説明

携帯端末

【課題】アンテナの利得が低下するのを低減する携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、筐体と、筐体の内部に配置されるメインアンテナ30と、筐体の内部に配置される導電部材40と、筐体の内部に配置される基準電位部41と、メインアンテナ30を用いて通信を行う通信部31と、筐体の内部の温度が所定の温度以上である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し、筐体の内部の温度が所定の温度未満である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する切替部341と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等のアンテナを有する携帯端末は、アンテナから放射される電磁波による人体への影響を考慮し、SAR(Specific Absorption Rate:人体の特定の部位に吸収される単位時間・単位質量当たりの電力)を低減することが求められている。そこで、携帯端末は、例えば、通話時に人体(特に、頭部)に近接する時のSAR対策として、接地(GND)に接続される導体等で形成される基準電位部をアンテナと人体との間に配置している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−257522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、基準電位部が常にアンテナと対向するため、SAR対策を必要としない場合、すなわち、携帯端末が人体から離れている場合であっても、アンテナの利得が低下してしまう。
【0005】
本発明は、アンテナの利得が低下するのを低減できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末は、筐体と、前記筐体の内部に配置されるアンテナと、前記筐体の内部に配置される導電部材と、前記筐体の内部に配置される基準電位部と、前記アンテナを用いて通信を行う通信部と、前記筐体の内部の温度が所定の温度以上である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記筐体の内部の温度が所定の温度未満である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断する切替部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、携帯端末は、前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御し、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度未満の場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断するよう前記切替部を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
【0008】
また、携帯端末は、前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、入力された音を音信号に変換するマイクと、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記マイクに音が入力される場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
【0009】
また、携帯端末は、前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、音信号を音に変換して前記筐体の外部に出力するレシーバと、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記レシーバから音が出力される場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
【0010】
また、携帯端末は、前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、前記筐体における所定の面に配置されるタッチパネルと、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記タッチパネルへの接触が検出された場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
【0011】
また、携帯端末は、前記所定の面には、マイク及びレシーバの少なくとも一方が配置されることが好ましい。
【0012】
また、携帯端末は、前記筐体へのイヤホンの接続を検出する接続検出部を備え、前記制御部は、前記接続検出部によって前記筐体へのイヤホンの接続を検出した場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断するよう前記切替部を制御することが好ましい。
【0013】
また、前記切替部は、熱膨張係数の異なる2種類の金属材料を接合することにより形成されることが好ましい。
【0014】
また、携帯端末は、前記導電部材と前記基準電位部と間に配置された、空隙部を有する導電部を備え、前記切替部は、熱膨張する金属材料が収容され、一部分が前記空隙部に配置された収容部を有し、前記金属材料は、前記筐体の内部の温度が所定の温度以上である場合に、前記収容部の内部を前記空隙部に対応する位置に移動して前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記筐体の内部の温度が所定の温度未満である場合に、前記収容部の内部を前記空隙部に対応する位置とは異なる位置に移動して前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断することが好ましい。
【0015】
また、携帯端末は、気体が封入された膨張部を備え、前記切替部の一端は、前記導電部材及び前記基準電位部のうちの一方に電気的に接続され、前記膨張部は、前記筐体の内部の温度が上昇することに応じて膨張して前記切替部に押圧力を加えて前記切替部の他端を移動させ、前記筐体の温度が所定の温度以上になる場合に前記切替部の他端を前記導電部材及び前記基準電位部のうちの他方に電気的に接続させることが好ましい。
【0016】
また、本発明の携帯端末は、筐体と、前記筐体の内部に配置されるアンテナと、前記筐体の内部に配置される導電部材と、前記筐体の内部に配置される基準電位部と、前記アンテナを用いて通信を行う通信部と、前記通信部により前記アンテナを用いて通信が行われている場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記通信部により前記アンテナを用いて通信が行われていない場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断する切替部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、アンテナの利得が低下するのを低減できる携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の携帯端末の第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯電話機の基準電位部と、導電部材と、切替部とを説明する第1の図である。
【図4】第1実施形態に係る携帯電話機の基準電位部と、導電部材と、切替部とを説明する第2の図である。
【図5】第2実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る携帯電話機の基準電位部と、導電部材と、切替部とを説明する図である。
【図7】第3実施形態に係る携帯電話機の基準電位部と、導電部材と、切替部とを説明する図である。
【図8】第4実施形態に係る携帯電話機の基準電位部と、導電部材と、切替部とを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。まず、第1実施形態について説明する。図1は、本発明の携帯端末の第1実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯端末の形態としては特にこれに限られない。例えば、携帯電話機は、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ、フリップタイプ)でもよい。
【0020】
携帯電話機1は、操作部側筐体部(筐体)2と、表示部側筐体部(筐体)3とを備える。操作部側筐体部2は、表面部10(所定の面)に、操作部11と、マイク12とを備える。
操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とから構成されている。なお、これらのキーは、表示部21と一体に形成されたタッチパネル上に配置するようにしてもよい。
マイク12は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力する。すなわち、マイク12は、入力された音を音信号として後述の音声処理部32aに出力する。
【0021】
また、表示部側筐体部3は、表面部20(所定の面)に、表示部21と、レシーバ22とを備える。
表示部21は、各種情報を表示する。なお、表示部21は、タッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルは、表示パネル(図示せず)と、検出部(図示せず)とを備える。表示パネルは、液晶表示パネル又は有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル等である。検出部は、表示パネルに対する携帯電話機1のユーザの指やタッチペン等の物体の接触を検出するセンサである。検出部には、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式等のセンサが利用可能である。
レシーバ22は、通話の相手側の音声を出力する。すなわち、レシーバ22は、音信号を音に変換して表示部側筐体部3の外部に出力する。
【0022】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0023】
また、図2は、第1実施形態に係る携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、メインアンテナ30と、通信部31と、音声処理部32aと、メモリ33と、操作部11と、マイク12と、表示部21と、レシーバ22とを備える。さらに、携帯電話機1は、切替部341と、温度センサ35と、接続検出部36と、制御部37aと、を備える。なお、操作部11と、マイク12と、表示部21と、レシーバ22との説明は上述したので、以下での説明を省略する。
【0024】
メインアンテナ(アンテナ)30は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のいずれか一方の内部に配置される。メインアンテナ30は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等の外部装置と通信を行う。メインアンテナ30は、例えば、逆Fアンテナとして構成される。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。
【0025】
通信部31は、メインアンテナ30を用いて通信を行う。通信部31は、例えば、メインアンテナ30によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部37aに供給する。また、通信部31は、例えば、制御部37aから供給された信号を変調処理し、メインアンテナ30を介して外部装置に送信する。また、その一方で、通信部31は、メインアンテナ30によって受信している信号の強度を制御部37aに通知する。
【0026】
音声処理部32aは、制御部37aの制御にしたがって、通信部31から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。また、音声処理部32aは、制御部37aの制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を通信部31に出力する。通信部31は、音声処理部32aから供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ30に出力する。
【0027】
また、音声処理部32aは、第1音信号検知部321と、第2音信号検知部322とを備える。
第1音信号検知部321は、音声処理部32aにマイク12から音信号が入力されたことを検知する。なお、第1音信号検知部321は、マイク12により変換された音信号を検知してもよい。
第2音信号検知部322は、音声処理部32aからレシーバ22に音信号が出力されたことを検知する。なお、第2音信号検知部322は、レシーバ22に入力される音信号を検知してもよい。
【0028】
メモリ33は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部37aによる演算処理に利用される。また、メモリ33には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ33は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0029】
切替部341は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうち少なくともいずれかの筐体内部の温度が所定の温度以上である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうち少なくともいずれかの筐体内部の温度が所定の温度未満である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する。なお、切替部341は、導電部材40及び基準電位部41が配置される筐体内部の温度に基づいて、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し又は電気的に切断することが好ましい。
【0030】
また、切替部341は、通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われている場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し、通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われていない場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する。
【0031】
導電部材40は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちいずれかの内部に配置される。導電部材40は、例えば、金属板等から構成される。
また、基準電位部41(GND)は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちいずれかの内部に配置される。基準電位部41は、導電部材40が配置される筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3)と同一の筐体に配置されることが好ましい。基準電位部41は、例えば、筐体内部に配置される回路基板に形成されるグランドパターンや、グランドパターンに電気的に接続される金属板等から構成される。
【0032】
ここで、図3は、第1実施形態に係る携帯電話機1の基準電位部41と、導電部材40と、切替部341とを説明する第1の図である。図4は、第1実施形態に係る携帯電話機1の基準電位部41と、導電部材40と、切替部341とを説明する第2の図である。
【0033】
図3に示す場合では、基準電位部41は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが開放状態になる場合には、導電部材40と電気的に接続する。一方、基準電位部41は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが折畳み状態になる場合には、導電部材40との電気的な接続が切断される。導電部材40は、基準電位部41に対向するように配置される。導電部材40は、基準電位部41の一端部41a側と電気的に接続される。なお、基準電位部41の一端部41aは、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを結合するヒンジ部から離れた側の端部である。
【0034】
切替部341は、スイッチ部から構成される。切替部341(スイッチ部)は、後述する制御部37aの制御に基づいて、スイッチが接続状態にされた場合には、基準電位部41と導電部材40とを電気的に接続する一方、スイッチが開放状態にされた場合には、基準電位部41と導通部とを電気的に切断する。すなわち、スイッチが接続状態になる場合には、基準電位部41の他端部41b側は、切替部341(スイッチ部)を介して基準電位部41の一端部41a側及び導電部材40と電気的に接続する。なお、基準電位部41の他端部41bは、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを結合するヒンジ機構に近い側の端部である。
【0035】
また、図4に示す場合では、導電部材40は、メインアンテナ30に対向して配置される。また、基準電位部41は、導電部材40に隣接して配置される。切替部341は、スイッチ部から構成される。切替部341(スイッチ部)は、制御部37aによる制御に基づいて、スイッチが接続状態にされた場合には、基準電位部41と導電部材40とを電気的に接続する一方、スイッチが開放状態にされた場合には、基準電位部41と導電部材40とを電気的に切断する。
【0036】
図2に示すように、温度センサ35は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちいずれかの内部の温度を測定する。なお、温度センサ35は、導電部材40及び基準電位部41が配置される筐体の内部の温度を測定することが好ましい。温度センサ35によって測定された温度(測定結果)は、制御部37aに供給される。
【0037】
接続検出部36は、筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3)へのイヤホン(図示せず)の接続を検出する。操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちの一方には、イヤホンが接続される端子(図示せず)が配置される。その端子にイヤホンが接続された場合には、音声処理部32aは、音声処理を行った処理後の信号をイヤホンのみに出力する。接続検出部36は、その端子にイヤホンが接続されたことを検出する。
【0038】
制御部37aは、携帯電話機1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。
また、制御部37aは、以下の第1から第5のいずれかの制御を行う。
【0039】
すなわち、制御部37aは、第1の制御として、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御し、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度未満の場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。
【0040】
温度センサ35によって検出される温度が所定の温度以上となる場合には、携帯電話機1は、通話のために人体の頭部に近づけられて、人体の熱により温められた場合が想定される。このように想定される場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが接続状態になるように制御する。これにより、基準電位部41の面積が広がるため、基準電位部41に流れていた電流の密度が変わり、結果として電磁波の放射特性が変わる。よって、SARは低減される。
【0041】
一方、上記の想定が当てはまらない場合、すなわち、携帯電話機1が通話のために人体の頭部に近づけられて筐体の内部が温められていないために、温度センサ35が配置される筐体内部の温度が所定の温度未満となる場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが開放状態になるように制御する。携帯電話機1が人体に近づけられていない場合には、メインアンテナ30から放射される電磁波による人体への影響は小さい。このため、制御部37aは、メインアンテナ30から放射される電磁波の放射特性が低下することがないよう、基準電位部41と導電部材40とが電気的に接続されないように制御する。
【0042】
また、制御部37aは、第2の制御として、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第1音信号検知部321によって音信号が検知された場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。
【0043】
上述したように、温度センサ35によって検出される温度が所定の温度以上となる場合には、携帯電話機1は、通話のために人体の頭部に近づけられて、人体の熱により温められた場合が想定される。さらに、第1音信号検知部321によって音信号が検知された場合には、携帯電話機1は、通話のために(通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われているために)人体の頭部に近づけられている場合が想定される。このように想定される場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが接続状態になるように制御する。これにより、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積が変化するため、基準電位部41に流れていた電流の密度が変わり、結果としてメインアンテナ30の電磁波の放射特性が変わる。よって、SARは低減される。
【0044】
一方、制御部37aは、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度未満の場合、又は、第1音信号検知部321によって音信号が検知されない場合、すなわち、通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われていない場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。
【0045】
また、制御部37aは、第3の制御として、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第2音信号検知部322によって音信号が検知された場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。
【0046】
上述したように、温度センサ35によって検出される温度が所定の温度以上となる場合には、携帯電話機1は、通話のために人体の頭部に近づけられて、人体の熱により温められた場合が想定される。さらに、第2音信号検知部322によって音信号が検知された場合には、携帯電話機1は、通話のために(通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われているために)人体の頭部に近づけられている場合が想定される。このように想定される場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが接続状態になるように制御する。これにより、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積が変化するため、基準電位部41に流れていた電流の密度が変わり、結果としてメインアンテナ30の電磁波の放射特性が変わる。よって、SARは低減される。
【0047】
一方、制御部37aは、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度未満の場合、又は、第2音信号検知部322によって音信号が検知されない場合、すなわち、通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われていない場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。
【0048】
また、制御部37aは、第4の制御として、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、タッチパネルへの接触が検出された場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。
【0049】
上述したように、温度センサ35によって検出される温度が所定の温度以上となる場合には、携帯電話機1は、通話のために人体の頭部に近づけられて、人体の熱により温められた場合が想定される。さらに、タッチパネルを構成する上述した検出部によって物体の接触が検出される場合には、携帯電話機1は、通話のために(通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われているために)人体の頭部に近づけられて、タッチパネルと頭部とが接触している場合が想定される。このように想定される場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが接続状態になるように制御する。これにより、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積が変化するため、基準電位部41に流れていた電流の密度が変わり、結果として電磁波の放射特性が変わる。よって、SARは低減される。
【0050】
一方、制御部37aは、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度未満の場合、又は、タッチパネルへの接触が検出されない場合、すなわち、通信部31によりメインアンテナ30を用いて通信が行われていない場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。
【0051】
また、制御部37aは、第5の制御として、接続検出部36によって筐体へのイヤホンの接続を検出した場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。接続検出部36によってイヤホンの接続が検出される場合には、携帯電話機1は、イヤホンを使用して通話が行われるために、人体から離されている場合が想定される。このように想定される場合には、制御部37aは、切替部341(スイッチ部)のスイッチが開放状態になるように制御する。これにより、基準電位部41によってメインアンテナ30から放射される電磁波の放射特性が低下することを防ぐことができる。
【0052】
なお、制御部37aは、第2から第5のいずれかの制御を組み合わることが可能である。例えば、制御部37aは、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第1音信号検知部321によって音信号が検知され、且つ、第2音信号検知部322によって音信号が検知された場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御することが可能である。また、例えば、制御部37aは、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第1音信号検知部321によって音信号が検知され、且つ、第2音信号検知部322によって音信号が検知され、且つ、タッチパネルへの接触が検出された場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御することも可能である。
【0053】
このような携帯電話機1は、以下の効果を奏する。
すなわち、携帯電話機1は、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちいずれかの内部の温度が所定の温度以上である場合に、切替部341によって導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し、操作部側筐体部2及び表示部側筐体部3のうちいずれかの内部の温度が所定の温度未満である場合に、切替部341によって導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する。これにより、携帯電話機1は、人体に近づけられて筐体内部の温度が所定の温度以上になった場合には導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続することにより、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積を変化させて、基準電位部41に流れる電流の密度を変えることができる。したがって、携帯電話機1では、電磁波の放射特性が変わるため、SARを低減することができる。一方、携帯電話機1は、人体に近づけられずに筐体内部の温度が所定の温度未満になる場合には、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するので、基準電位部41に流れる電流の密度が変わることがない。よって、携帯電話機1は、メインアンテナ30の利得が劣化することを低減することができる。
【0054】
また、携帯電話機1は、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上である場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御し、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度未満の場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。これにより、携帯電話機1は、人体に近づけられて温度が所定の温度以上になった場合には、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御して、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積を変化させるので、基準電位部41に流れる電流の密度を変えることができる。したがって、携帯電話機1では、電磁波の放射特性が変わるため、SARを低減することができる。一方、携帯電話機1は、人体に近づけられずに温度が所定の温度未満の場合には、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御するので、基準電位部41に流れる電流の密度が変わることがない。よって、携帯電話機1は、メインアンテナ30の利得が劣化することを低減することができる。また、携帯電話機1は、温度センサ35を利用することにより、温度センサ35が配置される筐体内部の温度を測定するので、所定の温度に到達したか否かを正確に判断することができる。
【0055】
また、携帯電話機1は、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第1音信号検知部321によって音信号が検知された場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。これにより、携帯電話機1は、温度センサ35によって温度の監視を行うと共に、第1音信号検知部321によって音信号の監視を行い、温度が所定の温度以上であり且つマイク12から音信号が出力される場合には、人体に近づけられていると判断するので、人体に近づけられているか否か正確な判断を行うことができる。
【0056】
また、携帯電話機1は、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、第2音信号検知部322によって音信号が検知された場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。これにより、携帯電話機1は、温度センサ35によって温度の監視を行うと共に、第2音信号検知部322によって音信号の監視を行い、温度が所定の温度以上であり且つレシーバ22に音信号が出力される場合には、人体に近づけられていると判断するので、人体に近づけられているか否か正確な判断を行うことができる。
【0057】
また、携帯電話機1は、温度センサ35によって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、タッチパネルへの接触が検出された場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続するよう切替部341を制御する。これにより、携帯電話機1は、温度センサ35によって温度の監視を行うと共に、タッチパネルによって物体が接触しているか否かの監視を行い、温度が所定の温度以上であり且つタッチパネルに物体が接触している場合には、人体に近づけられていると判断するので、人体に近づけられているか否か正確な判断を行うことができる。
【0058】
また、携帯電話機1は、接続検出部36によってイヤホンの接続が検出された場合に、制御部37aによって導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断するよう切替部341を制御する。これにより、携帯電話機1は、接続検出部36によってイヤホンの接続が検出されない場合には、人体から離れた位置に配置されていると判断するので、メインアンテナ30の利得が劣化することを低減することができる。
【0059】
次に、第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。図6は、第2実施形態に係る携帯電話機1の基準電位部41と、導電部材40と、切替部342とを説明する図である。
【0060】
本発明の携帯端末の第2実施形態に係る携帯電話機1は、第1実施形態の携帯電話機1と同様の外観を有する。また、第2実施形態に係る携帯電話機1は、図5に示すように、メインアンテナ30と、通信部31と、音声処理部32bと、メモリ33と、操作部11と、マイク12と、表示部21と、レシーバ22と、制御部37bとを備える。メインアンテナ30と、通信部31と、メモリ33と、操作部11と、マイク12と、表示部21と、レシーバ22とは、第1の実施形態で説明したものとそれぞれ同様の構成である。
【0061】
音声処理部32bは、制御部37bの制御にしたがって、通信部31から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声処理部32bから供給された信号を外部に出力する。また、音声処理部32bは、制御部37bの制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を通信部31に出力する。通信部31は、音声処理部32bから供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ30に出力する。
制御部37bは、携帯電話機1の全体を制御する。
【0062】
このような携帯電話機1には、基準電位部41と、導電部材40と、切替部342とが筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3)の内部に配置される。
図6に示す場合では、基準電位部41は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが開放状態になる場合には、導電部材40と電気的に接続される。一方、基準電位部41は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが折畳み状態になる場合には、導電部材40との電気的な接続が切断される。このような基準電位部41は、例えば、筐体内部に配置される回路基板に形成されるグランドパターンや、グランドパターンに電気的に接続される金属板等から構成される。
導電部材40は、基準電位部41に対向するように配置される。導電部材40は、金属板等から構成される。
【0063】
切替部342は、その切替部342が配置される筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3)の内部の温度が所定の温度以上である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続し、切替部342が配置される筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3)の内部の温度が所定の温度未満である場合に、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する。
【0064】
具体的には、切替部342は、熱膨張係数の異なる2種類の金属材料(342a,342b)を接合することにより形成される。切替部342は、一端側において導電部材40に固着される。切替部342は、携帯電話機1が人体に近づけられて人体の熱により筐体内部が温められて、その筐体内部の温度が所定の温度以上になる場合には、2種類の金属材料の熱膨張係数の違いにより、湾曲が大きくなって、他端側が基準電位部41に接触する(図6において実線で示す場合)。これにより、導電部材40と基準電位部41とは、切替部342を介して電気的に接続する。
【0065】
一方、切替部342は、携帯電話機1が人体から離されて人体の熱により筐体内部が温められず、その筐体内部の温度が所定の温度未満になる場合には、2種類の金属材料の熱膨張係数の違いにより、湾曲が小さくなって、他端側が基準電位部41から離れる(図6において二点差線で示す場合)。これにより、導電部材40と基準電位部41とは、電気的に切断される。
【0066】
このような携帯電話機1は、熱膨張係数の異なる2種類の金属材料を接合することにより切替部342を形成したので、携帯電話機1が人体に近づけられた場合には、導電部材40と基準電位部41とが電気的に接続される。この場合、携帯電話機1は、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積が変化して、基準電位部41に流れる電流の密度が変わる。よって、携帯電話機1は、電磁波の放射特性が変わるため、SARを低減することができる。
【0067】
次に、第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態に係る携帯電話機1の基準電位部41と、導電部材40と、切替部343とを説明する図である。
本発明の携帯端末の第3実施形態に係る携帯電話機1は、第1実施形態の携帯電話機1と同様の外観を有する。また、第3実施形態に係る携帯電話機1は、第2実施形態の携帯電話機1と同様の機能ブロックを有する。さらに、第3実施形態に係る携帯電話機1は、第2実施形態と同様の基準電位部41及び導電部材40を有する。
【0068】
図7に示すように、基準電位部41と導電部材40との間には、空隙部を有する導電部42が配置される。空隙部は、導電部材40に接合される一方の導電部42と、基準電位部41に接合される他方の導電部42との間に形成される。その空隙部には、切替部343が配置される。切替部343は、一部分が空隙部に配置された収容部43を有する。収容部43は、導電部42と接合する部分43aが金属等の導電性材料により形成され、導電部42と接続する部分を除く他の部分43bが非導電性材料により形成される。収容部43には、熱膨張する金属材料44が収容される。その金属材料44は、例えば、水銀等である。
【0069】
金属材料44は、携帯電話機1が人体に近づけられることにより人体の熱により筐体内部が温められて、その筐体内部の温度が所定の温度以上になる場合には、収容部43の内部を空隙部に対応する位置に移動して導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続する(図7(B)参照)。一方、金属材料44は、携帯電話機1が人体から離されることにより人体の熱により筐体内部が温められず、その筐体内部の温度が所定の温度未満になる場合には、収容部43の内部を空隙部に対応する位置とは異なる位置に移動して導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する(図7(A)参照)。
【0070】
このような携帯電話機1は、熱膨張する金属材料44が収容された収容部43により切替部343を形成したので、携帯電話機1が人体に近づけられた場合には、導電部材40と基準電位部41とが電気的に接続される。この場合、携帯電話機1は、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積が変化するため、基準電位部41に流れる電流の密度が変わる。よって、携帯電話機1は、電磁波の放射特性が変わるため、SARを低減することができる。
【0071】
次に、第4実施形態について説明する。図8は、第4実施形態に係る携帯電話機1の基準電位部41と、導電部材40と、切替部344とを説明する図である。
本発明の携帯端末の第4実施形態に係る携帯電話機1は、第1実施形態の携帯電話機1と同様の外観を有する。また、第4実施形態に係る携帯電話機1は、第2実施形態の携帯電話機1と同様の機能ブロックを有する。さらに、第4実施形態に係る携帯電話機1は、第2実施形態と同様の基準電位部41及び導電部材40を有する。
【0072】
図8に示すように、切替部344は、例えば金属等の、撓むことが可能な導電性材料から形成される。その切替部344の一端は、導電部材40に固着される。また、切替部344の他端は、撓み(湾曲)が大きくなった場合には、基準電位部41に接触するようになっている。
【0073】
また、切替部344が配置される筐体(操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3(図8に示す場合では、表示部側筐体部3))には、気体が封入された膨張部46が設けられている。気体としては、例えばヘリウム等が挙げられる。膨張部46は、携帯電話機1が人体の頭部等に近づけられた場合には、人体の熱により温められて膨張するようになっている。膨張部46は、膨張した場合に、切替部344を図8における下方に押し下げる押圧力を切替部344に加える。
【0074】
携帯電話機1が人体から離されることによって人体の熱により筐体内部が温められない場合には、図8(A)に示すように、膨張部46は収縮する。この場合、切替部344は、膨張部46によって押圧力が加えられず、他方の端部が基準電位部41から離れる。これにより、切替部344は、導電部材40と基準電位部41とを電気的に切断する。
【0075】
一方、携帯電話機1が人体に近づけられて人体の熱により筐体内部が温められた場合には、図8(B)に示すように、膨張部46は膨張する。この場合、切替部344は、膨張する膨張部46によって押圧力が加えられて、他端が基準電位部41側へ移動する。さらに筐体内部が温められて筐体内部の温度が所定の温度以上になる場合には、切替部344は、さらに膨張する膨張部46によって押圧力が加えられて、他端が基準電位部41に接触する。これにより、切替部344は、導電部材40と基準電位部41とを電気的に接続する。
【0076】
このような携帯電話機1は、熱によって膨張する膨張部46によって切替部344に押圧力を加えて、切替部344の他端を移動させるようにしたので、携帯電話機1が人体に近づけられた場合には、導電部材40と基準電位部41とが電気的に接続される。この場合、携帯電話機1は、メインアンテナ30から見た基準電位部41の面積を変化させて、基準電位部41に流れる電流の密度が変わる。よって、携帯電話機1は、電磁波の放射特性が変わるため、SARを低減することができる。
【0077】
第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態においても、筐体内部の温度が所定の温度より低くなる場合、すなわち、人体から離れていると考えられる場合には、導電部材40と基準電位部41とが電気的に切断されるので、基準電位部41によりメインアンテナ30の利得が劣化することを低減できる。
【0078】
なお、図8に示す場合には、切替部344の一端が導電部材40に固着され、膨張部46の膨張に伴って切替部344の他端が基準電位部41に接触する構成であるが、本発明は、この構成に限定されることはない。すなわち、切替部344の一端が基準電位部41に固着され、膨張部46の膨張に伴って切替部344の他端が導電部材40に接触する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯電話機(携帯端末)
12 マイク
21 表示部
22 レシーバ
30 メインアンテナ(アンテナ)
31 通信部
35 温度センサ
36 接続検出部
37a,37b 制御部
40 導電部材
41 基準電位部
42 導電部
43 収容部
44 金属材料
321 第1音信号検知部
322 第2音信号検知部
341〜344 切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されるアンテナと、
前記筐体の内部に配置される導電部材と、
前記筐体の内部に配置される基準電位部と、
前記アンテナを用いて通信を行う通信部と、
前記筐体の内部の温度が所定の温度以上である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記筐体の内部の温度が所定の温度未満である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断する切替部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上である場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御し、前記温度センサによって測定される温度が所定の温度未満の場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断するよう前記切替部を制御する制御部と、
を備える請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、
入力された音を音信号に変換するマイクと、
前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記マイクに音が入力される場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、
を備える請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、
音信号を音に変換して前記筐体の外部に出力するレシーバと、
前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記レシーバから音が出力される場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、
を備える請求項1に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記筐体の内部の温度を測定する温度センサと、
前記筐体における所定の面に配置されるタッチパネルと、
前記温度センサによって測定される温度が所定の温度以上であり、且つ、前記タッチパネルへの接触が検出された場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続するよう前記切替部を制御する制御部と、
を備える請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記所定の面には、マイク及びレシーバの少なくとも一方が配置される
請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記筐体へのイヤホンの接続を検出する接続検出部を備え、
前記制御部は、前記接続検出部によって前記筐体へのイヤホンの接続を検出した場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断するよう前記切替部を制御する
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記切替部は、熱膨張係数の異なる2種類の金属材料を接合することにより形成される
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記導電部材と前記基準電位部と間に配置された、空隙部を有する導電部を備え、
前記切替部は、熱膨張する金属材料が収容され、一部分が前記空隙部に配置された収容部を有し、
前記金属材料は、前記筐体の内部の温度が所定の温度以上である場合に、前記収容部の内部を前記空隙部に対応する位置に移動して前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記筐体の内部の温度が所定の温度未満である場合に、前記収容部の内部を前記空隙部に対応する位置とは異なる位置に移動して前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断する
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項10】
気体が封入された膨張部を備え、
前記切替部の一端は、前記導電部材及び前記基準電位部のうちの一方に電気的に接続され、
前記膨張部は、前記筐体の内部の温度が上昇することに応じて膨張して前記切替部に押圧力を加えて前記切替部の他端を移動させ、前記筐体の温度が所定の温度以上になる場合に前記切替部の他端を前記導電部材及び前記基準電位部のうちの他方に電気的に接続させる
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項11】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されるアンテナと、
前記筐体の内部に配置される導電部材と、
前記筐体の内部に配置される基準電位部と、
前記アンテナを用いて通信を行う通信部と、
前記通信部により前記アンテナを用いて通信が行われている場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に接続し、前記通信部により前記アンテナを用いて通信が行われていない場合に、前記導電部材と前記基準電位部とを電気的に切断する切替部と、
を備える携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−74870(P2012−74870A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217479(P2010−217479)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】