説明

携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置

【課題】携帯端末機のスリム化及び小型化、デザインの洗練化などが非常に容易で、強度の弱い部分がなく、急回転及び急停止を防止することができ、比較的重量が大きかったり大型の携帯端末機にも適した携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、一定の間隔をおいて設けられる一対のヒンジ軸と、ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて固定設置されて、ヒンジ軸が互いの周囲を回転するように案内する一対以上の案内部材と、ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、ヒンジ軸を一定の角度範囲内で自動で回転運動させる1つ以上のカム作動部とを含む携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置に関し、より詳しくは、携帯端末機の厚さを容易に減少させることができ、蓋の開閉時に急回転を防止することができるように構成された携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、固定された位置ではない場所で移動中に通信及び放送などのサービスを無線で利用するためには、携帯電話、PDA、ノートパソコン、DMBホンなどの携帯端末機が多く使用されている。
【0003】
前記携帯端末機は、情報化時代にあいまった生活の便宜性を享受するためになくてはならない重要な必需品のうちの1つとして認識されており、特に、携帯電話の場合、小中高生から老人などに至るまで、普及対象が非常に広範囲である。
【0004】
このような携帯端末機においては、多様な方式の蓋開閉装置を適用するが、これを大きく分けると、ヒンジ式、スライド式、スイング式などに区分することができる。
【0005】
前記で、特にヒンジ式蓋開閉装置は、製造が容易で、故障が少なく、使用が便利であるため、携帯端末機に最も多く適用される方式の1つである。
【0006】
図1は従来のヒンジ式蓋開閉装置を適用した携帯端末機の一例を示したものであって、携帯端末機は、本体3と蓋6とに区分され、前記本体3にはキー入力部4及び送話部5などが備えられ、前記蓋6にはディスプレイ部7及び受話部8などが備えられる。
【0007】
前記で、蓋6と本体3とはヒンジ式蓋開閉装置10によって互いに連結されて開閉が行われる。
【0008】
従来のヒンジ式蓋開閉装置10は、図2及び図3に示したように、一側面が開口された筒形状からなる外筒11と、前記外筒11の内部に一側端部が回転可能に組立てられる固定カム12と、前記外筒11の内部に長さ方向に沿って移動可能に組立てられて設けられる移動カム14と、前記外筒11の内部に設けられて、前記固定カム12と移動カム14とが常に互いに接するように力を加える弾性部材16と、前記外筒11と固定カム12とを回転可能な状態に結合させて支持するヒンジ軸18とから構成される。
【0009】
前記で、外筒11は、蓋6の縁部の中央に形成される上部組立片6aの孔6bに組立てられ、固定カム12は、携帯端末機本体3の縁部の両側に形成される下部組立片3aの孔3bに組立てられる。
【0010】
また、前記で、固定カム12及び移動カム14の互いに対向する面には、図4に示したように、上り坂区間と下り坂区間とからなるカム線図を有するカム面13、15がそれぞれ形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のように構成される従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置は、携帯端末機の蓋と本体とに上部組立片及び下部組立片がそれぞれ形成される構造であるので、携帯端末機の厚さを増加させるなどの原因となっている。
【0012】
したがって、携帯端末機のスリム化や小型化、デザインの洗練化などが非常に難しくなる。
【0013】
そして、携帯端末機用スライド式蓋開閉装置やスイング式蓋開閉装置に比べて外観が良くない。
【0014】
また、上部組立片及び下部組立片が突出される構造であるため、亀裂が発生するおそれがあり、携帯端末機をスリムに製造する時には、上部組立片及び下部組立片の強度が弱くなるおそれがある。
【0015】
それだけでなく、従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置は、開閉時に移動カムと回転カムとの構造上、一定の回転区間で急回転した後に本体と蓋とが互いにぶつかって急停止するため、携帯端末機のケースをはじめとした他の部品に衝撃が加えられる。
【0016】
したがって、部品の破損や誤作動など、製品の寿命短縮を引き起こし、衝撃騒音を発生させるなど、様々な問題がある。
【0017】
さらに、機能の多様化などによってますます大型化されていく携帯端末機の構造上、蓋の開閉時に安定的で堅固な構造が要求されると同時に、携帯端末機のスリム化やデザインの洗練化などを実現させる蓋開閉装置が必要であるのが実情である。
【0018】
本発明は、このような点に着眼して構成されたものであって、部品が携帯端末機の外部へ露出されて設けられることによって、携帯端末機の本体や蓋に部品の設置のための空間や構造が特に必要でないので、携帯端末機のスリム化及び小型化、デザインの洗練化などが非常に容易で、強度の弱い部分をなくすことができる携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を提供することにその目的がある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、携帯端末機の開閉時に互いに噛み合いながら回転する案内部材によって回転速度を制御することができるので、急回転及び急停止を防止することができる携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を提供することにある。
【0020】
さらに、本発明の他の目的は、安定的で堅固に開閉が行われるように部品を配置するので、比較的重量が大きかったり大型の携帯端末機に適した携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明が提案する携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置は、一定の間隔をおいて設けられる一対のヒンジ軸と、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて固定設置されて、前記ヒンジ軸が互いの周囲を回転運動するように案内する一対以上の案内部材と、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、前記ヒンジ軸を一定の角度範囲内で互いの周囲を自動で回転運動させる1つ以上のカム作動部とを含んで構成される。
【0022】
前記カム作動部は、前記案内部材のうちの少なくともいずれか1つに一体に回転可能に設けられる1つ以上の回転カムと、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて移動可能に設けられて、前記回転カムとそれぞれ互いに接して密着する1つ以上の移動カムと、前記移動カムと回転カムとが常に互いに接して密着するように前記移動カムに力を加える1つ以上の弾性部材とを含んで構成される。
【0023】
前記ヒンジ軸は、長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、支持部材によって互いに対向する側の端部がそれぞれ回転可能な状態に連結される左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とからそれぞれ構成されることもできる。
【0024】
前記案内部材は、前記ヒンジ軸に中心部がそれぞれ固定される歯車を使用して構成される。
【0025】
前記カム作動部の弾性部材は、前記ヒンジ軸の外周面の周囲に螺旋形に巻かれるように形成して設けられる圧縮コイルスプリングを使用して構成される。
【0026】
また、本発明は、前記ヒンジ軸を携帯端末機の本体と蓋とにそれぞれ固定する一対の固定部材をさらに含んで構成されることもでき、前記案内部材とカム作動部とを一定の間隔をおいて外部から囲んで覆うケース部材をさらに含んで構成されることもできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置によれば、従来のヒンジ式蓋開閉装置を適用した携帯端末機の本体と蓋とに形成される上部組立片及び下部組立片の構成が必要なくなるため、携帯端末機のスリム化及び小型化、デザインの洗練化などが非常に容易になる。そして、強度の弱い部分をなくすことができるので、携帯端末機の寿命を延ばすこともできる。さらに、スライド式蓋開閉装置やスイング式蓋開閉装置と同様に優れた外観を提供することもできる。
【0028】
本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置によれば、互いに噛み合う歯車によってヒンジ軸が周囲を回転するので、携帯端末機の開閉速度を緩和して、比較的一定の回転速度を維持することもできる。
【0029】
したがって、蓋の開閉動作がスムーズで自然に行われて、蓋の開閉時に発生する衝撃が減少するので、使用者の便宜性が向上して、携帯端末機の寿命を長く延ばすこともできる。また、蓋と本体とが強くぶつからないため、従来の蓋と本体とが接する時に発生する騒音による被害を防止することができる。
【0030】
本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置によれば、ヒンジ軸の両端に案内部材をそれぞれ設置し、一対のカム作動部を対称形に設けて、ヒンジ軸を左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とから構成することによって、ノートパソコン、DMB、PMP、ナビゲーション、携帯用TVなど、比較的重量が大きかったり大型の携帯端末機に適用する場合にも、開閉動作が円滑で安定的に行われて、堅固な構造を有する。
【0031】
本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置によれば、携帯端末機の本体と蓋とを360度まで開放することもできるので、蓋を開けなくても画面が見られるなど、使用者の便宜性が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を示す斜視図である。
【図2】従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を示す分離斜視図である。
【図3】従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置を示す断面図である。
【図4】従来の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置における移動カム及び回転カムを示すカム線図である。
【図5】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例を示す正面図である。
【図7】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例を示す側面図である。
【図8】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例を使用する状態を示す正面図である。
【図9】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例を使用する状態を示す側面図である。
【図10】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例における回転カム及び移動カムを示す斜視図である。
【図11】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例におけるカム作動部を示す断面図である。
【図12】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例における係止片及び停止突起を示す斜視図である。
【図13】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例における係止片及び停止突起を示す側面図である。
【図14】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例におけるケース部材を示す分離斜視図である。
【図15】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例におけるカム作動部の作動状態を示す側面図である。
【図16】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例におけるカム作動部の作動状態を示す正面図である。
【図17】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例におけるカム作動部の作動状態を示すカム線図である。
【図18】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の第2実施例を示す斜視図である。
【図19】本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の第2実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明によるヒンジ式蓋開閉装置の一実施例は、図5〜図7に示したように、一対の固定部材30と、前記固定部材30にそれぞれ連結固定される一対のヒンジ軸40と、前記ヒンジ軸40が互いの周囲を回転するように案内する一対の案内部材50と、前記ヒンジ軸40が一定の角度範囲内で互いの周囲を自動で回転するようにするカム作動部60とを含んで構成される。
【0034】
前記固定部材30は、ほぼ「コ」字型に形成される。
【0035】
つまり、前記固定部材30は、一定の間隔をおいて形成される一対のヒンジ連結部31と、前記ヒンジ連結部31とともにほぼ「コ」字型をなすように、ヒンジ連結部31の一側端部に連結する固定部32とから構成される。
【0036】
前記ヒンジ連結部31の他側端部には、前記ヒンジ軸40の両端が直角をなしてそれぞれ連結固定される。
【0037】
前記で、一対の固定部材30のうちの少なくとも1つは、側面から見る時、前記ヒンジ連結部31をほぼ「V」字型に曲がるように形成することもできる。
【0038】
また、前記で、一対の固定部材30のうち少なくとも1つは、側面から見る時、前記固定部32を前記ヒンジ連結部31の他側端部から一側へ直角に曲がるように形成することもできる。
【0039】
図8及び図9に示したように、前記一対の固定部材30のうちの1つは携帯端末機20の本体22に固定され、他の1つは携帯端末機20の蓋26に固定される。
【0040】
前記ヒンジ軸40は、金属などのように強度が優れた材質を使用して構成され、ほぼ長い棒形状に形成される。
【0041】
前記案内部材50は、前記ヒンジ軸40の一側端部に中心部がそれぞれ固定される歯車を使用して構成される。
【0042】
前記案内部材50は、金属または合成樹脂材質を使用して構成され、前記ヒンジ軸40に一体に形成したり、別途に形成して組立てる。
【0043】
前記カム作動部60は、前記ヒンジ軸40と一体に回転可能に設けられる一対の回転カム61と、前記ヒンジ軸40に長さ方向に沿って移動可能に設けられて、前記回転カム61とそれぞれ互いに接して密着する1つ以上の移動カム70と、前記移動カム70と回転カム61とが常に互いに接して密着するように前記移動カム70に力を加える1つ以上の弾性部材80と、前記移動カム70と互いに前記弾性部材80を介在して設けられて、弾性部材80の弾性力を支持する支持部材100とを含んで構成される。
【0044】
前記回転カム61は、前記案内部材50の一端面から前記ヒンジ軸40の外周面に沿ってほぼのこぎりの歯形状にそれぞれ伸びて形成される。
【0045】
前記移動カム70は、一対の前記ヒンジ軸40に長さ方向に沿って移動可能に形成して設けられる移動本体71の一側面からヒンジ軸40の外周面の周囲に沿ってほぼのこぎりの歯形状にそれぞれ伸びて形成される。
【0046】
前記で、回転カム61及び移動カム70の構成は、一般に携帯端末機に幅広く使用される回転カム及び移動カムと同様な構成に実施することもできる。
【0047】
前記回転カム61及び移動カム70は、それぞれ一対ずつ設けることを説明したが、本発明はこれに限定されず、それぞれ1つずつ設けることもできる。
【0048】
前記弾性部材80は、前記ヒンジ軸40の外周面の周囲に螺旋形に巻かれるように形成して設けられる圧縮コイルスプリングを使用して構成される。
【0049】
前記支持部材100は、ほぼ「コ」字型に形成される。
【0050】
つまり、前記支持部材100は、前記ヒンジ軸40の長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、前記ヒンジ軸40がそれぞれ貫通して設けられる一対の水平部101と、前記水平部101とほぼ「コ」字型をなすように水平部101の一側端部を互いに連結して固定する垂直部102とから構成される。
【0051】
前記で、弾性部材80は、前記支持部材100の一側に位置する水平部101と前記移動カム70との間に位置するように設けられる。
【0052】
前記ヒンジ軸40には、前記支持部材100が前記弾性部材80の弾性力によって後へ押されずに前記ヒンジ軸40の一定の位置に固定されるように、一対の支持環104をそれぞれ設けることもできる。
【0053】
前記支持環104は、ほぼ「E」字型の金属環(E-ringとも言う)などを使用して構成される。
【0054】
前記で、カム作動部60は、図11に示したように、前記移動カム70及び弾性部材80を囲んで保護する外筒90をさらに含んで構成されることもできる。
【0055】
前記のように構成される本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例では、図12及び図13に示したように、前記ヒンジ軸40の外周面には、円周に沿って扇形状に突出して形成される一対の係止片43がそれぞれ突出して形成され、前記支持部材100の水平部101のうちの1つには、前記係止片43の両端角部の間に位置する一対の停止突起103がそれぞれ形成されることもできる。
【0056】
前記のように係止片43と停止突起103とを形成すれば、前記ヒンジ軸40の回転運動が可能な角度範囲を設定することができ、それに基づいて携帯端末機20の開閉可能な角度範囲を設定することもできる。
【0057】
なお、前記のように構成される本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例では、図14に示したように、前記案内部材50とカム作動部60とを一定の間隔をおいて外部から囲んで覆うケース部材120をさらに含んで構成されることもできる。
【0058】
前記ケース部材120は、第1ケース部材121と第2ケース部材122とにそれぞれ分けられて形成され、使用する時に互いに組み立てて固定することもできる。
【0059】
また、前記のように構成される本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の一実施例では、図面には示していないが、前記案内部材50を二対に構成して、前記ヒンジ軸40の両端にそれぞれ設けたり、前記カム作動部60を一対に構成して、前記ヒンジ軸40の両側に対称形に設けることもできる。
【0060】
そして、本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の他の実施例は、図18及び図19に示したように、前記ヒンジ軸40は左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42とからそれぞれ構成して、支持部材110に回転可能な状態に互いに連結し、前記案内部材50は二対に構成して、前記左ヒンジ軸41及び右ヒンジ軸42にそれぞれ固定設置し、前記カム作動部60は一対に構成して、前記左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42とに互いに対称になるように設けることもできる。
【0061】
前記左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42とは、長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられ、前記支持部材110によって対向する側の端部がそれぞれ回転可能な状態に連結される。
【0062】
前記左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42との支持部材110と連結される反対側の端部は、前記固定部材30のヒンジ連結部31にそれぞれ連結固定される。
【0063】
前記支持部材110は、一定の間隔をおいて設けられ、前記左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42とがそれぞれ貫通して設けられる一対の水平部111と、前記一対の水平部111の間に形成されて、前記左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42との互いに対向する端部がそれぞれ回転可能に挿入される挿入孔115が形成される水平支持部114と、前記水平部111及び水平支持部114とほぼ「コ」字型をなすように水平部111及び水平支持部114の一側端部を互いに連結して固定する垂直部116とから構成される。
【0064】
前記で、左ヒンジ軸41と右ヒンジ軸42とには、前記水平部111との結合状態が維持されるように一対の支持環118がそれぞれ設けられることもできる。
【0065】
前記他の実施例においても、前記構成以外は前記一実施例と同様な構成で実施することができるので、詳細な説明は省略する。
【0066】
次に、本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の作動過程を図面を参照して詳しく説明する。
【0067】
まず、携帯端末機20の蓋26を閉鎖した状態から開放する場合には、蓋26を反時計方向に回転させる(図15参照)。
【0068】
前記のように蓋26を回転させれば、前記蓋26に固定される固定部材30及びヒンジ軸40が共に回転し、その結果、ヒンジ軸40に設けられる案内部材50が互いに噛み合って回転する。
【0069】
そして、前記案内部材50が回転することによって、前記回転カム61と移動カム70とは互いに噛み合った状態から外れた状態になり、前記移動本体71は、前記弾性部材80の押し付ける力に逆らって前記回転カム61と離れる方向に後進する(図16及び図17参照)。
【0070】
前記蓋26が反時計方向に回転し続けると、前記回転カム61と移動カム70とは前記弾性部材80の押し付ける力によって分離され、前記案内部材50及びヒンジ軸40、固定部材30が自動で回転して蓋26が開かれる。
【0071】
前記携帯端末機20の蓋26を開放した状態から閉鎖する場合には、前記蓋26と固定部材30、ヒンジ軸40、案内部材50とが反時計方向に回転することを除いては、蓋26を開放する時と同様に動作が進められるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
前記では、本発明による携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することができ、これもまた本発明の範囲内に属する。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によるヒンジ式蓋開閉装置は、携帯用移動通信端末機、ノートパソコン、PDA、電子手帳、携帯用ゲーム機など、フォルダー式で開閉する方式の多様な電子製品のヒンジに適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
20 携帯端末機
22 本体
26 蓋
30 固定部材
31 ヒンジ連結部
32 固定部
40 ヒンジ軸
41 左ヒンジ軸
42 右ヒンジ軸
43 係止片
50 案内部材
60 カム作動部
61 回転カム
70 移動カム
71 移動本体
80 弾性部材
90 外筒
100 支持部材
101、111 水平部
102 垂直部
103 停止突起
104、118 支持環
110 支持部材
114 水平支持部
115 挿入孔
116 垂直部
120 ケース部材
121 第1ケース部材
122 第2ケース部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の間隔をおいて設けられる一対のヒンジ軸と、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて固定設置されて、前記ヒンジ軸が互いの周囲を回転運動するように案内する一対以上の案内部材と、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、前記ヒンジ軸を一定の角度範囲内で互いの周囲を自動で回転運動させる1つ以上のカム作動部とを含み、前記カム作動部は、前記案内部材のうちの少なくともいずれか1つに一体に回転可能に設けられる1つ以上の回転カムと、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて移動可能に設けられて、前記回転カムとそれぞれ互いに接して密着する1つ以上の移動カムと、前記移動カムと回転カムとが常に互いに接して密着するように前記移動カムに力を加える1つ以上の弾性部材とを含む、携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項2】
前記案内部材は二対に構成されて、前記ヒンジ軸の両端にそれぞれ固定設置される、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項3】
前記カム作動部は一対に構成されて、前記ヒンジ軸の両側に互いに対称をなすように設けられる、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項4】
前記カム作動部の移動カムと互いに前記弾性部材を介在して弾性部材の弾性力を支持する支持部材がさらに設けられ、前記支持部材は、前記ヒンジ軸に長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、前記ヒンジ軸がそれぞれ貫通して設けられる一対の水平部と、前記水平部と「コ」字型をなすように水平部の一側端部を互いに連結して固定する垂直部とから構成され、前記ヒンジ軸の外周面には、円周に沿って扇形状に突出して形成される一対の係止片がそれぞれ突出して形成され、前記支持部材の水平部のうちの1つには、前記係止片の両端角部の間に突出されるように一対の停止突起がそれぞれ形成される、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項5】
前記案内部材とカム作動部とを一定の間隔をおいて外部から囲んで覆うケース部材をさらに含む、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項6】
前記ヒンジ軸を携帯端末機の本体と蓋とにそれぞれ固定する一対の固定部材をさらに含み、前記固定部材は、互いに一定の間隔をおいて形成される一対のヒンジ連結部と、前記ヒンジ連結部とほぼ「コ」字型をなすようにヒンジ連結部の一側端部を互いに連結する固定部とから構成される、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項7】
前記案内部材は、前記ヒンジ軸に中心部がそれぞれ固定される歯車を使用して構成され、前記カム作動部の弾性部材は、前記ヒンジ軸の外周面の周囲に螺旋形に巻かれるように形成して設けられる圧縮コイルスプリングを使用して構成される、請求項1乃至6のいずれかに記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項8】
前記カム作動部の移動カムと互いに前記弾性部材を介在して弾性部材の弾性力を支持する支持部材がさらに設けられ、前記ヒンジ軸は、長さ方向に沿って一定の間隔をおいて設けられて、前記支持部材によって対向する側の端部がそれぞれ回転可能な状態に連結される左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とからそれぞれ構成され、前記案内部材は二対に構成されて、前記左ヒンジ軸及び右ヒンジ軸にそれぞれ固定設置され、前記カム作動部は一対に構成されて、前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とに互いに対称をなすように設けられる、請求項1に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項9】
前記案内部材とカム作動部とを一定の間隔をおいて外部から囲んで覆うケース部材をさらに含む、請求項8に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項10】
前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸との互いに対向する反対方向の端部がそれぞれ連結固定されて、携帯端末機の本体と蓋とにそれぞれ固定する一対の固定部材をさらに含む、請求項8に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項11】
前記固定部材は、一定の間隔をおいて形成される一対のヒンジ連結部と、前記ヒンジ連結部とほぼ「コ」字型をなすようにヒンジ連結部の一側端部を互いに連結する固定部とから構成される、請求項10に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項12】
前記支持部材は、一定の間隔をおいて設けられて、前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とがそれぞれ貫通して設けられる一対の水平部と、前記一対の水平部の間に形成されて、前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸との互いに対向する端部がそれぞれ回転可能に挿入される挿入孔が形成される水平支持部と、前記水平部及び水平支持部とほぼ「コ」字型をなすように水平部及び水平支持部の一側端部を互いに連結して固定する垂直部とから構成される、請求項8に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項13】
前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とが前記水平部との結合状態を維持するように左ヒンジ軸及び右ヒンジ軸に一対の支持環がそれぞれ設けられる、請求項12に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項14】
前記左ヒンジ軸と右ヒンジ軸とのうちの少なくとも1つの外周面には、円周に沿って扇形状に突出して形成される一対の係止片がそれぞれ突出して形成され、前記支持部材の水平部のうちの少なくとも1つには、前記係止片の両端角部の間に突出されるように一対の停止突起がそれぞれ形成される、請求項12に記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。
【請求項15】
前記案内部材は、前記左ヒンジ軸及び右ヒンジ軸に中心部がそれぞれ固定される歯車を使用して構成され、前記カム作動部の弾性部材は、前記左ヒンジ軸及び右ヒンジ軸の外周面の周囲に螺旋形に巻かれるように形成して設けられる圧縮コイルスプリングを使用して構成される、請求項8乃至14のいずれかに記載の携帯端末機用ヒンジ式蓋開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2010−518774(P2010−518774A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549509(P2009−549509)
【出願日】平成19年12月24日(2007.12.24)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006795
【国際公開番号】WO2008/100013
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(509229153)プレッコ カンパニー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】