説明

携帯電子機器

【課題】簡便にカードをコネクタに再接続できる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、開口部13から露出されると共に、開口部13を介して送話筐体3内に押し込まれたカード101を保持し、かつ、保持されたカード101がさらに送話筐体3内に押し込まれるとカード101を排出するコネクタ15と、開口部13を閉塞する閉塞状態と開口部13の少なくとも一部を露出させる露出状態との間を移動可能に構成されるキャップ部品17とを有する。キャップ部品17は、閉塞状態において、コネクタ15のカード101を排出する力に抗して送話筐体3に係合可能な被係合部19cと、閉塞状態において、送話筐体3外部からの押圧に伴って弾性変形して、開口部13に挿入されているカード101のキャップ部品17による送話筐体3内への押し込みを可能とする弾性変形部19aとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA、ゲーム機等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカード等のカードを装着可能な携帯電子機器が知られている。例えば、特許文献1では、開口部が形成された筐体と、開口部に挿入されるメモリカードと、開口部を塞ぐキャップとを有する携帯情報端末が開示されている。
【特許文献1】特開平10−83435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
キャップにより開口部が閉塞状態となっているにも関わらず、カードの端子がコネクタの端子からずれてしまい、電気的接続が不完全になってしまうことがある。この場合、カードをコネクタに再接続するためには、一度キャップを取り外して開口部を露出状態とし、カードをコネクタに押し込み、再度キャップを取り付けて閉塞状態としなければならない。従って、再接続の操作は、ユーザにとって煩わしいものとなっていた。
【0004】
本発明の目的は、簡便にカードをコネクタに再接続できる携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の携帯電子機器は、開口部が形成された筐体と、前記開口部から露出されると共に、前記開口部を介して前記筐体内に押し込まれたカードを保持し、かつ、前記保持されたカードがさらに前記筐体内に押し込まれると前記カードを排出するコネクタと、前記開口部を閉塞する閉塞状態と前記開口部の少なくとも一部を露出させる露出状態との間を移動可能に構成されるキャップと、を有し、前記キャップは、前記閉塞状態において、前記コネクタの前記カードを排出する力に抗して前記筐体に係合可能な被係合部と、前記閉塞状態において、筐体外部からの押圧に伴って弾性変形して、前記開口部に挿入されている前記カードの当該キャップによる前記筐体内への押し込みを可能とする弾性変形部と、を有する。
【0006】
好適には、前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記コネクタに対向する領域に形成される。
【0007】
好適には、前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも曲げ剛性が低く形成される。
【0008】
好適には、前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも肉薄に形成される。
【0009】
好適には、前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも弾性係数が低い材料により形成される。
【0010】
好適には、報知部と、前記コネクタにより前記カードが保持されている保持状態を検出する第1の検出部と、前記キャップの前記閉塞状態を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部により前記保持状態が検出されると共に、前記第2の検出部により前記閉塞状態が検出された状態から、前記第1の検出部により前記保持状態が検出されなくなると共に、前記第2の検出部により前記閉塞状態が検出された状態に移行されると、前記報知部により所定の報知を行う制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便にカードをコネクタに再接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。
【0013】
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開閉可能に互いに連結された送話筐体3及び受話筐体5を有している。送話筐体3には、例えば、通話用のマイクロフォン87(図6参照)、通信のための内蔵アンテナ81(図6参照)、ユーザの操作を受け付ける操作部7が設けられている。受話筐体5には、例えば、通話用のスピーカ83(図6参照)、報知用のスピーカ85(図6参照)、画像や文字を表示する表示部9が設けられている。
【0014】
送話筐体3は、例えば、概ね薄型直方体状に形成されている。送話筐体3の側面には、メモリカード101を着脱可能なカード装着部11が設けられている。メモリカード101は、例えば、概ね矩形状の板状に形成されており、一端部に携帯電話機1と電気的に接続するための複数の端子103(図5参照)が設けられている。
【0015】
図2は、カード装着部11を拡大して示す斜視図である。
【0016】
カード装着部11は、開口部13が形成された送話筐体3の側面部分と、開口部13から送話筐体3内部に挿入されたカード101を保持するコネクタ15(図5)と、開口部13を開閉するキャップ部品17とを有している。
【0017】
開口部13は、例えばスリット状に形成されている。コネクタ15は、開口部13から露出する。ただし、コネクタ15は、カード101が開口部13に挿入されることにより、カード101に隠れ、開口部13からは全く若しくは殆ど露出しなくなることから、図2では不図示となっている。キャップ部品17は、開口部13を閉塞する閉塞状態と開口部13の少なくとも一部を露出させる露出状態との間を移動可能に構成される。
【0018】
キャップ部品17は、送話筐体3に対して着脱されることにより、開口部13を開閉するキャップ部19と、キャップ部19の送話筐体3からの離脱を阻止する挿入部21とを有している。
【0019】
キャップ部19及び挿入部21は、樹脂等の同一材料により一体的に形成されてもよいし、いずれか一方をゴムにより、他方を樹脂により形成するなど、2以上の材料により形成されてもよい。
【0020】
キャップ部19は、例えば、開口部13に対向する方向に見て、開口部13よりも広い面積を有し、概ね矩形状に形成されている。また、キャップ部19は、開口部13に対向する弾性変形部19aと、弾性変形部19aの周囲の外周部19bと、外周部19bから突出する被係合部19cとを有している。なお、図2において、弾性変形部19aと、外周部19bとの境界は、点線L1により示されている。
【0021】
図3は、図1の平面IIIにおける断面図である。また、図4は、送話筐体3の一部を切り欠いて送話筐体3を操作部7側から見た図である。
【0022】
弾性変形部19aは、外周部19bよりも薄く形成されている。従って、弾性変形部19aは、外周部19bに比較して、同一の断面積で考えた場合に、断面2次モーメント、すなわち、曲げ剛性が小さい。その結果、弾性変形部19aは、外周部19bに比較して弾性変形しやすくなっている。
【0023】
開口部13は、送話筐体3の側面に形成された凹部23の底部に形成されている。キャップ部19は、開口部13を塞ぐ閉塞状態において、外周部19bが凹部23に嵌合する。図2に示すように、外周部19bの凹部23の側面に対向する外周面には、ユーザがキャップ部19を送話筐体3から取り外すときに指の爪を引っ掛けるために、凹部19dが形成されている。
【0024】
被係合部19cは、図2及び図3に示すように、外周部19bから、キャップ部19の開口部13に対向する面の外方へ突出している。一方、図3に示すように、凹部23の側面には、閉塞状態において被係合部19cが係合する溝状の係合部25が形成されている。
【0025】
図2及び図4に示すように、挿入部21は、凹部23内、且つ、開口部13の長手方向両側に配置された孔部26から送話筐体3に挿入されている。図4に示すように、孔部26は、送話筐体3の内部へ直線状に延びており、挿入部21を案内するガイド部となっている。挿入部21は、キャップ部19から、キャップ部19の開口部13に対向する面の向く方向へ延びるように形成されており、先端には、係止部21aが形成されている。係止部21aは、図4(b)に示すように、送話筐体3に対して筐体内部側から係合して、キャップ部品17の送話筐体3からの離脱を阻止する。
【0026】
図5は、コネクタ15の構成を示す、図4と同じ方向から見た断面図である。
【0027】
コネクタ15は、いわゆるプッシュプッシュ式のコネクタにより構成されている。すなわち、コネクタ15は、押し込まれたカード101を保持し、かつ、保持されたカード101がさらに押し込まれるとカード101を排出するコネクタにより構成されている。具体的には、以下のとおりである。
【0028】
コネクタ15は、例えば、カード101を収容可能な箱体27と、箱体27内に設けられた複数の端子29と、カード101を排出するためのイジェクトバー31と、イジェクトバー31を付勢するバネ33とを有している。
【0029】
箱体27は、概ね直方体状に形成されるとともに、一の面が解放されて、開口部13から挿入されたカード101を受け入れる挿入口27aが形成されている。複数の端子29は、箱体27の、挿入口27aとは反対側の端部に配列されている。イジェクトバー31は、箱体27の、複数の端子29側に形成された切り欠き部から、箱体27の内部に挿入されている。イジェクトバー31は、2点鎖線で示すように、箱体27に対してカードの挿入及び引抜方向に移動可能である。また、イジェクトバー31は、箱体27の側面部27bに形成された不図示のカム溝に案内されるピン31aを有している。バネ33は、イジェクトバー31を挿入口27aの方向へ付勢している。なお、各部の動作については後述する。
【0030】
図2に示すように、携帯電話機1は、キャップ部19の着脱を検出するセンサ35を有している。センサ35は、例えば、光電センサにより構成されており、受光量に応じた信号を出力する。また、センサ35は、キャップ部19が開口部13を閉塞したときに、キャップ部19により覆われ、キャップ部19が開口部13を露出させたときに、露出する位置に配置されている。従って、センサ35の検出した受光量に基づいてキャップ部19の着脱を検出できる。
【0031】
図6は、携帯電話機1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
【0032】
携帯電話機1は、CPU71、メモリ73、通信処理部75、音響処理部77及び画像処理部79を備えている。これら各部は例えばICにより構成されている。
【0033】
CPU71及びメモリ73は、操作部7等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部79等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
【0034】
CPU71は、センサ35からの信号に基づいて、キャップ部19の着脱を判断する。具体的には、例えば、センサ35から出力される信号に基づいて特定される受光量が所定の閾値を超えた場合には、キャップ部19は送話筐体3から取り外され、開口部13は露出状態にあると判断し、所定の閾値未満の場合には、キャップ部19により開口部13が閉塞されていると判断する。
【0035】
また、CPU71は、コネクタ15にカード101が保持されているか否か、より厳密には、コネクタ15とカード101との電気的接続がなされているか否かを検出するセンサとしても機能する。具体的には、CPU71は、コネクタ15に所定の電気信号を出力し、出力した電気信号に応じた信号をコネクタ15から得られるか否かにより、カード101がコネクタ15に接続されているか否かを検出する。
【0036】
通信処理部75は、通話やメール等の電波を利用した遠距離無線通信を行う。具体的には、通信処理部75は、CPU71からの信号を変調し、その変調した信号をアンテナ81を介して送信する。また、通信処理部75は、アンテナ81を介して受信した信号を復調し、その復調した信号をCPU71に出力する。
【0037】
音響処理部77は、CPU71からの音響データを音響信号に変換し、その信号を通話用のスピーカ83、着信等を報知するためのスピーカ85に出力する。又、音響処理部77は、マイクロフォン87からの音響信号を音響データに変換し、そのデータをCPU71に出力する。
【0038】
画像処理部79は、CPU71からの画像データを画像信号に変換し、その信号を表示部9に出力する。
【0039】
以上の構成を有する携帯電話機1における、カード着脱時の作用を説明する。
【0040】
ユーザは、カード101を挿入するときには、まず、キャップ部19の凹部19dに爪を引っ掛けてキャップ部19を引っ張り、キャップ部19の被係合部19cと送話筐体3の係合部25との係合を解除する。そして、図2及び図4(b)に示すように、キャップ部品17を引き出して、開口部13を露出状態とし、カード101を開口部13に挿入する。
【0041】
カード101は、ユーザによって挿入口27aから挿入されると、バネ33の付勢力に抗してイジェクトバー31を押し込む。そして、カード101の複数の端子103はコネクタ15の複数の端子29に当接し、電気的に接続される。このとき、イジェクトバー31は、ピン31aとカム溝との係合により箱体27に対してロックされる。
【0042】
そして、ユーザは、図3及び図4(a)に示すように、キャップ部19を送話筐体3の凹部23に嵌め込み、さらには、キャップ部19の被係合部19cと送話筐体3の係合部25とを係合させ、開口部13を閉塞状態とする。
【0043】
ユーザが、カード101を取り出すときは、まず、カード101を挿入するときと同様に、キャップ部19を取り外して開口部13を露出状態とする。そして、露出したカード101を押し込む。カード101は、バネ33の付勢力に抗してイジェクトバー31を僅かに押し込む。これにより、ピン31aとカム溝との係合(ロック)が解除され、イジェクトバー31はバネ33の付勢力によってカード101を排出する。
【0044】
カード101がコネクタ15に保持されており、且つ、キャップ部19により開口部13が閉塞されている状態において、携帯電話機1に衝撃が加えられるなど、何らかの原因により、コネクタ15のロックが解除されてしまうことがある。この場合、図3(b)に示すように、キャップ部19の被係合部19cが、バネ33の付勢力に抗して、送話筐体3の係合部25に対して係合を維持することにより、閉塞状態を維持する。その結果、カード101の携帯電話機1からの脱落が防止される。
【0045】
ここで、従来は、コネクタ15を再度ロックするためには、キャップ部19を一度送話筐体3から取り外し、開口部13を露出状態として、カード101を押し混む必要があった。しかし、携帯電話機1では、そのような必要がない。すなわち、ユーザは、図3(c)及び図4(c)に示すように、閉塞状態のまま、送話筐体3外部側から弾性変形部19aを押圧すればよい。弾性変形部19aは、押圧に伴って弾性変形してカード101を押し込む。これにより、コネクタ15は再度ロックされる。
【0046】
なお、弾性変形部19aは、コネクタ15のロックが解除されてしまった場合に限られず、コネクタ15のロックは解除されていないものの、カード101とコネクタ15との電気的接触が不完全な場合においても有効である。すなわち、このような場合、弾性変形部19aを介してカード101を押し込んで、一度ロックを解除し、再度押し込んでカード101をコネクタ15に再接続できる。
【0047】
また、上記のように、閉塞状態であるにも関わらず、コネクタ15のロックが解除されたり、コネクタ15とカード101との電気的接続が切断されたときには、携帯電話機1は、そのことをユーザに報知する。
【0048】
具体的には、CPU71は、CPU71自身によってコネクタ15とカード101との接続状態が検出されると共に、センサ35によりキャップ部19による開口部13の閉塞状態が検出された状態から、CPU71自身によってコネクタ15とカード101との接続状態が検出されなくなると共に、センサ35により開口部13の閉塞状態が検出された状態に移行されると、所定の報知動作を行う。報知動作は、例えば、報知用のスピーカ85から所定の音響を出力したり、表示部9に所定の画像を表示したりする動作である。
【0049】
以上の実施形態によれば、携帯電話機1は、開口部13が形成された送話筐体3と、開口部13から挿入されたカード101を保持するコネクタ15と、開口部13を閉塞する閉塞状態と開口部13の少なくとも一部を露出させる露出状態との間を移動可能に構成されるキャップ部19とを有する。キャップ部19は、閉塞状態において、筐体外部からの押圧に伴って弾性変形して、被係合部19cを送話筐体3に係合させたまま、開口部13に挿入されているカード101のキャップ部19による筐体内への押し込みを可能とする弾性変形部19aを有する。従って、上述のように、キャップ部19を取り外さずに、カード101をコネクタ15に保持させ直すことが可能である。
【0050】
コネクタ15は、開口部13から露出されると共に、開口部13を介して送話筐体3内に押し込まれたカード101を保持し、かつ、保持されたカード101がさらに送話筐体3内に押し込まれるとカード101を排出する。また、被係合部19cは、コネクタ15のカード101を排出する力に抗して送話筐体3に係合可能である。従って、挿入及び排出操作が容易なプッシュプッシュ式のコネクタ15において、コネクタ15の排出力によってカード101が携帯電話機1から脱落することが防止されるとともに、上述の再保持の容易化が図られる。
【0051】
弾性変形部19aは、キャップ部19における弾性変形部19aの周囲に形成される外周部19bよりも曲げ剛性が低く形成されている。従って、上述したようなカード101の押し込みを実現しつつ、キャップ部19を凹部23に嵌合させるとともに、外周部19bに設けられた被係合部19cを送話筐体3に堅固に係合させることができる。
【0052】
弾性変形部19aは、キャップ部19における弾性変形部19aの周囲に形成される外周部19bよりも肉薄に形成されることにより、曲げ剛性の低減が図られている。従って、弾性変形部19a及び外周部19bを同一材料により形成することが可能である。
【0053】
携帯電話機1は、コネクタ15によりカード101が保持されている保持状態を検出するCPU71と、キャップ部19の閉塞状態を検出するセンサ35とを有する。そして、CPU71は、閉塞状態のまま保持状態が解除されたことを検知すると、報知動作を行う。従って、ユーザは、キャップ部19を取り外すことなく、カード101の保持状態を認識し、必要に応じて上述のような弾性変形部19aを介した押し込み操作を行うことができる。
【0054】
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の携帯電子機器の一例であり、送話筐体3は本発明の筐体の一例であり、キャップ部品17又はキャップ部19は本発明のキャップの一例であり、表示部9やスピーカ85は本発明の報知部の一例であり、CPU71は本発明の第1の検出部の一例であり、センサ35、又は、センサ35及びセンサ35の検出結果に基づく判断を行うCPU71は本発明の第2の検出部の一例であり、CPU71は本発明の制御部の一例である。
【0055】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0056】
携帯電子機器は、携帯電話機に限定されない。例えば、携帯電子機器は、PDA、音楽プレーヤー、ゲーム機、ノートパソコンであってもよい。筐体は、折り畳み式のものに限定されず、スライド式のものや、一の筐体のみにより筐体全体が構成されるものであってもよい。また、カードは、メモリカードに限定されない。例えば、CPUのみを搭載したカードやバッテリの機能を果たすカードであってもよい。
【0057】
弾性変形部は、カードが挿入される開口部に対向する領域のみに設けられるものに限定されない。例えば、キャップ全体が弾性変形部であってもよい。また、図7の変形例のキャップ部219に示すように、開口部13に対向する対向部219oの周囲に弾性変形部219aが形成されてもよい。
【0058】
弾性変形部の曲げ剛性を、弾性変形部の周囲に形成される部位の曲げ剛性よりも低くする方法は、弾性変形部を肉薄にする方法に限定されない。図8の変形例に示すように、硬質の樹脂により形成された枠状部材319eと、ゴムにより形成され、枠状部材319eに接着されるシート状部材319fとにより、キャップ部319を構成してもよい。すなわち、弾性変形部319aは、キャップにおける弾性変形部の周囲に形成される部位よりも弾性係数が低い材料により形成されてもよい。
【0059】
第1の検出部は、CPUに限定されない。例えば、イジェクトバーがロックされている状態においてイジェクトバーによって押される押圧式のスイッチであってもよいし、イジェクトバーに固定された磁石の近接を検出する磁気センサであってもよい。また、第2の検出部は、光電センサに限定されない。例えば、キャップが筐体に取り付けられた状態においてキャップによって押される押圧式のスイッチであってもよいし、キャップに取り付けられた磁石の近接を検出する磁気センサであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観を示す斜視図。
【図2】図1の携帯電話機のカード装着部を拡大して示す斜視図。
【図3】図1の平面IIIにおける断面図。
【図4】図1の携帯電話機の一部を切り欠いて示す正面図。
【図5】図1の携帯電話機のイジェクト機構を示す断面図。
【図6】図1の携帯電話機の信号処理系の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の変形例のキャップを示す図。
【図8】本発明の他の変形例のキャップを示す図。
【符号の説明】
【0061】
1…携帯電話機(携帯電子機器)、13…開口部、3…送話筐体(筐体)、15…コネクタ、17…キャップ部品(キャップ)、19…キャップ部(キャップ)、19a…弾性変形部、19c…被係合部、101…カード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された筐体と、
前記開口部から露出されると共に、前記開口部を介して前記筐体内に押し込まれたカードを保持し、かつ、前記保持されたカードがさらに前記筐体内に押し込まれると前記カードを排出するコネクタと、
前記開口部を閉塞する閉塞状態と前記開口部の少なくとも一部を露出させる露出状態との間を移動可能に構成されるキャップと、
を有し、
前記キャップは、
前記閉塞状態において、前記コネクタの前記カードを排出する力に抗して前記筐体に係合可能な被係合部と、
前記閉塞状態において、筐体外部からの押圧に伴って弾性変形して、前記開口部に挿入されている前記カードの当該キャップによる前記筐体内への押し込みを可能とする弾性変形部と、
を有する携帯電子機器。
【請求項2】
前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記コネクタに対向する領域に形成される
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも曲げ剛性が低く形成される
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも肉薄に形成される
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記弾性変形部は、前記キャップにおける前記弾性変形部の周囲に形成される部位よりも弾性係数が低い材料により形成される
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
報知部と、
前記コネクタにより前記カードが保持されている保持状態を検出する第1の検出部と、
前記キャップの前記閉塞状態を検出する第2の検出部と、
前記第1の検出部により前記保持状態が検出されると共に、前記第2の検出部により前記閉塞状態が検出された状態から、前記第1の検出部により前記保持状態が検出されなくなると共に、前記第2の検出部により前記閉塞状態が検出された状態に移行されると、前記報知部により所定の報知を行う制御部と、
を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−55339(P2010−55339A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219067(P2008−219067)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】