説明

携帯端末装置および画像表示制御方法

【課題】表示部が使用者に対して遠近方向に動く場合に発生する、目に映る画像が二重になる現象を抑制する携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置101は、表示部106と使用者との距離を検出する距離検出部104と、表示部の前記使用者に対する遠近方向の移動度を検出する移動度検出部103と、基準画像生成部107により生成される、表示部106に表示される画像の基になる基準画像を、距離検出部104により検出される距離および移動度検出部103により検出される移動度に基づいて左方向または右方向に変位させた左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成する変位画像生成部108と、左目用画像が使用者の左目のみで認識され、右目用画像が使用者の右目のみで認識されるよう、左目用画像および右目用画像を表示部106に表示させる画像表示制御部109と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置および画像表示制御方法に関し、特に携帯端末装置の表示部に表示される画像の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置は使用者の手に把持された状態で使用されることが多く、手ぶれなどで携帯端末装置が揺れるとその表示部も使用者の目に対して揺れるため、使用者は表示部に表示されている画像を見づらくなる。
【0003】
揺動する表示部の画像を見やすくする技術として、下記特許文献1には、携帯端末装置の上下左右方向の移動に応じて、画像を移動方向とは逆の方向に変位させ、使用者に対する遠近方向の移動に応じて、画像を拡大または縮小する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−128712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯端末装置が使用者に対して遠近方向に動く場合、目に映る画像の大きさが変動するとともに、表示部に表示されている画像中の、使用者が見ている対象は使用者の視線上から外れ、左右の目の視線が対象に追従するまで使用者の目に映る画像は二重になる。特許文献1は、遠近方向に動く場合については大きさの変動に対する補正が行われているのみで、対象の移動については考慮されていないため、視線が対象に追従するまでの間は画像が二重に見えるという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示部が使用者に対して遠近方向に動く場合に発生する、目に映る画像が二重になる現象を抑制する携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末装置は、表示部と使用者との距離を検出する距離検出手段と、前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の移動度を検出する移動度検出手段と、前記距離検出手段により検出される前記距離および前記移動度検出手段により検出される前記移動度に基づいて、前記表示部に表示される画像の基になる基準画像を左方向または右方向に変位させた左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成する変位画像生成手段と、前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させる画像表示制御手段と、を含む。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者に近づいた場合、前記基準画像を左方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記左目用画像を生成し、前記基準画像を右方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記右目用画像を生成する。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者から遠のいた場合、前記基準画像を右方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記左目用画像を生成し、前記基準画像を左方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記右目用画像を生成する。
【0009】
さらに、本発明の一態様では、前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者に近づいた場合、前記距離検出手段により検出される移動前の前記距離と移動後の前記距離とに応じた倍率に縮小した前記基準画像を用いて前記左目用画像および前記右目用画像をそれぞれ生成する。
【0010】
さらに、本発明の一態様では、前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者から遠のいた場合、前記距離検出手段により検出される移動前の前記距離と移動後の前記距離とに応じた倍率に拡大した前記基準画像を用いて前記左目用画像および前記右目用画像をそれぞれ生成する。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記倍率は、前記移動度にさらに基づいて決定される。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記移動度は、前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の加速度および速度の少なくとも一方である。
【0013】
さらに、本発明の一態様では、前記画像表示制御手段は、前記移動度が所定値以上の場合、前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させ、前記移動度が所定値未満の場合、前記基準画像を前記表示部に表示させる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記表示部はレンティキュラレンズを有し、前記画像表示制御手段は、前記左目用画像が前記使用者の左目によってのみ認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目によってのみ認識されるよう、前記表示部に、前記左目用画像および前記右目用画像を前記レンティキュラレンズを介して表示させる。
【0015】
また、本発明に係る画像表示制御方法は、表示部と使用者との距離を検出するステップと、前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の移動度を検出するステップと、前記距離および前記移動度に基づいて、前記表示部に表示される画像の基になる基準画像を左方向または右方向に変位させた左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成するステップと、前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
携帯端末装置が使用者に対して遠近方向に動いた場合に、使用者の左右の視線に対して発生する対象の移動を考慮した左目用画像および右目用画像がそれぞれ生成され、それぞれが使用者の左目もしくは右目のみに認識されるように携帯端末装置の表示部に表示されるため、使用者の視線の追従が容易になり、目に映る画像が二重になる現象が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
まず、目に映る画像が二重になる原理を図2を用いて説明する。図2は、使用者が携帯端末装置の表示部201を見ている場合の使用者の視線を示す図である。まず、図2(a)の状態では、使用者の両目は、位置P0にある表示部201上の点Aを、矢印で示される視線で見ている。この後、表示部201が図2(b)で示されるように瞬間的に位置P1に移動したとする。この場合、点Aは使用者の視線上から外れる。左目から見ると点Aは視線の右側に移動し、右目から見ると点Aは視線の左側に移動する。その結果、視線が点Aの移動に追従するまで、使用者の目に映る画像は二重になる。
【0019】
本実施の形態では、表示部201が図2(b)で示すように移動した場合、表示画像上の点Aが左目の視線から大きく外れないように基準画像を左方向に変位させた左目用画像および、表示画像上の点Aが右目の視線から大きく外れないように基準画像を右方向に変位させた右目用画像を生成する。そして、生成した左目用画像および右目用画像を、左目用画像が左目のみに認識され、右目用画像が右目のみに認識されるように出力することで、使用者の目に映る画像が二重になる現象を抑制する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る携帯端末装置101の構成を示す図である。
【0021】
携帯端末装置101は、入力部102、移動度検出部103、距離検出部104、制御部105、および表示部106を含む。
【0022】
入力部102は、テンキーなどの入力装置である。入力部102は、使用者によるキー押下を検出し、押下されたキーを示す信号を制御部105等に出力する。
【0023】
移動度検出部103は加速度センサ等の移動検知装置であり、携帯端末装置101が移動する場合の、表示部106の使用者に対する遠近方向の加速度および速度等の移動度を検出し、制御部105へ出力する。
【0024】
距離検出部104は視線検知装置等の距離検知装置であり、表示部106と使用者との距離を検出し、制御部105へ出力する。距離検出部104が視線検知装置である場合には、表示部106と使用者の目との距離が検出される。
【0025】
制御部105は、CPU、メモリなどから構成され、携帯端末装置101全体の動作を制御する。制御部105は、基準画像生成部107、変位画像生成部108、画像表示制御部109を含む。
【0026】
表示部106は、画像表示制御部109から出力された表示画像を表示する、液晶ディスプレイなどの表示装置である。また、該表示画像の特定の箇所が使用者の左目にのみ認識可能となり、該特定の箇所とは異なる特定の箇所が使用者の右目にのみ認識可能となるよう、該表示画像を屈折させて出力するレンティキュラレンズ110を含む。レンティキュラレンズ110は、シリンドリカルレンズを複数並べた形状を有するレンズである。レンティキュラレンズ110の詳細については後述する。
【0027】
次に、制御部105内の各部について説明する。
【0028】
基準画像生成部107は、表示部106に表示される画像の基になる基準画像を生成する。
【0029】
変位画像生成部108は、図2で示した原理に基づいて、基準画像生成部107により生成された基準画像から、左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成する。
【0030】
例えば、使用者が表示部106に表示されている表示画像上のある点を見ているとする。図2で説明した原理により、表示部106が使用者に近づいた場合、使用者が見ている点は、使用者の左目の視線の右側および右目の視線の左側に移動する。よって、変位画像生成部108は、点の移動方向とは逆方向に基準画像を変位させて、使用者が見ている点が視線から大きく外れないようにする。すなわち、基準画像を左側に変位させて左目用画像を生成し、基準画像を右側に変位させて右目用画像を生成する。表示部106が使用者から遠のいた場合には、逆に、基準画像を右側に変位させて左目用画像を生成し、基準画像を左側に変位させて右目用画像を生成する。なお、ここで述べた近づいた場合の処理と遠のいた場合の処理の、いずれかの処理のみを実行する構成としてもよい。
【0031】
ここで、変位させる方向および変位量は、距離検出部104によって検出される表示部106の移動後の距離および移動度検出部103によって検出される加速度および速度等の移動度から得られる移動距離(距離の変化量)に基づいて算出される。または、距離検出部104によって検出される移動前および移動後の距離に基づいて算出される構成としてもよい。さらに、移動度検出部103によって検出される移動度に基づいて、表示部106の移動が急激でない場合には変位量を小さくする等の調整が行われてもよい。また、表示の変更速度を移動度に応じて変更する構成としてもよい。さらに、ここで用いられる移動度は、移動度検出部103によって検出される加速度および速度のいずれか一方でもよい。
【0032】
ここで、上記のように基準画像を変位させると、基準画像の一部は表示部106からはみ出し、表示部106の一部には空白部ができる。図3は、基準画像を左右に変位させた場合の空白部等の処理を示す図である。図3(a)に示される基準画像301を左方向または右方向に変位させると、図3(b)の302および303に示すように、基準画像301の一部ははみ出て表示されず、さらに表示部106においては斜線で示す空白部ができる。本実施の形態では、はみでた部分については特に処理は行わず、空白部については黒くする等、何も表示しない。その結果、使用者の認識画像は図3(c)の304で示すようなものになる。
【0033】
画像表示制御部109は、移動度検出部103により検出された移動度に応じて、基準画像生成部107により生成された基準画像、または変位画像生成部108により生成された左目用画像および右目用画像から表示画像を生成し、表示部106に出力する。
【0034】
移動度が所定値未満である場合には、表示画像の補正を行わなくても使用者の両目は表示画像を追従できると考えられるため、画像表示制御部109は基準画像から表示画像を生成して表示部106に出力する。移動度が所定値以上である場合には、表示画像の補正が必要であると考えられるため、画像表示制御部109は、左目用画像が使用者の左目のみで認識され、右目用画像が使用者の右目のみで認識されるよう、左目用画像および右目用画像を表示部に表示させる。この場合、画像表示制御部109は左目用画像および右目用画像から表示画像を生成し、表示部106に出力する。
【0035】
以下、移動度が所定値以上である場合の表示画像の生成方法を説明する。図4は、左目用画像および右目用画像から表示画像を生成する手法を説明する図である。画像表示制御部109は、まず、図4(a)に示す左目用画像401および右目用画像402の幅を、図4(b)に示すように半分に圧縮する。次に、画像表示制御部109は、これらの画像を所定の幅を有するように切り離して、図4(c)に示すような左目用画像片405および右目用画像片406を生成する。なお、ここで、所定の幅とは、レンティキュラレンズ110の1つのシリンドリカルレンズの幅の半分である。そして、画像表示制御部109は、図4(d)に示すように左目用画像片405および右目用画像片406を交互に組み合わせて、表示画像407を生成する。
【0036】
ここで、図4(b)において、左目用画像401および右目用画像402を圧縮せずに所定の幅を有するように切り離し、それぞれについて1つ置きに間引きして左目用画像片および右目用画像片を生成してもよい。この場合も、左目用画像片および右目用画像片を交互に組み合わせて表示画像を生成する。
【0037】
なお、移動度が所定値未満である場合には、上記表示画像の生成方法において、左目用画像401および右目用画像402を基準画像として、表示画像407を生成する。
【0038】
上記の方法で生成された表示画像407は、表示部106において、レンティキュラレンズ110を介して表示される。
【0039】
レンティキュラレンズの原理を以下に説明する。図5は、レンティキュラレンズ110の原理を示す図である。図5(a)は使用者がレンティキュラレンズ110を介して画像501を見る状況を示す図であり、図5(b)は、図5(a)の状況を上方向からの視点で示した模式図である。レンティキュラレンズ110は、図5(a)および図5(b)に示すように、シリンドリカルレンズを複数並べた形状を有するレンズである。ここで、1つのシリンドリカルレンズの幅をwとする。画像501はレンティキュラレンズ110を介して使用者が見る画像であり、画像501のX0,X1,…およびY0,Y1,…で示される各領域の幅はそれぞれw/2とする。画像501をレンティキュラレンズ110を介して2つの目で見る場合、図5(b)に示すように、屈折により、左目は画像501のX0,X1,…で示した領域のみを認識し、右目は画像501のY0,Y1,…で示した領域のみを認識する。その結果、左目は領域X0,X1,…を横に並べた画像を認識し、左目はY0,Y1,…を横に並べた画像を認識する。
【0040】
画像表示制御部109で生成された表示画像407は、シリンドリカルレンズの幅の半分の幅を有する左目用画像片405および右目用画像片406を交互に組み合わせて生成された画像であり、左目用画像片405が図5における領域X0,X1,…に、右目用画像片406が図5における領域Y0,Y1,…に、それぞれ対応する。よって、レンティキュラレンズ110を介することにより、使用者の左目は左目用画像のみを認識し、使用者の右目は右目用画像のみを認識する。
【0041】
次に、上記の構成を有する携帯端末装置で実行される画像表示制御を説明する。図6は、本実施の形態に係る携帯端末装置101における画像表示制御を示すフローチャートである。
【0042】
まず、移動度検出部103は携帯端末装置101の移動度を検出し、距離検出部104は表示部106と使用者との距離を検出して(S601)、それぞれ制御部105へ出力する。
【0043】
次に変位画像生成部108は、移動度検出部103により検出された移動度および距離検出部104により検出された距離に基づいて、左目用画像および右目用画像を生成するための変位量を算出する(S602)。そして、変位画像生成部108は、この変位量を用いて基準画像から左目用画像および右目用画像を生成し(S603)、画像表示制御部109へ出力する。
【0044】
次に画像表示制御部109は、移動度検出部103により検出された移動度が所定値以上か判定する(S604)。移動度が所定値以上である場合には、変位画像生成部108から入力された左目用画像および右目用画像から表示画像を生成する(S605)。移動度が所定値未満である場合には、基準画像から表示画像を生成する(S606)。
【0045】
そして表示部106は、画像表示制御部109により生成された表示画像を、レンティキュラレンズ110を介して表示する(S607)。レンティキュラレンズ110を介することで、使用者の左目は該表示画像の左目用画像部分のみを認識し、使用者の右目は該表示画像の右目用画像のみを認識する。
【0046】
上記の構成により、表示部106が使用者に対して遠近方向に動いた場合に、使用者の視線の追従が容易になり、目に映る画像が二重になる現象が抑制される。
【0047】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0048】
例えば、本実施の形態では、変位画像生成部108において、基準画像を右または左方向に変位させて左目用画像および右目用画像を生成する構成を示したが、さらに距離検出部104で検出される、表示部106と使用者との距離に応じて、近づいた場合には基準画像を縮小し、離れた場合には基準画像を拡大したうえで上記左右方向へ変位させる処理を行う構成としてもよい。さらに、ここで用いる距離は、移動前の距離、移動後の距離、移動前と移動後の平均距離などでもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、画像表示制御部109が、移動度が所定値以上か判断する構成を示したが、さらに、変位画像生成部108も同様の判断を行い、移動度が所定値以上の場合のみ、左目用画像および右目用画像の生成を行う構成、または画像表示制御部109における判断結果に基づいて、移動度が所定値以上の場合のみ変位画像生成部108が左目用画像および右目用画像の生成を行う構成としてもよい。
【0050】
さらに、本実施の形態では、移動度検出部103により検出された移動度および距離検出部104により検出された距離に基づいて基準画像を左右方向に変位させて左目用画像および右目用画像を生成する構成を示したが、さらに、移動度に所定の減少傾向が見られた時点で変位量を徐々に減らして、左目用画像および右目用画像を基準画像に戻していく制御を含む構成としてもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、左目用画像および右目用画像の表示に、レンティキュラレンズ110を利用する構成を示したが、左目用画像が使用者の左目のみに認識され、右目用画像が使用者の右目にのみ認識される構成であれば、他の構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の構成を示す図である。
【図2】使用者が携帯端末装置の表示部を見ている場合の使用者の視線を示す図である。
【図3】基準画像を左右方向に変位させた場合の空白部等の処理を示す図である。
【図4】左目用画像および右目用画像から表示画像を生成する手法を説明する図である。
【図5】レンティキュラレンズの原理を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る携帯端末装置における画像表示制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
101 携帯端末装置、102 入力部、103 移動度検出部、104 距離検出部、105 制御部、106 表示部、107 基準画像生成部、108 変位画像生成部、109 画像表示制御部、110 レンティキュラレンズ、201 表示部、301 基準画像、302 左目用画像、303 右目用画像、304 使用者の認識画像、401 左目用画像、402 右目用画像、403 左目用画像、404 右目用画像、405 左目用画像片、406 右目用画像片、407 表示画像、501 画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と使用者との距離を検出する距離検出手段と、
前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の移動度を検出する移動度検出手段と、
前記距離検出手段により検出される前記距離および前記移動度検出手段により検出される前記移動度に基づいて、前記表示部に表示される画像の基になる基準画像を左方向または右方向に変位させた左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成する変位画像生成手段と、
前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させる画像表示制御手段と、
を含むことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者に近づいた場合、前記基準画像を左方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記左目用画像を生成し、前記基準画像を右方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記右目用画像を生成する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者から遠のいた場合、前記基準画像を右方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記左目用画像を生成し、前記基準画像を左方向に前記距離および前記移動度に応じた変位量だけ変位させた前記右目用画像を生成する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者に近づいた場合、前記距離検出手段により検出される移動前の前記距離と移動後の前記距離とに応じた倍率に縮小した前記基準画像を用いて前記左目用画像および前記右目用画像をそれぞれ生成する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記変位画像生成手段は、前記表示部が前記使用者から遠のいた場合、前記距離検出手段により検出される移動前の前記距離と移動後の前記距離とに応じた倍率に拡大した前記基準画像を用いて前記左目用画像および前記右目用画像をそれぞれ生成する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の携帯端末装置において、
前記倍率は、前記移動度にさらに基づいて決定される、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記移動度は、前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の加速度および速度の少なくとも一方である、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末装置において、
前記画像表示制御手段は、
前記移動度が所定値以上の場合、前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させ、
前記移動度が所定値未満の場合、前記基準画像を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の携帯端末装置において、
前記表示部はレンティキュラレンズを有し、
前記画像表示制御手段は、前記左目用画像が前記使用者の左目によってのみ認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目によってのみ認識されるよう、前記表示部に、前記左目用画像および前記右目用画像を前記レンティキュラレンズを介して表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
表示部と使用者との距離を検出するステップと、
前記表示部の前記使用者に対する遠近方向の移動度を検出するステップと、
前記距離および前記移動度に基づいて、前記表示部に表示される画像の基になる基準画像を左方向または右方向に変位させた左目用画像および右目用画像をそれぞれ生成するステップと、
前記左目用画像が前記使用者の左目のみで認識され、前記右目用画像が前記使用者の右目のみで認識されるよう、前記左目用画像および前記右目用画像を前記表示部に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする、画像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−32931(P2010−32931A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197071(P2008−197071)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】