説明

携帯電子機器用アンテナ及び携帯電子機器

【課題】アンテナが携帯電子機器のユーザ及び該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない携帯電子機器用アンテナ及び該アンテナを用いた携帯電子機器を提供する。
【解決手段】アンテナエレメント下端部52と、アンテナエレメント下端部52を収納するホルダ部55とを有する回転規制部53を備え、アンテナエレメント下端部52の、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状を、平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形とし、ホルダ部55の、ホルダ部55の長さ方向に垂直な断面(図3のA−A線の断面)の形状を、略長方形とした。これにより、ホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制することができ、携帯電子機器1のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばワンセグ放送を受信可能な携帯電話機等の携帯電子機器に用いられるホイップアンテナ等の携帯電子機器用アンテナ及び該携帯電子機器用アンテナを用いた携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電子機器用アンテナとして、例えば特許文献1に記載されている「アンテナ構造」が知られている。この特許文献1に記載されたアンテナ構造は、アンテナを本体ユニットに対して複数方向へ自由に回転させることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−236569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたアンテナ構造は、アンテナを複数方向へ自由に回転させることができることから、携帯電子機器のユーザのみならず、該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがあるという課題がある。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、アンテナが携帯電子機器のユーザ及び該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない携帯電子機器用アンテナ及び該アンテナを用いた携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器用アンテナは、当該携帯電子機器用アンテナの長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する回転規制部を備える。
【0007】
上記構成によれば、アンテナが携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人の方向へ回転しないように、アンテナの回転を規制できるので、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0008】
上記構成において、当該携帯電子機器用アンテナの長さ方向に対して直角な方向の軸を中心として、当該携帯電子機器用アンテナを回転させるヒンジ部を備え、前記回転規制部は、前記ヒンジ部による回転の軸の向きからの回転を所定角度以内に規制するものを含む。
【0009】
上記構成によれば、アンテナが携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人の方向へ回転しないように、アンテナの回転を規制できるので、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0010】
上記構成において、当該携帯電子機器用アンテナは、その本体であるアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの下端に位置するアンテナエレメント下端部と、を有し、前記回転規制部は、前記アンテナエレメント下端部と、前記アンテナエレメントを収納するホルダ部と、を有するものを含む。
【0011】
上記構成によれば、アンテナが携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人の方向へ回転しないように、アンテナの回転を規制できるので、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0012】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であるものを含む。
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、前記アンテナエレメント下端部と前記ホルダ部との間に隙間を有するものを含む。
【0013】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部とホルダ部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナが回転することがないため、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0014】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凸部を有する円形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凹部を有する円形であるものを含む。
【0015】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部の凸部とホルダ部の凹部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナが回転することがないため、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0016】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略蝶形であるものを含む。
【0017】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部とホルダ部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナが回転することがないため、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0018】
また、本発明の携帯電子機器は、本体ユニットの外側にアンテナが配置される携帯電子機器であって、前記アンテナは、当該アンテナの長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する回転規制部を備える。
【0019】
上記構成によれば、回転規制部によってアンテナの回転が所定角度以内に規制されるので、アンテナが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0020】
上記構成において、前記アンテナは、当該アンテナの長さ方向に対して直角な方向の軸を中心として、当該アンテナを回転させるヒンジ部を備え、前記回転規制部は、前記ヒンジ部による回転の軸の向きからの回転を所定角度以内に規制するものを含む。
【0021】
上記構成によれば、回転規制部によってアンテナの回転が所定角度以内に規制されるので、アンテナが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0022】
上記構成において、前記アンテナは、その本体であるアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの下端に位置するアンテナエレメント下端部と、を有し、前記回転規制部は、前記アンテナエレメント下端部と、前記アンテナエレメントを収納するホルダ部と、を有するものを含む。
【0023】
上記構成によれば、アンテナエレメントが携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる人の方向へ回転しないように規制するので、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0024】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であるものを含む。
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、前記アンテナエレメント下端部と前記ホルダ部との間に隙間を有するものを含む。
【0025】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部とホルダ部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナエレメントが回転しないように規制がかかるので、アンテナエレメントが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0026】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凸部を有する円形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凹部を有する円形であるものを含む。
【0027】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部の凸部とホルダ部の凹部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナエレメントが回転しないように規制がかかるので、アンテナエレメントが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0028】
上記構成において、前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であり、前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略蝶形であるものを含む。
【0029】
上記構成によれば、アンテナエレメント下端部とホルダ部との間の隙間部分の範囲を超えてアンテナエレメントが回転しないように規制がかかるので、アンテナエレメントが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【0030】
また、本発明の携帯電子機器は、無線通信回路を内蔵し、表示部を有する本体ユニットの外側にアンテナが配置される携帯電子機器であって、前記アンテナが、前記表示部の前後方向への回転を、所定角度以内に規制された。
【0031】
上記構成によれば、アンテナエレメントの表示部の前後方向への回転が所定角度を超えて回転しないように規制がかかるので、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、アンテナが所定角度を超えて回転しないように規制するので、アンテナが、携帯電子機器のユーザや該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔になることがない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係る携帯電子機器を示す斜視図
【図2】図1の携帯電子機器のホイップアンテナを示す図
【図3】(a)、(b)図1の携帯電子機器のホイップアンテナの回転規制部を含むその近傍の構造を示す断面図
【図4】(a)、(b)図1の携帯電子機器のホイップアンテナにおいてホルダ部に収納されるアンテナエレメント下端部が回転した状態を示す断面図
【図5】図1の携帯電子機器の使用状況の一例を示す図
【図6】図1の携帯電子機器の表示部が設けられた側と反対側に他の人がいる場合の携帯電子機器の使用状況の一例を示す図
【図7】(a)〜(c)図1の携帯電子機器のホイップアンテナの回転規制部の変形例(1)の断面形状を示す図、及びホルダ部に収納されるアンテナエレメント下端部が回転した状態を示す断面図
【図8】(a)〜(c)図1の携帯電子機器のホイップアンテナの回転規制部の変形例(2)の断面形状を示す図、及びホルダ部に収納されるアンテナエレメント下端部が回転した状態を示す断面図
【図9】(a)〜(c)図1の携帯電子機器のホイップアンテナの回転規制部の変形例(3)の断面形状を示す図、及びホルダ部に収納されるアンテナエレメント下端部が回転した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯電子機器を示す斜視図である。同図において、本実施の形態の携帯電子機器1は、ワンセグ放送を受信可能な携帯電話機と同等のものであり、ワンセグ受信回路2及び無線通信回路3を内蔵し、表示部4を有する本体ユニット1Aの上端部にはワンセグ放送を受信するためのホイップアンテナ(携帯電子機器用アンテナ)5が配設されている。ホイップアンテナ5は、Y−Z平面で回転可能であるとともに、X−Y平面の所定角度以内で回転可能となっている。この場合、X−Y平面では、表示部4の前方向側の+αの範囲と、表示部4の後方向側の−αの範囲で回転可能となっている。携帯電子機器1には、表示部4を有する本体ユニット1Aの上部にはレシーバ6が配設されており、また下部にはマイク7が配設されている。レシーバ6は、携帯電話として使用するときの受話に使用され、マイク7は、携帯電話として使用するときの送話に使用される。ワンセグ放送受信にはレシーバ6以外のレシーバ(図示略)からワンセグ放送の音声が出力される。
【0036】
図2は、ホイップアンテナ5を示す図である。同図において、ホイップアンテナ5は、その本体であるアンテナエレメント51と、アンテナエレメント51の下端に位置するアンテナエレメント下端部52と、ホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する回転規制部53と、ホイップアンテナ5の長さ方向に対して直角な方向の軸を中心としてアンテナエレメント51を回転させるヒンジ部54とを備える。回転規制部53は、アンテナエレメント下端部52と、アンテナエレメント下端部52を収納するホルダ部55とを有する。
【0037】
図3は、ホイップアンテナ5の回転規制部53を含むその近傍の構造を示す断面図である。図3の(a)は、X−Z平面の縦断面図及びA−A線断面図(横断面図)である。図3の(b)は、Y−Z平面の縦断面図及びA−A線断面図(横断面図)である。図4の(a)、(b)は、図3の(b)に対応するA−A線断面図において、ホルダ部55に収納されるアンテナエレメント下端部52が回転した状態の断面図である。ホルダ部55に収納されるアンテナエレメント下端部52は、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状が、平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形になっている。ホルダ部55は、その長さ方向に垂直な断面の形状が略長方形になっている。なお、図3の(a)、(b)及び図4の(a)、(b)に示すように、ホルダ部55の断面形状は、より具体的には、例えば、略平面形状のY−Z面(X軸に垂直な面)と、ホルダ部55の中心軸を中心とする略円筒面(図4の(a)、(b)の断面は略円形)とから構成される。ホルダ部55の断面形状を略長方形とし、アンテナエレメント下端部52の断面形状を略六角形とすることで、アンテナエレメント下端部52とホルダ部55との間に隙間60ができ、この隙間60の範囲で図4の(a)から(b)に示す範囲でアンテナエレメント下端部52が回転する。逆に言えば、この隙間60の範囲を超えてホイップアンテナ5が回転することがない。なお、隙間60の範囲は、ホルダ部55の断面形状とアンテナエレメント下端部52の形状とを変えることで任意に決めることができる。すなわち、略六角形の平行な2つの辺と図4の(a)、(b)中の破線で示す中心軸とのなす角度を大きくすることで、隙間60の範囲が大きくなり、その結果、回転角度が大きくなる。逆にこの角度を小さくすることで隙間60の範囲が小さくなり、その結果、回転角度が小さくなる。また、この角度がゼロの場合は、アンテナエレメント下端部52は回転できない(この場合、アンテナエレメント下端部52の形状は、略四角形となる)。これらの場合において、図4の(a)、(b)中のホルダ部55の断面のX方向の幅は、図4の(a)、(b)中の破線で示すアンテナエレメント下端部52の中心軸と直交する軸の長さと略同一にするものとする。このように回転規制部53は、ホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する。
【0038】
また、図3の(a)、(b)及び図4の(a)、(b)に示すように、ホルダ部55の断面形状は、より具体的には、例えば、略平面形状のY−Z面(X軸に垂直な面)と、ホルダ部55の中心軸を中心とする略円筒面(図4の(a)、(b)の断面は略円形)とから構成されるものとしたが、他の例として、例えば、アンテナエレメント下端部52の断面形状は図4の(a)、(b)のものと変えずに、ホルダ部55の断面形状を図4の(a)、(b)のY方向の長さよりも長くすれば、ホルダ部55の断面形状を略長方形など他の形状とすることもできる。すなわち、図4の(a)、(b)のホルダ部55の略円形の断面形状の部分を直線とするなど他の形状とすることもできる。この場合、アンテナエレメント下端部52の断面形状のうち、図4の(a)、(b)中の破線で示すアンテナエレメント下端部52の中心軸と直交する2辺についても同様に他の形状とすることもできる。これらの部分によって回転規制されるわけではないからである。この点は、以下で説明する図7、8、9に示す回転規制部においても同様である。
【0039】
図5は、本実施の形態の携帯電子機器1の使用状況の一例を示す図である。同図に示す回転範囲10は、携帯電子機器1のホイップアンテナ5が回転する範囲であり、非回転範囲11は携帯電子機器1のホイップアンテナ5が回転しない範囲である。ホイップアンテナ5は、回転範囲10を超えて回転することがないので、ユーザ100の邪魔になることがない。図6は、携帯電子機器1の表示部4が設けられた側と反対側に他の人110がいる場合の携帯電子機器1の使用状況の一例を示す図である。同図に示すように、他の人110の位置は、ホイップアンテナ5の回転範囲10以外であるので、ホイップアンテナ5は他の人110の邪魔になることがない。
【0040】
このように本実施の形態の携帯電子機器1によれば、アンテナエレメント下端部52と、アンテナエレメント下端部52を収納するホルダ部55とを有する回転規制部53を備え、アンテナエレメント下端部52の、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状を、平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形とし、ホルダ部55の、ホルダ部55の長さ方向に垂直な断面(図3のA−A線の断面)の形状を、略長方形としたので、ホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制することができ、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110に対して邪魔になることがない。すなわち、ホイップアンテナ5を、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110の方向へ回転しないように規制することから、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110に対して邪魔になることがない。
【0041】
また、本実施の形態の携帯電子機器1では、ホイップアンテナ5の回転規制を、アンテナエレメント51の延設部であるアンテナエレメント下端部52と、アンテナエレメント下端部52を収納するホルダ部55とで行うことから、屈曲強度を確保することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、回転規制部53のアンテナエレメント下端部52の形状を略六角形とし、ホルダ部55の形状を略長方形としたが、これらの形状に限定されるものではなく、ホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制できれば如何なる形状を採っても良い。以下にその変形例を挙げる。
【0043】
(変形例(1))
図7の(a)〜(c)は、変形例(1)の回転規制部53Bの断面形状を示す図、及びホルダ部55Bに収納されるアンテナエレメント下端部52Bが回転した状態の断面図である。同図に示す変形例(1)の回転規制部53Bは、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状が、2つの凸部52B1,52B2を有する円形のアンテナエレメント下端部52Bと、図3のA−A線の断面と同様の断面の形状が、2つの凹部55B1,55B2を有する円形のホルダ部55Bと有するものである。このような構成を採ることで、アンテナエレメント下端部52Bの凸部52B1,52B2とホルダ部55Bの凹部55B1,55B2との間の隙間部分の範囲を超えてホイップアンテナ5が回転することがない。したがって、この変形例(1)でもホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制することができるので、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110に対して邪魔になることがない。
【0044】
(変形例(2))
図8の(a)〜(c)は、変形例(2)の回転規制部53Cの断面形状を示す図、及びホルダ部55Cに収納されるアンテナエレメント下端部52Cが回転した状態の断面図である。同図に示す変形例(2)の回転規制部53Cは、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状が、1つの凸部52C1を有する円形のアンテナエレメント下端部52Cと、図3のA−A線の断面と同様の断面の形状が、1つの凹部55C1を有する円形のホルダ部55Cと有するものである。このような構成を採ることで、アンテナエレメント下端部52Cの凸部52C1とホルダ部55Cの凹部55C1との間の隙間部分の範囲を超えてホイップアンテナ5が回転することがない。したがって、この変形例(2)でもホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制することができるので、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110に対して邪魔になることがない。
【0045】
(変形例(3))
図9の(a)〜(c)は、変形例(3)の回転規制部53Dの断面形状を示す図、及びホルダ部55Dに収納されるアンテナエレメント下端部52Dが回転した状態の断面図である。同図に示す変形例(3)の回転規制部53Dは、アンテナエレメント51の長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であるアンテナエレメント下端部52Dと、図3のA−A線の断面と同様の断面の形状が、略蝶形であるホルダ部55Dとを有するものである。このような構成を採ることで、アンテナエレメント下端部52Dとホルダ部55Dとの間の隙間部分の範囲を超えてホイップアンテナ5が回転することがない。したがって、この変形例(3)でもホイップアンテナ5の長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制することができるので、携帯電子機器1のユーザ100や該ユーザ100の近くにいる他の人110に対して邪魔になることがない。
【0046】
前述した実施の形態の回転規制部53及び上述した変形例(1)〜(3)の回転規制部53B,53C,53Dのホルダ部55,55B,55C,55Dのそれぞれの外形を略長方形の多角形状としたが、多角形状に限定されるものではなく、円形や楕円形であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、携帯電子機器用アンテナが携帯電子機器のユーザ及び該ユーザの近くにいる他の人に対して邪魔しないといった効果を有し、ワンセグ放送等の電波を受信するためのホイップアンテナ等のアンテナを有する携帯電子機器への適用が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯電子機器
1A 本体ユニット
2 ワンセグ受信回路
3 無線通信回路
4 表示部
5 ホイップアンテナ
6 レシーバ
7 マイク
10 ホイップアンテナの回転範囲
11 ホイップアンテナの非回転範囲
51 アンテナエレメント
52,52B,52C,52D アンテナエレメント下端部
52B1,52B2,52C1 凸部
53,53B,53C,53D 回転規制部
54 ヒンジ部
55,55B,55C,55D ホルダ部
55B1,55B2,55C1 凹部
60 隙間
100 ユーザ
110 他の人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子機器用アンテナであって、
当該携帯電子機器用アンテナの長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する回転規制部を備える
携帯電子機器用アンテナ。
【請求項2】
当該携帯電子機器用アンテナの長さ方向に対して直角な方向の軸を中心として、当該携帯電子機器用アンテナを回転させるヒンジ部を備え、
前記回転規制部は、前記ヒンジ部による回転の軸の向きからの回転を所定角度以内に規制する
請求項1に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項3】
当該携帯電子機器用アンテナは、その本体であるアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの下端に位置するアンテナエレメント下端部と、を有し、
前記回転規制部は、前記アンテナエレメント下端部と、前記アンテナエレメントを収納するホルダ部と、を有する
請求項1又は請求項2に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項4】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形である
請求項3に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項5】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、
前記アンテナエレメント下端部と前記ホルダ部との間に隙間を有する
請求項3に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項6】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凸部を有する円形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凹部を有する円形である
請求項3に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項7】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略蝶形である
請求項3に記載の携帯電子機器用アンテナ。
【請求項8】
本体ユニットの外側にアンテナが配置される携帯電子機器であって、
前記アンテナは、
当該アンテナの長さ方向を軸とする回転を所定角度以内に規制する回転規制部を備える
携帯電子機器。
【請求項9】
前記アンテナは、
当該アンテナの長さ方向に対して直角な方向の軸を中心として、当該アンテナを回転させるヒンジ部を備え、
前記回転規制部は、前記ヒンジ部による回転の軸の向きからの回転を所定角度以内に規制する
請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記アンテナは、その本体であるアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの下端に位置するアンテナエレメント下端部と、を有し、
前記回転規制部は、前記アンテナエレメント下端部と、前記アンテナエレメントを収納するホルダ部と、を有する
請求項8又は請求項9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な略六角形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形である
請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくとも平行な2つの辺を有する左右対称な形状であり、
前記アンテナエレメント下端部と前記ホルダ部との間に隙間を有する
請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凸部を有する円形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、少なくともひとつの凹部を有する円形である
請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項14】
前記アンテナエレメント下端部は、前記アンテナエレメントの長さ方向に垂直な断面の形状が、略長方形であり、
前記ホルダ部は、前記ホルダ部の長さ方向に垂直な断面の形状が、略蝶形である
請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項15】
無線通信回路を内蔵し、表示部を有する本体ユニットの外側にアンテナが配置される携帯電子機器であって、
前記アンテナが、前記表示部の前後方向への回転を、所定角度以内に規制された
携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−147402(P2012−147402A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6289(P2011−6289)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】