説明

携帯電子機器

【課題】熱源部からの熱による機器表面の温度上昇を抑制し、ユーザが快適に機器を使用することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の筐体と、第1の筐体の一つの面に対向して配置され、互いに対向する面が向かい合った状態を維持して第1の筐体に対して相対位置が変化可能な第2の筐体と、第2の筐体内部に配置された熱源部とを備え、第2の筐体の表面には、第1の筐体と第2の筐体とが向かい合って対向している第1の状態では第1の筐体により覆われ、且つ第1の筐体との相対位置が変化して第1の筐体と第2の筐体とが対向する面積が第1の状態よりも減少する第2の状態において外部に露出する第1の領域と、第1の状態及び第2の状態のいずれにおいても常に外部に露出している第2の領域とがあり、第1の領域に対応する位置に前記熱源部の少なくとも一部が配置されていることで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや壁面に画像を投影する画像投影部を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面やスクリーンに画像を投影する装置としては、いわゆるプロジェクタがある。このプロジェクタは、商用電源から電力が供給され、所定位置に固定した状態で使用される、いわゆる据え置き型の装置が主流である。この据え置き型のプロジェクタは、固定した状態で、一定箇所の壁面やスクリーンに画像を投影させる。
【0003】
これに対して、近年、プロジェクタとして、小型で持ち運びが容易な携帯型のプロジェクタが提案されている。例えば、特許文献1には、上キャビネットと、下キャビネットと、上キャビネットおよび下キャビネットを互いに回動可能に接続するヒンジ部とを備え、レンズと光源とを有するプロジェクタが搭載されたプロジェクタ機能付携帯端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−96542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の据え置き型のプロジェクタは、大画面に投影するため高輝度の光源を用いており、光源からの発熱量も多いことから、放熱効率を良くするためのファンや通風孔が設けられている。しかしながら、近年のプロジェクタ機能付携帯端末の場合は、非常にコンパクトに構成されているため、プロジェクタの光源が発する熱を放熱するための機構を別途追加すると、大型化する恐れがある。
【0006】
ここで、従来のプロジェクタ機能付携帯端末にあっては、プロジェクタを連続使用した場合に光源付近の温度上昇を考慮する必要がある。特に、携帯電話機などの携帯電子機器の場合は、通話時や操作時にユーザの肌が直接端末表面に触れるため、プロジェクタの搭載位置が他の部分よりも暖かいという温度差を感じ易い。このため、携帯電話機を使用するユーザに不快感を与える恐れがある。
【0007】
例えば、特許文献1では、プロジェクタ機能付携帯端末の例として、折り畳みタイプ、スライダータイプ、ストレート(キャンディバー)タイプのそれぞれの例が図示されている。いずれのタイプの携帯端末もレシーバ付近の前端部にプロジェクタの光射出部が設けられているが、これを冷却する機構は備わっていない。このため、プロジェクタ使用後はレシーバ付近が暖かくなり、携帯端末を使って通話すると、耳だけ暖かく感じられることから使用中のユーザに不快感を与える可能性がある。
【0008】
また、特許文献1の携帯端末をプロジェクタ使用後に携帯することを考えると、いずれのタイプも携帯できる状態にした場合、プロジェクタで発生した熱が携帯端末の表面を暖める構造となっているため、加熱される部分(例えばレシーバ周辺)とその他の部分との間に温度差が生じる。このため、携帯端末を手で持ち運ぶ、携帯端末で通話を行う等のために携帯端末に接触した時に、ユーザが不快感を覚える可能性がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱源部を備える携帯電子機器において、熱源部からの熱による機器表面の温度上昇を抑制し、ユーザが快適に機器を使用することができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、携帯電子機器であって、第1の筐体と、前記第1の筐体の一つの面に対向して配置され、互いに対向する面が向かい合った状態を維持して前記第1の筐体に対して相対位置が変化可能な第2の筐体と、前記第2の筐体内部に配置された熱源部と、を備え、前記第2の筐体の表面には、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが向かい合って対向している第1の状態では前記第1の筐体により覆われ、且つ前記第1の筐体との相対位置が変化して、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが対向する面積が前記第1の状態よりも減少する第2の状態において外部に露出する第1の領域と、前記第1の状態及び前記第2の状態のいずれにおいても、常に外部に露出している第2の領域とがあり、前記第1の領域に対応する位置に前記熱源部の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記第1の領域は、前記熱源部が発生させた熱が前記第2の領域よりも多く伝わることが好ましい。
【0012】
また、前記熱源部は、画像を投影する投影部であることが好ましい。
【0013】
また、前記投影部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第2の状態にあるときに画像の投影を行うことが好ましい。
【0014】
また、前記投影部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第1の状態にあるときは画像の投影を行わないことが好ましい。
【0015】
また、前記第1の領域は、放熱用の開口部が設けられていることが好ましい。
【0016】
また、前記第1の領域は、前記第1の筐体を平坦な台の上に載置した状態で、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第2の状態にあるときに、前記台の表面から離間した状態にあることが好ましい。
【0017】
また、さらに前記開口部に向かって送風するファンを備えていることが好ましい。
【0018】
また、前記投影部は、前記第1の状態にて当該携帯電子機器を携帯するように促す報知情報を含む画像を投影することが好ましい。
【0019】
また、前記第1の筐体において、前記第2の状態にあるときに露出する第3の領域に操作部の少なくとも一部が配置されていることが好ましい。
【0020】
また、前記第1の筐体の長手方向に前記第2の筐体を移動させることにより、前記第1の状態から前記第2の状態へと前記相対位置を変化させ、前記投影部の光出射部が、前記第2の筐体の移動方向の前端部の前記第1の領域寄りに設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる携帯電子機器は、第1の筐体と第2の筐体とが対向する面が向かい合った状態を維持して相対位置を変化させた際に露出する第1の領域に対応する位置に熱源部を配置することで、熱源部から発生する熱が筐体の外周側の表面に伝わり難くし、筐体の外周側の表面の温度上昇を抑制し、ユーザが快適に機器を使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施形態1にかかる携帯電子機器の第1の状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の第2の状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す携帯電子機器を裏面側から見た斜視図である。
【図4−1】図4−1は、図3に示す携帯電子機器の第1の筐体の内部構造を示す斜視図である。
【図4−2】図4−2は、図3に示す携帯電子機器の第2の筐体の内部構造を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態1にかかる携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、図2に示す携帯電子機器を側面方向から見た一部切り欠き断面図である。
【図7】図7は、図1に示す携帯電子機器を側面方向から見た一部切り欠き断面図である。
【図8】図8は、プロジェクタの使用終了時にユーザに表示するメッセージ例を示した図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態2にかかる携帯電子機器の斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態3にかかる携帯電子機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0024】
(実施形態1)
まず、携帯電子機器の外観の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態1にかかる携帯電子機器の第1の状態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す携帯電子機器の第2の状態を示す斜視図であり、図3は、図2に示す携帯電子機器を裏面側から見た斜視図である。
【0025】
携帯電子機器10は、無線通信機能を備えた携帯電話機であり、図1及び図2に示すように、略直方体形状の第1の筐体10aと略直方体形状の第2の筐体10bを有し、第1の筐体10aと第2の筐体10bのそれぞれ面積が最も大きい面が互いに向かい合って配置されている。なお、第1の筐体10aと第2の筐体10bの互いに向かいっている面の大きさは、略同一である。携帯電子機器10は、第1の筐体10aと第2の筐体10bの互いに対向している面の長手方向に沿って、第1の筐体10aを第2の筐体10bに対してスライド可能に組み付けられたスライダータイプの携帯電話機である。なお、図1には、第1の筐体10aと第2の筐体10bとが向かい合って対向している、具体的には、第1の筐体10aと第2の筐体10bとの向かい合っている面(対面している面)の重なっている領域が最も大きい状態(つまり、完全に重なっている状態)である第1の状態の携帯電子機器10を示している。また、図2には、第2の筐体10bと第1の筐体10aとの相対位置を第1の状態から白抜き矢印A方向に変化させ、第1の筐体10aと第2の筐体10bの対向している面の重なっている面積が第1の状態よりも減少した第2の状態の携帯電子機器10を示している。
【0026】
ここで、本発明では、第2の筐体10bの表面の中で、第1の状態では第1の筐体10aにより覆われているが、第2の状態では外部に露出する領域、つまり、第1の状態では、第1の筐体10aに覆われ(対面しており)、第2の状態では、第1の筐体10aに覆われていない(対面していない)領域を、第2の筐体10bにおける第1の領域とする。また、第2の筐体10bの表面の中で、第1の状態及び第2の状態のいずれにおいても常に外部に露出している領域、つまり、第1の状態及び第2の状態のいずれの場合でも第1の筐体10aによって覆われない領域を、第2の筐体10bにおける第2の領域とする。また、第1の筐体10aの表面の中で、第1の状態では露出していないが、第2の状態では外部に露出する領域を、第1の筐体10aにおける第3の領域とする。なお、本実施形態1では、図2に示すように、第3の領域には、後述する操作キー13及びマイク15が配置されている。
【0027】
第1の筐体10aには、図2に示すような操作キー13、携帯電子機器10の通話時に音声を取り込むマイク15の他、携帯電話機の主要な機能を果たす後述する携帯電話回路基板、スピーカ17、カメラモジュール40、メインアンテナなどを備えている。
【0028】
第2の筐体10bには、表示部として図1および図2に示すディスプレイ12が設けられ、この面は第2の領域を構成している。ディスプレイ12は、所定の画像として、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。このディスプレイ12の下方には、方向及び決定キー14が配置されている。また、ディスプレイ12の上方には、携帯電子機器10の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられている。また、第2の筐体10bの内部、具体的には、第1の領域に対応する位置には、プロジェクタ34が配置されている。
【0029】
ここで、図3は、図2の携帯電子機器10を裏面側、つまり、ディスプレイ12、操作キー13が設けられている面とは反対の面側から見た斜視図である。以下、図3を用いて、携帯電子機器10の裏面側に設けられた構成について説明する。まず、図3に示すように、第2の筐体10bの第1の領域に対応する位置には、プロジェクタ34が配置されている。第2の筐体10bの第1の領域に対応する位置にプロジェクタ34を配置することにより、熱源部であるプロジェクタ34から発生した熱が、第2の領域よりも第1の領域に多く伝わる(伝熱)構成となる。つまり、第1の領域に対応する位置、第2の筐体10bの内部において、発生した熱が第2の領域よりも第1の領域に多く伝わる位置である。
【0030】
また、図3に示すように、第2の筐体10bの第1の領域には、スリット35が形成されている。スリット35は、第2の筐体10bと筐体外とのつなげる通風口であり、プロジェクタ34の光源などの熱源から発生する熱により過熱された筐体内の空気を筐体外に放出させる開口部となる。なお、本実施形態では、開口部としてスリットを設けたが、空気を流す通風口であれば、どんな形状でも良く、例えば多数の孔、あるいはメッシュ状の開口としても良い。
【0031】
また、図3に示すように、第1の筐体10aの裏面側、つまり操作キー13が配置されている面とは反対の面側には、スピーカ17及びカメラモジュール40が配置されている。
【0032】
次に、図4−1は、図3における携帯電子機器10の第1の筐体10aの内部構造例を示す斜視図であり、図4−2は、第2の筐体10bの内部構造例を示す斜視図である。以下、図4−1及び図4−2を用いて、携帯電子機器10の上述した各構成の内部における配置構成を説明する。図4−1に示すように、第1の筐体10aの内部には、スピーカ17、携帯電話回路基板22a、メインアンテナ26a、カメラモジュール40などが配置されている。なお、カメラモジュール40は、上述したように、画像を取得する撮影レンズが第1の筐体10aから外部に露出している。
【0033】
また、図4−2に示すように、第2の筐体10bの内部には、ディスプレイ12の裏面(画像を表示する面とは反対の面)側にプロジェクタ34と、プロジェクタ制御基板22bとが配置されている。また、プロジェクタ34は光射出部34aを有している。光射出部34aは、外部に露出しており、つまり、第2の筐体10bに形成された開口部に配置されている。プロジェクタ34は、光射出部34aから光を射出させることで画像を投影する。
【0034】
さらに、携帯電子機器10は、第2の筐体10bの内部に、バイブモータ38と、バイブモータ38の回転軸に連結されたファン38aとを有する。バイブモータ38は、回転軸に偏心おもりがついた偏心モータであり、偏心おもりがついた回転軸を回転させることで、振動を発生させ、第2の筐体10bを振動させる。なお、バイブモータ38は、着信報知の際に使用され、第2の筐体10bを振動させることで、音声を出力することなく、着信を通知することができる。
【0035】
ファン38aは、バイブモータ38の回転軸に連結されており、バイブモータ38が回転することで回転する。バイブモータ38が回転することでファン38aが回転すると、第2の筐体10b内に空気の流れが発生する。ファン38aにより空気の流れが発生することで、スリット35を介して第2の筐体10b内部の空気と外部の空気とが循環する。これにより、プロジェクタ34の周囲の暖められた空気を外部に排出することができ、プロジェクタ34及びその周辺部を冷却することができる。なお、本実施形態1のように、ファン38aをプロジェクタ34に隣接して配置し、ファン38aから送風される風をプロジェクタ34に当てる、または、ファン38aによりプロジェクタ34の周囲の空気を外部に排出することで、効率よくプロジェクタ34を冷却することができる。また、本実施形態1によれば、既存のバイブモータ38の先にファン38aを付加するだけで、プロジェクタ34の冷却機能を追加することができる。これにより、冷却機能の追加のために増加する部品点数や設置スペースを少なくすることができ、装置を小型化することができる。
【0036】
また、図4−2に示すように、ディスプレイ12の面(第2の領域)とプロジェクタ34との間には、断熱シート39を介在させている。断熱シート39を配置することで、プロジェクタ34の光源などの熱源部から発生した熱がディスプレイ12側の面に伝わるのを抑制することができる。断熱シートとしては、例えば電子機器用のマイクロバルーン(独立気泡)を主体とした薄いシート状の断熱材などを好適に用いることができる。
【0037】
また、プロジェクタ34をディスプレイ12が設けられた第2の筐体10b側に配置することで、画像投影時に第2の筐体10bを第2の状態にしても投影画像が遮られることを防止することができる。また、LCDなどのディスプレイ12のようにあまり発熱しない部品しか搭載されていない第2の筐体10bにプロジェクタ34を設け、プロジェクタ34ほどの発熱量はないが、発熱源となりうる携帯電子機器10の操作キー13側の携帯電話回路基板22aや不図示のバッテリーなどを第1の筐体10a側に設けることで、発熱源を分散することができ、第1の筐体10a及び/または第2の筐体10bの一部、特に表面の一部のみの温度が上昇することを抑制することができる。また、カメラモジュール40を第1の筐体10a側に設けることで、プロジェクタ34の発熱から遠ざけることができ、ディスプレイ12側と操作キー13側の回路の接続本数を少なくすることができる。
【0038】
図5は、本発明の実施形態1にかかる携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。以下、図5を用いて、上述した携帯電子機器10の機能構成について説明する。図5に示すように携帯電子機器10は、制御部22、記憶部24、送受信部26、操作部28、音声処理部30、表示部32、プロジェクタ34、温度センサ36、及びバイブモータ38などを備えている。
【0039】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)等の携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26や、音声処理部30や、表示部32等の動作を制御する。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部32による画像の表示等がある。
【0040】
具体的には、制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。すなわち、制御部22は、記憶部24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。制御部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、プロジェクタの駆動及び後述するバイブモータ38を用いた冷却ファンの回転制御を行うアプリケーションプログラム、静止画や動画を再生する画像再生アプリケーションプログラム、各種ゲームを作動させるゲームアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0041】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、上述した、プロジェクタ34の駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、静止画や動画を再生する画像再生アプリケーションプログラムを作動させるタスク、各種ゲームアプリケーションプログラムを作動させるタスクが保存されている。
【0042】
また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に制御部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、制御部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0043】
送受信部26は、メインアンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0044】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー13と方向及び決定キー14とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0045】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して制御部22へ出力する。また、制御部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16へ出力する。
【0046】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したディスプレイ12等)を備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。なお、表示部32は、ディスプレイ12に加え、例えば、筐体を閉じた状態でも外部に露出している位置にサブディスプレイを設けてもよい。
【0047】
プロジェクタ34は、画像を投影する画像投影機構であり、上述したように、第2の筐体10bの第1の領域に対応する位置に配置されている。携帯電子機器10は、プロジェクタ34の光射出部34aから画像を投影する、つまり画像を構成する光を射出することで、第2の筐体10bのスライド方向(図2のA方向参照)に対向する面にある不図示の壁面やスクリーン等のうち、一定の領域(投影領域)に画像を投影する。なお、プロジェクタ34は、制御部22により動作が制御され、制御部22から送られる種々の映像、例えば映画、プレゼンテーション資料を投影し、投影領域に表示させることができる。
【0048】
プロジェクタ34は、光源と、画像データに応じて、光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。例えば、プロジェクタ34には、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Display)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系とした構成のプロジェクタを用いることができる。この場合は、光学系を各画素に対応して投影領域の全面に配置し、光源から射出された光を画像に合わせて光学系をオンオフさせることで画像を投影領域の全面に投影させることができる。また、プロジェクタ34には、レーザ光を光源とし、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子と、切り換え素子を通過した光をラスター走査させるミラーとで構成される光学系とした構成のプロジェクタを用いることもできる。この場合は、ミラーによってレーザ光から射出された光の角度を変えて、投影領域の全面に光源から照射された光を走査させることで、投影領域に画像を投影させることができる。
【0049】
温度センサ36は、プロジェクタ34内部に設置され、内部温度を検出する検出機構である。バイブモータ38は、上述したように、偏心モータで構成され、回転軸の先端にファン38aが接続されている。バイブモータ38は、回転軸の先に取り付けられたファン38aを回転させることにより、第2の筐体10b内部の空気を循環させてプロジェクタ34を冷却する。なお、制御部22は、温度センサ36で検出された温度が所定温度以上になると、バイブモータ38を回転させてファン38aを回転させる。実施形態1における携帯電子機器10は、基本的には以上のように構成されている。
【0050】
次に、図6及び図7を用いて、実施形態1における携帯電子機器10の画像表示投影動作、具体的には、プロジェクタ34による画像投影中と、画像投影終了後の状態について説明する。ここで、図6は、図2に示す携帯電子機器を側面方向から見た一部切り欠き断面図であり、図7は、図1に示す携帯電子機器を側面方向から見た一部切り欠き断面図である。
【0051】
ここで、実施形態1にかかる携帯電子機器10は、プロジェクタ34を用いて画像表示投影を行う場合、図6に示すように、第1の筐体10aに対して第2の筐体10bを白抜き矢印A方向にスライドさせ、プロジェクタ34が配置されている位置に対応する第1の領域を外部に露出させる。この状態で、携帯電子機器10の制御部22は、プロジェクタ34の光射出部34aから光を射出させて、壁面あるいはスクリーン上に画像を投影する。このように、投影時は、携帯電子機器10を第2の状態にすることで、プロジェクタ34の光源等から発生した熱が伝熱する第1の領域を、第1の筐体10aに対向しておらず、外気に露出している状態にすることができる。これにより、プロジェクタ34で発生した熱を高い放熱効果で筐体(第2の筐体10b)の外部に排出することができ、筐体の温度上昇を抑えることができる。なお、携帯電子機器10は、第1の筐体10aと第2の筐体10bの位置関係を検出する姿勢検出センサを設け、制御部は、センサの検出結果に基づいて、第2の状態となっていることを検出した場合のみ画像の投影を許可するようにすることが好ましい。これにより、適切な姿勢以外での画像の投影を抑制することができる。
【0052】
さらに、携帯電子機器10の制御部22は、プロジェクタ34内部の温度センサ36により内部温度が所定温度以上になったことを検知すると、バイブモータ38を回転させる。バイブモータ38を回転させることで、ファン38aを回転させて送風を行い、プロジェクタ34から発生した熱で暖められた筐体内部の空気をスリット35から排出することができる。これにより、プロジェクタ34を強制冷却することができる。このように、バイブモータ38及びファン38aにより冷却することで、プロジェクタ34を長時間連続使用する場合でも、確実に温度上昇を抑えることができる。
【0053】
また、携帯電子機器10は、第1の筐体10aに対して第2の筐体10bを長手方向にスライドさせるスライダータイプとし、熱源を有するプロジェクタ34を第2の筐体10bのスライド時に外部に露出する第1の領域に対応する位置に配置している。このため、携帯電子機器10を台の上に置いて画像を投影する場合でも、図6に示すように、プロジェクタ34が第1の筐体10aの厚み分だけ台から離隔し、プロジェクタ34の熱が主に伝わる第1の領域も台から離隔していることから、外気による放熱効果が期待できると共に、スリット35を介して空気を循環させることが可能となる。
【0054】
また、上述したように、携帯電子機器10は、第2の筐体10bのディスプレイ12と、プロジェクタ34との間に断熱シート39を配置したため、プロジェクタ34で発生した熱がディスプレイ12側の面に伝わるのを抑えることができる。このため、上記した第1の領域からの放熱効果、ファン38aによる冷却効果に加えて、断熱シート39による断熱効果によりプロジェクタ34で発生した熱が第2の筐体10bのディスプレイ12側の面に伝わるのを抑制することができる。これにより、第2の筐体10bの第2の領域が加熱されることを抑制でき、例えば、プロジェクタ34の使用中に電話がかかって来てレシーバ16に耳を当てたとしても、表面温度差を少なくすることができ、ユーザが不快感を覚えることなく通話することができる。
【0055】
次に、図6に示すように、第2の筐体10bを白抜き矢印A方向にスライドさせて変位させた第2の状態でプロジェクタ34により画像投影を行い、投影終了後に携帯電子機器10を携帯する(ポケットにしまう、かばんに入れる、手に持つ)場合について説明する。プロジェクタ34の投影終了後、携帯電子機器を携帯する場合は、基本的に、第1の筐体10aと第2の筐体10bの相対位置が、図7に示すように、第1の状態に戻される。この状態では、熱源部となるプロジェクタ34が第1の筐体10aと第2の筐体10bのディスプレイ12との間に挟持されている。また、第1の領域も第1の筐体10aと対面する位置となる。このように、ユーザは、プロジェクタ34の投影終了後に第2の筐体10bを第1の状態に戻すだけで、プロジェクタ34により加熱された第1の領域に直接手を触れること無く携帯電子機器10を携帯することができる。これにより、プロジェクタ34の使用により最も加熱される第1の領域が露出しないようにすることができるため、携帯電子機器10の表面温度差が生じ難くなり、携帯電子機器10を手で持ち運んだとしてもユーザが不快感を覚える恐れを低減することができる。
【0056】
また、携帯電子機器10は、プロジェクタ34の使用中の第2の状態において、外気への放熱と、ファン38aによる強制冷却とによって第1の領域に加え、第2の領域も温度上昇が抑制されている。さらに、プロジェクタ34とディスプレイ12との間には、断熱シート39が配置されているため、プロジェクタ34からディスプレイ12側の面に熱が伝わり難くなり、プロジェクタ34の投影直後であってもディスプレイ12側面などの第2の領域の温度上昇を抑制することができる。これにより、第2の筐体の第2の領域と、第1の筐体の表面との間の温度差も小さくすることができる。
【0057】
ここで、携帯電子機器10は、プロジェクタ34の使用終了時に、プロジェクタ34により、携帯電子機器を第1の状態とするように促すメッセージを投影させることが好ましい。ここで、図8は、プロジェクタの使用終了時にユーザに表示するメッセージ例を示した図である。例えば、制御部22は、プロジェクタ34の投影終了時に、図8に示すように、「プロジェクタ使用後は操作部を閉じて下さい」といった報知情報を投影画像に含ませることが好ましい。このように、メッセージを投影することで、ユーザに対して携帯電子機器10を第1の状態に戻してから携帯するように注意を促すことができる。これにより、プロジェクタ34の投影終了後、ユーザが携帯電子機器10を第1の状態に戻すのを忘れて、第2の状態で携帯し、プロジェクタ34の熱が伝わっている第2の筐体10bの第1の領域にユーザが触れて、不快感を覚える可能性を低減することができる。ここでは、投影画像に上記報知情報を含ませて投影するようにしたが、これに代えて携帯電子機器10のディスプレイ12に表示させても良く、また、両方に表示させるようにしても良い。
【0058】
また、プロジェクタ34は、ディスプレイ12の基板や、第2の筐体10bのディスプレイ12側の面に対して隙間をあけて設置することが好ましく、第2の筐体10bの第1の領域側の面に固定することがより好ましい。このように、プロジェクタ34を、第2の筐体10bのディスプレイ12側の面から離して配置することで、第2の筐体10bのディスプレイ12側の面に熱が伝わり難い構造とすることができる。
【0059】
また、第2の筐体10bの第1の領域、あるいはプロジェクタ34の外周部(外装)に用いる部材としては、熱伝導率の良好な銅(Cu)やアルミ(Al)などの複合材料を放熱板材料として用いることにより、放熱効果を一層高めることが可能になる。さらに、放熱板材料の表面に凹凸形状のフィンを付けて表面積を増やすことで、放熱効果をより高めることができる。
【0060】
また、制御部22は、例えば投影画像の切り替えタイミングでバイブモータ38を間欠的に回転制御したり、バイブモータ38を回転させて冷却している間は逆に投影動作の方を中断するように制御したりすることが好ましい。これにより、投影する画像にぶれが発生することを抑制することができる。
【0061】
また、バイブモータ38は、回転軸と偏心重りとの間にワンウェイクラッチを介在させる構成とすることが好ましい。これにより、バイブモータは、一方の方向、例えば順方向への回転時には、偏心重りを回転させてバイブレーションを発生させ、他方の方向、例えば逆方向回転時には、偏心重りを回転させず、回転軸先端のファン38aのみを回転させることができる。このように、ワンウェイクラッチを設ける構成とすることで、ファンのみを回転させることができ、バイブレーションを発生させず冷却することが可能となる。
【0062】
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2にかかる携帯電子機器の斜視図である。上記実施形態1では、図2に示すように、携帯電子機器10の第1の筐体10aの長手方向に第2の筐体10bをスライドさせた第2の状態で、プロジェクタ34により画像投影を行っていたが、本発明はこのタイプの携帯電子機器に限定されない。例えば、図9に示す実施形態2は、携帯電子機器100の第1の筐体110aの短手方向に第2の筐体110bをスライドさせるタイプの携帯電話にプロジェクタ134を搭載した例である。この図9に示す第2の状態において、プロジェクタ134の光出射部134aから画像投影を行うようにしても良い。
【0063】
携帯電子機器100の構成は、基本的には上記実施形態1と同様であるが、図9に示すように、第1の筐体110aと第2の筐体110bとの相対位置が変化する移動方向を短手方向とする点が異なっている。これにより、プロジェクタ134の光出射部134aは、移動方向(白抜き矢印B方向)の前端部の第1の領域寄りに設けられている。
【0064】
携帯電子機器100は、上記した構成以外は実施形態1の携帯電子機器10と同様であるため、重複説明を省略する。
【0065】
携帯電子機器100のように、第1の筐体110aの短手方向に第2の筐体110bをスライドさせるタイプであっても、第2の状態で露出し、第1の状態で第1の筐体110aと対向する位置となる第1の領域に対応する位置にプロジェクタ134を設けることで、ユーザが携帯する姿勢(第1の状態)では、最も熱が伝わる第1の領域がユーザに触れないようにすることができ、ユーザが不快感を覚える可能性を低減することができる。また、プロジェクタ134による画像投影時は、プロジェクタ134から発生する熱を外部に露出している第1の領域から放熱することができるため、筐体の温度上昇を抑えることができる。
【0066】
また、携帯電子機器100も、制御部22がプロジェクタ134内部の温度センサ36により内部温度が所定温度以上になった場合に、バイブモータ38を回転させてファン38aを回し、プロジェクタ134内部の空気をスリット35から排出することにより、プロジェクタ134を強制冷却することができる。これのより、筐体の温度上昇も抑制することができる。
【0067】
また、携帯電子機器100も、第2の筐体110bのディスプレイ112と、プロジェクタ134との間に不図示の断熱シートが配置することで、プロジェクタ134で発生した熱がディスプレイ112側の面に伝わるのを抑制することができる。
【0068】
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3にかかる携帯電子機器の斜視図である。図10に示す実施形態3は、携帯電子機器200の第1の筐体210aと第2の筐体210bとをレシーバ216付近に設けた支点を中心として回動可能に支持されている。図10では、白抜き矢印C方向に第2の筐体210bを90度回動させて第2の状態とし、外部に露出した第1の領域に配置されたプロジェクタ234の光出射部234aから画像投影を行っている。また、図示していないが、第2の筐体210bを白抜き矢印C方向に180度回動させて第2の状態とし、通話や画像投影を行うようにしても良い。
【0069】
携帯電子機器200の構成は、基本的には上記実施形態1及び2と同様であるが、図10に示すように、第1の筐体210aと第2の筐体210bの最も面積の広い面同士を対向させた第1の状態から、第2の筐体210bを白抜き矢印C方向に回動させて相対位置を変化させ、第2の状態とする点が異なっている。これにより、外部に露出した第2の筐体210bの第1の領域にプロジェクタ234が配置され、光出射部234aは端部の第1の領域寄りに設けられている点が異なっている。
【0070】
携帯電子機器200は、上記した構成以外は実施形態1で説明した携帯電子機器10と同様であるため、重複説明を省略する。
【0071】
携帯電子機器200のように、第1の筐体210aに対して第2の筐体210bを回動させて第2の状態とするタイプであっても、第2の状態で露出し、第1の状態で第1の筐体210aと対向する位置となる第1の領域に対応する位置にプロジェクタ234を設けることで、ユーザが携帯する姿勢(第1の状態)では、最も熱が伝わる第1の領域がユーザに触れないようにすることができ、ユーザが不快感を覚える可能性を低減することができる。また、プロジェクタ234による画像投影時は、プロジェクタ234から発生する熱を外部に露出している第1の領域から放熱することができるため、筐体の温度上昇を抑えることができる。
【0072】
また、携帯電子機器200も、制御部22がプロジェクタ234内部の温度センサ36により内部温度が所定温度以上になった場合に、バイブモータ38を回転させてファン38aを回し、プロジェクタ234内部の空気をスリット35から排出することにより、プロジェクタ234を強制冷却することができる。
【0073】
また、携帯電子機器200も、第2の筐体210bのディスプレイ212と、プロジェクタ234との間に不図示の断熱シートが配置することで、プロジェクタ234で発生した熱がディスプレイ212側の面に伝わるのを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明にかかる携帯電子機器は、壁面やスクリーンに画像を投影する携帯型の装置として用いることに適している。
【符号の説明】
【0075】
10、100、200 携帯電子機器
10a 第1の筐体
10b 第2の筐体
12、112、212 ディスプレイ
13、113、213 操作キー
14 方向及び決定キー
15、115、215 マイク
16、116、216 レシーバ
17 スピーカ
22 制御部
22a 携帯電話回路基板
22b プロジェクタ制御基板
26a メインアンテナ
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
34、134、234 プロジェクタ
34a、134a、234a 光出射部
35 スリット
36 温度センサ
38 バイブモータ
38a ファン
40 カメラモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、
前記第1の筐体の一つの面に対向して配置され、互いに対向する面が向かい合った状態を維持して前記第1の筐体に対して相対位置が変化可能な第2の筐体と、
前記第2の筐体内部に配置された熱源部と、を備え、
前記第2の筐体の表面には、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが向かい合って対向している第1の状態では前記第1の筐体により覆われ、且つ前記第1の筐体との相対位置が変化して、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが対向する面積が前記第1の状態よりも減少する第2の状態において外部に露出する第1の領域と、
前記第1の状態及び前記第2の状態のいずれにおいても、常に外部に露出している第2の領域とがあり、
前記第1の領域に対応する位置に前記熱源部の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記第1の領域は、前記熱源部が発生させた熱が前記第2の領域よりも多く伝わることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記熱源部は、画像を投影する投影部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記投影部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第2の状態にあるときに画像の投影を行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記投影部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第1の状態にあるときは画像の投影を行わないことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記第1の領域は、放熱用の開口部が設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第1の領域は、前記第1の筐体を平坦な台の上に載置した状態で、前記第1の筐体と前記第2の筐体が前記第2の状態にあるときに、前記台の表面から離間した状態にあることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
さらに前記開口部に向かって送風するファンを備えていることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記投影部は、前記第1の状態にて当該携帯電子機器を携帯するように促す報知情報を含む画像を投影することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記第1の筐体において、前記第2の状態にあるときに露出する第3の領域に操作部の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記第1の筐体の長手方向に前記第2の筐体を移動させることにより、前記第1の状態から前記第2の状態へと前記相対位置を変化させ、
前記投影部の光出射部が、前記第2の筐体の移動方向の前端部の前記第1の領域寄りに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−97289(P2011−97289A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248216(P2009−248216)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】