説明

携帯端末自動メンテナンス装置および携帯端末自動メンテナンス方法

【課題】携帯端末内のプログラムとデータベース定義を自動的に更新する。
【解決手段】管理サーバ1は、携帯端末2内で動作する端末プログラムの更新情報と端末データベース26の定義更新情報を関連付けた端末メンテナンス情報を有しており、この管理サーバ1に接続された携帯端末2は、ネットワーク3を介して最新の端末メンテナンス情報を取得する。携帯端末2は、端末内の端末プログラムおよび端末データベース26のバージョン情報を含む現行端末メンテナンス情報と管理サーバ1内の端末メンテナンス情報を比較し、この比較結果に基づいて管理サーバ1に対して更新プログラムおよび端末データベース26の定義更新処理文の配信要求を行う。管理サーバ1は、端末メンテンナンス情報に基づいて端末データベース26の定義更新処理文を作成し、対応する端末プログラムと共に携帯端末2へ配信し、更新を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバにネットワーク接続された携帯端末内のプログラムおよびデータベースの定義情報を自動更新する携帯端末自動メンテナンス装置および携帯端末自動メンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サーバにネットワークを介して複数の携帯端末が接続された情報管理システムにおいては、サーバ側でプログラムの更新がなされると、携帯端末にプログラムの更新通知を行い、この更新通知に対して応答されるユーザの更新要求に基づいてサーバから携帯端末へ更新プログラムが配布され、携帯端末の更新が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1にはサーバと家電製品等の製品が携帯電話端末の通信機能を介して接続する構成を有し、サーバから製品に更新ソフトウェアが配布されることで製品内のソフトウェアを自動更新するソフトウェア更新システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−309516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術においては、製品内のプログラムを実行する際に利用するデータベースの定義情報の更新が必要となる場合までは考慮されていないため、製品毎にデータベースの定義情報の更新を行う必要があった。そのため、更新手順の間違いや更新漏れがあった場合には、更新プログラムとデータベース定義の整合性がとれず、プログラムを更新したために製品等が正常に動作しなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、携帯端末内のプログラムとデータベースの定義情報を自動的に更新し、更新手順の間違いや更新漏れによる動作不良を回避できる携帯端末自動メンテナンス装置および携帯端末自動メンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯端末自動メンテナンス装置は、管理サーバにネットワークを介して携帯端末が接続された携帯端末自動メンテナンス装置であって、前記管理サーバは、前記携帯端末内で動作する端末プログラムを格納するプログラム格納部と、前記端末プログラムの更新情報と前記端末プログラムの実行時に用いる端末データベースの定義更新情報を関連付けた端末メンテナンス情報を格納する端末メンテナンス情報格納部と、前記格納された端末メンテンナンス情報に基づいて前記端末データベースの定義更新処理文を作成すると共に、前記プログラム格納部から所望の前記端末プログラムを取得するメンテナンス部と、前記携帯端末からの配信要求に基づいて前記メンテナンス部から前記端末プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文を取得し、前記携帯端末に前記ネットワークを介して配信する送受信部と、を備え、前記携帯端末は、外部からの接続要求に基づいて前記ネットワークを介して前記送受信部との接続を行い、前記管理サーバから最新の前記端末メンテナンス情報を取得する端末送受信部と、前記端末プログラムを格納する端末プログラム格納部と、前記端末データベースと、前記端末プログラム格納部に格納された前記端末プログラムおよび前記端末データベースのバージョン情報を含む現行端末メンテナンス情報を格納する現行端末メンテナンス情報格納部と、前記格納された現行端末メンテナンス情報と前記管理サーバから取得される前記端末メンテナンス情報を比較し、この比較結果に基づいて前記管理サーバに対して更新プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文の配信要求を行い、この配信要求に対して前記管理サーバから配信される前記更新プログラムで前記端末プログラム格納部の前記端末プログラムを更新すると共に、前記端末データベースの定義更新処理文を実行する端末メンテナンス部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る携帯端末自動メンテナンス方法は、管理サーバにネットワークを介して携帯端末が接続されたコンピュータシステムにおける携帯端末自動メンテナンス方法であって、前記管理サーバが、携帯端末内で動作する端末プログラムを記憶領域に格納するプログラム格納ステップと、前記管理サーバが、前記端末プログラムの更新情報と前記端末プログラムの実行時に用いる端末データベースの定義更新情報を関連付けた端末メンテナンス情報を記憶領域に格納する端末メンテナンス情報格納ステップと、前記携帯端末が、外部からの接続要求に基づいて前記ネットワークを介して前記管理サーバとの接続を行い、前記管理サーバから最新の前記端末メンテナンス情報を取得する端末メンテナンス情報取得ステップと、前記携帯端末が、端末内に格納された前記端末プログラムおよび前記端末データベースのバージョン情報を含む現行端末メンテナンス情報と前記管理サーバから取得される前記端末メンテナンス情報を比較し、この比較結果に基づいて前記管理サーバに対して更新プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文の配信要求を行う配信要求ステップと、前記管理サーバが、前記端末メンテナンス情報格納ステップにおいて格納された端末メンテンナンス情報に基づいて前記端末データベースの定義更新処理文を作成すると共に、前記プログラム格納ステップにおいて格納した所望の前記端末プログラムを取得する配信データ取得ステップと、前記管理サーバが、前記ネットワークを介して前記携帯端末に前記端末プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文を配信する配信ステップと、前記携帯端末が、前記配信ステップにおいて配信された前記更新プログラムで前記携帯端末内の前記端末プログラムを更新すると共に、前記端末データベースの定義更新処理文を実行する端末更新ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末内のプログラムとデータベースの定義情報を自動的に更新し、更新手順の間違いや更新漏れによる動作不良を回避できる携帯端末自動メンテナンス装置および携帯端末自動メンテナンス方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る携帯端末自動メンテナンス装置の全体構成例を示す図である。同図に示されるように、携帯端末自動メンテナンス装置では、管理サーバ1に携帯端末2がネットワーク3を介して接続されている。
【0010】
管理サーバ1は、メンテナンス部11、データベース12、管理情報格納部13、データベース管理部14、プログラム格納部15、プログラム管理部16、入力部17、表示部18、および送受信部19から構成されるコンピュータである。
【0011】
メンテナンス部11は、データベース管理部14、プログラム管理部16、入力部17、表示部18、および送受信部19に接続され、管理サーバ1のデータベース12用の更新処理文を生成してデータベース管理部14にデータベース12を更新させる機能、入力部17より取得されるプログラムをプログラム管理部16に出力してプログラム格納部15に登録・更新を行わせる機能、携帯端末2の端末データベース26用の定義更新処理文を生成して送受信部19から配信させる機能、および携帯端末2からの配信要求などのデータを送受信部19から取得し、この受信データに基づいてデータベース管理部14にデータベース12または管理情報格納部13用の更新処理文を作成して各部に更新処理を行わせる機能を有するプログラムである。
【0012】
データベース12は、管理サーバ1側のプログラムの実行時に用いられる各種のデータテーブルを格納し、管理するデータベースである。例えば、携帯端末2が保守点検作業に用いられる場合には、複数の携帯端末2側から取得される保守点検作業の記録データを統合して管理する作業記録テーブルなどがデータベース12に含まれる。
【0013】
管理情報格納部13は、プログラム更新情報格納部13a、データベース定義更新情報格納部13b、サーバメンテナンス情報格納部13c、端末メンテナンス情報格納部13d、および端末管理情報格納部13eを含んだデータベース群である。
【0014】
プログラム更新情報格納部13aは、プログラム格納部15に対してプログラムを登録・更新した情報(以下、「プログラム更新情報」という。)を格納するデータベースである。このプログラム更新情報は、メンテナンス部11からの制御情報に基づいてデータベース管理部14が登録・更新を行う。図2は、プログラム更新情報の具体例を示す図である。ここでは、プログラムID、プログラム区分、プログラムバージョン、各プログラムが対応するデータベースのバージョン、プログラム更新日付が項目として挙げられている。
【0015】
データベース定義更新情報格納部13bは、データベース12または端末データベース26についてテーブルの新規作成、削除、変更、アクセス権の設定などデータベース定義の更新に係る情報(以下、「データベース定義更新情報」という。)を格納するデータベースである。図3は、データベース定義更新情報の具体例を示す図である。ここでは、データベース区分、データベースのバージョン、処理区分、テーブル名、カラム名、データ型、データのサイズ、および定義情報更新日付などが項目として挙げられている。
【0016】
サーバメンテナンス情報格納部13cは、管理サーバ1側のプログラム更新情報とデータベース定義更新情報をリンクさせたメンテナンスの情報(以下、「サーバメンテナンス情報」という。)を格納するデータベースである。図4は、サーバメンテナンス情報の具体例を示す図である。ここでは、サーバメンテナンスID、端末メンテナンスID、必須フラグ、プログラムID、プログラムバージョン、インストール先、データベース更新情報ID、データベースバージョン、メンテナンス更新日付などが項目として挙げられている。必須フラグは、より新しい他のメンテナンスIDで更新処理がなされれば更新が不要となる場合は0と設定され、1の場合には必ず更新されることを示す。
【0017】
端末メンテナンス情報格納部13dは、携帯端末2用のプログラム更新情報と端末データベース26の定義更新情報をリンクさせたメンテナンスの情報(以下、「端末メンテナンス情報」という。)を格納するデータベースである。図5は、端末メンテナンス情報の具体例を示す図である。ここでは、端末メンテナンスID、必須フラグ、プログラムID、プログラムバージョン、インストール先、端末データベース更新情報ID、端末データベースバージョン、メンテナンス更新日付などが項目として挙げられている。この端末メンテナンス情報は、管理サーバ1側で更新準備が完了し、端末携帯端末2側で将来的に実施予定のメンテナンス作業に係る情報であり、最新の端末メンテナンス情報と携帯端末2側で保持する端末プログラムやデータベースのバージョン情報が異なる場合には更新が必要となる。
【0018】
端末管理情報格納部13eは、管理サーバ1にネットワーク3を介して接続される複数の携帯端末2を管理するための情報(以下、「端末管理情報」という。)を格納するデータベースである。図6は、端末管理情報の具体例を示す図である。ここでは、端末ID、プログラムID、プログラムバージョン、プログラム更新日付が項目として挙げられている。
【0019】
図7は、メンテナンス情報の作成過程を説明する図である。ここでは、メンテナンス部11が、プログラム更新情報格納部13aからプログラム更新情報、データベース定義更新情報格納部13bからデータベース定義更新情報をそれぞれ取得し、これらの情報を管理サーバ1および携帯端末2ついて個別にリンクさせ、サーバメンテンナス情報および端末メンテナンス情報をそれぞれ作成し、これらをサーバメンテナンス情報格納部13cおよび端末メンテンナス情報格納部13dにそれぞれ格納することを表している。
【0020】
データベース管理部14は、メンテナンス部11に接続され、メンテナンス部11からの制御情報(データ更新処理文や定義更新処理文)に基づいてデータベース12または管理情報格納部13へのデータの登録・更新を管理するプログラムである。また、データベース管理部14は、データベース12または管理情報格納部13への登録・更新処理を行った場合には、その処理結果をメンテナンス部11へ出力する機能を有する。
【0021】
プログラム格納部15は、管理サーバ1または携帯端末2のメモリ(図示省略する)内に展開され、各コンピュータ内で所定の処理を行う各種のプログラムを格納する記憶装置である。
【0022】
プログラム管理部16は、メンテナンス部11に接続され、メンテナンス部11からの制御情報に基づいてプログラム格納部15へのプログラムの登録・更新処理を管理するプログラムである。また、プログラム管理部16は、プログラム格納部15へプログラムの登録・更新処理を行った場合には、その処理結果をプログラムのバージョン情報と共にメンテナンス部11へ出力する機能を有する。
【0023】
入力部17は、メンテナンス部11に接続され、ユーザが入力に用いるキーボードやマウスなどの入力装置、およびCD−R、DVD、USBメモリなどの記憶媒体から情報(更新プログラムなど)を読取る入力装置である。また、入力部17は、入力情報をメンテナンス部11へ出力する機能を有する。
【0024】
表示部18は、メンテナンス部11に接続され、データベース12のデータや管理サーバ1における処理結果などを表示する表示装置である。
【0025】
送受信部19は、メンテナンス部11に接続され、メンテナンス部11からの制御情報に基づいてネットワーク3を介して携帯端末2の通信装置と通信を行う通信装置である。また、送受信部19は、携帯端末2から受信した情報をメンテナンス部11へ出力する機能を有する。
【0026】
携帯端末2は、端末送受信部21、端末メンテナンス部22、端末プログラム格納部23、端末プログラム管理部24、現行端末メンテナンス情報格納部25、端末データベース26、端末データベース管理部27、端末入力部28、および端末表示部29から構成されたコンピュータである。尚、本実施形態では、管理サーバ1と携帯端末2は、常時接続してはおらず、ユーザが接続要求を行った際に接続されるものとする。携帯端末2の具体例としては、PDAやノートパソコン等の端末が挙げられる。また、管理サーバ1に対する携帯端末2の接続台数に特に制限は無いものとする。
【0027】
端末送受信部21は、端末メンテナンス部22に接続され、端末メンテナンス部22からの制御情報に基づいてネットワーク3を介して管理サーバ1の通信装置と通信を行う通信装置である。例えば、端末入力部28から接続要求が入力されると端末メンテナンス部22から接続指令が発せられ、管理サーバ1の送受信部19との接続が行われる。また、端末送受信部21は、管理サーバ1から受信した情報を端末メンテナンス部22へ出力する機能を有する。
【0028】
端末メンテナンス部22は、端末送受信部21、端末プログラム管理部24、端末データベース管理部27、端末入力部28、および端末表示部29に接続され、最新の端末メンテナンス情報を取得すると現行端末メンテナンス情報格納部25の現行メンテナンス情報と比較し、この比較結果に基づいて管理サーバ1に対して更新プログラムおよび端末データベース26の定義更新処理文の配信要求を行うプログラムである。また、端末メンテナンス部22は、配信要求に対して管理サーバ1から配信され、端末送受信部21において受信した端末データベース26の定義更新処理文を端末データベース管理部27へ出力して端末データベース26の定義情報を更新させる機能、更新プログラムを端末プログラム管理部24へ出力して端末プログラム格納部23へ格納させる機能を有する。
【0029】
端末プログラム格納部23は、携帯端末2内で実行される各種のプログラムを格納する記憶装置である。例えば、ユーザが保守作業に用いる画面を端末表示部29に出力すると共に、画面から入力された作業記録データを端末データベース26内の端末作業記録テーブル(図示省略する)へ登録する作業記録プログラムなどが挙げられる。
【0030】
端末プログラム管理部24は、端末メンテナンス部22に接続され、端末メンテナンス部22からの制御情報に基づいて端末プログラム格納部23へのプログラムの登録・更新処理を管理するプログラムである。また、端末プログラム管理部24は、端末プログラム格納部23へプログラムの登録・更新処理を行った場合には、その処理結果をプログラムのバージョン情報と共に端末メンテナンス部22へ出力する機能を有する。
【0031】
現行端末メンテナンス情報格納部25は、現行のプログラムおよびデータベースのバージョン情報を端末メンテナンスIDに関連付けた情報(以下、「現行端末メンテナンス情報」という。)を格納するデータベースである。
【0032】
端末データベース26は、携帯端末2内で動作する端末プログラムが参照、登録、更新などに利用するデータベースである。尚、本実施形態では、端末データベース26は、管理サーバ1のデータベース12とは異なるタイプのデータベースであり、更新処理文の形式が異なるものとする。
【0033】
端末データベース管理部27は、端末メンテナンス部22に接続され、端末メンテナンス部22からの制御情報(データ更新処理文や定義更新処理文)に基づいて端末データベース26へのデータの登録・更新並びにデータベース定義の登録・更新処理を管理するプログラムである。また、端末データベース管理部27は、端末データベース26に対して登録・更新処理を行った場合には、その処理結果を端末メンテナンス部22へ出力する機能を有する。
【0034】
端末入力部28は、ユーザが携帯端末2へ情報を入力するための入力装置である。本実施形態では、PDAの操作部(ボタンやマイクなど)が該当する。
【0035】
端末表示部29は、ユーザに対して端末データベース26のデータや端末メンテナンス部22処理結果などを画面表示する表示装置である。本実施形態では、PDAの液晶表示部が該当する。
【0036】
図8は、管理サーバ1および携帯端末2に適用されるコンピュータの構成例を示す図である。同図に示すように、管理サーバ1および携帯端末2に適用されるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、インターフェース104、システムバス105、入力装置106、表示装置107、補助記憶装置108、および通信装置109から構成されている。
【0037】
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM102は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM103は、CPU101が実行するプログラムやプログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。インターフェース104は、各種のハードウェアとシステムバス105との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス105は、CPU101、ROM102、RAM103、およびインターフェース104で共有される情報伝達路である。
【0038】
また、インターフェース104には、入力装置106、表示装置107、補助記憶装置108、および通信装置109などのハードウェアが接続されている。入力装置106は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置107は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置108は、プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。通信装置109は、コンピュータをネットワーク3に接続する装置であり、例えばモデムやNIC(Network Interface Card)などである。
【0039】
以下、本実施形態に係る携帯端末2の動作を図面に基づいて説明する。図9は、メンテナンス部11における動作の具体例を示すフローチャートである。
【0040】
S901においては、記録媒体などから入力部17において入力されたプログラムを取得する。
S902においては、S901において取得されたプログラムが更新プログラムか否かをプログラムIDとバージョン情報に基づいて判定する。ここで、更新プログラムであると判定された場合にはS903へ進む。これに対して、更新プログラムではないと判定された場合はS904へ進む。
【0041】
S903においては、プログラム格納部15に格納されている旧バージョンのプログラムを更新プログラムで更新する。
S904においては、S901において取得されたプログラムをプログラム格納部15に新規登録する。
S905においては、サーバメンテナンス情報格納部13cからサーバメンテナンス情報を取得する。
【0042】
S906においては、サーバメンテナンス情報に基づいてプログラムの実行のためにデータベース12の定義情報の更新が必要か否かを判定する。すなわち、管理サーバ1におけるプログラムの登録・更新がデータベース12の変更を伴うものか否かを判定する。ここで、データベース12の定義情報の更新が必要と判定された場合には、S907へ進む。これに対して、データベース12の定義情報の更新が不要と判定された場合には、S909へ進む。
【0043】
S909においては、端末メンテナンス情報格納部13dから端末メンテナンス情報を取得する。
S910においては、端末メンテナンス情報に基づいて端末プログラムの実行のためにデータベース12の定義情報の更新が必要か否かを判定する。すなわち、管理サーバ1における端末プログラムの登録・更新が端末データベース26の変更を伴うものか否かを判定する。ここで、端末データベース26の定義情報の更新が必要と判定された場合には、S911へ進む。これに対して、端末データベース26の定義情報の更新が不要と判定された場合には、処理を終了する。
【0044】
S911においては、端末データベース26の定義情報の更新処理文を作成する。尚、本実施形態では、管理サーバ1のデータベース12と携帯端末2の端末データベース26のデータ管理の形式が異なるため、データベース定義を更新する処理文も異なる。図10は、各データベースの定義情報の更新処理文の具体例を示す図である。図10(a)は、管理サーバ1のデータベース12の定義情報の更新処理文の具体例を示す図である。この処理文は、ある拡張対象テーブルに数値型のフィールドを追加する定義変更を行うものである。一方、図10(b)は、携帯端末2の端末データベース26の定義情報の更新処理文の具体例を示す図である。この処理文もある拡張対象テーブルに数値型のフィールドを追加するものであるが、データベースの形式が異なるので図10(b)の更新処理文と異なっている。
S912においては、S911において作成した端末データベース26の定義情報の更新処理文を記憶領域(図示省略する)に格納し、処理を終了する。
【0045】
図11は、管理サーバ1と携帯端末2の間の処理の具体例を示すシーケンス図である。
S1101において、携帯端末2の端末送受信部21は、ユーザが端末入力部28から入力した接続要求に基づいて管理サーバ1にネットワーク3を介して接続する。
S1102において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、現行端末メンテナンス情報格納部25から取得されるメンテナンスIDと管理サーバ1から取得される端末メンテナンス情報のメンテナンスIDを比較し、新規の端末メンテナンス情報が存在するか否かを判定する。ここで、新規の端末メンテナンス情報が存在すると判定された場合には、S1103へ進む。これに対し、新規の端末メンテナンス情報が無しと判定された場合には、携帯端末2の更新を行う必要がないため、処理を終了する。
【0046】
S1103において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、端末送受信部21において管理サーバ1から取得した最新の端末メンテナンス情報に基づいて管理サーバ1側に更新プログラムが存在するか否かを判定する。ここで、更新プログラムが存在すると判定された場合には、S1104へ進む。これに対し、更新プログラムが無しと判定された場合には、S1108へ進む。
【0047】
S1104において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、端末送受信部21より管理サーバ1に対して更新プログラムの配信要求を行う。
S1105において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、携帯端末2から配信要求がなされた更新プログラムをプログラム格納部15から取得し、送受信部19から携帯端末2に対して配信する。
【0048】
S1106において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、管理サーバ1より受信した更新プログラムを端末プログラム管理部24に出力し、端末プログラム格納部23に格納された旧プログラムを更新する。
S1107において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、端末プログラム管理部24よりS1106における更新処理の結果を取得し、この結果を端末送受信部21から管理サーバ1へ通知する。
【0049】
S1108において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、最新の端末メンテナンス情報に基づいて端末データベース26の定義更新が必要か否かを判定する。ここで、端末データベース26の定義更新が必要と判定された場合には、S1109へ進む。これに対し、端末データベース26の定義更新が必要無しと判定された場合には、処理を終了する。
S1109において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、端末送受信部21より管理サーバ1に対して端末データベース26の定義更新処理文の配信要求を行う。
【0050】
S1110において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、携帯端末2からの配信要求に応じた端末データベース定義の更新処理文を作成し、送受信部19より携帯端末2へ配信する。
S1111において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、端末送受信部21において受信した端末データベース26の定義更新処理文を端末データベース管理部27に出力し、端末データベース26の定義更新処理を実行させる。
【0051】
S1112において、携帯端末2の端末メンテナンス部22は、S1111における更新処理の結果を管理サーバ1へ送信する。
【0052】
S1113において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、携帯端末2より受信した更新結果に基づいて携帯端末2における更新処理が正常に終了したか否かを判定する。ここで、更新処理が正常に終了したと判定された場合には、S1114へ進む。これに対し、更新処理が正常に終了しなかったと判定された場合には、S1115へ進む。
【0053】
S1114において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、端末管理情報格納部13eのデータ更新処理文を作成してデータベース管理部14に出力し、端末管理情報を更新させ、処理を終了する。
S1115において、管理サーバ1のメンテナンス部11は、携帯端末2において更新処理が失敗したエラーメッセージを表示部18に出力させ、処理を終了する。
【0054】
上記のように構成された本実施形態に係る携帯端末自動メンテナンス装置によれば、以下の効果が奏される。
(1)携帯端末2へ配信する端末プログラムが端末データベース26の定義情報の更新を伴う場合でも、各端末プログラムや端末データベース26の定義更新を自動的に行うことができる。同様に、管理サーバ1内で動作するプログラムがデータベース12の定義情報の更新を伴う場合にも、メンテナンス情報に基づいてデータベース12の定義更新を自動的に行うことができる。
(2)プログラムとデータベース定義の整合性をとることができるため、更新後の不整合によりプログラムが正常に動作しないという問題を回避することができる。
【0055】
<実施形態2>
図12は、本発明の実施形態2に係る携帯端末自動メンテナンス装置の全体構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、本実施形態に係る携帯端末自動メンテナンス装置は、実施形態1に係る携帯端末自動メンテナンス装置に対してデータベース12にレジストリ更新情報格納部13fを更に含んで構成されている。尚、図1において付された符号と共通する符号は同一の対象を表すため説明を省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0056】
レジストリ更新情報格納部13fは、OSやミドルウェアが実行中に常時参照する情報を格納するレジストリ(図示省略する)に関する更新情報を格納するデータベースである。例えば、各ユーザに関するプロファイル、コンピュータにインストールされているプログラム(アプリケーション)および各プログラムによって作成可能なドキュメントの種類などの更新情報が格納される。図13は、レジストリ更新情報の具体例を示す図である。ここでは、レジストリのメンテナンスID、プログラム名、プログラムバージョン、キー、値、更新日付などが項目として挙げられている。
【0057】
本実施形態は、サーバメンテナンス情報および端末メンテナンス情報を作成する際に、レジストリ(図示省略する)の更新情報を考慮する点が実施形態1と異なる。図14は、メンテナンス情報の作成過程を説明する図である。ここでは、メンテナンス部11が、プログラム更新情報格納部13aからプログラム更新情報、データベース定義更新情報格納部13bからデータベース定義更新情報、レジストリ更新情報格納部13fからレジストリ更新情報をそれぞれ取得し、これらの情報を管理サーバ1および携帯端末2ついて個別にリンクさせ、サーバメンテンナス情報および端末メンテナンス情報をそれぞれ作成し、これらをサーバメンテナンス情報格納部13cおよび端末メンテンナス情報格納部13dにそれぞれ格納することを表している。
【0058】
このように、本実施形態に係る携帯端末自動メンテナンス装置では、メンテナンス情報をプログラム更新情報とデータベース定義更新情報だけでなく、レジストリ更新情報を考慮して作成するため、レジストリの更新を伴うプログラム(例えば、ミドルウェアなど)の更新にも対応が可能となる。
【0059】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0060】
具体的には、上記実施形態においては、携帯端末2が接続要求を行うことで管理サーバ1に接続される構成としたが、管理サーバ1と携帯端末2が常時接続されている場合にも適用可能である。
【0061】
更に、上記実施形態では携帯端末2が主導する形式で管理サーバ1に更新プログラム等を配信させているが、管理サーバ1が主導する形式で携帯端末2に所定の周期などでプログラム等のバージョン情報を通知させ、携帯端末2の更新を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末自動メンテナンス装置の全体構成例を示すブロック図。
【図2】プログラム更新情報の具体例を示す図。
【図3】データベース定義更新情報の具体例を示す図。
【図4】サーバメンテナンス情報の具体例を示す図。
【図5】端末メンテナンス情報の具体例を示す図。
【図6】端末管理情報の具体例を示す図。
【図7】メンテナンス情報の作成過程を説明する図。
【図8】管理サーバ1および携帯端末2に適用されるコンピュータの構成例を示す図。
【図9】メンテナンス部11における動作の具体例を示すフローチャート。
【図10】各データベースの定義情報の更新処理文の具体例を示す図。
【図11】管理サーバ1と携帯端末2の間の処理の具体例を示すシーケンス図。
【図12】本発明の実施形態2に係る携帯端末自動メンテナンス装置の全体構成例を示すブロック図。
【図13】レジストリ更新情報の具体例を示す図。
【図14】メンテナンス情報の作成過程を説明する図。
【符号の説明】
【0063】
1…管理サーバ、
2…携帯端末、
3…ネットワーク、
11…メンテナンス部、
12…データベース、
13…管理情報格納部、
13a…プログラム更新情報格納部、
13b…データベース定義更新情報格納部、
13c…サーバメンテナンス情報格納部、
13d…端末メンテナンス情報格納部、
13e…端末管理情報格納部、
13f…レジストリ更新情報格納部、
14…データベース管理部、
15…プログラム格納部、
16…プログラム管理部、
17…入力部、
18…表示部、
19…送受信部、
21…端末送受信部、
22…端末メンテナンス部、
23…端末プログラム格納部、
24…端末プログラム管理部、
25…現行端末メンテナンス情報格納部、
26…端末データベース、
27…端末データベース管理部、
28…端末入力部、
29…端末表示部、
101…CPU、
102…ROM、
103…RAM、
104…インターフェース、
105…システムバス、
106…入力装置、
107…表示装置、
108…補助記憶装置、
109…通信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバにネットワークを介して携帯端末が接続された携帯端末自動メンテナンス装置であって、
前記管理サーバは、
前記携帯端末内で動作する端末プログラムを格納するプログラム格納部と、
前記端末プログラムの更新情報と前記端末プログラムの実行時に用いる端末データベースの定義更新情報を関連付けた端末メンテナンス情報を格納する端末メンテナンス情報格納部と、
前記格納された端末メンテンナンス情報に基づいて前記端末データベースの定義更新処理文を作成すると共に、前記プログラム格納部から所望の前記端末プログラムを取得するメンテナンス部と、
前記携帯端末からの配信要求に基づいて前記メンテナンス部から前記端末プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文を取得し、前記携帯端末に前記ネットワークを介して配信する送受信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
外部からの接続要求に基づいて前記ネットワークを介して前記送受信部との接続を行い、前記管理サーバから最新の前記端末メンテナンス情報を取得する端末送受信部と、
前記端末プログラムを格納する端末プログラム格納部と、
前記端末データベースと、
前記端末プログラム格納部に格納された前記端末プログラムおよび前記端末データベースのバージョン情報を含む現行端末メンテナンス情報を格納する現行端末メンテナンス情報格納部と、
前記格納された現行端末メンテナンス情報と前記管理サーバから取得される前記端末メンテナンス情報を比較し、この比較結果に基づいて前記管理サーバに対して更新プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文の配信要求を行い、この配信要求に対して前記管理サーバから配信される前記更新プログラムで前記端末プログラム格納部の前記端末プログラムを更新すると共に、前記端末データベースの定義更新処理文を実行する端末メンテナンス部と、
を備えることを特徴とする携帯端末自動メンテナンス装置。
【請求項2】
前記端末メンテナンス情報格納部は、前記端末メンテナンス情報にレジストリの更新情報を更に含めて格納することを特徴とする請求項1記載の携帯端末自動メンテナンス装置。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記管理サーバ内で動作するサーバプログラムの実行に用いられるデータベースと、
前記サーバプログラムの更新情報および前記データベースの定義更新情報を関連付けたサーバメンテナンス情報を格納するサーバメンテナンス情報格納部と、
を更に備え、
前記メンテナンス部は、前記格納されたサーバメンテナンス情報に基づいて前記データベースの定義更新処理文を作成し、実行することを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯端末自動メンテナンス装置。
【請求項4】
管理サーバにネットワークを介して携帯端末が接続されたコンピュータシステムにおける携帯端末自動メンテナンス方法であって、
前記管理サーバが、携帯端末内で動作する端末プログラムを記憶領域に格納するプログラム格納ステップと、
前記管理サーバが、前記端末プログラムの更新情報と前記端末プログラムの実行時に用いる端末データベースの定義更新情報を関連付けた端末メンテナンス情報を記憶領域に格納する端末メンテナンス情報格納ステップと、
前記携帯端末が、外部からの接続要求に基づいて前記ネットワークを介して前記管理サーバとの接続を行い、前記管理サーバから最新の前記端末メンテナンス情報を取得する端末メンテナンス情報取得ステップと、
前記携帯端末が、端末内に格納された前記端末プログラムおよび前記端末データベースのバージョン情報を含む現行端末メンテナンス情報と前記管理サーバから取得される前記端末メンテナンス情報を比較し、この比較結果に基づいて前記管理サーバに対して更新プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文の配信要求を行う配信要求ステップと、
前記管理サーバが、前記端末メンテナンス情報格納ステップにおいて格納された端末メンテンナンス情報に基づいて前記端末データベースの定義更新処理文を作成すると共に、前記プログラム格納ステップにおいて格納した所望の前記端末プログラムを取得する配信データ取得ステップと、
前記管理サーバが、前記ネットワークを介して前記携帯端末に前記端末プログラムおよび前記端末データベースの定義更新処理文を配信する配信ステップと、
前記携帯端末が、前記配信ステップにおいて配信された前記更新プログラムで前記携帯端末内の前記端末プログラムを更新すると共に、前記端末データベースの定義更新処理文を実行する端末更新ステップと、
を有することを特徴とする携帯端末自動メンテナンス方法。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記端末メンテナンス情報格納ステップにおいて、前記端末メンテナンス情報にレジストリの更新情報を含めて格納することを特徴とする請求項4記載の携帯端末自動メンテナンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−128776(P2010−128776A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302610(P2008−302610)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】