説明

携帯電子機器

【課題】対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】表示部21と、一文字または文字列を、拡大対象として記憶する記憶部101と、記憶部101に拡大対象として記憶されている一以上の文字を表示する対象文字表示領域Aと、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの所定の一文字を、所定の倍率で拡大して表示する拡大文字表示領域Bを生成し、生成した対象文字表示領域A及び拡大文字表示領域Bを表示部21に表示する文字表示制御部102と、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの一文字を選択する選択部103と、を備え、文字表示制御部102は、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの選択されている一文字を所定の倍率で拡大した拡大文字を、拡大文字表示領域Bに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作に応じて文字の入力機能を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器では、表示領域が限られているため、効率的に文章の入力が行えるように構成されている。具体的には、携帯電子機器では、入力した文字の前後を確認しながら作文が行えるような操作表示形態をとっている。ここで、当該操作表示形態の簡易な方法としては、文字の入力作業において、表示される文字サイズを制限することで、前後の文字列を一度に表示領域に表示する方法がある。しかし、この方法では、一度に表示する文字数を多くすると文字サイズが小さくなって視認性が低下し、一方で、視認性を向上しようとすると一度に表示できる文字数が限定されてしまう。
【0003】
ここで、特許文献1によれば、変換候補を表示する際において、変換候補の文字数に応じて文字の大きさを調整する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2003−60767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電子機器では、一般的にビットマップフォントが採用されているため、複数の文字サイズを保有する場合には、同一の文字に対してサイズの異なる文字を保有する必要があり、また、大きなサイズの文字は容量が大きいため、メモリへの負担が大きい問題点がある。
【0005】
また、上述した操作表示形態の簡易な方法においては、前後の文脈を確認しながら文章を作成する目的以外の場合、すなわち単語を表示させる目的の場合であっても、文章を作成する場合と同様のフォームが利用され、同一の文字サイズが使用される。したがって、目的に応じた最適な表示形態になっていない問題点がある。
【0006】
また、単語を表示させる目的の中には、例えば、使用者において思い出せない漢字を確認する目的や、複雑な漢字(例えば、画数の多い漢字等)を確認する目的が含まれている。このような場合においては、該当する文字(漢字)を相当程度拡大して表示する必要があるが、従来の携帯電子機器では文字の拡大には限界がある。
【0007】
また、使用者において、携帯電子機器のアドレス帳に登録されている情報を参照しながら葉書を書く場合がある。このような場合において、宛名等に複雑な文字が含まれている場合には、相当程度に拡大しなければ正確な文字を認識することができない。
【0008】
本発明は、文字を確認したい場合において、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、表示部と、一文字または文字列を、拡大対象として記憶する記憶手段と、前記記憶手段に拡大対象として記憶されている一以上の文字を表示する対象文字表示領域と、前記対象文字表示領域に表示される一以上の文字のうちの所定の一文字を、所定の倍率で拡大して表示する拡大文字表示領域を生成し、生成した前記対象文字表示領域及び前記拡大文字表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、前記対象文字表示領域に表示される前記一以上の文字のうちの一文字を選択する選択手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記対象文字表示領域に表示される前記一以上の文字のうちの前記選択されている一文字を前記所定の倍率で拡大した拡大文字を、前記拡大文字表示領域に表示することを特徴とする。
【0010】
また、上記携帯電子機器では、前記記憶手段に拡大対象として記憶する文字列を指定する指定手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記指定手段により指定された文字列のうち、所定の画数以上の文字のみを前記対象文字表示領域に表示することが好ましい。
【0011】
また、上記携帯電子機器では、前記記憶手段に拡大対象として記憶する文字列を指定する指定手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記指定手段により指定された文字列のうち、文字を構成するのに必要となる画素数が所定の画素数を超える文字のみを前記対象文字表示領域に表示することが好ましい。
【0012】
また、上記携帯電子機器では、前記表示部に初期画面が表示されている状態において、文字入力手段により文字の入力操作が行われたときに、当該入力操作に応じた文字を表示するための文字表示領域を有する文字表示アプリケーションを起動する起動手段を備え、前記記憶手段は、前記起動手段により前記文字表示アプリケーションが起動されて、前記文字表示領域に所定の文字列が入力されたときに、当該文字列を記憶することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でも良い。
【0015】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0016】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22と、を備えて構成されている。
【0017】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0018】
また、図2は、携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話装置1は、図2に示すように、操作部11(キー操作部)と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、表示制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45と、が操作部側筐体部2に備えられ、表示部21(表示部)と、スピーカ22と、ドライバIC23と、サブ表示部30とが表示部側筐体部3に備えられている。
【0019】
メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)に対応できるデュアルバンド対応構成である。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯で外部装置と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯に対応できるアンテナを別途設けても良い。
【0020】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45に通知を行う。
【0021】
表示制御部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、表示制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21またはサブ表示部30に出力する。
【0022】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0023】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0024】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていても良い。
【0025】
制御部45は、携帯電話装置1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。ここで、操作部11によるキー操作に応じた制御部45の制御動作について説明する。制御部45は、原則的に現在アクティブに起動されているアプリケーションに応じて、操作部11を構成する各キー(機能設定操作キー13、入力操作キー14、決定操作キー15)に割り当てる記号や機能を変化させる。
【0026】
具体的には、操作部11は、いずれかのキーが押下されたときに、当該キーの位置情報(例えば、図3(a)に示すように、入力操作キー14の第2行左列のキー(「1」と「あ」が表面に印刷されているキー)が押下された場合には、(X2、Y1)なる位置情報)を制御部45に送信する。制御部45は、メモリ44にアクセスして、現在アクティブになっているアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを参照し、操作部11から送信されてきた位置情報から割り当てられている記号や機能の処理を実行する。例えば、メモリ44には、図3(b)〜図3(d)に示すように、複数のキーアサインテーブルが格納されている。なお、図3(b)は、電話発信を行う際に利用されるテーブルであり、図3(c)は、メモ帳アプリケーションやメールアプリケーションにおいて利用されるテーブルであり、図3(d)は、テレビアプリケーションにおいてチャンネルを変更する際に利用されるテーブルである。
【0027】
また、携帯電話装置1では、操作部11による記号の入力はトグル的に動作(繰り返し表示させる動作)する。例えば、ひらがな入力の設定において、入力操作キー14の第2行左列のキー(「1」と「あ」が表面に印刷されているキー)が連続的に押下されることにより、「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」・・・、とトグル的に動作する。
【0028】
また、記号の処理を実行するとは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがメモ帳の場合には、キーの押下に応じて「1」や「あ」等を表示部21に表示することを意味している。また、機能の処理を実行するとは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがテレビの場合には、キーの押下に応じて表示チャンネルを1ch等に設定することを意味している。
【0029】
このようにして、メモリ44には、複数のキーアサインテーブルが格納されており、制御部45は、アプリケーションに応じて、参照するキーアサインテーブルを切り替え、操作部11から送信されてくるキーの位置情報に基づいて所定のキーアサインテーブルを参照して、所定の処理を実行する。
【0030】
このように構成される携帯電話装置1では、文字を確認したい場合において、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保する機能を有している。ここで、上述した機能を発揮するための構成について機能的に説明する。携帯電話装置1は、図4に示すように、表示部21と、記憶部101(記憶手段)と、文字表示制御部102(文字制御手段)と、選択部103(選択手段)と、を備える。なお、記憶部101は、上述したメモリ44に包括されて構成されていても良いし、メモリ44とは物理的に異なる別個の構成であっても良い。また、文字表示制御部102は、上述した表示制御部42に相当し、選択部103は、上述した制御部45により発揮される機能である。
【0031】
記憶部101は、一文字または文字列を、拡大対象として記憶する。文字表示制御部102は、記憶部101に拡大対象として記憶されている一以上の文字を表示する対象文字表示領域Aと、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの所定の一文字を、所定の倍率で拡大して表示する拡大文字表示領域Bを生成し、生成した対象文字表示領域A及び拡大文字表示領域Bを表示部21に表示する。
【0032】
選択部103は、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの一文字を選択する。具体的には、表示部21に表示されている選択部103の機能を有するボタンXを選択することにより文字列がスクロールする。
【0033】
また、文字表示制御部102は、対象文字表示領域Aに表示される一以上の文字のうちの選択されている一文字を所定の倍率で拡大し、拡大した文字を拡大文字表示領域Bに表示する。この文字表示制御部102による機能は、所定のアプリケーション(以下、文字拡大アプリケーションという。)が起動されることにより発揮される。
【0034】
ここで、具体例を説明する。なお、以下では、「拡大確認時のはで表示」という文字列を拡大表示する一例を示し、ユーザによる操作によって文字拡大アプリケーションが起動されているものとする。記憶部101は、例えば、ユーザの操作によって入力された「拡大確認時のはで表示」という文字列を記憶する。文字表示制御部102は、記憶部101に拡大対象として記憶されている文字列を対象文字表示領域Aに表示する。このとき、文字表示制御部102は、図5(a)に示すように、文字列の第1文字目を他の文字と区別するために反転表示等して対象文字表示領域Aに表示する。
【0035】
また、文字表示制御部102は、対象文字表示領域Aに表示される文字のうちの他の文字と区別されている文字(図5(a)に示す例では、「拡」である)を、拡大文字表示領域Bに所定の倍率で拡大して表示する。なお、所定の倍率とは、図5に示す例では、対象文字表示領域Aに表示されている文字の約9倍の大きさになる倍率である。
【0036】
また、図5(a)の表示部21に表示されているボタンXを選択すると、対象文字表示領域Aにおける選択表示が文字「拡」から次の文字「大」に移動する。この移動に伴って、文字表示制御部102は、図5(b)に示すように、拡大文字表示領域Bに「大」の文字を拡大表示する。また、文字表示制御部102は、以降、ボタンXが適宜選択されることにより対象文字表示領域Aで選択表示する文字を順次切り替え、当該切り替えによって新たに選択された文字を拡大文字表示領域Bに拡大表示する。また、図5(a)、(b)における「編集」ボタンYが選択操作されることにより、携帯電話装置1は、対象文字表示領域Aに表示されている文字列の編集を可能とする。また、図5(a)、(b)における「終了」ボタンZが選択操作されることにより、携帯電話装置1は、文字拡大アプリケーションを終了する。
【0037】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、文字を確認したい場合において、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる。また、携帯電話装置1では、対象文字表示領域Aを一見することにより、現在拡大文字表示領域Bに拡大表示されている文字が文字列全体のどこに位置しているのかをユーザに容易に把握させることができ、操作性の向上を図ることができる。
【0038】
なお、拡大対象の文字列は、文字拡大アプリケーションが起動された状態でユーザが入力操作キー14を操作することによって文字入力して得られる文字列に限定されない。携帯電話装置1は、図4に示すように、記憶部101に拡大対象として記憶する文字列を指定する指定部104(指定手段)を更に備える構成であっても良い。指定部104は、具体的には、受信メール本文中やWeb画面中において所望の文字列を範囲指定する手段や、アドレス帳に登録された氏名や住所を指定する手段である。なお、指定部104は、上述した制御部45により発揮される機能である。このような構成の場合には、文字表示制御部102は、指定部104により指定された文字列のうち、所定の画数以上の文字のみを対象文字表示領域Aに表示しても良い。なお、携帯電話装置1は、画数を設定する画数設定部を備える構成であっても良い。このような構成の場合には、文字表示制御部102は、ユーザの操作に応じて設定された画数以上の文字のみを対象文字表示領域Aに表示する。
【0039】
例えば、文字表示制御部102は、指定部104によってWeb画面上で範囲指定された文字列(例えば、「その花の名前は薔薇です」という文字列)のうち、所定の画数(例えば、10画)以上の文字のみを対象文字表示領域Aに表示する。本実施例では、文字表示制御部102は、「薔薇」を対象文字表示領域Aに表示する。また、文字表示制御部102は、対象文字表示領域Aに選択表示される文字(「薔」または「薇」)を、拡大文字表示領域Bに所定の倍率で拡大して表示する。
【0040】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、所定の画数以上の文字を確認したい場合において、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる。
【0041】
また、文字表示制御部102は、携帯電話装置1が指定部104を備える構成において、指定部104により指定された文字列のうち、文字を構成するのに必要となる画素数が所定の画素数を超える文字のみを前記対象文字表示領域Aに表示するように動作する構成であっても良い。
【0042】
一般的に、携帯電話装置1では、複数の画素の集合によって文字が構成されている。また、画素数の多い文字ほど小さな表示ではその細部が見づらく、正確な文字の認識が困難となる。したがって、携帯電話装置1は、所定の画素数を超える文字を抽出することにより、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる。
【0043】
また、携帯電話装置1は、図4に示すように、起動部105(起動手段)を備える構成であっても良い。なお、起動部105は、上述した制御部45により発揮される機能である。起動部105は、表示部21に初期画面(通信を待ち受けている状態であって、他のアプリケーションが起動していないときに表示される画面)201が表示されている状態において(図6(a)を参照)、文字入力手段(操作部11に相当する)により文字の入力操作が行われたときに、当該入力操作に応じた文字を表示するための文字表示領域Cを有する文字表示アプリケーションを起動する(図6(b)を参照)。なお、文字の入力操作には、入力した文字の変換操作等も含まれる。
【0044】
また、記憶部101は、起動部105により文字表示アプリケーションが起動されて、文字表示領域Cに所定の文字列(例えば、「薔薇」)が入力され、その後ユーザにより文字拡大アプリケーションの起動操作が行われたときに、当該文字列を記憶する。
【0045】
文字表示制御部102は、記憶部101に記憶された文字列を対象文字表示領域Aに表示し、また、対象文字表示領域Aに選択表示される文字を、拡大文字表示領域Bに所定の倍率で拡大して表示する(図6(c)を参照)。
【0046】
このように構成されることにより、携帯電話装置1は、初期画面から文字の入力操作を行い、文字表示アプリケーションを起動し、文字表示領域に所定の文字列を入力することにより、対象となる文字を相当程度に拡大して表示し、十分な視認性を確保することができる。
【0047】
また、携帯電話装置1では、文字は、スケーラブルフォントにより構成されているため、拡大表示しても滑らかなアウトラインで表示することができ、かつ、所定の大きさの文字に自在に変更することができ、メモリへの負担が小さいシステムを実現している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】キーアサインについての説明に供する図である。
【図4】携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】携帯電話装置の機能を発揮し、表示部に表示されるイメージを模式的に示す図である。
【図6】初期画面から文字表示アプリケーションが起動し、その後、文字を拡大するアプリケーションが起動する様子についての説明に供する図である。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯電話装置
21 表示部
101 記憶部(記憶手段)
102 文字表示制御部(表示制御手段)
103 選択部(選択手段)
104 指定部(指定手段)
105 起動部(起動手段)
A 対象文字表示領域
B 拡大文字表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
一文字または文字列を、拡大対象として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に拡大対象として記憶されている一以上の文字を表示する対象文字表示領域と、前記対象文字表示領域に表示される一以上の文字のうちの所定の一文字を、所定の倍率で拡大して表示する拡大文字表示領域を生成し、生成した前記対象文字表示領域及び前記拡大文字表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記対象文字表示領域に表示される前記一以上の文字のうちの一文字を選択する選択手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記対象文字表示領域に表示される前記一以上の文字のうちの前記選択されている一文字を前記所定の倍率で拡大した拡大文字を、前記拡大文字表示領域に表示することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記記憶手段に拡大対象として記憶する文字列を指定する指定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、
前記指定手段により指定された文字列のうち、所定の画数以上の文字のみを前記対象文字表示領域に表示することを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記記憶手段に拡大対象として記憶する文字列を指定する指定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記指定手段により指定された文字列のうち、文字を構成するのに必要となる画素数が所定の画素数を超える文字のみを前記対象文字表示領域に表示することを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記表示部に初期画面が表示されている状態において、文字入力手段により文字の入力操作が行われたときに、当該入力操作に応じた文字を表示するための文字表示領域を有する文字表示アプリケーションを起動する起動手段を備え、
前記記憶手段は、前記起動手段により前記文字表示アプリケーションが起動されて、前記文字表示領域に所定の文字列が入力されたときに、当該文字列を記憶することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−152628(P2010−152628A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329806(P2008−329806)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】