説明

携帯端末

【課題】1台の端末で2以上の電話番号を利用可能な携帯端末であって、ユーザによる意図しない電話番号を用いた操作を確実に防ぐことができる1台の端末で2以上の電話番号を利用可能な携帯端末を提供する
【解決手段】第1実施形態に係るに係る携帯電話機10は、2つの電話番号を利用する携帯端末であって、第1の電話番号が特定される画像を表示する第1の表示部31aと、第2の電話番号が特定される画像を表示する第2の表示部31bと、第1の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第1の入力部32aと、第2の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第2の入力部32bと、第1の電話番号に対する着呼があると第2の入力部32bを介した着呼応答指示を拒否する一方、第2の電話番号に対する着呼があると第1の入力部32aを介した着呼応答指示を拒否する着呼動作制御部と、を備えたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信に必要な識別情報を2以上利用可能な携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話機やPHS(Personal Handy-phone System)機をはじめとした電話機能を有する携帯端末には、一台で2以上の識別情報(電話番号など)を扱うことができるものがある。この種の携帯端末によれば、たとえばユーザは2以上の電話番号を一台の端末で利用することができるため、大変便利である。
【0003】
たとえば、UIM(User Identity Module)カードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどのICカード(以下、UIMカードという)を装着することによりUIMカードに記憶されたデータを利用することができる携帯端末には、最近、2枚のUIMカードを利用可能なもの(たとえば特許文献1参照)や、2つの電話番号に関するデータが記憶された1枚のUIMカードを利用可能なものがある。UIMカードに記憶されるデータには、一般に、電話番号の情報(MSISDN:Mobile Subscriber ISDN Number)や加入者識別子の情報(IMSI :International Mobile Subscriber Identity)などのユニークな識別情報が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−288852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、IMSIはユーザや移動体通信網に対して陽には公開されず、ユーザは主に電話番号によって契約回線を識別する。このため、この種の携帯端末を利用する場合、ユーザは、現在どの電話番号を利用しているかを認識することにより各契約回線による発呼や着呼応答などの操作を行う。
【0006】
しかし、従来の一台の端末で2以上の識別情報を扱う技術では、ユーザは主に表示部に表示する画像によって現在利用している電話番号の情報を認識するようになっている。このため、従来の技術は、どの電話番号を利用するかの決定にあたり、ユーザの注意力に依存する部分が大きい。したがって、従来の技術では、ユーザ本人が意図しない電話番号を用いて着呼応答、発呼その他の操作を実行してしまうことを確実に防ぐことが難しい。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、1台の端末で2以上の電話番号を利用可能な携帯端末であって、ユーザによる意図しない電話番号を用いた操作を確実に防ぐことができる1台の端末で2以上の電話番号を利用可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯端末は、上述した課題を解決するために、2つの電話番号を利用する携帯端末であって、第1の電話番号が特定される画像を表示する第1の表示部と、第2の電話番号が特定される画像を表示する第2の表示部と、前記第1の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第1の入力部と、前記第2の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第2の入力部と、前記第1の電話番号に対する着呼があると前記第1の表示部にその旨を表示させるとともに前記第2の入力部を介した着呼応答指示を拒否する一方、前記第2の電話番号に対する着呼があると前記第2の表示部にその旨を表示させるとともに前記第1の入力部を介した着呼応答指示を拒否する着呼動作制御部と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯端末は、1台の端末で2以上の電話番号を利用可能な携帯端末であって、ユーザによる意図しない電話番号を用いた操作を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は第1実施形態に係る携帯電話機が開いている状態(開状態)における斜視図、(b)はこの携帯電話機が閉じている状態(閉状態)における斜視図。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の内部構成例を概略的に示すブロック図。
【図3】第1実施形態に係る主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図4】(a)は第1のタッチパネルが第1の電話番号に割り当てられていることを明示する画像の一例を示す説明図、(b)は第2のタッチパネルが第2の電話番号に割り当てられていることを明示する画像の一例を示す説明図。
【図5】図1に示す携帯電話機の主制御部により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた発呼指示操作を確実に防ぐための処理際の手順を示すフローチャート。
【図6】図1に示す携帯電話機の主制御部により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた着呼応答指示操作を確実に防ぐための処理際の手順を示すフローチャート。
【図7】(a)は連結部の変形例に係る第1の状態における側面図、(b)は連結部の変形例に係る第1の状態の特別な態様を示す斜視図。
【図8】(a)は第2実施形態に係る携帯電話機が第1の状態に維持された様子を示す正面図であり、(b)はこの携帯電話機が第2の状態に維持された様子を示す正面図。
【図9】第2実施形態に係る携帯電話機の内部構成例を概略的に示すブロック図。
【図10】第2実施形態に係る主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図11】第2の状態で第1の電話番号に対する着呼があって、第1の状態へと移行した場合に第1の表示部に表示される画像の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る携帯端末の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
なお、本発明は、1台の端末で2以上の通話確立に必要な識別情報を利用可能な携帯端末に適用することができる ここで、通話確立に識別情報とは、通話(音声通話のほか、テレビ電話通話等を含む)を確立するために必要な情報をいい、たとえば電話番号の情報(MSISDN)、加入者識別子の情報(IMSI)、IMSIにもとづき生成される情報(TMSI:Temporary Mobile Subscriber Identity)などを挙げることができる。以下の説明では、本発明に係る携帯端末の一例として、第1の電話番号a(たとえば090-aaaa-aaaaなど)および第2の電話番号b(たとえば080-bbbb-bbbbなど)の2つの電話番号を利用可能な折りたたみ型の携帯電話機について説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る携帯端末の第1実施形態を示す外観斜視図である。なお、本発明は、1台の端末で2以上の通話確立に必要な識別情報を利用可能な携帯端末に適用することができる。本実施形態では、本発明に係る携帯端末の一例として、第1の電話番号a(たとえば090-aaaa-aaaaなど)および第2の電話番号b(たとえば080-bbbb-bbbbなど)の2つの電話番号を利用可能な折りたたみ型の携帯電話機について説明する。
【0014】
ここで、通話確立に識別情報とは、通話(音声通話のほか、テレビ電話通話等を含む)を確立するために必要な情報をいい、たとえば電話番号の情報(MSISDN)、加入者識別子の情報(IMSI)、IMSIにもとづき生成される情報(TMSI:Temporary Mobile Subscriber Identity)などを挙げることができる。以下の説明では、識別情報が電話番号により代表される場合の例について説明する。
【0015】
図1(a)は携帯電話機10が開いている状態(開状態)における斜視図であり、図1(b)は携帯電話機10が閉じている状態(閉状態)における斜視図である。
【0016】
本実施形態では、第1の状態としての開状態で第1の電話番号aに関する着呼応答および発呼などの各種操作が行われ、第2の状態としての閉状態で第2の電話番号bに関する着呼応答および発呼などの各種操作が行われる場合の例について説明する。また、第1の状態は、第2の状態(閉状態)ではない全ての状態を指すものとする。
【0017】
なお、以下の説明において、発呼とは、音声通話要求発信やテレビ電話通話要求発信などの通話要求発信をいい、着呼とは、音声通話要求着信やテレビ電話通話要求着信などの通話要求着信をいい、発着呼とは、発呼および着呼応答を言うものとする。たとえば、携帯電話機10に対して音声通話要求着信を内容とする着呼があると、ユーザは着呼応答キーを押下することにより携帯電話機10に対して着呼応答指示を与える。携帯電話機10は、この指示を受けて音声通話要求先との音声通話を確立する。
【0018】
携帯電話機10は、第1の筐体11、第2の筐体12および第2の筐体12に対し第1の筐体11を開閉自在に連結する連結部13を有する。
【0019】
第2の筐体12は、第1の筐体11に対して、開閉軸を中心として矢印Xの方向に開閉自在となるように連結部13(ヒンジ)を介して連結される。第2の筐体12が開閉軸を中心として矢印Xの方向に回転することにより、携帯電話機10は、第1の状態としての開状態(図1(a)参照)と第2の状態としての閉状態(図1(b)参照)とで位置決めすることができる。
【0020】
第1の筐体11は、薄い箱形の筐体を有する。図1(a)に示すように、第1の筐体11を構成する面のうち、閉状態において第2の筐体12と近接対向する面14(第1の面)には、第1のタッチパネル15a、第1のマイクロフォン16aおよび第1のレシーバ17aが設けられる。また、図1(b)に示すように、第1の面14の背面である面18(第2の面)には、第2のタッチパネル15b、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bが設けられる。
【0021】
第2の筐体12は、薄い箱型の筐体を有し、閉状態において第1の筐体11の第1の面14と近接対向する面19(第3の面)には、第3の入力部としてのハードキー群20が設けられる。ハードキー群20は、たとえば英字/カナ/漢字/数字の入力キー(テンキー)により構成される。
【0022】
携帯電話機10の開閉状態を検出するための状態検知部は、閉状態と開状態とで異なる出力をするものであればよい。図1には、第1の面14の内側近傍の所定の位置に磁性片21を設け、第2の面18の内側近傍であって閉状態において磁性片21と対向する位置に状態検知部としての磁気センサ22を設ける場合の例について示した。この場合、磁気センサ22は、磁性片21との距離に応じた出力を行う。このため、この出力を監視することにより開閉状態を検知することができる。この磁気センサ22は、たとえばリードスイッチやホール素子などを用いて構成することができる。
【0023】
なお、磁気センサ22は、第2の筐体12に対し第1の筐体11が開くことにより第1の面14と第3の面19とが所定の距離以上離間すると第1の状態である旨の信号を出力する一方、第1の面14と第3の面19が所定の距離よりも近接対向して閉じられると第2の状態である旨の信号を出力するよう構成してもよい。
【0024】
図1(a)および(b)から明らかなように、ユーザは通常、開状態では第1のタッチパネル15a、第1のマイクロフォン16a、第1のレシーバ17aおよびハードキー群20を利用し、閉状態では第2のタッチパネル15b、第2のマイクロフォン16b、第2のレシーバ17bを利用する。
【0025】
図2は、携帯電話機10の内部構成例を概略的に示すブロック図である。
【0026】
携帯電話機10は、カードスロット30、移動体通信用アンテナ33、移動体通信部34、近距離通信用アンテナ35、近距離通信部36、主制御部37を有する。
【0027】
カードスロット30には、電話番号aおよび電話番号bに関するデータが記憶された1枚のUIMカードが装着される。主制御部37は、カードスロット30に装着されたUIMカードに記憶された2つの電話番号aおよびbに関するデータを利用する。
【0028】
なお、カードスロット30は、2枚のUIMカードが装着可能に構成されてもよい。この場合、カードスロット30に対して電話番号aに関するデータが記憶された1枚のUIMカードと電話番号bに関するデータが記憶された1枚のUIMカードとをそれぞれ装着することにより、主制御部37は2つの電話番号aおよびbを利用可能となる。また、2つの電話番号aおよびbに関するデータについて、工場出荷時などにあらかじめ主制御部37の記憶媒体などに記憶しておく場合には、カードスロット30は無くても構わない。
【0029】
2つの電話番号aおよびbを利用可能に構成された携帯電話機10を利用する場合、ユーザは、本人が意図しない電話番号を用いて各種操作を実行してしまわないように注意する必要がある。特に、着呼応答指示操作および発呼指示操作(以下、発着呼操作という)は、意図しない電話番号を用いて行われると、ユーザに多大な不都合が生じる場合が多い。
【0030】
これは、1台の携帯電話機10で2つの電話番号aおよびbを利用するユーザが電話番号ごとに仕事用、プライベート用その他の用途を使い分ける場合に特に顕著となる。たとえば、発呼において、プライベート用の電話番号は通知したくない仕事の関係者に対して誤ってプライベート用の電話番号を用いてしまうと、この相手にプライベート用の電話番号が通知されてしまい、ユーザの意図に反する結果となる。また、仕事上の取引先からの仕事用の電話番号に対する着呼にもかかわらず、プライベート用の電話番号に対する着呼と誤認して着呼応答してしまうこともまた、ユーザの意図に反する結果に帰する。
【0031】
そこで、ユーザ本人が意図しない電話番号を用いて発着呼操作をしてしまうこと(以下、番号違い操作という)を防ぐために、本実施形態に係る携帯電話機10は、電話番号ごとに用いるべきタッチパネル(表示部および入力部としての機能を兼ね備えた装置)、マイクロフォンおよびレシーバが割り当てられる。これは、電話番号ごとに用いるべきハードウエアが異なる方が、同一のハードウエアが共用される場合にくらべてユーザが番号違い操作をしにくいと考えられるためである。具体的には、第1のタッチパネル15a、第1のマイクロフォン16aおよび第1のレシーバ17aは、第1の電話番号aに関する発着呼その他の操作を行うために用いられ、少なくとも第2の電話番号bを用いた発着呼操作に用いることはできないようにする。また、第2のタッチパネル15b、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bは、第2の電話番号bに関する発着呼その他の操作を行うために用いられ、少なくとも第1の電話番号aを用いた発着呼操作に用いることはできないようにする。
【0032】
ここで、第1のタッチパネル15aは、第1の表示部31aと第1の入力部としての第1のタッチセンサ32aとを有する表示入力装置である。また、第2のタッチパネル15bは、第2の表示部31bと第2の入力部としてのタッチセンサ32bとを有する表示入力装置である。なお、第1のタッチパネル15aおよび第2のタッチパネル15bに表示されるソフトキーの一部または全部の機能は、それぞれ第1の面14および第2の面18にハードキーを設けることによって実現されてもよい。以下の説明では、第1のタッチパネル15aおよび第2のタッチパネル15bがソフトキーとして少なくともそれぞれ発着呼指示キー38aおよび38bを表示するとともに、終話キー39を表示する場合の例について示す。
【0033】
発着呼指示キー38aおよび38bは、待受け時に押下されると発呼指示があった旨の情報を主制御部37に与える。また、発着呼指示キー38aおよび38bは、着呼中に押下されると着呼応答指示があった旨の情報を主制御部37に与える。主制御部37は、必要に応じてこの着呼応答指示を拒否する。
【0034】
終話キー39は、通話中に押下されると通話を終了すべき指示があった旨の情報を主制御部37に与える。また、終話キー39は、待受け時に押下されるとシステムを終了して電源を落とすべき指示(終了指示)があった旨の情報を主制御部37に与える。
【0035】
第1の表示部31aおよび第2の表示部31bは、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。第1の表示部31aは、主制御部37の制御に従って少なくとも電話番号aを用いて発着呼操作するための発着呼指示キー38aをソフトキーとして表示する。また、第2の表示部31bは、主制御部37の制御に従って少なくとも電話番号bを用いて発着呼操作するための発着呼指示キー38bをソフトキーとして表示する。
【0036】
第1のタッチセンサ32aおよび第2のタッチセンサ32bは、ユーザによるタッチセンサ上の指示位置の情報を主制御部37のCPUに与える。
【0037】
たとえば、ユーザが第1の表示部31aに表示された画像上のソフトキーの1つを押下する操作を意図した場合、ユーザは画面上のこのソフトキー相当部に接触しようとする。タッチセンサは、この接触動作から得た接触試行位置の情報を、ユーザの指示位置の情報として取得し、主制御部37のCPUに与える。
【0038】
移動体通信部34は、主制御部37に制御されて、移動体通信用アンテナ33を介して移動体通信網101を介した音声およびデータの送受信を行う。この移動体通信部34と近距離通信部36とは協働することが可能であり、この場合、ユーザは、ヘッドセット102のヘッドフォンおよびマイクを用いて移動体通信網101を介した通話を行うことができる。
【0039】
近距離通信部36は、主制御部37により制御されて、近距離通信用アンテナ35を介してヘッドセット102とBLUETOOTH(登録商標)規格などの近距離無線通信規格に準拠した通信方式による無線通信を行う。
【0040】
主制御部37は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って携帯電話機10の処理動作を制御する。
【0041】
主制御部37のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された発着呼操作制御プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って、ユーザによる意図しない電話番号を用いた発着呼操作を確実に防ぐための処理を実行する。
【0042】
主制御部37のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0043】
主制御部37のROMをはじめとする記憶媒体は、携帯電話機10の起動プログラム、発着呼操作制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0044】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0045】
図3は、主制御部37のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0046】
図3に示すように、主制御部37のCPUは、発着呼操作制御プログラムによって、少なくとも状態判定部41、画像生成部42、待受け動作制御部43、着呼動作制御部44および通話制御部45として機能する。この各部41〜45は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0047】
状態判定部41は、状態検知部としての磁気センサ22の出力を受け、この出力に応じて携帯電話機10が第2の状態(閉状態)であるか否かを判定する。以下の説明では、第2の状態でない場合は第1の状態(開状態)であると判定される場合の例について説明する。
【0048】
図4は、いずれのタッチパネルがいずれの電話番号に割り当てられているかがユーザに容易に認識できるようにするための画像の一例を示す説明図であって、(a)は第1のタッチパネル15aが第1の電話番号aに割り当てられていることを明示する画像の一例を示す説明図であり、(b)は第2のタッチパネル15bが第2の電話番号bに割り当てられていることを明示する画像の一例を示す説明図である。
【0049】
電話番号ごとに用いるべきハードウエアを割り当てるほか、番号違い操作を防ぐためには、タッチパネル15aおよび15bのそれぞれに対し、いずれのタッチパネルがいずれの電話番号ためのものであるかをユーザに提示するための画像を表示するとよい。
【0050】
たとえば第1の電話番号aがプライベート用であり、第2の電話番号bが仕事用である場合は、第1の表示部31aおよび第2の表示部31bに対し、待受け時および着呼時において、それぞれプライベート用および仕事用である旨の情報を内容とする画像を表示するとよい。また、ユーザにより各電話番号に対応した壁紙やアイコン画像などが選択されている場合は、これらの画像を表示するとよい。
【0051】
画像生成部42は、いずれのタッチパネルがいずれの電話番号ためのものであるかをユーザに提示するための画像を生成し、タッチパネル15aおよび15bのそれぞれに表示させる(図4(a)および(b)参照)。たとえば、第1のタッチパネル15aには、第1の電話番号aがユーザにより容易に特定される画像が表示される。この種の画像としては、たとえば第1の電話番号aそのものを表示する画像や、ユーザにより第1の電話番号aに対応して選択された壁紙やアイコン画像などを挙げることができる。
【0052】
これらの画像を視認することにより、ユーザは、たとえば開状態で第1の表示部31aと対峙している際には、第1のタッチパネル15aを介して行う発着呼操作が第1の電話番号aに関する操作として内部処理されることを認識することが容易となる。
【0053】
しかし、画像による誘導のみでは、たとえ電話番号ごとに用いるべきハードウエアを分離していても、ユーザがあわてているなどしてこれらの画像を見落としてしまう場合には番号違い操作を防ぐことはできない。たとえば緊急の連絡のために発呼を行う場合や突然の着呼に応答する場合などの、あわてて発着呼操作がなされる場合であっても、確実に誤操作を防止できることが望ましい。
【0054】
そこで、待受け動作制御部43は、待受け時において状態判定部41により現在第1の状態にあると判定されると第2のタッチパネル15bを介した入力操作を拒否するほか、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止する。また、待受け動作制御部43は、待受け時において状態判定部41により現在第2の状態にあると判定されると第1のタッチパネル15aを介した入力操作を拒否するほか、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止する。
【0055】
たとえば、第1の状態では、第2の電話番号bに割り当てられたこれらの部材15b、16b、17bからの入力はユーザによる誤った入力である可能性が高い。開閉状態に応じて一方の電話番号による発呼指示のみを受け付けるようにすることにより、あわてて発呼指示操作がなされる場合でも、番号違い操作による弊害を未然に防ぐことができる。また、不要な部材への電力供給を停止することにより消費電力を削減することができる。
【0056】
着呼動作制御部44は、第1の電話番号aに対する着呼があると、画像生成部42を制御して第1の表示部31aにその旨を表示させるとともに第2の入力部32bを介した着呼応答指示を拒否する。また、第2の状態にある場合は、既に待受け動作制御部43により第1の入力部32aの操作が不可とされてしまっているため、着呼動作制御部44は少なくとも発着呼指示キー38aの操作を許可する。このとき、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止してもよい。また、第2の状態(閉状態)にある場合を考慮して、第2の表示部31bにも第1の電話番号aに対する着呼がある旨の情報や第1の状態へ移行しないと着呼応答できない旨の情報などの第1の状態への以降を促す情報を表示させてもよい。
【0057】
また、着呼動作制御部44は、第2の電話番号に対する着呼があると、画像生成部42を制御して第2の表示部31bにその旨を表示させるとともに第1の入力部32aを介した着呼応答指示を拒否する。このとき第1のマイクロフォン16aおよび第1のレシーバ17aの機能を停止してもよい。また、第1の状態(開状態)にある場合を考慮して、第1の表示部31aに第2の電話番号bに対する着呼がある旨の情報や第2の状態へ移行しないと着呼応答できない旨の情報などの第2の状態への以降を促す情報を表示させてもよい。
【0058】
なお、「着呼応答指示を拒否する」場合には、着信応答指示があったときこの指示を受け付けない場合のみならず、対応する発着呼指示キー38aまたは38bをタッチパネルの表示部から消してしまう場合を含むほか、対応する第1の入力部32aまたは第2の入力部32bの操作そのものを不可としてしまう場合を含む。
【0059】
この結果、一方の電話番号に対する着呼があると、開閉状態によらず、他方の電話番号に係る着呼応答指示が不可とされる。あわてて着呼応答指示操作がなされる場合でも、番号違い操作による弊害を未然に防ぐことができる。
【0060】
通話制御部45は、他の通話装置から着呼要求信号を受信すると、この信号から電話番号aおよびbのいずれの電話番号に対する着呼要求であるかの情報を抽出し、着呼動作制御部44に与える。
【0061】
次に、本実施形態に係る携帯電話機10の動作の一例について説明する。
【0062】
図5は、図1に示す携帯電話機10の主制御部37により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた発呼指示操作を確実に防ぐための処理際の手順を示すフローチャートである。図5において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0063】
この手順は、携帯電話機10に電源が投入された時点でスタートとなる。
【0064】
まず、ステップS1において、状態判定部41は、磁気センサ22の出力を受け、この出力に応じて携帯電話機10が第2の状態(閉状態)であるか否かを判定する。第2の状態で無い場合、すなわち第1の状態(開状態)である場合は、ステップS2に進む。一方、第2の状態である場合は、ステップS5に進む。
【0065】
次に、ステップS2において、画像生成部42は、第1の電話番号aがユーザにより容易に特定される画像を第1のタッチパネル15aの第1の表示部31aに表示する(図4(a)参照)。
【0066】
次に、ステップS3において、待受け動作制御部43は、第2のタッチパネル15bを介した入力操作を不可とするほか、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止する。
【0067】
次に、ステップS4において、主制御部37は、終話キー39などを介してユーザから終了指示があったか否かを判定する。終了指示があった場合は、一連の手順は終了となる。一方、終了指示がなかった場合は、ステップS1に戻る。
【0068】
他方、ステップS5において、画像生成部42は、第2の電話番号bがユーザにより容易に特定される画像を第2のタッチパネル15bの第2の表示部31bに表示する(図4(b)参照)。
【0069】
次に、ステップS6において、待受け動作制御部43は、第2のタッチパネル15bを介した入力操作を不可とするほか、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止してステップS5に進む。
【0070】
以上の手順により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた発呼指示操作を確実に防ぐことができる。
【0071】
図6は、図1に示す携帯電話機10の主制御部37により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた着呼応答指示操作を確実に防ぐための処理際の手順を示すフローチャートである。図6において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0072】
この手順は、携帯電話機10が他の通話装置から着呼要求信号を受信した時点でスタートとなる。
【0073】
まず、ステップS11において、通話制御部45は、他の通話装置からの着呼要求信号から抽出した情報にもとづいて、電話番号aおよびbのいずれの電話番号に対する着呼要求であるかを判定する。電話番号aに対する着呼要求である場合はステップS12に進む。一方、電話番号bに対する着呼要求である場合はステップS16に進む。
【0074】
次に、ステップS12において、着呼動作制御部44は、発着呼指示キー38bを第2のタッチパネル15bの第2の表示部31bから消すことにより第2の入力部32bを介した着呼応答指示を拒否するとともに、必要に応じて発着呼指示キー38aの操作を許可する。
【0075】
次に、ステップS13において、着呼動作制御部44は、第2のマイクロフォン16bおよび第2のレシーバ17bの機能を停止する。
【0076】
次に、ステップS14において、画像生成部42は、第1のタッチパネル15aの第1の表示部31aに第1の電話番号に対して着呼要求がある旨の情報を表示し、一連の手順は終了となる。
【0077】
ステップS12からS14の手順を実行することにより、第1の電話番号に対する着呼があると、発着呼指示キー38bの入力操作は拒否される。
【0078】
次に、ステップS15において、着呼動作制御部44は、発着呼指示キー38aを第1のタッチパネル15aの第1の表示部31aから消すことにより第1の入力部32aを介した着呼応答指示を拒否するとともに、必要に応じて発着呼指示キー38bの操作を許可する。
【0079】
次に、ステップS16において、着呼動作制御部44は、第1のマイクロフォン16aおよび第1のレシーバ17aの機能を停止する。
【0080】
次に、ステップS17において、画像生成部42は、第2のタッチパネル15bの第2の表示部31bに第2の電話番号に対して着呼要求がある旨の情報を表示し、一連の手順は終了となる。
【0081】
ステップS15からS17の手順を実行することにより、第2の電話番号に対する着呼があると、発着呼指示キー38aの入力操作は拒否される。
【0082】
図6に示す手順により、ユーザによる意図しない電話番号を用いた着呼応答指示操作を確実に防ぐことができる。
【0083】
図7は、図1に示す連結部13の変形例を示す図であり、(a)は連結部13の変形例に係る第1の状態(開状態)における側面図であり、(b)は連結部13の変形例に係る第1の状態(開状態)の特別な態様を示す斜視図である。この特別な態様は、第1の筐体11の第2の面18と、第2の筐体12の第4の面50とが近接対向した態様である。ここで、第4の面50は、第2の筐体12の面であって第3の面19の背面である。
【0084】
この変形例に示す連結部13を有する携帯電話機10は、第1の状態(開状態)の1つとして図縮退モードが選択可能なものである。
【0085】
図7に示すように、第1の筐体11および第2の筐体12の端部には、それぞれ第1の回転部51および第2の回転部52が固設される。第1の回転部51は、第1軸53を中心として矢印Yの方向に回動する。また、第2の回転部52は、第2軸54を中心として矢印Zの方向に回動する。なお、図における十字は第1軸53および第2軸54の位置を示すための仮想的な印である。
【0086】
第1軸53および第2軸54は、第1、第2および第3および第4の面14、18、19および50に平行である。また、第1軸53は第1の筐体11を、第2軸54は第2の筐体12を、それぞれ貫くよう位置する。
【0087】
連結部13は、第1の回転部51および第2の回転部52が互いに独立に回転可能となるように、第1の回転部51および第2の回転部52を連結する。携帯電話機10の縦断面に平行な面(図7に示した側面など)における第1軸53から第2軸54までの距離は、変化しないようになっている。
【0088】
第2の回転部52は、回転機構に加え、回転を規制するロック機構を有する。ロック機構による回転規制機能が働いている場合は、第2の回転部52は回転することができない。この回転規制機能は、ユーザによる操作を受けて解除することができる。たとえば、回転規制機能を解除するためのロック解除ボタンが第2の筐体12の側面に設けられている場合、このロック解除ボタンが押されている間、回転規制機能が解除される。
【0089】
この変形例に係る携帯電話機10は、第1の状態の特別な態様として縮退状態を選択することができる。このため、ユーザは、第1の電話番号を用いた通話を行う際にも携帯電話機10が持ちやすくなる。
【0090】
なお、第1の状態の特別な態様で利用される場合には、ハードキー群20に対する誤操作を防止するため、主制御部37によりハードキー群20を介した入力操作を拒否するとよい。
【0091】
次に、本発明に係る携帯電話機10の第2実施形態について説明する。
【0092】
この第2実施形態に示す携帯電話機10Aは、1つの筐体60に覆われたストレート型であり、2つの電話番号で1つの表示部および1つの入力部を共用する。2つの電話番号で1つの表示部および1つの入力部を共用することに起因する番号違い操作を防ぐために、携帯電話機10Aは、加速度センサ61を備えることにより現在の自機の向きを把握し、携帯電話機10Aの向きに応じて利用可能な電話番号を択一的に制限する点で第1実施形態に示す携帯電話機10と異なる。また、ストレート型であるため、第3の入力部としてのハードキー群20、第2のタッチパネル15b、磁性片21および磁気センサ22は備えずともよい。他の構成および作用については図1に示す携帯電話機10と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0093】
図8は、(a)は携帯電話機10Aが第1の状態に維持された様子を示す正面図であり、(b)は携帯電話機10Aが第2の状態に維持された様子を示す正面図である。なお、図8において、重力加速度ベクトルの向きは紙面下向きであるものとする。また、本実施形態において、第1の状態とは、筐体60の第1の短辺62が第2の短辺63よりも重力と対比して上側に位置する状態をいい、第2の状態とは、第1の短辺62が第2の短辺63よりも下側に位置する状態を言うものとする。
【0094】
以下の説明では、携帯電話機10Aが、第1の状態にあると第1の電話番号aに関する操作を受け付け、第2の状態にあると第2の電話番号bに関する操作を受け付ける場合の例について示す。
【0095】
図8(a)に示したように、第1のマイクロフォン16aおよび第2のレシーバ17bは第1の状態において筐体60の上端に並んで設けられる。また、第2のマイクロフォン16bおよび第1のレシーバ17aは第1の状態において筐体60の下端に並んで設けられる。
【0096】
図9は、本実施形態に係る携帯電話機10Aの内部構成例を概略的に示すブロック図である。
【0097】
加速度センサ61は、携帯電話機10Aにかかる加速度を検出し、検出した加速度に応じた信号を出力して主制御部37に与える。本実施形態では、この加速度センサ61として、非常に小型ながら高精度であるために携帯端末に広く用いられている3軸加速度センサを適用した場合の例について説明する。加速度センサ61(3軸加速度センサ)からは、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向の加速度αx、αy、αzが出力される。この加速度センサ61によれば、重力加速度ベクトルの向きに対する携帯電話機10Aの向きの傾きを検出することが可能である。
【0098】
図10は、本実施形態に係る主制御部37のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。
【0099】
CPUは、発着呼操作制御プログラムによって向き判定部64としても機能する。
【0100】
向き判定部64は、加速度センサ61の出力を受け、携帯電話Aが第1の状態であるか第2の状態であるかを判定する。
【0101】
待受け動作制御部43は、待受け時において携帯電話Aが第1の状態であると判定されると、画像生成部42を制御して、第1の表示部31aに対して第1の電話番号aがユーザにより容易に特定される画像を表示させる。この画像の向きは、第1の状態において順方向となるように、すなわち、図8(a)に示した状態で自然な画像となるような向きである。
【0102】
また、待受け時において携帯電話機10Aの向きが第2の状態であると判定されると、画像生成部42を制御して、第1の表示部31aに対して第2の電話番号bがユーザにより容易に特定される画像を表示させる。この画像の向きは、第2の状態において順方向となるように、すなわち、図8(b)に示した状態で自然な画像となるような向きである。
【0103】
これらの画像を視認することにより、ユーザは、現在の携帯電話機10Aがいずれの電話番号を利用可能な状態にあるかを容易に認識することができる。
【0104】
なお、マイクロフォン16a、16bおよびレシーバ17a、17bの制御については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0105】
着呼動作制御部44は、(1)第1の電話番号に対する着呼がありかつ第1の状態にある場合および(2)第2の電話番号に対する着呼がありかつ第2の状態にある場合は、画像生成部42を制御して第1の表示部31aにその旨の画像および発着呼指示キー38cを表示させる。この画像の向きは、(1)の場合は第1の状態において順方向となるような向きであり、(2)の場合は第1の状態において順方向となるような向きであって、自然な向きである。
【0106】
一方、(3)第1の電話番号に対する着呼がありかつ第2の状態にある場合および(4)第2の電話番号に対する着呼がありかつ第1の状態にある場合は、画像生成部42を制御して第1の表示部31aにその旨の画像のみを表示し、発着呼指示キー38cは表示させない。この画像の向きは(3)の場合は第1の状態において順方向となるような向きであり、(4)の場合は第2の状態において順方向となるような向きであって、不自然な向きである。
【0107】
図11は、第2の状態で第1の電話番号に対する着呼があって、第1の状態へと移行した場合に第1の表示部31aに表示される画像の一例を示す説明図である。
【0108】
(3)の場合において着呼要求中に第1の状態へと携帯電話Aの向きが移行した場合および(4)の場合において着呼要求中に第2の状態へと携帯電話Aの向きが移行した場合には、発着呼指示キー38cを表示させる。この結果、ユーザは着呼応答を行うことができる。
【0109】
本実施形態に係る携帯電話機10Aは、第1実施形態に係る携帯電話機10と同様の作用効果を奏する他、携帯電話機10に比べより簡便な構成とすることができる。
【0110】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0111】
たとえば、第1実施形態に係る携帯電話機10に加速度センサ61を設け、この加速度センサ61の出力を用いて携帯電話機10の向きに応じて画像の向きの制御や発着呼指示キー38cの表示制御などを行ってもよい。特に、第1実施形態に係る第2の状態(閉状態)において第2実施形態に係る技術を適用すれば、番号違いによる操作を確実に防ぎながら閉状態のまま2つの電話番号を利用することが可能となる。この場合、第1の状態(開状態)には第3の電話番号を割り当ててもよい。
【0112】
また、本発明は、本実施形態で説明した携帯電話機10のほかにも、様々な情報処理装置に適用可能であり、特に、PDA(Personal Digital Assistant)、PHS、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などの携帯型の情報処理装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0113】
10 携帯電話機
11 第1の筐体
12 第2の筐体
13 連結部
14 第1の面
15a 第1のタッチパネル
15b 第2のタッチパネル
16a 第1のマイクロフォン
16b 第2のマイクロフォン
17a 第1のレシーバ
17b 第2のレシーバ
18 第2の面
19 第3の面
20 ハードキー群(第3の入力部)
21 磁性片
22 磁気センサ(状態検知部)
30 カードスロット
31a 第1の表示部
31b 第2の表示部
32a 第1のタッチセンサ(第1の入力部)
32b 第2のタッチセンサ(第2の入力部)
33 移動体通信用アンテナ
34 移動体通信部
35 近距離通信用アンテナ
36 近距離通信部
37 主制御部
38a、38b、38c 発着呼指示キー
39 終話キー
41 状態判定部
42 画像生成部
43 待受け動作制御部
44 着呼動作制御部
45 通話制御部
50 第4の面
51 第1の回転部
52 第2の回転部
53 第1軸
54 第2軸
60 筐体
61 加速度センサ
62 第1の短辺
63 第2の短辺
64 向き判定部
101 移動体通信網
102 ヘッドセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電話番号を利用する携帯端末であって、
第1の電話番号が特定される画像を表示する第1の表示部と、
第2の電話番号が特定される画像を表示する第2の表示部と、
前記第1の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第1の入力部と、
前記第2の電話番号に関する発呼指示および着呼応答指示を受け付ける第2の入力部と、
前記第1の電話番号に対する着呼があると前記第1の表示部にその旨を表示させるとともに前記第2の入力部を介した着呼応答指示を拒否する一方、前記第2の電話番号に対する着呼があると前記第2の表示部にその旨を表示させるとともに前記第1の入力部を介した着呼応答指示を拒否する着呼動作制御部と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第1の表示部および前記第1の入力部が利用される第1の状態と、前記第2の表示部および前記第2の入力部が利用される第2の状態と、のいずれの状態にあるかを検知する状態検知部と、
前記第1の状態にあると前記第2の入力部を介した入力操作を拒否する一方、前記第2の状態にあると前記第1の入力部を介した入力操作を拒否する待受け動作制御部と、
をさらに備え、
前記着呼動作制御部は、
前記第1の電話番号に対する着呼があると前記第1の表示部にその旨を表示させるとともに前記状態検知部の出力によらず少なくとも前記第2の入力部を介した着呼応答指示を拒否する一方、前記第2の電話番号に対する着呼があると前記第2の表示部にその旨を表示させるとともに前記状態検知部の出力によらず少なくとも前記第1の入力部を介した着呼応答指示を拒否する、
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第1の状態で利用される第1のマイクロフォンと、
前記第1の状態で利用される第1のレシーバと、
前記第2の状態で利用される第2のマイクロフォンと、
前記第2の状態で利用される第2のレシーバと、
をさらに備え、
前記待受け動作制御部は、
前記状態検知部から前記第1の状態にある旨の信号を受信すると前記第2の入力部を介した入力操作を拒否し前記第2のマイクロフォンおよび前記第2のレシーバの機能を停止する一方、前記状態検知部から前記第2の状態にある旨の信号を受信すると前記第1の入力部を介した入力操作を拒否し前記第1のマイクロフォンおよび前記第1のレシーバの機能を停止し、
前記着呼動作制御部は、
前記第1の電話番号に対する着呼があると、前記第1の表示部にその旨を表示させ、前記状態検知部の出力によらず少なくとも前記第2の入力部を介した着呼応答指示を拒否し、かつ前記状態検知部の出力によらず前記第2のマイクロフォンおよび前記第2のレシーバの機能を停止する一方、前記第2の電話番号に対する着呼があると、前記第2の表示部にその旨を表示させ、前記状態検知部の出力によらず少なくとも前記第1の入力部を介した着呼応答指示を拒否し、かつ前記状態検知部の出力によらず前記第1のマイクロフォンおよび前記第1のレシーバの機能を停止する、
請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1の表示部および前記第1の入力部が設けられた第1の面と、この第1の面の背面であって前記第2の表示部および前記第2の入力部が設けられた第2の面と、を有する第1の筐体と、
第3の入力部が設けられた第3の面を有する第2の筐体と、
前記第2の筐体に対し前記第1の筐体を開閉自在に連結する連結部と、
を備え、
前記状態検知部は、
前記第2の筐体に対し前記第1の筐体が開くことにより前記第1の面と前記第3の面とが所定の距離以上離間すると前記第1の状態である旨の信号を出力する一方、前記第1の面と前記第3の面が前記所定の距離よりも近接対向して閉じられると前記第2の状態である旨の信号を出力する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第2の入力部の一部または全部と前記第2の表示部とは、一体的に形成されてタッチパネルを構成する、
請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第1の表示部は、待受け時および着呼時において前記第1の電話番号に関する情報を表示し、
前記第2の表示部は、
待受け時および着呼時において前記第2の電話番号に関する情報を表示し、
前記第1の表示部および前記第2の表示部は、少なくとも発呼時および着呼時において、それぞれがいずれの電話番号のための表示部であるかがユーザにより視認可能に構成された、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−71747(P2011−71747A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221143(P2009−221143)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】