説明

携帯電話応対装置

【課題】携帯電話用のコールセンターを構築し、安価にコミュニケーションを実現する。
【解決手段】親受発信機2はホストコンピュータ5と音声入力ケーブル3と通信ケーブル4で接続されており、複数の子受発信機7はクライアントコンピュータ12と音声入力ケーブル8、音声出力ケーブル9、通信ケーブル10で接続されており、更にホストコンピュータ5とクライアントコンピュータ12はLANやインターネットを含むバス17で接続されている。親受発信機は、携帯電話機からの顧客の電話を受信すると、ホストコンピュータ5に顧客の電話番号を入力する。ホストコンピュータ5は顧客情報を得てクライアントコンピュータ12に送信し、クライアントコンピュータ12はポップアップ表示する。クライアントコンピュータに対応したオペレータは、発信ボタンをクリックして子受発信機7を介して顧客と接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCTI(Computer Telephony Integration)に関わるもので、電話回線とコンピュータを一体化して、電話番号を電話機上に表示するというナンバーディスプレイ機能にさらに付加価値を与え、送信元の相手先の情報を電話がかかると同時に表示したり、相手先の電話へマウスによるワンクリック発信して、顧客とのコミュニケーションがスムーズに実現できるようにする技術である。
【背景技術】
【0002】
従来のCTIはコールセンターを構築するために利用されており、主に顧客管理や販売業務と連携しながら、顧客の電話番号を特定して、顧客情報をポップアップ画面にて表示することによって、顧客の購買履歴やクレーム対応状況の把握を容易にし、その結果として顧客満足度を高めるものである。
【0003】
その構成機器である交換機とCTIサーバは互いに連動し、電話がかかってくると交換機からCTIサーバへ電話受信の通知が来て、CTIサーバは送信元の相手先情報を取り出し、該情報を受付オペレータが操作しているコンピュータすべてかもしくは一部のものに送信して、該コンピュータディスプレイに該情報がポップアップ表示される。
【0004】
次に、受付オペレータの一人が電話機をオンフックすると、交換機は回線切換を行って通話を可能にさせると同時に、CTIサーバは回線切換があったことを確認し、その結果として他の受付オペレータのコンピュータに該通知が送られ、待ち受け状態に戻る。
【0005】
また、顧客情報が表示されているコンピュータディスプレイ上で、その中に配備されている発信ボタンをクリックすると、その通知がCTIサーバを経由して交換機に通知され、交換機の機能で手元の電話機を自動または半自動でオンフックし、相手先に電話発信することができる。
【0006】
以上のように、従来のCTI技術は交換機とCTIサーバの連動を基本にして、もともと交換機がもつ電話受発信の機能にコンピュータによる情報検索や表示にする付加価値をつけて、コールセンターとしての機能を実現するために利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方で、最近の電話機普及の傾向を考えると、携帯電話市場は急速に広がっており、コールセンターにかかってくる電話は携帯電話であることは十分に想定されうる。
【0008】
しかるに、上述したようなCTI技術は交換機を基本にしていることから、従来型の固定電話を対象にしたものであって、一応携帯電話からの発信も受付できるが、その場合は携帯電話網から固定電話網へのブリッジが必要となり、そのため電話料金は携帯−固定電話間においては明らかに高くなるのは必至といえる。
【0009】
この事情は最近注目を集めているIP電話も同様のことで、IP電話網、すなわちインターネットとのブリッジが必要であることからも明らかである。
【0010】
以上をまとめると、コールセンターの今後のターゲットとしては携帯電話所有の顧客が考えられるが、そうした顧客と電話応対する機会を増加させるためには、携帯電話用のコールセンターを構築し、安価にコミュニケーションを実現できる手段をもった技術が必要である。
【0011】
本発明は、こうした現状のCTIの問題点を考慮してなされたもので、機能的には固定電話をターゲットにしたCTIシステムと同じように、電話がかかってくると相手先の情報をコンピュータディスプレイにポップアップ表示したり、ワンクリック発信したりするが、相手先の電話は固定電話ではなく、携帯電話を対象にし、固定電話網とのブリッジをせずに、携帯電話網内で電話の受発信を実現することが解決すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明においては、まずシステム構成として、現状の携帯電話がもつ機能の中で通信機能の部分だけを実現し、さらにコンピュータとも通信してコンピュータから制御できるようにした携帯電話対応の受発信機があることを前提にし、該受発信機を複数用意し、各々の受発信機をコンピュータに接続し、コンピュータどうしはネットワーク接続させ、受発信機の一つを親受発信機、それ以外を子受発信機と考え、親受発信機の電話番号をコールセンターの代表電話番号とした装置システムを配備する。
【0013】
この装置システムにおいて、親受発信機側のコンピュータは代表にかかってきた送信元電話番号から相手先情報を取り出し、該情報を子受発信機側コンピュータへ送信した後、相手先との通話をせずに、次の電話受信のための待ち受け状態に入り、一方、子受発信機側コンピュータは受け取った該相手先情報をディスプレイ上にポップアップ表示した後、オペレータが表示の中にある発信ボタンをクリックするか、または自動的にクリックして子受発信機が相手先に自動発信し、その結果相手先と通話できる手段を備えた装置システムを提供する。
【0014】
さらに、子受発信機側に電話がかかってきたときに、送信元電話番号から相手先情報を取り出し、子受発信機側コンピュータは受け取った該相手先情報をディスプレイ上にポップアップ表示した後、子受発信機側オペレータが転送先子受発信機側を指定し、転送ボタンをクリックして相手先との通話を終了するとともに、転送先子受発信機側のコンピュータが該相手先情報をディスプレイにポップアップ表示し、転送先子受発信機のオペレータが表示の中にある発信ボタンをクリックするか、または自動的にクリックして転送先子受発信機が相手先に自動発信し、その結果相手先と通話を再開できる手段も備えた装置システムを提供する。
【0015】
具体的に、本発明は、携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が一つないし複数あるとき、親側装置と子側装置群とがLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、親受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータが該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが相手先電話に対して受付したことを通知するメッセージを流して通話を終了することで次の電話受信が可能になるようにする手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するようにクライアントコンピュータが子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話できるようにさせる手段とを併用して、携帯電話に対する応答を記録して次の電話に対する準備を親側装置が行い、一方、子側装置の一つが自動または半自動発信にて電話応対できるようにする。
【0016】
また、携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、一方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が一つないし複数あり、さらに顧客データベースを保持したデータベースコンピュータがあるとき、親側装置と子側装置群とデータベースコンピュータが相互にLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、親受信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータが受信した該電話番号をデータベースコンピュータに送信する手段と、データベースコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが相手先電話に対して受付したことを通知するメッセージを流して通話を終了することで次の電話受信が可能になるようにする手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するようにクライアントコンピュータが子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話できるようにさせる手段とを併用して、携帯電話に対する応答を記録して次の電話に対する準備を親側装置が行い、一方、子側装置の一つが自動または半自動発信にて電話応対できるようにする。
【0017】
さらに、携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が複数あるとき、親側装置と子側装置群がLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、子受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してクライアントコンピュータに送信し、クライアントコンピュータが受信した該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中に電話転送先を示す別の子側装置を入力する項目とマウスクリックの対象になる転送ボタンを配備し、該転送ボタンをクリックすることで該電話番号を転送先子側装置へ送信するとともに相手先との通話を終了する手段と、該電話番号を受信した転送先子側装置が該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで転送先子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するように転送先クライアントコンピュータが転送先子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話を再開できるようにさせる手段とを併用して、携帯電話に対する子側装置から別の子側装置へと擬似的に転送して電話応対できるようにする。
【0018】
さらに、携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が複数あり、さらに顧客テータベースを保持したデータベースコンピュータがあるとき、親側装置と子側装置群とデータベースコンピュータが相互にLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、子受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してクライアントコンピュータに送信し、クライアントコンピュータが受信した該電話番号をデータベースコンピュータに送信する手段と、データベースコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中に電話転送先を示す別の子側装置を入力する項目とマウスクリックの対象になる転送ボタンを配備し、該転送ボタンをクリックすることで該電話番号を転送先子側装置へ送信するとともに相手先との通話を終了する手段と、該電話番号を受信した転送先子側装置が該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで転送先子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するように転送先クライアントコンピュータが転送先子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話が再開できるようにさせる手段とを併用して、携帯電話に対する子側装置から別の子側装置へと擬似的に転送して電話応対できるようにする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、機能的には固定電話をターゲットにしたCTIシステムと同じように、電話がかかってくると相手先の情報をコンピュータディスプレイにポップアップ表示したり、ワンクリック発信したりするが、相手先の電話は固定電話ではなく、携帯電話を対象にし、固定電話網とのブリッジをせずに、携帯電話網内で電話の受発信を実現したもので、システム構成として、現状の携帯電話がもつ機能の中で通信機能の部分だけを実現し、さらにコンピュータとも通信してコンピュータから制御できるようにした携帯電話対応の受発信機があることを前提にし、該受発信機を複数用意し、各々の受発信機をコンピュータに接続し、コンピュータどうしはネットワーク接続させ、受発信機の一つを親受発信機、それ以外を子受発信機と考え、親受発信機の電話番号をコールセンターの代表電話番号とした装置システムを配備した結果、従来の交換機ベースのCTIシステムと比較すると、分散された受発信機装置がネットワーク接続された構造であるため、はるかに安価な携帯電話応対システムを実現することができ、しかも固定電話網とのブリッジも不要になることから、電話通信料金は非常に格安になる。
【0020】
こうした機能効果によって、コールセンターの今後のターゲットとして想定される携帯電話所有の顧客との電話応対機会の増加に対応することができ、携帯電話用のコールセンターを構築し、安価にコミュニケーションを実現することができる点で、産業上大いに貢献するものと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図に従って、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1(単体システム構成)は本発明の携帯用電話応対装置の単体システム構成を表したものである。
【0023】
携帯電話応対装置の単体システムは、現状の携帯電話がもつ機能の中で通信機能の部分だけを実現したアンテナつきの受発信機を複数台用意し、その内の一台を親受発信機2とし、親受発信機2はホストコンピュータ5と音声入力ケーブル3と通信ケーブル4で接続されており、一方、残りの受発信機は子受信機7として、クライアントコンピュータ12と音声入力ケーブル8、音声出力ケーブル9、通信ケーブル10で接続されており、さらにホストコンピュータ5とクライアントコンピュータ12はLANやインターネットを含むバス17で接続されている。
【0024】
電話応対するオペレータは、クライアントコンピュータ12をキーボード13とマウス14を通じて操作し、マイク15とスピーカ16を通じて、子受発信機7経由で電話相手先と通話する。
【0025】
親受発信機2は電話を受信すると、ホストコンピュータ5に送信元の相手先電話番号を送信するようになされており、ホストコンピュータ5は該電話番号を受信すると、該電話番号に関連した相手先情報を取り出し、該相手先情報をバス17を介してクライアントコンピュータに送信すると同時に、電話受付完了を通知する音声ファイルを再生させ、音声入力ケーブル3を介して親受発信機2が相手先に音声を流す。
【0026】
一方、ホストコンピュータが送信した該相手先情報を、クライアントコンピュータ12が受信し、該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに発信ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ11上にポップアップ表示させた後、クライアントコンピュータ12を操作するオペレータが発信ボタンをクリックするか、または自動クリックすると、相手先電話番号つきの発信コマンドを子受発信機7に送信して、子受発信機7を通じてマイク15とスピーカ16を使って、相手と通話するようになされている。
【0027】
相手側が子受発信機7に電話をかけた場合、クライアントコンピュータ12は受信した該電話番号をホストコンピュータ5に送信し、返信結果である該相手先情報を受信すると、該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに電話の転送先を指定する入力項目と転送ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ11上にポップアップ表示する。
【0028】
次に、クライアントコンピュータ12を操作するオペレータが転送先である別の子受発信機19を入力して、転送ボタンをクリックすると、相手先との通話を終了するとともに、該電話番号を該転送先子受発信機19に送信し、転送先子受発信機19に接続されたクライアントコンピュータ24は該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに発信ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ25上にポップアップ表示させた後、クライアントコンピュータ24を操作するオペレータが発信ボタンをクリックするか、または自動クリックすると、相手先電話番号つきの発信コマンドを子受発信機19に送信して、子受発信機19を通じてマイク27とスピーカ28を使って、相手と通話を再開できるようになされている。
【0029】
図2(ネットワークシステム構成)は本発明の携帯電話応対装置のネットワークシステム構成を表したものである。
【0030】
携帯電話応対装置のネットワークシステムは、現状の携帯電話がもつ機能の中で通信機能の部分だけを実現したアンテナつきの受発信機を複数台用意し、その内の一台を親受発信機30とし、親受発信機30はホストコンピュータ33と音声入力ケーブル31と通信ケーブル32で接続されており、一方、残りの受発信機は子受発信機35として、クライアントコンピュータ40と音声入力ケーブル36、音声出力ケーブル37、通信ケーブル38で接続されており、さらにホストコンピュータ33とクライアントコンピュータ40とデータベースコンピュータ57はLANやインターネットを含むバス45で接続されている。
【0031】
電話応対するオペレータは、クライアントコンピュータ40をキーボード41とマウス42を通じて操作し、マイク43とスピーカ44を通じて、子受発信機35経由で電話相手先と通話する。
【0032】
データベースコンピュータ57は、電話番号をキーにして電話相手先情報を取り出す顧客データベースをもっており、ホストコンピュータおよびクライアントコンピュータからの検索要求で、顧客である相手先情報として顧客の名前、住所、顧客の顔写真など、顧客を特定するための情報を取り出して返信する。
【0033】
親受発信機30は電話を受信すると、ホストコンピュータ33に送信元の相手先電話番号を送信するようになされており、ホストコンピュータ33は該電話番号を受信すると、該電話番号をバス45を介してクライアントコンピュータ40に送信すると同時に、電話受付完了を通知する音声ファイルを再生させ、音声入力ケーブル31を介して親受発信機30が相手先に音声を流す。
【0034】
一方、ホストコンピュータ45が送信した該電話番号は、データベースコンピュータ57が受信し、データベースコンピュータ57は受信した該電話番号をキーにして検索を行い、相手先情報を取り出し、該相手先情報をバス45を介してクライアントコンピュータ40に送信する。
【0035】
次に、クライアントコンピュータ40は、受信した該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに発信ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ39上にポップアップ表示させた後、クライアントコンピュータ40を操作するオペレータが発信ボタンをクリックするか、または自動クリックすると、相手先電話番号つきの発信コマンドを子受発信機35に送信して、子受発信機35を通じてマイク43とスピーカ44を使って、相手と通話するようになされている。
【0036】
相手側が子受発信機35に電話をかけた場合、クライアントコンピュータ40は受信した該電話番号をデータベースコンピュータ57に送信し、返信結果である該相手先情報を受信すると、該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに転送ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ39上にポップアップ表示する。
【0037】
次に、クライアントコンピュータ40を操作するオペレータが転送先である別の子受発信機47を入力して、転送ボタンをクリックすると、相手先との通話を終了するとともに、該電話番号を該転送先子受発信機47に送信し、転送先子受発信機47に接続されたクライアントコンピュータ52は該相手先情報を表示したウインドウを作成し、さらに発信ボタンを配備して、該ウインドウをディスプレイ51上にポップアップ表示させた後、クライアントコンピュータ52を操作するオペレータが発信ボタンをクリックするか、または自動クリックすると、相手先電話番号つきの発信コマンドを子受発信機47に送信して、子受発信機47を通じてマイク55とスピーカ56を使って、相手と通話を再開できるようになされている。
【0038】
かかる構成の携帯電話応対装置の単体システム(図1)およびネットワークシステム(図2)において、相手先から親受発信機に電話がかかってきたとき、図3に示す親側電話受信応対ルーチンRT1を実行する。
【0039】
携帯電話応対装置(図1および図2)は、電話受信応対ルーチンに入ると、ステップSP1において電話番号T1を受信し、ステップSP2において該電話番号T1を一つないしは複数の子側電話応対装置に送信する。
【0040】
このとき、ホストコンピュータまたはデータベースコンピュータ上にある顧客データベースと該電話番号T1を照合し、その結果を子側電話応対装置のクライアントコンピュータに送ることもできるが、該電話番号だけを送ってクライアントコンピュータから顧客データベースへの照合の問い合わせを行ってもよく、これらは等価な結果を生む。
【0041】
次に、ステップSP3であらかじめ決められた秒数の間、実行を中断して待ち、ステップSP4で、親受発信機を自動的にオンフックさせるコマンドを親受発信機へ送信し、相手先と通話できる状態にする。
【0042】
ここで、SP3で数秒間待たせるのは、相手先が本発明のコールセンターの機能がわかっており、コールするだけで電話が返信されることを知っている場合に対応するためである。
【0043】
すなわち、SP4で電話をオンフックする前に相手先が電話を切れば、通話料金が加算されず、電話返信が行われるというメリットを相手先が享受できる。
【0044】
次に、ステップSP5で受付完了を通知する音声メッセージを音声出力先に流し、その後ステップSP6で親受発信機を自動的にオフフックさせるコマンドを親受発信機へ送信し、通話を切断して、次の待ち受け状態に入る。
【0045】
一方、子側装置における電話応対は図4で示した子側電話応対ルーチンRT2で実現される。
【0046】
まず、ステップSP7で親側電話応対ルーチンから送信された電話番号T1を受信し、ステップSP8で該電話番号T1をキーにしてホストコンピュータまたはデータベースコンピュータにある顧客データベースに対して問合せを行い、相手先の名前と住所を含む相手先情報を取り出して、電話番号T1と照合する相手先IDのリストL1を求める。
【0047】
ここで、すでに親側電話応対ルーチンで顧客データベースを検索し、相手先IDのリストL1を求めて、L1が送信されている場合は、ステップSP8では何も行わなくてもよい。
【0048】
次に、ステップSP9において、リストL1が空集合の場合は顧客データベースにはない新規の顧客から電話がかかってきたことになり、ステップSP10にて図6に示したように相手先情報を画面から入力させ、該電話番号T1をキーにして検索できるように、該相手先情報を顧客データベースに保存するようにホストコンピュータまたはデータベースコンピュータに依頼する。
【0049】
一方、リストL1が空集合でないときは、ステップSP11において相手先IDのリストL1の要素が2つ以上かどうかチェックし、2つ以上であれば、ステップSP12において図7に示すようにリストL1をディスプレイに表示するが、L1の要素が1つであれば、ステップSP14でリストL1から相手先ID1を取り出す。
【0050】
次に、ステップSP15においては、相手先ID1の情報を表示し、かつ発信ボタンを配備したウインドウを作成し、図8に示したような該ウインドウをディスプレイ上にポップアップ表示する。
【0051】
さらに、ステップSP16において、オペレータが発信ボタンをクリックしたか、または自動クリックしたことを検知し、子受発信機側が該電話番号T1に対して発信するよう、該子受発信機に対して発信コマンドを送信する。
【0052】
以上とは違って、相手先から子受発信機に電話がかかってきたときは、携帯電話応対装置の単体システム(図1)およびネットワークシステム(図2)が、図5に示す子側電話転送ルーチンRT3を実行する。
【0053】
携帯電話応対装置(図1および図2)の子側電話応対装置は、電話受信応対ルーチンRT3に入ると、ステップSP17において電話番号T1を受信し、ステップSP18においてホストコンピュータまたはデータベースコンピュータ上に対して顧客データベースと該電話番号T1を照合するよう依頼し、その結果を子側電話応対装置のクライアントコンピュータに返して、該電話番号T1と照合する相手先IDのリストL1を得る。
【0054】
次に、ステップSP19において、リストL1が空集合の場合は顧客データベースにはない新規の顧客から電話がかかってきたことになり、ステップSP20にて図6に示したように相手先情報を画面から入力させ、該電話番号T1をキーにして検索できるように、該相手先情報を顧客データベースに保存するようにホストコンピュータまたはデータベースコンピュータに依頼する。
【0055】
一方、リストL1が空集合でないときは、ステップSP21において相手先IDのリストL1の要素が2つ以上かどうかチェックし、2つ以上であれば、ステップSP22において図7に示すようにリストL1をディスプレイに表示するが、L1の要素が1つであれば、ステップSP24でリストL1から相手先ID1を取り出す。
【0056】
次に、ステップSP25においては、相手先ID1の情報を表示し、かつ転送先を指定する入力項目と転送ボタンを配備したウインドウを作成し、図9に示したような該ウインドウをディスプレイ上にポップアップ表示する。
【0057】
さらに、ステップSP26において、オペレータが転送ボタンをクリックしたことを検知し、子受発信機側が転送先子受発信機側に該電話番号T1を送信するとともに、オペレータは相手先との通話を終了させる。
【0058】
この後、転送先子受発信機側では送信された該電話番号T1を受信し、図4に示した子側電話応対ルーチンのステップSP8からSP16までを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】 本発明による電話応対支援方法を適用した単体システム構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明による電話応対支援方法を適用したネットワークシステム構成を示すブロック図である。
【図3】 親側電話受信応対ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 子側電話受信応対ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 子側電話転送ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 新規相手先情報の登録画面を示す略線図である。
【図7】 相手先情報のリスト表示画面を示す略線図である。
【図8】 ポップアップ画面を示す略線図である。
【図9】 転送先指定画面を示す略線図である。
【符号の説明】
【0061】
1……アンテナ、2……親受発信機、3……音声入力ケーブル、4……通信ケーブル、5……ホストコンピュータ、6……アンテナ、7……子受発信機、8……音声入力ケーブル、9……音声出力ケーブル、10……通信ケーブル、11……ディスプレイ、12……クライアントコンピュータ、13……キーボード、14……マウス、15……マイク、16……スピーカ、17……バス、18……アンテナ、19……子受発信機、20……音声入力ケーブル、21……音声出力ケーブル、22……通信ケーブル、23……ディスプレイ、24……クライアントコンピュータ、25……キーボード、26……マウス、27……マイク、28……スピーカ、29……アンテナ、30……親受発信機、31……音声入力ケーブル、32……通信ケーブル、33……ホストコンピュータ、34……アンテナ、35……子受発信機、36……音声入力ケーブル、37……音声出力ケーブル、38……通信ケーブル、39……ディスプレイ、40……クライアントコンピュータ、41……キーボード、42……マウス、43……マイク、44……スピーカ、45……バス、46……アンテナ、47……子受発信機、48……音声入力ケーブル、49……音声出力ケーブル、50……通信ケーブル、51……ディスプレイ、52……クライアントコンピュータ、53……キーボード、54……マウス、55……マイク、56……スピーカ、57……データベースコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が一つないし複数あるとき、親側装置と子側装置群とがLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、親受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータが該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが相手先電話に対して受付したことを通知するメッセージを流して通話を終了することで次の電話受信が可能になるようにする手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するようにクライアントコンピュータが子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話できるようにさせる手段を併せ持った、携帯電話に対する応答を記録して次の電話に対する準備を親側装置が行い、一方、子側装置の一つが自動または半自動発信にて電話応対できるようにさせることを特徴とする携帯電話応対装置。
【請求項2】
携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、一方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が一つないし複数あり、さらに顧客データベースを保持したデータベースコンピュータがあるとき、親側装置と子側装置群とデータベースコンピュータが相互にLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、親受信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータが受信した該電話番号をデータベースコンピュータに送信する手段と、データベースコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが相手先電話に対して受付したことを通知するメッセージを流して通話を終了することで次の電話受信が可能になるようにする手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するようにクライアントコンピュータが子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話できるようにさせる手段を併せ持った、携帯電話に対する応答を記録して次の電話に対する準備を親側装置が行い、一方、子側装置の一つが自動または半自動発信にて電話応対できるようにさせることを特徴とする携帯電話応対装置。
【請求項3】
携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が複数あるとき、親側装置と子側装置群がLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、子受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してクライアントコンピュータに送信し、クライアントコンピュータが受信した該電話番号をホストコンピュータに送信する手段と、ホストコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中に電話転送先を示す別の子側装置を入力する項目とマウスクリックの対象になる転送ボタンを配備し、該転送ボタンをクリックすることで該電話番号を転送先子側装置へ送信するとともに相手先との通話を終了する手段と、該電話番号を受信した転送先子側装置が該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで転送先子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するように転送先クライアントコンピュータが転送先子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話を再開できるようにさせる手段を併せ持った、携帯電話に対する子側装置から別の子側装置へと擬似的に転送して電話応対できるようにさせることを特徴とする携帯電話応対装置。
【請求項4】
携帯電話対応の親受発信機とホストコンピュータとが音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された親側装置があり、他方、携帯電話対応の子受発信機とクライアントコンピュータとが音声入力ケーブルと音声出力ケーブルと通信ケーブルで接続された子側装置が複数あり、さらに顧客データベースを保持したデータベースコンピュータがあるとき、親側装置と子側装置群とデータベースコンピュータが相互にLANで直接接続またはインターネット経由で接続された携帯電話応対装置であって、子受発信機に掛かってきた相手先の電話番号を取得してクライアントコンピュータに送信し、クライアントコンピュータが受信した該電話番号をデータベースコンピュータに送信する手段と、データベースコンピュータが受信した該電話番号から相手先を特定するための名前と住所を含んだ相手先情報を検索して該相手先情報をクライアントコンピュータに送信する手段と、クライアントコンピュータが受信した概相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中に電話転送先を示す別の子側装置を入力する項目とマウスクリックの対象になる転送ボタンを配備し、該転送ボタンをクリックすることで該電話番号を転送先子側装置へ送信するとともに相手先との通話を終了する手段と、該電話番号を受信した転送先子側装置が該相手先情報をディスプレイ上のウインドウにポップアップ表示する手段と、該ウインドウの中にマウスクリックの対象になる発信ボタンを配備し、該発信ボタンをクリックすることで転送先子受発信機が該電話番号に対して自動的または半自動的に発信するように転送先クライアントコンピュータが転送先子受発信機を通信ケーブルを介して制御し、その結果として相手先と通話を再開できるようにさせる手段を併せ持った、携帯電話に対する子側装置から別の子側装置へと擬似的に転送して電話応対できるようにさせることを特徴とする携帯電話応対装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−181159(P2007−181159A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381174(P2005−381174)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(397059869)
【Fターム(参考)】