説明

携帯電子装置

【課題】どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生し、所在を報知する。
【解決手段】携帯電子装置10は、入力部44から設定されたイベントとその継続時間および報知音の種別を特定する所在報知設定とを記憶する報知条件記憶部61と、報知条件記憶部61に記憶された所在報知設定に基づいて報知音の種別を特定し音声による所在報知出力を行う所在報知部64と、報知条件記憶部61に記憶されたイベントを検出するとともにその継続時間を計数する所在報知制御部62と、を備え、前記計数された継続時間が報知条件記憶部61に記憶された継続時間を超過すると、所在報知部64により音声による所在報知出力を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型の音楽プレイヤー、携帯情報端末、携帯ゲーム機、携帯電話などの携帯電子装置に関するものであり、特に、所有者が携帯電子装置を手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、携帯電子装置の電源がOFFされた状態で長時間の放置された場合など、所定のイベントとその継続時間を報知条件として設定しておき、設定された報知条件に該当する場合に、該携帯電子装置の電源がOFFされた状態であっても、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生するようになし、その所在を報知するようにした携帯電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在では、マイクロプロセッサ(CPU)が小型化、高性能化されたことにより、種々の電子装置が携帯できるようになってきている。例えば、携帯型の音楽プレイヤー、携帯情報端末、携帯ゲーム機、携帯電話などであり、また、これらの携帯型の電子装置は、複数の機能を備えた複合機として提供されるようになってきている。
【0003】
このような携帯電子装置においては、ハード、ソフト機能が充実し、各種の機能を兼ねるようになってきており、これらの機器の普及率の拡大にはめざましいものがある。特に、携帯電話を利用したデータ通信サービスを提供する事業者も増加しており、携帯電話機を利用してバンキング、インターネット販売、ナビゲーション、交通機関やコンビニエンスストアなどの代金決済など様々なサービスを受けることができるようになってきている。特に携帯電話機においては種々のオプションやアプリケーションが搭載可能であり、利用できるサービスの種類も豊富になってきている。
【0004】
これらの携帯電子装置は、日常的にユーザにより携帯されるものであるが、自宅や勤務先において置き忘れ、その所在が不明になることがある。そのような状態のまま放置されると、携帯電子装置の紛失や盗難につながり、第3者によって不正に使用されるという危険も生じる。このような問題を解決するため、携帯電子装置がその所有者の手元から離れたことを検出して利用者に報知する技術が考慮されている。
【0005】
このような技術は、例えば、下記の特許文献1(特開2000−49692号公報)にバッテリパックシステムの発明として開示され、また、下記特許文献2(特開2006−262110号公報)に携帯型電子機器の発明として開示され、更に、下記の特許文献3(特開2003−229812号公報)に電子機器の発明として開示されている。
【0006】
この特許文献1に開示されたバッテリパックシステムは、バッテリ回路から電力が供給される送受信回路と、送受信回路とバッテリ回路間に設けられたバッテリパック側電源スイッチと、バッテリ回路の電力を供給するバッテリ・パック本体と、送受信回路と電波の送受を行うセンサ側送受信回路と、センサ側送受信回路に電力を供給するセンサ側バッテリ回路と、センサ側バッテリ回路とセンサ側送受信回路と間に接続されたセンサ側電源スイッチと、センサボックス本体とバッテリパック本体との間で電波の送受を行うように構成されたものであり、携帯電話機器が使用者から距離的に離れると、携帯電話機器からの発信信号を受信機器が受信でき無くなり、使用者に報知するものである。
【0007】
また、特許文献2に開示された携帯型電子機器は、指定時刻と指定位置とをペアにして記憶しておく記憶部と、現在時刻を取得する時刻取得部と、現在位置を取得する位置取得部と、現在時刻が指定時刻に達したときの現在位置がその指定時刻に対応して記憶されている指定位置と一致するか不一致であるかを判定する判定部と、判定部による不一致との判定結果を受けて、不一致に対応する処理を行なう不一致対応処理部とを有するものであり、設定した時刻に設定した場所に携帯電話がない時に利用者に報知するようにしたものである。
【0008】
更に、特許文献3に開示された電子機器は、対としてなる携帯電話と携帯用機器をその対の一組とした構成において、互いに相手方の機器の状態を取得するために使用する第1、第2の無線通信手段、を携帯電話及び携帯用機器の各々に備え、第1、第2の無線通信手段により少なくとも互いの存在状態を監視し、存在状態に応じた出力を行う第1、第2の出力部をいずれかの機器に備あるように構成されたものであり、携帯電話や携帯用機器等の電子機器の置き忘れを利用者に報知してその紛失を防止するものである。
【特許文献1】特開2000−49692号公報
【特許文献2】特開2006−262110号公報
【特許文献3】特開2003−229812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたバッテリパックシステムの発明は、バッテリ回路から電力が供給される送受信回路と、送受信回路と電波の送受を行うセンサ側送受信回路を設ける必要があり、装置の構成が複雑になるとともに装置コストの増加をもたらすという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献2に開示された携帯型電子機器は、指定時刻と指定位置とをペアにして記憶しておき、指定された時刻に指定された位置に該携帯型電子機器が存在していない時に所有者に報知するものであり、限られた時刻、限られた場所における報知しかできないという問題点がある。
【0011】
更に、上記特許文献3に開示された電子機器は、対としてなる携帯電話と携帯用機器を用い、互いに相手方の機器の状態を取得するために使用する無線通信手段を備える必要があり、電子機器の構成が複雑となり装置コストの増加をもたらすばかりでなく、電子機器の所有者が携帯用機器を所持していない場合には、報知を受けることができず、本質的な解決にならないという問題点がある。
【0012】
本願の発明者は、上記の従来技術の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電子装置の電源がOFFされた状態で長時間の放置された場合など、所定のイベントとその継続時間を報知条件として設定しておき、設定された報知条件に該当する場合に、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、所有者が携帯電子装置を手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生するようになし、その所在を報知するようにした携帯電子装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、入力部と、当該入力部から設定されたイベントとその継続時間および報知音の種別を特定する所在報知設定とを記憶する報知条件記憶部と、前記報知条件記憶部に記憶された所在報知設定に基づいて報知音の種別を特定し音声による所在報知出力を行う所在報知部と、前記報知条件記憶部に記憶されたイベントを検出するとともにその継続時間を計数する所在報知制御部と、を備え、
前記計数された継続時間が前記報知条件記憶部に記憶された継続時間を超過すると、前記所在報知部により音声による所在報知出力を実行することを特徴とする携帯電子装置である。
【0015】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電子装置において、前記報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記携帯電子装置の電源OFFであり、前記所在報知制御部は、携帯電子装置の電源OFF時に、前記報知条件記憶部および前記所在報知部に前記電池部から電源を供給することを特徴とする。
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる携帯電子装置において、携帯電子装置は、振動センサを備え、前記報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記振動センサによる振動の不検出であることを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電子装置において、前記報知条件記憶手段に記憶する報知条件には、更に、前記所在報知部による所在報知出力の実行時刻を設定する情報を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかる携帯電子装置において、前記報知条件記憶手段に記憶する報知条件の設定および解除は、前記携帯電子装置に登録されたパスワードの照合に基づいて行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1にかかる発明においては、携帯電子装置は、入力部から設定されたイベントとその継続時間および報知音の種別を特定する所在報知設定とを記憶する報知条件記憶部と、前記報知条件記憶部に記憶された所在報知設定に基づいて報知音の種別を特定し音声による所在報知出力を行う所在報知部と、前記報知条件記憶部に記憶されたイベントを検出するとともにその継続時間を計数する所在報知制御部と、を備え、前記計数された継続時間が前記報知条件記憶部に記憶された継続時間を超過すると、前記所在報知部により音声による所在報知出力を実行する。
【0019】
かかる構成によれば、所有者が携帯電子装置を手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生してその所在を報知することができるようになる
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電子装置において、報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記携帯電子装置の電源OFFであり、前記所在報知制御部は、携帯電子装置の電源OFF時に、前記報知条件記憶部および前記所在報知部に前記電池部から電源を供給するから、所有者が携帯電子装置の電源をOFFにして手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生してその所在を報知することができるようになる
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる携帯電子装置において、携帯電子装置は、振動センサを備え、前記報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記振動センサによる振動の不検出であるから、所有者が携帯電子装置を所持せずに、または、携帯電子装置の電源をOFFにして手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生してその所在を報知することができるようになる
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電子装置において、報知条件記憶手段に記憶する報知条件には、更に、前記所在報知部による所在報知出力の実行時刻を設定する情報を含むから、周囲が静かで所在報知を聞き逃す恐れのない時間に所在報知を受けることができるようになる。
【0020】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかる携帯電子装置において、報知条件記憶手段に記憶する報知条件の設定および解除は、前記携帯電子装置に登録されたパスワードの照合に基づいて行われるから、所在報知の機能が誤った状態で作動し、周囲の迷惑になることがないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯電子装置を例示するものであって、本発明をこの実施例の携帯電子装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の携帯電子装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1にかかる携帯電子装置である携帯電話10の構成を示すブロック図である。携帯電話10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号を、アンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0023】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0024】
ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0025】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により入力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0026】
切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0027】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0028】
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36には、ROM38が接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0029】
制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、OKキー54と、クリアキー55と、を有している。テンキー48には、0〜9の各数字入力ボタンと、♯ボタンと、*ボタン(本実施形態では12個のボタンとなる)とが含まれる。
【0030】
ディスプレイ42は、液晶表示パネルなどで構成され、バックライトユニットからなる照明部46の照明光を受けて画像を表示する。電池部65はバッテリパックにより構成され、各部に電源を供給する。電池部65は商用電源にACアダプタや充電台(図示せず)を介して接続され充電される。
【0031】
本実施例1にかかる携帯電話は、報知条件記憶部61、所在報知制御部62、振動センサ63、所在報知部64を備えている。振動センサ63は、携帯電話10の振動、すなわち、携帯電話10が所有者に所持され、歩行などに伴う振動を検出する。
【0032】
報知条件記憶部61には、携帯電話10の所有者が、置き忘れ報知を受けるための条件を登録、記憶する。報知条件としては、携帯電話10の置き忘れを検出するのに適したイベントを設定し、そのイベントの継続時間を設定する。例えば、携帯電話10の電源をOFFとしたまま所定時間、例えば、24時間経過した場合には、置き忘れであることが疑われるので、このようなイベントとその継続時間を設定する。
所在報知制御部62は、報知条件記憶部61に記憶されたイベントを検出するとともにその継続時間を計数する。イベントが電源OFFである場合、所在報知制御部62は、携帯電話10の電源がOFFされると、報知条件記憶部61、振動ユニット63、所在報知部64に対して電池部65から電電供給を行うように制御し、置き忘れ報知機能が動作できるようにするとともに、その継続時間を計数する。計数された継続時間が設定された時間、上記の場合は24時間を超過した場合には、所在報知部64により音声による所在の報知(置き忘れの報知)を実行させる。
このため、報知条件記憶部61には、前述のイベントおよび継続時間とともに、携帯電話10の所有者が所望の報知音の種別を登録、記憶する。報知音の種別としては、例えば、携帯電話10に登録されている着信メロディーやメッセージを設定する。従って、所在報知部64は、設定された報知音の種別に従って音声報知を実行する。
【0033】
図2は、携帯電話10の所有者が入力部44などから設定し、報知条件記憶部61に記憶される報知条件の一例を示す図である。図2に示すように報知条件とするイベントおよび継続時間を報知条件として設定する。電源OFFの状態が継続して24時間以上になったら、所在報知の出力をするように設定し、あるいは、振動センサ63による振動検出が継続して24時間以上検出されなかったら所在報知の出力をするように設定する。
【0034】
所有者が携帯電話10を所持していない場合には、振動センサ63による振動が検出されなくなるので、これをイベントとして設定し、この状態が所定の時間以上継続したら置き忘れ状態にあると判断できる。電源OFFの継続時間と、振動センサによる振動の不検出の継続時間の両方を併用して報知条件とすることもできる。
【0035】
図3は、携帯電話10の所有者が入力部44などから設定し、報知条件記憶部61に記憶される報知方法の一例を示す図である。所在報知設定は報知音の種別を設定するものであり、例えば、報知Aは着信音メロディーAを報知音として設定した場合を、報知Bは報知音として予め登録したメッセージ(例えば、「ここですよー」などの音声メッセージ)を設定した場合を、報知Cは報知音として特定の報知音発生回路を用いる設定をした場合を示している。
【0036】
このような所在報知の機能が誤った状態で作動すると周囲の迷惑となるので、これらの設定は、携帯電話10の所有者が明確な意図を持って設定する必要があり、その設定、解除にあたっては、所有者自身が登録した所有者IDやパスワードの入力、照合を経て実行されるように構成することが好ましい。
【0037】
また、報知条件の設定にあたって、設定したイベントとその継続時間の超過を検出した場合であって、かつ、所在報知を実行する実行時間を設定できるようにすることもできる。例えば、携帯電話10の置き忘れは自宅内であることが多く、報知時刻を周囲が比較的静かな時間帯と考えられる夜間の23:00あるいは早朝の5:00などのように設定しておけば、報知音を聞き逃すということも防止できる。また、所在報知の音による報知出力の回数と報知間隔を設定するようにしてもよい。例えば、5分間隔で5回報知するように設定すれば、報知を聞き逃すことがなくなる。
【0038】
次に、以上説明した本発明の実施例にかかる携帯電話10の所在報知の処理手順を説明する。図4は、所在報知の手順を示すフローチャートである。携帯電話10の報知条件記憶部61には、電源OFFをイベントとしその継続時間が所定の時間継続した場合に、所在報知を行う設定がなされているものとする。
【0039】
先ず、所在報知時制御部62は、携帯電話10の電源がOFFされたか否かを検出する(ステップS101)。電源がOFFされていなければステップS101の処理を繰り返し、電源がOFFされると、所在報知制御部62は、携帯電話10の電源OFFを検出し、報知条件記憶部61、振動ユニット63、所在報知部64に対して電池部65から電源供給を行うように制御し、電源OFF状態の時間計数の処理を開始する(ステップS102)。
【0040】
ステップS103で所在報知時制御部62は、携帯電話10の電源ONを判別する。電源がONでなければ、所在報知部64は、時間計数の結果、所定時間(報知条件として設定された継続時間)経過したかを判別する(ステップS104)。所定時間経過していれば、ステップS105の処理に進み、設定された報知音種別(図3参照)に応じて所在報知を実行する。所定時間経過していなければ、ステップS103の処理に戻り、時間計数の処理を継続する。
【0041】
一方、ステップS103の判別処理で、携帯電話10の電源がONされていると判別すると、所在報知制御部62は、時間計数をリセットし(ステップS106)、ステップS101の処理に戻る。
【0042】
以上、説明したように、本発明によれば、所有者が携帯電子装置を手元から離して長時間が経過し、どこに置き忘れたかを思い出せないような場合に、簡単な構成で、該携帯電子装置が音声あるいは音楽などの音を発生してその所在を報知することができるようになる。
【0043】
なお、上記実施例においては携帯電話を携帯電子装置の1例として本発明を説明したが、本発明は携帯電話に限らず、携帯音楽プレイヤーや携帯情報端末など、種々の携帯電子装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例にかかる携帯電子装置である携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】報知条件記憶部に記憶される報知条件の一例を示す図である。
【図3】報知条件記憶部に記憶される報知方法の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかる携帯電子装置における置き忘れ報知の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10・・・・・携帯電話
12・・・・・通信部
14・・・・・ベースバンド部
22・・・・・切替回路
26,34・・スピーカ
30・・・・・マイクロホン
36・・・・・制御回路
38・・・・・ROM
40・・・・・RAM
42・・・・・ディスプレイ
44・・・・・入力部
61・・・・・報知条件記憶部
62・・・・・所在報知制御部
63・・・・・振動センサ
64・・・・・所在報知部
65・・・・・電池部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、当該入力部から設定されたイベントとその継続時間および報知音の種別を特定する所在報知設定とを記憶する報知条件記憶部と、
前記報知条件記憶部に記憶された所在報知設定に基づいて報知音の種別を特定し音声による所在報知出力を行う所在報知部と、
前記報知条件記憶部に記憶されたイベントを検出するとともにその継続時間を計数する所在報知制御部と、を備え、
前記計数された継続時間が前記報知条件記憶部に記憶された継続時間を超過すると、前記所在報知部により音声による所在報知出力を実行することを特徴とする携帯電子装置。
【請求項2】
前記報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記携帯電子装置の電源OFFであり、前記所在報知制御部は、携帯電子装置の電源OFF時に、前記報知条件記憶部および前記所在報知部に前記電池部から電源を供給することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項3】
前記携帯電子装置は、振動センサを備え、前記報知条件記憶部に記憶するイベントは、前記振動センサによる振動の不検出であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯電子装置。
【請求項4】
前記報知条件記憶手段に記憶する報知条件には、更に、前記所在報知部による所在報知出力の実行時刻を設定する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項5】
前記報知条件記憶手段に記憶する報知条件の設定および解除は、前記携帯電子装置に登録されたパスワードの照合に基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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