信機能が実現されている。なお、上記デジタル放送受信部68は、受信する番組のチャンネル設定を行うチューナと、このチューナにより設定された番組の放送データを復調する復調装置とにより実現できる。
【0051】
また、携帯端末1では、操作部6から入力されたユーザからの指示に応じて、主制御部16が第2メモリ65からアプリケーションプログラムを読み出し実行する、いわゆるアプリケーション実行機能を実現することもできる。
【0052】
なお、携帯端末1が有する機能は、上述した通話機能、テレビ受信機能、およびアプリケーション実行機能に限定されるものではなく、例えば、CCD(charge coupled device)やCMOSによって構成された撮像部をさらに備え、画像を撮影するカメラ機能を実現してもよい。
【0053】
ところで、本実施の形態に係る携帯端末1では、上述したように本体筐体2に対して表示部筐体3が90度回転する回転機構を有していた。そして、この表示部筐体3の回転(移動)に応じて、表示出力部9に表示する画面の縦軸と横軸の設定を変更するように構成されていた。
【0054】
このため、表示部筐体3が有する表示出力部9は、縦長の矩形形状となったり、横長の矩形形状となったりする。また、その表示出力部9に表示される画面の縦と横との寸法の比率が変更される(図6)。
【0055】
それ故、アプリケーションプログラムの実行に伴い表示する画面を縦長の矩形形状となる表示領域に適応するように設計している場合に、上記表示出力部9が横長の矩形形状であるとき、この表示出力部9に対してアプリケーションプログラムの実行に伴い表示する画面が対応しないこととなる。
【0056】
そこで、本実施形態の携帯端末1では、筐体角度においてアプリケーションプログラムを適切に実行できるか否かについて判定し、適切に実行できない場合やいずれの画面設定でも実行可能であることが一目で分かるように、アイコンの表示変更を行うように構成されている。なお、このように、現在の表示部筐体3の位置においてアプリケーションプログラムを適切に実行できるか否かについて判定し、アイコンの表示変更を行う処理をこれ以降、アプリケーションの実行適否判定処理と称する。
【0057】
次に、図2を参照して、携帯端末1のソフトウェア構成について説明する。図2は、携帯端末1における画面表示制御処理に関わる各ブロックの構成を示すブロック図である。
【0058】
図2に示すように、本実施形態の携帯端末1は、画面表示の制御を行うために、操作部6、表示出力部9、表示ドライバ13、検知部18、表示方向判定部20、アプリケーション処理部30、対応情報41を記憶する対応情報記憶部40、アイコンデータ51を記憶するアイコンデータ記憶部50を備える。アプリケーション処理部30は、さらに、取得部31、表示可否判定部32、実行処理部33、および実行確認部34を備えている。
【0059】
対応情報41は、アプリケーションプログラムが所定の画面状態(縦長画面、横長画面)で実行可能であるかどうかを示す情報である。すなわち、対応情報41は、アプリケーションプログラム実行後に表示する画面が縦長の矩形形状となる表示出力部9に対応するものであるのか、横長の矩形形状となる表示出力部9に対応するものであるのか、あるいは、これら両者いずれに対しても対応するものであるのかを示す。
【0060】
アイコンデータ51として、縦長の画面および横長の画面の両方で実行することができる機能やアプリケーションに対応付けられたアイコン12、縦長の画面のみで実行することができる機能やアプリケーションに対応付けられたアイコン14、および横長の画面のみで実行することができる機能やアプリケーションに対応付けられたアイコン14が、それぞれ、アイコンデータ記憶部50に格納されている。
【0061】
表示方向判定部20は、検知部18から入力される回転情報、あるいはアプリケーション処理部30からの指示に応じて検知部18から取得した表示部位置情報に基づき、現在の、本体筐体2に対する表示部筐体3の相対的な位置について判定するものである。すなわち、表示方向判定部20は、表示出力部9の形状が縦長の矩形形状であるのか、横長の矩形形状であるのかについて判定する。この表示方向判定部20は、判定した結果をアプリケーション処理部30に出力する。
【0062】
アプリケーション処理部30は、表示方向判定部20による判定結果に基づき、アプリケーションプログラムの実行に伴い表示される画面において設定されている縦軸および横軸それぞれでの大きさが現在の表示部筐体3の位置、すなわち表示出力部9の画面状態に対応するか否か判定し、アプリケーションプログラムの実行処理を行うものである。
【0063】
また、このアプリケーション処理部30は、主制御部16が例えばCPUにより実現される場合、該CPUが、第2メモリ65に記憶されているアプリケーションプログラムを第1メモリに読み出し起動することにより実現される機能ブロックである。なお、第1メモリ64は、バッファ的な役割を果たすものであり、第2メモリ65は、フラッシュメモリのように恒久的にデータを蓄積する役割を果たすものである。
【0064】
取得部31は、操作部6から入力されたアプリケーションプログラムの実行指示に応じて、表示方向判定部20から本体筐体2に対する表示部筐体3の相対的な位置についての判定結果を取得するものである。また、取得部31は、検知部18から入力された上記回転情報に対する、表示方向判定部20による判定結果を受け付けるものでもある。
【0065】
取得部31は、表示方向判定部20から本体筐体2に対する表示部筐体3の相対的な位置についての判定結果を取得した場合、この判定結果を表示可否判定部32に出力する。一方、検知部18から入力された回転情報に対する表示方向判定部20による判定結果を受け付けた場合、この判定結果を実行確認部34に出力する。
【0066】
表示可否判定部32は、取得部31から入力された表示方向判定部20の判定結果に基づき、対応情報記憶部40に記憶された対応情報41を参照して、アプリケーションプログラムの実行により表示させる画面の表示範囲が現在の表示出力部9における画面領域の範囲内に収まっているか否か判定するものである。
【0067】
つまり、表示可否判定部32は、取得部31から入力された情報により、現在の表示出力部9の形状(範囲)を把握することができる。一方、表示可否判定部32は、対応情報41を参照することによって、起動するアプリケーションプログラムが、縦長の表示出力部9に対応するように設計されているのか、横長の表示出力部9に対応するように設計されているのか判断することができる。すなわち、アプリケーションプログラムの実行により表示する画面の表示範囲が、縦長の表示出力部9に収まるのか、横長の表示出力部9に収まるのか判断することができる。
【0068】
このようにして、表示可否判定部32は、アプリケーションプログラムの実行に伴い表示する画面範囲が、現在の表示部筐体3の位置における表示出力部9の形状に対応可能か否か判定することができる。すなわち、表示可否判定部32は、実行するアプリケーションプログラムが現在の表示出力部9において対応可能であるか否か判定することができる。
【0069】
表示可否判定部32は、実行するアプリケーションプログラムが現在の表示出力部9において対応可能であると判定した場合、実行処理部33にアプリケーションプログラムの実行を指示する。この指示に応じて実行処理部33はアプリケーションプログラムの実行を継続する。
【0070】
一方、現在の表示出力部9において実行するアプリケーションプログラムの対応が不可であると判定した場合、実行処理部33にアプリケーションプログラムの実行の停止を指示する。この指示に応じて実行処理部33はアプリケーションプログラムの実行を一時停止する。
【0071】
またさらに、表示可否判定部32は、表示ドライバ13にアイコンデータ51を表示するように指示する。この指示に応じて、表示ドライバ13は、アイコンデータ記憶部50からアイコンデータ51を読み出し、表示出力部9に表示するように制御する。なお、この表示出力部9に表示させるアイコンデータ51の内容としては、例えば、以下の例を挙げることができる。
【0072】
すなわち、表示出力部9が横長の矩形形状となる位置に表示部筐体3がある場合において、このときの表示出力部9の形状に、アイコンに対応付けられたアプリケーションプログラムが起動できないと表示可否判定部32が判定したとき、当該アプリケーションに対応付けられたアイコンを変更しない。すなわち、表示部筐体3を横にしても、アイコンは新たな画面の上側に対応させて表示方向の変更を行わない。なお、ここでの「横に」とは、表示出力部9が横長の矩形形状となる位置に、表示部筐体3を移動(回転)させるという意味である。
【0073】
実行処理部33は、アプリケーションプログラムを実行したり、停止したりするためのものである。また、実行処理部33は、後述する実行確認部34からの、アプリケーションプログラムの実行状況の問い合わせに対し応答するものでもある。
【0074】
実行確認部34は、取得部31から回転情報に対する表示方向判定部20による判定結果が入力された場合、実行処理部33に問い合わせて、携帯端末1におけるアプリケーションプログラムの実行状態を確認するものである。
【0075】
実行確認部34は、回転情報に対する表示方向判定部20による判定結果が入力されたときに、アイコンデータ51に基づく表示が行われ、アプリケーションプログラムの実行が一時停止されていると確認した場合、現在の表示出力部9の方向がアプリケーションに対応していない旨の表示を消去するように表示ドライバ13に指示する。そして、実行処理部33に対して一時停止しているアプリケーションプログラムの実行を再開するように指示する。
【0076】
また、実行確認部34は、回転情報に対する上記表示方向判定部20による判定結果が入力されたとき、実行確認部34がアプリケーションプログラムを実行していると判定した場合、表示可否判定部32に指示して、移動後の表示部筐体3の位置に対して、実行しているアプリケーションプログラムが対応しているか否か判定している。
【0077】
以下に、上記した構成を有する携帯端末1におけるアプリケーションプログラムの実行適否判定処理およびアイコンの表示変更処理のフローについて図4を参照して説明する。
【0078】
図4は、携帯端末1におけるアプリケーションプログラムの実行適否判定処理およびアイコン表示変更処理フローを説明するフロー図である。
【0079】
処理が開始されると、S101において、表示方向判定部20は、表示出力部9における表示画面の形状が縦長の表示画面であるか、横長の表示画面であるかを、検知部18による検出結果に基づいて判定する。表示画面が縦長の場合(S101で縦長)、処理はS102へ進む。表示画面が横長の場合(S101で横長)、処理はS103へ進む。
【0080】
S102において、表示可否判定部32は、現在、起動しようとしている機能またはアプリケーションが、縦長の表示画面に対応しているか否かを判断する。当該機能またはアプリケーションが縦長の表示画面に対応している場合(S102でYES)、処理はS104へ進む。対応していない場合(S102でNO)、処理はS105へ進む。
【0081】
S104において、実行確認部34は表示ドライバ13を用いて、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを、現在の表示画面における上側と揃えて正立表示するようにアイコンを変更する。すなわち、現在の表示画面は縦長であり、当該機能またはアプリケーションが縦長の表示画面の設定に対応しているので、現在の縦長の表示画面における上側にあわせて、アイコンの上側も同様の方向に向くように変更する。これによって、ユーザが本体筐体2を把持した場合の上側と、現在の表示画面の上側が揃えて表示されるので、当該機能またはアプリケーションが縦長の表示画面に対応していることをユーザが一目で把握することができる(図1(a)のアイコン12およびアイコン14)。
【0082】
S105において、実行確認部34は表示ドライバ13を用いて、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを、横に90度回転させたアイコンに変更する。すなわち、現在の表示画面は縦長であり、当該機能またはアプリケーションが縦長の表示画面に対応していないので、当該機能またはアプリケーションが縦長の画面に対応していないことをユーザに明示するために、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを左へ90度回転させたものに変更する。これによって、現在の表示画面の上側から90度回転されたアイコンが表示されるので、ユーザは表示出力部9を90度右へ回転させることで当該機能またはアプリケーションを起動することができ、現在は起動できない状態であることを一目で把握することができる(図1(a)のアイコン16)。
【0083】
S103において、表示可否判定部32は、現在、起動しようとしている機能またはアプリケーションが、横長の表示画面に対応しているか否かを判断する。当該機能またはアプリケーションが横長の表示画面に対応している場合(S103でYES)、処理はS106へ進む。対応していない場合(S103でNO)、処理はS107へ進む。
【0084】
S106において、実行確認部34は表示ドライバ13を用いて、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを、現在の表示画面における上側と揃えて正立表示するようにアイコンを変更する。すなわち、現在の表示画面は横長であり、当該機能またはアプリケーションが横長の表示画面の設定に対応しているので、現在の横長の表示画面における上側にあわせて、アイコンの上側も同様の方向に向くように変更する。これによって、ユーザが本体筐体2を把持した場合の上側と、現在の表示画面の上側が揃えて表示されるので、当該機能またはアプリケーションが横長の表示画面に対応していることをユーザが一目で把握することができる(図1(b)のアイコン12およびアイコン16)。
【0085】
S107において、実行確認部34は表示ドライバ13を用いて、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを、横に90度回転させたアイコンに変更する。すなわち、現在の表示画面は横長であり、当該機能またはアプリケーションが横長の画面に対応していないことをユーザに明示するために、当該機能またはアプリケーションに対応するアイコンを右へ90度回転させたものに変更する。これによって、現在の表示画面の上側から90度回転されたアイコンが表示されるので、ユーザは表示出力部9を90度左へ回転させることで当該機能またはアプリケーションを起動することができ、現在は起動できない状態であることを一目で把握することができる(図1(b)のアイコン14)。
【0086】
以上のようにして、携帯端末1では、表示部筐体3の、本体筐体2に対する相対的な位置の変更が生じた際における、機能またはアプリケーションの実行適否判定を実行することができる。
【0087】
したがって、本実施の形態の携帯端末1では、機能またはアプリケーションの実行時および表示部筐体3の回転時において、実行する機能またはアプリケーションの表示画面が表示出力部9の現在の表示画面形状に対応しているか判定することができる。
【0088】
ここで、縦長の画面設定または横長の画面設定に機能またはアプリケーションが対応していない場合、携帯端末1では実行するアプリケーションプログラムの表示画面が対応する表示出力部9の形状と同じ向きになるように、すなわち、表示出力部9における表示画面の縦軸および横軸の設定がアプリケーションプログラムにより表示できる画面の縦軸および横軸に対応するように、表示部筐体3の回転をユーザにアイコンの方向を示すことで促すことができる。
【0089】
つまり、表示部筐体3の回転、すなわち表示出力部9において表示する画面の縦軸および横軸の設定を変更するように促すことができるアイコンを表示するため、現在の表示出力部9における表示画面の縦軸および横軸の設定では、機能またはアプリケーションの実行により生成される画面が表示出力部9内に表示できない場合であっても、この縦軸および横軸の設定を変更し適切に画面の表示を行うことができる。
【0090】
このため、例えば、アプリケーションを提供する著作権者が、該アプリケーションを実行することにより表示される画面のデザイン、レイアウト等が崩れることを嫌い、この画面の拡大、縮小等を許可しない場合であっても特に拡大縮小等行うことなく、適切に表示させることができる。
【0091】
さらにまた、本実施形態の携帯端末1では、実行対象となるアプリケーションプログラムを、縦横比が異なる表示領域のそれぞれに対応して表示できるものとなるように予め設計しておく必要がないため、アプリケーションプログラムの開発に掛かる費用を低減させることができる。
【0092】
さらには、現在の表示出力部9の表示画面形状を把握するとともに、実行するアプリケーションプログラムの対応可能な表示出力部9の表示画面形状を確認し、必要に応じて表示部筐体3の回転を指示するアイコンを表示する構成である。このため、本実施形態の携帯端末1は、対応可能な表示出力部9の形状に関する情報を保持さえしていれば、外部からロードしたJava(登録商標)アプリのようなアプリケーションプログラムに対しても適用することができる。
【0093】
次に、図5および図6を参照して、縦長の表示画面および横長の表示画面の具体的なサイズについて説明する。図5は、本実施形態の携帯端末1で保持する表示範囲情報の一例を示す図である。また、図6は、本実施形態の携帯端末1が備える表示出力部9と、表示出力部9に表示する画面の縦サイズおよび横サイズとを説明する図である。
【0094】
本実施形態の携帯端末1では、第2メモリ65として実現できる表示範囲情報記憶部69、およびデータ記憶部70をさらに備えている。そして、表示範囲情報記憶部69は、表示範囲情報を記憶し、データ記憶部70は、表示データを記憶している。
【0095】
表示範囲情報は、アプリケーションプログラムの実行により表示される画面範囲に関する情報である。より具体的には、図5に示すように表示出力部9の形状が縦長形状となる場合(すなわち、画面の縦軸が横軸よりも長くなる場合)、横長形状となる場合(すなわち、画面の縦軸が横軸よりも短くなる場合)それぞれにおいて、アプリケーションプログラムの実行による画面が表示できる縦軸および横軸それぞれのサイズ情報である。なお、この縦サイズおよび横サイズは、図6に示すように、表示出力部9の形状が縦長形状となる場合、横長形状となる場合それぞれの場合についてアプリケーションプログラム内で予め設定されている。
【0096】
表示データは、アプリケーションプログラム実行時に読み出される画像データであり、アプリケーションプログラムの実行に伴いこの表示データに基づき生成された画面が、アプリケーションプログラム実行により生成された画面上に表示される。
【0097】
なお、本実施の形態に係る携帯端末1では、アプリケーションプログラムの実行時に利用する表示データを予め保持している構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、アプリケーションプログラム実行時に通信用アンテナ67、無線通信処理部61、および信号処理部62を用いて外部からこの表示データを取得できる構成であってもよい。
【0098】
また、本実施形態では、スマイルマークをどちらが上側か一目で分かる図形としてアイコンに用いたがこれに限るものではない。図7のように、3桁×4行の桝目に画面を区切り、それぞれの桝目に文字で機能またはアプリケーションの内容を記載してもよい。
【0099】
図7は、罫線および文字を用いて機能またはアプリケーションを起動するアイコンを構成した画面構成の一例を示す図である。図7では、「ネット」「アプリ」「カメラ」「メール」「データBOX」「電話帳」「設定」「便利ツール」「メディアツール」という9つの機能またはアプリケーションに対応付けられたアイコンとして、罫線および文字列が用いられている。文字列をアイコンに用いた場合は、文字列を読み取ることができる文字の上側を正方向とすればよい。
【0100】
以上のように、本実施形態の携帯端末1は、表示出力部9を含む表示部筐体3と、表示部筐体3と回転可能に接続される第2の筐体と、表示部筐体3に対する本体筐体2の回転角度を検出する検出手段と、上記回転角度に基づいて、対応する表示画面を表示出力部9に表示させる表示ドライバ13とを備えた携帯端末1であって、表示出力部9へ表示される表示画面の状態として、表示部筐体3の表示画面と本体筐体2との上下方向が一致する基準画面表示状態と、表示部筐体3に対して本体筐体2を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、携帯端末1で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、表示ドライバ13は、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示している。
【0101】
また、本発明の携帯端末1における制御方法では、表示出力部9を含む表示部筐体3と、表示部筐体3と回転可能に接続される本体筐体2と、表示部筐体3および第2の角度を検出する検出手段と、上記角度に基づいて、対応する表示画面を表示出力部9に表示させる表示ドライバ13とを備えた携帯端末における制御方法であって、携帯端末1は、携帯端末1で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、表示出力部9へ表示される表示画面の状態として、表示部筐体3の表示画面と本体筐体2との上下方向が一致する基準画面表示状態と、表示部筐体3または本体筐体2を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、表示ドライバ13が、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示するステップを含んでいる。
【0102】
上記の構成によれば、表示出力部9が備えられた表示部筐体3を、ユーザが把持する本体筐体2に対して回転させることで、表示画面の状態、すなわち、画面のサイズや画面の角度を変更し、変更された表示画面の状態に対応する画面を表示する際に、基準となる画面表示状態において有効な機能、回転させた画面表示状態において有効な機能、および、両方の画面表示状態で有効な機能を、基準方向を備えたアイコンに対応づけた機能対応情報に基づいて、表示ドライバ13は適切なアイコンを表示画面に表示することができる。
【0103】
これによって、アイコンに対応づけられた機能がどのような画面状態に対応しているかをユーザに一目で把握させることが可能な携帯端末1を実現することができる。
【0104】
上記の携帯端末1では、表示ドライバ13は、画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが有効であることを示すように表示し、上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが無効であることを示すように表示している。
【0105】
また、上記の携帯端末1では、上記アイコンは上下方向を備え、表示ドライバ13は、上記基準画面表示状態から回転画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を本体筐体2の上下方向と一致するように表示を変更し、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を基準画面表示状態における上下方向のまま表示している。
【0106】
また、上記の携帯端末1では、上記アイコンは上下方向を備え、表示ドライバ13は、上記回転画面表示状態から基準画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を本体筐体2の上下方向と一致するように表示を変更し、上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を回転画面表示状態における上下方向のまま表示している。
【0107】
上記の構成によれば、あるアイコンに対応づけられた機能が現在の表示画面状態で有効であるか否かをアイコンの表示を変更することでユーザに対して報知するので、ユーザはアイコンの状態を確認するだけで、当該アイコンに対応付けられた機能が有効であるか否かを一目で把握することができる。
【0108】
より具体的には、上記基準画面表示状態から回転画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、表示部筐体3および本体筐体2の上下方向が一致している基準画面表示状態において有効な機能に対応づけられたアイコンは、基準画面表示状態における本体筐体2の上下方向と一致するように表示を変更される。
【0109】
逆に、上記回転画面表示状態から基準画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、回転画面表示状態において有効な機能に対応づけられたアイコンは、回転画面表示状態における本体筐体2の上下方向と、当該アイコンの上下方向とが一致するように表示を変更される。
【0110】
そのうえで、上記各画面表示状態において有効でない機能に対応づけられたアイコンについては、変更前の画面表示状態における上下方向に向いたまま新しい表示画面に表示される構成している。
【0111】
上記の構成によれば、ユーザは表示されたアイコンの状態を確認するだけで、当該アイコンに対応付けられた機能が各画面表示状態において有効であるのか、無効であるのか一目で判断することができる。さらに、表示画面をどのように回転させれば、機能が有効になるかを一目で判断することができる。
【0112】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0113】
最後に、携帯端末1の各ブロック、特に主制御部16およびアプリケーション処理部30内の各機能ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0114】
すなわち、携帯端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0115】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0116】
また、携帯端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係る携帯端末は、以上のように、機能対応情報に基づいて、基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを表示画面に表示する表示制御手段を備えているので、基準方向を備えたアイコンに対応づけた機能対応情報に基づいて適切なアイコンを表示画面に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、携帯端末の要部構成を示す概略図であって、図1(a)は画面が縦長の状態での表示例、図1(b)は画面が横長な状態での表示例である。
【図2】上記携帯端末の各部とソフトウェア構成との関係を示す機能ブロック図である。
【図3】上記携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】上記携帯端末におけるアプリケーションプログラムの実行適否判定処理およびアイコン表示変更処理フローを説明するフロー図である。
【図5】上記携帯端末で保持する表示範囲情報の一例を示す図である。
【図6】上記携帯端末が備える表示出力部と表示出力部に表示する画面の縦サイズおよび横サイズとを説明する図である。
【図7】上記携帯端末において、罫線および文字を用いて機能またはアプリケーションを起動するアイコンを構成した画面構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
1 携帯端末
2 本体筐体(第2の筐体)
3 表示部筐体(第1の筐体)
4 ヒンジ部
5 TV用アンテナ
6 操作部
7 マイク
8 スピーカ
9 表示出力部(表示手段)
10 表示画面
12 アイコン
13 表示ドライバ(表示制御手段)
14 アイコン
16 アイコン
16 主制御部
18 検知部(検出手段)
20 表示方向判定部
30 アプリケーション処理部
31 取得部
32 表示可否判定部
33 実行処理部(表示制御手段)
34 実行確認部
40 対応情報記憶部(記憶手段)
41 対応情報(機能対応情報)
50 アイコンデータ記憶部(記憶手段)
51 アイコンデータ
61 無線通信処理部
62 信号処理部
64 第1メモリ
65 第2メモリ
67 通信用アンテナ
68 デジタル放送受信部
69 表示範囲情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を含む第1の筐体と、
第1の筐体と回転可能に接続される第2の筐体と、
上記第2の筐体に対する上記第1の筐体の回転角度を検出する検出手段と、
上記回転角度に基づいて、対応する表示画面を上記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた携帯端末であって、
上記表示手段へ表示される表示画面の状態として、
上記第1の筐体の表示画面と第2の筐体との上下方向が一致する基準画面表示状態と、
上記第2の筐体に対して上記第1の筐体を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、
上記携帯端末で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
上記表示制御手段は、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
上記表示制御手段は、画面表示状態が変更された場合に、
上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが有効であることを示すように表示し、
上記アイコンに対応付けられた機能が当該画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンが無効であることを示すように表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
上記アイコンは上下方向を備え、
上記表示制御手段は、
上記基準画面表示状態から回転画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、
上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を第2の筐体の上下方向と一致するように表示を変更し、
上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記回転画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を基準画面表示状態における上下方向のまま表示することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
上記アイコンは上下方向を備え、
上記表示制御手段は、
上記回転画面表示状態から基準画面表示状態に画面表示状態が変更された場合に、
上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において有効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を第2の筐体の上下方向と一致するように表示を変更し、
上記アイコンに対応付けられたある機能が、上記基準画面表示状態において無効である場合、当該機能に対応付けられたアイコンの上下方向を回転画面表示状態における上下方向のまま表示することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項5】
表示手段を含む第1の筐体と、
第1の筐体と回転可能に接続される第2の筐体と、
上記第2の筐体に対する上記第1の筐体の回転角度を検出する検出手段と、
上記回転角度に基づいて、対応する表示画面を上記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた携帯端末における制御方法であって、
上記携帯端末は、上記携帯端末で実行される機能の起動に対応付けられたアイコンと、当該機能が上記基準画面状態および回転画面状態で有効か無効かを示す情報とを対応付けた機能対応情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
上記表示手段へ表示される表示画面の状態として、
上記第1の筐体の表示画面と第2の筐体との上下方向が一致する基準画面表示状態と、
上記第2の筐体に対して上記第1の筐体を所定の角度だけ回転させた回転画面表示状態とを少なくとも含み、
上記表示制御手段が、上記機能対応情報に基づいて、上記基準画面表示状態および回転画面表示状態に対応するアイコンを上記表示画面に表示するステップを含むことを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項6】
請求項1から4に記載の携帯端末を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記表示制御手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−289014(P2008−289014A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133510(P2007−133510)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】