説明

携帯端末

【課題】アプリケーションの起動と聴きたい音楽の再生とを少ない手間で行なえる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯電話機10は、音楽を再生する再生手段と、再生される音楽のデータを保存しておく保存手段と、互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録するためのGUIと、この登録内容を記憶しておく記憶手段と、登録内容に基づいてアプリケーションの起動と音楽の再生を制御する制御手段とを有している。音楽再生手段はコンパンダ17とPCMコーデック18と受話増幅器19とスピーカ20と制御ユニット23とで構成される。GUIは入力デバイス27とメインディスプレイ28と制御ユニット23とで構成される。保存手段と記憶手段は共に記憶ユニット24で構成され、制御手段は制御ユニット23で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽再生機能を搭載した携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、音楽再生機能を搭載した携帯型電話機において、音楽を再生しながらメールなどの各種アプリケーションを操作する使い方が主流になってきている。
【0003】
この場合、まず、聴きたい音楽を再生状態にして、次に、メールなどのアプリケーションを起動するのが一般的な使い方となる。
【0004】
また、通話着信音やメール受信音などに音楽を割り当てることも一般的となっている。
【特許文献1】特開2003−157217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
まず音楽を選択し再生状態にしてからアプリケーションを起動する手法は手間を要する。また、連続して曲を再生している時など、アプリケーションを起動した時に一番聴きたい音楽が再生しているとは限らない。
【0006】
お気に入りの音楽を通話着信音やメール受信音に設定していても、通話着信やメール受信に応答すると、一般的に、通話着信音やメール受信音は鳴動停止する。このため、メール受信時など、そのお気に入りの音楽を聴きながらメールを読むことはできない。
【0007】
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、アプリケーションの起動と聴きたい音楽の再生とを少ない手間で行なえる携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末は、音楽を再生する再生手段と、再生される音楽のデータを保存しておく保存手段と、互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録する登録手段と、この登録内容を記憶しておく記憶手段と、前記登録内容に基づいてアプリケーションの起動と音楽の再生を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の別の携帯端末は、音楽を再生する再生手段と、音楽データを保存しておく保存手段と、メールアプリケーションと前記音楽データとを関連付けて登録する登録手段と、この登録内容を記憶しておく記憶手段と、メールを受信したとき、前記記憶手段に記憶されている登録内容に基づいて前記音楽データを再生し、前記メールアプリケーションを起動する操作がなされた後も前記音楽データの再生を継続するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アプリケーションの起動と聴きたい音楽の再生とを少ない手間で行なえる携帯端末が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、この発明に係わる携帯端末の一実施形態である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0013】
図示しない基地局から送信された無線信号は、アンテナ11で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)12を介して受信回路(RX)13に入力される。受信回路13は、受信した無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)14から出力される局部発振信号とミキシングして中間周波信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、このダウンコンバートした中間周波信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ14から発生される局部発振信号の周波数は、制御ユニット23から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0014】
上記受信ベースバンド信号はCDMA信号処理部16に入力される。CDMA信号処理部16はRAKE受信機を備える。RAKE受信機は、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスをそれぞれ拡散符号により逆拡散処理し、この逆拡散処理した各パスの信号を位相を調停したのち合成する。その結果、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータはコンパンダ17に入力される。
【0015】
コンパンダ17は、通話時においては、CDMA信号処理部16から出力された受信パケットデータに含まれている音声データをスピーチコーデックにより復号し、この復号により得られたディジタルオーディオ信号をPCMコーデック18に出力する。PCMコーデック18は、このディジタルオーディオ信号をPCM復号してアナログスピーチ信号を出力する。このアナログスピーチ信号は、受話増幅器19によって増幅されたのちスピーカ20から出力される。
【0016】
またコンパンダ17は、電子メールの受信時やコンテンツのダウンロード時においては、受信パケットデータに含まれている電子メールデータ又はコンテンツデータを制御ユニット23に渡す。制御ユニット23は、コンパンダ17から渡された電子メールデータ又はコンテンツデータを記憶ユニット24に保存する。
【0017】
制御ユニット23は、入力デバイス27を介して電子メールの表示要求が入力された場合、記憶ユニット24から該当する電子メールデータを読み出してメインディスプレイ28に表示させる。
【0018】
また制御ユニット23は、入力デバイス27を介してコンテンツの再生要求が入力された場合、記憶ユニット24から該当するコンテンツデータを読み出す。
【0019】
コンテンツデータがオーディオコンテンツの場合、制御ユニット23は、そのオーディオデータをコンパンダ17に出力する。オーディオデータはコンパンダ17により復号され、さらにPCMコーデック18でアナログ信号に変換されたのち、受話増幅器19で増幅されてスピーカ20から出力される。
【0020】
これに対してコンテンツデータがビデオコンテンツの場合、制御ユニット23は、そのビデオデータを内部のビデオコーデックにより復号して、メインディスプレイ28に表示させる。
【0021】
一方、通話時において、マイクロホン21に入力された話者の音声信号は、送話増幅器22により適正レベルまで増幅されたのち、PCMコーデック18によってPCM符号化処理が施され、ディジタルオーディオ信号となってコンパンダ17に入力される。また、カメラ30から出力されたビデオ信号は、制御ユニット23によりディジタル化されてコンパンダ17に入力される。
【0022】
コンパンダ17は、PCMコーデック18から出力されたディジタルオーディオ信号から入力音声のエネルギ量を検出し、この検出結果に基づいて送信データレートを決定する。そして、上記ディジタルオーディオ信号を上記送信データレートに応じたフォーマットの信号に符号化し、これによりオーディオデータを生成する。また、制御ユニット23から出力されたディジタルビデオ信号を符号化してビデオデータを生成する。そして、これらのオーディオデータ及びビデオデータを多重分離部で所定の伝送フォーマットに従ってパケット化し、この送信パケットデータをCDMA信号処理部16へ出力する。さらに、制御ユニット23からメール等のテキストデータが出力された場合にも、このテキストデータを上記送信パケットデータに多重化する。
【0023】
なお、コンパンダ17で生成されたビデオデータは、制御ユニット23の制御の下でメインディスプレイ28に表示される。
【0024】
CDMA信号処理部16は、上記コンパンダ17から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施す。そして、その出力信号を送信回路(TX)15へ出力する。送信回路15は、上記スペクトラム拡散された信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式又はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式等のディジタル変調方式を使用して変調する。そして、この変調により生成された送信信号を、周波数シンセサイザ14から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換する。そして、制御ユニット23により指示される送信電力レベルとなるように上記無線信号を高周波増幅する。この増幅された無線信号は、アンテナ共用器12を介してアンテナ11に供給され、このアンテナ11から基地局へ向けて送信される。
【0025】
なお、サブディスプレイ29には、携帯電話機10の動作モードを表す情報や、着信の報知情報、バッテリ25の残量又は充電状態を表す情報が表示される。電源回路26は、バッテリ25の出力をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。バッテリ25は図示しない充電回路により充電される。
【0026】
携帯電話機10は、これまでの説明から分かるように、音楽を再生する音楽再生機能と、再生される音楽のデータを保存しておく保存手段とを有している。保存手段は記憶ユニット24で構成され、音楽再生機能はコンパンダ17とPCMコーデック18と受話増幅器19とスピーカ20と制御ユニット23とで構成される。
【0027】
また、携帯電話機10は、互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録する登録手段と、この登録内容を記憶しておく記憶手段と、登録内容に基づいてアプリケーションの起動と音楽の再生を制御する制御手段とを有している。記憶手段は記憶ユニット24で構成され、制御手段は制御ユニット23で構成される。また登録手段は、入力デバイス27とメインディスプレイ28と制御ユニット23とからなるGUIで構成される。
【0028】
図2は、互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録する動作のフローチャートを示している。
【0029】
まず、S1において、設定するアプリケーションの選択候補を提示し、ユーザによる選択を待ち受ける。設定するアプリケーションの選択候補の提示は、例えば、メインディスプレイ28に「メール受信」や「メール作成」などのアプリケーションの名称一覧リストを表示するとともに、その中の特定の一つのアプリケーションの名称を反転表示させるなどして行なう。
【0030】
次に、S2において、提示したアプリケーションが選択されたか否かを判断する。ユーザによる選択は、例えば、「選択」に相当するキー操作によって行なわれ、非選択は、「変更(例えば上下左右の移動動作など)」に相当するキー操作によって行なわれる。
【0031】
S2において、提示したアプリケーションが選択されなかった場合、S3において、設定するアプリケーションの選択候補を変更した後、S1に戻って、変更後のアプリケーションの選択候補を提示し、ユーザによる選択を待ち受ける。
【0032】
S2において、提示したアプリケーションが選択された場合、S4において、登録する音楽の選択候補を提示し、ユーザによる選択を待ち受ける。登録する音楽の選択候補の提示は、上述した設定するアプリケーションの選択候補の提示と同様に、メインディスプレイ28に音楽の曲名一覧リストを表示するとともに、その中の特定の一つの音楽の曲名を反転表示させるなどして行なう。
【0033】
続いて、S5において、提示した音楽が選択されたか否かを判断する。
【0034】
S5において、提示した音楽が選択されなかった場合、S6において、登録する音楽の選択候補を変更した後、S4に戻って、変更後の音楽の選択候補を提示し、ユーザによる選択を待ち受ける。
【0035】
S5において、提示した音楽が選択された場合、S7において、選択されたアプリケーションと選択された音楽とを関連づけて登録する。この登録内容は、アプリケーションと音楽の連動設定として、記憶ユニット24に記憶される。
【0036】
次に、アプリケーション起動時の動作について説明する。ここでは、一例として、「メール受信」について図3を参照しながら説明する。図3は、メール受信時の動作のフローチャートを示している。
【0037】
まず、S11において、メールを受信すると、これに応じて「メール受信」のアプリケーションを起動する。
【0038】
S12において、起動するアプリケーションすなわち「メール受信」について、記憶ユニット24に記憶されている連動設定を調べる。
【0039】
次に、S13において、そのアプリケーションの起動に連動して再生する音楽が登録されているか否かを判断する。
【0040】
S13において、再生する音楽が登録されていない場合、S14において、メール受信音の再生を開始し、メール受信をユーザに報知する。また、S15において、ユーザの操作を待ち受ける。ここで、ユーザの操作は、例えば携帯電話10を開く操作などであり、メール受信の報知を停止するトリガーとなる。
【0041】
S16において、ユーザの操作があったか否かを判断する。
【0042】
S16において、ユーザの操作がなかった場合、S15に戻り、ユーザの操作を待ち受ける。
【0043】
S16において、ユーザの操作があった場合、S17において、メール受信音の再生を停止する。その後、S18において、ユーザによるメール受信操作に応じた処理、例えばメールの表示などを行なう。
【0044】
S13において、再生する音楽が登録されている場合、S19において、登録されている音楽の再生を開始する。この音楽の再生では、音楽の再生を停止させる操作が行なわれるまで、再生中の音楽を繰り返し再生する。また、S20において、メールアプリケーションを起動するための操作を待ち受ける。
【0045】
S21において、メールアプリケーションを起動するための操作があったか否かを判断する。
【0046】
S21において、メールアプリケーションを起動するための操作がなかった場合、S20に戻り、再度メールアプリケーションを起動するための操作を待ち受ける。
【0047】
S21において、メールアプリケーションを起動するための操作があった場合、S22において、ユーザによるメールアプリケーションの操作に応じた処理、例えばS11において受信したメールを開いて当該メールを表示したり、S11において受信したメールに対する返信メールを作成する処理をしたりする。そのとき、音楽の再生は、継続して続けられる。このため、メール受信してメールを読む間、聴きたい音楽を続けて聴ける。
【0048】
続いて、音楽の再生中に特定のキーが操作された際の動作について図4を参照しながら説明する。図4は、この動作のフローチャートを示している。
【0049】
S31において、音楽再生を開始する。また、S32において、特定のキー操作を待ち受ける。ここで、特定のキー操作は、アプリーションの起動などに割り当てられるいわゆるワンタッチキーの類のキーの操作である。
【0050】
S33において、特定のキー操作があったか否かを判断する。
【0051】
S33において、特定のキー操作がなかった場合、S32に戻り、特定のキー操作を待ち受ける。
【0052】
S33において、特定のキー操作があった場合、S34において、再生中の音楽について、記憶ユニット24に記憶されている連動設定を調べる。
【0053】
次に、S35において、その音楽に連動して起動するアプリケーションが登録されているか否かを判断する。
【0054】
S35において、起動するアプリケーションが登録されていない場合、アプリケーションの起動に関する動作を終了する。音楽再生はそのまま続けられる。
【0055】
S35において、起動するアプリケーションが登録されている場合、S36において、登録されているアプリケーションを起動する。また、S37において、例えば、再生中の音楽を繰り返し再生する状態に切り替わる。つまり、再生中の音楽の繰り返し再生を開始する。
【0056】
S38において、ユーザによるアプリケーション操作に応じた処理を行なう。また、S39において、アプリケーションが終了されているか否かを判断する。
【0057】
S39において、アプリケーションが終了されていない場合、S38に戻り、ユーザによるアプリケーション操作に応じた処理を行なう。
【0058】
S39において、アプリケーションが終了されている場合、S40において、再生中の音楽の繰り返し再生を終了する。つまり、特定のキー操作前の音楽の再生状態に戻る。
【0059】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明に係わる携帯端末の一実施形態である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録する動作のフローチャートを示している。
【図3】メール受信時の動作のフローチャートを示している。
【図4】音楽の再生中に特定のキーが操作された際の動作のフローチャートを示している。
【符号の説明】
【0061】
10…携帯電話機、11…アンテナ、12…アンテナ共用器、13…受信回路、14…周波数シンセサイザ、15…送信回路、16…CDMA信号処理部、17…コンパンダ、18…PCMコーデック、19…受話増幅器、20…スピーカ、21…マイクロホン、22…送話増幅器、23…制御ユニット、24…記憶ユニット、25…バッテリ、26…電源回路、27…入力デバイス、28…メインディスプレイ、29…サブディスプレイ、30…カメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽を再生する再生手段と、
再生される音楽のデータを保存しておく保存手段と、
互いに連動されるアプリケーションと音楽を登録する登録手段と、
この登録内容を記憶しておく記憶手段と、
前記登録内容に基づいてアプリケーションの起動と音楽の再生を制御する制御手段と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記制御手段は、アプリケーション起動時に、対応する音楽データを再生することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御手段は、音楽データが再生されている最中の特定のキー操作に対して、再生中の音楽に対して登録されているアプリケーションを起動させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御手段は、前記アプリケーションが起動されているとき、前記音楽データを繰り返し再生し、前記アプリケーションを終了する操作を行うと、該音楽データの再生を停止させることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
音楽を再生する再生手段と、
音楽データを保存しておく保存手段と、
メールアプリケーションと前記音楽データとを関連付けて登録する登録手段と、
この登録内容を記憶しておく記憶手段と、
メールを受信したとき、前記記憶手段に記憶されている登録内容に基づいて前記音楽データを再生し、前記メールアプリケーションを起動する操作がなされた後も前記音楽データの再生を継続するよう制御する制御手段と
を有することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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