説明

携帯端末装置、携帯端末装置による非常情報伝達方法および非常情報伝達プログラム

【課題】大規模災害の発生直後でも、簡単な操作によって家族・親族相互間で無事を確認することの成功可能性を向上させることを可能とする携帯端末装置等を提供する。
【解決手段】携帯端末装置10は、音声通話網に接続する音声通信手段16と、データ通信網に接続するデータ通信手段15と、音声通話網およびデータ通信網の各々に対して指定された宛先を予め記憶している記憶手段12と、ユーザが発音した音声を音声データに変換する音声入力部22と、音声データをテキストデータに変換する音声認識部23とを備えると共に、各々の宛先がいずれに対して指定されたものであるかを順次判断して、その判断の結果に応じて音声データまたはテキストデータを各宛先に順次送出する情報送出部26を設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、携帯端末装置による非常情報伝達方法および非常情報伝達プログラムに関し、特に大規模災害が発生した場合に家族・親族相互間で無事を確認することの成功可能性を向上させることが可能な携帯端末装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
西暦2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(いわゆる東日本大震災)を通じて、大規模災害発生時における緊急連絡網の整備に対する重要性がますます高まっている。このような大規模災害が発生した場合、家族・親族相互間で無事を確認しあうことが必要となる。
【0003】
家族・親族相互間で無事を確認しあう場合、携帯電話や公衆電話などを利用して音声通話で連絡を試みるか、あるいは電子メールや特定のウェブサイト、たとえばツイッター、フェイスブック、ミクシィ(いずれも登録商標)などのようなSNS(Social Network Service)での連絡を試みることが多い。また、携帯電話キャリア各社などが開設している災害用伝言板や伝言ダイアルなどを利用することもできる。
【0004】
これに関連する技術文献として、次の各々がある。その中でも特許文献1には、携帯端末装置からの文字メッセージ送信で、通信が正常に行えなかった場合にメッセージの再送を行うという技術が記載されている。特許文献2には、特定の音声(犬笛)の検出によって非常事態が発生したことを検出し、予め登録されたメッセージを自動的に送信するという携帯端末装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、ユーザからの呼び出し指示に応じて電子メールを自動的に作成する(必要に応じて画像や位置情報などのデータも付加する)という携帯端末装置が記載されている。特許文献4には、音声信号をテキストデータ(またはその逆方向)に変換して送信するという緊急通報システムが記載されている。
【0006】
特許文献5には、独居者(老人など)の緊急連絡用の携帯端末装置で、設定された時間帯に操作がなされない場合、または電池の残量が減少した場合に緊急メッセージを発信するという技術が記載されている。非特許文献1は、音声認識に関する代表的な公知技術とその動向についてまとめたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−341760号公報
【特許文献2】特開2007−019933号公報
【特許文献3】特開2007−048156号公報
【特許文献4】特開2009−239865号公報
【特許文献5】特開2010−141782号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「音声認識技術に関する特許出願技術動向調査報告」、平成15年5月22日、特許庁総務部技術調査課、[平成23年8月31日検索]、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/voice_recognition.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のように、多くの携帯端末装置では音声通話とデータ通信とがいずれも使用可能であり、また音声通話とデータ通信のいずれについても、大規模災害発生時に家族・親族相互間での無事の確認のために利用できる多くの連絡手段が提供されている。しかしながら、どの連絡手段も、災害発生の直後には非常に混雑するので、すぐに無事を確認しあうことは困難である。
【0010】
また、大規模災害が発生した場合、ユーザは自らが生き延びることが精一杯であり、また気が動転しているので、時間的にも心情的にも余裕がなく、携帯端末装置に対して複雑な操作を行って複数の連絡手段を利用することが困難である。この観点からも、家族・親族相互間ですぐに無事を確認しあうことは困難なものとなる。
【0011】
この問題を解決しうる技術は、前述の特許文献1〜5および非特許文献1には記載されていない。また、それらの技術を組み合わせたとしても、その問題を解決しうる技術を得ることはできない。音声通話とデータ通信の両方を利用して非常情報の伝達を行う技術は、特許文献2および5に記載されているが、これらはいずれも、単に音声とデータのうちのいずれかが連絡手段として利用可能であるというものである。積極的に両方の手段を利用する技術思想は、特許文献1〜5および非特許文献1のいずれにも記載されていない。
【0012】
また、特許文献4に記載の技術では音声信号とテキストデータの相互間でのデータ形式の変換を行っているが、これはファックスや旧来のパソコン通信などと同様に、アナログモデムを利用してテキストデータを音声通話網で伝送可能な信号に変換して伝送するというものである。人間が発音して他の人間が聞き取る音声言語とテキストデータの相互間での変換は、特許文献1〜5および非特許文献1のいずれにも記載されていない。
【0013】
本発明の目的は、大規模災害の発生直後でも、簡単な操作によって家族・親族相互間で無事を確認することの成功可能性を向上させることを可能とする携帯端末装置、携帯端末装置による非常情報伝達方法および非常情報伝達プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯端末装置は、音声通話網およびデータ通信網を介して指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置であって、音声通話網に接続する音声通信手段と、データ通信網に接続するデータ通信手段と、音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上の指定された宛先を予め記憶している記憶手段と、ユーザが発音した音声を音声データに変換して記憶手段に記憶する音声入力部と、音声データをテキストデータに変換して記憶手段に記憶する音声認識部と、記憶手段に記憶された各々の宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを順次判断して、その判断の結果に応じて音声データおよびテキストデータのうちのいずれかを各宛先に順次送出する情報送出部とを備えると共に、この情報送出部が、宛先が音声通話網に対して指定されたものであれば音声データを該宛先に送出し、宛先がデータ通信網に対して指定されたものであればテキストデータを該宛先に送出することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る非常情報伝達方法は、音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、ユーザが発音した音声を音声入力部が音声データに変換して記憶し、音声データを音声認識部がテキストデータに変換して記憶し、宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを情報送出部が判断し、宛先が音声通話網に対して指定されたものであれば音声データを該宛先に送出し、宛先がデータ通信網に対して指定されたものであればテキストデータを該宛先に送出する処理を情報送出部が全ての宛先に対して行うことを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る非常情報伝達プログラムは、音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、携帯端末装置が備えているコンピュータに、ユーザが発音した音声を音声データに変換して記憶する手順、音声データをテキストデータに変換して記憶する手順、音声データを音声通話網に対して指定された宛先宛に送出する手順、宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを判断する手順、および宛先が音声通話網に対して指定されたものであれば音声データを該宛先に送出し、宛先がデータ通信網に対して指定されたものであればテキストデータを該宛先に送出する処理を全ての宛先に対して行う手順を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記したように、ユーザが発音した音声を音声データからテキストデータに変換し、それらの各データを音声通話網とデータ通信網とを併せて利用して送出するように構成したので、煩雑なキー操作を必要とはせずに、非常情報を伝達することが成功する可能性をより高くすることが可能となる。これによって、大規模災害の発生直後でも、簡単な操作によって家族・親族相互間で無事を確認することの成功可能性を向上させることが可能であるという優れた特徴を持つ携帯端末装置、携帯端末装置による非常情報伝達方法および非常情報伝達プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置の構成について示す説明図である。
【図2】図1に示した携帯端末装置で、平常時に行っておく事前登録の動作について示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS102〜103として示した、操作入力部が送信先の登録の際に操作入出力手段に表示する画面について示す説明図である。
【図4】図2に示した動作を通じて、図1に示した宛先情報記憶部に記憶される宛先情報の例を示す説明図である。
【図5】図1に示した携帯端末装置で、災害発生時の非常情報送信の動作について示すフローチャートである。
【図6】図1に示した携帯端末装置が行う非常情報送信の処理の概念を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置の構成について示す説明図である。
【図8】図7で示した携帯端末装置で、災害発生時の非常情報送信の動作について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の構成について添付図1に基づいて説明する。
最初に、本実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
本実施形態に係る携帯端末装置10は、音声通話網およびデータ通信網を介して指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置であり、音声通話網に接続する音声通信手段16と、データ通信網に接続するデータ通信手段15と、音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上の指定された宛先を予め記憶している記憶手段12と、ユーザが発音した音声を音声データに変換して記憶手段12に記憶する音声入力部22と、音声データをテキストデータに変換して記憶手段12に記憶する音声認識部23ととを備えると共に、記憶手段に記憶された各々の宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを順次判断して、その判断の結果に応じて音声データおよびテキストデータのうちのいずれかを各宛先に順次送出する情報送出部26を設けている。そしてこの情報送出部26は、宛先が音声通話網に対して指定されたものであれば音声データを該宛先に送出し、宛先がデータ通信網に対して指定されたものであればテキストデータを該宛先に送出する。
【0020】
また、情報送出部26は、記憶手段に記憶された各々の宛先のうち、音声通話網およびデータ通信網のうちの一方の側の宛先に対する送出を先に完了させてから、残る一方の側の宛先に対する送出を行うようにすることもできる。そして、この情報送出部26は、音声データおよびテキストデータのうちのいずれかを送信する時に通信が確立しなかった場合にこれを検出してその宛先を記憶手段12に記憶し、予め与えられた時間間隔を経て後その宛先に当該データを再送する機能を備える。ここで、その場合の時間間隔を時間の経過に応じて長くする機能もさらに備える。
【0021】
そして、携帯端末装置10は、音声データおよびテキストデータの入力が行われた現在位置を位置情報データとして取得する位置情報取得手段17を備えると共に、情報送出部26は、テキストデータをデータ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に位置情報データを付属させて送出する。
【0022】
以上の構成を備えることにより、本実施形態に係る携帯端末装置10は、大規模災害の発生直後でも、簡単な操作によって家族・親族相互間で無事を確認することの成功可能性を向上させることが可能なものとなる。
以下、これをより詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置10の構成について示す説明図である。携帯端末装置10は、携帯電話端末(いわゆるスマートフォン、もしくはフィーチュアフォン)およびコンピュータとして一般的な構成を備える。即ち、携帯端末装置10は、コンピュータプログラムを実行する主体である主演算制御手段(CPU: Central Processing Unit)11と、データを記憶する記憶手段12と、ユーザからの操作入力を受け付け、また処理結果をユーザに対して提示する操作入出力手段13とを備える。
【0024】
そして、携帯端末装置10は、音声通話に係る音声の入出力を行う音声入出力手段14と、データ通信網に接続して他装置との間でデータ通信を行うデータ通信手段15と、音声通話網に接続して音声データを他装置との間で通信する音声通信手段16と、GPS(Global Positioning System)を利用して位置情報を取得する位置情報取得手段17とをさらに備える。
【0025】
主演算制御手段11は、コンピュータプログラムが動作することにより、操作入力部21、音声入力部22、音声認識部23、位置情報登録部24、宛先情報登録部25、情報送出部26の各々として動作する。これらの各々の機能については後述する。また、記憶手段12には、宛先情報記憶部27、音声データ記憶部28、テキストデータ記憶部29、位置情報記憶部30といった記憶領域が予め確保されている。これについても後述する。
【0026】
操作入力部21は、ユーザが選択可能なメニューを操作入出力手段13に表示し、これに対するユーザの操作入力を受け付ける。音声入力部22は、このメニューから呼び出されて最初に動作し、音声入出力手段14を介して入力された「私は無事です」などのようなユーザの音声信号を音声データに変換して音声データ記憶部28に記憶する。
【0027】
音声認識部23は、音声入力部22によってユーザが発音した音声から変換された音声データを、テキストデータに変換してテキストデータ記憶部29に記憶する。音声認識部23には、非特許文献1に記載されたものや同文献以後に作られたものも含めて、音声認識に関する各種の公知技術を利用することができる。本発明は、音声認識技術そのものに係る発明ではないので、これらの公知技術については本明細書では詳しく説明しない。
【0028】
位置情報登録部24は、音声入力部22および音声認識部23にユーザの音声が入力された位置を、位置情報取得手段17を介して取得し、これとユーザの音声が入力された日時とを対応づけた位置情報データを、位置情報記憶部30に記憶する。音声データ記憶部28、テキストデータ記憶部29および位置情報記憶部30に記憶されるデータ形式は、任意のものでよい。
【0029】
宛先情報登録部25は、音声データ記憶部28に記憶されたユーザの音声データと、この音声データから変換されてテキストデータ記憶部29に記憶されたテキストデータとを送信すべき送信先を、ユーザに予め操作入出力手段13を介して登録させて、これを宛先情報記憶部27に記憶する。
【0030】
ここでいう送信先とは、音声データに対しては通常の音声通話(携帯電話、もしくは一般の加入電話)、テキストデータについては電子メールアドレス(携帯電話、もしくはパーソナルコンピュータ)、もしくは特定のウェブサイト(たとえばツイッター、フェイスブック、ミクシィなどのSNS、あるいはウェブログなどでもよい)のURLおよび当該ウェブサイトで使用されるID/パスワードなどである。
【0031】
情報送出部26は、宛先情報記憶部27に登録された送信先に、音声データ記憶部28、テキストデータ記憶部29、および位置情報記憶部30に蓄積された音声データ、テキストデータ、および位置情報データを送信する。その際、送信に失敗した送信先には、所定の時間間隔をおいて当該データの再送を試みる。再送を繰り返す場合には、携帯端末装置10の電池(図示せず)の残量も考慮し、最初は頻繁に、次第に間隔をあけて自動的に再送を行う。
【0032】
図2は、図1に示した携帯端末装置10で、平常時に行っておく事前登録の動作について示すフローチャートである。操作入力部21が、操作入出力手段13に表示する操作メニューのうちの「事前登録開始」をユーザが選択すると(ステップS101)、操作入力部21が操作入出力手段13に「非常情報の送信先を登録してください」と表示する(ステップS102)。
【0033】
これに応じて、ユーザが送信先を操作入出力手段13に対して入力し、この入力された内容を宛先情報登録部25が宛先情報記憶部27に記憶する(ステップS103)。以後、複数の送信先に対して、ステップS102〜103の動作を繰り返す(ステップS104)。ステップS104では、音声データとテキストデータの両方に対して各々1つ以上の送信先が登録された場合に、処理を終了する。
【0034】
図3は、図2のステップS102〜103として示した、操作入力部21が送信先の登録の際に操作入出力手段13に表示する画面について示す説明図である。操作入力部21が最初に操作入出力手段13に表示する送信先登録画面150には、送信するデータの種類を「音声データ」と「テキストデータ」から選択するデータ種類選択ボタン150aとOKボタン150bとが配置されている。
【0035】
ユーザがこのデータ種類選択ボタン150aで「音声データ」を選択してOKボタン150bを押すと、操作入力部21は音声データ送信先入力画面151を操作入出力手段13に表示する。音声データ送信先入力画面151には、その音声データの送信先である電話番号を入力する電話番号入力ボックス151aとOKボタン151bとが配置されている。ユーザが電話番号入力ボックス151aに電話番号を入力してOKボタン151bを押すと、宛先情報登録部25がここまでで入力された内容を宛先情報記憶部27に記憶する。
【0036】
送信先登録画面150で、データ種類選択ボタン150aで「テキストデータ」を選択してOKボタン150bを押すと、操作入力部21はテキストデータ送信先入力画面152を操作入出力手段13に表示する。テキストデータ送信先入力画面152は、そのテキストデータの送信先であるウェブサイトを選択する送信先サイト選択ボタン152aと、当該ウェブサイトで使用されるIDとパスワードとを入力するID/パスワード入力ボックス152bと、OKボタン152cとが配置されている。
【0037】
送信先サイト選択ボタン152aは、たとえばツイッター、フェイスブック、ミクシィなどのように、テキストデータの送信先のウェブサイトを選択できる。ユーザが送信先サイト選択ボタン152aを選択して、当該ウェブサイトで使用するIDとパスワードとをID/パスワード入力ボックス152bに入力してOKボタン152cを押すと、宛先情報登録部25がここまでで入力された内容を宛先情報記憶部27に記憶する。
【0038】
ここで、音声データとテキストデータのいずれも、各々複数の送信先を登録することができる。また、図3に示した例以外の入力ボックスを設けてもよい。たとえば、音声データの送信先として災害用伝言ダイアルを利用する場合に、この伝言ダイアルの利用時に入力する必要のある暗証番号や自宅電話番号などを入力するための入力ボックスを、音声データ送信先入力画面151に設けてもよい。
【0039】
図4は、図2に示した動作を通じて、図1に示した宛先情報登録部25が宛先情報記憶部27に記憶する宛先情報の例を示す説明図である。宛先情報記憶部27に記憶されるデータは、データ種類27a、宛先番号27b、ウェブサイトURL27c、ID27d、パスワード27e、送信成否27fなどのようなデータ項目を含む。必要に応じて、これら以外のデータを含むこともできる。
【0040】
データ種類27aは、図3に示した送信先登録画面150のデータ種類選択ボタン150aで選択された「音声データ」と「テキストデータ」のうちのいずれかの内容を記憶するものである。宛先番号27bは、図3に示した音声データ送信先入力画面151の電話番号入力ボックス151aに入力された電話番号を記憶するものである。
【0041】
ウェブサイトURL27cは、図3に示したテキストデータ送信先入力画面152の送信先サイト選択ボタン152aで選択された「ツイッター」「フェイスブック」「ミクシィ」などの送信先のURLを記憶するものである。たとえば送信先サイト選択ボタン152aで「ツイッター」が選択された場合、ウェブサイトURL27cとして「http://twitter.com/」が記憶される。他の選択肢でも同様である。
【0042】
ID27dおよびパスワード27eは、図3に示したウェブサイト種類27cの送信先サイトで使用される、テキストデータ送信先入力画面152のID/パスワード入力ボックス152bに入力されたIDおよびパスワードを各々記憶するものである。送信成否27fは、たとえばその宛先への音声データまたはテキストデータの送出が成功すれば「○」、成功していなければ「×」などのような状態を示す2値データである。送信成否27fの初期値は全て「×」となる。
【0043】
図5は、図1に示した携帯端末装置10で、災害発生時の非常情報送信の動作について示すフローチャートである。操作入力部21は、操作入出力手段13に表示する操作メニューの筆頭に「非常情報送信」を表示する(ステップS201)。または、通常の操作ボタンとは別に、非常情報送信専用の操作ボタンを設けてもよい。
【0044】
ユーザが非常情報送信を選択すると(ステップS202)、まずユーザの音声を登録する動作となる。音声入出力手段14を介して「私は無事です」などのように音声が入力されると(ステップS203)、これを音声入力部22が音声データに変換して音声データ記憶部28に記憶する(ステップS204)。そして、さらにこの音声データを、音声認識部23がテキストデータに変換してテキストデータ記憶部29に記憶する(ステップS205)。
【0045】
そして、位置情報登録部24は、この音声データとテキストデータの入力が行われた現在位置および日時を示す位置情報データを位置情報取得手段17を介して取得して、位置情報記憶部30に記憶する(ステップS206)。
【0046】
以上の情報が全て揃ったところで、情報送出部26は、宛先情報記憶部27から送信先を読み出し(ステップS207)、データ種類27aが音声データかテキストデータかを判断する(ステップS208)。データ種類27aが「音声データ」であれば情報送出部26が音声データを宛先番号27bに送信し(ステップS209)、データ種類27aが「テキストデータ」であれば情報送出部26がテキストデータと位置情報データを(ID27dおよびパスワード27eを利用して)ウェブサイトURL27cに送信し(ステップS210)、いずれの場合も送信が完了したその宛先の送信成否27fの値を「○」として、ステップS211に進む。
【0047】
そして、情報送出部26は、宛先情報記憶部27に登録された送信先の中で音声データもしくはテキストデータを送信していない送信先が存在するか否か、即ち送信成否27fの値が「×」である送信先が残っているか否かを判断する(ステップS211)。データを送信していない送信先が存在しなければ、即ち全ての送信先に送信が完了すれば、非常情報送信の処理は終了である。データを送信していない送信先が残っていれば、情報送出部26は、予め与えられた所定の秒数を待った上で(ステップS212)、その未送信の送信先に対してステップS208からの処理を繰り返す(ステップS213)。
【0048】
ここで、宛先情報記憶部27に記憶された各々の宛先に対する音声データもしくはテキストデータの送信は、宛先情報記憶部27に記憶された順番の通りに順次行ってもよいし、音声データの送信のみを先に完了させてからテキストデータの送信に移る、またはその逆にテキストデータの送信のみを先に完了させてから音声データの送信に移るようにしてもよい。
【0049】
また、特定の送信先に対する音声データもしくはテキストデータの送信が、回線の輻輳などのような原因で失敗した場合、その送信先へのデータ送信は完了していない。そのため、情報送出部26は、所定の秒数を待った上でステップS208からの処理を繰り返すというステップS212〜213の処理に進む。この場合、その送信先へのデータ送信を繰り返しても成功しなかった場合、その送信先への送信を一旦保留して、宛先情報記憶部27の送信成否27fの値を「×」、即ちその送信先へのデータ送信が未済である旨を記憶し、他の送信先へのデータ送信に進んでもよい。即ち、情報送出部26は、送信成否27fが「×」である宛先に対して、所定の秒数を待った上で情報の再送(リトライ)を行う。
【0050】
また、ステップS212の「予め与えられた所定の秒数を待つ」処理では、携帯端末装置10の電池(図示せず)の残量も考慮して、処理を開始したばかりの時には待ち時間を短くして頻繁に、そして時間が経過するにつれて次第に待ち時間を長くして再送を行うようにすることもできる。
【0051】
図6は、図1に示した携帯端末装置10が行う非常情報送信の処理の概念を示す説明図である。携帯端末装置10は、図1に示したデータ通信手段15によってデータ通信網251に接続してメールサーバやウェブサーバなどとの間で通信を行うと共に、音声通信手段16によって音声通話網252に接続して音声データを通話先に伝達することができる。
【0052】
大規模災害の発生時には、これらのデータ通信と音声通話を併せて利用することにより、家族や親族へ自らの無事を伝達することが成功する可能性をより高くすることが可能となる。
【0053】
(第1の実施形態の全体的な動作)
次に、上記の実施形態の全体的な動作について説明する。
本実施形態に係る非常情報伝達方法は、予め記憶されている指定された宛先に音声通話網およびデータ通信網を介して非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置10にあって、ユーザから入力された音声信号を音声入力部が音声データに変換して記憶し(図5・ステップS203〜204)、音声データを音声認識部がテキストデータに変換して記憶し(図5・ステップS205)、宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを情報送出部が判断し(図5・ステップS208)、宛先が音声通話網に対して指定されたものであれば音声データを該宛先に送出し(図5・ステップS209)、宛先がデータ通信網に対して指定されたものであればテキストデータを該宛先に送出する(図5・ステップS210)処理を情報送出部が全ての宛先に対して行う(図5・ステップS211〜213)。
【0054】
ここで、上記各動作ステップについては、これをコンピュータで実行可能にプログラム化し、これらを前記各ステップを直接実行する携帯端末装置10に実行させるようにしてもよい。本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリ等に記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
この動作により、本実施形態は以下のような効果を奏する。
【0055】
本実施形態の携帯端末装置10によれば、ユーザに対して要求される操作は、操作メニューの筆頭として表示された「非常情報送信」を選択して、「私は無事です」などのような音声を入力するだけである。これは決して煩雑な操作ではないので、大規模災害発生直後などのような時間的にも心情的にも余裕がない状態であっても十分に可能である。
【0056】
それでいて、音声通話網およびデータ通信網の両方を利用して非常情報の送信を行って、送信に失敗した場合にはリトライを繰り返すので、真っ先に非常情報を伝達すべき家族や親族に対してその伝達が成功する可能性を向上させることが可能となる。本実施形態は、たいていの携帯電話端末で(フィーチュアフォンおよびスマートフォンの種別を問わず)標準的に備えられているハードウェアのみで実施可能である。またソフトウェアについても、通常のものに対して大きな改変を必要とはしない。
【0057】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置310は、前述した第1の実施形態の構成に加えて、デジタル写真を撮影して写真データとして出力する撮影手段318を備えると共に、情報送出部326が、テキストデータをデータ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に写真データを付属させて送出する構成とした。
【0058】
この構成によっても前述した第1の実施形態による効果が得られるのみならず、非常情報にユーザの現在地周辺の状況についての情報を含めることが可能となるので、より有用な情報を家族や親族、あるいは消防署、警察署、病院などの公的機関に対して伝達することが可能となる。
以下、これについてより詳しく説明する。
【0059】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置310の構成について示す説明図である。携帯端末装置310は、前述の第1の実施形態に係る携帯端末装置10と同一の構成に加えて、ハードウェアとしてデジタル写真を撮影するカメラである撮影手段318が追加されている。
【0060】
そして、主演算制御手段11上で動作する機能部として、撮影手段318が撮影したデジタル写真を写真データとして取得する写真情報登録部327が追加され、情報送出部26が別の情報送出部326に置換されている。さらに、記憶手段12上の記憶領域として写真情報記憶部331が追加されている。写真情報登録部327は、取得した写真データを写真情報記憶部331に記憶させる。これら以外は、第1の実施形態に係る携帯端末装置10と同一の名称および参照番号でいう。
【0061】
携帯端末装置310が、宛先情報記憶部27に音声データおよびテキストデータの送信先を予め記憶させる動作は、図2のフローチャートで説明した第1の実施形態の場合と同一である。ここで表示される送信先登録画面150〜152も、図3で示したものと同一でよい。
【0062】
図8は、図7で示した携帯端末装置310で、災害発生時の非常情報送信の動作について示すフローチャートである。図7のフローチャートは、図5で示した第1の実施形態の場合と同一の動作を多く含むので、同一の動作については同一のステップ番号でいう。まず、動作開始からステップS201〜206までの動作は、図5で示した第1の実施形態の場合と同一である。
【0063】
ステップS206で位置情報データを取得する動作までが終了した後、写真情報登録部327はユーザに写真撮影を促す表示を操作入出力手段13に表示し、ユーザはこれに応じてユーザは現在地周辺の風景を撮影手段318によって撮影し、撮影された写真データを写真情報登録部327が写真情報記憶部331に記憶する(ステップS401)。
【0064】
音声データ、テキストデータ、位置情報データと写真データとが揃ったところで、情報送出部326が宛先情報記憶部27から送信先を読み出すステップS207に進み、その送信先に送信すべきデータ種類が音声データかテキストデータかを判断する(ステップS208、図5と同一)。
【0065】
送信すべきデータ種類が「音声データ」であれば情報送出部326が音声データを登録された送信先に送信し(ステップS209、図5と同一)、送信すべきデータ種類が「テキストデータ」であれば情報送出部326がテキストデータ、位置情報データと写真データとを登録された送信先に送信し(ステップS402)、ステップS211に進む。以後の動作は、図5で示した第1の実施形態の場合と同一である。
【0066】
以上の構成により、本実施形態に係る携帯端末装置310は、前述した第1の実施形態による効果が得られるだけでなく、伝達される非常情報にユーザの現在地周辺の状況についての情報を含めることが可能となる。従って、より有用な情報を家族や親族に対して伝達することが可能となる。特にユーザの負傷や建物の損壊など、消防署、警察署、病院などの公的機関に対して緊急の措置を要請することが必要である場合に有用である。
【0067】
(実施形態の拡張)
以上で述べた第1および第2の実施形態には、その趣旨を改変しない範囲で様々な拡張が考えられる。以下、それについて説明する。
【0068】
たとえば、携帯端末装置に複数種類の連絡先を予め記憶しておいて、その連絡先の種類に応じて異なる音声データおよびテキストデータを伝達するようにしてもよい。より具体的には、家族や親族だけでなく、消防署、警察署、医療機関などの公的機関を予め記憶しておく連絡先に含めて、家族に対しては「私は無事です」などのように自らの無事を伝える内容、各機関に対してはたとえば「左足が負傷で動きません。救急車出動をお願いします」などのようなより具体的な措置を求める内容を伝達するようにもできる。ただし、ユーザが非常時に行うべき操作が煩雑になり過ぎない範囲で、この拡張を行うことが望ましい。
【0069】
これまで本発明について図面に示した特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
【0070】
上述した実施形態について、その新規な技術内容の要点をまとめると、以下のようになる。なお、上記実施形態の一部または全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0071】
(付記1) 音声通話網およびデータ通信網を介して指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置であって、
前記音声通話網に接続する音声通信手段と、前記データ通信網に接続するデータ通信手段と、前記音声通話網および前記データ通信網の各々に対して一つ以上の前記指定された宛先を予め記憶している記憶手段と、ユーザが発音した音声を音声データに変換して前記記憶手段に記憶する音声入力部と、前記音声データをテキストデータに変換して前記記憶手段に記憶する音声認識部とを備えると共に、
前記記憶手段に記憶された各々の宛先が前記音声通話網および前記データ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを順次判断して、その判断の結果に応じて前記音声データおよび前記テキストデータのうちのいずれかを前記各宛先に順次送出する情報送出部を設け、
この情報送出部が、前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【0072】
(付記2) 前記情報送出部が、
前記記憶手段に記憶された各々の宛先のうち、前記音声通話網および前記データ通信網のうちの一方の側の宛先に対する前記送出を先に完了させてから、残る一方の側の宛先に対する前記送出を行うことを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
【0073】
(付記3) 前記情報送出部が、
前記音声データおよび前記テキストデータのうちのいずれかを送信する時に通信が確立しなかった場合にこれを検出してその宛先を前記記憶手段に記憶し、予め与えられた時間間隔を経て後その宛先に当該データを再送する機能を備えることを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
【0074】
(付記4) 前記情報送出部が、
前記通信が確立しなかった前記音声データもしくは前記テキストデータを再送する場合の前記時間間隔を時間の経過に応じて長くする機能を備えることを特徴とする、付記3に記載の携帯端末装置。
【0075】
(付記5) 前記音声データの入力が行われた現在位置を位置情報データとして取得する位置情報取得手段を備えると共に、
前記情報送出部が、前記テキストデータを前記データ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に前記位置情報データを付属させて送出することを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
【0076】
(付記6) デジタル写真を撮影して写真データとして出力する撮影手段を備えると共に、
前記情報送出部が、前記テキストデータを前記データ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に前記写真データを付属させて送出することを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
【0077】
(付記7) 音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、
ユーザが発音した音声を音声入力部が音声データに変換して記憶し、
前記音声データを音声認識部がテキストデータに変換して記憶し、
前記宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを情報送出部が判断し、
前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する処理を前記情報送出部が各々の前記宛先に対して行う
ことを特徴とする非常情報伝達方法。
【0078】
(付記8) 音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、
前記携帯端末装置が備えているコンピュータに、
ユーザが発音した音声を音声データに変換して記憶する手順、
前記音声データをテキストデータに変換して記憶する手順、
前記音声データを前記音声通話網に対して前記指定された宛先宛に送出する手順、
前記宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを判断する手順、
および前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する処理を各々の前記宛先に対して行う手順
を実行させることを特徴とする非常情報伝達プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、携帯端末装置(フィーチュアフォンおよびスマートフォン)において一般的に利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10,310 携帯端末装置
11 主演算制御手段
12 記憶手段
13 操作入出力手段
14 音声入出力手段
15 データ通信手段
16 音声通信手段
17 位置情報取得手段
21 操作入力部
22 音声入力部
23 音声認識部
24 位置情報登録部
25 宛先情報登録部
26,326 情報送出部
27 宛先情報記憶部
28 音声データ記憶部
29 テキストデータ記憶部
30 位置情報記憶部
251 データ通信網
252 音声通話網
318 撮影手段
327 写真情報登録部
331 写真情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話網およびデータ通信網を介して指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置であって、
前記音声通話網に接続する音声通信手段と、前記データ通信網に接続するデータ通信手段と、前記音声通話網および前記データ通信網の各々に対して一つ以上の前記指定された宛先を予め記憶している記憶手段と、ユーザが発音した音声を音声データに変換して前記記憶手段に記憶する音声入力部と、前記音声データをテキストデータに変換して前記記憶手段に記憶する音声認識部とを備えると共に、
前記記憶手段に記憶された各々の宛先が前記音声通話網および前記データ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを順次判断して、その判断の結果に応じて前記音声データおよび前記テキストデータのうちのいずれかを前記各宛先に順次送出する情報送出部を設け、
この情報送出部が、前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記情報送出部が、
前記記憶手段に記憶された各々の宛先のうち、前記音声通話網および前記データ通信網のうちの一方の側の宛先に対する前記データの送出を先に完了させてから、残る一方の側の宛先に対する前記データの送出を行うことを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記情報送出部が、
前記音声データおよび前記テキストデータのうちのいずれかを送信する時に通信が確立しなかった場合にこれを検出してその宛先を前記記憶手段に記憶し、予め与えられた時間間隔を経て後その宛先に当該データを再送する機能を備えることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記情報送出部が、
前記通信が確立しなかった前記音声データもしくは前記テキストデータを再送する場合の前記時間間隔を時間の経過に応じて長くする機能を備えることを特徴とする、請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記音声データの入力が行われた現在位置を位置情報データとして取得する位置情報取得手段を備えると共に、
前記情報送出部が、前記テキストデータを前記データ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に前記位置情報データを付属させて送出することを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
デジタル写真を撮影して写真データとして出力する撮影手段を備えると共に、
前記情報送出部が、前記テキストデータを前記データ通信網に対して指定された宛先宛に送出する際に前記写真データを付属させて送出することを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、
ユーザが発音した音声を音声入力部が音声データに変換して記憶し、
前記音声データを音声認識部がテキストデータに変換して記憶し、
前記宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを情報送出部が判断し、
前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する処理を前記情報送出部が各々の前記宛先に対して行う
ことを特徴とする非常情報伝達方法。
【請求項8】
音声通話網およびデータ通信網の各々に対して一つ以上予め記憶されている指定された宛先に非常情報を伝達することが可能な携帯端末装置にあって、
前記携帯端末装置が備えているコンピュータに、
ユーザが発音した音声を音声データに変換して記憶する手順、
前記音声データをテキストデータに変換して記憶する手順、
前記音声データを前記音声通話網に対して前記指定された宛先宛に送出する手順、
前記宛先が音声通話網およびデータ通信網のいずれに対して指定されたものであるかを判断する手順、
および前記宛先が前記音声通話網に対して指定されたものであれば前記音声データを該宛先に送出し、前記宛先が前記データ通信網に対して指定されたものであれば前記テキストデータを該宛先に送出する処理を各々の前記宛先に対して行う手順
を実行させることを特徴とする非常情報伝達プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62639(P2013−62639A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199000(P2011−199000)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】