説明

携帯電話機、携帯電話機の文字入力方法及びプログラム

【課題】入力キーが小さくなったとしても入力しやすく、かつ入力方法が覚え易く、さらに指の無駄な動きがなく文字入力を行うことができる携帯電話機を提供する。
【解決手段】テンキーを有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、テンキーのうち所定キーを触接すると、所定キーに対応した子音が決定し、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、携帯電話機の文字入力方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機においては電話機能を用いる他にもメール機能やチャット機能などを用いて他者とコミュニケーションを行う手段が重要視されている。電話でのコミュニケーションと比べてメールではコミュニケーションの即時性は求められないが、電話をかけるよりはメールを送信する方が概して頻度が多いため、ユーザとしては文字入力を早く入力できる機能、手段に対する希求がある。携帯電話ではパソコンのキーボードと比べボタン数が少なく、パソコンでの文字入力になれているユーザにとっては携帯電話での文字入力は入力に時間がかかり煩わしさを感じる場合がある。
【0003】
この点、特許文献1には、携帯電話機におけるテンキー入力において、それぞれのテンキーに5つのセンサを設け、1回の押下により清音入力可能な携帯電話機が開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2には、小型携帯端末機の文字入力方法において、最初に打鍵するキーとこの最初に打鍵するキーに水平、斜め及び垂直方向に隣接する少なくとも1つのキーとを所定時間内に連続して打鍵することにより得られる文字コードの組み合わせによって得られる文字コードの組合せによって高速に文字入力可能な方法が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、子音選択等ができる代表スイッチ群と母音選択等ができる1つのメンバスイッチとからなり、代表スイッチを選択後、タッチパネル等からなるメンバスイッチをスライドタッチさせることにより文字を決定する文字入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−244264号公報
【特許文献2】特開2006−311252号公報
【特許文献3】特開2002−342011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、1つのテンキーに5つの感圧センサを設け、その5つの感圧センサのうちどのセンサが反応したかによって入力文字を決定させるので、テンキーが小型になると5つのセンサ間隔が狭くなり誤作動がおこりやすい。さらにテンキー間隔が狭くなると誤って隣接したキーに触れてしまう誤操作も起こる。
【0008】
特許文献2に記載の技術では、少なくとも近接のキーを2回打鍵することによって清音を入力することができるが、母音を決める2回目の押下が1回目に押下したキーの配置により異なり、不慣れな者にとってはどのキーを押せば所望の文字が入力されるのかわからず、常に1回目に押下したキーにより場合分けをしながら文字入力を行わなければならない煩わしさがある。
【0009】
特許文献3に記載の技術では、タッチパネルを使って文字入力を行うが、代表スイッチ群とメンバスイッチが離れた箇所に位置するので、片手のみを使った入力では指の無駄な動きがあり、入力に時間がかかる。さらにメンバスイッチをタッチしそのスライド距離によって文字を決定するため、どの程度スライドさせれば所望の文字が入力できるのかわか
りづらい。
【0010】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、入力キーが小さくなったとしても入力しやすく、かつ入力方法が覚え易く、さらに指の無駄な動きがなく文字入力を行うことができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電話機は、表示部と、異なる子音が割り当てられた複数のキーを有するタッチパネルと、タッチパネルへのユーザ操作に応じて文字を決定する制御部と、決定された文字を表示部に表示する表示制御部と、を備え、制御部は、タッチパネルが複数のキーのうちの所定キーの触接を検知すると、所定キーに対応した子音を決定し、所定キーの触接後、所定キーからの離反、所定キーの所定時間接触、又は所定キーを基点とした所定方向への摺動を検知すると、その検知された操作に対応した母音を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、子音決定後の母音選択を、所定キーからの離反、所定キーの所定時間接触、又は所定キーを基点とした所定方向への摺動といった単純な操作で遂行することができるので、キー操作部自体の大きさやキー同士の間隔の縮小化に拘わらず、容易かつ確実に文字を選択でき、誤入力を低減することが可能となる。また、既存のキー操作部の配列をそのまま利用しているので、ユーザの操作感覚を維持しつつ、その操作性を向上することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点による携帯電話機は、テンキーを有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、テンキーのうち所定キーを触接することにより、所定キーに対応した子音が決定し、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、所定のキーに触接し、そのキーを基点とし所定方向へ摺動することにより清音文字入力が可能になるために、容易でかつ指の無駄な動きなく文字入力を行うことができる。
【0015】
また、本発明の一態様では、テンキーのうち所定キーを触接すると、「わ」、「を」、「ん」が選択され、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は基点として所定方向へ摺動することにより「わ」、「を」、「ん」の何れか1つが決定することを特徴とする。
【0016】
この態様によれば、清音のみならず撥音も入力可能な構成となる。
【0017】
また、本発明の一態様では、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反する又は所定キーを基点として上下左右の何れか一方へ摺動することにより、母音のうち何れか1つが決定されることを特徴とする。
【0018】
この態様によれば、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反する動作と、所定キーを基点として上下左右の何れか一方へ摺動する動作の計5つの動作を母音5つと対応させ、母音決定を行うことができる。例えば、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反する動作を行うことにより「a」の母音が決定するように設定を行った場合、子音「k」が対応している所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反する動作を行うと「か」の文字を入力することができる。
【0019】
また、本発明の一態様では、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反する
又は所定キーを基点として上下左右の何れか一方へ摺動することにより、「わ」、「を」、「ん」の何れか1つが決定することを特徴とする。
【0020】
この態様によれば、撥音を考慮した入力が可能となる。
【0021】
また、本発明の一態様では、母音が決定された後、さらに反時計回り方向または時計回り方向への摺動が検知されると、その摺動方向に応じて、決定された子音および母音からなる文字に対応する濁音、半濁音、促音、拗音のいずれか1つが決定されることを特徴とする。
【0022】
この態様によれば、タッチパネル上の連続した1操作で、容易かつ確実に濁音、半濁音、促音、拗音を選択することができる。また、反時計回り方向または時計回り方向へ指を切り返すだけといった感覚的な操作によって操作性が格段に向上する。
【0023】
また、本発明の一態様では、5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することにより子音が決定し、所定キーの触接後、所定時間以上所定キーの触接を続けることにより第1の母音が、所定キーの触接後、所定キーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、所定キーが3列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが3列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、キーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、所定キーが5行2列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが5行2列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、所定キーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、所定キーが1列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが1列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、所定キーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする。
【0024】
この態様によれば、携帯電話機に搭載された夫々のキーのタッチセンサが、そのキーに触れられているか否かしか判断できなくとも、かつ、キーの触接後の摺動する方向にキーがなくとも、子音を決定する全てのキーにおいて、キーの触接後に、指を上に摺動させると第2の母音が、右に摺動させると第3の母音が決定するようにユーザは感じ、容易に入力方法を覚えることができるとともに、隣接キーのみ用いた文字入力であるため、狭い範囲での指の動作により文字を決定することができ、文字入力速度上昇につなげることができる。
【0025】
また、本発明の一態様では、1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することにより子音が決定し、所定キーの触接後、所定時間以上所定キーの触接を続けることにより第1の母音が、所定キーが2行2列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが2行2列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、キーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、所定キーが3列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが3列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、キーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、所定キーが5行2列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが5行2列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、キーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、所定キーが1列目のキーである場合には、所定キーの触接後、所定時間以内に所定キー
から離反すること又は所定キーが1列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、キーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする。
【0026】
この態様によれば、1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を有する携帯電話機であったとしても、上記構成にすることにより上記態様と同様の効果を有することができる。
【0027】
また、本発明の一態様では、5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを押下することにより子音が決定し、所定キーの押下後、所定時間以上所定キーの押下を続けることにより第1の母音が、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーの上部に隣接されたキーを押下することにより第2の母音が、所定キーが3列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが3列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内にキーの右部に隣接されたキーを押下することにより第3の母音が、所定キーが5行2列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが5行2列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーの下部に隣接されたキーを押下することにより第4の母音が、所定キーが1列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが1列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーの左部に隣接されたキーを押下することにより第5の母音が決定することを特徴とする。
【0028】
この態様によれば、キーの押下により入力を行う携帯電話機において、子音を決定する所定キーの押下後、キーの長押し又は擬似的を含む上下左右のキーを押下することにより、どこに配置された子音決定のための所定キーにおいても、所定キーの押下後の母音決定の動作を同一にして同一の母音を決定することができる。同一動作により、同一の母音が決定できるため入力方法を容易に覚えることができるとともに、隣接キーのみ用いた文字入力であるため、狭い範囲での指の動作により文字を決定することができ、文字入力速度上昇につなげることができる。
【0029】
また、本発明の一態様では、1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを押下することにより子音が決定し、所定キーの押下後、所定時間以上所定キーの押下を続けることにより第1の母音が、所定キーが2行2列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが2行2列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内にキーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、所定キーが3列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが3列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内にキーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、所定キーが5行2列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが5行2列目のキーではない場合には、所定キーの触接後、所定時間以内にキーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、所定キーが1列目のキーである場合には、所定キーの押下後、所定時間以内に所定キーから離反すること又は所定キーが1列目のキーではない場合には、所定キーの押下後、所定時間以内にキーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする。
【0030】
この態様によれば、1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を有する携帯電話機であったとしても、上記構成にすることにより上記態様と同様の効果を有することがで
きる。
【0031】
また、本発明に係る携帯電話機の文字入力方法は、5行3列のキー配列又は1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することにより子音が決定するステップと、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより母音が決定するステップを有することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の他の観点による、タッチパネルへのユーザ操作に応じて表示部に表示する文字を決定する携帯電話機の文字入力方法は、タッチパネルが所定キーの触接を検知すると、所定キーに対応した子音を決定し、所定キーの触接後、所定キーからの離反、所定キーの所定時間接触、又は所定キーを基点とした所定方向への摺動を検知すると、その検知された操作に対応した母音を決定し、母音が決定された後、さらに反時計回り方向または時計回り方向への摺動を検知すると、その摺動方向に応じて、決定された子音および母音からなる文字に対応する濁音、半濁音、促音、拗音のいずれか1つが決定することを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係るプログラムは、5行3列のキー配列又は1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機を、夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接すると、所定キーに対応した子音が決定する子音決定手段、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定する母音決定手段として機能させるプログラムである。
【0034】
なお、上記プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介して提供されてもよいし、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な各種情報記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、テンキーを有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、テンキーのうち所定キーを触接すると、所定キーに対応した子音が決定し、所定キーの触接後、所定キーから離反する又は所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態にかかる携帯電話機の構成図である。
【図2】第1実施形態にかかる携帯電話機の機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態にかかる携帯電話機のタッチパネルを示した図である。
【図4】第2実施形態にかかる携帯電話機のタッチセンサを示した図である。
【図5】第3実施形態にかかる携帯電話機の構成図である。
【図6】文字入力時の動作フローの一例を示す図である。
【図7】第5実施形態にかかる携帯電話機を用いた操作入力を説明するための説明図である。
【図8】第5実施形態にかかる文字変換テーブルの一例を示した説明図である。
【図9】第5実施形態にかかる携帯電話機を用いた操作入力を説明するための説明図である。
【図10】第5実施形態にかかる携帯電話機を用いた他の操作入力を説明するための説明図である。
【図11】携帯電話機の文字入力方法の具体的な処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、第1実施形態に係る携帯電話機の外観図である。図2は、第1実施形態に係る携帯電話機の機能ブロック図である。以下に示す携帯電話機としては、携帯電話、PHS端末の他に、今後移動体通信網への無線接続機能の搭載が期待されるノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、カーナビゲーション、ゲーム機器、DVDプレイヤー等様々な電子機器を用いることができる。
【0039】
図1および図2に示すように、第1実施形態に係る携帯電話機は第1筐体1aと第2筐体1bを有し、ヒンジ部2でつながれている。
【0040】
第1筐体1aには表示部3を有し、キー操作部4を介して入力された文字や、画像、w
ebページ等を表示する。第2筐体1bは後述するタッチパネル5からなり、タッチパネル5にはキー操作部4が表示される。 キー操作部4は番号を入力するテンキー40、電
話を掛ける際に使用するオフフックキー41、入力した文字を消去する際に使用するクリアキー42、電話を切る際に使用するオンフックキー43、米印を入力するスターキー44、シャープキーを入力するハッシュキー45、メーラーやブラウザーを立ち上げるための付加キー46、47、カーソル移動に用いる十字キー48、決定キー49から構成され、ユーザによるキー操作を検出し、制御部に検出信号を出力する。
【0041】
マイク12は、外部から入力される音声を音声信号に変換し、制御部9に出力する。スピーカー11は、制御部9から入力される音声信号を音声に変換し、外部に出力する。
【0042】
表示制御部10は、制御部9の指示に従って映像信号を生成し、表示部3又はタッチパネル5に出力する。
【0043】
通信制御部6は、制御部9の指示に従って、基地局との無線通信を制御する。無線部7は、アンテナ、アンプ、フィルタ、ミキサ、変復調回路などを含んで構成される。無線部7は、通信制御部6の指示に従って、アンテナで受信される無線信号を受信データに変換し、その受信データを通信制御部6を介して制御部9に出力する。また、無線部7は、通信制御部6を介して制御部9から入力される送信データを無線信号に変換し、その無線信号を送信出力レベルにまで増幅してアンテナから送信する。
【0044】
記憶部8は、RAMやROMなどのメモリ素子およびハードディスク装置などの記憶装置の少なくとも一方を含んで構成される。記憶部8は、CPUにより実行される各種プログラムやそのプログラムから参照される各種情報を格納するとともに、CPUの作業メモリとしても動作する。
【0045】
制御部9は、たとえばCPUおよびCPUの動作を制御するプログラムで構成され、携帯電話機の各部を制御する。
【0046】
次にタッチパネル5について図3を用いて説明を行う。図3は第1実施形態における第2筐体1bであり、タッチパネル5として機能する部分を斜線で表している。タッチパネル5は画像等を表示するディスプレイと触接位置を判別するためのマトリックス・スイッチ等からなる。また、タッチパネル5の検知方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外遮光方式、超音波表面弾性波方式、電磁誘導方式、静電結合方式、音響パルス認識方式、画像認識方式等様々な既存の方式を用いることができる。さらに、表示部3に一体的に形成された光センサにより、表示部3表面に置かれた物体を認識する方式も本実施形態の技術範囲に属する。
【0047】
ユーザがタッチパネル5上のある位置を触接すると、その箇所におけるX軸とY軸の値が制御部9に信号として出力される。制御部9はタッチパネル5からの出力信号に基づき、ユーザに触接されたタッチパネル5上の位置の判別を行う。タッチパネル5のディスプレイに表示されたキー操作部4のキーの位置と、ユーザが触接した位置が同一の場合、タッチパネルから、キー操作部4のキーが選択されたものとみなし、制御部9に操作信号を出力する。
【0048】
文字入力において、タッチパネル5のディスプレイに表示されたテンキー402の位置を指で触れるとすると子音の「か」行の文字が選択されたことを示す信号が制御部9に出力される。テンキー402を触れた後、所定時間以内にタッチパネル5から指を離すことなくクリアキー42の方向へスライドさせることにより、母音の「i」が選択されたことを示す信号が制御部9に出力される。これら子音の「か」行の文字が選択されたことを示
す信号と母音の「i」が選択されたことを示す信号により、ユーザにより文字「き」が入力されると判断される。同様に、テンキー401が触れられることにより「あ」行が、テンキー403により「さ」行が、テンキー404により「た」行が、テンキー405により「な」行が、テンキー406により「は」行が、テンキー407により「ま」行が、テンキー408により「や」行が、テンキー409により「ら」行が、テンキー400により「わ」行及び「ん」が選択されたことを示す信号が出力される。テンキー400から409に触れ、これら子音が決定された後、所定時間以上同じテンキーに触れ続けることにより母音の「a」が、所定時間以内に触れたキーから上方向へ指を触れたままスライドさせることにより母音の「i」が、所定時間以内に触れたキーから右方向へ指を触れたままスライドさせることにより母音の「u」が、所定時間以内に触れたキーから下方向へ指を触れたままスライドさせることにより母音の「e」が、所定時間以内に触れたキーから左方向へ指を触れたままスライドさせることにより母音の「o」が選択されたことを示す信号が出力される。
【0049】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態を図面に基づいて説明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。さらに、同様の効果についても説明を省略する。
【0050】
図4は第2実施形態における第2筐体1bであり、キー操作部4に夫々タッチセンサを有する。タッチセンサを有する箇所を斜線で示す。また、キー操作部4がフレームレスである、即ち、隣接するキー同士が離隔していないキー配列を用いることもできる。
【0051】
第2実施形態における文字入力の子音決定は第1実施形態と同様に、テンキー400からテンキー409を指で触れることによって子音が選択される。
【0052】
次にテンキーを触れた後、そのテンキーを所定時間触れ続けることにより母音の「a」が選択される。
【0053】
またテンキーを触れた後、所定時間以内にそのテンキーの上部に隣接するキーを触れることにより母音の「i」が選択される。
【0054】
テンキー403、406、409に触れた後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー401、402、404、405、407、408、400に触れた後、所定時間以内にそのテンキーの右部に隣接するキーを触れることにより母音の「u」が選択される。
【0055】
テンキー400に触れた後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー401から409に触れた後、所定時間以内にそのテンキーの下部に隣接するキーを触れることにより母音の「e」の母音が選択される。
【0056】
テンキー401、404、407に触れた後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー402、403、405、406、408、409、400に触れた後、所定時間以内にそのテンキーの左部に隣接するキーを触れることにより母音の「o」が選択される。
【0057】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態を図面に基づいて説明する。上記第1、第2実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。さらに、同様の効果についても説明を省略する。
【0058】
図5は第3実施形態にかかる携帯電話機である。第3実施形態では図1における携帯電話機のクリアキー42が欠落した構造をしている。このような構造の携帯電話機においては、付加キー46が適宜クリアキーと同様な機能を有する。
【0059】
第3実施形態では第2実施形態と同様のタッチセンサ5の構成を有する。第3実施形態における文字入力は第2実施形態における文字入力とテンキー402における母音「i」の入力方法のみ異なる。
【0060】
テンキー402における母音「i」の入力は、テンキー402に触れた後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより「i」の母音が決定し、入力方法は第1実施形態と同様になる。
【0061】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。上記実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。さらに、同様の効果についても説明を省略する。
【0062】
第4実施形態にかかる携帯電話機は図1の携帯電話機と同型でタッチセンサを有さない。
【0063】
第4実施形態における文字入力の子音決定は、テンキー400からテンキー409を押下することによって子音が選択される。
【0064】
次にテンキーを押下した後、そのテンキーを所定時間押し続けることにより母音の「a」が選択される。
【0065】
またテンキーを押下した後、所定時間以内にそのテンキーの上部に隣接するキーを押下することにより母音の「i」が選択される。
【0066】
テンキー403、406、409を押下した後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー401、402、404、405、407、408、400を押下した後、所定時間以内にそのテンキーの右部に隣接するキーを押下することにより母音の「u」が選択される。
【0067】
テンキー400を押下した後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー401から409を押下した後、所定時間以内にそのテンキーの下部に隣接するキーを押下することにより母音の「e」の母音が選択される。
【0068】
テンキー401、404、407を押下した後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すことにより、またテンキー402、403、405、406、408、409、400を押下した後、所定時間以内にそのテンキーの左部に隣接するキーを押下することにより母音の「o」が選択される。
【0069】
図6は文字入力時の動作フローの一例を示す図である。図3に従って文字入力時の動作を説明する。携帯電話機が文字入力可能な状態のときに、テンキーが触れられる(ステップS1)と、清音の子音が決定する(ステップS2)。テンキーに触れた後、所定時間以内にそのテンキーから指を離すか(ステップS3)、上方向にスライドされるか(ステップS4)、右方向にスライドされるか(ステップS5),下方向にスライドされるか(ステップS6)、左方向にスライドされるか(ステップS7)判断が行われる。上記判断がなされれば、母音が決定し(ステップS8)、入力文字が決定する(ス
テップS9)。
【0070】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。上記実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。さらに、同様の効果についても説明を省略する。また、本実施形態においては、キー操作部4がタッチパネル5上で実施されているか否か、またタッチセンサを有しているか否かを問わず、その操作性のみを説明する。
【0071】
上述した実施形態では、キー操作部4に対する子音選択およびそれに引き続く母音選択によって清音の入力が可能であるが、本実施形態では、第4実施形態までに説明したその母音選択後のさらなる操作を通じて、濁音、半濁音、促音、拗音等様々な文字(特殊文字)を入力することが可能となる。
【0072】
図7は、携帯電話機を用いた操作入力を説明するための説明図である。ここでは、清音である「つ」を挙げてその変換処理を示している。まず、第4実施形態までに説明した操作により、子音「t」検知後の右方向へのスライド操作に伴い母音「u」が選択されたと仮定すると、携帯電話機は、この時点で入力された文字を「つ」と認識する。その後、ユーザが、キー操作部4から指を離すことなく引き続き円を描くスライド操作を行った場合、携帯電話機は、その操作を認識して、「つ」にさらなる文字変換を施す。
【0073】
例えば、図7(a)のように、「つ」が選択された位置からさらに反時計回り(左回り)に円を描くような操作を検出した場合、携帯電話機は、濁音「づ」を認識する。また、時計回り(右回り)に円を描くような操作を検出した場合、携帯電話機は、促音「っ」を認識する。
【0074】
かかるキー操作部4上の一連の操作により、容易かつ確実に濁音、半濁音、促音、拗音を選択することができる。また、反時計回り方向または時計回り方向へ指を切り返すだけといった感覚的な操作によって操作性が格段に向上する。
【0075】
このような清音から濁音、半濁音、促音、拗音への変換は、予め定められている文字変換テーブルを参照することで煩雑な計算処理なしに容易に実行できる。
【0076】
図8は、文字変換テーブルの一例を示した説明図である。ここでは、第5実施形態による文字変換の対象となり得る変換前文字(清音)に対し、反時計回り方向または時計回り方向の変換操作に応じて一意に文字が定まる。かかる文字変換テーブルでは、反時計回りならば濁音、時計回りならば濁音以外の半濁音、促音、拗音という原則が適用されている。ここでは、半濁音に付される円を描画した場合、右利きの大抵の人が時計回りの軌跡を描くので、その対応関係により、時計回りが半濁音であると連想でき、直感的に半濁音を入力できる。従って、その対照的な関係にある濁音もまた対照的な反時計回りで変換できることを連想でき、容易に変換することが可能となる。以下、濁音と半濁音とを選択可能な「は」行を例に挙げてその動作を説明する。
【0077】
図9は、携帯電話機を用いた操作入力を説明するための説明図である。例えば、図9(a)の図中中央に示すように「は」の文字が決定した後、さらに連続して反時計回りの操作を検出すると、文字は濁音「ば」に変換される。また、時計回りの操作を検出すると文字は半濁音「ぱ」に変換される。図9(b)〜図9(e)においても、図9(a)同様、反時計回り又は時計回りの操作を検知して濁音又は半濁音が選択される。
【0078】
文字変換テーブルでは、反時計回りと時計回りにそれぞれ濁音と半濁音を対応付けているが、その対応付けは任意に設定または変更することもできる。
【0079】
図7および図9を用いた説明では、文字変換を実行するトリガとして反時計回りおよび時計回りの操作を挙げているが、かかる操作に限られず、その操作に類似した様々な操作に適用できる。
【0080】
図10は、携帯電話機を用いた他の操作入力を説明するための説明図である。例えば反時計回りに完全な円を描かなくとも、図10(a)に示すように半円やそれに満たない円(半回転軌跡)によって当該変換操作を認識することもできる。また、図10(b)のように円ではない例えば三角形といった多角形の入力軌跡(多角形軌跡)でも当該変換操作を認識する。さらには、図10(c)のように、単に指を移動する方向を変化させるだけ(L字軌跡)でもそれが反時計回り方向なのか時計回り方向なのかを判断できれば当該変換操作を認識することができる。
【0081】
このような携帯電話機の文字入力では、複数の文字の連続入力が想定されるので、濁音、半濁音、促音、拗音への文字変換に反時計回りまたは時計回りの正円を要するとなると、本実施形態による容易な操作入力が却って阻まれる場合が生じ得る。本実施形態では、上述したように、半回転軌跡、多角形軌跡、L字軌跡を認識することで、完全な円を描かなくとも、誤認識を回避しつつ、確実にユーザが意図する文字を認識することができる。
【0082】
また、コンピュータを、第1実施形態から第5実施形態までに説明した携帯電話機として機能させるプログラムも提供される。
【0083】
(携帯電話機の文字入力方法)
以上、説明した携帯電話機を用いて文字入力を行う携帯電話機の文字入力方法を説明する。
【0084】
図11は、携帯電話機の文字入力方法の具体的な処理を示したフローチャートである。携帯電話機は、文字入力が開始されると、ユーザによる文字入力を待ち受け(ステップS20)、テンキー40へのタッチが検出されると(S20のYES)、そのタッチされたキーに基づいて子音が決定される(ステップS21)。
【0085】
続いて、そのユーザのテンキー40へのタッチが離反(リリース)したかどうか判定され(ステップS22)、離反していたら(S22のYES)、その子音の「あ」段の文字が当該文字入力の文字として決定される(ステップS23)。離反していなければ(S22のNO)、ユーザによるスライド操作が検知されたか否かが判断され(ステップS24)、スライド操作が検知されていなければ(S24のNO)、所定時間の押止を確認すべくタイムアウトが判断される(ステップS25)。ここで所定時間が経過していれば(S25のYES)、母音は「あ」段に決定する(ステップS26)。経過していなければ(S25のNO)、ユーザ入力の待機状態に戻る。
【0086】
ここで、タイムアウトを設けているのは、子音決定後のスライド操作が「a」以外の母音を選択するためのスライド操作か、母音を「a」とした上で本実施形態の濁音等を選択するためのスライド操作かが識別できないからである。そのキーからの上下左右の移動を伴わずに母音を「a」段に確定するステップS25のタイムアウトによって、所定時間経過する前のスライド操作は母音選択、所定時間経過後のスライド操作は母音を[a]とした上での濁音等の選択と判断することができる。また、かかるタイムアウトの判断を、所定時間経過する前のスライド操作は濁音等選択、所定時間経過後のスライド操作は母音選択と逆の構成を採ることもできる。
【0087】
そして、ユーザによるスライド操作が検知されていれば(S24のYES)、まず、そ
のスライド操作がテンキー40の上方向へのスライド操作であるか否か判断され(ステップS27)、上方向のスライド操作であれば(S27のYES)、母音は「い」段に決定する(ステップS28)。同様に、右方向であれば(S29のYES)、母音は「う」段となり(ステップS30)、下方向であれば(S31のYES)、母音は「え」段となり(ステップS32)、下方向でなければ(S31のNO)、左方向であるとみなされ、母音は「お」段となる(ステップS33)。
【0088】
次に、そのユーザのテンキー40へのさらなるスライド操作が検知されたか否かが判断され(ステップS34)、スライド操作が検知されていなければ(S34のNO)、離反されたかまたは所定時間経過しているかが判断され(ステップS35)、離反またはタイムアウトと判断されると、子音と母音によって示される清音の文字が確定する(S36)。
【0089】
そして、ユーザによるスライド操作が検知されていれば(S34のYES)、まず、そのスライド操作がテンキー40における反時計回り方向であるか否か判断され(ステップS37)、反時計回り方向であれば(S37のYES)、その文字が濁点の対象文字であることを確認し(ステップS38)、文字変換テーブルを参照して濁点に変換する(S39)。また、反時計回り方向ではないと判断された場合(S37のNO)、そのスライド操作は、時計回り方向のスライド操作であるとみなされ、その文字が半濁点、促音、拗音の対象文字であることを確認し(ステップS40)、文字変換テーブルを参照してそれぞれ半濁点、促音、拗音に変換する(ステップS41)。最後に変換後の文字を確定して当該文字入力を終了する(ステップS36)。
【0090】
また、このような文字入力中(文字確定前)に誤って隣接するキーに触れた場合、その操作を新たな文字入力として認識しないように構成することもできる。こうして誤入力が防止される。
【0091】
さらに、上述したタイムアウトの代わりに時間間隔の短い連続したタッチ(タップ)によってタイムアウトを待たずにタイムアウト後の処理に移ることもできる。
【0092】
以上説明した携帯電話機の文字入力方法によっても、子音決定後の母音選択を、所定キーからの離反、所定キーの所定時間押止、又は所定キーを基点とした所定方向への摺動といった単純な操作で遂行することができるので、キー操作部4自体の大きさやキー同士の間隔の縮小化に拘わらず、容易かつ確実に文字を選択でき、誤入力を低減することが可能となる。また、既存のキー操作部4の配列をそのまま利用しているので、ユーザの操作感覚を維持しつつ、その操作性を向上することができる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変換例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0094】
ここで、母音を決定するためにスライドさせる方向は上下左右に限られず適宜斜め方向を使用してもよい。たとえば「や」行の母音を決める場合には「a」を上スライド、「u」を右斜め下スライド、「o」を左斜め下スライドと設定してもよい。
【0095】
ここで、各キーにタッチセンサを有し、そのタッチセンサはキーが触れられているか否かのみを判別させる機能を有する場合は、たとえばキーの大部分が触れられた場合にのみ、触れられていると判定するようにするとよい。またキーの中央部にのみタッチセンサを設置するようにするとよい。このような構成にすることによって、スライドの際の誤作動
を防ぐことができる。
【0096】
本実施例においてはフレームを有するテンキー配列で説明を行ったが、これに限定されるものではない。
【0097】
本実施例においては、5行3列のキー配列又は1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有する携帯電話機について説明を行ったが、キー配列はこれに限定されるものではない。テンキーがランダムに配置されている場合においても短押し又はタッチ後上下左右スライドにより母音を決定することができるためである。さらに5行3列等の行列表現は厳密な意味での行列表現ではなく、行列中の1つ又は複数のキーが他のキーとくらべ、秩序立てて配列されていなくともよい。さらに行列中のボタンは同一形状である必要はなく、例えば図2記載の携帯電話機においては、1行2列目にキーが欠落しているとして、本実施形態では説明を行ったが、十字キー48を1行2列目のキーとみなし実施してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 筐体、10 表示制御部、11 スピーカー、12 マイク、2 ヒンジ部、3 表示部、40 テンキー、41 オフフックキー、42 クリアキー、43 オンフックキー、44 スターキー、45 ハッシュキー、46 付加キー、47 付加キー、48 十字キー、49 決定キー、5 タッチパネル、9 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
異なる子音が割り当てられた複数のキーを有するタッチパネルと、
前記タッチパネルへのユーザ操作に応じて文字を決定する制御部と、
前記決定された文字を前記表示部に表示する表示制御部と、を備え、
前記制御部は、前記タッチパネルが前記複数のキーのうちの所定キーの触接を検知すると、前記所定キーに対応した子音を決定し、前記所定キーの触接後、前記所定キーからの離反、前記所定キーの所定時間接触、又は前記所定キーを基点とした所定方向への摺動を検知すると、その検知された操作に対応した母音を決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
テンキーを有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
前記テンキーのうち所定キーを触接することにより、前記所定キーに対応した子音が決定し、
前記所定キーの触接後、前記所定キーから離反する又は前記所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯電話機であって、
前記テンキーのうち所定キーを触接すると、「わ」、「を」、「ん」が選択され、
前記所定キーの触接後、前記所定キーから離反する又は基点として所定方向へ摺動することにより「わ」、「を」、「ん」の何れか1つが決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
請求項1または2に記載の携帯電話機であって、
前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反する又は前記所定キーを基点として上下左右の何れか一方へ摺動することにより、母音のうち何れか1つが決定されることを特徴とする携帯電話機。
【請求項5】
請求項3に記載の携帯電話であって、
前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反する又は前記所定キーを基点として上下左右の何れか一方へ摺動することにより、「わ」、「を」、「ん」の何れか1つが決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項6】
請求項1または2に記載の携帯電話機であって、
前記母音が決定された後、さらに反時計回り方向または時計回り方向への摺動が検知されると、その摺動方向に応じて、前記決定された子音および母音からなる文字に対応する濁音、半濁音、促音、拗音のいずれか1つが決定されることを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することにより子音が決定し、
前記所定キーの触接後、所定時間以上前記所定キーの触接を続けることにより第1の母音が、
前記所定キーの触接後、前記所定キーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、
前記所定キーが3列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが3列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記キーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、前記所定キーが5行2列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内
に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが5行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記所定キーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、
前記所定キーが1列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが1列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記所定キーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項8】
1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することにより子音が決定し、
前記所定キーの触接後、所定時間以上前記所定キーの触接を続けることにより第1の母音が、
前記所定キーが2行2列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが2行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記キーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、
前記所定キーが3列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが3列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記キーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、前記所定キーが5行2列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが5行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記キーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、
前記所定キーが1列目のキーである場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが1列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、前記キーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項9】
5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを押下することにより子音が決定し、
前記所定キーの押下後、所定時間以上前記所定キーの押下を続けることにより第1の母音が、
前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーの上部に隣接されたキーを押下することにより第2の母音が、
前記所定キーが3列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが3列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記キーの右部に隣接されたキーを押下することにより第3の母音が、
前記所定キーが5行2列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが5行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーの下部に隣接されたキーを押下することにより第4の母音が、
前記所定キーが1列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが1列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーの左部に隣接されたキーを押下することにより第5の母音が決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項10】
1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを押下することにより子音が決定し、
前記所定キーの押下後、所定時間以上前記所定キーの押下を続けることにより第1の母音が、
前記所定キーが2行2列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが2行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記キーの上部に隣接されたキーを触接することにより第2の母音が、
前記所定キーが3列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが3列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記キーの右部に隣接されたキーを触接することにより第3の母音が、
前記所定キーが5行2列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが5行2列目のキーではない場合には、前記所定キーの触接後、所定時間以内に前記キーの下部に隣接されたキーを触接することにより第4の母音が、
前記所定キーが1列目のキーである場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記所定キーから離反すること又は前記所定キーが1列目のキーではない場合には、前記所定キーの押下後、所定時間以内に前記キーの左部に隣接されたキーを触接することにより第5の母音が決定することを特徴とする携帯電話機。
【請求項11】
5行3列のキー配列又は1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機であって、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接することより子音が決定するステップと、
前記所定キーの触接後、前記所定キーから離反する又は前記所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより母音が決定するステップを有することを特徴とする携帯電話機の文字入力方法。
【請求項12】
タッチパネルへのユーザ操作に応じて表示部に表示する文字を決定する携帯電話機の文字入力方法であって、
前記タッチパネルが所定キーの触接を検知すると、前記所定キーに対応した子音を決定し、
前記所定キーの触接後、前記所定キーからの離反、前記所定キーの所定時間接触、又は前記所定キーを基点とした所定方向への摺動を検知すると、その検知された操作に対応した母音を決定し、
前記母音が決定された後、さらに反時計回り方向または時計回り方向への摺動を検知すると、その摺動方向に応じて、前記決定された子音および母音からなる文字に対応する濁音、半濁音、促音、拗音のいずれか1つが決定することを特徴とする携帯電話機の文字入力方法。
【請求項13】
5行3列のキー配列又は1行2列目のキーが欠落した5行3列のキー配列を少なくとも一部に有し、清音文字入力可能な携帯電話機を、
夫々2行目から4行目又は5行2列目のキーのうち所定キーを触接すると、前記所定キーに対応した子音が決定する子音決定手段、
前記所定キーの触接後、前記所定キーから離反する又は前記所定キーを基点として所定方向へ摺動することにより対応した母音が決定する母音決定手段
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−93055(P2013−93055A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−19746(P2013−19746)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2008−195545(P2008−195545)の分割
【原出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】