説明

携帯端末、及び、携帯端末の表示制御方法

【課題】覗き見が困難な携帯端末及び携帯端末の表示制御方法を提供すること。
【解決手段】携帯端末1は、モニタ装置1h、ディスプレイパネル1g1、及び、表示フィルタ1g2を備える。携帯端末1は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出する。携帯端末1は、検出した顔画像に基づいて、表示フィルタ1g2のフィルタリングの機能のオン・オフを制御する。フィルタリング機能がオンされることによって覗き見が防止可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末と携帯端末の表示制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
電車内等において携帯電話を利用してメールやインターネット閲覧する場合、背後等から携帯電話のディスプレイが覗かれないように、表示画面をフィルタリングする覗き見防止機能が開発されている。特許文献1の携帯端末は、他人に覗き見されては困る部分のみを見え難くすることで表示画面の見易さとプライバシーの保護とを両立させた覗き見防止機能を備え、ディスプレイに情報を表示する際に、表示する情報から特定の情報を検索して、特定の情報が抽出された場合は、抽出された特定の情報の表示属性を視認性が低下するような表示属性に変更して、情報をディスプレイに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−288856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような従来の覗き見防止機能を有効にするためには、ユーザによる指示入力が必要となる。このため、表示画面が後ろから実際に覗かれている場合であっても、覗かれていることにユーザが気付かない場合には、覗き見防止機能は有効にされない。よって、上記従来技術では、ユーザのプライバシーを十分に守ることは困難である。そこで、本発明は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、覗き見が困難な携帯端末及び携帯端末の表示制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る携帯端末は、ディスプレイパネルと該ディスプレイパネルの表示面に設けられており該表示面を覆う表示フィルタとを有する表示装置と、上記表示装置の設けられている主面に設けられており該主面の前方の風景をモニタするためのモニタ装置と、上記モニタ装置によって得られるモニタ画像を解析する画像解析手段と、上記表示フィルタの動作を制御する表示フィルタ制御手段と、を備え、上記表示フィルタは、上記ディスプレイパネルの表示をフィルタリングする機能を有しており、上記画像解析手段は、上記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出し、上記表示フィルタ制御手段は、上記画像解析手段によって検出される顔画像に基づいて、上記表示フィルタの上記機能のオン・オフを制御する。このように、モニタ装置によって得られるモニタ画像から顔画像が検出され、この検出された顔画像を用いて、表示フィルタのフィルタリングの機能のオン・オフが制御されるので、フィルタリングのオン・オフが、ユーザによる指示入力を伴わずに行える。従って、モニタ装置によって得られる顔画像を用いることによって、覗き見されていることにユーザが気付いているか否かにかかわらず、表示フィルタのフィルタリングのオン・オフが可能となる。
【0006】
本発明に係る携帯端末では、上記表示フィルタによるフィルタリングの対象となる内容を上記ディスプレイパネルに表示するフィルタリング対象動作のリストが格納されている記録装置と、当該携帯端末の動作を指示する動作指示が入力される入力装置と、上記入力装置に入力された動作指示の対象となる動作が、上記フィルタリング対象動作であるか否か、を判定する動作判定手段と、を更に備え、上記画像解析手段は、上記入力装置に入力された動作指示の対象となる動作が上記フィルタリング対象動作である、と上記動作判定手段によって判定された場合に、上記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像の検出を行う。このように、入力装置に入力された動作指示が予め設定されているフィルタリング対象動作である場合にのみ、画像解析手段による顔画像の検出が行われる。従って、フィルタリング対象動作ではない動作指示が入力装置に入力された場合には、表示フィルタのフィルタリング機能はオンとされないので、電力消費を低減でき、更に、フィルタリング機能を用いる必要の無い動作の場合にはフィルタリング機能によって携帯端末の画面が見え難くなることを回避できる。
【0007】
本発明に係る携帯端末では、上記画像解析手段は、上記モニタ装置によって得られるモニタ画像から複数の人物の顔画像を検出した場合に、この検出した複数の人物の顔画像が当該携帯端末のメモリに予め格納されている顔画像に対応しているか否かを判定し、上記表示フィルタ制御手段は、上記画像解析手段によって検出された複数の人物の顔画像のうち少なくとも一の顔画像が上記メモリに予め格納されている顔画像に対応していないと上記画像解析手段によって判定された場合に、上記表示フィルタの上記機能をオンにする。このように、記録装置に予め格納されていない未登録の顔画像がモニタ画像に含まれている場合には、この顔画像の人物によって携帯端末の画面が覗き見されている可能性があるので、表示フィルタのフィルタリング機能がオンされる。従って、モニタ画像に未登録の顔画像が含まれているか否かが判定されるので、携帯端末の画面が覗き見されている可能性のある場合に、表示フィルタのフィルタリング機能を効果的にオン可能となる。
【0008】
本発明に係る携帯端末では、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムが起動されたか否かを判定する起動判定手段と、上記モニタ装置の動作を制御するモニタ装置制御手段と、を更に備え、上記モニタ装置制御手段は、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムが起動されたと上記起動判定手段によって判定されると、上記モニタ装置を起動する。フィルタリング対象動作が用いられるアプリケーションプログラム(メーラ又はブラウザ)が起動された場合にのみ、モニタ装置が起動されるので、フィルタリング対象動作が用いられない他のアプリケーションプログラムが起動されている場合にはモニタ装置は起動されない。従って、モニタ装置の駆動に必要な電力の消費を抑制できる。
【0009】
本発明に係る携帯端末の表示制御方法は、ディスプレイパネルと該ディスプレイパネルの表示面に設けられており該表示面を覆う表示フィルタとを有する表示装置と、上記表示装置の設けられている主面に設けられており該主面の前方の風景をモニタするためのモニタ装置とを有する携帯端末の表示制御方法であって、上記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出するステップと、上記ステップにおいて検出された顔画像に基づいて、上記表示フィルタの上記機能のオン・オフを制御するステップと、を備える。このように、モニタ装置によって得られるモニタ画像から顔画像が検出され、この検出された顔画像を用いて、表示フィルタのフィルタリングの機能のオン・オフが制御されるので、フィルタリングのオン・オフが、ユーザによる指示入力を伴わずに行える。従って、モニタ装置によって得られる顔画像を用いることによって、覗き見されていることにユーザが気付いているか否かにかかわらず、表示フィルタのフィルタリングのオン・オフが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、覗き見が困難な携帯端末及び携帯端末の表示制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態に係る携帯端末の構成を説明するための図である。
【図2】図2は、実施形態に係る携帯端末の構成を説明するための図である。
【図3】図3は、実施形態に係る携帯端末の構成を説明するための図である。
【図4】図4は、実施形態に係る携帯端末のモニタ装置の機能を説明するための図である。
【図5】図5は、実施形態に係る携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1、図2及び図3は、携帯端末1の構成を示す図である。携帯端末1は、携帯型のコンピュータ端末であり、例えば、携帯電話である。なお、本発明に係る携帯端末は、携帯端末1に限らず、携帯型のノートパソコンや、通信機能を有さない携帯型のコンピュータであることもできる。図1は、携帯端末1の概観を示す図であり、図2は、携帯端末1の物理的構成を示す図であり、図3は、携帯端末1の機能的構成を示す図である。
【0013】
図2を参照すれば、携帯端末1は、物理的には、CPU1a、ROM1b、RAM1c、通信装置1d、入力装置1e、記録装置1f、表示装置1g、モニタ装置1h及びバスBusを有しており、CPU1aは、ROM1b及び記録装置1f等の携帯端末1の内蔵メモリに格納されたコンピュータプログラム(例えば、図5のフローチャートに示す処理を行うためのコンピュータプログラム)をRAM1cにロードして実行することによって携帯端末1を統括的に制御する。
【0014】
通信装置1dは、電話通信用のインターフェース及びデータ通信用のインターフェースを有する。入力装置1eは、携帯端末1の動作を指示する動作指示を示すコマンドデータを入力するための複数の入力キーを有する。入力装置1eを介して入力された動作指示を示すコマンドデータはCPU1aに入力される。
【0015】
記録装置1fは、読み出し/書き込みが可能なメモリである。記録装置1fは、携帯端末1が実行可能な複数のアプリケーションプログラム、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ、及び、アプリケーションプログラムの実行によって生成された(又は取得された)データ等、を格納することができる。アプリケーションプログラムは、例えば、メーラ、ブラウザ、ゲーム、オーディオ等である。特に、メーラは、電子メールを送受信するためのアプリケーションプログラムであり、ブラウザは、インターネット上のウェブページを閲覧するためのアプリケーションプログラムである。
【0016】
記録装置1fは、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムのリストデータを格納する。フィルタリング対象動作は、覗き見を防止するための表示フィルタ1g2によるフィルタリングの対象となる内容をディスプレイパネル1g1に表示する動作であり、本実施形態においては、メーラ及びブラウザが該当する。なお、本実施形態においては、メーラ及びブラウザのみがフィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムとしているが、これに限らない。フィルタリング対象動作は、覗き見防止の対象となる動作であり、メーラの場合、例えば、メール作成動作、メール編集動作、メール送受信動作、未送信メール閲覧動作、SMSメール作成動作(SMS:Short Message Service)、SMSメール編集動作、SMSメール送受信動作、未送信SMSメール閲覧動作、等であり、ブラウザの場合、例えば、文字入力動作、ウェブページ(例えば、ユーザが事前登録したURLのウェブページ)の閲覧動作、等である。記録装置1fは、上記のような複数のフィルタリング対象動作を示すリストデータを予め格納する。
【0017】
記録装置1fは、携帯端末1のユーザの顔画像(図4に示す顔画像F1)を格納するが、ユーザによって登録された他の顔画像を格納することができる。実施形態では、記録装置1fに格納されている顔画像は、携帯端末1のユーザの顔画像F1のみであるとする。記録装置1fに格納されている顔画像は、後述の画像解析部1a5によって行われる処理に用いられる。
【0018】
表示装置1gは、CPU1aから指示される表示データを表示するための装置であり、ディスプレイパネル1g1及び表示フィルタ1g2を有する。ディスプレイパネル1g1は、液晶ディスプレイパネル又は有機ELディスプレイパネル等とすることができる。表示フィルタ1g2は、ディスプレイパネル1g1の表示面3aに設けられており表示面3aを覆い(例えば、表示面3aの全体を覆い)、ディスプレイパネル1g1の表示(表示面3aからの画像光)をフィルタリングするフィルタリング機能を有する。表示面3aからの画像光の一部又は全部は、表示フィルタ1g2を透過し、ユーザは、画面3b(表示フィルタ1g2の表面)を介して、表示面3aに表示される画像を見る。
【0019】
表示フィルタ1g2は、視野角の調整が可能なフィルタであることができる。このフィルタは、液晶分子を含む。このフィルタは、電圧を印加し液晶分子の配列を変化させることによって(フィルタリング機能がオン)、表示フィルタ1g2を透過する画像光の進行方向を、所望とする方向に、調整できる。例えば、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオンし、表示フィルタ1g2を透過する画像光の進行方向を、画面3bの正面方向に調整することによって、携帯端末1のユーザの周囲(特に背後)に立っている人物によって画面3bに映し出される画像を覗き見されにくくすることができる。
【0020】
モニタ装置1hは、表示装置1gの設けられている携帯端末1の主面3に設けられており主面3の前方の風景(例えば図4に示す顔H1及び顔H2等)をモニタするための装置であり、カメラを有する。このカメラは、比較的に広範囲の風景画像を取得することが可能なレンズ(広角レンズ等と称される場合がある)を有することができる。モニタ装置1hによって取得される画像は、例えば図4に示すように、携帯端末1を操作中のユーザ(顔H1)の背後に他の人物(顔H2)が立っている場合、ユーザの顔H1に対応する顔画像F1と、ユーザの背後に立っている他の人物の顔H2に対応する顔画像F2と、を含むモニタ画像1h1である。
【0021】
また、図3を参照すると、携帯端末1は、機能的には、アプリケーション実行部1a1、起動判定部1a2(起動判定手段)、モニタ装置制御部1a3(モニタ装置制御手段)、動作判定部1a4(動作判定手段)、画像解析部1a5(画像解析手段)及び表示フィルタ制御部1a6(表示フィルタ制御手段)を有する。位置登録部91a、アプリケーション実行部1a1、起動判定部1a2、モニタ装置制御部1a3、動作判定部1a4、画像解析部1a5及び表示フィルタ制御部1a6は、CPU1aが携帯端末1の内蔵メモリ(ROM1bや記録装置1f等)に格納されたコンピュータプログラム(アプリケーションプログラムを含む)を実行することによって実現される機能である。
【0022】
CPU1aは、このコンピュータプログラムを実行することによって(アプリケーション実行部1a1、起動判定部1a2、モニタ装置制御部1a3、動作判定部1a4、画像解析部1a5及び表示フィルタ制御部1a6を用いて)、図5のフローチャートに示す処理を順次実行する。このコンピュータプログラムの実行に必要な各種データ、及び、このコンピュータプログラムの実行によって生成される各種データは、携帯端末1の内蔵メモリ(ROM1b、RAM1c及び記録装置1f)に格納されることができる。
【0023】
アプリケーション実行部1a1は、記録装置1fに格納されているアプリケーションプログラムを実行する。起動判定部1a2は、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラム(メーラ又はブラウザ)がアプリケーション実行部1a1によって起動されたか否かを、記録装置1fに格納されているリストデータ(フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムを示すリストデータ)に基づいて、判定する。モニタ装置制御部1a3は、モニタ装置1hの動作(特に、モニタ装置1hの起動・停止)を制御する。モニタ装置制御部1a3は、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムがアプリケーション実行部1a1によって起動されたと起動判定部1a2によって判定されると、モニタ装置1hを起動する。動作判定部1a4は、入力装置1eに入力された動作指示の対象となる動作がフィルタリング対象動作であるか否か、を判定する。
【0024】
画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像(例えば、図4に示すモニタ画像1h1)を解析する。画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出する。画像解析部1a5は、入力装置1eに入力された動作指示の対象となる動作がフィルタリング対象動作である、と動作判定部1a4によって判定された場合に、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像の検出を行う。画像解析部1a5は、例えば、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像が図4に示すモニタ画像1h1の場合、ユーザの顔画像F1と、ユーザの背後に立っている他の人物の顔画像F2とを検出する。画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から複数の人物の顔画像が含まれている場合に、この検出した複数の人物の顔画像が記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応しているか否かを判定する。画像解析部1a5は、例えば、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像が図4に示すモニタ画像1h1の場合、ユーザの顔画像F1と、ユーザの背後に立っている他の人物の顔画像F2とを検出し、この検出した顔画像F1及び顔画像F2が、記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応しているか否かを判定する。
【0025】
表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2の動作を制御する。表示フィルタ制御部1a6は、画像解析部1a5によって検出される顔画像に基づいて、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能のオン・オフを制御する。表示フィルタ制御部1a6は、画像解析部1a5によって検出された一又は複数の人物の顔画像のうち少なくとも一の顔画像が記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応していないと画像解析部1a5によって判定された場合に、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオンにする。例えば、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像が図4に示すモニタ画像1h1であって、記録装置1fに予め格納されている顔画像が顔画像F1のみの場合、画像解析部1a5によって検出された顔画像F1及び顔画像F2のうち顔画像F2が記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応していないと画像解析部1a5によって判定されると、表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオンにする。表示フィルタ1g2のフィルタリング機能がオンされることによって、顔画像F2に対応する人物による覗き見が防止可能となる。
【0026】
次に、図5を参照して、携帯端末1の動作を説明する。まず、起動判定部1a2は、アプリケーション実行部1a1によって、メーラ又はブラウザ(すなわち、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラム)が起動されたか否かを、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムを示し記録装置1fに格納されているリストデータを用いて判定し(ステップS1)、起動されていないと判定すると(ステップS1;NO)、起動されるまでこの判定を繰り返す。メーラ又はブラウザが起動されたと起動判定部1a2によって判定されると(ステップS1;YES)、モニタ装置制御部1a3は、モニタ装置1hを起動する(ステップS2)。ステップS2の後、動作判定部1a4は、入力装置1eを介して入力された動作指示が、フィルタリング対象動作を行うための指示であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0027】
入力装置1eを介して入力された動作指示がフィルタリング対象動作を行うための指示であると動作判定部1a4によって判定されると(ステップS3;YES)、画像解析部1a5は、モニタ画像1h1から人物の顔に対応する顔画像(例えば顔画像F1及び顔画像F2)を検出する(ステップS4)。画像解析部1a5は、ステップS4において検出した顔画像の数を計数し、検出した顔画像の数が複数であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0028】
画像解析部1a5は、顔画像の数が複数であると判定した場合(ステップS5;YES)、ステップS4において検出した顔画像(例えば顔画像F1及び顔画像F2)のうち記録装置1fに格納されていない顔画像が存在するか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、画像解析部1a5は、ステップS4において検出した顔画像と記録装置1fに予め格納されている顔画像とを比較することによって、ステップS4において検出した顔画像に対応する(一致する)顔画像が記録装置1fには予め格納されていないか、につき判定する。ステップS4において検出した顔画像(顔画像F1及び顔画像F2)のうち記録装置1fに格納されていない顔画像(例えば顔画像F2)が存在すると画像解析部1a5によって判定されると(ステップS6;YES)、表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオンにして(ステップS7)、ステップS3に移行する。表示フィルタ1g2のフィルタリング機能がオンされることによって、例えば顔画像F2に対応する人物等による覗き見が防止可能となる。
【0029】
入力装置1eを介して入力された動作指示がフィルタリング対象動作を行うための指示ではないと動作判定部1a4によって判定されると(ステップS3;NO)、表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオフにする(ステップS8)。また、ステップS4において画像解析部1a5によって検出された顔画像の数が複数ではない(すなわち、一つだけである)と画像解析部1a5によって判定されると(ステップS5;NO)、表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオフにする(ステップS8)。また、ステップS4において画像解析部1a5によって検出された顔画像のうち記録装置1fに格納されていない顔画像は存在しない(ステップS4において画像解析部1a5によって検出された一又は複数の顔画像の全ては記録装置1fに格納されている一又は複数の顔画像に対応(一致)する)と画像解析部1a5によって判定されると(ステップS6;NO)、表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオフにする(ステップS8)。
【0030】
ステップS8の後、起動判定部1a2は、ステップS1において起動したと判定したメーラ又はブラウザがアプリケーション実行部1a1によって終了されたか否かを判定する(ステップS9)。メーラ又はブラウザが終了されたと起動判定部1a2によって判定されると(ステップS9;YES)、モニタ装置制御部1a3は、モニタ装置1hの動作を停止する(ステップS10)。メーラ又はブラウザは終了されていないと起動判定部1a2によって判定されると(ステップS9;NO)、ステップS3に移行する。
【0031】
次に、携帯端末1の作用・効果を説明する。携帯端末1は、表示装置1gと、モニタ装置1hと、画像解析部1a5と、表示フィルタ制御部1a6とを備える。表示装置1gは、ディスプレイパネル1g1と表示フィルタ1g2とを有する。表示フィルタ1g2は、ディスプレイパネル1g1の表示面3aに設けられており表示面3aを覆う。モニタ装置1hは、表示装置1gの設けられている携帯端末1の主面3に設けられており主面3の前方の風景をモニタするための装置である。画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像を解析する。表示フィルタ制御部1a6は、表示フィルタ1g2の動作を制御する。表示フィルタ1g2は、ディスプレイパネル1g1の表示をフィルタリングする機能を有している。画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出する。表示フィルタ制御部1a6は、画像解析部1a5によって検出された顔画像に基づいて、表示フィルタ1g2のフィルタリングの機能のオン・オフを制御する。
【0032】
このように、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から顔画像が検出され、この検出された顔画像を用いて、表示フィルタ1g2のフィルタリングの機能のオン・オフが制御されるので、フィルタリングのオン・オフが、ユーザによる指示入力を伴わずに行える。従って、モニタ装置1hによって得られる顔画像を用いることによって、覗き見されていることにユーザが気付いているか否かにかかわらず、表示フィルタ1g2のフィルタリングのオン・オフが可能となる。
【0033】
更に、携帯端末1は、記録装置1fと、入力装置1eと、動作判定部1a4とを更に備える。記録装置1fは、表示フィルタ1g2によるフィルタリングの対象となる内容をディスプレイパネル1g1に表示するフィルタリング対象動作のリストを格納する。入力装置1eは、携帯端末1の動作を指示する動作指示が入力される。動作判定部1a4は、入力装置1eに入力された動作指示の対象となる動作が、記録装置1fに格納されたリストに含まれているフィルタリング対象動作であるか否か、を判定する。画像解析部1a5は、入力装置1eに入力された動作指示の対象となる動作がフィルタリング対象動作である、と動作判定部1a4によって判定された場合に、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する画像の検出を行う。
【0034】
このように、入力装置1eに入力された動作指示が予め設定されているフィルタリング対象動作である場合にのみ、画像解析部1a5による顔画像の検出が行われる。従って、フィルタリング対象動作ではない動作指示が入力装置1eに入力された場合には、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能はオンとされないので、電力消費を低減でき、更に、フィルタリング機能を用いる必要の無い動作の場合にはフィルタリング機能によって画面3bが見え難くなることを回避できる。
【0035】
更に、画像解析部1a5は、モニタ装置1hによって得られるモニタ画像から複数の人物の顔画像を検出した場合に、この検出した複数の人物の顔画像が携帯端末1の記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応しているか否かを判定する。表示フィルタ制御部1a6は、画像解析部1a5によって検出された複数の人物の顔画像のうち少なくとも一の顔画像が記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応していないと画像解析部1a5によって判定された場合に、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能をオンにする。
【0036】
このように、記録装置1fに予め格納されていない未登録の顔画像がモニタ画像に含まれている場合には、この顔画像の人物によって携帯端末1の画面3bが覗き見されている可能性があるので、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能がオンされる。従って、モニタ画像に未登録の顔画像が含まれているか否かが判定されるので、携帯端末1の画面3bが覗き見されている可能性のある場合に、表示フィルタ1g2のフィルタリング機能を効果的にオン可能となる。
【0037】
更に、携帯端末1は、起動判定部1a2と、モニタ装置制御部1a3とを更に備える。起動判定部1a2は、フィルタリング対象動作が用いられるアプリケーションプログラム(メーラ又はブラウザ)が起動されたか否かを判定する。モニタ装置制御部1a3は、モニタ装置1hの動作を制御する。モニタ装置制御部1a3は、フィルタリング対象動作が用いられるアプリケーションプログラムが起動されたと起動判定部1a2によって判定されると、モニタ装置1hを起動する。
【0038】
フィルタリング対象動作が用いられるアプリケーションプログラム(メーラ又はブラウザ)が起動された場合にのみ、モニタ装置1hが起動されるので、フィルタリング対象動作が用いられない他のアプリケーションプログラムが起動されている場合にはモニタ装置1hは起動されない。従って、モニタ装置1hの駆動に必要な電力の消費を抑制できる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、携帯端末1は、表示フィルタ1g2のオン・オフを調整することによって画面3bの表示内容を覗き見されるのを防止するとしたが、これに限らず、携帯端末1は、ディスプレイパネル1g1のコントラストを調整することによって、覗き見を防止することもできる。この場合、モニタ装置制御部1a3は、ディスプレイパネル1g1のコントラストを、覗き見の防止が十分可能な予め設定されたレベルに低減することができる。具体的には、モニタ装置制御部1a3は、画像解析部1a5によって検出された一又は複数の人物の顔画像のうち少なくとも一の顔画像が記録装置1fに予め格納されている顔画像に対応していないと画像解析部1a5によって判定された場合に、ディスプレイパネル1g1のコントラストを低減する。このように、ディスプレイパネル1g1のコントラストを低減することによって、画面3bに映し出される画像を覗き見し難くすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1…携帯端末、3…主面、1a…CPU、1b…ROM、1c…RAM、1d…通信装置、1e…入力装置、1f…記録装置、1g…表示装置、1h…モニタ装置、1g1…ディスプレイパネル、1g2…表示フィルタ、Bus…バス、3b…画面、3a…表示面、H1,H2…顔、1h1…モニタ画像、F1,F2…顔画像、1a1…アプリケーション実行部、1a2…起動判定部、1a3…モニタ装置制御部、1a4…動作判定部、1a5…画像解析部、1a6…表示フィルタ制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末であって、
ディスプレイパネルと該ディスプレイパネルの表示面に設けられており該表示面を覆う表示フィルタとを有する表示装置と、
前記表示装置の設けられている主面に設けられており該主面の前方の風景をモニタするためのモニタ装置と、
前記モニタ装置によって得られるモニタ画像を解析する画像解析手段と、
前記表示フィルタの動作を制御する表示フィルタ制御手段と、
を備え、
前記表示フィルタは、前記ディスプレイパネルの表示をフィルタリングする機能を有しており、
前記画像解析手段は、前記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出し、
前記表示フィルタ制御手段は、前記画像解析手段によって検出される顔画像に基づいて、前記表示フィルタの前記機能のオン・オフを制御する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示フィルタによるフィルタリングの対象となる内容を前記ディスプレイパネルに表示するフィルタリング対象動作のリストが格納されている記録装置と、
当該携帯端末の動作を指示する動作指示が入力される入力装置と、
前記入力装置に入力された動作指示の対象となる動作が、前記フィルタリング対象動作であるか否か、を判定する動作判定手段と、
を更に備え、
前記画像解析手段は、前記入力装置に入力された動作指示の対象となる動作が前記フィルタリング対象動作である、と前記動作判定手段によって判定された場合に、前記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像の検出を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記画像解析手段は、前記モニタ装置によって得られるモニタ画像から複数の人物の顔画像を検出した場合に、この検出した複数の人物の顔画像が当該携帯端末のメモリに予め格納されている顔画像に対応しているか否かを判定し、
前記表示フィルタ制御手段は、前記画像解析手段によって検出された複数の人物の顔画像のうち少なくとも一の顔画像が前記メモリに予め格納されている顔画像に対応していないと前記画像解析手段によって判定された場合に、前記表示フィルタの前記機能をオンにする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムが起動されたか否かを判定する起動判定手段と、
前記モニタ装置の動作を制御するモニタ装置制御手段と、
を更に備え、
前記モニタ装置制御手段は、フィルタリング対象動作を用いるアプリケーションプログラムが起動されたと前記起動判定手段によって判定されると、前記モニタ装置を起動する、ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
ディスプレイパネルと該ディスプレイパネルの表示面に設けられており該表示面を覆う表示フィルタとを有する表示装置と、前記表示装置の設けられている主面に設けられており該主面の前方の風景をモニタするためのモニタ装置とを有する携帯端末の表示制御方法であって、
前記モニタ装置によって得られるモニタ画像から人物の顔に対応する顔画像を検出するステップと、
前記ステップにおいて検出された顔画像に基づいて、前記表示フィルタの前記機能のオン・オフを制御するステップと、
を備える、ことを特徴とする携帯端末の表示制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−217146(P2011−217146A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83848(P2010−83848)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】