携帯端末システム
【課題】ホストコンピュータで設計された設計画面の一部を携帯端末上で表示できると共に、その設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え可能であり、更に、ユーザにとってより有利な機能が付加された携帯端末システムを提供する。
【解決手段】携帯端末システムは、ホストコンピュータと携帯端末とを有し、ホストコンピュータの設計画面データによって構成される設計画面の一部が携帯端末の表示画面にて表示され、かつその表示対象位置の移動により切り替え表示がなされる構成となっている。携帯端末は、ホストコンピュータの設計画面データを取得して格納する格納手段を有しており、その格納される設計画面データの設計画面おいて複数の領域をそれぞれ表示すべき対象領域として指定し、更にそれら指定される各対象領域についての表示画面上での表示位置をそれぞれ指定するように構成されている。
【解決手段】携帯端末システムは、ホストコンピュータと携帯端末とを有し、ホストコンピュータの設計画面データによって構成される設計画面の一部が携帯端末の表示画面にて表示され、かつその表示対象位置の移動により切り替え表示がなされる構成となっている。携帯端末は、ホストコンピュータの設計画面データを取得して格納する格納手段を有しており、その格納される設計画面データの設計画面おいて複数の領域をそれぞれ表示すべき対象領域として指定し、更にそれら指定される各対象領域についての表示画面上での表示位置をそれぞれ指定するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の分野では、ホストコンピュータ上で画面を設計し、携帯端末の表示画面上でその設計画面を表示させるエミュレーションシステムが提供されている。なお、このようなシステムに関連する技術としては、例えば特許文献1、2のようなものがある。
【特許文献1】特開2007−267199公報
【特許文献2】特開2006−39919公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記エミュレーションシステムは、ホストコンピュータ上で設計された設計画面の一部を携帯端末の表示画面上に表示させて様々な動作確認を行おうとするものであるが、この種のエミュレーションシステムでは、表示画面上で表示される設計画面の一部を必要に応じて任意に切り替えうる構成が望まれ、更に、ユーザにとってより有利な機能が付加されることが望まれる。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ホストコンピュータで設計された設計画面の一部を携帯端末の表示画面上で表示できると共に、当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え可能であり、更に、ユーザにとってより有利な機能が付加された携帯端末システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、設計画面データを備えたホストコンピュータと、表示装置を備えた携帯端末と、を有し、前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、前記携帯端末は、前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記設計画面データによって構成される前記設計画面において、前記表示画面に表示する対象となる対象領域を指定する対象領域指定手段と、前記表示画面における前記対象領域の表示位置を指定する表示位置指定手段と、を備え、前記対象領域指定手段は、前記設計画面における複数の領域をそれぞれ前記対象領域として指定し、前記表示位置指定手段は、前記対象領域指定手段によって指定される各対象領域についての前記表示画面における前記表示位置をそれぞれ指定することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末システムにおいて、前記対象領域指定手段は、少なくともいずれかの前記対象領域を前記設計画面内において移動させる対象領域移動手段と、前記設計画面内における前記対象領域の移動可能領域を設定する移動可能領域設定手段と、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が前記移動可能領域の終端位置に達した場合に前記対象領域の移動を規制する移動規制手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の携帯端末システムにおいて、前記設計画面内に存在する文字を認識する文字認識手段を備え、前記移動可能領域設定手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字の存在範囲を前記移動可能領域として設定し、前記移動規制手段は、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が、前記文字の前記存在範囲の終端に達した場合に前記対象領域の移動を規制することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、操作キーを有し、前記対象領域移動手段は、前記操作キーに対する所定操作に応じて前記対象領域を移動させることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、入力デバイスとして、キーボードと、光学的情報読取手段と、を有し、出力デバイスとして、前記表示装置、表示用LED、ブザー、及びバイブレータを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、前記対象領域指定手段によって指定された少なくともいずれかの前記対象領域についての表示と非表示とを切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、 設計画面データを備えたホストコンピュータと、表示装置を備えた携帯端末と、前記携帯端末からの指示に基づいて印刷を行うプリンタと、を有し、前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、前記設計画面データによって構成される前記設計画面の特定領域に、前記プリンタを制御するためのプリンタコマンドが記述され、前記携帯端末は、前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、前記設計画面における前記プリンタコマンドを取得するための取得範囲を前記特定領域と対応させて指定する取得範囲指定手段と、前記取得範囲指定手段によって指定された前記取得範囲に存在する前記プリンタコマンドを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記プリンタコマンドを前記プリンタに転送する転送手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載の携帯端末システムにおいて、前記ホストコンピュータは、前記携帯端末を制御するスクリプトを生成するスクリプト生成手段と、前記スクリプト生成手段によって生成された前記スクリプトを前記携帯端末に送信するスクリプト送信手段と、を有し、前記携帯端末は、前記スクリプトを取得すると共に、当該スクリプトに従った情報処理を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載の携帯端末システムにおいて、前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタコマンドが記述された前記特定領域を特定するものであり、前記携帯端末の前記取得範囲指定手段は、前記スクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される前記特定領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の携帯端末システムにおいて、前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタからの応答情報を前記ホストコンピュータに送信する指示を与えるものであり、前記携帯端末は、前記スクリプトの指示に基づき、前記プリンタからの前記応答情報を前記ホストコンピュータに送信することを特徴とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記転送手段は、前記プリンタコマンドを、所定コマンドずつ前記プリンタに送信し、前記プリンタは、前記転送手段からの前記所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を前記携帯端末に出力し、前記転送手段は、前記所定コマンドに対する前記コマンド応答情報が前記携帯端末にて受信されることに応じて、その受信された前記コマンド応答情報に対応する前記所定コマンドの次の前記所定コマンドを送信することを特徴とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記取得範囲指定手段は、前記設計画面における前記表示画面に表示されていない領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。このような従来構成の場合、設計画面内の所望の情報を携帯端末の表示画面にて確認するために表示位置を移動させる必要があり、ユーザの負担が大きいという問題がある。
しかしながら、請求項1の発明では、ホストコンピュータにて設計された設計画面データを携帯端末に格納した上で、設計画面における複数の領域を表示画面に表示すべき対象領域として指定し、更に、各対象領域についての表示画面における各表示位置をそれぞれ指定するようにしている。このようにすると、設計画面において表示が必要となる複数領域を指定して携帯端末の表示画面に所望の位置関係で表示できるようになり、設計画面内の必要な情報を容易に且つ適切に確認できるようになる。
【0018】
請求項2の発明は、対象領域移動手段が設けられているため、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させることができ、設計画面における携帯端末に表示すべき領域を必要に応じて適切に変更できる。また、移動可能領域設定手段及び移動規制手段が設けられているため、対象領域の移動を特定の範囲に限定することができ、不要な表示等を効果的に防止できる。
【0019】
請求項3の発明は、文字認識手段によって認識される文字の終端に達した場合に対象領域の移動が規制されるため、設計画面内において少なくともいずれかの対象領域の移動エリアを文字の存在する領域内に収めることができ、文字の存在するエリアに絞って効率的に表示できる。
【0020】
請求項4の発明によれば、ユーザが、操作キーに対する所定操作によって対象領域を容易に移動できるようになる。
【0021】
請求項5の発明によれば、様々な入力デバイス及び出力デバイスを備え、且つ光学的情報を読み取る機能を有する携帯端末においてエミュレーションを適切に行うことができる。
【0022】
請求項6の発明は、いずれかの対象領域についての表示/非表示を切り替えることができるため、必要に応じて対象領域を表示させたり、非表示とすることができ、動作確認の自由度を一層高めることができる。
【0023】
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の比較的大型の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。しかしながら、表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるエミュレーションシステムを構築することで、上記のような設計画面を携帯端末用に設計し直すことなく携帯端末の表示画面上で好適に動作確認できるようになる。
一方、上記のようなエミュレーションシステムでは、携帯端末で表示される設計画面をプリンタで出力すべき場合もあり、そのためには、携帯端末からプリンタに対し、当該携帯端末の表示画面内容を印刷するためのコマンドを発行する必要がある。しかしながら、エミュレーション中に携帯端末においてコマンドを記述しようとしても、コマンドを画面内に書き切れない、画面に書きにくい、或いは本来携帯端末に表示させたい内容を犠牲にしなければならない等の問題がある。
このような問題に対し、請求項7の発明では、ホストコンピュータで設計される設計画面の特定領域にプリンタコマンドを記述しておき、携帯端末にその記述されたコマンドを取得させる構成としているため、携帯端末に直接プリンタコマンドを記述する等の労力を軽減でき、携帯端末の表示画面内容を容易にプリンタ出力できるようになる。
【0024】
請求項8の発明は、ホストコンピュータによって携帯端末を制御するスクリプトを生成、送信し、携帯端末においてそのスクリプトに従った情報処理を行うように構成されているため、複雑な設計等を要することなく携帯端末を適切に制御できるようになる。
【0025】
請求項9の発明は、プリンタコマンドが記述された特定領域を特定しうるようにスクリプトが構成され、携帯端末は、そのスクリプトに基づき、プリンタコマンドが記述された領域(特定領域)を特定し、当該領域に記述されたプリンタコマンドを取得するように構成されている。このようにすると、複雑な設計等を要することなく携帯端末に対してプリンタコマンドの記述領域を正確に伝達できる。
【0026】
請求項10の発明は、スクリプトにより、携帯端末に対し、プリンタからの応答情報をホストコンピュータに送信する指示が与えられ、そのスクリプトの指示に基づき、プリンタからの応答情報がホストコンピュータに送信されるようになっている。このようにすると、ホストコンピュータがプリンタからの応答情報を確認できる構成を、複雑な設計や膨大なコストを伴うことなく良好に実現できる。
【0027】
請求項11の発明は、プリンタコマンドを所定コマンドずつプリンタに送信し、更に、その所定コマンドに対するプリンタからのコマンド応答情報に応じて次の所定コマンドを送信するように構成されている。このようにすると、プリンタコマンドのサイズが大きい場合であっても当該プリンタコマンドをプリンタに円滑に送信できるようになる。
【0028】
請求項12の発明は、設計画面における表示画面に表示されていない領域をプリンタコマンドを取得する取得範囲として指定するように構成されているため、表示画面に表示すべき内容を犠牲にすることなく携帯端末にプリンタコマンドを取得させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る携帯端末システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。図2は、携帯端末の構成を概略的に例示するブロック図である。図3は、図1の携帯端末システムに用いられるホストコンピュータ及び当該ホストコンピュータ設計される設計画面を概略的に説明する説明図である。図4は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示した例を示す説明図である。図5は、携帯端末に与える各種設定値を設定する設定処理の流れを例示するフローチャートである。図6は、図5の設定処理にて設定されたデータ内容を概念的に説明する説明図である。図7は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示する表示処理を例示するフローチャートである。図8は、文字認識に基づいて移動可能範囲を設定する設定処理のフローチャートである。図9は、文字認識に基づく移動可能範囲の設定を説明する説明図である。図10は、キー情報取得処理の流れを例示するフローチャートである。図11は、キー情報取得処理について図8とは異なる例を示すフローチャートである。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯端末システム1は、ホストコンピュータ2と携帯端末10とを備えてなるものである。
ホストコンピュータ2は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCとも称する)として構成されており、液晶ディスプレイ等からなるモニタ3、CPU4,ROM5、通信手段6、ハードディスクドライブ(以下HDDとも称する)7、RAM8、キーボードやマウスなどからなる操作手段9などを備えている。
【0031】
携帯端末10は、光学的情報読取装置(本実施形態ではバーコードリーダを例示)として構成されるものであり、図2のような構成をなしている。この携帯端末10は、ケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、この回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
なお、本実施形態では、上記回路部20が「光学的情報読取手段」の一例に相当している。
【0032】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図2では、バーコードBが付された読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、読取対象物RやバーコードBに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものである。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。また、結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが、バーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0033】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作キー43a、表示LED(以下、単にLEDとも称する)45、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。なお、液晶表示器46は、「表示装置」の一例に相当する。
【0034】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0035】
制御回路40は、携帯端末10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作キー43a、LED45、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、操作キー43aの監視や管理、LED45の点灯、非点灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、液晶表示器46の表示制御等を可能にしている。なお、本実施形態では、制御回路40に図示しない公知のバイブレータが接続されており、制御回路40によって振動、非振動が制御されるようになっている。
【0036】
通信インターフェース48は外部機器と通信を行うためのインターフェースであり、本実施形態ではこの通信インターフェース48とホストコンピュータ2の通信手段6との間で情報通信がなされている。
【0037】
次に、携帯端末10によるエミュレーションについて説明する。
本実施形態に係る携帯端末システム1では、ホストコンピュータ2において画面設計を行い得るように構成されており、図3には、ホストコンピュータ2において設計された画面(設計画面)の一例を示している。ホストコンピュータ2には、このような設計画面を表示するための設計画面データが記憶手段(HDD7等)に記憶されている。なお、コンピュータ上で画面設計を行う技術は公知であるので詳細は省略する。
【0038】
携帯端末10は、ホストコンピュータ2に設けられた上記設計画面データを取得し、当該設計画面データによって構成される設計画面の一部を、例えば図4(a)のように液晶表示器46(表示装置)の表示画面に表示させ、更に、当該表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能とされている。以下、このようなエミュレーションを行うための具体的内容について詳述する。
【0039】
まず、図5を参照して携帯端末に与える各種設定値を設定するための設定処理を説明する。当該設定処理は、ホストコンピュータ2において行われるものであり、当該処理が開始されると、まず、携帯端末10に表示すべき対象領域数の設定が行われる(S1)。図3、図4(a)の例のように、表示すべき対象領域を2つとする場合には、表示領域数は「2」と設定される。なお、この「2」という設定情報は、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力され、設定された対象領域数「2」は記憶手段(RAM8,HDD7等)に記憶される。
【0040】
次に、各対象領域についての携帯端末10での表示サイズを設定する(S2)。例えば、図4(a)では、携帯端末10の表示画面において2つの表示領域AR1、AR2が設定される例を示しているが、S2ではこのような表示領域AR1、AR2の各表示サイズが設定される。各表示サイズデータは、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力され(例えば、N1文字×N2文字、或いはL1mm×L2mmといったデータが入力され)、S1で設定された領域数の分だけ生成される。
【0041】
次に、携帯端末に表示する各対象領域についての設計画面内での移動可能なエリア(移動可能領域)を設定する(S3)。この処理では、例えば破線領域AR3(図3)にて概念的に示すようにユーザが設計画面内の所望のエリアを設定することができる。なお、各移動可能領域を特定するデータは、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば、座標値と領域サイズの入力等)され、S1で設定された領域数の分だけ生成することができる。
【0042】
次に、携帯端末10の表示画面内での初期表示位置を設定する処理が行われる(S4)。この処理では、S1で設定される数の各対象領域を、初期状態において携帯端末10の表示画面のどの位置に配置するかを定める処理である。この初期表示位置も、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば、各初期表示位置の各座標値の入力等)され、S1で設定された数の分だけ生成される。
【0043】
更に、携帯端末10の表示画面で表示されるべき各対象領域についての初期表示領域を設定する(S5)。この処理は、初期状態においてS3で設定される各移動可能領域のどの位置を表示するかを定める処理であり、例えば、移動可能領域AR3内の領域AR4(図3)を初期状態で表示させる場合には、領域AR4を特定する座標値(例えば図3における位置P1の座標値)を設定すればよい。なお、表示サイズについては、S2の処理で設定されているため、位置P1を特定できれば領域AR4を初期表示領域として特定できるようになる。なお、このような初期表示領域を特定するデータもホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば各移動可能領域毎の各座標値の入力等)され、S1で設定された領域数の分だけ生成される。
【0044】
このような設定処理が一通り完了した後には、各設定値を記録した設定ファイル(設定情報)が記憶手段(例えばHDD7)に保存される(S6)なお、図6には、表示対象領域数が「2」であるときの設定ファイルのデータ内容を概念的に示しており、当該設定ファイルによれば、設計画面における表示対象領域数「2」、各対象領域についての携帯端末での各表示サイズデータD21、D22、各対象領域についての移動可能領域データD31、D32、各対象領域を携帯端末10で表示するときの当該携帯端末上での各初期表示位置データD41,D42、各対象領域についての各初期表示領域データD51,D52が得られることとなる。
【0045】
次に、図7を参照して携帯端末10で行われる表示処理を説明する。当該処理では、まず図5の処理で生成された設定ファイルが取得される(S10)。このS10の処理では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対し設定ファイルの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設定ファイルが携帯端末10のメモリ35に記憶される。
【0046】
その後、S11〜S15において、各設定値が登録される。S11では、S10で取得した設定ファイルが読み出され、S1で設定された携帯端末10に表示すべき対象領域数が登録される。同様に、S2で設定された各対象領域の各表示サイズが登録され(S12)、S3で設定された各移動可能領域が登録される(S13)。更には、S4で設定された、携帯端末10の表示画面内での初期表示位置が登録され(S14)、S5で設定された各対象領域についての初期表示領域が登録される(S15)。なお、これらの登録データはRAM等に記憶され、以降の処理において設計画面を表示するために用いられることとなる。
【0047】
なお、本実施形態では、図7のプログラムを実行する制御回路40が「対象領域指定手段」の一例に相当し、上記登録内容に基づき、格納された設計画面データによって構成される設計画面において、携帯端末10の表示画面に表示する対象領域を複数指定するように機能する。また、制御回路40は、「表示位置指定手段」の一例にも相当し、上記登録内容に基づき、携帯端末10の表示画面における各対象領域の表示位置をそれぞれ指定するように機能する。
【0048】
S15の後には、ホストコンピュータ2から設計画面データが取得される。なお、本実施形態では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対して設計画面データの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設計画面データが携帯端末10のメモリ35に記憶される。なお、メモリ35及び制御回路40が「格納手段」の一例に相当する。
【0049】
次に、文字認識に基づく移動可能領域の設定処理が行われる(S17)。この処理は、設計画面内に存在する文字を認識し、その認識された文字の存在範囲を移動可能領域として設定する処理である。なお、本実施形態では図8のプログラムを実行する制御回路40が「文字認識手段」「移動可能領域設定手段」の一例に相当する。
【0050】
図8は、S17の処理の流れを例示するフローチャートであり、当該処理が開始されると、まず、X座標(行方向の座標)の値A及びY座標(列方向の座標)の値Bの初期化が行われる(S30)。この処理では、着目する領域(S13で設定されたいずれかの移動可能領域)において角部の座標が初期値として取得される。例えば、S13において図9(a)のような領域AR5が設定されている場合、当該領域AR5の右下の角部位置Z1の座標(1,10)を初期値として設定する。
【0051】
そして、現在行の最初の文字座標が取得される(S31)。例えば、S30において位置Z1の座標(1,10)が初期値として取得されたときには、その位置Z1を含んだ行の最初の文字「M」の位置Z2の座標(1,8)が取得される。そして、現在行においてX座標値が現在のAの値よりも小さい文字が存在するか否かを判断し(S32)、存在する場合には、S32にてYesに進み、存在する文字の座標のうち最も小さい値をAとするようにAの値を更新する(S33)。例えば、図9において現在行が1行目である場合には最も文字が存在する位置のうちX座標値が最も小さい「J」の位置Z3のX座標値「4」がAの値となる。更に、現在行の最後の文字座標を取得する(S34)。
【0052】
更に、Y座標値が現在のBの値よりも大きい文字が存在するか否かを判断し(S35)、存在する場合にはS35にてYesに進み、Bの値を、現在Bの値の次に大きい座標の値に更新し(S36)、着目する行を次の行に進める(S37)。例えば、現在の行が1行目である場合には、S36においてBの値が「2」に更新され、S37において着目する行が2行目に進められることとなる。
【0053】
その後、現在行が着目している指定領域(即ちS13で設定された領域)から外れたか否かを判断し(S38)、外れていない場合にはS38にてNoに進み、S31以降の処理を繰り返す。例えばS37において2行目に進められた場合には現在行を二行目としてS31以降の処理を繰り返す。また、二行目についてS31〜S36までの処理が終わると、S37にて三行目に進められると共に、三行目についてS31〜S36までの処理が繰り返される。そして、S37にて4行目に進められると、指定領域を外れることとなるのでS38にてYesに進みS38の設定処理が行われる。着目する指定領域についてS30〜S38までの処理が終了し、S38にてYesに進むときには、Aの値は、文字が存在する領域における最も小さいX座標値(図9では位置Z7のX座標値「3」)に設定され、Bの値は、文字が存在する領域における最も大きいY座標値(図9では「3」)に設定されている。また、文字が存在する領域の最も小さいY座標値、及び最も大きいX座標値も容易に特定できるため、これら4つの座標値に基づいて矩形状の移動可能領域が設定される(S39:図9(b)のAR6参照)。
【0054】
なお、上記のような文字認識に基づく移動可能領域の設定処理は、全てに対象領域について行うようにしてもよく、一部の対象領域のみについて行うようにしてもよい。例えば、図4(a)のような表示画面設定がなされる場合、補助領域AR2に表示する対象となる対象領域のみについて行うようにしてもよく、全ての領域AR1、AR2について行うようにしてもよい。
【0055】
図8の処理が終わると、図7のS18に示す表示内容の更新処理が行われる(S18)。この処理は、後述するS19の処理結果に応じて表示画面の表示内容を更新する処理であり、S19の処理が行われていない初回には、S16で取得された設計画面データによって構成される設計画面がS11〜S17までの設定に従って表示される。
【0056】
S18の後にはキー情報取得処理が行われる(S19)。この処理では、ユーザが携帯端末10の操作キー43a(図1等)を操作することに応じてそのキー情報が取得され、キー操作内容に応じた表示制御がなされる。本実施形態に係る携帯端末10では、キー操作の種類毎に表示制御内容が決められており、具体的には、メイン画面の移動指示、サブ画面の移動指示、メイン画面の内容移動指示、サブ画面の内容移動指示、サブ画面の表示指示、サブ画面の非表示指示、ホストへの情報送信指示、アプリケーション終了指示(表示処理終了指示)、についてそれぞれキー操作の種類が予め定められている。
【0057】
図10は、キー情報取得処理の具体的な流れを例示しており、当該処理ではまず、メイン画面の移動指示がなされたか否か(メイン画面移動情報が取得されたか否か)が判断される(S50)。本実施形態では、図4に示すように、携帯端末10に表示する領域として、表示画面上の大部分を占める主領域AR1と、主領域(メイン画面)AR1よりも小さい補助領域(サブ画面)AR2とが設定されるように構成されており、キー操作が携帯端末10の表示画面内での主領域AR1(メイン画面)の移動を指示するものである場合には、S50にてYesに進み、表示画面内での移動可能か否かを判断する(S51
。例えば、メイン画面が表示画面内のほぼ全体に亘って構成され、移動するエリアが無い場合や、メイン画面を移動させようとする方向において既に表示画面の端部に達している場合には移動が不可能であるためS51にてNoに進み、当該処理を終了する。一方、メイン画面の移動が可能である場合には、S51にてYesに進み、携帯端末10の表示画面におけるメイン画面の表示座標を変更し、メイン画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S52)。
【0058】
S50でNoに進む場合には、サブ画面の移動指示がなされたか否か(サブ画面移動情報が取得されたか否か)が判断される(S53)。キー操作が携帯端末10の表示画面内での補助領域AR2(サブ画面)の移動を指示するものである場合には、S53にてYesに進み、当該サブ画面を表示画面内で移動可能か否かを判断する(S54)。例えば、サブ画面を移動させようとする方向において既に表示画面の端部に達している場合(例えば、図4(a)のような状態において下方向に移動させる指示がなされた場合等)には、移動が不可能であるためS54にてNoに進み、当該処理を終了する。一方、サブ画面の移動が可能である場合には、S54にてYesに進み、携帯端末10の表示画面におけるサブ画面の表示座標を変更し、サブ画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S55)。
【0059】
一方、S53にてNoに進む場合には、メイン画面の内容移動指示がなされたか否か(メイン画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S56)。キー操作によってメイン画面の内容を移動させる指示がなされた場合とは、即ち、設計画面におけるメイン画面(主領域AR1)に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合のことであり、このような場合にはS56にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S57)。メイン画面(主領域AR1)で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS57にてYesに進み、メイン画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面における主領域AR1に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)メイン画面の表示内容を変更する設定を行う(S58)。一方、設計画面内においてメイン画面(主領域AR1)に表示させるべき対象領域を移動できない場合(例えば、主領域AR1の表示サイズと主領域AR1についての移動可能領域とが同サイズの場合、或いは、対象領域を移動させようとする方向において移動可能領域の終端に達している場合等)には、S57にてNoに進み、当該処理を終了する。
【0060】
なお、本実施形態では、図10のプログラムを実行する制御回路40が「対象領域移動手段」の一例に相当し、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させるように機能する。また、制御回路40は、「移動規制手段」の一例に相当し、対象領域の移動が移動可能領域の終端位置に達した場合に対象領域の移動を規制するように機能する。
【0061】
一方、S56にてNoに進む場合には、サブ画面の内容移動指示がなされたか否か(サブ画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S59)。キー操作によってサブ画面の内容を移動させる指示がなされた場合とは、即ち、設計画面におけるサブ画面(補助領域AR2)に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合のことであり、このような場合にはS59にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S60)。サブ画面(補助領域AR2)で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS60にてYesに進み、サブ画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面における補助領域AR2に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)サブ画面の表示内容を変更する設定を行う(S61)。一方、設計画面内においてサブ画面(補助領域AR2)に表示させるべき対象領域を移動できない場合には、S60にてNoに進み、当該処理を終了する。例えば、S17(図7、図8)で説明した文字認識に基づく移動可能領域の設定処理により移動可能領域が文字の存在範囲に限定されている場合、キー操作によって対象領域を移動させようとする方向において当該対象領域が文字の存在範囲の終端に達している場合には移動が規制されるため、このような場合にはS60にてNoに進み当該処理を終了する。
【0062】
S59にてNoに進む場合には、キー操作によってサブ画面(補助領域AR2)を表示させる指示、或いはサブ画面を表示させない指示がなされたか否かを判断する(S62)。このような指示がなされた場合にはS62にてYesに進み、その指示に応じてサブ画面を表示させる設定又は表示させない設定を行う(S63)。なお、本実施形態では、図10のプログラムを実行する制御回路40が「切替手段」の一例に相当し、少なくともいずれかの対象領域についての表示と非表示とを切り替えるように機能する。
【0063】
S62にてNoに進む場合には、キー操作によってホストコンピュータ2へ情報を送信する指示がなされたか否かを判断する(S64)。指示がなされた場合にはS64にてYesに進み、指示された情報をホストコンピュータ2に送信する(S65)。
【0064】
また、S64にてNoに進む場合には、当該アプリケーションを終了させる指示がなされたか否かを判断し(S66)、終了させる指示がなされた場合にはS66にてYesに進み、図7の表示処理を終了させる設定を行う(S67)。
【0065】
上記のようなキー情報取得処理が終わると、図7のS20に示す判断処理、即ち、図7の表示処理を終了させる指示がなされたか否かの判断処理が行われる。図10に示すキー情報取得処理において、S67の終了設定処理が行われている場合にはS20にてYesに進み、図7の処理を終了する。一方、終了が指示されていない場合には、S20にてNoに進み、S16以降の処理を繰り返す。なお、再度行われるS16の処理では、キー情報取得処理において設計画面に何らかの変更がなされている場合にはホストコンピュータ2から設計画面データを再度取得し、そうでない場合には設計画面データを再取得せずに既に格納されている設計画面データを利用するようにしてもよい。
【0066】
また、再度行われるS18の処理では、図10のキー情報取得処理にて設定された内容(即ち、S52、S55、S58、S61、S63等の設定内容)を反映するように携帯端末10の表示画面内容が更新される。
【0067】
なお、上記の例では、キー情報取得処理として図10のような例を示したが、これに代えて図11のような処理を行うようにしてもよい。図11は、携帯端末10に表示させる対象領域が3以上設定された場合にも対応しうる処理であり、当該処理の前提として、キー操作により、「画面の指定指示」「画面の移動指示」「画面の内容移動指示」「画面の表示指示」「画面の非表示指示」を与えることができるようになっている。なお、ホストへの情報送信指示、アプリケーション終了指示(表示処理終了指示)、については、図10の例と同様であるため、S111〜S114の詳細な説明は省略する。
【0068】
図11の処理では、まず、画面の指定指示がなされたか否かを判断する(S101)。キー操作により、携帯端末10の表示画面内に設定される各画面(即ち、各対象領域を表示する各画面)のいずれかが指定された場合にはS101にてYesに進み、当該キー情報取得処理において着目するフォーカス画面を指定された画面に変更する設定を行う(S102)。
【0069】
S101にてNoに進む場合には、画面を移動する指示がなされたか否か(画面移動情報が取得されたか否か)を判断する(S103)。即ち、キー操作が携帯端末10の表示画面内での表示エリアの移動を指示するものである場合には、S104にてYesに進み、現在のフォーカス画面(S102で設定されている画面)が表示画面内で移動可能か否かを判断する(S104)。移動が可能ならばS104にてYesに進み、そのフォーカス画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S105)。移動が不可能ならばS104にてNoに進み当該処理を終了する。
【0070】
S103にてNoに進む場合には、画面の内容移動指示がなされたか否か(画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S106)。画面の内容移動指示がなされた場合、即ち、設計画面におけるフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合には、S106にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S107)。フォーカス画面で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS107にてYesに進み、フォーカス画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面におけるフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)フォーカス画面の表示内容を変更する設定を行う(S108)。一方、設計画面内においてフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動できない場合には、S107にてNoに進み、当該処理を終了する。
【0071】
S106にてNoに進む場合には、フォーカス画面を表示させる指示、或いはフォーカス画面を表示させない指示がなされたか否かを判断する(S109)。このような指示がなされた場合にはS109にてYesに進み、その指示に応じてフォーカス画面を表示させる設定又は表示させない設定を行う(S110)。なお、S111〜S114の処理は、図10のS64からS67と同様である。
【0072】
なお、図11のようなキー情報取得処理が行われる場合もS18(図7)では同様の更新が行われ、フォーカス画面についてS105、S108、S110の設定内容を反映した変更が行われ、携帯端末10での表示画面内容が更新される。
【0073】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る携帯端末システム1では、ホストコンピュータ2にて設計された設計画面データを携帯端末10に格納した上で、設計画面における複数の領域を表示画面に表示すべき対象領域として指定し、更に、各対象領域についての表示画面における各表示位置をそれぞれ指定するようにしている。このようにすると、設計画面において表示が必要となる複数領域を指定して携帯端末10の表示画面に所望の位置関係で表示できるようになり、設計画面内の必要な情報を容易に且つ適切に確認できるようになる。
【0074】
例えば、図4(b)では、単に設計画面データの一部領域を表示させる構成を例示しているが、このようにすると、設計画面下部のエラーコードを頻繁に確認したい場合に確認し難く、エラーコードが表示されていること自体把握できない場合もありうる。しかしながら、本実施形態の構成によれば、頻繁に確認すべき領域等、必要となる領域を対象領域として携帯端末上に常時表示させることができ、ユーザの利便性を格段に高めることができる。
【0075】
また、対象領域移動手段が設けられているため、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させることができ、設計画面における携帯端末10に表示すべき領域を必要に応じて適切に変更できる。また、移動可能領域設定手段及び移動規制手段が設けられているため、対象領域の移動を特定の範囲に限定することができ、不要な表示等を効果的に防止できる。
【0076】
また、文字認識手段によって認識される文字の終端に達した場合に対象領域の移動が規制されるため、設計画面内において少なくともいずれかの対象領域の移動エリアを文字の存在する領域内に収めることができ、文字の存在するエリアに絞って効率的に表示できる。
【0077】
また、ユーザが、操作キー43aに対する所定操作によって対象領域を容易に移動できるようになる。
【0078】
また、様々な入力デバイス及び出力デバイスを備え、且つ光学的情報を読み取る機能を有する携帯端末10においてエミュレーションを適切に行うことができる。
【0079】
また、いずれかの対象領域についての表示/非表示を切り替えることができるため、必要に応じて対象領域を表示させたり、非表示とすることができ、動作確認の自由度を一層高めることができる。
【0080】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。図13は、図12の携帯端末システムに用いられる設計画面を説明する説明図である。図14は、図12の携帯端末システムで行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。図15は、図12の携帯端末システムで扱われるスクリプトを例示する説明図である。図16は、図12の携帯端末システムで行われるエミュレーション処理の流れを例示するフローチャートである。
【0081】
なお、本実施形態の携帯端末システム200は、ホストコンピュータ2及び携帯端末10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であり、第1実施形態の携帯端末システム1の機能を全て備えているので第1実施形態と同一の内容については説明を省略する。また、第1実施形態の携帯端末システム1と同一の部分については当該携帯端末システム1と同一の符号を付すものとする。
【0082】
図12に示すように、本実施形態の携帯端末システム200も、設計画面データを備えたホストコンピュータ2と、液晶表示器46(表示装置)を備えた携帯端末10とを有しており、ホストコンピュータ2の設計画面データによって構成される設計画面(図13参照)の一部を、液晶表示器46の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるように構成されている。
【0083】
本実施形態の携帯端末システム200は、更に、携帯端末10からの指示に基づいて印刷を行うプリンタ210を備えており、携帯端末10からの指示に基づきプリンタ210によって様々な印刷を行い得るように構成されている。このプリンタ210は、携帯端末10からの指示を受けて印刷を行う公知の画像形成装置として構成されており、携帯端末10との間で通信を行うための通信インターフェース214と、印字部211と、CPU212と、ROM、RAM等からなる記憶装置213などを備えている。
【0084】
このように構成される携帯端末システム200は、ホストコンピュータ2において、設計画面の特定領域にプリンタを制御するためのプリンタコマンドを記述しており(図13参照)、携帯端末10は、ホストコンピュータ2の設計画面データを取得して格納すると共に、設計画面におけるプリンタコマンドを取得するための取得範囲を指定し、その指定された取得範囲に存在するプリンコマンドを取得している。そして、その取得されたプリンタコマンドをプリンタ210に転送することで携帯端末10の指示に基づく印刷を可能としている。
以下、ホストコンピュータ2や携帯端末10で行われる具体的処理について説明する。
【0085】
図14は、ホストコンピュータ2で行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。当該処理では、まず印刷を行う対象プリンタを設定する(S201)このS201では、携帯端末10によって指示を与えるプリンタ210の機種等を設定している。次いで、携帯端末10とプリンタ210との間の通信設定を行う(S202)。S202では、携帯端末10とプリンタ210との通信が無線通信であるか、光通信であるか等の通信種別設定や、通信速度設定などが行われる。
【0086】
更に、設計画面(以下、ホスト画面ともいう)におけるプリンタコマンドの記述範囲を設定する(S203)。図13のように設計画面の特定領域にプリンタコマンドが記述されているため、S203では、この特定領域(プリンタコマンドが記述された領域)が記述範囲として設定される。なお、これらS201〜S203の設定はホストコンピュータ2上において作業者による指示に基づいて行われ、作業者はホストコンピュータ2に存在する設計画面データを認識ながら、プリンタコマンドが記述された特定領域を把握し、これを記述範囲として指示する作業を行うことになる。このようなS201〜S203の設定内容は、コンフィグファイルとしてデータ化され、保存される(S204)。
【0087】
なお、設計画面にプリンタコマンドを記述する処理は、作業者による操作手段9(キーボード等)を用いた入力作業に基づいて予めホストコンピュータ2において行うことができ、ホストコンピュータ2の操作手段9(キーボード等)やCPU4が設計画面にプリンタコマンドを記述する記述手段の一例に相当する。
【0088】
S204の後には、スクリプトファイルを携帯端末10に転送する転送処理が行われる(S205)。本実施形態では、ホストコンピュータ2において図15のようなスクリプトファイルが予め生成されるようになっている。このスクリプトファイルは、携帯端末10を制御するスクリプトが記述されたファイルであり、ホストコンピュータ2を扱う作業者がエディタなどを利用した入力操作を行うことにより生成されるものであり、CPU4が、「スクリプト生成手段」の一例に相当している。また、図14のプログラムを実行するCPU4及び通信手段6が「スクリプト送信手段」の一例に相当し、生成されたスクリプトを携帯端末10に送信するように機能する。携帯端末10は、スクリプトを取得して、当該スクリプトに従った情報処理を行うこととなるが、この情報処理については後述する。 S205の後には、上記コンフィグファイルを携帯端末10に転送する転送処理が行われる(S206)。
【0089】
次に、図16を参照して携帯端末10で行われるエミュレーション処理について説明する。
当該処理では、まずS206(図14)で転送されたコンフィグファイルを取得し、登録する処理が行われる(S210)。この処理では、S201〜S203の設定内容が携帯端末10のメモリ35に記憶され、登録される。
【0090】
その後、ホストコンピュータ2の設計画面データを取得する処理が行われる(S211)なお、本実施形態では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対して設計画面データの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設計画面データが携帯端末10のメモリ35に記憶される。なお、メモリ35及び制御回路40が「格納手段」の一例に相当する。
【0091】
S211の後にはイベントを取得する処理が行われる。本実施形態では、図15のスクリプトファイルに示すように、複数のイベント(キー操作)がスクリプトに登録されており、S212ではこのようなイベントを取得する。その後、スクリプトファイルをチェックしてイベントに対応する処理を特定する(S213)。例えばF1キーが操作されたときにはNextScreen(次の画面への移行)が特定され、F3キーが操作されたときにはEND(当該処理の終了)が特定される。
【0092】
スクリプトファイルのチェックが終わったあとには、どのようなイベントが取得されたかが判断される(S214)。例えば画面遷移が指示された場合にはS211以降の処理を行い、当該処理の終了が指示された場合には当該処理を終了し、データ入力が指示された場合にはデータ表示が行われる(S215)。
【0093】
一方、プリンタ出力が指示された場合(図15の例ではF4キーの操作)、S216に進んでプリンタコマンドを取得する処理を行う。本実施形態では、コンフィグファイルの読み込み、登録処理(S210)によって、プリンタコマンドが記述された特定領域(記述範囲)のデータが携帯端末10に登録されているため、S216の処理では、このデータに基づき、設計画面におけるプリンタコマンドを取得するための取得範囲を指定し、その指定された取得範囲に存在するプリンタコマンドを切り出して取得する。なお、図16のプログラムを実行する制御回路40が「取得範囲指定手段」「取得手段」の一例に相当する。
【0094】
S216で取得されたプリンタコマンドは所定コマンド(ここでは1コマンド)分切り出され(S217)、プリンタ210に送信される(S218)。そして、その送信に応じたプリンタ210からの返答を確認する(S219)。正常に送信された返答があった場合にはS220に進み、残りのコマンドが存在するか否かを確認し、存在する場合にはS217に戻って再び1コマンド分切り出し(S217)、それをプリンタ210に送信する(S218)。一方、S220において残りコマンドが存在しない場合にはS221に進んで完了表示を行う。
【0095】
なお、本実施形態では、制御回路40及び通信インターフェース48が「転送手段」の一例に相当し、取得されたプリンタコマンドをプリンタに転送するように機能する。また、制御回路40及び通信インターフェース48(転送手段)は、プリンタコマンドを、所定コマンドずつプリンタに送信するように機能しており、プリンタ210は、所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を携帯端末10に出力し、制御回路40及び通信インターフェース48(転送手段)は、所定コマンドに対するコマンド応答情報が携帯端末10にて受信されることに応じて、その受信されたコマンド応答情報に対応する所定コマンドの次の所定コマンドをプリンタ210に送信している。なお、携帯端末10からプリンタ210に与えられるコマンドは予め取り決めがなされた公知のコマンドであり、携帯端末10からコマンドが送られたときにプリンタ210によって当該コマンドを実行する点、或いはプリンタ210がコマンドを正常に取得したときに次のコマンドを要求する点、プリンタ210から次のコマンドが要求されたときに携帯端末10からプリンタ210に対して次のコマンドが送信される点などについては携帯端末10とプリンタ210との間でシーケンスが定められている。
【0096】
なお、S219においてプリンタ210からの返答がなく、タイムアウトとなった場合にはエラー表示がなされる(S222)。また、プリンタ210から再送信要求が送られた場合にはS219からS223に進み、再送信要求が指定回数に達したか否かを判断し(S223)、達していない場合にはS218に戻って再送信を行い、指定回数に達している場合にはエラー表示がなされるようになっている(S222)。
【0097】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の比較的大型の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。しかしながら、表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるエミュレーションシステムを構築することで、上記のような設計画面を携帯端末用に設計し直すことなく携帯端末の表示画面上で好適に動作確認できるようになる。
一方、上記のようなエミュレーションシステムでは、携帯端末で表示される設計画面をプリンタで出力すべき場合もあり、そのためには、携帯端末からプリンタに対し、当該携帯端末の表示画面内容を印刷するためのコマンドを発行する必要がある。しかしながら、エミュレーション中に携帯端末においてコマンドを記述しようとしても、コマンドを画面内に書き切れない、画面に書きにくい、或いは本来携帯端末に表示させたい内容を犠牲にしなければならない等の問題がある。
このような問題に対し、本実施形態の構成では、ホストコンピュータ2で設計される設計画面の特定領域にプリンタコマンドを記述しておき、携帯端末10にその記述されたコマンドを取得させる構成としているため、携帯端末10に直接プリンタコマンドを記述する等の労力を軽減でき、携帯端末10の表示画面内容を容易にプリンタ出力できるようになる。
【0098】
また、ホストコンピュータ2によって携帯端末10を制御するスクリプトを生成、送信し、携帯端末10においてそのスクリプトに従った情報処理を行うように構成されているため、複雑な設計等を要することなく携帯端末を適切に制御できるようになる。
【0099】
また、プリンタコマンドを所定コマンドずつプリンタ210に送信し、更に、その所定コマンドに対するプリンタ210からのコマンド応答情報に応じて次の所定コマンドを送信するように構成されている。このようにすると、プリンタコマンドのサイズが大きい場合であっても当該プリンタコマンドをプリンタに円滑に送信できるようになる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0100】
第2実施形態の図14から図16の内容を図17から図19のような内容に変更することもできる。以下、この例を第2実施形態の別例1として内容を詳述する。
図17から図19の例では、「スクリプト生成手段」によって生成されるスクリプトが、プリンタコマンドが記述された特定領域を特定する構成となっており、携帯端末10の「取得範囲指定手段」は、このスクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される特定領域を取得範囲として指定するように構成されている。
【0101】
図17は、この例についての設定処理を例示するものであり、S301、S302は図14のS201、S202と同様である。また、S303においてこれらの設定内容を有するコンフィグファイルを生成している点、このようなコンフィグファイルをS305において転送している点も図14のS204、S206も同様であるが、図17の例では、コンフィグファイルにおいてプリンタコマンドの記述範囲を設定するのではなく、S304で転送されるスクリプトに記述するようにしている。
【0102】
図18は、プリンタコマンドの記述範囲(特定領域)を特定しうるスクリプトの一例を示すものであり、当該スクリプトでは、画面毎にプリンタコマンドの記述範囲を特定している。例えば、画面1(Screen1)については、当該画面1におけるプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)をPrintOutput(10,20,40,50)と特定しており、他の画面2、画面3についても同様にプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)が特定されている。
【0103】
図19のエミュレーション処理S310〜S323は、S216の処理をS316の処理に変更した点のみが大きく異なり、それ以外は、図16の処理S210〜S223と同様となっている。この処理では、イベントとしてF4キーが操作されたときにS316の処理が行われる点は図14〜図16と同様であるが、S316では、現時点において携帯端末10に表示されている現画面についてのプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)をスクリプトの記述に基づいて特定し、現画面についてのプリンタコマンドを、当該現画面に係る設計画面から切り出して取得している。切り出されたプリンタコマンドをプリンタ210に転送する処理については、S317〜S323においてS217〜S223と同様に行われる。
【0104】
図17〜図19のようにすると、複雑な設計等を要することなく携帯端末に対してプリンタコマンドの記述領域を正確に伝達できる。また、複数の設計画面が存在する場合であっても各設計画面について適切なプリンタコマンドをプリンタに与えることができるようになる。
【0105】
また、第2実施形態の図14から図16の内容を図17、図20、図21のような内容に変更することもできる。以下、この例を別例2として内容について説明する。なお、図20は、この別例2についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。図20の処理は、S410〜S419の処理については、基本的に図19のS310〜S318と同様であり、S416の処理が付加されている点のみ(即ち、S414からの分岐が1つ追加されている点のみ)が図19のS310〜S318と異なっている。また、図21に示すスクリプトについても、F5キーについてのイベントが付加されている点のみが図18のスクリプトと異なり、それ以外は図18と同様となっている。
【0106】
図20の処理では、S417においてS316(図19)と同様のプリンタコマンド切り出し処理を行った後、S418において、現画面についてのプリンタコマンドの1コマンド分が切り出され、当該1コマンド分がプリンタ210に送信される(S419)。その後、プリンタ210からの返答を待ち、返答結果に応じた処理が行われる。なお、タイムアウトとなった場合にエラー表示(S425)がなされる点や再送信要求がなされた場合(S426)の対応は第2実施形態と同様である。
【0107】
一方、プリンタ210からの返信が確認された場合には、S420からS421に進み、プリンタからの返信情報(プリンタレスポンス)を変数(PrinterResponse$)として保存する(S421)。その後、ステータス異常か否かを判断し(S422)、ステータス異常の場合にはエラー表示を行い(S425)、ステータスが正常の場合にはS423に進んで残りコマンドが存在するか否かを判断する(S423)。存在する場合にはS418以降の処理を繰り返し、存在しない場合には完了表示を行う(S424)。
【0108】
上記のように保存されたプリンタレスポンスは、その後に行われるS412以降の処理によってホストコンピュータ2に送信することができるようになっている。具体的には、図21に示すように、イベントがF5キーの操作である場合に変数(PrinterResponse$)の内容をホストコンピュータ2に送信するようにスクリプトが記述されており、S412で取得されたイベントがF5キーである場合にはS414からS416に進んで、当該変数(PrinterResponse$)の内容、即ちプリンタレスポンスがホストコンピュータ2に送信されることとなる(S416)。
【0109】
このように別例2では、スクリプト生成手段によって生成されるスクリプトが、プリンタ210からの応答情報(プリンタレスポンス)をホストコンピュータ2に送信する指示を与えるものとして構成されており、携帯端末10は、スクリプトの指示に基づき、プリンタ210からの応答情報をホストコンピュータ2に送信するように構成されている。
このようにすると、ホストコンピュータ2がプリンタ210からの応答情報を確認できる構成を、複雑な設計や膨大なコストを伴うことなく良好に実現できる。
【0110】
なお、第2実施形態では、プリンタコマンドの記述領域と、表示画面に表示される対象領域との関係は限定していないが、設計画面における表示画面に表示されていない領域をプリンタコマンドを取得する取得範囲として指定できる構成であるため、表示画面に表示すべき内容を犠牲にすることなく携帯端末10にプリンタコマンドを取得させることができ、利便性が極めて高い構成となっている。
【0111】
また、第1実施形態では、文字認識に基づく移動可能領域設定処理(S17:図7)が行われるように構成されていたがこのような処理を省略してもよい。
【0112】
上記第1、第2実施形態では、図5、図14、図17のような設定処理をホストコンピュータ2にて行っていたが、このような設定処理はホストコンピュータ2以外のコンピュータにて行うようにしてもよく、この場合、当該設定処理にて設定されたデータを当該コンピュータから携帯端末10に転送するように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。
【図2】図2は、携帯端末の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、図1の携帯端末システムに用いられるホストコンピュータ及び当該ホストコンピュータで設計される設計画面等を概略的に説明する説明図である。
【図4】図4は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示した例を示す説明図である。
【図5】図5は、携帯端末に与える各種設定値を設定する設定処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】図6は、図5の設定処理にて設定されたデータ内容を概念的に説明する説明図である。
【図7】図7は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示する表示処理を例示するフローチャートである。
【図8】図8は、文字認識に基づいて移動可能範囲を設定する設定処理のフローチャートである。
【図9】図9は、文字認識に基づく移動可能範囲の設定を説明する説明図である。
【図10】図10は、キー情報取得処理の流れを例示するフローチャートである。
【図11】図11は、キー情報取得処理について図8とは異なる例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。
【図13】図13は、図12の携帯端末システムに用いられる設計画面を説明する説明図である。
【図14】図14は、図12の携帯端末システムで行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。
【図15】図15は、図12の携帯端末システムで扱われるスクリプトを例示する説明図である。
【図16】図16は、図12の携帯端末システムで行われるエミュレーション処理の流れを例示するフローチャートである。
【図17】図17は、第2実施形態の別例1についての設定処理を例示するフローチャートである。
【図18】図18は、第2実施形態の別例1で用いるスクリプトを例示する説明図である。
【図19】図19は、第2実施形態の別例1についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。
【図20】図20は、第2実施形態の別例2についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。
【図21】図21は、第2実施形態の別例2で用いるスクリプトを例示する説明図である。
【符号の説明】
【0114】
1…携帯端末システム
2…ホストコンピュータ
4…CPU(スクリプト生成手段、スクリプト送信手段)
6…通信手段(スクリプト送信手段)
10…携帯端末
20…回路部(光学的情報読取手段)
35…メモリ(格納手段)
40…制御回路(格納手段、対象領域指定手段、表示位置指定手段、対象領域移動手段、移動可能領域設定手段、移動規制手段、文字認識手段、切替手段、取得範囲指定手段、取得手段、転送手段)
43…キーボード
43a…操作キー
44…ブザー
45…LED
46…液晶表示器(表示装置)
48…通信インターフェース(転送手段)
210…プリンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の分野では、ホストコンピュータ上で画面を設計し、携帯端末の表示画面上でその設計画面を表示させるエミュレーションシステムが提供されている。なお、このようなシステムに関連する技術としては、例えば特許文献1、2のようなものがある。
【特許文献1】特開2007−267199公報
【特許文献2】特開2006−39919公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記エミュレーションシステムは、ホストコンピュータ上で設計された設計画面の一部を携帯端末の表示画面上に表示させて様々な動作確認を行おうとするものであるが、この種のエミュレーションシステムでは、表示画面上で表示される設計画面の一部を必要に応じて任意に切り替えうる構成が望まれ、更に、ユーザにとってより有利な機能が付加されることが望まれる。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ホストコンピュータで設計された設計画面の一部を携帯端末の表示画面上で表示できると共に、当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え可能であり、更に、ユーザにとってより有利な機能が付加された携帯端末システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、設計画面データを備えたホストコンピュータと、表示装置を備えた携帯端末と、を有し、前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、前記携帯端末は、前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記設計画面データによって構成される前記設計画面において、前記表示画面に表示する対象となる対象領域を指定する対象領域指定手段と、前記表示画面における前記対象領域の表示位置を指定する表示位置指定手段と、を備え、前記対象領域指定手段は、前記設計画面における複数の領域をそれぞれ前記対象領域として指定し、前記表示位置指定手段は、前記対象領域指定手段によって指定される各対象領域についての前記表示画面における前記表示位置をそれぞれ指定することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末システムにおいて、前記対象領域指定手段は、少なくともいずれかの前記対象領域を前記設計画面内において移動させる対象領域移動手段と、前記設計画面内における前記対象領域の移動可能領域を設定する移動可能領域設定手段と、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が前記移動可能領域の終端位置に達した場合に前記対象領域の移動を規制する移動規制手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の携帯端末システムにおいて、前記設計画面内に存在する文字を認識する文字認識手段を備え、前記移動可能領域設定手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字の存在範囲を前記移動可能領域として設定し、前記移動規制手段は、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が、前記文字の前記存在範囲の終端に達した場合に前記対象領域の移動を規制することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、操作キーを有し、前記対象領域移動手段は、前記操作キーに対する所定操作に応じて前記対象領域を移動させることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、入力デバイスとして、キーボードと、光学的情報読取手段と、を有し、出力デバイスとして、前記表示装置、表示用LED、ブザー、及びバイブレータを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末システムにおいて、前記携帯端末は、前記対象領域指定手段によって指定された少なくともいずれかの前記対象領域についての表示と非表示とを切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、 設計画面データを備えたホストコンピュータと、表示装置を備えた携帯端末と、前記携帯端末からの指示に基づいて印刷を行うプリンタと、を有し、前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、前記設計画面データによって構成される前記設計画面の特定領域に、前記プリンタを制御するためのプリンタコマンドが記述され、前記携帯端末は、前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、前記設計画面における前記プリンタコマンドを取得するための取得範囲を前記特定領域と対応させて指定する取得範囲指定手段と、前記取得範囲指定手段によって指定された前記取得範囲に存在する前記プリンタコマンドを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記プリンタコマンドを前記プリンタに転送する転送手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載の携帯端末システムにおいて、前記ホストコンピュータは、前記携帯端末を制御するスクリプトを生成するスクリプト生成手段と、前記スクリプト生成手段によって生成された前記スクリプトを前記携帯端末に送信するスクリプト送信手段と、を有し、前記携帯端末は、前記スクリプトを取得すると共に、当該スクリプトに従った情報処理を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載の携帯端末システムにおいて、前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタコマンドが記述された前記特定領域を特定するものであり、前記携帯端末の前記取得範囲指定手段は、前記スクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される前記特定領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の携帯端末システムにおいて、前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタからの応答情報を前記ホストコンピュータに送信する指示を与えるものであり、前記携帯端末は、前記スクリプトの指示に基づき、前記プリンタからの前記応答情報を前記ホストコンピュータに送信することを特徴とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記転送手段は、前記プリンタコマンドを、所定コマンドずつ前記プリンタに送信し、前記プリンタは、前記転送手段からの前記所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を前記携帯端末に出力し、前記転送手段は、前記所定コマンドに対する前記コマンド応答情報が前記携帯端末にて受信されることに応じて、その受信された前記コマンド応答情報に対応する前記所定コマンドの次の前記所定コマンドを送信することを特徴とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の携帯端末システムにおいて、前記取得範囲指定手段は、前記設計画面における前記表示画面に表示されていない領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。このような従来構成の場合、設計画面内の所望の情報を携帯端末の表示画面にて確認するために表示位置を移動させる必要があり、ユーザの負担が大きいという問題がある。
しかしながら、請求項1の発明では、ホストコンピュータにて設計された設計画面データを携帯端末に格納した上で、設計画面における複数の領域を表示画面に表示すべき対象領域として指定し、更に、各対象領域についての表示画面における各表示位置をそれぞれ指定するようにしている。このようにすると、設計画面において表示が必要となる複数領域を指定して携帯端末の表示画面に所望の位置関係で表示できるようになり、設計画面内の必要な情報を容易に且つ適切に確認できるようになる。
【0018】
請求項2の発明は、対象領域移動手段が設けられているため、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させることができ、設計画面における携帯端末に表示すべき領域を必要に応じて適切に変更できる。また、移動可能領域設定手段及び移動規制手段が設けられているため、対象領域の移動を特定の範囲に限定することができ、不要な表示等を効果的に防止できる。
【0019】
請求項3の発明は、文字認識手段によって認識される文字の終端に達した場合に対象領域の移動が規制されるため、設計画面内において少なくともいずれかの対象領域の移動エリアを文字の存在する領域内に収めることができ、文字の存在するエリアに絞って効率的に表示できる。
【0020】
請求項4の発明によれば、ユーザが、操作キーに対する所定操作によって対象領域を容易に移動できるようになる。
【0021】
請求項5の発明によれば、様々な入力デバイス及び出力デバイスを備え、且つ光学的情報を読み取る機能を有する携帯端末においてエミュレーションを適切に行うことができる。
【0022】
請求項6の発明は、いずれかの対象領域についての表示/非表示を切り替えることができるため、必要に応じて対象領域を表示させたり、非表示とすることができ、動作確認の自由度を一層高めることができる。
【0023】
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の比較的大型の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。しかしながら、表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるエミュレーションシステムを構築することで、上記のような設計画面を携帯端末用に設計し直すことなく携帯端末の表示画面上で好適に動作確認できるようになる。
一方、上記のようなエミュレーションシステムでは、携帯端末で表示される設計画面をプリンタで出力すべき場合もあり、そのためには、携帯端末からプリンタに対し、当該携帯端末の表示画面内容を印刷するためのコマンドを発行する必要がある。しかしながら、エミュレーション中に携帯端末においてコマンドを記述しようとしても、コマンドを画面内に書き切れない、画面に書きにくい、或いは本来携帯端末に表示させたい内容を犠牲にしなければならない等の問題がある。
このような問題に対し、請求項7の発明では、ホストコンピュータで設計される設計画面の特定領域にプリンタコマンドを記述しておき、携帯端末にその記述されたコマンドを取得させる構成としているため、携帯端末に直接プリンタコマンドを記述する等の労力を軽減でき、携帯端末の表示画面内容を容易にプリンタ出力できるようになる。
【0024】
請求項8の発明は、ホストコンピュータによって携帯端末を制御するスクリプトを生成、送信し、携帯端末においてそのスクリプトに従った情報処理を行うように構成されているため、複雑な設計等を要することなく携帯端末を適切に制御できるようになる。
【0025】
請求項9の発明は、プリンタコマンドが記述された特定領域を特定しうるようにスクリプトが構成され、携帯端末は、そのスクリプトに基づき、プリンタコマンドが記述された領域(特定領域)を特定し、当該領域に記述されたプリンタコマンドを取得するように構成されている。このようにすると、複雑な設計等を要することなく携帯端末に対してプリンタコマンドの記述領域を正確に伝達できる。
【0026】
請求項10の発明は、スクリプトにより、携帯端末に対し、プリンタからの応答情報をホストコンピュータに送信する指示が与えられ、そのスクリプトの指示に基づき、プリンタからの応答情報がホストコンピュータに送信されるようになっている。このようにすると、ホストコンピュータがプリンタからの応答情報を確認できる構成を、複雑な設計や膨大なコストを伴うことなく良好に実現できる。
【0027】
請求項11の発明は、プリンタコマンドを所定コマンドずつプリンタに送信し、更に、その所定コマンドに対するプリンタからのコマンド応答情報に応じて次の所定コマンドを送信するように構成されている。このようにすると、プリンタコマンドのサイズが大きい場合であっても当該プリンタコマンドをプリンタに円滑に送信できるようになる。
【0028】
請求項12の発明は、設計画面における表示画面に表示されていない領域をプリンタコマンドを取得する取得範囲として指定するように構成されているため、表示画面に表示すべき内容を犠牲にすることなく携帯端末にプリンタコマンドを取得させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る携帯端末システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。図2は、携帯端末の構成を概略的に例示するブロック図である。図3は、図1の携帯端末システムに用いられるホストコンピュータ及び当該ホストコンピュータ設計される設計画面を概略的に説明する説明図である。図4は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示した例を示す説明図である。図5は、携帯端末に与える各種設定値を設定する設定処理の流れを例示するフローチャートである。図6は、図5の設定処理にて設定されたデータ内容を概念的に説明する説明図である。図7は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示する表示処理を例示するフローチャートである。図8は、文字認識に基づいて移動可能範囲を設定する設定処理のフローチャートである。図9は、文字認識に基づく移動可能範囲の設定を説明する説明図である。図10は、キー情報取得処理の流れを例示するフローチャートである。図11は、キー情報取得処理について図8とは異なる例を示すフローチャートである。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯端末システム1は、ホストコンピュータ2と携帯端末10とを備えてなるものである。
ホストコンピュータ2は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCとも称する)として構成されており、液晶ディスプレイ等からなるモニタ3、CPU4,ROM5、通信手段6、ハードディスクドライブ(以下HDDとも称する)7、RAM8、キーボードやマウスなどからなる操作手段9などを備えている。
【0031】
携帯端末10は、光学的情報読取装置(本実施形態ではバーコードリーダを例示)として構成されるものであり、図2のような構成をなしている。この携帯端末10は、ケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、この回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
なお、本実施形態では、上記回路部20が「光学的情報読取手段」の一例に相当している。
【0032】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図2では、バーコードBが付された読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、読取対象物RやバーコードBに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものである。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。また、結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが、バーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0033】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作キー43a、表示LED(以下、単にLEDとも称する)45、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。なお、液晶表示器46は、「表示装置」の一例に相当する。
【0034】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0035】
制御回路40は、携帯端末10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作キー43a、LED45、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、操作キー43aの監視や管理、LED45の点灯、非点灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、液晶表示器46の表示制御等を可能にしている。なお、本実施形態では、制御回路40に図示しない公知のバイブレータが接続されており、制御回路40によって振動、非振動が制御されるようになっている。
【0036】
通信インターフェース48は外部機器と通信を行うためのインターフェースであり、本実施形態ではこの通信インターフェース48とホストコンピュータ2の通信手段6との間で情報通信がなされている。
【0037】
次に、携帯端末10によるエミュレーションについて説明する。
本実施形態に係る携帯端末システム1では、ホストコンピュータ2において画面設計を行い得るように構成されており、図3には、ホストコンピュータ2において設計された画面(設計画面)の一例を示している。ホストコンピュータ2には、このような設計画面を表示するための設計画面データが記憶手段(HDD7等)に記憶されている。なお、コンピュータ上で画面設計を行う技術は公知であるので詳細は省略する。
【0038】
携帯端末10は、ホストコンピュータ2に設けられた上記設計画面データを取得し、当該設計画面データによって構成される設計画面の一部を、例えば図4(a)のように液晶表示器46(表示装置)の表示画面に表示させ、更に、当該表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能とされている。以下、このようなエミュレーションを行うための具体的内容について詳述する。
【0039】
まず、図5を参照して携帯端末に与える各種設定値を設定するための設定処理を説明する。当該設定処理は、ホストコンピュータ2において行われるものであり、当該処理が開始されると、まず、携帯端末10に表示すべき対象領域数の設定が行われる(S1)。図3、図4(a)の例のように、表示すべき対象領域を2つとする場合には、表示領域数は「2」と設定される。なお、この「2」という設定情報は、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力され、設定された対象領域数「2」は記憶手段(RAM8,HDD7等)に記憶される。
【0040】
次に、各対象領域についての携帯端末10での表示サイズを設定する(S2)。例えば、図4(a)では、携帯端末10の表示画面において2つの表示領域AR1、AR2が設定される例を示しているが、S2ではこのような表示領域AR1、AR2の各表示サイズが設定される。各表示サイズデータは、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力され(例えば、N1文字×N2文字、或いはL1mm×L2mmといったデータが入力され)、S1で設定された領域数の分だけ生成される。
【0041】
次に、携帯端末に表示する各対象領域についての設計画面内での移動可能なエリア(移動可能領域)を設定する(S3)。この処理では、例えば破線領域AR3(図3)にて概念的に示すようにユーザが設計画面内の所望のエリアを設定することができる。なお、各移動可能領域を特定するデータは、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば、座標値と領域サイズの入力等)され、S1で設定された領域数の分だけ生成することができる。
【0042】
次に、携帯端末10の表示画面内での初期表示位置を設定する処理が行われる(S4)。この処理では、S1で設定される数の各対象領域を、初期状態において携帯端末10の表示画面のどの位置に配置するかを定める処理である。この初期表示位置も、ホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば、各初期表示位置の各座標値の入力等)され、S1で設定された数の分だけ生成される。
【0043】
更に、携帯端末10の表示画面で表示されるべき各対象領域についての初期表示領域を設定する(S5)。この処理は、初期状態においてS3で設定される各移動可能領域のどの位置を表示するかを定める処理であり、例えば、移動可能領域AR3内の領域AR4(図3)を初期状態で表示させる場合には、領域AR4を特定する座標値(例えば図3における位置P1の座標値)を設定すればよい。なお、表示サイズについては、S2の処理で設定されているため、位置P1を特定できれば領域AR4を初期表示領域として特定できるようになる。なお、このような初期表示領域を特定するデータもホストコンピュータ2を扱うユーザによって入力(例えば各移動可能領域毎の各座標値の入力等)され、S1で設定された領域数の分だけ生成される。
【0044】
このような設定処理が一通り完了した後には、各設定値を記録した設定ファイル(設定情報)が記憶手段(例えばHDD7)に保存される(S6)なお、図6には、表示対象領域数が「2」であるときの設定ファイルのデータ内容を概念的に示しており、当該設定ファイルによれば、設計画面における表示対象領域数「2」、各対象領域についての携帯端末での各表示サイズデータD21、D22、各対象領域についての移動可能領域データD31、D32、各対象領域を携帯端末10で表示するときの当該携帯端末上での各初期表示位置データD41,D42、各対象領域についての各初期表示領域データD51,D52が得られることとなる。
【0045】
次に、図7を参照して携帯端末10で行われる表示処理を説明する。当該処理では、まず図5の処理で生成された設定ファイルが取得される(S10)。このS10の処理では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対し設定ファイルの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設定ファイルが携帯端末10のメモリ35に記憶される。
【0046】
その後、S11〜S15において、各設定値が登録される。S11では、S10で取得した設定ファイルが読み出され、S1で設定された携帯端末10に表示すべき対象領域数が登録される。同様に、S2で設定された各対象領域の各表示サイズが登録され(S12)、S3で設定された各移動可能領域が登録される(S13)。更には、S4で設定された、携帯端末10の表示画面内での初期表示位置が登録され(S14)、S5で設定された各対象領域についての初期表示領域が登録される(S15)。なお、これらの登録データはRAM等に記憶され、以降の処理において設計画面を表示するために用いられることとなる。
【0047】
なお、本実施形態では、図7のプログラムを実行する制御回路40が「対象領域指定手段」の一例に相当し、上記登録内容に基づき、格納された設計画面データによって構成される設計画面において、携帯端末10の表示画面に表示する対象領域を複数指定するように機能する。また、制御回路40は、「表示位置指定手段」の一例にも相当し、上記登録内容に基づき、携帯端末10の表示画面における各対象領域の表示位置をそれぞれ指定するように機能する。
【0048】
S15の後には、ホストコンピュータ2から設計画面データが取得される。なお、本実施形態では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対して設計画面データの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設計画面データが携帯端末10のメモリ35に記憶される。なお、メモリ35及び制御回路40が「格納手段」の一例に相当する。
【0049】
次に、文字認識に基づく移動可能領域の設定処理が行われる(S17)。この処理は、設計画面内に存在する文字を認識し、その認識された文字の存在範囲を移動可能領域として設定する処理である。なお、本実施形態では図8のプログラムを実行する制御回路40が「文字認識手段」「移動可能領域設定手段」の一例に相当する。
【0050】
図8は、S17の処理の流れを例示するフローチャートであり、当該処理が開始されると、まず、X座標(行方向の座標)の値A及びY座標(列方向の座標)の値Bの初期化が行われる(S30)。この処理では、着目する領域(S13で設定されたいずれかの移動可能領域)において角部の座標が初期値として取得される。例えば、S13において図9(a)のような領域AR5が設定されている場合、当該領域AR5の右下の角部位置Z1の座標(1,10)を初期値として設定する。
【0051】
そして、現在行の最初の文字座標が取得される(S31)。例えば、S30において位置Z1の座標(1,10)が初期値として取得されたときには、その位置Z1を含んだ行の最初の文字「M」の位置Z2の座標(1,8)が取得される。そして、現在行においてX座標値が現在のAの値よりも小さい文字が存在するか否かを判断し(S32)、存在する場合には、S32にてYesに進み、存在する文字の座標のうち最も小さい値をAとするようにAの値を更新する(S33)。例えば、図9において現在行が1行目である場合には最も文字が存在する位置のうちX座標値が最も小さい「J」の位置Z3のX座標値「4」がAの値となる。更に、現在行の最後の文字座標を取得する(S34)。
【0052】
更に、Y座標値が現在のBの値よりも大きい文字が存在するか否かを判断し(S35)、存在する場合にはS35にてYesに進み、Bの値を、現在Bの値の次に大きい座標の値に更新し(S36)、着目する行を次の行に進める(S37)。例えば、現在の行が1行目である場合には、S36においてBの値が「2」に更新され、S37において着目する行が2行目に進められることとなる。
【0053】
その後、現在行が着目している指定領域(即ちS13で設定された領域)から外れたか否かを判断し(S38)、外れていない場合にはS38にてNoに進み、S31以降の処理を繰り返す。例えばS37において2行目に進められた場合には現在行を二行目としてS31以降の処理を繰り返す。また、二行目についてS31〜S36までの処理が終わると、S37にて三行目に進められると共に、三行目についてS31〜S36までの処理が繰り返される。そして、S37にて4行目に進められると、指定領域を外れることとなるのでS38にてYesに進みS38の設定処理が行われる。着目する指定領域についてS30〜S38までの処理が終了し、S38にてYesに進むときには、Aの値は、文字が存在する領域における最も小さいX座標値(図9では位置Z7のX座標値「3」)に設定され、Bの値は、文字が存在する領域における最も大きいY座標値(図9では「3」)に設定されている。また、文字が存在する領域の最も小さいY座標値、及び最も大きいX座標値も容易に特定できるため、これら4つの座標値に基づいて矩形状の移動可能領域が設定される(S39:図9(b)のAR6参照)。
【0054】
なお、上記のような文字認識に基づく移動可能領域の設定処理は、全てに対象領域について行うようにしてもよく、一部の対象領域のみについて行うようにしてもよい。例えば、図4(a)のような表示画面設定がなされる場合、補助領域AR2に表示する対象となる対象領域のみについて行うようにしてもよく、全ての領域AR1、AR2について行うようにしてもよい。
【0055】
図8の処理が終わると、図7のS18に示す表示内容の更新処理が行われる(S18)。この処理は、後述するS19の処理結果に応じて表示画面の表示内容を更新する処理であり、S19の処理が行われていない初回には、S16で取得された設計画面データによって構成される設計画面がS11〜S17までの設定に従って表示される。
【0056】
S18の後にはキー情報取得処理が行われる(S19)。この処理では、ユーザが携帯端末10の操作キー43a(図1等)を操作することに応じてそのキー情報が取得され、キー操作内容に応じた表示制御がなされる。本実施形態に係る携帯端末10では、キー操作の種類毎に表示制御内容が決められており、具体的には、メイン画面の移動指示、サブ画面の移動指示、メイン画面の内容移動指示、サブ画面の内容移動指示、サブ画面の表示指示、サブ画面の非表示指示、ホストへの情報送信指示、アプリケーション終了指示(表示処理終了指示)、についてそれぞれキー操作の種類が予め定められている。
【0057】
図10は、キー情報取得処理の具体的な流れを例示しており、当該処理ではまず、メイン画面の移動指示がなされたか否か(メイン画面移動情報が取得されたか否か)が判断される(S50)。本実施形態では、図4に示すように、携帯端末10に表示する領域として、表示画面上の大部分を占める主領域AR1と、主領域(メイン画面)AR1よりも小さい補助領域(サブ画面)AR2とが設定されるように構成されており、キー操作が携帯端末10の表示画面内での主領域AR1(メイン画面)の移動を指示するものである場合には、S50にてYesに進み、表示画面内での移動可能か否かを判断する(S51
。例えば、メイン画面が表示画面内のほぼ全体に亘って構成され、移動するエリアが無い場合や、メイン画面を移動させようとする方向において既に表示画面の端部に達している場合には移動が不可能であるためS51にてNoに進み、当該処理を終了する。一方、メイン画面の移動が可能である場合には、S51にてYesに進み、携帯端末10の表示画面におけるメイン画面の表示座標を変更し、メイン画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S52)。
【0058】
S50でNoに進む場合には、サブ画面の移動指示がなされたか否か(サブ画面移動情報が取得されたか否か)が判断される(S53)。キー操作が携帯端末10の表示画面内での補助領域AR2(サブ画面)の移動を指示するものである場合には、S53にてYesに進み、当該サブ画面を表示画面内で移動可能か否かを判断する(S54)。例えば、サブ画面を移動させようとする方向において既に表示画面の端部に達している場合(例えば、図4(a)のような状態において下方向に移動させる指示がなされた場合等)には、移動が不可能であるためS54にてNoに進み、当該処理を終了する。一方、サブ画面の移動が可能である場合には、S54にてYesに進み、携帯端末10の表示画面におけるサブ画面の表示座標を変更し、サブ画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S55)。
【0059】
一方、S53にてNoに進む場合には、メイン画面の内容移動指示がなされたか否か(メイン画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S56)。キー操作によってメイン画面の内容を移動させる指示がなされた場合とは、即ち、設計画面におけるメイン画面(主領域AR1)に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合のことであり、このような場合にはS56にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S57)。メイン画面(主領域AR1)で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS57にてYesに進み、メイン画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面における主領域AR1に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)メイン画面の表示内容を変更する設定を行う(S58)。一方、設計画面内においてメイン画面(主領域AR1)に表示させるべき対象領域を移動できない場合(例えば、主領域AR1の表示サイズと主領域AR1についての移動可能領域とが同サイズの場合、或いは、対象領域を移動させようとする方向において移動可能領域の終端に達している場合等)には、S57にてNoに進み、当該処理を終了する。
【0060】
なお、本実施形態では、図10のプログラムを実行する制御回路40が「対象領域移動手段」の一例に相当し、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させるように機能する。また、制御回路40は、「移動規制手段」の一例に相当し、対象領域の移動が移動可能領域の終端位置に達した場合に対象領域の移動を規制するように機能する。
【0061】
一方、S56にてNoに進む場合には、サブ画面の内容移動指示がなされたか否か(サブ画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S59)。キー操作によってサブ画面の内容を移動させる指示がなされた場合とは、即ち、設計画面におけるサブ画面(補助領域AR2)に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合のことであり、このような場合にはS59にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S60)。サブ画面(補助領域AR2)で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS60にてYesに進み、サブ画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面における補助領域AR2に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)サブ画面の表示内容を変更する設定を行う(S61)。一方、設計画面内においてサブ画面(補助領域AR2)に表示させるべき対象領域を移動できない場合には、S60にてNoに進み、当該処理を終了する。例えば、S17(図7、図8)で説明した文字認識に基づく移動可能領域の設定処理により移動可能領域が文字の存在範囲に限定されている場合、キー操作によって対象領域を移動させようとする方向において当該対象領域が文字の存在範囲の終端に達している場合には移動が規制されるため、このような場合にはS60にてNoに進み当該処理を終了する。
【0062】
S59にてNoに進む場合には、キー操作によってサブ画面(補助領域AR2)を表示させる指示、或いはサブ画面を表示させない指示がなされたか否かを判断する(S62)。このような指示がなされた場合にはS62にてYesに進み、その指示に応じてサブ画面を表示させる設定又は表示させない設定を行う(S63)。なお、本実施形態では、図10のプログラムを実行する制御回路40が「切替手段」の一例に相当し、少なくともいずれかの対象領域についての表示と非表示とを切り替えるように機能する。
【0063】
S62にてNoに進む場合には、キー操作によってホストコンピュータ2へ情報を送信する指示がなされたか否かを判断する(S64)。指示がなされた場合にはS64にてYesに進み、指示された情報をホストコンピュータ2に送信する(S65)。
【0064】
また、S64にてNoに進む場合には、当該アプリケーションを終了させる指示がなされたか否かを判断し(S66)、終了させる指示がなされた場合にはS66にてYesに進み、図7の表示処理を終了させる設定を行う(S67)。
【0065】
上記のようなキー情報取得処理が終わると、図7のS20に示す判断処理、即ち、図7の表示処理を終了させる指示がなされたか否かの判断処理が行われる。図10に示すキー情報取得処理において、S67の終了設定処理が行われている場合にはS20にてYesに進み、図7の処理を終了する。一方、終了が指示されていない場合には、S20にてNoに進み、S16以降の処理を繰り返す。なお、再度行われるS16の処理では、キー情報取得処理において設計画面に何らかの変更がなされている場合にはホストコンピュータ2から設計画面データを再度取得し、そうでない場合には設計画面データを再取得せずに既に格納されている設計画面データを利用するようにしてもよい。
【0066】
また、再度行われるS18の処理では、図10のキー情報取得処理にて設定された内容(即ち、S52、S55、S58、S61、S63等の設定内容)を反映するように携帯端末10の表示画面内容が更新される。
【0067】
なお、上記の例では、キー情報取得処理として図10のような例を示したが、これに代えて図11のような処理を行うようにしてもよい。図11は、携帯端末10に表示させる対象領域が3以上設定された場合にも対応しうる処理であり、当該処理の前提として、キー操作により、「画面の指定指示」「画面の移動指示」「画面の内容移動指示」「画面の表示指示」「画面の非表示指示」を与えることができるようになっている。なお、ホストへの情報送信指示、アプリケーション終了指示(表示処理終了指示)、については、図10の例と同様であるため、S111〜S114の詳細な説明は省略する。
【0068】
図11の処理では、まず、画面の指定指示がなされたか否かを判断する(S101)。キー操作により、携帯端末10の表示画面内に設定される各画面(即ち、各対象領域を表示する各画面)のいずれかが指定された場合にはS101にてYesに進み、当該キー情報取得処理において着目するフォーカス画面を指定された画面に変更する設定を行う(S102)。
【0069】
S101にてNoに進む場合には、画面を移動する指示がなされたか否か(画面移動情報が取得されたか否か)を判断する(S103)。即ち、キー操作が携帯端末10の表示画面内での表示エリアの移動を指示するものである場合には、S104にてYesに進み、現在のフォーカス画面(S102で設定されている画面)が表示画面内で移動可能か否かを判断する(S104)。移動が可能ならばS104にてYesに進み、そのフォーカス画面を、キー操作に応じた方向に指示された量だけ移動させる設定を行う(S105)。移動が不可能ならばS104にてNoに進み当該処理を終了する。
【0070】
S103にてNoに進む場合には、画面の内容移動指示がなされたか否か(画面の内容移動情報が取得されたか否か)が判断される(S106)。画面の内容移動指示がなされた場合、即ち、設計画面におけるフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させる指示がなされた場合には、S106にてYesに進み、移動が可能か否かを判断する(S107)。フォーカス画面で表示すべき対象領域を設計画面内で移動可能な場合にはS107にてYesに進み、フォーカス画面の内容領域の座標を変更し(即ち、設計画面におけるフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動可能領域内で移動させ)フォーカス画面の表示内容を変更する設定を行う(S108)。一方、設計画面内においてフォーカス画面に表示させるべき対象領域を移動できない場合には、S107にてNoに進み、当該処理を終了する。
【0071】
S106にてNoに進む場合には、フォーカス画面を表示させる指示、或いはフォーカス画面を表示させない指示がなされたか否かを判断する(S109)。このような指示がなされた場合にはS109にてYesに進み、その指示に応じてフォーカス画面を表示させる設定又は表示させない設定を行う(S110)。なお、S111〜S114の処理は、図10のS64からS67と同様である。
【0072】
なお、図11のようなキー情報取得処理が行われる場合もS18(図7)では同様の更新が行われ、フォーカス画面についてS105、S108、S110の設定内容を反映した変更が行われ、携帯端末10での表示画面内容が更新される。
【0073】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る携帯端末システム1では、ホストコンピュータ2にて設計された設計画面データを携帯端末10に格納した上で、設計画面における複数の領域を表示画面に表示すべき対象領域として指定し、更に、各対象領域についての表示画面における各表示位置をそれぞれ指定するようにしている。このようにすると、設計画面において表示が必要となる複数領域を指定して携帯端末10の表示画面に所望の位置関係で表示できるようになり、設計画面内の必要な情報を容易に且つ適切に確認できるようになる。
【0074】
例えば、図4(b)では、単に設計画面データの一部領域を表示させる構成を例示しているが、このようにすると、設計画面下部のエラーコードを頻繁に確認したい場合に確認し難く、エラーコードが表示されていること自体把握できない場合もありうる。しかしながら、本実施形態の構成によれば、頻繁に確認すべき領域等、必要となる領域を対象領域として携帯端末上に常時表示させることができ、ユーザの利便性を格段に高めることができる。
【0075】
また、対象領域移動手段が設けられているため、少なくともいずれかの対象領域を設計画面内において移動させることができ、設計画面における携帯端末10に表示すべき領域を必要に応じて適切に変更できる。また、移動可能領域設定手段及び移動規制手段が設けられているため、対象領域の移動を特定の範囲に限定することができ、不要な表示等を効果的に防止できる。
【0076】
また、文字認識手段によって認識される文字の終端に達した場合に対象領域の移動が規制されるため、設計画面内において少なくともいずれかの対象領域の移動エリアを文字の存在する領域内に収めることができ、文字の存在するエリアに絞って効率的に表示できる。
【0077】
また、ユーザが、操作キー43aに対する所定操作によって対象領域を容易に移動できるようになる。
【0078】
また、様々な入力デバイス及び出力デバイスを備え、且つ光学的情報を読み取る機能を有する携帯端末10においてエミュレーションを適切に行うことができる。
【0079】
また、いずれかの対象領域についての表示/非表示を切り替えることができるため、必要に応じて対象領域を表示させたり、非表示とすることができ、動作確認の自由度を一層高めることができる。
【0080】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。図13は、図12の携帯端末システムに用いられる設計画面を説明する説明図である。図14は、図12の携帯端末システムで行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。図15は、図12の携帯端末システムで扱われるスクリプトを例示する説明図である。図16は、図12の携帯端末システムで行われるエミュレーション処理の流れを例示するフローチャートである。
【0081】
なお、本実施形態の携帯端末システム200は、ホストコンピュータ2及び携帯端末10のハードウェア構成は第1実施形態と同一であり、第1実施形態の携帯端末システム1の機能を全て備えているので第1実施形態と同一の内容については説明を省略する。また、第1実施形態の携帯端末システム1と同一の部分については当該携帯端末システム1と同一の符号を付すものとする。
【0082】
図12に示すように、本実施形態の携帯端末システム200も、設計画面データを備えたホストコンピュータ2と、液晶表示器46(表示装置)を備えた携帯端末10とを有しており、ホストコンピュータ2の設計画面データによって構成される設計画面(図13参照)の一部を、液晶表示器46の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるように構成されている。
【0083】
本実施形態の携帯端末システム200は、更に、携帯端末10からの指示に基づいて印刷を行うプリンタ210を備えており、携帯端末10からの指示に基づきプリンタ210によって様々な印刷を行い得るように構成されている。このプリンタ210は、携帯端末10からの指示を受けて印刷を行う公知の画像形成装置として構成されており、携帯端末10との間で通信を行うための通信インターフェース214と、印字部211と、CPU212と、ROM、RAM等からなる記憶装置213などを備えている。
【0084】
このように構成される携帯端末システム200は、ホストコンピュータ2において、設計画面の特定領域にプリンタを制御するためのプリンタコマンドを記述しており(図13参照)、携帯端末10は、ホストコンピュータ2の設計画面データを取得して格納すると共に、設計画面におけるプリンタコマンドを取得するための取得範囲を指定し、その指定された取得範囲に存在するプリンコマンドを取得している。そして、その取得されたプリンタコマンドをプリンタ210に転送することで携帯端末10の指示に基づく印刷を可能としている。
以下、ホストコンピュータ2や携帯端末10で行われる具体的処理について説明する。
【0085】
図14は、ホストコンピュータ2で行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。当該処理では、まず印刷を行う対象プリンタを設定する(S201)このS201では、携帯端末10によって指示を与えるプリンタ210の機種等を設定している。次いで、携帯端末10とプリンタ210との間の通信設定を行う(S202)。S202では、携帯端末10とプリンタ210との通信が無線通信であるか、光通信であるか等の通信種別設定や、通信速度設定などが行われる。
【0086】
更に、設計画面(以下、ホスト画面ともいう)におけるプリンタコマンドの記述範囲を設定する(S203)。図13のように設計画面の特定領域にプリンタコマンドが記述されているため、S203では、この特定領域(プリンタコマンドが記述された領域)が記述範囲として設定される。なお、これらS201〜S203の設定はホストコンピュータ2上において作業者による指示に基づいて行われ、作業者はホストコンピュータ2に存在する設計画面データを認識ながら、プリンタコマンドが記述された特定領域を把握し、これを記述範囲として指示する作業を行うことになる。このようなS201〜S203の設定内容は、コンフィグファイルとしてデータ化され、保存される(S204)。
【0087】
なお、設計画面にプリンタコマンドを記述する処理は、作業者による操作手段9(キーボード等)を用いた入力作業に基づいて予めホストコンピュータ2において行うことができ、ホストコンピュータ2の操作手段9(キーボード等)やCPU4が設計画面にプリンタコマンドを記述する記述手段の一例に相当する。
【0088】
S204の後には、スクリプトファイルを携帯端末10に転送する転送処理が行われる(S205)。本実施形態では、ホストコンピュータ2において図15のようなスクリプトファイルが予め生成されるようになっている。このスクリプトファイルは、携帯端末10を制御するスクリプトが記述されたファイルであり、ホストコンピュータ2を扱う作業者がエディタなどを利用した入力操作を行うことにより生成されるものであり、CPU4が、「スクリプト生成手段」の一例に相当している。また、図14のプログラムを実行するCPU4及び通信手段6が「スクリプト送信手段」の一例に相当し、生成されたスクリプトを携帯端末10に送信するように機能する。携帯端末10は、スクリプトを取得して、当該スクリプトに従った情報処理を行うこととなるが、この情報処理については後述する。 S205の後には、上記コンフィグファイルを携帯端末10に転送する転送処理が行われる(S206)。
【0089】
次に、図16を参照して携帯端末10で行われるエミュレーション処理について説明する。
当該処理では、まずS206(図14)で転送されたコンフィグファイルを取得し、登録する処理が行われる(S210)。この処理では、S201〜S203の設定内容が携帯端末10のメモリ35に記憶され、登録される。
【0090】
その後、ホストコンピュータ2の設計画面データを取得する処理が行われる(S211)なお、本実施形態では、例えば、携帯端末10からホストコンピュータ2に対して設計画面データの要求が行われ、当該要求に応じてホストコンピュータ2から出力された設計画面データが携帯端末10のメモリ35に記憶される。なお、メモリ35及び制御回路40が「格納手段」の一例に相当する。
【0091】
S211の後にはイベントを取得する処理が行われる。本実施形態では、図15のスクリプトファイルに示すように、複数のイベント(キー操作)がスクリプトに登録されており、S212ではこのようなイベントを取得する。その後、スクリプトファイルをチェックしてイベントに対応する処理を特定する(S213)。例えばF1キーが操作されたときにはNextScreen(次の画面への移行)が特定され、F3キーが操作されたときにはEND(当該処理の終了)が特定される。
【0092】
スクリプトファイルのチェックが終わったあとには、どのようなイベントが取得されたかが判断される(S214)。例えば画面遷移が指示された場合にはS211以降の処理を行い、当該処理の終了が指示された場合には当該処理を終了し、データ入力が指示された場合にはデータ表示が行われる(S215)。
【0093】
一方、プリンタ出力が指示された場合(図15の例ではF4キーの操作)、S216に進んでプリンタコマンドを取得する処理を行う。本実施形態では、コンフィグファイルの読み込み、登録処理(S210)によって、プリンタコマンドが記述された特定領域(記述範囲)のデータが携帯端末10に登録されているため、S216の処理では、このデータに基づき、設計画面におけるプリンタコマンドを取得するための取得範囲を指定し、その指定された取得範囲に存在するプリンタコマンドを切り出して取得する。なお、図16のプログラムを実行する制御回路40が「取得範囲指定手段」「取得手段」の一例に相当する。
【0094】
S216で取得されたプリンタコマンドは所定コマンド(ここでは1コマンド)分切り出され(S217)、プリンタ210に送信される(S218)。そして、その送信に応じたプリンタ210からの返答を確認する(S219)。正常に送信された返答があった場合にはS220に進み、残りのコマンドが存在するか否かを確認し、存在する場合にはS217に戻って再び1コマンド分切り出し(S217)、それをプリンタ210に送信する(S218)。一方、S220において残りコマンドが存在しない場合にはS221に進んで完了表示を行う。
【0095】
なお、本実施形態では、制御回路40及び通信インターフェース48が「転送手段」の一例に相当し、取得されたプリンタコマンドをプリンタに転送するように機能する。また、制御回路40及び通信インターフェース48(転送手段)は、プリンタコマンドを、所定コマンドずつプリンタに送信するように機能しており、プリンタ210は、所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を携帯端末10に出力し、制御回路40及び通信インターフェース48(転送手段)は、所定コマンドに対するコマンド応答情報が携帯端末10にて受信されることに応じて、その受信されたコマンド応答情報に対応する所定コマンドの次の所定コマンドをプリンタ210に送信している。なお、携帯端末10からプリンタ210に与えられるコマンドは予め取り決めがなされた公知のコマンドであり、携帯端末10からコマンドが送られたときにプリンタ210によって当該コマンドを実行する点、或いはプリンタ210がコマンドを正常に取得したときに次のコマンドを要求する点、プリンタ210から次のコマンドが要求されたときに携帯端末10からプリンタ210に対して次のコマンドが送信される点などについては携帯端末10とプリンタ210との間でシーケンスが定められている。
【0096】
なお、S219においてプリンタ210からの返答がなく、タイムアウトとなった場合にはエラー表示がなされる(S222)。また、プリンタ210から再送信要求が送られた場合にはS219からS223に進み、再送信要求が指定回数に達したか否かを判断し(S223)、達していない場合にはS218に戻って再送信を行い、指定回数に達している場合にはエラー表示がなされるようになっている(S222)。
【0097】
本実施形態の構成によれば、例えば以下のような効果を奏する。
ホストコンピュータ上で設計された設計画面は、パーソナルコンピュータ等の比較的大型の画面を想定して設計されることが多く、このような設計画面を携帯端末の表示画面上で表示しようとすると、一般的には設計画面上の一部の領域のみしか表示できない。しかしながら、表示画面で表示される設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示しうるエミュレーションシステムを構築することで、上記のような設計画面を携帯端末用に設計し直すことなく携帯端末の表示画面上で好適に動作確認できるようになる。
一方、上記のようなエミュレーションシステムでは、携帯端末で表示される設計画面をプリンタで出力すべき場合もあり、そのためには、携帯端末からプリンタに対し、当該携帯端末の表示画面内容を印刷するためのコマンドを発行する必要がある。しかしながら、エミュレーション中に携帯端末においてコマンドを記述しようとしても、コマンドを画面内に書き切れない、画面に書きにくい、或いは本来携帯端末に表示させたい内容を犠牲にしなければならない等の問題がある。
このような問題に対し、本実施形態の構成では、ホストコンピュータ2で設計される設計画面の特定領域にプリンタコマンドを記述しておき、携帯端末10にその記述されたコマンドを取得させる構成としているため、携帯端末10に直接プリンタコマンドを記述する等の労力を軽減でき、携帯端末10の表示画面内容を容易にプリンタ出力できるようになる。
【0098】
また、ホストコンピュータ2によって携帯端末10を制御するスクリプトを生成、送信し、携帯端末10においてそのスクリプトに従った情報処理を行うように構成されているため、複雑な設計等を要することなく携帯端末を適切に制御できるようになる。
【0099】
また、プリンタコマンドを所定コマンドずつプリンタ210に送信し、更に、その所定コマンドに対するプリンタ210からのコマンド応答情報に応じて次の所定コマンドを送信するように構成されている。このようにすると、プリンタコマンドのサイズが大きい場合であっても当該プリンタコマンドをプリンタに円滑に送信できるようになる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0100】
第2実施形態の図14から図16の内容を図17から図19のような内容に変更することもできる。以下、この例を第2実施形態の別例1として内容を詳述する。
図17から図19の例では、「スクリプト生成手段」によって生成されるスクリプトが、プリンタコマンドが記述された特定領域を特定する構成となっており、携帯端末10の「取得範囲指定手段」は、このスクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される特定領域を取得範囲として指定するように構成されている。
【0101】
図17は、この例についての設定処理を例示するものであり、S301、S302は図14のS201、S202と同様である。また、S303においてこれらの設定内容を有するコンフィグファイルを生成している点、このようなコンフィグファイルをS305において転送している点も図14のS204、S206も同様であるが、図17の例では、コンフィグファイルにおいてプリンタコマンドの記述範囲を設定するのではなく、S304で転送されるスクリプトに記述するようにしている。
【0102】
図18は、プリンタコマンドの記述範囲(特定領域)を特定しうるスクリプトの一例を示すものであり、当該スクリプトでは、画面毎にプリンタコマンドの記述範囲を特定している。例えば、画面1(Screen1)については、当該画面1におけるプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)をPrintOutput(10,20,40,50)と特定しており、他の画面2、画面3についても同様にプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)が特定されている。
【0103】
図19のエミュレーション処理S310〜S323は、S216の処理をS316の処理に変更した点のみが大きく異なり、それ以外は、図16の処理S210〜S223と同様となっている。この処理では、イベントとしてF4キーが操作されたときにS316の処理が行われる点は図14〜図16と同様であるが、S316では、現時点において携帯端末10に表示されている現画面についてのプリンタコマンドの記述範囲(特定領域)をスクリプトの記述に基づいて特定し、現画面についてのプリンタコマンドを、当該現画面に係る設計画面から切り出して取得している。切り出されたプリンタコマンドをプリンタ210に転送する処理については、S317〜S323においてS217〜S223と同様に行われる。
【0104】
図17〜図19のようにすると、複雑な設計等を要することなく携帯端末に対してプリンタコマンドの記述領域を正確に伝達できる。また、複数の設計画面が存在する場合であっても各設計画面について適切なプリンタコマンドをプリンタに与えることができるようになる。
【0105】
また、第2実施形態の図14から図16の内容を図17、図20、図21のような内容に変更することもできる。以下、この例を別例2として内容について説明する。なお、図20は、この別例2についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。図20の処理は、S410〜S419の処理については、基本的に図19のS310〜S318と同様であり、S416の処理が付加されている点のみ(即ち、S414からの分岐が1つ追加されている点のみ)が図19のS310〜S318と異なっている。また、図21に示すスクリプトについても、F5キーについてのイベントが付加されている点のみが図18のスクリプトと異なり、それ以外は図18と同様となっている。
【0106】
図20の処理では、S417においてS316(図19)と同様のプリンタコマンド切り出し処理を行った後、S418において、現画面についてのプリンタコマンドの1コマンド分が切り出され、当該1コマンド分がプリンタ210に送信される(S419)。その後、プリンタ210からの返答を待ち、返答結果に応じた処理が行われる。なお、タイムアウトとなった場合にエラー表示(S425)がなされる点や再送信要求がなされた場合(S426)の対応は第2実施形態と同様である。
【0107】
一方、プリンタ210からの返信が確認された場合には、S420からS421に進み、プリンタからの返信情報(プリンタレスポンス)を変数(PrinterResponse$)として保存する(S421)。その後、ステータス異常か否かを判断し(S422)、ステータス異常の場合にはエラー表示を行い(S425)、ステータスが正常の場合にはS423に進んで残りコマンドが存在するか否かを判断する(S423)。存在する場合にはS418以降の処理を繰り返し、存在しない場合には完了表示を行う(S424)。
【0108】
上記のように保存されたプリンタレスポンスは、その後に行われるS412以降の処理によってホストコンピュータ2に送信することができるようになっている。具体的には、図21に示すように、イベントがF5キーの操作である場合に変数(PrinterResponse$)の内容をホストコンピュータ2に送信するようにスクリプトが記述されており、S412で取得されたイベントがF5キーである場合にはS414からS416に進んで、当該変数(PrinterResponse$)の内容、即ちプリンタレスポンスがホストコンピュータ2に送信されることとなる(S416)。
【0109】
このように別例2では、スクリプト生成手段によって生成されるスクリプトが、プリンタ210からの応答情報(プリンタレスポンス)をホストコンピュータ2に送信する指示を与えるものとして構成されており、携帯端末10は、スクリプトの指示に基づき、プリンタ210からの応答情報をホストコンピュータ2に送信するように構成されている。
このようにすると、ホストコンピュータ2がプリンタ210からの応答情報を確認できる構成を、複雑な設計や膨大なコストを伴うことなく良好に実現できる。
【0110】
なお、第2実施形態では、プリンタコマンドの記述領域と、表示画面に表示される対象領域との関係は限定していないが、設計画面における表示画面に表示されていない領域をプリンタコマンドを取得する取得範囲として指定できる構成であるため、表示画面に表示すべき内容を犠牲にすることなく携帯端末10にプリンタコマンドを取得させることができ、利便性が極めて高い構成となっている。
【0111】
また、第1実施形態では、文字認識に基づく移動可能領域設定処理(S17:図7)が行われるように構成されていたがこのような処理を省略してもよい。
【0112】
上記第1、第2実施形態では、図5、図14、図17のような設定処理をホストコンピュータ2にて行っていたが、このような設定処理はホストコンピュータ2以外のコンピュータにて行うようにしてもよく、この場合、当該設定処理にて設定されたデータを当該コンピュータから携帯端末10に転送するように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。
【図2】図2は、携帯端末の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、図1の携帯端末システムに用いられるホストコンピュータ及び当該ホストコンピュータで設計される設計画面等を概略的に説明する説明図である。
【図4】図4は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示した例を示す説明図である。
【図5】図5は、携帯端末に与える各種設定値を設定する設定処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】図6は、図5の設定処理にて設定されたデータ内容を概念的に説明する説明図である。
【図7】図7は、ホストコンピュータで設計された設計画面を携帯端末で表示する表示処理を例示するフローチャートである。
【図8】図8は、文字認識に基づいて移動可能範囲を設定する設定処理のフローチャートである。
【図9】図9は、文字認識に基づく移動可能範囲の設定を説明する説明図である。
【図10】図10は、キー情報取得処理の流れを例示するフローチャートである。
【図11】図11は、キー情報取得処理について図8とは異なる例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2実施形態に係る携帯端末システムを概略的に例示する説明図である。
【図13】図13は、図12の携帯端末システムに用いられる設計画面を説明する説明図である。
【図14】図14は、図12の携帯端末システムで行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。
【図15】図15は、図12の携帯端末システムで扱われるスクリプトを例示する説明図である。
【図16】図16は、図12の携帯端末システムで行われるエミュレーション処理の流れを例示するフローチャートである。
【図17】図17は、第2実施形態の別例1についての設定処理を例示するフローチャートである。
【図18】図18は、第2実施形態の別例1で用いるスクリプトを例示する説明図である。
【図19】図19は、第2実施形態の別例1についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。
【図20】図20は、第2実施形態の別例2についてのエミュレーション処理を例示するフローチャートである。
【図21】図21は、第2実施形態の別例2で用いるスクリプトを例示する説明図である。
【符号の説明】
【0114】
1…携帯端末システム
2…ホストコンピュータ
4…CPU(スクリプト生成手段、スクリプト送信手段)
6…通信手段(スクリプト送信手段)
10…携帯端末
20…回路部(光学的情報読取手段)
35…メモリ(格納手段)
40…制御回路(格納手段、対象領域指定手段、表示位置指定手段、対象領域移動手段、移動可能領域設定手段、移動規制手段、文字認識手段、切替手段、取得範囲指定手段、取得手段、転送手段)
43…キーボード
43a…操作キー
44…ブザー
45…LED
46…液晶表示器(表示装置)
48…通信インターフェース(転送手段)
210…プリンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計画面データを備えたホストコンピュータと、
表示装置を備えた携帯端末と、
を有し、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、
前記携帯端末は、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記設計画面データによって構成される前記設計画面において、前記表示画面に表示する対象となる対象領域を指定する対象領域指定手段と、
前記表示画面における前記対象領域の表示位置を指定する表示位置指定手段と、
を備え、
前記対象領域指定手段は、前記設計画面における複数の領域をそれぞれ前記対象領域として指定し、
前記表示位置指定手段は、前記対象領域指定手段によって指定される各対象領域についての前記表示画面における前記表示位置をそれぞれ指定することを特徴とする携帯端末システム。
【請求項2】
前記対象領域指定手段は、
少なくともいずれかの前記対象領域を前記設計画面内において移動させる対象領域移動手段と、
前記設計画面内における前記対象領域の移動可能領域を設定する移動可能領域設定手段と、
前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が前記移動可能領域の終端位置に達した場合に前記対象領域の移動を規制する移動規制手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項3】
前記設計画面内に存在する文字を認識する文字認識手段を備え、
前記移動可能領域設定手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字の存在範囲を前記移動可能領域として設定し、
前記移動規制手段は、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が、前記文字の前記存在範囲の終端に達した場合に前記対象領域の移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、操作キーを有し、
前記対象領域移動手段は、前記操作キーに対する所定操作に応じて前記対象領域を移動させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の携帯端末システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、
入力デバイスとして、キーボードと、光学的情報読取手段と、を有し、
出力デバイスとして、前記表示装置、表示用LED、ブザー、及びバイブレータを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記対象領域指定手段によって指定された少なくともいずれかの前記対象領域についての表示と非表示とを切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項7】
設計画面データを備えたホストコンピュータと、
表示装置を備えた携帯端末と、
前記携帯端末からの指示に基づいて印刷を行うプリンタと、
を有し、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、
前記設計画面データによって構成される前記設計画面の特定領域に、前記プリンタを制御するためのプリンタコマンドが記述され、
前記携帯端末は、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、
前記設計画面における前記プリンタコマンドを取得するための取得範囲を前記特定領域と対応させて指定する取得範囲指定手段と、
前記取得範囲指定手段によって指定された前記取得範囲に存在する前記プリンタコマンドを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記プリンタコマンドを前記プリンタに転送する転送手段と、
を有することを特徴とする携帯端末システム。
【請求項8】
前記ホストコンピュータは、
前記携帯端末を制御するスクリプトを生成するスクリプト生成手段と、
前記スクリプト生成手段によって生成された前記スクリプトを前記携帯端末に送信するスクリプト送信手段と、
を有し、
前記携帯端末は、前記スクリプトを取得すると共に、当該スクリプトに従った情報処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末システム。
【請求項9】
前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタコマンドが記述された前記特定領域を特定するものであり、
前記携帯端末の前記取得範囲指定手段は、前記スクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される前記特定領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末システム。
【請求項10】
前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタからの応答情報を前記ホストコンピュータに送信する指示を与えるものであり、
前記携帯端末は、前記スクリプトの指示に基づき、前記プリンタからの前記応答情報を前記ホストコンピュータに送信することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の携帯端末システム。
【請求項11】
前記転送手段は、前記プリンタコマンドを、所定コマンドずつ前記プリンタに送信し、
前記プリンタは、前記転送手段からの前記所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を前記携帯端末に出力し、
前記転送手段は、前記所定コマンドに対する前記コマンド応答情報が前記携帯端末にて受信されることに応じて、その受信された前記コマンド応答情報に対応する前記所定コマンドの次の前記所定コマンドを送信することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項12】
前記取得範囲指定手段は、前記設計画面における前記表示画面に表示されていない領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項1】
設計画面データを備えたホストコンピュータと、
表示装置を備えた携帯端末と、
を有し、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、
前記携帯端末は、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記設計画面データによって構成される前記設計画面において、前記表示画面に表示する対象となる対象領域を指定する対象領域指定手段と、
前記表示画面における前記対象領域の表示位置を指定する表示位置指定手段と、
を備え、
前記対象領域指定手段は、前記設計画面における複数の領域をそれぞれ前記対象領域として指定し、
前記表示位置指定手段は、前記対象領域指定手段によって指定される各対象領域についての前記表示画面における前記表示位置をそれぞれ指定することを特徴とする携帯端末システム。
【請求項2】
前記対象領域指定手段は、
少なくともいずれかの前記対象領域を前記設計画面内において移動させる対象領域移動手段と、
前記設計画面内における前記対象領域の移動可能領域を設定する移動可能領域設定手段と、
前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が前記移動可能領域の終端位置に達した場合に前記対象領域の移動を規制する移動規制手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項3】
前記設計画面内に存在する文字を認識する文字認識手段を備え、
前記移動可能領域設定手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字の存在範囲を前記移動可能領域として設定し、
前記移動規制手段は、前記対象領域移動手段による前記対象領域の移動が、前記文字の前記存在範囲の終端に達した場合に前記対象領域の移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、操作キーを有し、
前記対象領域移動手段は、前記操作キーに対する所定操作に応じて前記対象領域を移動させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の携帯端末システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、
入力デバイスとして、キーボードと、光学的情報読取手段と、を有し、
出力デバイスとして、前記表示装置、表示用LED、ブザー、及びバイブレータを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記対象領域指定手段によって指定された少なくともいずれかの前記対象領域についての表示と非表示とを切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項7】
設計画面データを備えたホストコンピュータと、
表示装置を備えた携帯端末と、
前記携帯端末からの指示に基づいて印刷を行うプリンタと、
を有し、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データによって構成される設計画面の一部を、前記表示装置の表示画面にて表示させ、かつ当該表示画面で表示される前記設計画面の表示対象位置を移動させて切り替え表示可能な携帯端末システムであって、
前記設計画面データによって構成される前記設計画面の特定領域に、前記プリンタを制御するためのプリンタコマンドが記述され、
前記携帯端末は、
前記ホストコンピュータの前記設計画面データを取得して格納する格納手段と、
前記設計画面における前記プリンタコマンドを取得するための取得範囲を前記特定領域と対応させて指定する取得範囲指定手段と、
前記取得範囲指定手段によって指定された前記取得範囲に存在する前記プリンタコマンドを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記プリンタコマンドを前記プリンタに転送する転送手段と、
を有することを特徴とする携帯端末システム。
【請求項8】
前記ホストコンピュータは、
前記携帯端末を制御するスクリプトを生成するスクリプト生成手段と、
前記スクリプト生成手段によって生成された前記スクリプトを前記携帯端末に送信するスクリプト送信手段と、
を有し、
前記携帯端末は、前記スクリプトを取得すると共に、当該スクリプトに従った情報処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末システム。
【請求項9】
前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタコマンドが記述された前記特定領域を特定するものであり、
前記携帯端末の前記取得範囲指定手段は、前記スクリプトに基づき、当該スクリプトによって特定される前記特定領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末システム。
【請求項10】
前記スクリプト生成手段によって生成される前記スクリプトは、前記プリンタからの応答情報を前記ホストコンピュータに送信する指示を与えるものであり、
前記携帯端末は、前記スクリプトの指示に基づき、前記プリンタからの前記応答情報を前記ホストコンピュータに送信することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の携帯端末システム。
【請求項11】
前記転送手段は、前記プリンタコマンドを、所定コマンドずつ前記プリンタに送信し、
前記プリンタは、前記転送手段からの前記所定コマンドを受信する毎に、当該所定コマンドに対するコマンド応答情報を前記携帯端末に出力し、
前記転送手段は、前記所定コマンドに対する前記コマンド応答情報が前記携帯端末にて受信されることに応じて、その受信された前記コマンド応答情報に対応する前記所定コマンドの次の前記所定コマンドを送信することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【請求項12】
前記取得範囲指定手段は、前記設計画面における前記表示画面に表示されていない領域を前記取得範囲として指定することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の携帯端末システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−55229(P2010−55229A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217535(P2008−217535)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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