説明

携帯端末用アンテナ構造及びその組付方法並びに携帯端末

【課題】携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルの防水性を有する携帯端末用アンテナ構造を提供する。
【解決手段】アンテナエレメント部1と導通する接触導通部3が、ホルダー4の円筒部41の内部を摺動して円筒部41の内部に接触導通可能に設けられ、略有底円筒状の防水チューブ5の開口側が円筒部41に外嵌めされ、防水チューブ5と携帯端末の筐体7との挟持によりオーリング6が径方向に押圧されるようにして、オーリング6が防水チューブ5の円筒状の外周に外嵌めされている携帯端末用アンテナ構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能携帯電話等の携帯端末に用いられる携帯端末用アンテナ構造及びその組付方法、並びに携帯端末用アンテナを備える携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯端末用アンテナは、複数の筒状アンテナエレメントと棒状アンテナエレメントが出没可能に設けられる直線状のアンテナエレメント部と、アンテナエレメント部を保持する保持部と、保持部の下側に設けられる接触導通部を有し、内側に接触バネを収容したホルダー部内に接触導通部が摺動可能に設けられる。アンテナの伸長時には接触導通部がホルダー部内の接触バネと接触し、給電部から給電されるホルダー部から接触バネ、接触導通部、保持部を介してアンテナエレメント部に給電される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−35067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年における携帯端末の防水性には、単に水滴が付いた程度に耐えうるレベルではなく、例えばお湯の入った浴槽内に携帯端末を水没した場合等、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルの防水性が望まれている。そのため、携帯端末のアンテナ構造についても、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルの防水性が求められている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルの防水性を有する携帯端末用アンテナ構造及びその組付方法、並びにこの高レベルの防水性を有する携帯端末用アンテナ構造を備える携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、アンテナエレメント部と導通する接触導通部が、ホルダーの円筒部の内部を摺動して前記円筒部の内部に接触導通可能に設けられ、略有底円筒状の防水チューブの開口側が前記円筒部に外嵌めされ、前記防水チューブと携帯端末の筐体とで挟持される位置にオーリングが設けられることを特徴とする。
この構成によれば、略有底円筒状の防水チューブにより、アンテナエレメント部や接触導通部に付着して筐体奥部に水が浸入することを確実に防止できる。また、ホルダーと筐体との間の隙間から浸入する水や、ホルダーの円筒部と防水チューブとの間を伝って浸入する水が、防水チューブと筐体とのオーリングの挟持により、筐体奥部に浸入することを確実に防止できる。従って、携帯端末用アンテナ構造の防水性のレベルを、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルにすることができる。
【0007】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、前記防水チューブと前記筐体との挟持により前記オーリングが径方向に押圧されるようにして、前記オーリングが前記防水チューブの円筒状の外周に外嵌めされることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の取付穴に防水チューブを挿入する簡単な作業で、径方向にオーリングが挟持され押圧される止水構造を構成することができる。
【0008】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、前記防水チューブの開口側の端部に鍔部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、鍔部により、オーリングのアンテナ先端方向への移動を規制して万一外れることを防止することができ、オーリングの定置をより確実なものにすることができる。
【0009】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、前記円筒部のアンテナ先端寄りの位置に前記筐体の取付穴に略対応する外径を有する段差部が設けられ、前記段差部より下側位置に前記オーリングが外嵌めされていることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の取付面にホルダーの取付板が当接するまで、段差部を対応する径を有する取付穴に挿入する際に、組立作業時に作業者が確実にホルダーの挿入が完了した感覚を得られるようにすることができ、挿入が未完になるケースを減少させ、歩留まりを向上することができる。また、段差部でオーリングのアンテナ先端方向への移動を規制して万一外れることを防止することができ、オーリングの定置をより確実なものにすることができる。
【0010】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、前記防水チューブの開口側の端部に鍔部が設けられ、前記鍔部と前記筐体との挟持により前記オーリングが押圧されるようにして、前記オーリングが配設されることを特徴とする。
この構成によれば、筐体にホルダーをねじ留めする等の簡単な作業により、防水チューブの挿入方向にオーリングが挟持され押圧される止水構造を構成することができる。
【0011】
本発明の携帯端末用アンテナ構造は、前記円筒部の軸方向の略中間部に、軸方向に延びるスリットが周方向に所定間隔を開けて複数形成され、前記スリット間の接触部が前記接触導通部と導通可能に接触することを特徴とする。
この構成によれば、ホルダーの円筒部内に別体の接触バネを配置する必要がなくなり、接触バネを配置する困難な作業を無くし、又、ホルダーの円筒部の径をより小さくして細くすることができる。また、スリットから防水チューブ内に浸入する水も、防水チューブの底部やオーリングにより確実に止水することができる。
【0012】
本発明の携帯端末用アンテナ構造の組付方法は、アンテナエレメント部と導通する接触導通部が、ホルダーの円筒部の内部を摺動して前記円筒部の内部に接触導通可能に設けられ、前記円筒部のアンテナ先端寄りの位置に段差部が設けられていると共に、略有底円筒状の防水チューブの開口側が前記円筒部の前記段差部より下側位置に外嵌めされ、前記防水チューブと筐体との挟持によりオーリングが径方向に押圧されるようにして、前記オーリングが前記防水チューブの円筒状の外周に外嵌めされる携帯端末用アンテナ構造の組付方法であって、前記筐体の取付面に前記ホルダーの取付板が当接するまで、前記筐体の取付穴にこれと略対応する外径を有する前記段差部を挿入する工程を備えることを特徴とする。
この構成によれば、携帯端末用アンテナ構造は、略有底円筒状の防水チューブにより、アンテナエレメント部や接触導通部に付着して筐体奥部に水が浸入することを確実に防止できる。また、ホルダーと筐体との間の隙間から浸入する水や、ホルダーの円筒部と防水チューブとの間を伝って浸入する水が、防水チューブと筐体とのオーリングの挟持により、筐体奥部に浸入することを確実に防止できる。従って、携帯端末用アンテナ構造の防水性のレベルを、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルにすることができる。また、筐体の取付面にホルダーの取付板が当接するまで段差部を取付穴に挿入することにより、組立作業時に作業者が確実に挿入が完了した感覚を得ることができ、挿入が未完になるケースを減少させ、歩留まりを向上することができる。
【0013】
本発明の携帯端末は、本発明の携帯端末用アンテナ構造を備えることを特徴とする。
この構成によれば、本発明の携帯端末用アンテナの効果を有する携帯端末を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯端末用アンテナ構造の防水性のレベルを、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造の伸長時における正面図、(b)はその収縮時における正面図。
【図2】第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造が筐体に取り付けられて伸長している状態の一部を示す部分断面説明図。
【図3】第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造が筐体に取り付けられて収縮している状態の一部を示す部分断面説明図。
【図4】第2実施形態の携帯端末用アンテナ構造が筐体に取り付けられて収縮している状態の一部を示す部分断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造〕
本発明による第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造について説明する。
【0017】
第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造は、例えばスマートフォン(登録商標)など多機能携帯電話等の携帯端末に地上デジタルテレビ放送を受信する等のために設置されるアンテナ構造であり、図1〜図3に示すように、伸縮可能なアンテナエレメント部1と、アンテナエレメント部1を保持する保持部2と、保持部2の下側に設けられる接触導通部3と、携帯端末の筐体7に挿入して取り付けられるホルダー4と、ホルダー4の外周に周設される防水チューブ5と、防水チューブ5の外周に嵌め込まれているオーリング6とを備える。
【0018】
アンテナエレメント部1は、導通性の第1の筒状アンテナエレメント11と、第1の筒状アンテナエレメント11に対して出没可能な導通性の第2の筒状アンテナエレメント12と、第2の筒状アンテナエレメント12に対して出没可能な導通性の棒状アンテナエレメント13とから構成される。
【0019】
第1の筒状アンテナエレメント11は、その上端側に樹脂製のキャップ111が嵌め込まれていると共に、その下端に径を絞って丸みを帯びて形成されている縮径部112を有する。第2の筒状アンテナエレメント12は、その先端部の周囲に外側に膨出する接触バネ121が設けられていると共に、その下端には径を絞って丸みを帯びて形成されている縮径部122が形成されている。第2の筒状アンテナエレメント12は、第1の筒状アンテナエレメント11に接触バネ121を内装して第1の筒状アンテナエレメント11に出没可能に設けられ、接触バネ121が第1アンテナエレメント11の内壁を長手方向に接触しながら摺動し、接触バネ121を介して第2の筒状アンテナエレメント12と第1の筒状アンテナエレメント11とが導通される。
【0020】
棒状アンテナエレメント13は、その上端に略球形の拡径部131が形成されており、拡径部131の下側における棒状アンテナエレメント13の上端近傍の周囲には外側に膨出する接触バネ132が設けられている。棒状アンテナエレメント13は、第2の筒状アンテナエレメント12に接触バネ132を内装して第2の筒状アンテナエレメント12に出没可能に設けられ、接触バネ132が第2の筒状アンテナエレメント12の内壁を長手方向に接触しながら摺動し、接触バネ132を介して棒状アンテナエレメント13と第2の筒状アンテナエレメント12とが導通される。
【0021】
保持部2は、棒状アンテナエレメント13の下端部が嵌め込まれる基体21と、基体21の下端部に形成されている略弧状の板状部22とを有し、板状部22の下端面外周には凹部と凸部で構成される係合溝(図示省略)が複数形成されている。また、接触導通部3は、略筒形の本体31を有し、本体31の上端部は二股に分かれた板状部32・32になっており、板状部32・32は保持部2の板状部22の両側にそれぞれ配置される。
【0022】
本体31の板状部32・32及び保持部2の板状部22の略中央には孔が形成され、前記孔にピン等を挿入することにより軸支部33とされており、軸支部33で保持部2が接触導通部3に軸支されている。保持部2は、軸支部33を中心に可動して接触導通部3に屈曲可能に支持されると共に、軸支部33で接触導通部3と保持部2及びこれに棒状アンテナエレメント13が嵌め込まれているアンテナエレメント部1とが導通される。
【0023】
また、接触導通部3の内部には、本体31内の上端近傍に配置される球体等である係止体34と、本体31内に配置されて係止体34を上方に付勢するコイルバネである弾性材35とが設けられている。係止体34は弾性材35で接触導通部3の先端方向である上方に付勢され、球体の球面など係止体34の係合面が板状部22の係合溝に係脱可能に係合される。この係合により、アンテナエレメント部1を所定の方向で定置することが可能になっていると共に、アンテナエレメント部1を軸支部33を中心に回転し、係止体34を弾性材35の弾性力に抗して押し下げ係合溝の係合から外してアンテナエレメント部1を所定の方向に調整し、調整後の方向に対応する係合溝に係止体34を係合して定置することが可能になっている。
【0024】
更に、接触導通部3の下端には、本体31よりも大径のストッパー36が形成されており、ストッパー36が後述するホルダー4の円筒部41の下端で係止することにより、円筒部41に内装されて摺動する接触導通部3がアンテナ先端側に離脱することが防止されている。
【0025】
ホルダー4は、リン青銅等で形成され、円筒部41と、円筒部41のアンテナ先端寄りの位置である上部に形成されている大径の段差部42と、大径の段差部42の上端から外周方向に鍔状に突出形成されている取付板43とを有する。円筒部41の軸方向の略中間部には、軸方向に延びるスリット411が周方向に所定間隔を開けて複数形成されており、スリット411・411間で若干内側に湾曲する接触部412が、円筒部41の内部を摺動するように設けられる接触導通部3と導通可能に接触するようになっている。ホルダー4には携帯端末の筐体7内の給電部(図示省略)から給電され、接触導通部3、保持部2、アンテナエレメント部1に給電されるようになっている。
【0026】
防水チューブ5は、略有底円筒状であり、有底円筒状の基部51と、基部51の開口側の端部で外周方向に鍔状に突出形成されている鍔部52とを有する。防水チューブ5の基部51の開口側はホルダー4の円筒部41に外嵌めされ、鍔部52が段差部42の下面に略当接するまで挿入されて、段差部42より下側位置で円筒部41に基部51の上部が外装される。鍔部52の下側における基部51の外周には、オーリング6が外嵌めされており、段差部42より下側位置にオーリング6が設けられている。
【0027】
防水チューブ5とオーリング6が外嵌されたホルダー4の円筒部41は、取付板43が携帯端末の筐体7の取付面71に当接するまで、筐体7の取付穴72に挿入される。取付穴72は、その開口側の大径部721と、奥側の小径部722とから構成され、基部51が外嵌めされた円筒部41は小径部712に挿入して配置され、段差部42、鍔部52、円筒部41に外嵌めされた基部51とオーリング6は大径部721内に配置される。
【0028】
オーリング6は、防水チューブ5と筐体7とで挟持される位置、即ち防水チューブ5の基部51と筐体7の大径部721の内周面とで挟持される位置に設けられ、この挟持によりオーリング6が径方向に押圧される。このオーリング6が配置される空間は、オーリング6の変形量の逃げを加味して若干の余裕スペースをもって形成される。
【0029】
尚、防水チューブ5は、例えばPP(ポリプロピレン)、PA(ナイロン)など、絶縁性と防水性を有し、且つ弾性率が700〜1600Mpa程度のものとすると良好である。また、オーリング6は、例えばシリコンゴムなど、挟持による圧縮率が10〜30%程度になるようにすると、十分な防水を確実に行うことができると共に、所定位置に容易に挿入配置することが可能となって好ましい。
【0030】
第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造を筐体7に組み付ける際には、接触導通部3が内装され、防水チューブ5とオーリング6が外嵌めされたホルダー4の円筒部41を取付穴72内に挿入する。このとき、筐体7の取付面71にホルダー4の取付板43が当接するまで、筐体7の取付穴72にこれと対応する外径を有するホルダー4の段差部42を挿入する。この工程により、組立作業時に作業者が確実にホルダー4の挿入が完了した感覚を得ることができ、挿入が未完になるケースを減少させ、歩留まりを向上することができる。
【0031】
第1実施形態の携帯端末用アンテナ構造によれば、略有底円筒状の防水チューブ5で防水し、アンテナエレメント部1や接触導通部3に付着して筐体7の奥部に水が浸入することを確実に防止できる。また、ホルダー4と筐体7との間の隙間から浸入する水や、ホルダー4の円筒部41と防水チューブ5との間を伝って浸入する水が、防水チューブ5と筐体7とのオーリング6の挟持により、筐体奥部に浸入することを確実に防止できる。従って、携帯端末用アンテナ構造の防水性のレベルを、携帯端末を水没した場合にも耐えうるレベルにすることができる。
【0032】
また、筐体7の取付穴71に防水チューブ5を挿入する簡単な作業で、径方向にオーリング6が挟持され押圧される止水構造を構成することができる。また、鍔部52、段差部42や取付穴71の小径部712の上面により、オーリング6のアンテナ先端方向への移動や逆方向の移動を規制して万一外れるやズレことを防止することができ、オーリング6の定置をより確実なものにすることができる。
【0033】
また、スリット411・411間の接触部412が接触導通部3と導通可能に接触することにより、ホルダー4の円筒部41内に別体の接触バネを配置する必要がなくなり、接触バネを配置する困難な作業を無くし、又、ホルダー4の円筒部41の径をより小さくして細くすることができる。また、スリット411から防水チューブ5内に浸入する水も、防水チューブ5の底部やオーリング6により確実に止水することができる。
【0034】
〔第2実施形態の携帯端末用アンテナ構造〕
次に、本発明による第2実施形態の携帯端末用アンテナ構造について説明する。
【0035】
第2実施形態の携帯端末用アンテナ構造では、図4に示すように、ホルダー4aが、円筒部41aと、円筒部41aの上端から外周方向に鍔状に突出形成されている取付板43aとを有し、段差部は形成されていない。円筒部41aの軸方向の略中間部には、軸方向に延びるスリット411aが周方向に所定間隔を開けて複数形成されており、スリット411a・411a間で若干内側に湾曲する接触部412aが、円筒部41aの内部を摺動するように設けられる接触導通部3と導通可能に接触する。
【0036】
防水チューブ5は、第1実施形態と同一であり、基部51の開口側がホルダー4の円筒部41に外嵌めされ、鍔部52が取付板43aの下面に略当接するまで挿入される。鍔部52の下側における基部51の外周には、第1実施形態と同一のオーリング6が外嵌めされている。
【0037】
防水チューブ5とオーリング6が外嵌されたホルダー4aの円筒部41aは、オーリング6が携帯端末の筐体7aの取付面71aに当接するまで、筐体7aの取付穴72aに挿入される。そして、取付板43aが取付面71aにネジ留めする等により筐体7aに取り付けられ、オーリング6は、防水チューブ5と筐体7aとで挟持される位置、即ち防水チューブ5の鍔部52と筐体7aの取付面71aとで挟持される位置に設けられ、この挟持によりオーリング6がアンテナの軸方向に押圧される。
【0038】
オーリング6は、例えばシリコンゴムなど、挟持による圧縮率が10〜30%程度になるようにすると、十分な防水を確実に行うことができると共に、所定位置に容易に定置して配置することが可能となって好ましい。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0039】
第2実施形態の携帯端末用アンテナ構造によれば、筐体7aにホルダー4aをねじ留めする簡単な作業により、防水チューブ5の挿入方向にオーリング6が挟持され押圧される止水構造を構成することができる。その他に、第1実施形態と対応する構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0040】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明には、各発明や各実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれる。
【0041】
例えばオーリング6を設ける位置は、第1、第2実施形態に限定されず、防水チューブ5と携帯端末の筐体7、7aとで挟持される位置であれば適宜である。また、ホルダー4、4aは、スリット411、411aと接触部412、412aを設ける構成以外にも適宜であり、例えば円筒部41、41a内に接触バネを設け、これを接触導通部3に接触させる構成とすることも可能である。また、アンテナエレメント部1、保持部2、接触導通部3の構成も本発明の趣旨の範囲内で適宜である。
【0042】
また、第2実施形態における取付板43aの筐体7aの取付面71aへの固定は、1箇所若しくは複数箇所で固定することが可能であり、或いは段差が設けられる取付面71aに接着するなど他の固定方式を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば多機能携帯電話などの携帯端末用アンテナとして利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…アンテナエレメント部 11…第1の筒状アンテナエレメント 111…キャップ 112…縮径部 12…第2の筒状アンテナエレメント 121…接触バネ 122…縮径部 13…棒状アンテナエレメント 131…拡径部 132…接触バネ 2…保持部 21…基体 22…板状部 3…接触導通部 31…本体 32…板状部 33…軸支部 34…係止体 35…弾性材 36…ストッパー 4、4a…ホルダー 41、41a…円筒部 411、411a…スリット 412、412a…接触部 42…段差部 43、43a…取付板 5…防水チューブ 51…基部 52…鍔部 6…オーリング 7、7a…筐体 71、71a…取付面 72、72a…取付穴 721…大径部 722…小径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナエレメント部と導通する接触導通部が、ホルダーの円筒部の内部を摺動して前記円筒部の内部に接触導通可能に設けられ、
略有底円筒状の防水チューブの開口側が前記円筒部に外嵌めされ、
前記防水チューブと携帯端末の筐体とで挟持される位置にオーリングが設けられることを特徴とする携帯端末用アンテナ構造。
【請求項2】
前記防水チューブと前記筐体との挟持により前記オーリングが径方向に押圧されるようにして、前記オーリングが前記防水チューブの円筒状の外周に外嵌めされることを特徴とする請求項1記載の携帯端末用アンテナ構造。
【請求項3】
前記防水チューブの開口側の端部に鍔部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の携帯端末用アンテナ構造。
【請求項4】
前記円筒部のアンテナ先端寄りの位置に前記筐体の取付穴に略対応する外径を有する段差部が設けられ、
前記段差部より下側位置に前記オーリングが外嵌めされていることを特徴とする請求項2又は3記載の携帯端末用アンテナ構造。
【請求項5】
前記防水チューブの開口側の端部に鍔部が設けられ、
前記鍔部と前記筐体との挟持により前記オーリングが押圧されるようにして、前記オーリングが配設されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末用アンテナ構造。
【請求項6】
前記円筒部の軸方向の略中間部に、軸方向に延びるスリットが周方向に所定間隔を開けて複数形成され、
前記スリット間の接触部が前記接触導通部と導通可能に接触することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の携帯端末用アンテナ構造。
【請求項7】
アンテナエレメント部と導通する接触導通部が、ホルダーの円筒部の内部を摺動して前記円筒部の内部に接触導通可能に設けられ、
前記円筒部のアンテナ先端寄りの位置に段差部が設けられていると共に、
略有底円筒状の防水チューブの開口側が前記円筒部の前記段差部より下側位置に外嵌めされ、
前記防水チューブと筐体との挟持によりオーリングが径方向に押圧されるようにして、前記オーリングが前記防水チューブの円筒状の外周に外嵌めされる携帯端末用アンテナ構造の組付方法であって、
前記筐体の取付面に前記ホルダーの取付板が当接するまで、前記筐体の取付穴にこれと略対応する外径を有する前記段差部を挿入する工程を備えることを特徴とする携帯端末用アンテナ構造の組付方法。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載の携帯端末用アンテナ構造を備えることを特徴とする携帯端末。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17061(P2013−17061A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148816(P2011−148816)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(391023862)テーダブリュ電気株式会社 (16)
【Fターム(参考)】